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高速液体クロマトグラフィーによる死体尿および尿斑中の馬尿酸の測定に関する研究

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(1)

原 著

〔書鷹野36第麟63鵜〕

高速液体クロマトグラフィーによる死体尿および尿斑中

の馬尿酸の測定に関する研究

東海大学医学部 法医学教室(主任:平瀬文子教授)

譲箕 萎整

(受付 昭和63年3月18日)

Determination of Hippuric Acid in Cadaveric Urine and Urinary Stain by High Performance Liquid Chromatography

Kimikazu OGII

Departrnent of Legal Med童cine(Director:Prof. Fumiko HIRASE),

School of Medicine, Tokai University

To show the possible usefulness of urinary hippuric acid for demonstration of glue−sniffing, the

hippuric acid(HA)in the urine and urinary stain was determined by high performance liquid chromatography(HPLC).

The method was simple and sensitive enough to demonstrate HA in only 30μl of urine. Minimum

detection hmit of HA was O.01 mg/ml with a good repiicability and recovery、 The mean±SD HA concentration in the cadaveric urine obtained within 24 hour postmortem was O.13±0.07 mg/m1,

while that of healthy adults was O.19±0.02 mg/ml. To estimate the fact of glue−sniffing before death,

0。7mg/ml of urinary HA concentration was proposed as the threshold value. The urinary HA

concentration obtained from 8 autopsied cases suspected for glue−sniffing were all above the threshold value. In one of them the author found a high HA urinary concentration but failed to detect toluene in blood or urine. HA in urinary stain prepared with 30μl of urine was determined easily, however, HA

value in urinary stain decreased to 69%of iもs original value after six months’storage at room temperature. HPLC method makes it possible to demonstrate whether or not an unknown stain is

human urine, because it determines urinary components other than HA at the same time. These findings show that determinaiton of HA by means of HPLC is useful for identifying glue− sniffing indirectly. 緒 言 シンナーによる酩酊状態,いわゆるシンナー遊 びが殺人,自殺,放火,窃盗,傷害,交通事故な どの引き金となった事件は少なくない.1972年に 「毒物および劇物取締法」が改正され,一時的には シンナー遊びは減少したが,その後漸次増加し続 け現在も依然として蔓延している状態である. シンナー濫用者からシンナー吸入の事実を証明 する場合,その主成分であるトルエンを呼気中, 血中あるいは尿中から検出する方法が最も確実で ある.しかし,血中からトルエンを検出できるの は吸入密約8時間とされ1),それ以後はトルエン の代謝産物である馬尿酸を尿中から検出するとい う間接的な方法でシンナー吸入の事実を証明しな けれぽならな:い. 法医学領域で取り扱う変死体では,直接死因が シンナー中毒と診断されるような多量のトルエン が証明されない場合でも,生前にシンナーを吸入 していたために幻覚あるいは運動失調などを起こ し,これらが誘因となって別の死因で死亡してい 一627一

(2)

る場合がある.この場合,死後経過時間が短い時 には死体の臓器から直接トルエンを証明すること は可能であるが,死後経過時間が長時間の場合, あるいは焼死などの特殊な状況下では,トルエン が体内から散逸あるいは分解するので,直接トル エンを検出することが困難となる. 尿中馬尿酸の測定は従来ペーパークロマトグラ フィー2)∼4>,比色法5)6),薄層クロマトグラフィー (TLC)7)8),ガスクロマトグラフィー(GC)9)∼13)な どによって行なわれ,産業医学あるいは法医学の 領域に応用されてきた.最近では高速液体クロマ トグラフィー(HPLC)によって特別な前処理を行 なわずに,希釈した尿を直接HPLCに注入すると

いう簡便かつ特異的な測定が行なわれてい

る14)∼20). われわれは,これまでに未知斑痕が尿斑あるい は精液斑であるかどうかを調べるためにHPLC によって尿中および精液中のそれぞれに特徴的な 成分の分離・検出を行なった21).特に尿成分では尿 酸とクレアチニビの定量を行ない,両者の比を求 めることによって尿斑の人獣鑑別が可能であるこ とも報告した22).今回は尿斑晶の馬尿酸に注目し, シンナー吸入の事実を間接的に証明することが可 能かどうかを調べることを目的として,HPLCに よる馬尿酸の定量法の再検討を行なった.また, トルエン吸入の可能性のあった8事例の死体尿中 の馬尿酸の定量を行なって,本法が法医実務上に おいて応用可能かどうかについても検討した, 材料および方法 1.試薬 標準試薬としての尿酸,クレアチニン,ヒポキ サンチン,馬尿酸は特級試薬を用いて,それぞれ の適当量を精製水で溶解して使用した.過塩素酸, benzensulfonyl chloride(BSC),ピリジン,エタ ノール,サリチル酸はすべて特級試薬を使用した. 2.尿検体 生体尿は30歳から58歳までの健康成人尿11検体 (男6,女5)を使用した.死体尿は死亡前に治療 および救命処置の行なわれていない死後経過時間 が24時間以内でトルエン吸入の疑いのない16歳以 上のもの33検体(男27,女6),およびトルエン吸 入の疑いのあった8検体を使用した.また,死体 尿は剖検時に注射針を膀胱内に穿刺して採取し た. 3.尿成分の抽出 小試験管に3N過塩素酸0.5mlを入れ,これに 尿30.0μ1をマイクロシリンジで注入し,内部標準 として5%サリチル酸エタノール溶液5.0μ1をマ イクロシリンジで添加して混和,10分間室温に放

置後Merck社製フィルターホルダーを用いて

0.45μmのフィルターを通して濾液を採取し,そ の10μ1をマイクロシリンジを用いてHPLCに注 入した. 4.尿斑の作製 死体尿30μ1をマイクロシリンジで濾紙(東洋 No.2)に付着させて,直射日光を避けて室温に放 置,自然乾燥させた.尿斑付着点を中心として直 径約1.8cmの部位を切載して小試験管に入れ,3 N過塩素酸0.5mlおよび内部標準5.0μ1を加えて ガラス棒で時々圧搾,振りまぜながら15分間放置 し,0.45μmのフィルターを通して得られた濾液 の10μ1をHPLCに注入した.馬尿酸の消長実験 に際しては,尿5検体を使用し尿を濾紙に付着し てから6時間後を100%値として,その1日,3日, 10日,30日,180日後に尿斑を切愛して測定した.

5.HPLCによる馬尿酸の測定

装置は島津高速液体クロマトグラフLG5A型

を使用した.分析条件として充填カラムはUnisil Pack(4.6i,d.×250mm, Gasukurokogyo Co,, Ltd.),移動層は0.01Mクエン酸三ナトリウムニ 水和物を0.1Mクエン酸でpH 7.0に調製した溶 媒を使用した.流量は1.5ml/min,検出器はUV 254㎜,記録計は島津C−RIB Chromatopackを 使用し,チャートスピードは5mm/minで測定し た.また,尿中爽雑物の影響を少なくするために

ワコーゲルLC−50Hを充填したガードカラム

(4.6i.d.×10mm)を接続し,時々新らしいものと 交換した. 6.BSC法による馬尿酸の測定 友国ら6)の直接比色定量法に従って測定した.

Spectrophotometerは島津MPS−5000を使用し

た.

(3)

Uric add Creatinine Hypoxarlthine Hippuric acid Salicylic acid (1.S.) 5,0 亀・ 宰 壽3.o 茎 舞 蓄2,0 1,0 0 10 20 〔min)

図1 Chromatogram of the standard mixture of uric acid, creatinine, hypoxanthine, salicylic acid (internal standard) and hippuric acid

装置:島津高速液体クロマトグラフLG5A型,島津 C−RIB Chromatopack,分析条件:充填カラム Unisil Pack (4,6Ld.×250mm, Gasukurokogyo

Co. Ltd⊃,移動層0。01Mクエソ酸三ナトリウムニ水 和物を0.1Mクエソ酸でpH 7.0に調製した溶媒,流 量1.5m1/mim,検出器UV 254nm. n=24 rユ0.999 y二〇.053十1.049x {Jrie acld 0 LO 2.0 3.0 4.O Hippur[c acid(mg/ml)

図3 Calibration curve of hippuric acid

.表1 Recovery of hippuric acid(n=3)

5.0

H.A. found H.A. added Recovery

(mg/ml) (lng/ml) (%) 1,083 1,270 0,182 !02.8 1,510 0,455 93.8 1,975 0,909 98.2 Creatinine Hypoxarlthine SahcyhC acid (工.S.) Hippur[c aci〔1 o 10 20(mln)

図2 Chromatogram of cadaveric urine 分析条件は図1と同じ, 7.GCによるトルエンの測定 装置は島津ガスクロマトグラフGC−6A型およ び島津BGS−1A(血液ガスサンプラー)を使用し た.分析条件としてBX−10を充填したステンレス カラム(0.3i.d.×300cm)を使用し,カラム温度 60℃,気化室および検出器温度80℃で行なった. 測定に際しては,マイクロシリンジを用いて血液 または尿を直接BGS−1Aに注入した. BGSの条 件は気化室温度80℃,プレカット時間60秒で行 なった.定量にはterブタノールを内部標準とし て検量線を作製した. 実験成績 1.尿成分の分離・検出 尿酸,クレアチニン,ヒポキサンチンタ馬尿酸,

サリチル酸の5種の混合溶液をHPLCに注入し

たところ図1に示すような:クロマトグラムが得ら れた.それぞれの保持時間は尿酸3.1分,クレアチ ニン4.2分,ヒポキサンチン8.8分,サリチル酸21.7 分,馬尿酸26.6分で全分析時間は約30分であった. また,死体尿について測定したところ,図2に示

(4)

すようなクロマトグラムが得られ,5種の成分は それぞれ図1の標準物質とほぼ一致する保持時間 にピークが出現した. 2.馬尿酸の検量線 馬尿酸を0,10,0.20,0.30,0.50,1.00,2.00, 3。00,5。00mg/mlの濃度に調製したものについて それぞれ3回ずつ分析し,ピーク面積法によって 検量線を作製した.回帰直線はy=0.053±1.049x (n=24,rxy二〇.999)となり,G.01∼5.OCmg/mlの 濃度範囲で図3に示すような直線性が得られ定量 が可能であった.また,最小検出限界は0.01mg/ m1であった. 3.再現性および回収率 0.50および3.00mg/mlの馬尿酸水溶液につい て同時再現性を検討したところ,変動係数はそれ ぞれ2.4%(n=20)および5.4%(n=2G)となっ た. 1.081ng/mlの馬尿酸を含む死体尿について添 加回収実験を行なったところ,表1に示すように 94∼103%の回収率が得られた. 4.BSC法との相関

死体尿33検体をBSC法およびHPLCによっ

て測定し,両者の測定値を比較した.その結果, 図4に示すようにHPLC(y)とBSC(x)の相関 係数はr=0.891となり,両測定法による測定値の 問にはよい相関があった.また直線回帰式はy= 0.011十〇.689xとなった. なお両法で測定した尿中馬尿酸の平均値は, HPLCで0.13±0.07mg/ml(mean±SD, n=33), BSC法では0.17±0.10mg/ml(mean±SD, n=

33)となり全体的にBSC法の測定値はHPLCに

較べて高い値を示した. 5.尿中馬尿酸の測定 健康成人11検体の尿について馬尿酸を測定した ところ,最低は0.05mg/m1,最高が0.43mg/mlと なり,平均は0.19±0.12mg/ml(mean±SD, n= 11)となった.死体尿は表2に示すように最低は 0.01mg/m1,最高が0.31/mg/mlとなり,平均は 0.13±0,07mg/ml(mean±SD, n=33)となった. 6.尿斑中の馬尿酸の経時変化 尿斑作製直後から経時的に馬尿酸の濃度を測定 0.4 0,3 量 漏

8

QO,2 記 0.1 0 ● n=33 y=0.Oll十〇.689x r二〇.891 , ::・_. ・ o ・ = .….

● ● ■ ● ● 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 BSC(mg/ml)

図4 Comparison of the HPLC method with the

BSC method for hippuric acid dete㎜ination

(%) 100 90 80 70 60 50 10 ⊥ ⊥ mear1±:SD n=5

.L__,

10 20 30 180 (days)

図5 Variation of hippuric acid level in urinary stain left at room temperature(mean±SD)

した結果を図5に示す.尿斑中の馬尿酸は時間と ともに漸次減少し,180日後の残存率の平均は69% であった.30日間放置した時に測定して得られた クロマトグラフの1例を図6に示す.これは事例 No.3のもので,30日後の馬尿酸の濃度は14.6 mg/m1となり剖検時に直ちに測定した18.Omg/ mlの81%に相当した. 7.死後経過時間と死体尿中の馬尿酸値との関 係 死後経過時間が3時間から20,5時間までの死体 尿33検体について,死後経過時間と尿中馬尿酸値 との関係を表わしたものを図7に示す.相関係数 はr=0,216となり低い相関を示した. 一630一

(5)

表2 Concentration of hippuric acid in cadaveric urine

No. Age/Sex Tlmes afterр?≠狽?ihrs)

Concentratlon @ (mg/m1) No, Age/Sex Times after р?≠狽?ihrs) Concentration @ (mg/m1) 1 31/M 8 0.06 18 66/F !9 0.18 2 48/M 10.5 0.09 19 28/M 3 0.19 3 32/M 9 0.10 20 55/M 9.5 0.06 4 44/F 4.5 0.09 21 65/M 8 0.23 5 16/M 13.5 0.12 22 44/M 10 0.06 6 45/M 13 0.08 23 49/M 20.5 0.07 7 64/M 17 0.07 24 75/M 20.5 0.07 8 58/M 8 0.01 25 72/F 12 0.31 9 34/M 15.5 0.14 26 33/M 17.5 0.07 10 29/M 5 0.18 27 38/M 5.5 0.12 12 33/F 8 0.22 28 38/M 9 0.07 13 5ユ/M 4 0.19 29 39/M 21 0.16 14 60/M 18 0.07 30 55/M 10 0.07 15 68/M 11 0.26 31 50/F 12 0.05 16 51/M 5 0.17 32 28/M 18 0.18 17 71/M 17 0.10 33 27/F 7 0.30 mean±S.D.=0.13±0.07(mg/ml) Uric acid ノ Creatinine / Hypoxarlthine / Hippuric acid Salicylic acid(LS.) (mg/ml) 0.3 竃。・2 ’彗 量 =0.1 0 ● n=33 。 y=O.1644一牙一〇,0031x r=0.216

5101520(hrs)

Postmortem time

図7Relationship between cadaveric urlnary hippuric acid and postmortem time

0 10 20 (min)

図6 Chromatogram of urinary stain left for 30

days at room ternPe「atu「e 分析条件は図1と同じ.

8.HPL、CによるHA測定の応用例

事例1 シンナー遊びで補導歴が8回あった21歳の男性 が乗用車助手席で焼死体となって発見された.死 因は焼死.運転席には201のガソリン円筒缶が キャップのはずれた状態で置かれていた.血中か ら39.3%のCO−Hbが検出され,血中,尿中のトル エンは陰性であったが尿中から,14.9mg/m1の馬 尿酸が検出された.本屍は車内でシンナーとガソ リンを吸入しているうちに車内にこれらのガスが 充満し,何らかの原因で引火爆発したものと推定 された. 事例2 21歳の男子工員が失恋のためにシンナーを全身 にかぶって焼身自殺した.死因は焼死.本屍の傍 にはシンナーが少量入った101のポリビンとライ ターが発見された.CO−Hbは15.3%で,血中から 7μg/ml,尿中から11μg/m1のトルエンが検出さ れた.また,尿中から19.Omg/mlという高濃:度の 一631一

(6)

表3 8cases as toluene sni缶ng

Postmortem Toluene

No, Age/Sex Cause of death

time

Blood Urine H.A, in urine

1 21/M Burned 15.5hrs (一) (一) 14.9mg/m1

2 21/M Burned 16 hrs 7μ9/ml 11μ9/m1 19.Omg/m1

3 21/M Toluene poisoning 13 hrs 57μ9/ml 31μ9/ml 18.Omg/m1

4 15/M Drowning 9 hrs 29μ9/lnl (一) 0.9mg/m1 5 18/M Bleeding 6 hrs 2.3μ9/ml / 5,9mg/m} 6 32/M TOIUene poiSoning 4 days 53μ9/ml / 21.5mg/m1

7 22/M Suicidal hanging 34.5hrs 33.5μ9/rnl Trace 13.4mg/m1

8 16/M Burned 13 hrs Trace (一) 2.5mg/m1 馬尿酸が検出された。 事例3 高校一年頃からのシンナー常習者で,21歳の無 職の男性が自宅ベットの上で死亡しているのを家 人によって発見された.本底の傍にはシンナー缶 およびビニール袋があった.血中から57μg/ml,尿 中から31μg/1nlのトルエンが検出され,血中から は酢酸エチルも証明された.また,尿中から18mg/ mlの馬尿酸が検出された.トルエンおよび馬尿酸 のいずれもが高濃度であり,他に死因となる外傷, 疾患が認められなかったので死因はシンナー中毒 と診断された. 事例4 高校1年の男子生徒が友達と2人で自宅近くの 中学校のプールサイドで持参したトルエンをビ ニール袋へ移してシンナー遊びをしていたが,誤 まってプール内へ転落し死亡したもの.剖検の結 果,死因は溺死と診断された.血中から29μg/ml のトルエンが,尿中から0.9mg/mlの馬尿酸が検 出された.本屍はトルエン吸入による運動失調に よってプール内に転落し溺死したものと推定され た. 事例5 18歳の無職の少年が同棲中の17歳の少女に町君 で刺殺されたもの.死因は左右胸腔内出血による 失血死と診断された。2人ともシンナー遊びの常 習老ということで,トルエンと馬尿酸の検査を行 なった.その結果,本丁の血中から23μg/mlのト ルエンが,尿中から5.9mg/mlの馬尿酸が検出さ れた. 事例6 1人暮らしで無職の32歳の男性がアパート自室 6畳間で死亡しているのが発見された.1年ぐら い前にシンナー中毒で入院していたことがあり, 言語障害,歩行困難があったという.室内にはト

ルエンの1斗缶および空になった酒びん2本が

あった.血中から53μg/mlのトルエンが,尿中か らは2L5mg/mlの馬尿酸が検出された.いずれも 高濃度であり,剖検所見と合せ他に直接死因とな る外傷,疾患が認められなかったので死因はシン ナー中毒と診断された. 事例7 22歳のトラック運転手がサラ金による借金苦の ために電気掃除器のコードを天井からつるして経 死したもの.トルエン遊びの前歴があり,また自 宅にトルエンの1斗缶があるということで検査を 行なった.その結果,血中から33.5μg/ml,尿中か ら微量のトルエンが検出された,また,尿中から 13.5mg/mlの馬尿酸が検出された. 事例8 家出中の16歳の無職の少年が自宅近くの農業資 材置場で焼死体で発見された.死因は焼死.シン ナー遊びの前歴があり,死体のぞぽにトルエンが 入っていたと思われる空カンが発見された.CO− Hbは57.2%で,血中から微量のトルエンが,尿中 から24,8mg/mlの馬尿酸が検出された. 以上トルエン吸入の疑いのあった8事例につい てトルエンおよび馬尿酸の測定を行なったが,事

例1を除いた7例で血中トルエンが陽性となっ

た.この中で事例3と事例6はシンナー中毒と診

(7)

断され,血中トルエンおよび尿中馬尿酸のいずれ

もが高値を示した.事例2,4,5,7,8は直

接死因はシンナー中毒ではなかったが血中トルエ

ンが陽性となり,事例2,5,7,8では尿中に

高濃:度の馬尿酸が検出された。事例2から事例8 までは血中からトルエンが検出されたので生前に トルエンの吸入があったことは明らかであるが, 事例1では血中,尿中のトルエンが陰性であった にもかかわらず,尿中から14.9mg/mlという高濃 度の馬尿酸が検出された. 考 察 1.HP正Cによる馬尿酸の定量について

HPLCによる馬尿酸の測定は多数報告されて

いるが14)∼2。),多くは生体尿についてのものであ る.法医学領域では生体尿はもとより死体尿ある いは尿意などの微量検体を取り扱わなければなら ない場合がある.検体として必要な尿量は比色法 で0,5m15)6), GC法では0.1∼LOm19)∼13)であるが, 本法は30μ1の尿からでも容易に定量することが できた.また,同時再現性および回収率の実験で も良好な成績が得られた.BSC法との比較では良 好な相関が認められたが,全体的にHPLCの測定 値は低い値を示した.これはBSC法が呈色の際 に尿中爽雑物の影響を受けるためと考えられる が,これに対してHPLCではクロマトグラム上に 馬尿酸が単一のピークとして出現するので特異性 の高い測定方法と考えられる.また,TLCやGC 法と較べても操作が簡単であり実用性の高い方法 と考えられる. 2.死体尿中の馬尿酸値について 今回の実験で得られたシγナーを吸入していな い健康成人11名の尿中馬尿酸の平均値は0.19± 0.12mg/mlとなり,高橋9)がGC法で測定した健 康人63名の平均値0.3mg/m1や水城ら12)がGC法 で測定した健康人25名の平均値0,25mg/rn1に較 べて著しく低い値を示した.また,Ogataら15)が HP:LCで測定した健康木36名の平均値0.22mg/ mlや品川ら23)が比色法で測定した男子学生33名 の平均値0.22mg/mlにはやや近い値を示したが いずれにしても低い値を示した.このように,尿 中馬尿酸の平均値は研究者によって大きな差がみ られるが,この主な原因は測定方法の違いによる ものと考えられる.また,生前にシンナーを吸入 していない死体尿から採取した33検体の平均値は 0.13±0.07mg/mlとなり,生体尿に較べてさらに 低い値を示した.今回測定した死体尿の場合,種々 の疾病によって死亡したものが含まれ,特に肝障 害では抱合酵素の低下とグリシンの減少によって 馬尿酸抱合能が減退するといわれ24),これらの尿 が混在しているために低値を示したものと考えら れる. 図7に死後経過時間と死体尿中の馬尿酸値との 関係を示したが,相関係数はr=0.216となり相関 しなかった.したがって死後24時間以内では,膀 胱内における馬尿酸濃度は死後経過時間に伴って 著しく変化することはないと考えられ,測定値の ・ミラツキは食事あるいは種々の疾病の影響による ものと考えられた. 高橋9)は正常日本人の尿中馬尿酸の生理値の上 限:を一応の基準として1mg/mlとし,一方弓馬 ら13)は正常値の上限を1.4mg/mlとして,この2 倍の2.8mg/mlを越えるものを馬尿酸値からシン ナー遊びをしたとする判断基準にしている.今回 の死体尿について危険率1%の棄却限界の上限値 を求めたところ0.32mg/mlとなった.細馬らの判 断基準に従うなら,この値の2倍である0.64mg/ mlを判断基準として用いることになるが,死体尿 の場合には種々の要因が複雑に影響するため0.7 mg/mlを生前にシンナーを吸入していたかどう かを推定するための基準値とした. 3.法医応用事例について シンナー吸入の疑いのあった8事例の尿中馬尿 酸は,生前におけるシンナー吸入の有無を推定す るための基準値である0,7mg/mlをすべて上まわ る値を示した.尿中馬尿酸は安息香酸を含む食品 や薬物を摂取することによって変動することが報 告されており9)25)心27>,Konoら28)も防腐剤として使 用されている安息香酸ナトリウムの入ったソフト ドリンク350m1を摂取した場合0.35mg/ml以上 の馬尿酸が尿中に証明されたことを報告してい る.したがって死体尿から多量の馬尿酸が検出さ れ,トルエンが陰性の場合には死体の置かれてい 一633一

(8)

た状況あるいは胃内容の所見などを充分考慮した 上でシンナー吸入の有無を判定する必要があるも のと考えられる.事例4では血中から高濃度のト ルエンが検出されたが,尿中馬尿酸は0.9mg/ml

で基準値をやや上まわる程度であった.

Nomiyamaら29)の報告によると,尿中馬尿酸はト ルエン吸入後約2時間でピークに達するというこ とから,本屍の血中トルエン濃度から考えるとシ ンナー吸入後の比較的短時間に運動失調あるいは 他の原因でプール内に転落して溺死したものと推 定された.事例2から事例8までは血中トルエン が検出されたので生前にトルエンを吸入したこと は明らかであるが,事例1では血中,尿中のトル エンが陰性であったにもかかわらず尿中から高濃 度の馬尿酸が検出された.この値は基準値の約21 倍に相当することから,生前におけるトルエン吸 入の充分な確証となる.本事例のような焼死のよ うに,火傷の程度によってはトルエンを検出でき ない場合があり,馬尿酸の検出およびその濃度が 生前にトルエンを吸入していたか否かの判断基準 となることがある, 以上のことより,死体尿から生前におけるトル エン吸入の有無を証明する場合には,トルエンお よび馬尿酸の検出はもちろんではあるが,死体の 置かれていた状況あるいは胃内容の所見なども充 分に考慮しなけれぽならないものと考えられる. 4.尿斑白の馬尿酸の測定について 犯罪あるいは事故現場に長い間放置されていた 資料からヒト雨池であることを証明しなけれぽな らないことである.これがシンナー吸入者のもの であるなら,馬尿酸の検出は重要な意味をもつこ とになる.したがって,尿斑中の馬尿酸を検出す る場合その斑痕がまず尿斑であること,次にヒト のものであることが明らかにされなけれぽならな い.ヒト尿あるいは整脈の証明には,従来尿酸を 測定する方法30)∼32),血清学的な方法33)などが用い られてきた.本法は尿中に比較的多量に存在する 4種の物質(尿酸,クレアチニン,ヒポキサンチ ン,馬尿酸)を同時に検出することがでぎるので, 尿酸のみを検出するという方法に較べて特異性の 高い証明法といえる.また先に報告したように22),

HPLCによって得られたクロマトグラムのクロ

マトパターソから他の体液斑(精液,血清,唾液, 汗)あるいは尿と色調の類似する物質の斑痕(レ モン,コーラ,ウィスキー,酒,紅茶,緑茶)と の識別が可能である.さらに尿酸とクレアチニン の濃度比がヒトと他の動物によって異なるので, 人獣鑑別も可能である.また,尿畑中の尿酸とク レアチニンの比はヒトが0.36であるのに対し,ウ シとラットを除く他の動物では0∼0.16となり, ヒトと較べるとかなり低い値を示し,ウシで5%, 他の動物では1%の危険率で有意差がみられるこ とも報告した22).最近佐藤ら34)3‘)は市販のキット を利用して尿素窒素と尿酸の比を測定して七口の 益獣鑑別を行なっている.この報告では,ウシ, チンパンジー,モルモットで尿酸がやや多量に検 出され,その他の動物ではかなり低かったとして いる.これはわれわれが体液斑の証明(第2報)22) で報告したウシおよびモルモットの尿酸値が高い 値を示し,他の動物では著しく低い値を示した結 果にほぼ一致する. 以上のように,本法は未知斑痕が尿斑であるこ と,次にヒト尿斑であることを明らかにした上で 馬尿酸の測定を行なうことができる.しかし,尿 斑中の馬尿酸を定量する場合には,採取する斑痕 の大きさや付着しているものの材質や厚さあるい は尿の比重によっても斑痕の面積が大きく異な り,測定値が著しく異なってしまうという問題が ある.たとえば,尿30μ1を東洋濾紙No.2に付着 させると直径約1.8cmの斑痕となるが, No.6で は直径約2.5cmになる.したがって,尿斑中の馬 尿酸の正確な濃度を定量することは今後さらに検 討を要するが,簡単な方法としては被検:物の一部 に尿30μ1を付着させてその斑痕の直径を計り,同 面積に相当する部位を切達して測定することによ り,ほぼ正確に濃度を求めることができるものと 考えられる. 尿斑雪の馬尿酸の消長実験において,ややバラ ツキは大きかったが室温で6ヵ月間放置した馬尿 酸の残存率は69%であった.したがって放置され た環境の条件が良ければ,長時間放置した尿斑か らでも馬尿酸の検出は可能と考えられる. 一634一

(9)

結 論

HPLCによって死体尿中および尿野中の馬尿

酸を測定し,法医学的意義およびHPLCの有用性 を検討し以下の結論が得られた. 1.HPLCを用いることにより,簡単な前処理 で30μ1の尿から馬尿酸の定量が可能であった.最 小検出限界は0.01mg/mlで,同時再現性および添 加回収実験はともに良好な成績が得られた. 2.トルエンを吸入していない死体尿33検体の 馬尿酸の平均値は0.13±0.07mg/mlで,健康成人 11名の0.19±0.12mg/mlに較べて低い値を示し た. 3.死体尿中の馬尿酸濃度から,生前におけるト ルエン吸入の有無を推定するための基準となる値 を0.7mg/mlとした. 4.トルエン吸入の疑いのあった8事例の死体 尿について馬尿酸の定量を行ったところ,血中, 尿中のトルエンが陰性であったにもかかわらず高 濃度の馬尿酸が検出された事例を経験した. 5.尿30μ1で作製した尿斑から容易に馬尿酸を 定量することができた.本法の特徴として,被検 物が未知斑痕である場合,まず尿斑であること, 次にヒト尿斑であることを明らかにした上で馬尿 酸を測定することができる.また,室温に6ヵ月 間放置した尿畑中の馬尿酸は採取直後に測定した 値の69%の残存率を示した. 稿を終えるにあたり,御指導,御校閲を賜りました 平瀬文子教授に深謝いたします.また種々の御教示と 御援助をいただいた法医学教室員各位に御礼申し上 げます. 本研究の要旨は,第64次日本法医学会総会,第65次 日本法医学会総会,第67次日本法医学会総会で発表し た. 文 献 1)佐藤章夫:ガスクロマトグラフ平衡法による血中 ベンゼン,トルエン,m一キシレンの定量.産業医 学13:173−179,1971

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