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廣濱嘉雄の法理学に関する一考察 : 三重構造論とその展開を中心に――(四・完) 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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松 山 大 学 論 集 第 二 十 八 巻 第 一 号 抜 刷 平 成 二 十 八 年 四 月 発 行

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︻ 目 次 ︼ は じ め に 第 一 章 廣 濱 に 関 す る 基 本 的 情 報 と 本 稿 の 考 察 の 視 座 第 一 節 廣 濱 の パ ー ソ ナ ル ・ デ ー タ 第 二 節 廣 濱 の 業 績 の 特 色 と 、 廣 濱 に 関 す る 先 行 業 績 第 三 節 本 稿 の ア プ ロ ー チ 第 二 章 廣 濱 の 法 理 学 の 基 礎 第 一 節 法 ・ 法 学 ・ 法 理 学 に つ い て 第 二 節 法 の 三 重 構 造 論 第 三 節 そ の 他 ︵ 以 上 、 二 十 六 巻 四 号 ︶ 第 三 章 戦 時 体 制 下 に お け る 廣 濱 法 理 学 第 一 節 教 職 適 格 審 査 ︵ 以 上 、 二 十 六 巻 五 号 ︶ 三 五

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第 二 節 審 査 に 関 す る 問 題 の 整 理 と 検 討 第 三 節 三 重 構 造 論 の 展 開 と 、 体 制 の 動 向 と の 結 合 ⑴ 総 論 的 事 項 ⑵ 根 底 に あ る も の ︱ ︱ 国 家 ・ 国 体 ・ 法 の 本 質 ︵ 以 上 、 二 十 七 巻 五 号 ︶ ⑶ 三 重 構 造 論 に お け る 主 張 の 変 化 ︵ 以 下 、 本 号 ︶ 第 四 章 検 討 と 展 望 第 一 節 廣 濱 の 法 理 学 に 関 す る 検 討 第 二 節 展 望 ︱ ︱ 廣 濱 の 法 理 学 の 遺 産 、 そ の 継 承 と 残 さ れ て い る 課 題 ※ 今 回 の 連 載 分 に つ い て も 、 一 般 的 な 注 記 と し て 、 第 一 回 連 載 分 の 注 ※ が 妥 当 す る の で 、 そ の 旨 留 意 さ れ た い 。 ま た 、 前 回 の 連 載 分 ︵ 二 十 七 巻 五 号 ︶ に 引 き 続 い て 、 第 二 回 連 載 分 ・ 国 外 研 究 以 降 に 触 れ 得 た 関 連 文 献 や 、 不 十 分 な 箇 所 に つ き 、 今 回 の 連 載 分 に お い て も 、 随 所 で 補 う こ と に し た い 。 読 者 の ご 寛 恕 を 乞 う 。

松 山 大 学 論 集 第 二 十 八 巻 第 一 号 三 六

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﹁ 法 に ﹃ ! 會! あ れ ば 法 あ り ﹄ ︵U bi so cie ta s ib iju s. ︶ と い ふ の が あ る 。 こ れ は 、 ﹃ 法 あ れ ば ! 會! あ り ﹄ ︵U bi ju s ib is oc ie ta s. ︶ と い ふ こ と ば を 以 て 置 き 代 へ ら れ 得 べ き も の で あ る が 、 か や う に 兩 者 間 に 可 逆 的 關 係 の 成 立 し 得 る と い ふ こ と は 、 會 た る 以 上 法 的 秩 序 を 缺 く こ と を 得 ず 、 法 的 秩 序 あ る と こ ろ に そ こ に は 會 が あ る と い ふ こ と を 示 し て を る 。 こ こ に い ふ と こ ろ の ! 會! の 意 義 は 必 ず し も 明 瞭 で な い が 、 ! 會! 關 係 で は な く て ! 會! 團 體 を 意 味 す る も の と い ふ こ と を 得 よ う 。 具 體 的 な ! 會! 團 體 に は 必 ず 定 ま れ る 組 織 が あ り 、 そ の 組 織 を 根 幹 と し て あ ら ゆ る 法 的 秩 序 が 保 持 せ ら れ て ゐ る わ け で あ る が 、 か か る 組 織 そ の も の が 旣 に 一 つ の 規 範 で あ り 、 組 織 規 範 と 呼 ば れ て ゐ る の で あ る 。 組 織 規 範 は 、 ! 會! 成 員 の 行 爲 を 直 接 的 に 動 機 づ け た り 、 彼 ら の 營 む 生 活 關 係 を 整 序 し た り す る 意 味 に お い て 規 範 た る の で は な く 、 ! 會! 成 員 を し て 、 組 織 そ の も の を 與 へ ら れ た も の と し て 受 取 り 、 そ れ を 尊 重 せ し め る こ と に よ つ て 、 ! 會! 生 活 を 可 能 な ら し め る 意 味 に お い て 規 範 な の で あ る 。 組 織 規 範 は そ れ 自 體 一 の 規 範 で は あ る が 、 行 爲 規 範 と 裁 決 規 範 と を 總 攬 す る と こ ろ の 性 質 を 有 し 、 組 織 規 範 の 裁 可 に よ つ て の み 、 行 爲 規 範 と 裁 決 規 範 と が 、 そ れ ぞ れ の 存 立 を 完 う し 得 る の で あ る 。 ⋮ 組 織 規 範 は 之 を 制 度 と い う て も よ い ⋮ 。 制 度 と は 人 間 の ! 會! 生 活 に お け る 定 型 で あ る 。 幾 通 り か の 仕 方 の 可 能 な 生 活 様 式 の う ち に 一 つ が 擇 ば れ 、 そ の 擇 ば れ た 生 活 様 式 が 定 型 と し て 與 へ ら れ る の が 制 度 な の で あ る ﹂ ︵ ︶ ︵ 傍 点 と 下 線 は 服 部 に よ る ︶ 。

廣 濱 嘉 雄 の 法 理 学 に 関 す る 一 考 察 ︱ ︱ 三 重 構 造 論 と そ の 展 開 を 中 心 に ︱ ︱ ︵ 四 ・ 完 ︶ 三 七

(5)

﹁ 國! 家! に は 、 國! 家! 及 び 國 民 の 生 活 を 定 型 化 す る 定 ま れ る 組 織 が あ り 、 こ の 組 織 が 根 基 と な つ て 、 あ ら ゆ る 法 的 秩 序 が 保 持 さ れ て ゐ る 。 人 間 の 協 同 生 活 に お い て 、 幾 通 り か の 可 能 な 生 活 様 式 中 の 一 つ が 擇 ば れ 、 そ の 擇 ば れ た 様 式 が 固 執 さ れ て 、 定 型 し た も の が 組 織 ︵ ︶ な の で あ る 。 組 織 は 卽 ち 價 値 の 實 現 を 目 指 す 當 爲 の 聲 に 聞 い て 定 立 さ れ た も の で あ る か ら 、 組 織 そ の も の は 規 範 た る 性 質 を 有 す る も の で あ り 、 組 織 規 範 と 呼 ば れ る 。 制 度 と 稱 へ ら れ て も よ い 。 組 織 規 範 は 、 國 民 の 行 爲 を 直 接 に 動 機 づ け た り 、 國 民 の 入 込 む 生 活 を 整 序 し た り す る 意 味 の 規 範 で は な く 、 國 民 に 組 織 そ の も の を 與 へ ら れ た も の と し て 受 取 ら せ 、 そ れ を 重 す る 態 度 を 執 ら し め る こ と に よ つ て 、 歴 史 化 の 道 に 進 む 國 民 の 生 活 を 可 能 な ら し め る 規 範 で あ る と 共 に 、 行 爲 規 範 と 整 序 規 範 と に 生 命 と 權 威 と を 與 へ る 規 範 で も あ る ﹂ ︵ ︶ ︵ 傍 点 と 下 線 は 服 部 に よ る ︶ 。

稿

﹁ 國 家 は 法 の 主 體 で あ る 。 法 の 主 體 は 會 團 體 た る を 以 て 足 る が 、 國 家 は 、 綜 合 會 團 體 と し て 、 會 團 體 中 の 會 團 體 で あ る か ら 、 法 の 主 體 と し て 最 も 典 型 的 な も の で あ る 。 國 家 の 綜 合 會 團 體 性 は 、 國 家 が 國 民 的 共 同 態 と し て 、 人 間 が さ ま ざ ま の 資 格 に お け る 個 人 で あ る こ と を 全 然 や め る こ と な し に 、 國 民 の 全 體 性 に お い て 一 個 の 國 民 と し て 規 定 さ れ る 點 に 顯 示 さ れ て ゐ る ﹂ ︵ ︶ 。 松 山 大 学 論 集 第 二 十 八 巻 第 一 号 三 八

(6)

稿

稿

姿

廣 濱 嘉 雄 の 法 理 学 に 関 す る 一 考 察 ︱ ︱ 三 重 構 造 論 と そ の 展 開 を 中 心 に ︱ ︱ ︵ 四 ・ 完 ︶ 三 九

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日 本 臣 民 ハ 安 寧 秩 序 ヲ 妨 ケ ス 及 臣 民 タ ル ノ 義 務 ニ 背 カ サ ル 限 ニ 於 テ 信 敎 ノ 自 由 ヲ 有 ス

松 山 大 学 論 集 第 二 十 八 巻 第 一 号 四 〇

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﹁ 私 は 、 憲 法 第 二 十 八 條 の 規 定 が 、 臣 民 本 具 の 信 敎 の 自 由 を 、 ﹃ 安 寧 秩 序 ヲ 妨 ゲ ﹄ 、 又 は 、 ﹃ 臣 民 タ ル ノ 義 務 ニ 背 ク ﹄ 場 合 に 限 り 、 制 限 し 得 る に 過 ぎ な い と 見 る 立 場 を と ら ず 、 文 言 通 り に 、 ﹃ 安 寧 秩 序 ヲ 妨 ゲ ズ ﹄ 、 又 は 、 ﹃ 臣 民 タ ル ノ 義 務 ニ 背 カ ザ ル ﹄ 場 合 に 限 り 、 臣 民 の 信 敎 の 自 由 は 存 し 得 る に 過 ぎ な い と 解 し た い と 思 ふ 。 而 し て 、 神 の 氏 子 と な り 、 氏 神 に 對 し て 崇 敬 の 誠 を 效 す こ と は 、 啻 に 、 民 族 的 慣 習 と し て 然 る の み な ら ず 、 實 に 、 法 令 を 遵 行 す べ き 臣 民 の 義 務 と し て も 然 る の で あ る 。 随 つ て 、 我 が 國 に お け る 信 敎 の 自 由 は 、 臣 民 の 義 務 た る 神! ! 崇! 敬! に! 背! か! ざ! る! 限! り! に! お! い! て! の! み! 、 存 し 得 る に 過 ぎ な い も の と い は ね ば な ら ぬ ﹂ ︵ ︶ ︵ 傍 点 は 服 部 に よ る ︶ 。

稿

調

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廣 濱 嘉 雄 の 法 理 学 に 関 す る 一 考 察 ︱ ︱ 三 重 構 造 論 と そ の 展 開 を 中 心 に ︱ ︱ ︵ 四 ・ 完 ︶ 四 一

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マ マ

松 山 大 学 論 集 第 二 十 八 巻 第 一 号 四 二

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︵ ︶

稿

廣 濱 嘉 雄 の 法 理 学 に 関 す る 一 考 察 ︱ ︱ 三 重 構 造 論 と そ の 展 開 を 中 心 に ︱ ︱ ︵ 四 ・ 完 ︶ 四 三

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