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強い統一によるデモクラティック質量行列とレプト ン混合角

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Academic year: 2022

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(1)

強い統一によるデモクラティック質量行列とレプト ン混合角

著者 白野 宏昌

著者別名 Shirano, Hiroaki

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院自然科学研究科

巻 平成19年3月

ページ 9‑14

発行年 2007‑03‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/14579

(2)

氏名 学位の種類 学位記番号 学■位授与の日付 学位授与の要件

Ⅳ学位■授与Iの題目 論文審査委員(主査)

論文審査委員(副査)

白野宏昌 博士(理学)

博甲第751号 平成17年3月31日

課程博士(学位規則第4条第1項),

強い統一によるデモクラティック質量行列とレプトン混合角 寺尾治彦(自然科学研究科・助教授)

鈴木恒雄(総合メディア基盤センター・教授),

久保治輔(自然科学研究科・教授),青木健一(自然科学研究科.教授)

末松犬二郎(自然科学研究科・助教授)

Abstract

Ynkawacouplinglnatrixexplainstllehierarchicalmassesandlnixinganglesofquarksand leptons・Asthemodelwhichexplainstheorigi】]ofYtlkawacouplingmatrix,therehave

beenproposedvariousmodelsForexan]ple,FYoggatt-Nielsen(F-N)modelisthemost

well-known,andtherehierarchyOf、assesaregivenfrolnthebeginning・Whiledemocratic

mOdelcanleadtothellierarchyofmassesbydiagonalizinganalignedYUkawacoupling

matrix.…

InordertoexplainthedemocraticYUkawacoup]ingmatrix,itisgeneraltoconsider lnodelsbasedonfl肌orsymmetries・ButifweassulnetheS3symmetryastheHaN7or sylnmmetry,itisinconsistentwiththeexperimentalresultsofneutrinooscilationJNamely themodeldoesnotreadtolargemixinganglesinthe]eptonsector・Moreoverifwe considerSU(5)CUT,weCannotexplainthehierarchyofmassesinthequarksectorBut democraticmodelintroducedphenomenologicallyagreeswiththeexperimentaldataofthe mixingangles・ThefbreweconsidertorealizethedemocraticYUkawacouplingmatrix withoutusingtheS3symmetry、

Hereweapplythepropertyofstrongconvergenceoftherenormalizationgrouplfeach elementoftheYUkawacoupinglnatrixatPlanckscalestartsfromvariousvalue,and convergestothesamefixedpointatGUTscale,theYilkawacouplingmatrixelementScan bealinedSoweassumethestronggaugecouplingunifiedtheory・

Asaresultweexplainthedifferenceofmixinganglesinthequarksectorandinthe leptonsectorbyprovidhhganadditionalinteractiontotherighthandedneutrino.

(3)

学位論文要旨

YnkawacouplingmatrixはquarkやleptOnの質量の階層性や混合角を説明するが、Ynkawa couplingInatrixを説明するmodelとして、いくつかのmodelがある。例えば、Fh・oggatt‐

Nielsen(F-N)modelのように始めからYnkawacouplingmatrixに質量の階層性を与える

modelがある。

( )

EEE 643 EE 42 E3

F-ノVmodeル E1

一方、democraticmodelはYUkawacouplingを互いに揃えることによって、それを対角化

することで、質量の階層性を出すことができる。

111 111 111

ト'1

001

Democ7qtjc77zodel:

DemocraticYUkawacouplingmatrixを説明する立場として、フレーバー対称性を考える立場 が一般的である。しかし、フレーバー対称性として凡対称性を考えた場合、neutrinoSector のYUkawacouplingmatrixとして、対角的でない行列が考えられるため、neutrinosectdrの Yi1kawacouplingmatrixを対角化する行列は単位行列ではないので、Chargedleptonsector のYnkawacouplingmatrixを対角化する行列との関係から、MNSmatrixはlargbmiXing

angleにならない。したがって、mixingangleの実験と矛盾してしまう。さらにStJ(5)GUT

を考えたとき、quarksectorにおいて質量の階層性を出すためには、O(10-5)のparameter

の調節が必要となる。

しかし、democraticmodelはmixingangleの実験と合うので、S3対称性によらないで democraticYUkawacouplingmatrixを説明する方法を考えたい。

そこで、S3対称性以外の方法によってdemocraticYUkawaCouplingmatrixを説明する 可能性の1つとして、Planckscaleでの任意のYUkawacouplingが、GUTsCaleにおいて固 定点に収束することによって、democraticYUkawacOuplingmatrixが実現される、という

考えに基づいたmodelを考える。

yi1Iら,]も, Yb2Yi2rh2 昭吃聡 333

ト(

111 111 111

そのために、強いgaugecouplingを持つ統一理論を考える。

(4)

このような繰り込み群的性質によって、democraticYukawacouplingⅢtrixを説明する ためにSU(5)CUTに9つのHiggs場を導入するが、低エネルギーではHiggs場は1つで

なければならない。したがって、どの様にしてこの事を実現するかについて説明する。

9つのHiggs場をHノ(J=1,…,9)と定義して、Higgs場をmasslesslnodeHoを使って表 すために、Higgs場は

HノゴHノ+const.

の変換に対して不変であるとする。このとき、Higgs場のmasstermとして

99

m急EZ(Hj-HJ)2

J=1J=1

が考えられる。このmasstermの固有値は0,9m詩,9m芳,9m量,9m詩,91刀芳,9,分,9m詩,9m藷

である。これらの固有値に対する固有、odeを使って9つのHiggs場Hjを表すと、9つの Higgs場はそれぞれ、同じ係数のmasslessmodeと各Higgs場によって異なるmassivemode

の和によって表すことができる。

完Hb+(……・鮎)

HJ=

したがって、9m諸より低いエネルギーではmassivemodeは現れないので、9つのHiggs場

はすべて

完Hb

Hノー

となる。よって、低エネルギーではHiggs場は1つである。

NeutrinosectorのYUkawacoupling場合、upsectorやdownsectorの場合の様にPlanck scaleでの任意のYnkawacouplingがGUTscaleにおいて、自明でない固定点に収束すると、

、上Ij14 シ/1/2〆/3 111 、上1414 /1/2/3 222 Yi3Yh3Y33

H )

111 111 111

の様なdemocraticな形の行列になるので、chargedleptonsectorのYi1kawacouplingmatrix を対角化する行列との関係から、MNSmatrixはsmallmiXillgangleになってしまう。した がって、MNSmatrixをlargemixingangleにする可能性について考える。

(5)

MNSmatrixを]arge1nixingangleにするためには、GUTM」eにおけるneutrinosector のYukIwvacouplingⅢtrixをできるだけ対角行列に近い形にしなければならない。

もし、PlanckscaleでのYnkawacouplingmatrixの各elementが任意の値から出発して、

GUTscaleにおいて0に収束するならば、

Ⅲ( 1

1ユ11I上 涙/1/2/3 111 】'121221も2 昭L略 333 EnE21E31 E]2E22E32 E13E23E33 (E<1)

の様な形の行列になると考えられるので、GUTscaleでのYUkawacouplingmatrixの値は 初期値に依存することが分かる。したがって、初期値を決めることによって、largemixing angleを可能にする。

さらに、繰り込み群的性質によって得られた、GUTscaleでのupsector,downsectorの Ynkawacouplingの値を使って1-loopのRG方程式から得られる、electroweakscaleでの top,bottom,tauのYUkawacouplingの値を、実験から得られるtop,bottom,tauの質量と

比較する。

1-loopのRG方程式から、

Zノz~1.00,Z/b~0.94,Zノァ~0.62

となる。これらの〔

bottom,tauの質量これらのelectroweakscaleでのYUkawacouplingの値を、実験から得られるtop,

11judd

佃個個

yyy t67 ~178.9GeV

~4.5GeV

~1777.0MeV

fw。、Tmmm

と比較すると、

辿~1789GeV

yf

処~4:8GeV

【ん

<Hu〉

<Hd〉

となり、

<Hu>2+(Hd>2~(179GeV)2

伽β薑鵠-鵠~3?

(6)

となる。これらの値は、観測から得られる値と合っている。また、

〈Hd)=L~29GeV

〃7

とすると、

<H迦>2+(Hd>2~(179GeV)2

伽β-鵠=鶚Ⅷ

となる。このtanβの値は、観測から得られる値より少し大きい。

また、強いgaugecouplingを持つ統一理論を考えると述べたが、SU(5)GUTから予言

されるGUTscaleでのgaugecouplingの値はあまり大きくない。したがって、そのような gaugecouplingをどの様に実現するかについて説明する。

Planckscaleにおけるgauge群SU(5)'×SU(5)"がGUTscaleにおいて、SU(5)に破れ

るmodel

SU(5)'×卯(5)"弓SU(5)

を考える。SU(5)'のgaugecouplingを9',SU(5)"のgaugecouplingを9",SU(5)のgauge

couplingを9とすると、GUTscaleでのgaugecouplingは

豆百十ァァ

111

となる。大きいと仮定してきたgaugecouplingをgauge群SU(5)'に属するgaugecoupling

9'とし、9'>,"と仮定すると

-~-

9''2 92

と表すことができる。したがって、gauge群SU(5)〃に属するgaugecoupling9"がGUT

scaleにおけるgaugecoupling9程度の大きさであれば、実現できることが分かる。

(7)

学位論文審査結果の要旨

基本粒子であるクォーク・レプトンの階層的な質量やそれらの粒子間の混合を説明することは、物質の起 源を辿る興味深い課題である。さらに近年、ニュートリノ振動の観測からレプトン間の混合がクォーク間と は対照的に大きい事が分り、これらを含めた質量行列、即ち湯川結合行列を説明するモデルが盛んに議論さ れた。そして、中でもデモクラティック型の質量行列は現象論的に良く合うことが知られる。本論分ではそ の起源について考察したものである。この質量行列を対称性から説明付けるには問題点があることから、特 に対称性ではなく強いゲージ相互作用の必然的な結果としてこれを実現する可能性を調べ、超対称大統一理 論の枠組みで具体的な模型を与え、確かに現実的な質量行列が導かれうることを示した。特に、クォーク間 とレプトン間の混合の顕著な違いを、ニュートリノの特性による相互作用の違いに起因させる機構を与えた 点が新しい。参考論文は教員との共著であり、白野君は主に数値的解析に関する部分を担当し、必ずしも中 心的な貢献をしたわけではない。しかしながら、本論文では、現象論的な質量行列の考え方や問題点をまと め、それらを踏まえつつ新しく得られた研究結果について詳しく説明されており、学位論文に値するものと 判断した。

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