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親との関係における心理的変容のプロセス ー中年期の女性の語りからー

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Academic year: 2021

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− 107 − 親との関係、における心願句変容のプロセス 一中年期の女性の語りからー 人間教育専攻 臨床心理士養成コース 郷 野 祐 佳

1

.

問題と目的 人は生まれた時から人との関わりの中で生き ており,主な養育者である親から基本的な生活 習慣,人との関わりかた,善悪,道僻句な判断 など多くのことを学んで成長する。「三つ子の魂 百まで

J

としづ諺があるように幼少期に親から 学んだことはその後のパーソナリティにも影響 を及ぼすと言われている。 女性は出産・育児,親の介護を通して青年期 以降にも親との結びつきが強いと言われており, それぞれの発達やライフイベントによって親と の関係は変容し,生涯,様々な側面でお互いに 影響を及ぼし得る。そこで本研究では中年期の 女性が過去から現在までの親との関側生が変わ っていくことによってどのような心理的変容の プロセスを辿っていくのかを語りを通して検討 することを目的とする。

2

.

研究の対象と方法 (1)調査対象者 中年期 (45 歳~64 歳まで)の 20 歳以上の子 どもをもっ女性

8

名 (2) 調査期間 X年 7月"-'8月に実施

(

3

)

研究方法 調査対象者に事前に過去から現在までの父母 への思いについてライフラインを記入してもら い,それを見ながら両親との関係について面接 を行った。面接時間はそれぞれ40分から80分 指導教員 中 津 郁 子 程度であった。 (4) 結果の事例記述 逐語を起こし,ケース・マトリックス法倍高

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Huberman

1

9

9

4

)

を参考にして表にまとめ た。その後, 1つの事例に見つかったカテゴリ ーカヰ菱数の事例に共通するか否かを検討した。

3

.

結果と考察 ケース・マトリックス表を分析して語りのカ テゴリーと調査対象者を対応表にまとめてその 共通性初抽出こっし、て分析した。 (1)幼少期の父母への思いの考察 8名中 6名に肯定的なイメージ・感情につい ての語りがある。

5

名が父母の両方に対して,

1

名が父親に対する語りがある。父親に対して否 定的なイメージ・感情についての語りはないが, 母親に対しては

3

名の語りがある。

1

名が母親 に対して肯泊

9

・否定的両方のイメージ・感情 があり,

2

名が母親に対して否定的なイメー ジ・感情を語っている。幼少期には欄蝦度の 多い母親に対しての方が期

f

寺ずるものが大きく, 期待した関わりを感じられなかった時に否定的 な思いが生まれるのではなし、かと考えられる。

包)

中学校から社会人までの父母への思いの 考察 8名中 6名に反発についての語りがある。 3 名が父母の両方に対して,

3

名が母親に対する 語りがある。

8

名中

1

名が父母の両方に対して 肯定的なイメージ・感情についての語りがあり,

(2)

− 108 − 3名が父親に対しての語りがある。護摩(1986) は,第二次反抗期的な現象として f反抗の対象 にはまず母親が選ばれるjと述べており,母親 の方が干渉することが多いことや母親への甘え があることを指摘している。この時期には母親 に対しての方が反抗しやすい,また反発を感じ やすしせ考えられる。 (3) 結婚から出産・育児までの父母への思いの 考察 結婚・出産・育児を通して8名中6名に肯定 的な語りがある。それ以前は母親に対して否定 的な語りしかみられなかった対象者にも肯定的 な語りがみられる。また肯定的な語りがなくて もライフラインの,思いは良女子¥と上がっている。 母親だけでなく父親に対しても出産・育児を手 伝ってもらうことにより肯定的な捉え直しがみ られた。 (4) 父母の老い・死に対する思いの考察

8

名中

7

名が振り返りによる肯定的な語りが あり,否定的な語りはない。思返しの気持ちを 持ちつつ,介護のストレスもみられる対象者も いる。

8

名中

7

名が父母の老いの認知・死を目 の当りにして感謝や,恩返しの気持ちが高まって いることが明らかになっている。 (5) 現在の父母への思いの考察 8名中6名に振り返りによる肯定的な感情に ついての語りがある。 4名が父母の両方に対し て,

1

名が父親に対して,

1

名が母親に対して の語りがある。振り返りによる否定的な感情に ついて父親に対して語った対象者はいないが, 母親に対しては

1

名の語りがある。 8名中5名が両親またはどちらかの親をモデ ルとして捉えている語りがある。模範としての 語りが多し、一方で

2

名が母親とし、うモデノレに反 発や抵抗を感じ,葛藤がみられた。

4

.

総括 本研究で

3

つのことが明らかにされた。 任結婚・出産・育児というライフイベントを通 して多くの対象者が父母への肯定的な語りがあ り,母親だけでなく父親に対しても肯定的な捉 え直しがみられた。 むと母の老いや死を通して感謝の気持ちが高ま り新たに捉え直しが行われるには,老いを認知 していること,幼少期の親に対する肯定的なイ メージ・感情が重要であると考えられる。 ③現在も,両親またはどちらかの親を何らかの qモデノ

ν

'

として捉え,影響がみられる。ほとん どの対象者が「養育態度J

r

仕事に対する姿勢」 「人への接し方jについて,模範として自分の 中に無意識あるいは意識的に捉えている。また 吠母親というモデノ1J'~~反発や抵抗を感じている 対象者の存在がみられた。

5

.

今後の課題 本研究を進めるにあたり,調査対象者を 20 歳以上の子どもがし、る中年期の女性を基本の条 件とした。そのため 40代後半から 60代前半ま で幅が広く,親の年齢も 60代後半から 80代後 半まで幅があり,年代が違うと背景も異なるこ とも考えられる。また中年期の女性が有職か無 職か,親が鱗生かどうか,介護経験の有無など によって違った結果となる可能性があり,それ らを十分考慮する必要がある。本研究では 40 代後半2名, 50代3名, 60代前半3名の合計 8名から得られたプロセスであるが,今後はも っと多くの人を年代別に調査し中年期の女性 の親への心理的変容のプロセスを細かく丁寧に 見ていく必要があるのではなし、かと考える。

参照

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