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マウス糸状乳頭の分化に関する光学顕微鏡ならびに電子顕微鏡的研究

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Academic year: 2021

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170 氏名(生年月日) 本     籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目』

論文審査委員

(24) イ    ジリ    アキ    オ

井尻昌生(昭和

博士(医学) 乙第1271号

平成4年4月17日

学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)

マウス糸状乳頭の分化に関する光学顕微鏡ならびに電子顕微鏡的研究 (主査)教授 串田つゆ香 (副査)教授 相川 英三,門間 和夫

論 文 内 容 の 要 旨

 目的  皮膚および粘膜における角化機構については,なお, 未解明の分野が多い.口腔粘膜上皮のうち,特に角化 の強い舌糸状乳頭についての研究は少ないが,それは, 切片作製上の困難にも起因している.本研究は,マウ スを用い,生後発生における糸状乳頭形成の過程につ いて,新しく開発したプラスチック包埋法を応用し, 光学顕微鏡および透過電子顕微鏡による観察,検討を 行ったものである.,  研究対象および方法  生後1,5,8,10,15日目および成熟した雄マウ ス(C3H/He系)の舌尖部を用いた.光学顕微鏡的観 察は,4%ホルムアルデヒドと1%グルタルアルデヒ ドとの混合液で固定後,親水性メタクリル樹脂混合液 (ハイドロキシプロピルメタクリレート,Queto1523お よびメチルメタグリレート)に包埋した.その後,1~2 μmの準超薄切片を作製し,H・E染色およびトルイジ ンブルー染色を施した.電子顕微鏡的観察には,2.5% グルタルアルデヒドと2%オスミウム酸とによる固定 後,エポキシ樹脂(Quetol 812)混合液に包埋し超薄 切片を作製した.  結果および考察  舌糸状乳頭上皮の細胞は,生後1日例においては, 好塩基性の暗調細胞で構成されるが,乳頭の分化とと もに明味細胞に移行する.しかし,乳頭間部には,乳 頭完成後も,なお,未分化な暗調細胞が残存している. この暗調細胞は,電子顕微鏡的観察では,多量の遊離 リボゾームを含み,タンパク質合成の活発な細胞であ ることが示された.乳頭形成は,生後1日例では,約 4層の上皮細胞層から構成されるが,10日例にいたる と,重層配列を示し,先端の鋭い,咽頭方向に蛮曲し た,いわゆる,糸状乳頭が出現する.この形成に伴い, リボゾームの減少とトノフィラメントの増加現象が認 められた.上皮間のデスモゾームは,細胞層の増加と ともに発達する傾向を示すが,基底細胞間には存在し ない.そして乳頭形成には,基底層の暗調細胞と,結 合織子乳頭中の間葉細胞との相互作用により,この特 定な上皮の分化を起こすことが推察された.生後1日 目の果粒層の細胞質および核内には,すでに多数のヶ ラトビアリン果粒を含んでいるが,成熟した乳頭では, 乳頭前部に限局して存在するようになる.これらのケ ラトピアリン果粒は,電子顕微鏡的に3種類の形態が 区別されたが,組織発生学的観察の結果,そのうちの 複合果粒は,角質層の構成成分となることが示唆され た.  結語  マウス糸状乳頭の生後発生過程およびその角化の機 構について,新しく開発した準超薄切片法の導入によ る検討の結果,未分化な暗調細胞の形態を明らかにし, この細胞が乳頭形成の主役をなすことを把握した.さ らに,ケラトピアリン果粒については,角質層との関 係を示唆する,従来,解明できなかった多くの知見を 得ることができた. 一804一

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論 文 審 査 の 要 旨

 本研究は,マウス糸状乳頭の生後発生過程について新しく開発した準超薄切片法を応用し,光学顕微鏡およ び電子顕微鏡的に,従来,把握できなかった分野を解明したものである.すなわち,生後初期に発生する上皮 基底層の未分化な暗調細胞について,その形態を明らかにし,この細胞が乳頭形成の主役をなすことを把握し た.さらに,ケラトピアリン果粒については,組織発生学的観察の結果,このうちの複合果粒が角質層の構成 成分となることを証明した.角化機構を解明する.とに重要な示唆を与えたもので学術的に価値ある論文であ る. 主論文公表誌 マウス糸状乳頭の分化に関する光学顕微鏡ならびに  電子顕微鏡的研究   東京女子医科大学雑誌 第62巻 第2号   133-147頁(平成4年4月25日発行)・ 副論文公表誌 1)静注塩酸Diltiazemおよび静注Disopyramide   併用による発作性心房細動除細動の試み.薬と   治療 12(7):185-189(1984)石ノi「眞一郎,岡   野 裕,古野 泉,三谷勇夫,井尻昌生,他 2)急性心筋梗塞を伴った肺水腫の臨床的特徴.医   療 40(9):820-823(1986)井尻昌生,三谷勇  夫,福原俊一,他 3)肥満を合併した急性心筋梗塞の臨床像.第7回  日本肥満学会記録:1-4(1987)井尻昌生,石川

 眞一郎

4)上室性頻拍型不整脈に対する静注塩酸Dilti-

 azemの有用性.呼と循35(6):

 655-659(1987)内藤政人,井尻昌生,三谷勇夫,

 他

5)血圧の季節的変動における降圧剤の効果につい  て.医療 41(8):702-706(1987)名越秀樹,  三谷勇夫,井尻昌生∫他 一805一

参照

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