96年6月、 地球環境科学部創設要員として、 取りあえ ず立正大学文学部地理学科の教授に採用された。 同学部 の設置準備に当たり、 98年4月以降、 創生期における同 学部環境システム学科の教育にかかわった。 4年間の学 年進行が終わり、 1期生が巣立つのと時を同じくして退 職することになった。 この4年間、 学際性と総合性とグ ローバル性をキイワードに、 問題解決を志向する行動型 人材の育成を目標に編成されたカリキュラムの中核科目 の多くを担当した。 多くが未経験の科目で、 いつも準備 に追われたので、 40年の教育活動の中で最も多忙な期間 であったが、 最も新鮮で挑戦的な日々をおくった。 事実、 講義・ゼミ・演習・フィールドワーク・論文指 導と、 全力投球で大勢の学生諸君と接し、 大いに楽むこ とができた。 70年代から環境科学の研究教育に携わった 経験から、 地環境研究へのマルチ・アプローチを標榜する 私には、 教育方針について私なりの考えと自負があったの で、 この4年間は、 それを仕上げる絶好の機会となった。 授業では、 「覚えるよりも、 考えよ」、 「定説にとらわ れることなく、 新たな発想で問題解決へ挑戦せよ」 をモッ トーに、 システム論的発想による地球環境変動における 因果関係の解明や将来予測、 不確実性解消への挑戦、 科 学研究が国際外交や現場レベルの環境対策に果たす役割、 などの難題を投げかけた。 卒業研究では、 一定の枠をは めながらも、 自由なテーマを設定し、 論文を書くよう指 導した。 多くの学生が複雑系へのアプローチを試み、 創 意工夫して実験や野外調査を行い、 高レベルの論文をま とめてくれた。 蒔いた種をすでに萌芽させている者もいるが、 10年、 20年後の開花と結実を期待すべきであろう。 難題と真剣 に取り組んで堂々と議論し、 見事なレポートを仕上げた 学生諸君、 有終の美を飾らせてくれた卒論生諸君の努力 を讃え、 感謝の意を表したい。 (立正学園新聞への寄稿に加筆) 地球環境研究,Vol.4(2002) 1
随想 地球環境科学部4年間の思い出と期待.4,01-02.
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