• 検索結果がありません。

小学校における道徳性育成のための心の教育総合プラン‐「話し合い活動」を通した道徳の授業づくりを核にして‐

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "小学校における道徳性育成のための心の教育総合プラン‐「話し合い活動」を通した道徳の授業づくりを核にして‐"

Copied!
88
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)小学校における道徳性育成のための心の教育総合プラン ー「話し合い活動」を通した道徳の授業づくりを核にして一. 教育実践高度化専攻 心の教育実践コース. M07309D 増井 眞樹.

(2) 小学校における道徳性育成のための心の教育総合プラン ー「話し合い活動」を通した道徳の授業づくりを核にして一. 目 一 次. はじめに I. 皿. 研究の背景と目的一 r心の教育」に関わる問題意識一 1 現状と課題. 1. 2 新学習指導要領における基本的な考え方’. 7. 3 研究の目的 研究の対象と研究方法 1 「心の教育」とは. 11. 1−. Q. 2 「心の教育」総合プランの構成 (1) プラン実施の領域・時間. 15. (2) プランの対象. 15. (3) プランの基本的な考え方. 16. (4) プランの研究方法. 17. 小学校における道徳性育成のだ苧の「心の教育」総合プラン. 1 道徳の時間 一(1) これまでの道徳の時間の課題. 20. (2) 年間指導計画の作成. 21. (3) 対話カガリキュラム作成と諫題(現任校の研究から〉. 21. (4) ハーバーマスのコミュニケーション的行為の理論 (5) 話し合い活動で深まる道徳の時間のプログラム. .24. 31. 2特別活動・ (1) 子どもが育つ話し合い活動のプログラム. 37. (2) 学級経営 (3) 人問関係の構築. 43. (4) 心のしくみがわかるプログ÷ム. 49. (5) 児童会活動. 55. 46. 3 総合的な学習の時間 (1)キャリア教育’. 58. 1V. 「心の教育」総合プランの留意点. 61. V. 「心の教育」総合プランの成果と課題. 61. おわりに. 資料 1 道徳教育全体計画. 2 年間指導計画(第1学年∼第6学年) 3 対話カガリキュラム. 64.

(3) はじめに. 校門の前で子どもたちを出迎えると,「おはようございます」と 挨拶の声が響く。一 ?ノは,正面ま.でやって来て,rおはようござい. ます」と言ってから,丁寧におじぎをする子どももい。る。年度初 めに作法の練習をする機会があり,その経験がそのまま’定着して いるの.である。..しかし,そうい一う子どもは低学年に多い。高学年. になると.学んだことが素亭に表現できないことがあるし・中分な. ?の型として表現される申合があポ長江の子干もたち!ま・挨拶 ができない」と言われるのは,子どもたちが,.納得して学」んでい ないからだ。.同じよう一に,今の子どもたちに道・徳性が身につか’な. かったのは,子どもたちが納得するような指導をして来なかった ことが原因ではないだろうか。 ’子どもたちが納得して主体的に活動し,より良し)一 w校生活を創. ることができる学校づく一 マを一めざしたいら. I研究の背景と目的_「心の教育」に関わる問題卓識_. 1現状と課題 一今日,核家族化,少子高幹化,情.報化,都市と地方の格差,雇 用形態の多様化一,政治経済のグローバル化等1,社会の急激な変化. に伴い,所得格差の拡大や家庭の養育力の低下が指摘されるよう になっ・てきた。また,.児童虐待や不登校,いじめ等の肝題行動も 依然深刻な状況・にあり,青少・年が抱える問題はより複雑化する.傾 向にある。. 今日の青少年の特徴を青少年問題審議会(1999)1は,次の4 つを挙げて」いる一。. ①社会の基本的なルールを遵守しようとする.意識が希薄である。. ②自己中心的で,善悪の判断に基づい一て自分の欲求や衝動を抑え ることができな一い。. ③言葉を通じて問題を解決する能力が十分でない。 ④自分自身に価値を見出し,自尊感情をもつ.ことができない。 一1一.

(4) これ・らの青少年の特一徴は,!0年が過ぎた今日においても,子ど. もたちの諸課題の基盤にあるものを的確に指示しているように思 える。. 学校では,年々rきまり」や校則が増える傾向にある。新しい ものが導入される年1こ,rきまり.」が増え,しかも禁’止事項が多く. なっている。コンーピュータが琴入されると取り扱い説明以外に, 「∼をさ.わら狂い」「∼を取らない一」「∼に入らない」という文言 が多くなるし,一 V具か設置されれば,「順番に使おう」「一飛び降り. ない」「逆に進まない」「おにご」っこをしない」一という言葉が溢れ ている。、. 「きまり」一というよりは,マナーを.事細かに書き上げている場. 合もある。特別活動の目標にあるr協.力してよりよい生活を築こ うとする」ζいうこ.とと,「自主的,実践一的.な態度」さえ,共通理 解されておれば,済む.こと’. ナはないか。子どもたちが,周りのこ. .とを㍗ないで・自己中心的に行動することが争い仁・めに・rきま り」は加速して増ネていくのである。 自己中心的な子どもの例一を挙げると枚挙に暇が無一し.、。・.. 基本的学習態度の指導力芦不.十分な学級では,「次のような子ども. が数多く見られる。. ①自己主張はす予が・他人㍗を聞かな∼ ②新しいものや教師が提示するものを一番に見ないと,気がすま ない。. ③テストや評価が,良一い点でないと,すねる。. ④授業中,自分は雑音を出しておいても,他人には許さない。 ⑤分担されている仕事は,さぼっても平気セあ亭。 ⑥自分の非は決して認めない。 更に,一保護者の責任と思えるようなものもあり;子ども自身へ. の指導が入りにくい上,子どもを指導するだけでは,解決しない 状況もある。. それでも,担任は,’該当の子どもと向き合い指導するが,子ど 一2一.

(5) もから返ってくる言葉は,rべうに」「知らん」「うるさいな」とい. う単語か,無視である。もちろん,友だち同士のトラブルが発生 した時も同様で,解決に至らないため,カッとなって,一手足を出 したり,物を投げたりすることが多い。ハサミやナイフを投げて,一一. 大怪我をさせた事案も見てきた。 上述の特徴が現出する家庭教育や学校教育が抱える諸問’題とし て,次のような諸点も指摘されている二 ①子どもに対する基本的なしっけがおろそかになっ.ている。 ②子どもたちが幼いころから・,多様な人問関一係を経験することが 少なく’なっている・。. .このことから考えると,先の4点の青少年の特徴1ま社会の念碑. な変化によってもたらされただけでなざ,家庭や学校における教 育にもその原因の一端一. 求めざるを得ないようにも思える。子ど. もたちの人間関係が希薄な.ものになるとともに,。干れに対して家. 庭や学校における教育はそれらに対抗する新一たな教育を打ち立て. ることができないできたのではないか。このことが,自らの考え を理解してもらおうと努力しない,多様な考え・方を受容できない 傾向を強くしてしまうごととなったのではないかと考え」ら一れるの である。. では,・新たな辞育とは,どういう教育だろうか。一 内閣府は,.20ρ8。(平成.20)年に「青。少年育成施策.大綱」2を策. 定し,今後の政府の青少年育成施策の基本理’念や方向を示した“. その中で,学校における道徳教育の役割は,以下のように明確・に 示して.いる。. 学童期の日常生活能力の習得においては,コミュニケーショ.ン 能力や規範意.識の育成として「思いやりの心,.自一分と異なる意見. を持つ者や異なる立場の者とめコミュニケーション能力,生命や 自鋒を大切にする心や他を思いやる優しさ,社会性,規範意識等 を.育てるため。二発表・討論存どの学習や道徳教育の充実,自然体. 験や集団宿泊体験等の体験活動の充実等,学校や青少年教育施設 一3一.

(6) 等における様々な機会の確保・充実を図る」とある。 一社会一的自立につながる活動機会の保.障については,学校での特. 別活動の推進として丁児童赤学級活動や児童会活動等の集団活動 を通して.1集団や社会の一員ξしての自主的,実践的な態度を身 に付けるため,学校における特別活動を推進する」・とされている。. 以上から,学校において,自然や宿泊体験等,様々な体験を言 語一化して,発表や.討論を行うことや,その発表や討論など,コミ ュニケーション.を一通して,多様な人間関係を経験することそのも. のが,一. ケ徳性を育てることになると考えられる。近頃,様々な分. 野で,コミ’ユニ.ケーション能力の育成の重要性について述べられ ていることからも,一層意を強くする。ところである。 さ一らに,コミュニケ一ションに対する家庭の。意識は,どうであ. やのか,一r生きる力」とコミュニケーションの関係はどうであるの か,.現任校の場合で考えてみると,「『生きる力』を育むために」. をテーマに全校保護.者懇談会(2009)を開催した。ところ,次のよ. ネ意見が出された。 一「生きる力」を育てるために,’家庭で配慮していることは,ど. う一. んなこと一でしようという質問に対して,①家族団簗を最優先して只 今日は家族と過ごす日と決均一る②家族で食事牽し牟がら会話一をす る③子ども一. ノ布きなことを見つけさせて,継続させる④自然体験. や文化的な体験をさせる一 D家庭で自分の役割を持たせる⑥父親を. 敬う⑦目上には敬語を使うという意見が出された。当日集まった 保護.者は1全校の10分の.1程度であったが,先のr青少年育成・. 施策大綱」に通じる内容であり,家庭においても;コミュニケー ションを大切にしていることを知ることができた。 以上から,・発言された保護者と子ど一もを思い浮か.べながら考え. 苧れることは,家族団雫の中でコミュニケーションを通して朕が 行われ,家族のより一 ヌい人間関係が・構築されるということであり,. また,より良い人間関係の中で,身美が行われるということが見え てきた。 一.4一.

(7) これを学校教・育に置き換えるなら,学級経営の中で,コミュニ. ケーション辛通して干きまりについて考え,より良い人間関係が 構雫亭れる・とともに,より良い人間関榛の中で,さまりや規範意 識が形成されていくとレ)一 、,双方向の関係一が.考え弓一れ,学校教育. に課せられた現代の課題である.ということである。。. 一5一.

(8) 注. 1青少年問題審議会rr戦後」を超えて一青少年の自立と大人社会 の責・任.一(答申)』1999年7月22日参照。. 2内閣府青少年育成推進本部r青少年育成施策大綱』2008年ユ2 月12日参照. 一6一.

(9) 2新学習指導要領における基本的な考え方. 1…午(昭和・・年!に特設されて以後・学胃指導要領r第一・章道 徳」は,時代の要請に応えて,幾度となく改訂が行われてきた。(参照」:. 表1 学習指導要領の変遷) 1970年∼:教育学におけ」る論議では,哲学的・抽象的在り方から現実. 主義への転換期にあたり,学校現場でも,教育の現代化が進み,地域や. 児叩実態に合わ芦て弾力的に進められ乍用容頂㍗整理され・ジレ 子マ授業乍ど新たな方法が開発された。また,子どもによる主体的な学 習が重視され,問題解決などを中心とする道徳の時間の実践がよく見一ら れた。. 1987年∼一:教育学の論調においては,言語論的転換の時期にあたり,. 学び方を学ぶ新しい教育観がテーマであった。しかし,道徳教育ではこ の課題は遂行されず,具体的な指導方法は,道徳的心情に共碑する資料 を扱う道徳の授業実践を見かけることが多かった。また,授業における 話し合レ)では,教師の発間に対して意見を述べる,教師と子どもρ一対. 一のやりとりがほとんどであって,自分とは異なる考えに接する中で, 自分の考えを深め,自らの成長を実感できるまでには,いたらないこと が多かっ一 ス。. 今甲改訂された小学校学習指導要領ヱでは,・. .①平成21年度より全面実施 ②道徳教育推進教師を中心にした指導体制の構築 ③年間指導計画の作成 ④道徳の授業公開 ⑤内合項目の変更追加一一. ・低学年のr集団や社会とのかかわり」に勤労観が追加された。」・ ・生命尊重が「自然や崇高なものとのかかわり」の(2)から(1)に入れ 替えられた。 ・高学年のr集団†社会とのかカ干わり」は,(1)キ体的(2)公徳心(3)差 別偏見の順番が(1)公徳心(2)差別偏見(3)主体的に変更された。. ⑥指導計画の作成と内容の取り扱いの追加 一7一.

(10) :各学年を通じて「自立心や自律性」「生命を尊重する心」を育てるこ とに配慮を追加一された。. ・「あいさつ」「善悪の判断」「規範意識」r遵法精神J「共生精神」「人. 間関係」「自旦め生き方」を発達段畔に応じて追加された。. ・体験活動を生かす指導に集団宿泊学習が追加された。 一・先人の伝司,自然一,伝統と皐化,.スポーツ等の題材を通し,児童が. 感動を覚える指導が新規に追加された。 ・自分の考えを書いたり話し合ったりするなどの表現を充実,異一なる 考えに接し,自分の考えを深め,.成長を実感させる指導が新規に追 加された。.. ;情報モラルに関する指導が新規に追加された。 以上が,現行からの変更点である。. その中で,今回,特に注目されるは,「指導計画の作成と内容の取り ・扱い」において,学校・学年段階ごとの重点化を図ることとし,「自立心」. 「自律心」「自他の・生命の尊重」を取り上げ,児童の発達の段階や特性な. どを踏まえ,規律を身につけることに重点を置いていることである。指 導にあたっては,自分の考えを基に’書いたり話し合ったりするなどの 表現する機会を充実させ,自分とは異なる考えに接する中で.,自分の考 えを深めさせ,自らの成長を実感させるよう工夫すると.記述されている 点にある。. 前述の①子どもに対す亭基本的なしっけがおろテかになっている② 子どもが幼いころから;多様な人間関係を経験する・ことが。少なくなって. いるという課題に対応する方策である。そして,コミュニケーション, 話し合い,討論を充実させて,r生きる力」を身に付けさせることを指摘 しているのである。. 一8一.

(11) 注. !文部科学省『小学校. 学習指導要領』2010.3. 一g一.

(12) 裏1. 昭和33年1958 人聞業量の着律. 平和的な国際社会に 貫載できる日本人を資 武. 学習指標果領(遣億〕の変遷におけるキーワード. 昭寿口43年1968. 人間業量の新神. 平和的な国誤社会に 貫縦できる日本人を書 成するため,その募越. 生…舌、時夢間麗も取リ. 地域キ主』巳量の実重副二. 入れ指標計画を弾力. 合わせて.弾力的1=. 口内は.渡連。. 昭和52年19η. 平成元年1989. 人聞業量の情榊. 人聞算重の積材.生 命たカプる長倣の念. 人聞■量の構“生命. 人問。量の掃神生命. 1二対する震識の念. 1こ対する長倣の念. 平和的な團聞社会に 貫載できる末茱多苫く 主体性のある日本人を 育成するため.その菱 機としての進続性を誓. 平和的な国際社会に. 平和的な国際社会1= 貫載できる日本人を育 成するため、その集盤 としての道徳性を誓う. としての遺漏性き整う. エ越は,次年産に削除された文言,瀞炊な,加重された文言。 『工成10幸F1998. 地続や児童の実態1= 合わせて.弾力的1二. 平和的な團聞社会1= 貫散できる圭〃姓のあ る日本人を育成するた め.その集機としての 進優性を誓う 必要1こ応じて韓カ的に. 平成20年2008. 2009,6. 貢献できる未来を拓く. 死量自らが成長を実 校長.教頭の参加 感出来るように工夫. う. 主体性のある日本人を 育成するため.その基 盤としての遣徳性を麦. 道徳教育推進教師. 遣億の時間の公開. 伝記.自然,伝統文 化.スポーツ. 悩みや夢藤などの心 の揺れ. う. 自然体験活動,ボラン ティア活動. 悩み.心の招れ.; 薦. 児資の自主性を真童. 自然体酸活動.ボラン ティア活動 内面1:根ざした道億個≡. 話し合い.説話.竈み 物.視聴覚,劇.実践 活動 発逮段階.健人差1=応 じた指菱. 日常生活の讐本約な 行動議制6). ■…1分自身.二間寸一る二と. 自分白島1二開する二と. {4・5・6〕. 雌〕(4〕. {中〕(5〕. {高X6〕. よ‘1こと名馬^にとの. 2且幽. あいさつ.きまり.害悪. 集団や社会のきま. の判断. り.助1†合い. 自分白島に際すること. (中〕(5). 雌〕{4〕. 5 貫厘を大動にし.進. 3屋励をし.良いと思うこ とは進んで. 自分でできることは 自分で,よく考えて. 1. 敗,創意工夫. 庁αL.節度ある生. (正邪書馬を〕判新{1. 3. 1〕. 腕. 11不正榊み・触独. 胞. 9不正を情み.算気. 質蛙納裏1創造能な生. 度.実表意欲{1.3). 度. 23鵬を壱たデ.公正公. 平. 19○見をもたず.公正公. 平. 値災とのオ、かわり(4〕一. 一一. o中){4). {高〕(4〕. 2婁撫幼い人や高. 14. 活態産=6). 民主的な圓表・社会の 成員としての遣種的態. 他人とのかかわり{4〕. 自然や業高なものとの. 自然や業高なものとの 角、カ、わり(3〕. 20広い心あ幽王. 后L.節度.節制. 正しいと糊断Lたこ とは.男気を持って. 他人とのかかわり(4〕. 3 自由を大切1こ.自律酌. て量産ある. (中〕(4). (高)(4). (中〕(3〕. (高X3). (中〕(6). (高〕(8〕. 逝た工1るλた親切に. ・{中)(3). 1. 丈. 生盾翌爆吻犬勿さを. 1勿μ自分の生盾を児. 2幼しゾや高嶋者やξ. 畿者に親切1二. オ、カ、わリ(3). {高X6). 活. 進撒的心錆.遣億釣. 7. 法.きまりの意義.支え 合う,集団にお1†る役 と. (高‘〕{3〕. 自然のすばらしさや 不思議に撒〃し.白. 然や動権物を大切. 自然や崇高なものとの カ、カ、オ〕り(3). 1(生命真重が11こなる〕. 1:. 21規則幽守 る. 集団や社会とのカ、か. 集団や社会とのかかわ. 4つり(3・6.8〕. り{4〕. 2捌・o見なくし.公 3正、公平,正■(高学 年〕. 36. 32. 産集経済の発展 系維重視. 期待される人間像66 敏書の現代化. 28. 14・18・21. 経済の安定化. 産桑柵遣の変化. ゆとりの時間η. 新しい学力観 自己教育カ. 投実時数目11演. 40人学設 死量生徒の開園行動 曼験競争 学的・抽量的から. 線しみ.2着を 15. ゆとりと充実τ6. 教書内容引選. 現実主業への転換. 4刃土のズ佐継励こ. いじめ.不登校. 言語始的転復 学ぶことを教える社会 の成り立ち 言書吾=コ…ユニケーシ…一:’. 生きる力 ゆとり 集礎・集本の定着 個性を生かす いじめ.不登峻. 学級崩場 公立学校への不信 自分擦し9フ. 自己実現97. 心の教育98. (中〕〔6). {高〕(8〕. 文化伝前.国、外∂ 差別・’i見なくし.公 ○のノしや;之佑きF大切3 正.公平,正業 に 1フ. 21. 心のノート記布13年 学校評価14年 生きるカ. 確かな学力03 費庭の教育カ90 地城の教育カ90 字びのすすめ02. 集団や袖=会とのカ、カ、 わり{5〕. 2 〃労銀.みんなのたあ に〃く. 2. 動労競.みんなのた めに勧く. 16. 18. 生きるカ. 自分の考えを基1二 ■いたり話し合ったり 真なる考え1=推する. 最低盤導 授業時維の増加 遺礎盤本の知識技能習得 思考カ・判断力・表現力 学習意欲・習慣 豊かな心.健やかな休. 考えを深め成長を実感 発達段階を踏まえて それぞれの段階の課田 を踏まえて 話し合い活動・討論 酒り合う=対話. 2. 差別・橋見なくし.公. 正.公平.正藏 21.

(13) 3研究の目的 家・庭においても学校においても,もちろ和社会においてもコミュニケ. ーションカを培うととが課題となっている。本校の研究においても,児 童のより良い人間関係の構築をめざし,対話力を身につけ・るこ.牟をテー. マとして取り組んでいるところであった。そこで,対芦力一・コミュニケ ーションカを育て,より良い人間関係を構築し,杜一会が要一請する児童の 育成.をめざすことが,目前の教育課題であると捉えた。 一方,急激な社会の変化の中で「も,とりわけ。団塊の世代の大量退職に一. よる教員の.交代に伴う学校教育の空洞化が危惧されている。実際,ここ. 数年,毎年2∼台人一の初任者が赴任しており,現任校においても,今年. 度,担任の63%が20ん3b歳代という状況であるg 若い教員が増えるとりことは・学校に活力がみ在ぎりゴ行事な.午の 教育活動が活気あるものになるというメリットもあるが,日々の授業や 生活指導においては,経験知が重要で,学校運営がスムーズに流れない 可能性がある。若い教員は,’凍護者から届く連絡帳の書き方も心得ず,. 児童の安全管理も行き届かず,教科の教材研究も疎かになっ一でいること がある。児童理.解の上に立ち,主体的な存在一として児童の成長をめざし. た教育内容や方法.を工夫改善しながら,経験豊かな教師から若い教師へ 確実に引き継いでいく必要がある。 そこで,まず,教育現場の現状を振り返り,課題を明らかにしていく。 学習押導要領の変遷にも見られるキうに=平育には・不易.蹄行がある。. 人間秤育としての基礎となるもの・つまり、・読合.書き’算や生命尊干 及び規範意識は,不易なるものである。これらは,先人がこれま.で築き. ‡けてきた教育的な伝統や文化であり,後世へ確実に継承しなければな らない。また・,人を育てていくための技術など,その時代の要請に応じ. た流行なるものもある。これらを整理し,新しく教職に邸く人にも実践 可能なように,小学校における「心の教育」総・合プラ・ンを考える。. 一11一.

(14) 皿研究の対象と研究方法 1「心の教育」とは. 中央教育審議会「幼児期からの心の教育の在り方について」答申 (1998)1において,以下のように提言された。. r未来に向けてもう一度我々の足元を見直そう」 (1)「生きる力」を身につけ,新しい時代を切り拓く積極的な心を育. てよう .(2)正義感・倫理観や思いやりの心など豊かな人間性をはぐくもう. (3)社会全体のモラルの低下を間い直そう (4)今なす.べきことを一つ一つ実行していこう. rもう一度家庭を見直そう」 「地域社会の力を生かそう」 「心を育てる場.として学校を見直そう」. つまり, 「心の教育」とは,正義感・倫理観,思いやりの心や規範意 識などの道徳性を育み, 「生きる力」を身に付けさせることと捉えてい. る。その方法については,言及しておらず,道徳教育を見直し,道徳の 時間を有効に生か一そうとある。. 道徳教育を見直すく㍗う点で,渡邊は,社会化市的道徳教育論の可能 性として,以下の4点を挙げている2。 ①従来の道徳教育は,個々の児童生徒に主観的心情のレベルにとどまる か,社会規範の伝達にとどまるかである。. ②ハーバーマスのコミュニケーション的行為理論に基づいて,個々人が 織り碑す関係の変容,集団.の質的な変容を目標に置いた道徳教育を考 慮すべきである。 ③話し合い活動は,常に学級がその基盤の上に存在している「規範構造」. の正当性の点検を個々人の意見ダ掲げている妥当性要求の吟味をと おして行うことである。 ④ 「正しさ」の根拠こそ重視すべき。この正しさの根拠が,社会的関・係. の基盤となっている「規範構造」なので奉る。 一12一.

(15) さらに,「心の教育」といったときの、「心」とは,子どもたち一人一. 人の身体の内側に想定されるものではなく,自我と他我とが相互交流の 中で作り↓げ.る共同世界としての精一神を指すのである。渡畢は重要なの. は,自我と他我との相互交流によって構築される共同世界存のであると 述べている3。. 幸た・道徳坤がそうであるように“M教育」.は・学校教育め全 領域・・時間で行われる.。. そこで,①道徳の時間②特別活動(学級.経営・学級活動・児童会活動). ③総合的な学習の時間の3つの分野を捉えて, 「心の教育」総合プラン. を考える。 (図1)ごの3つの分野での実践は,教科の領域における活 動にも通じるものである。また,3分野で共通して取り扱うからこそ, 「心の教育」が充実するものと考える。. 道徳g時間①. 道徳教育 ②③. 心の教育②③. 図1. 一13一.

(16) 注. 1中央教育審議会,『「幼児期からの心の教育の在り方について」(答申) 「新しい時代を拓く心を育てるために」一次世代を育てる心を失う危機. 一』1998年6月30日. 2渡邊満,「『道徳教育及び道徳授業の理論と実際』社会化論的道徳教育 論の課題と可能性」(講.義資料),2007年5月16日 3渡邊満「『心を育てる一』とはどういうことか」兵庫教育大学附属小学校 教育研究会編,一『教育のあゆみ』32号,2005. 一14一.

(17) 2「心の教育」総合プランの構成. (1)プラン実施の領域・時間. 「心の教育」総合プラン(以後,本ブラシという)を行う分 野としては,①道徳の時間②特別活動(学級経営・学級活動・・ 児童会活動)③総合的な学習の時間の3.つの分野を考える・。. 領域や時間の区別は,指導者に対するものであり一,子どもに・. とっては・学棒!手おける全領域.時間の区別なく学び?場であ るから,一教育実践は,全領域、・時間において一貫していなけれ. ばならない。教科の領域は,道徳の時間に準pて行うこと下, 全領一域・時間を網羅する。学級経営・は,道徳教育と同じように1. 全領域・時間ドかかわるやのであり,教育活動の基盤になうも のである。そして,道徳の時間は道徳教育の要であるこ、とから,. 本プランの核であると捉える(図2)。 道徳教育. ・総合的な 特別活一動 学級経一営. 道徳の時間. 学・晋の. 時間. 図一2. (2〉プランの対象. 一小学・校学習指導一変領特別活動g指導叶画の作成と内容の取一り. 扱㌣)において,児童会活動の運営は,主として.高学年の児童が 行うとある。発達段階から,学校全体を把握し,他の学年一への・. 影響力をもつのは,高学年だからである。そこで,本プランの 対象学年は,中学年以降に焦点をあてながら,全校生あるいは 学校の推進役となる最高学年へ向けてのプランーを考える。. 一15一.

(18) 学校の規範意識は,最高学年で決まると言っても過言ではな い。. 6年生.が全校生の模一範となりア下学年がそれに習うというの. が自然な形である。「きまり」やマナーを守らない下学年を6年 生が注意すると,コンプライアンス効果は.大きい。先生でない 高学年に注意を受けると.いうことは,新鮮であり,説得力があ る。. これが逆の状況になると,学校運営が難しくなる。教師の一指 導のと.おり,静かに廊下を歩いている一年生の横をダダダッと 走る6年生がいると,「6年生が,先生の言うことを守ってない」. と言いながら,自分は一生懸命静かに廊下を歩こうとしている. 子どももいるが,6年生の真似をする子どもが必ず出てくるの である。精力的に指導を強化しないと,その数は,しだいに増 加して.,学校全体ダざわざわとして,落ち着きヴなくなり,怪. 我も多くなる。その上rなぜ.,6年生は走るの?」rなぜ6年生 は走っていいの?」という下学年の素朴な質問の答に苦しむか らである。. そして何より,今日の青少年の特徴として挙げられて一いる規. 範意識の希薄化,自己中心的傾向,コミュニケーション能力不 足,自尊感情の低下への.対応策を考える上で.も,青年の入り口 に一. 「る第6学年への指導は重要である。さらに,第6学年につ. 章が.り,自’主性が芽生える第5学年,一策4学年への指導も重要. である。また,近年,第4学年で学級が機能しない状況(いわ ゆる学級崩壊)になること.がよく見受けられる。この時期に学 級崩壊をする一と・,よほど強力な体制を構えない限り,卒業まで 引きずることがある。.. 上記のような経験から一,4・5・q学年を対象としたプラン を考えていく。 (3)プランの基本的な考え方. ①教育基本法に示されているように,人格の完成をめざし, 一16一.

(19) 知・徳・体の。教育の目標のうち「道徳一心を培う」を目.標とする。.. ②学習指導要領道徳の目標であ.る,r道徳的な心情,判断力, 実践意欲・と態度などの道徳性を養う…とともに,r道徳的価.値. の自覚及び自一己一の生き方についての考えを深め,道徳的実践. 力を育成する」ことを目標とする。 ③ 特別活動の目標である「集.団の一員としてよりよい生活や 人.間関係を築こうとする自主的,一実践的な態度を育てる」こ と一を目標とする。’. ④キ記.の3点から,「道徳性の育成」「道徳的価件の自覚,自 己の生き方を考える」rよりキい人間関係一の構築」r自主的, 実践.的態度の育成」をめざ.して研究に臨む。 (4)プランの研究方法. ①学胃指導要領Fおける道徳教育の翠遷をみることを通して 課題を明らかにしてきたところであ。る。その結果,社会.生活一・. においては,コミュニケーションが一番大切である・というご 1とであることが見えてき仁。 そ・ごて,戦後の社会哲学者であり,現代一社会にも通ずる理. 論の提供者であるハーバーマスをとりあげることとした・。ハ ーバーマスのいう「コミュニケーション的行・為.」1とい」’うの. は,「了解に言一葉をつ牟うこと」,無意識のうちに’「理想的発. 話状況」を想定しながら,話し合うことである。話すご.とに よってめざすのは・欲望雫満たし1」。目的を達成干る・ためでな く,その「根拠」を明らかにし,一「.分かり.合える」ということ を互い1≒モデルとして干.会話・牢樟み重ねるというのである。。. 理想世界のようにも感一じるが,義務教育機関一であう小学校の. 児童に体験さ㌣・味わわも話㍗’の形を享ばせたいも.の である」。そうする.こ一とで,話し合いの中で,思いやりの心が 芽生。えてく・るのではないかと仮説を立て∴第4学年の一授業突. 銭を通して検証する。 ②特別活動(学級経営.・学級活動・.児童会活動)では,.学校・ 一17一.

(20) 評価の結果から,担任による指導・のあり方をさぐっていく。. また,日常の生活で決め付けたり思い込んだりしている事象 を集め, r・道徳的価値の自覚」一を促しrよりよい人間.関係」. づくりについて検証する。 「自主的・実践的態度」を育成す. るために,児童会の運営に際して,計画案づくりを指導し,. 主体的に活動できるかどうか児童会行事の企画立案・運営を 通して検証・する。. ③総合的な学習の時間では,r自己の生き方を考える」をテー マに,キャリア教育の実践を実施する・。. 一18一.

(21) 注. /ジェームズ・ゴードン・ラインリースン,(村岡晋一訳)『ハー バーマス』.岩波書店,2007. 一19一.

(22) 血小学校における道徳性育成のための「心の教育」総合プラン. 1道徳の時間 (1I)これまでの道徳の時間の課題. 現行の学習指導要領には,「道徳教育は.,学校の教育活動全. 体を通じて;道徳的な心情,判断力,実践意欲と態度などの道 徳性を養うこととする。道徳の時間にお.いては,以上の道徳教 育の目標に基づき,各教科,特別活動及び.総合的な学習の時間. における道徳教育と密埣な関連を図り牟がら,計画的,発展的 な指導によってこれを補充,深化,統合.し,道徳的価値の自覚. を深め,道徳的実践力.を育成するものとする」1とある。具体. 的には,道徳の時間は「自分の心を振り返り,自分の生き方を 考える時間」であるとし,多くの場合は,読み物資料を中心に,. 「共感し,自分の生さ方を考.える」r葛藤させ,自分の心の弱 さに気づく」「問題解決方法を探り,自分の生き方を考える」. 等,1958年(昭和33年)に特設道徳が導入されてから半世紀 .にわた?て,.こ一れらg方法による道徳の時間の実践は続けられ てきたσ. しかしな一がら,地域によ一ってば,道徳の内容項目は,徳目的 であるという批判などカミある中で.,道徳の時間が十分に研窄実. 残されなかった時代があった。おりしも,一社会は,経済的に豊 かになった反面,心の豊かさが軽んじ一られ,消費を美徳化し, 勤労意欲の低下,家庭の崩壊,青少年の荒れなどという現象が, 現れてきた。学校においては,いし一めや問題行動,不登校が課. 匙となってきた。また,この頃,人権教育の一環として,道徳 の時間には,読み物資料以外の教材を扱う学校が増えてきた。 写真,一ダイヤモンドランキング,福祉体験,役割演技(読み物. 資料の中で行うロールプレイセなく,『苦情を言う人』とr苦 情を雫ける人1とい.うように・役司演技そのものが教材)等・ 参加型の学習である。一目新しさに関心が集まり,児童生徒が興 味を持って授業に望む姿勢が見られ,道徳の時間を充.実したも 一20一.

(23) のであるように感じさせることちあった。しかし,ゲーム感覚 に捉えることもあり,自分の心を振り返ることや生き方につい て一考え,日常生活に返ることは,難しい面が見受けられること が多かった。. (2)年間指導計画の作成 .新学習指導要領てば,全体計画は,各教科等との関連を図り,. 年間指導計画においても,主題設定の理由も盛一り込むなど,よ り詳しい項目が求.められている。. 現任校では,従来の年間指導計画を検討,新学習指導要領の 内容項目をもれなく不り上㌣ず,加除訂正を加えて,作成に臨ん だ。 (年間指導計画参照) (3)対話カガリキュラム作成と課題(現任校の研究から).. 現任校では,地域の実態から見ると,各家庭の学習環境は整 っているが,受け身.の学習や遊びが多いことなどから,能動的 に時間を過ごしている様子は少ないとの’印象一を受ける。さらに,. .高学年になると,家族で過ごす時間が少なくなり,親子,兄弟. の家族としての会話も少なくなりがちのようである。学習面か ら見・ると,言われたことや課題がはっきりしていることは真面 目に行うが,自ら考え,自ら創り出そうという自発性や思.号する. 力が弱い。本校の子ども仁ちが主体的に,創造的に生き生きと 生活していくためには,自分の力で一 ィ事を処理していくこと,. 知識を積み重ねてい<ことに加えて,自ら考え,創り出し,交 流していく一. ¥動的な力を身につけ下いくことが求められている. 2。. これらの児童の実態とこれまでの研究から,与えられた課題 に真面目に取り組み,学習内容の定着カ亨ほぼできている児童を 前にして,「.身につけた学び方一を活用し,意欲的に自分らしく捉. え直して相手に伝えていく力を伸ばす」ことに重点を置いて指 導していくべきであると考えた。そこで;学習に関する実態を 見直し,教科等を貫く能力の観点から身に付けさせたい力を考 一21一.

(24) えていくこととして,課題追究力,思考力,自己表現力に重点. をおいて研究を進めたが,3つの能力の相互関連がつかみにく かったという課題に加.え・甲し合いの中で考えを深均広げてい く力が,子どもたちに必要で」ある一ことが明らかになった。. .対話力とは,「相手を意識し,目的をもって話したり聞いたり して,一. ト考する力」ととらえること1…した.一己の考えを発信. するだ一けでなく,・協力し合って相互作用的に話し合い,考えを 創り上げること一を意識して指導していくこと」とした二. ・児童の実態把握から始めて,本校独自の低・中’高学年.の対. 話方の系統性を図り,カリキュラムを作成し,実践を重ねた。 .(対話方ガリキュラム参照). .その結果,①子どもたちが,楽しく声を出したり,恥.ずかし がら・ずに話したりするよう、になった。②子・どもたち同士が認め. 合い,アドバイスを再考して改善する姿が見られる.ようになっ た。・③資料を基に自分の考えを作ろうとする姿が見られた。④. r生懸命学んだ≒いう達成曄が見られた縫目標に向かって学 召し,相手を意識して話す姿が見られた。 さらに,カリキュラムの加除訂正を年度末,年度始めに一繰り一 返した。. しかし,カリキュラムの内容は,形式的なことが多く,対話 の内容について俸,不†分さが感pられた。 そこで,以下の内容を付け加え,対話の内容を充実させ,対 話.力を育てる授業の創’造をめざして各教科r領域の授業実践を 進めていった。. 理由を含め,自分の考えを話す。(1∼3学年) 自分の考えた孕由宇話す。(..4学年). 自分の考えの根拠を明らかにして,筋道を立てて話す。(5学年) 根拠を明確にして,論理的に話す。(6学年). 一22一.

(25) 注. 1文部科学省『小学校 学習指導要領』2010.3 2芦屋市立山手小学校「授業研究推進方針」2008. 一23一.

(26) (4)ハーバーマスのコミュニケニション的行為の理論. ハーバーマスの主張に, 「.ただの意見」を「公論一」として熟成する. 一こととある。 「公共性は,それ自身の理念によれば,その中で原理的. に各人が同じ機会をもって各自の好みや願望や主義を申告する権利 をもったというだけでは,民主主。義の原理となったのではない。この. ようなものは,ただの意見(opinionS)にすぎない。公共性は,これ. ら個人的意見が公衆の論議の中で公共の意見,公論(Opinion pub1ique)として熟成することができたかぎりでのみ,実現されえた のである」1。また, 「発話行為の語用論・的な意味は,その発話行為. が対話者たちのあいだに一つの共有された相互主観的なコンセンサ ス.をつくりあげるその仕方の’うちにある。発話行為がこの働きをする. のは,発話の意味というものが一連の『理由』にもとづいているから だ。さらに,行為や発話や命題の意味は本質的に公共的・共有的であ り,そして,それがそうであるのも,意味が理由に依存し,理由が本. 質的に公共的・共有的だからだ」2。というハーバーマスの理論から 考えると,ある出来事や内容に対しての対話の中で,その理由を明ら かにすることを通して,共潭理解㌧相互理解し,よりよい人間関係が 構築される。そして,正しさ早こっいての根拠の中に正しさについ下の 考え方が示されていることから一,討議の申で,自分が作り上げられて. いき,規範意識が育つものと考える。改めて注視すると,学校生活の 中では, rただの意見」め羅列が多い。 rただの意見」.をr公論」に するためには,意見の一 「議が必要である。そして,充実した討議のた. めには,意見の根拠が重要である。子どもだ一ちが主体的に話し合い活. 動をできるようになるまでに,指導者は子どもたちの意見の根拠を引 き出しながら一 C意見と意見を絡ませる作業をしなければならなレ)ので. ある。つまり,正しさについて,根拠を持って追求し,よ.り良い生き 方を探るのである。. また,「理想的発話状況」を可能にする条件をハーバーマスは3つ 挙げている3。 ①真理性②正当性③誠実性である。 r真理性」とは, r客観的世一界」でその発言が正当であること。 一24一.

(27) r正当性」とは, r社会的世界」でその発言が正当であること。 「誠実性」とは, 「主観的世界」でその発言が正当であること。. ハーノ下「アスは,建設現場で,年配の人夫が年若の新参の仲間にビー. ルを急いで取りに行って,数分以内に戻ってくるように言いつける例を 挙げている。この命令行為をまわり・にいるものが,了解し.ているような. ときは,客観世界セ正当であり, 「真理性」があるというのである。ま た,一ある者が他の者に何かを要求することが許されている,行く時間も ある.,空間的にも可能であるように,社会的レ。ベルで実現可能な場合に,. 社会的世界で.「正当性」がある一というのである。一主観的世界での「誠実. 性」は,この年若が年配の人夫の命令を最終的に受け入れるということ である。. 授準.中,声の小さい子ども.に対して, 「もう少し大きな声で言ってく. ださい」という発話を考えてみると, 「真理性」があり,客観的世界で 正当セある。声が小さいと聞こえないとい」う理由があり,みんなに聞こ えるためにはもう少し大きな声が必要だという根拠がある。 r正当性」 では,その子は,出そうと思え.ば大きな声が出せることをまわりのみん なが了解している場合,社会的世界で正当である。一 サの子が実際に大き. な声で発話した場合1主観的世界で正羊で, r誠実性」だというのであ る。しかし,その子が何らかの事情で,大きな声を出せない時, 「正当 性」でないと言える。そして,その子自身に声を大きく一 oす意志が無い. 場合には, r誠実性」でないといえる。私たちは無意識のうちに発話に 「真苧性」があるのか・「正当。性」があるのかを常に判断し卒がら,話し. 合い活動を展開しているのだ。一これが,.渡邊の言うr r規範構造』の正. 当性g点検を個々人の意見が掲げている妥当性要求の吟味をとおして行 うこと」である。学校生活の中で.の発話状況を観察していると,「真理性」. はあっても「正当性」が無い場合やが「真理性」 「正当性」があっても. 「誠実性」が無い場合がある。理想的発話状況を作り出すことは,大変 難しいことである。. ハーバーマスは,討議のルールを無矛盾性の原理,誠実性・説明責任 一25一.

(28) の原理,討議の過程を強制や抑圧や不平等から守るという3つのレベルを. 認めている。また,誠実であること,自らの発話を正当化すること,矛 盾したことは言わないこと,他の参加者を排除しないことを,討議に参 加する人は,暗黙の前提とせざるを得ない,とある。4これらは,ルー ルというよりは,r当たり前のこと」ではないか。(当たり前のことを当. たり前に行うこと)討議を通して,規範意識が育つということは納得す るところである。. また,ハーバニマスは表2の・コールバーグの道徳性発達の理論を支 持している。コールバーグ5が,授業について一貫して主張してきたこ とは,. ○オープンエンドのモラルジレンマ資料で考えさせること。. ○自己の考えや期待と矛盾する他者の視点を意図的に取り入れ,そ れらを統合して解決を図る「役割取得の機会」を個人の思考過程 に組み込むこと。 である。. 表2. コールバーグの道徳的発達段階 レベルA 前慣習的レベル. 第1段階 懲罰と服従の段階 〔段階の内容〕. 規則や権威に盲目的に服従すること,懲罰を避けること,そして物理 的に危害を加えないこ・とが正しいとされる。. 1 規則を破らないこと,服従ゆえに服従すること,そして他人や組入 の持ち物に物理的危害を加えないことが正しいとされる。. 2 正しい行いをする理由は,懲罰を避けるため,そして権威を持った ものがより優位した力を持ってい.るため。. 第2段階 個人的道具的自的と交換の段階 1 誰かの直接の利害に合致するときに規則に従うことが正しいとさ れる。自分自身の利害や必要に合致するように行為し,他人にも同じこ とをさせることが正しい。また公正であること,すなわち,等価の交換, 一26一.

(29) 取り引き;協定となることも正しいとされる。・ 2 正しい行い宇する理由pま,他人も.それぞれの未口害を有すると認めざ るをえない世界で,へ自分自.身の必要や利害を追求することにある。. レベルB 慣習的レベル 第3段階 一共同の問= 人格的期待,一 ヨ係そして同調の段階 〔段階の内容一〕. 役割を適切に(上手に)はたすこと,他人や彼らの感情について配慮す ること,仲間に対する忠誠心・信頼関係を持つこと,規則や期待に従う よう動機づけられ・・てい・ることが正しいこととさ一れる。. 1 身近な人々に期待されたこと,あるいは息子1姉,友人導の役割と して一般に期待されることに従って行動することが正しいとされる。 《書きものだ.ること》が重要で,それは,善い動機を持つこと,他人に. 対する配慮を示すことを意味する。それはまた,たがいの関係を維持す ること,一信頼関係,忠誠心,尊敬,恩義を保つことを意味する。.. 2 正しい行いをする理由は,自分自身や他人の目.によく映りたいと望 むため,他人を気遣うため。それは,もし他人の立場にあるとしたなら, 自分自身から善き行動を望むだろうからである。 (黄金律). 第4段階 社会」システムと良心の保持の段階 〔段階の内容〕. 社会における義務を果たすこと,社会秩序を保つこと,そして社会ない し集団の福祉一を維持することが正しいこととされる。 1 一般に同意さ一れた現行の義務を果たすこと一が正しいことである。法. 律.は,他の固定的な義務や揮利とコンフリクトを起こすような極端な場 合を除いて守らなければならないとされる。. 2 正しい行いをする理由は,制度の全体を維持するため,あるいは; 《それを誰もが行ったなら何が起こるか》の結果を考慮する仁め。. レベルC 脱慣習的な原理に導かれるレベル 道義上の決定が,正義,価値ないし原理から発生するが,この正義,価. 一27一.

(30) 値ないし原理は,公平で有益な実践をなすように構想された社会を構成 し創造する諸個人すべてが賛同する(あるいは賛同しうる)ものである。. 第5段階 優先的権利と社会契約な一いし効用の段階 〔段階の内容〕. 社会の基本的権利,価値そして合法的契約が,その集団の具体的規則や 法律とコンフリクトを起こす場合でさえ,それらを維持することこそ正 しいこととされる。。. 1 人々はさまざまな価値や意見を有しているという事実,そして大抵 の価値や規則はある集団にとって相対的である」という事実を自覚して. いることが正しいとされる。しかしこれらの《相対的》規則は,不偏不 党の立場からみて,そしてそれが社会的契約であるという理由で,通常 守るべきものとされ亭。しかしながら,生命や自由のよ.ラな相対的とは. いえない価値や権利は,社会のいかんにかかわらず多数の意見を無視し てでも守らなければならないとされる。. 2 正しい行いをする理由は,一般に,法律に従うという義務感にある が,それはすべての人々の善のために,そして自分白身と他人の権利を 守.るために法律を作りそれに従うという社会契約をすでに行ってい.る. からである。また,家族,友情,信頼そして労働義務は,自由に参入し うるコミットメントないし契約であり,他人に対する尊重を伴う。法律 や義務が,全体の効用の合理的計算に基づい.ていることを配慮する一す なわち《最大多数の最大善》である。. 第6段階 普遍的倫理の原理の段階 〔段階の内容〕. この段階は,人類すべてが従うべき普遍的倫理の原理による導き牽想定 している。. 1 第6段階は普遍的倫理の原理に導かれているが,正しいことは何か はこのことと・関連している。個別的な法律や.社会的合意は,そうした原 一28一.

(31) 理にもとづいて場合に限って行為する。この原理とは,正義の普遍的原 理である。人間の権利の平等と,個人としての人間の尊厳を重んじるこ とであ・る。これらは,たんに・承認された価値ではなく,個別的な決定を 産み出すの事こ用いられる原理である。. 2 正しい行いをする理由は,理性的人間にとって,原理の妥当性を確 認し,これにコミットするようになることにある。 ・段階の移行は常に前進的であり,後退することはない。 ・子供は段階を一つ一っ登って」いく。飛び越えて発達することはない。 ・どの文化圏の子どもでも発達順序は同じ。. 渡邊は,最も重要なことは,ハニバーマスのr一ミュニケーション的 行為」とコー一ルバーグの「道徳性発達」の理論の両者を結合した教育と 学習のかた・ちを探ることである。話し合い活動によ’ チてより合理的な根. 拠を持つ解決を与えていく取組を行い,そこでは,道徳的価値は,与え られるものではなく,子ξもたち自身が,道徳的畔題の解決に取り組む 中で獲得することとなる。と述べているように,実際の具体的な児童の 姿で, r話し合い活動」を検討し,目の前の子どもの実態にあった道徳 の時間のあり方を考察する。. 一29一.

(32) 注 1−. i.ハーバーマス著,(細谷貞雄訳)『.公共性の構造転換』未来社,1973 2J.Gフィンリースン著,(村岡晋一訳)『ハーバーマス』 岩波書店,2007,. p56. 3 ユルゲン・ハーバ㌧マス著,(丸山高司,丸山徳次,厚東洋輔,森田数実,馬場 孚瑳江,脇圭平記。)『コミュニケーション的行為の理論(下)』未来社,1987,. p19. 4 J.Gフィンリースン著,(村岡晋一訳)『ハーバーマス』 岩波書店, 2007,. 5ユルゲン・ハーバ㌧マス著,(三島憲一,中野敏男,木前利秋訳)r道徳意識とコ. ミュニケーション行為』岩波書店,1991,pp189∼197. 一30一.

(33) (5)話し合い活動で決まる道徳の時間のプログラム. 小人数のグループディスカッショ1ン,パネルデノスカッション,デ. ィベートなどは,教師が適切な助言を加え,児童の積極性や主体性牽 引き出し,問題解決能力を育成する上で大きな効果を持つと期待され ていた。しかし,単に子どもだ・ちが感情をぶつけ合ったり,思いを声 高に言い合っ走りするだけの・展開に陥ってしまうことがあり二批判す る声も聞かれ一でいる。一道徳の時間における実践でも,意見の羅列が多 く,一」絡まり合いがなかなか見受けられないのである。コミューニケーシ ョンとは,複数間の相互作用であり,授業一.の場では,合意形成一が一番. の課題である。羅列に終わっているかぎりで一 ヘ,、合意形成は難しく, 話し倉い活動の.中で自分が作り上一げられる」ということにはならない だろう。. 話し合い活動の目的を明確に指導し,児童。の意見がより絡まり合う 場面設定のある授業づく一りが必要一である1。. プログラム 【学年】’ 謔S学年以上. 【時期】学期に1回 【時間】道徳の時間 【資料】話の中心に葛藤場面のあるもの 【展開】①論点を明らかにする一 ②(ワークシート)判断の.理由を選んで,発表させる. ③論点がわかるような板書の工夫一する. ④判断がわかりやすいように,赤白帽や札で工夫する ⑤児童を判断のぎりぎりのところまで追い込む. ⑥最終判断を書かせる 【留意点】O話し合い活動のプログラムとセットで行う。. ○話し合いの目的,’ルールを共通理解. 一31一.

(34) ①論点を明らかにする. 児童の意見を絡ま・せるためには,論点を明らかにしなければなら ない。.r主人公は,どうするのがよかったのでしょうか?」からr主. 人公は,○Oするのかしないのか,どちらがよかったのでしょう カ、?」へ収飲させ,主要発間にする。. ②(ワークシート)判断の理由を選んで、発表する. 最初,児童に自一由考えさせ;様々な意見を出させるほう・が,よい (豊かな)話し合い活動になるのではと考えた。一しかし,一筆者が授 業参観を繰り返す中で.,児童に自一由に琴宙を考えさせる場合には,. 教師の資料解釈が十分でないことが多いことが見えてきた。指導案 の予想される反応の咋判断・竿由づけカ!+分に記載されていない ρだ。. やはり,児童に出会わせたい道徳的判断とその理由を事前に用意 しておく必要がある。そして,この資料解釈・資料研究が最も重要 であり,難しい作業である。淀澤が講義の中で言う「資料を絶えず 説もう」という意図がそれ.である。. 児童ド自由に理由を考えさせる場合,教師が求める理由づけが。出 てこない場合がある。そのときは,教師から投げかける必要がある。. 現任校での実践の場合,教師からの投げかけがうまくセきず,「児 童からは,出なかった」に終わってしまった。教師の研究も不十分 で,児童の思考も高まらないまま授業が終わるのである。このよう な状況を一打開するためには,あらかじめ理由を書き出しで;選ばせ. る方がよいと考える。児童は1自分が考えなかった理由に触れて, 理由の根拠を考え始めること・だろう。また,表3のように根拠を述 べる話型を提示することで,児童は,理由をつけ・る話型を意識し, 発言が活発になる。. 一32一.

(35) 表3 理由(根拠)を述べる話型 ①「私は(僕は),∼です.。理由は(なザかと言うと),∼だからです。」 ②・r私は・(僕は),賛成ですJ畢宙は一(なぜかと言二うと)・∼だからですr」. ③「私は(僕は),反対です。理由は(なぜかと言うと),∼だからです。」 ④「私は(僕は),賛成ですが,一 摎Rは違います。∼だからです。」 。⑤.「私は(僕は),’反対ですが,理由は違います。∼だからです。」一. ⑥r私も(僕も)賛成で,っけたしです。∼だから一です。」. ⑦「私も(僕も)反対で,つけたしです。∼だからです。」 ③論点力下わかるような板書の干夫. 板書を見ることで,論点や判」断の一理由が整理され,自分の考.えを. 深めたり,。考えを変更したりすることができる。. ④判断がわかりやすいように,赤白帽や札で工夫する. 自分の判断を明ξかにし,友だちの判断を理解しやすくするため ・に,自分の判断一を赤白帽や札で示す。考えが奉ったこともわかりや すい。. ⑤児童を判断のぎりぎりあと…ろ幸で追い込む 実際の一 カ活の中では,中庸だとか,あいまい牟判断が多く見られ. るもめだが,道徳の時間には,.葛藤場面の.判断を整理し,理由を考. えさせる」。理由を聞きながら,考えを深めたg,考えを変えたりす. る。. ⑥最終判断を書く 最後に判断し,一理由を明確にする一・。い・ずれの判断にもふくまれて・ いる一理由にも気付かせる。. 一33一.

(36) 実践例. 第4学年 主題名=思いやりの気持ち・. 資料=おばあち毛んの指定席 発問1「ゆう子はどうするのがよかったのでしょうか」. 価.値の判断・理一由づけ. 譲る. 譲ら一・ない. 第1段階. ・おばあちゃんもわかってくれる. ・おばあちゃんが悲しむ. 懲罰と服. ・おじさんがか一わいそう. 」おばあちゃんに叱られる. 往の段階.. ・まわりの人から冷たい目. ・おばあちゃんが立ってし. で見られる.. ま1うことになる・ので,譲れ ない. 第2段階. ・足を怪我した人が優先. ・おばあちゃんを裏切る気がす. 個人的道一. ・足を悸我した人のほうが. る一. 具的目的一. 大変だから. と交換の一. ・譲、らなかったら後悔する. 段階. ・おじさんが嫌な気持ちに. ・約束牽守りたい. なる. 第3段階. ・.おばあちゃん.にかわれ.る. ・おばあちゃん・との約束.を. 共同の間. くらいな一 轣Cおじさんにも. まわりの人が理解してくれ. 人格的瑚. かわるだろう. る。. 待,関係そ. ・まわりの木にほめられる. して同調. ・困っている人に席を譲る. の段階. のが正しいと社会の人は思. ・高齢者に席を譲ろう.とし.. ていることをわかってもら える一. っている. 理由を付して意見を述べるとし干うことで,意見が活発に出され,話し 合い活動が活性化された様子は見えた。. 一34一.

(37) しかし,担任は,指導案に,ゴシックにした理由づけしか記載してい. なかった。授業では,児童から, r譲る」一の理由づけにrおばあちゃん …こかわれるく.らいなら,おじさんにもかわるだ.ろう」という意見が出さ. 化・こg理申づけ一は・1咽ってし’る人に席を譲るのが正しい午社会の 人は思っ’ている」や一「高齢者に席を譲ろうとしていることをわかっても らえる」につながる考えである。一しかし,担任は,そこまで取.り上げろ …とができずに次ぎに進め下しまつ走。一それpま,.指導者が道徳段階の第 3段階までの判断・理由づけを用意.していな一がったからだろう。’. また,モラルシレン÷資料では,1時間目に道偉的判断を焦点化させ,. 2時間目に討議するという計画である。それを1時間で実施したので, 多くの児童が意見を述べるのに無理があるということであった。 成果としては,道徳の時間には.葛藤場再のある資料を用い,話し合い が活性化し,.初任者である担任は,授業が楽しかったという感想を述べ ている。また,他の教科についても,.児童たちの意見が活発に出される よう一になっ。だということである。さらに,担任がいない時でも、自分た ちで考.えて行動できる姿・が見られたニ. コミュニケーションカが,道徳の時間を中心として,学級活動の時間 から他の時間・領域において,伸びていったと考えてよい。. 一35一.

(38) 注. 1荒木紀幸『モラルジレンマで道徳の授業を変える』明治図書,2007. 一36一.

(39) 2特別活動 (1)子どもが育つ話し合い活動のプログラム プログラム. 【学年】第4学年 【時期】一学年初め,学期初め 【領域】特勇一j活動(学級会). 【テーマ】.学級の中での話し合いがうまくし、っているかどうか. (1)これまでの問題点を出し.合う。 (ク)どういうルールをつくったらいいか話」し合う。. (3)先生からの提案 話し合いの目的を確認する。 「より良い結論を出すためである」「.みんなが納得する」. (2)で出され年もの以外について,付け足す。. ①必ず畢由をつけて,自今の意見を言う。 「OOさんの意見に賛成(反対)です。わけ一は,∼です。」 r∼という考え方に変えました。わけは,∼です。」. ②理由がわかったら,その意見は正しいことになる。 (みんなはそれに従う。) ③人の意見1寺,じヤましないで,しっ・かり聞く。. (自分の意見は,じゃまされない。). ④必ず自分の意見を言うか,賛成の気持ちを伝える。 【留意点】O話し合いがうまくいかないと,ρ楽しく存い②勉強にならないという課題. に気付かせて,ルールを考えさせる。 ○ルールが決まったら,みんなが守れるキ夫を考えさせる。. ○指導者は,毎朝,毎時間モのルールが守られているか留意しておく。 守っている児.童には,しっかりほめる。時には,ルールを守ることで,み. んなが成長し始めたことなどを知らせ,単に守る守らないではなく,白1 己の成長を実感させ,いい気分になることを実感させる。. ハーバーマースの理論を拠.り所として,話し合.いのルールを話し合. いで決やる。ヒの課題は,学級経営にも関わるが,教科や道徳の時 一37一.

(40) 間だけでなく、朝の会や終わりの会など,学校生活の全ての場面で 行う。. 実践例. 第4学年の2学期。はじめ,夏休み明けの緊張の緩みから,学興は,.声 の大きい児童,.発言力の大きい児童,けんかの強い。児童の意見一く我儘). が飛び交うよ?に乍九その声は.….廊下ま下聞一こえて来るし・彼ら同 士のケンカに発展することもしば’ オばあり,担任も困り果てていた。. そこで,上記のプログラムを実践した。 まず,ケンカになり.,学級一全員に・とってキくない結果になったことを. 確認した1 次に・「何が一問題であった亭、」話し芦わせたパする・と・①ケンカが多. い②一部の人だけが意見をいう。③.自分勝千に言う人がいる。④話し合 いの時に,自分勝手なことをして,一話を聞いていない人がいる。⑤意見 を全然言わない人がいる。⑥意見一. 言っている途中で,他の人が意見を. 言い出してご亨やごちゃにな予。という一ものだっ牟。. 続いて㌧「話し合いをうまく進めるためには,どうすればいいめか」 について考えさせ一 ス。. 児童カ{らは,①意見を言うときは,手を挙げて1立ってから話す。②. 人の話は・話している人g方叩いて・1最後まで帯がに聞くということ が出された。そこで,自分勝手がどうかわかるように,r意見のわけ」も 一緒に言うようにすること一を教師が提案ずる。例えばこんなふうに言う のよ。と例を示したザー(話し合い挿動で深辛.る道徳の時間のプログラ今 表一. P3参照!. 最後に,rどう・やって,このルール牽すれるようにするかな」と問い かけた。. すると,児童の中から,一ルールを部室め掲示板にはればレ)い。場所も. みんなで話し合い,自分たち一で創った教室掲示になり,このルールをみ んなで守っていこうとする様子が感じられた。 担倖か・らの提案の「必ず理由をつ.け。で,自分の意早を言う」「人g意. 見は,じゃましないで,しっかり聞く」については,一児童から話し合いの 一38一.

(41) ルールとして出てくるが,「理由がわかったら,’その意見は正しいことに なる」は,教師・からの問いかけが無いと難しかった。これをルールと考え ることも難しい。正しいとわかったカミ,従えないという感情や従うが, 楽しくないということ一もある。「必ず理由をつけて。,自分の意見を言う」. は,これまでめ多くの学級で,それぞれあ担任が指導してき」ているが, 理由をつけるということについては,徹底されてこ.なかったよ。うである。 「人の意見は,じゃましないで,しっ一 ェり「聞く」は,自己主張はするが,. 人の話が聞けない子どもと積極的ヒ発言できない字どもへの課題が残る。 毛ごて,無関心の恐ろしさを伝え,r必ず自分の意見を言うか,賛成の気 持ちを伝える」を加えた。. 対話の中で。,その理由を明らかにすることを通して,共通理解,相互 理解し,よりよレ)一 l間関係が構築される。また,根拠の中に正しさにつ. いての考え一が示されていることから,討議の申で自分が作り上げられて いく。. このことが,児童の中にギう一現れただろ一うかρ. 1学期に学級崩・壕が心配された学級で,rどう一してケンカばかりが起き. るのか。どうしたら,みんなが気持ち良い学級になるカく」について話し 合ったところ,r話し合いがうまく進まない。話し合’いがうまく進められ るため一 ノどうするか」という課題が明らかになった。. 児童から出された意見は,「人が意見を言って・レ)る時は,じゃま’しな いゴと一いう内容のものであった。「じゃましな.い」を詳しく考えさせた上. で,話し合いのルールの一つに「意見に理由を付ける」を加え,道徳の. 岬を中心に習慣づけていくと・教科や学級活動にまで,r意見に理由を 付ける」。ことが広がり,学級はどんどん落ち着いでい?た。1一 w期は,. 担任.以外め者が応援に入ることがあった一が,2学期はその必要がなく在 ったのである。. 児童の考え方や実態を把握するために,2。学期終わりにア,ンケー一ト調一 査を行ったとこ一ろ,以下のよう一な結果を得ることができた.。. 一39一.

(42) 一【アンケート】対象:一策4学年30名。. 11学期と比べて,学級がよくなったところはどんなところですか。 2どラし七,よくなったと黒いますか。(①∼⑥は1選択肢として用意した). ①先生にしかられるから②他のクラスから笑われるから ③勉強がおくれるから④自分がそんするから ⑤・学期のはじめに話し戸っ下・みんなで亭を?一ナようと決めたから. .⑥あたりまえのことだから。. 3.発表や話し合いの時に理由(わけ)をつけると、どんなよいことがありまし たか。. 。【結果】. 11学期と比べて,学級がよくな?たところはどんなところですか。(複数回答) ①人の話をちゃんとだまって聞くようになった。(9) ②白番の仕事,そうじをちゃんとするようになった。 ③ちゃんと発表するようになった。(3) ④発表が多くなった。(8). ⑤意見が言えるようになった。 ⑥授業中の態度がよくなった。(7). ⑦授業中葉申するようになった。. ⑧目標やきまりをまもれるようになった。. ⑨男辛仲良く遊べるようになったg(2) ⑩算数や国語,社会ができるよう一になった(4) ⑪道徳が女子きに亨った。. ⑫すこし字がていねいになった。. 2.どうして,よくなったと思いますか。(複数回答)一. ①先生にしかられるから(2). ②勉強がおくれるから(1g)③自分がそんするゐ・ら(20). ④2学期のはじめに話し合って,みんなで気をつけようと決めたから(18) 一40一.

(43) ⑤あたりまえのことだから(13). ⑥他のクラスカ・ら笑われるから. 3発表や話し合いの時に理由(わけ)をつけると,どんなよしくこと.がありました か。. ①先生にほめられた ②いろんな人にほめられた ③発表の意味がわかりやすく亨った(戸).. ④同p意見でも,理由を言ったら,どのようなちがいがあるかわかった ⑤わからない人が聞いてくれる. ⑥自分自身も,もっと勉強ダわかり,他の人にも役車つ ⑦わけを言うことを決めたから,人にわかりやすく理解してもらえて気持ちのよ い発表ができる. ⑧理由を言うと自分の考えを分かってもらえるし,理由を聞いて意見がかわっ たりしました.. ⑨話をしている人がなぜそう思ったかを言ってくれると,なっとくする ⑩しっかり理由をいうと,友だちが分かりやす<,聞いているときは,友だちが 理申をつけて発表するとぼくも聞きやすくなった. ⑪だれと考えていることが似ているかわかるようになった.. ⑫わけが通.って,その言った意見になった ⑱話の内容をまとめることがで・きた一. ⑭話.がずれていかずにまとめられる ⑮発表や話し合いがうまくいく(4). ⑯前は,みんな発表がぺただったけど,.理由を発表したら,うまくなってよかっ た. ⑫どんな発表の時でも必ず垂由を考えられるようになって,自然に言葉が出 てきた.. ⑱総合の時の登場人物の気持ちがすぐ分かるようになった ⑲戸舌し合いの時,理由がわかって,」自分の気持ちを少しおさえることで,きつ. い言葉をださないようになった. 一41一.

参照

関連したドキュメント

町の中心にある「田中 さん家」は、自分の家 のように、料理をした り、畑を作ったり、時 にはのんびり寝てみた

 食育推進公開研修会を開催し、2年 道徳では食べ物の大切さや感謝の心に

 今日のセミナーは、人生の最終ステージまで芸術の力 でイキイキと生き抜くことができる社会をどのようにつ

認知症の周辺症状の状況に合わせた臨機応変な活動や個々のご利用者の「でき ること」

・分速 13km で飛ぶ飛行機について、飛んだ時間を x 分、飛んだ道のりを ykm として、道のりを求め

を育成することを使命としており、その実現に向けて、すべての学生が卒業時に学部の区別なく共通に

を育成することを使命としており、その実現に向けて、すべての学生が卒業時に学部の区別なく共通に

・私は小さい頃は人見知りの激しい子どもでした。しかし、当時の担任の先生が遊びを