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印貨ルピー切り下げの功罪を論ず (松蔭女子学院大学開学記念特集)

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Kobe Shoin Women’s University Repository

Title 印貨ルピー切り下げの功罪を論ず

On the Recent Devaluation of the Indian Currency

Author(s) 黒沢 一晃(Kazuaki Kurozawa)

Citation 研究紀要(SHOIN REVIEW),第 8 号:67-88

Issue Date 1966

Resource Type Bulletin Paper / 紀要論文

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印 貨 ル ピ ー切 り下 げ の 功 罪 を論 ず

1,開 題 1966年6月5日,イ ン ド政 府 は 翌6日 午 前2時 を期 して,印 貨 ル ピー を従 来 の1ド ル に つ き4.76ル ピー か ら7,50ル ピー に 切 り下 げ る 旨 の発 表 を行 な っ た 。 (註1) この57.6%に 及 ぷ 今 回 の切 り下 げ は,第2次5ケ 年 計 画 期 中 よ り顕 在 化 して来 た 国 内 のイ ン フ レー シ ョン,す なわ ち貨 幣 価 値 の低 落 を追 認 し,こ の時 点 に お い て ル ピー の 価 値 を安 定 させ,ひ い て は外 貨 危 機 を終 畑 させ る こ と を1ヨ的 と し た もの で あ った 。 す な わ ち,今 回 の切 り下 げ措 置 に よ り,一 般 的 に は 輸 入 品 は 割 り高 とな り,外 資 の導 入 は ヨ リ容 易 とな ろ う。輸 入 の 困 難 に な る とい うこ と は,長 期 的 に は 経 済 自立 へ の姿 勢 を示 す もの で あ り,外 資 導 入 を容 易 にす る道 を開 い た こ とは,今 年 か ら始 ま っ てい る第4次5ケ 年 計 画 に おい て 必 要 とさ れ る資 金 を確 保 し,同 時 に私 企 業 を重 視す る政 策 の あ らわ れ とみ ら れ る 。 と こ ろが,こ の よ うな為 替 レー トの 切 り下 げ は,目 先 的 に は 輸 入 を 削 減 し, 輸 出 を増 進 し,か っ 外 資 の導 入 を促 進す るが 如 くに み え るが,長 期 的 に は如 何 と も断 定 し難 い 問題 を含 ん でい る。す な わ ち,為 替 レー トの 切 り下 げ ば,外 国 貿 易 にお け る 「交 易 条 件 」 の 人 為 的悪 化 を意 味 す る 。 しか も,後 に分 析す る如 く,イ ン ドの輸 出入 に お け る価 格 弾 力 性 を考 え る と き,か え っ て イ ン ドに と っ て不 利 な結 果 す ら予 想 さ れ るの で あ る 。 ま た,た と え強 力 な輸 入 制 限 政 策,輸 (註2) 出 振 興 政 策 が功 を奏 し,貿 易 収 支 面 の改 善 が み られ る と して も,す で に 始 ま っ てい る過 去 の借 か ん の元 利 支 払 い を考 え る と き,必 らず や そ の綜 合 国 際 収 支 面 (註3) に おい て更 に大 き な 逆 調 が 予 想 され る の で あ る 。 しか しな が ら,今 回 の イ ン ドの こ の為 替 レー トの切 り下 げ は,あ る意 味 で は 避 け る こ との 出来 な い,い わ ば必 然 的 な もの で あ っ た 。す な わ ち,相 次 ぐ巨大

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な 建 設 計 画 推 進 の結 果,資 本 財 の輸 入 は急 増 し,し か も人 口の 爆 発 的増 加 な ら び に不 作 に よ る食 糧 の大 量 輸 入etcの 結 果,印 貨 ル ピ ー の対 外 購 買 力 はす で に 相 当低 落 して お り,そ れ が外 資 の導 入 を妨 げ る一 因 と もな って い た の で あ る。 (註4) 従 って,今 回 の措 置 は,い わ ばす で に事 実 上発 生 して しま って い た と こ ろ の 印 貨 ル ピー の対 内外 購 買 力 の低 下 を事 後 的 に認 あ,印 貨 ル ピー の こ れ 以 .ヒの価 値 の低 落 を阻 止 す る ため に採 られ た止 む を得 ぬ 政 策 で あ った わ け で あ る 。 (註5) そ もそ も一 国 の対 外 購 買 力 が低 落 す るに は そ れ だ け の原 因 が な け れ ば な らな い 。事 実 イ ン ドに あ っ て は,年 々物 価 の上 昇 を経 験 し,特 に過 去2年 間 の騰 貴 率 は年 率15%に も達 し,国 民 大 衆 の貯 蓄意 欲 は減 退 し,輸 出は 停 滞 し,闇 為 替 レ ー トが 存 在 し,輸 入 に利権 が生 じ,正 規 のルー トを通 ず る海外 か らの送金 も減 ブ ラツ ク マ ニ イ 少 の一 途 を た どっ てい た 。 しか もい わ ゆ るB】ackMoneyの 存 在 は,外 貨 に対 (註6) す る プ レミア ム の絶 好 の源 泉 とな り,か つ 政 府 の財 政 ・金 融 政 策 を 阻害 す る大 き な要 因 とな って い た 。 以 上 の如 く,為 替 レー トの切 り下 げ を 必要 とす るほ ど の対 外 購 買 力 の低 下 の う らに は,上 述 の如 き国 内 的要 因 が 山 積 して い た の で あ る。 た だ,こ こで 考 え られ る 問題 と して,す で に 起 っ た ル ピ ー の購 買 力 の低 下 を追 認 し,現 時点 にお い て 物 価 を安 定 させ よ うと しない で,こ れ とは逆 に,貨 幣 価 値 の下 落 を追 認 しな い 政 策,す な わ ち 貨 幣 数 量 を 収縮 さ せ る と ころ の デ フ レ政 策 を採 り,貨 幣 価 値 を過 去 の水 準 にま で 引 き 上 げ る政 策 を採 る余 地 は な か った か?と い う問 題 が あ る。 と こ ろ が こ の よ うな政 策 は,現 在 大 規 模 な 開発 計 画 を推 進 して お り,そ の一 部 分 を赤 字 財 政 に た よ っ て い るイ ン ドに と って,ま た,年 率2%を 超 え る人 口増 加 を か か え,失 業 人 口の 増 大 に 悩 む イ ン ドの,と て も採 り得 る と ころ で は なか っ た 。更 に附 言 す る な らば,過 去 数 年 にわ た っ て 事 実 上低 落 して来 た ル ピ ー の実 質購 買 力 を無 理 矢 理 に もと に戻 そ う とす る強 引 な 政 策 は,必 らず や 貿 易 面 に大 混 乱 を ひ き起 し,現 時 点 にお い て為 替 を安 定 さ せ よ う と した 今 回 の切 り下 げ 以 上 の弊 害 を 招来 して い た と考 え られ る 。 (註7) 以下 第2節 に お い て こ の よ うな 切 り下 げ措 置 を 必 要 と した イ ン ド経 済 の体 質 を 究 明 し,第3節 に お い て為 替 レー ト切 り下 げ の 理 論 的考 察 を行 ない,そ して 第4節 に お い て は,イ ン ドの輸 出 入構 造 よ り今 回 の措 置 を批 判 し,そ して最 後 に第5節 に お い て 第4次5ケ 年 計 画 との 関 連 にお い て こ れ を見,あ わ せ て将 来

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の ル ピ ー の 価 値,ひ い て は イ ン ド経 済 の 将 来 の 見 通 し を もち た い 。 (註1)こ れ は 邦貨 にっ い て考 え る と、 従 来 の1ル ピー につ き約75,6円 か ら48円 に 切 り 下 け られ た こ とを 意 味す る 。 (註2)一 般 に第 一 次 生 産物 の 価格 弾 力 性 は 小 さ い と考 え られ る。 従 って 、今 回 の切 り 下 げ に よ って 、 そ の 多 くが第 一 次 生 産 物 で あ る と こ ろの イ ン ドの 輸 出品 の 対外 価 格(外 貨表 示)が 低下 して も、 そ れ に見 あ う輸 出数 量 の 増 加 は 甚 だ期 待 薄 で あ る 。す れば 輸 出 総 額 は増 加 す る ど ころ か 、か え って 減 少 す る こ とす ら考 え られ る 。 逆 に、 特 に 経 済 建設 が 進 む にっ れ て 、 不 可 欠 の資 本 財 輸 入 が 増 加 す る こ とを 考 え る と、輸 入 の 削 減 は 思 うに まか せ ず 、 騰 貴 せ る(印 貨 表 示)輸 入 品 の 支 払 い 総 額 は か え って 増 大 し、 貿易 収支 の赤 字 は 益 々増大 す る 危 険 を もっ 。 これ は 第4 節 に お い て 分析 す る と ころ で あ る 。 (註3)イ ン ドの 対外 債務 下 記 の 如 し。 一 一一 一 一] 旧鰭 ・一 卜赫1新 為 替 ・一 ト表示 1964年3月 末(修 正 発 表)178億8430万 ル ビー 1965年3月 末(見 込)241億8140万 ル ピー 1966年3月 末(筆 者 の 推 定)136° ∼4聴 ル ピー 約282億 ル ピー 約381憶 ル ピー 約570∼630億 ル ビー Source:1964年 、1965年3月 末 の 数 字 に っい て は GovernmentofIIldia,PublicationDivision:India1964.に よ る。 な お 、1966年3月 末 の 数 字 に つ い て は、 イ ン ド経 済 計 画 委 員 会 機 関誌YOJANA等 に発 表 せ られ た数 字 を総 合 判 断 した る もの で あ る 。 (註4)す で に輸 入 には か な りの 利 権 が生 じ、 各 界 の腐 敗 と もつ な が っ てい た もよ うで あ る。 なお 、 外 貨 に対 す る闇 レー トは 高 騰 の一 途 を た ど り、 特 に ドル に対 し ては 2倍 前 後 の実 勢 レー トが 存 在 してい た こ とは 筆 者 の 実 地 に経 験 した る と こ ろで あ る。 (註5)も っと も、 今 回 の措 置が 純 粋 に イ ン ド政 府 の 自発 的意 志 に よ って 行 な われ た と み るの は 早計 で あ ろ う。資 料 に よ って 具 体 的 な確 証 を示 す こと は 不 可能 で あ る が、1.M.F,あ るい は 最 大 の 債 権 国 で あ る ア メ リ カ合 衆 国 等 よ り、 直接 ・間接 の圧 力 が か か った とみ られ るふ しが、 今 回の 切 り下 げ に つい て の イ ン ド人 諸 学 者 の論 評 よ り うか が わ れ る。 (註6)現 在 の イ ン ドに は 、 正体 不 明 のい わ ゆ るBlackMoneyな る もの が 存 在 し、 こ れ を無 視 して は 如 何 な る経 済 政 策 も遂行 し得 ない こ と が 欺 か れて い る。 例 え ば 、1965年8月15日 の独 立 記 念 日にお げ る 、国 民 会 議 派 議 長Kamaraj氏 の 演 説 TheTimesofIndia,1965年8月16日 号 。

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(註7)一 般 的 に い って 、 この よ うな 安定 的 平 価 切 り下 げ が 採 択 さ れ る所 以 は 、 そ の 国 民 経 済 に及 ぼ す影 響 を考 え ると き 明 らか と な ろ う。宮 田喜 代 蔵 「イ ン フ レー シ ョ ンと平 価 切下」 第 四章 第 二節 参照 。 2,イ ン ド経 済 の 現 状 イ ン ドは 現 在,第3次5ケ 年 計 画 を終 え,第4次 計 画 期 を迎 え よ う と して い る塩 趣 ぐ5舛 計 画の根絹 標 は・持続 的な繍 賑 を可能な らしめ註 産 的雇 傭 の 機会 を増 大 さ せ,大 衆 の生 活 水 準 な らび に 労働 条 件 の 改 善 を もた ら す 基 盤 の確 立 に あ った 。 さ て,独 立 直 後 の数 年 は,絶 え ざ るイ ン フ レ圧 力,食 糧 需 給 の ひ っ迫,交 易 条 件 の悪 化,国 際 収 支 に 関す る不 安 の 時 期 で あ っ た が, そ の後 の好 天 候 に よ る食 糧 事 情 の好 転,イ ン フ レ圧 力 の 消滅 等 に よ っ て,第1 次 計 画 は 予 想 以 上 の 成 功 を収 め,国 民 所 得 も計 画 の12%を 上 回 る18%増 を記 録 し畿 チれ にひ きっ つ く第2次 計 画 は ・ 第1次 計 画 に よ っ て鋤 られ た 基 本 計 面 を 更 に 推 進 さ せ,投 資,生 産,雇 傭 の 機 会 を 増 大 さ せ る こ と を 目 標 と し た が,そ の 特 色 は 基 本 的 重 工 業 の 発 展 に 重 点 が お か れ た こ と で あ る 。 こ れ は 一 っ (註3) に は,灌 概 と 発 電 の た め の 計 画 と 云 わ れ た 第1次 計 画 に 対 す る 反 省 と,一 っ に は 社 会 主 義 諸 国 特 に 隣 国 中 国 に お け る 開 発 成 果 に 刺 戟 さ れ た 面 も あ る 。 こ の 重 工 業 重 視 の 政 策 は 必 然 的 に 資 本 財 の 輸 入 の 急 増 を 来 た し,最 初 の2年 問 に ,大 戦 中 に 蓄 積 し た 外 貨 準 備 を ほ と ん ど 喰 い つ ぶ し,国 際 収 支 の 危 機 を 招 来 した 。 加 う る に 食 糧 政 策 の 欠 如 が 大 き な 問 題 と な る に い た ・コた 。 す な わ ち,当 初llO (註4) 億 ル ピ ー と み ら れ て い た 第2次 計 画 期 の 財 政 不 足 は,210億 ル ピ ー に 達 し た 貿 易 収 支 の 赤 字 に よ りぼ う大 な 数 字 と な り,結 局,外 貨 準 備 の 喰 い つ ぶ し60億 ル ピ ー(予 想20億),外 国 援 助87・2億 ル ピ ー(予 想80億),別 途 援 助53,4億 ル ピ ー ,1.M.F.よ りの 借 り入 れ5.5億 ル ピ ー を も っ て 急 場 を し の ぐ こ と と な っ コ  ア プ ロクニ ク ト た 。そ の た め政 府 は 計 画 の 修正 に 迫 られ,い わ ゆ る重 点 計 画 を発 表 す るに い た つ齢 《 て我 姐 ・第2次 計 画の うちに今 日のイ ン ドの繍 鱗 の崩恥 見 るの で あ る。 とい うの は,す で に 第2次 計 画 の 初 期 に み られ た 株 式 市 場 の ブー ム,機 械 産 業 の か な りの発 展,一 部 大 都 市 の あ る階 層 の繁 栄 の か げ に,増 大 す る失 業,村 落手 工 業 の 不 況,食 糧 価 格 政 策 の 欠 如 に よ る農 民 層 の購 買 力 の低 下 70

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等,適 正 な る社 会 政 策 を 欠 い た 開 発 投 資 の 弊 害 が 現 れ 始 め て い た の で あ る 。 (註6) 1961年 に 始 っ た 第3次 計 画 は,15年 に わ た る長 期 の 見 通 し を もっ も の で あ り,そ の 間 に イ ン ドの 経 済 を 急 速 に 発 展 さ せ る の み で な く経 済 自 立 の 達 成 を そ の 目 標 と し,第2次 計 画 に ひ き つ づ き 重 工 業 を 優 先 す る も の で あ っ て,前2計 画 期 の 合 計 に 匹 敵 す る 大 規 模 な 投 資 を 行 な い,期 間 中 に 農 業 生 産 を30%,工 業 生 産 を70%,国 民 所 得 を30%増 加 せ しめ る こ と を 目 標 と し た 。 と こ ろ が,第3 次 計 画 中 間 報 告 に よ っ て も 明 ら か な 如 く,国 民 所 得 は 最 初 の2年 間 に わ ず か5 (註7) %し か 増 加 して い な い 。 こ れ は 国 境 問 題 等 予 想 外 の 要 因 も さ る こ と な が ら,当( 註8) 局 も卒 直 に 認 め る 如 く,計 画 の 不 備 も大 き な 原 因 で あ っ た と い え る 。 た と え (註9) ば,灌 慨 ・発 電 の 大 計 画 は あ っ て も,そ れ ら を 充 分 に 活 用 す る た め の 補 完 的 計 画 が 不 充 分 で あ っ た こ と,特 に 重 工 業 施 設 な ど の 投 資 に お け る懐 任 期 間 に っ い て の 楽 観 か ら く る 派 及 的 遅 延,生 産 物 特 に に 農 産 物 の 流 通 機 構 に 対 す る 改 善 策 の 欠 如 に よ る 価 格 騰 貴etcが あ ろ 。 か く て 政 府 は,特 に 国 防 産 業 と の 関 連 に お い て,計 画 の 緊 急 目標 の 再 険 討 を 行 な うの 止 む な き に 至 っ て い る 。 こ れ を 要 す る に,第3次 計 画 期 の イ ン ドは,独 立 当 時 に 比 す べ き 経 済 的 苦 境 に あ っ た とい え よ う 。 特 に 前 期 よ り ひ き つ が れ た イ ン フ レ要 因 は,赤 字 財 政 の 増 大 と共 に, 国 民 経 済 に 大 き な 圧 迫 を 加 え る に い た っ て い た 。 (註10) (註1)独 立 直後 に、 実 業 家 の グ ル ー プ に よ って 立 案 さ れ た、 い わ ゆ る ボ ン ベ イ ・プ ラ ンな る もの が あ っ た 。 なお 、1950年 に発 足 し た計 画委 員会 は 、 翌年7月 に第1次 5ヶ 年 計 画要 綱 を発 表 、1952年12月 に最 終 案 が 議 会 を 通過 した 。 なお 、1938年 末 国民 会 議 派 は、 国家 計 画 委 員 会 を 発 足 させ た が、 戦 争 の た め これ は 事 実上 立 ち 消 え と な っ た。 (註2)も っ と も、 第1次 計 画 の達 成 は 、 非 計 画 部 門 の 予想 外 の 好 成 績 によ る とい う論 者 もあ る 。 (註3)開 発 資 金 支 出 下 記 の 如 し。(単 位1億 ル ピー) ド ニ  7」=一 一 一1第1次 計画1鋤 爾'「 彌 次講 一 公 共 うち 私 的 投 部 門 支 出 公 共 部 門 投 資 部 門 投 資 196.0 156.0 180.0 460.0 365.0 310,0 750,0 630.0 410.0 資 合 計:1336・01675・0 1,040.0

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支 出 区 分(単 位:億 ル ピー) 、

、 ㌔

【1第1疾計画(%)!第2次 計画(%)i蛎3次 緬 脇) 農業お よび地 域開発 大 ・中 規 模 灌 瀧 発 電 村落 および 小 工 業 鉱 。 工 業 運 輸 ・通 信 社 会 福 祉 他 調 整 項1ヨ 29,1(15%) 31.0(16%) 26.0(13%) 4.3(2%) 7.4(4%) 52.3(27%) 45.9(23%) 53,0(11%) 42,0(9%) 44,5(10%) 17.5(4%) 90.0(20%) 130.0(28%) 83.0(18%) 106,8(14%) 65.O(9%) 101.2(13%) 26,4(4%) 152.0(20%) 148.0(20%) 130.O(17%) 20.0(3%) 計196.0(10。%)460.0(100%)優 悌 傭) 釦q晦 ル ビニコ (註4)政 府 は 第1次5ヶ 年 計 画 期 中 の 食 糧 事 清 の 好 転 に も と づ き 、 食 糧 統 制 を 撤 廃 し て し ま っ て い た が 、1964年 度 の 大 不 作 に よ る1965年 度 の 食 糧 不 足 に 際 し 、 ボ ン ベ ・r、 カ ル カ ッ タ 、 デ リー 等 人 口百 万 以 上 の8都 市 に 食 糧 配 給 制 度 の 施 行 が 発 表 せ ら れ て い る 。TheTinlesofIndia,1965年8月70号 。 (註5)こ れ は1957年 に 発 表 さ れ 、1958年 に そ の 修 正 案 が 提 出 さ れ る に い た っ た も の で あ る が 、 ガ トギ ル 氏 に よ れ ば 、 こ の 危 機 は 外 貨 面 よ り 生 じ た も の で あ っ た の だ か ら 、 そ れ に 直 接 の 関 係 の な い 各 州 の 計 画 ま で 縮 小 さ れ る 必 要 は な か っ た わ け て 、 中 央 に お け る 削 減 を か え っ て 各 州 の 計 画 に お い て 埋 め 合 わ す べ き で あ っ た と す る 。Gadgi1:0nReshapingoftheSecondFiveYearPlan。 (註6)も っ と も 政 府 は 、 社 会 的 、 経 済 的 、 政 治 的 正 義 が 国 民 生 活 の あ ら ゆ る 分 野 に 満 ち 満 ち る よ うな 社 会 秩 序 の 確 立 を 唱 導 す る 憲 法 の 精 神 に 基 づ き 、1954年12月 、 い わ ゆ る 「社 会 主 義 型 社 会 」(SocialistPatternofSociety)の 建 設 を そ の 社 会 経 済 政 策 の 目 標 と し て 宣 言 し て い る が 、 イ ン ド経 済 社 会 の 実 情 は 、 ま す ま す 貧 富 の 差 の 拡 大 に 向 っ て い る 。 (註7)GovernmentofIndia,PlanningCommission:TheThirdPlanMid・term

ApPraisalNov.,1963 (註8)1959年11月 に 始 ま り、 一 時 的 休 戦 の の ち1962年10月 に 再 発 し た 中 国 軍 の ラ ダ ー ク 地 方 に 対 す る 攻 撃 、 な ら び に1965年8月 に 始 る 印 ・パ 紛 争 は 建 設 計 画 の 遂 行 に 多 大 の 障 害 を 与 え た 。 (註9)上 掲TheThirdPlanMid-termApPraisa1 (註10)近 着 の 、 開 発 計 画 委 員 会 発 行 の 機 関 紙``YOJANA"1966年9月4日 号 に よ れ ば 、 第3次5ケ 年 計 画 期 中 の 国 民 所 得 の 増 加 率 は 、 口 標 の 年 率5%に 比 し 、 第1

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年 口2.5%、 第2年 国1.7%、 第3年El4.9%に す ぎず 、 第4年 日に は7.6%増 を 記 録 し た もの の 最 終 年 の 第5年 目 には 逆 に4.2%の 下 落を 示 し た 。 しか も物 価は第 3次 計 画 期 中 に36%の 上 昇 を 示 し た。 なお 、 計 画期 中の 赤 字 財 政 は 当 初 予 定 の55 億 ル ピー を 大 き く上 廻 り総額115億 ル ビー に達 し たが 、 これ は 上 述 の 物価 騰貴 を 説 明す る一 っ の デー ター とな ろ う。 3,為 替相 場 切 り下 げ の理 論 と為替 安 定 性 の 問 題 す で に述 べ た如 く,今 回 の イ ン ド政府 の発 表 は,自 国 通 貨 た る ル ピ ー の対 ド ル 交 換 比率 を,1ド ル に っ き4.76ル ピー か ら7.5ル ピー に 切 り下 げ る とい う も の で あ っ た。 一 体 この こ とは どの よ うな意 味 を もつ の で あ ろ うか 。我 々 は こ の 為 替 レー トの改 訂 を 為 替平 価 の 改 訂 す な わ ち平 価 の 切 り下 げ と解 す る。 以 下 そ(註1) の 意 味 す る と ころ を理 論 的 に 分 析 す る。 そ もそ も一 般 に平 価 切 り下 げ とい うと き,そ の 意 味 す る と こ ろ は,一 国 の通 貨 一単位 の金 平 価 切 り下 げ を 意 味 して い る。 も と もと金 本 位 制 度 の もと にお て本 位 制 度 の 基本 を なす もの は,そ の 国 の通 貨単 位 と金 量 目 との 分 量 的 関係 を定 め て い る金 平 価 の規 定 で あ るが,従 っ て,平 価 切 り下 げ とは この 法 定 の 金 平 価 を 改 訂 し,通 貨 単 位 に対 応す る金 の量 目 を切 り下 げ る こ と を意 味 す る 。い ま金 本 位 制 な る もの が,一 定 比 率 に お い て通 貨 と金 と の交 換 を約 束 し,金 の流 出 流 入 を通 じて金 本 位 国 間 に 為 替 の 安 定 を 保 障 しょ うとす る通 貨 制 度 であ る こ と を考 え る とき∫金 本 位 制 の 具 体 的 な 姿 が 金 貨 本 位 制 か ら金 地金 本 位 制 さ らに は金 ・為 (註2) 替 本 位 制 へ と転 化 して く るに つ れ て,平 価 切 り下 げ の 形 態 もそれ に応 じ て変 っ て くる が,そ の特 質 は あ くま で金 本 位 制 の 基本 をな す 通 貨 単 位 と金 量 目 と の転 換 比 率 を切 り下 げ るこ とに あ る。 この こ とは た とえ本 位 法 に お け る法 定金 平 価 の規 定 の改 訂 が 行 なわ れ な くて も,も し金 地金 あ るい は 金 為 替 の公 定 値 段 が引 き上 げ られ る よ うな場 合 に は,事 実 上金 平 価 の 切 り下 げ が行 なわ れ た と見 る こ とが 出来 る ので あ る。何 故 な らば,一 国 が本 位 行 政 上,公 定 の 売 買 値 段 を定 め て金 地 金 を売 買 して い る場 合 に は,こ こに 事 実 上 金 平 価 が働 らい てい る と み る こ と が 出来 る か らで あ る。 と ころ が,金 本 位 制 の機 構 そ の もの が,金 貨 本 位 制 (註3) か ら金 ・為 替本 位 制 へ と変 質 す る に つ れ て,従 来 の よ うに金 平 価 の法 定 を通 じて

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為 替 平 価 が 法定 され る とい う関 係 が 逆 転 して,為 替平 価 の 決 定 を通 じて 金 平 価 が規 定 され る とい う関 係 を み せ て来 た 。す なわ ち,上 述 の 如 く,本 位 法 は 一一国 (註4) の通 貨 単 位 の金 平 価 を規 定 して お り,従 って 各 国 間 の為 替 平 価 は,そ れ ぞ れ の 国 の法 定 金 平 価 の規 定 か ら 自動 的 に 算 定 さ れ るわ け で あ っ て,た とえ ば,わ が 国 の貨 幣 法 は第 二 条 に お い て 「純金 ノ量 目七百 五 十 ミ リグ ラ ム ヲ以 テ価 格 ノ単 位 ト為 シ之 ヲ圓 卜称 ス」 と規 定 して お り,多 面 イ ギ リスで は,純 金7322.382幣 を以 て1ポ ン ド ・ス タ ー リング と され て い た た め,こ こ に一 単 位 の 金 を媒 介 に 考 え る こ と に よ り,1円 が2シ リング0.582ペ ン ス とい う,日 英 両 通 貨 間 の交 換 比 率 が定 っ てい た の であ る。 もっ と も,金 本 位 制 度 の も とに お い て も,必 ら ず し も上 の如 く法 定 金 平 価 を通 じて法 定 為 替 平 価 を算 出す る とい う方 法 を と る 必 要 は な く,本 位 法 に よ り直 接 に為 替 平 価 を規 定 す る こ とが 出来 る こ と は歴 史 的事 実 の示 す とこ ろ で あ る 。 (註5) 以 上 我 々 は もっぱ ら為 替 相 場 の法 制 面 に注 目 して きた の で あ るが,国 家 の法 制 に よ る法 定 平 価 の決 定 を云 々す る前 に,ま ず 一 国 の通 貨 の 対 外 価 値 に っい て 考 察 す る必 要 があ る 。 そ もそ も,一 国通 貨 の対 外 価 値 な る もの は,表 面 的 に は 外 国 通 賃 に対 す る購 買 力(従 っ て交 換 比 率)で あ るが,実 質 的 に は外 国 市場 の 諸 商 品 に対 す る購二買 力 に外 な らない 。 で は,こ の対 外 購 買 力 な る もの は如 何 に して決 定 さ れ るの か?ご く現象 的 に見 る限 り,為 替 相場 は 法 定 相 場 を 中心 と し っ っ,そ の 時 々 に お け る需給 関 係 に よ って 変 動 す る 。 しか しな が ら,こ の よ う な法 定 為 替 相場 を 中 心 とす る現 実 の 市場 価 格 も,も しこれ が 根 本 的 に 不 自然 な 決 定 に よ る もの とす るな らば,い つ まで もこ の水 準 を保 っ こ とは 出来 な い は ず で あ る 。 こ こに,法 定 相場,あ るい は それ を中 心 に刻 々上 下 す る市 場 価 格 に対 し,自 然 価 格 も し くは 正 常 価 格 な る ものが 考 え られね ば な らな い 。 この正 常 価 格 を説 明す る もの に,購 買 力 平 価 説 な る もの があ る が,こ の理 論 に よ る と, (註6) 為 替 相 場 は一 方 に お い て そ の 国 の 物 価 が 為 替 の上 に作 用 し(通 貨 の 対 外 購 買 力 が大 きす ぎ る と輸 入 が 増 大 し為 替 相 場 が低 落 し,二 国通 貨 の購 買 力 が 等 し くな っ て為 替相 場 の動 きが と ま る),他 方 にお い て為 替 は そ の 国 の 物 価 の 上 に 作 用 す る(も し為 替 相場 が 切 り下 げ られ る と,輸 入 品 価 格 は騰 貴 し輸 入 が 減 少 し, 輸 出 品 価格 が割 安 とな り輸 出が 増 え,為 替 相 場 は騰 貴 し ょ う とす る。 その 間,

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輸 出品 価 格 そ の もの も海 外 需 要 の 増 加 に よ って騰 貴 し国 内 物 価 も一 般 に騰 貴 す るが,結 局,対 内 購 買 力 が 対 外 購 買 力 に等 しい とこ ろ で 為 替相 場 の動 き が とま る),こ の結 果,為 替 相場 は 一 国通 貨 の対 内購 買 力 と刻 外 購 買 力 とが相 等 し く な る とこ ろ に落 ち つ くと説 くの で あ る。 以 上 我 々 は,為 替 相場 す な わ ち 為 替平 価 の 切 り下 げ が平 価 の 切 り下 げ を意 味 す る こ と を 明 らか に して来 た 。 で は,今 回 の イ ン ドの為 替相 場 の 切 り下 げ,す な わ ち 平 価 の切 り下 げ は,ど の よ うな 背 景 の もとに 行 な わ れ た もの で あ り,ど の よ うな 意 図 の もとに 行 な わ れ た の で あ ろ うか? そ もそ も長 期 に わ た るイ ン フ レー シ ョンの 後始 末 に は 二 っ の 方 法 が考 え られ る。 一 つ は,今 回 の イ ン ドの採 っ た如 き平 価 切 り下 げ に よ る方 法 で あ り,他 の 一 っ は,旧 状 復 帰 を 目指 す 方 法 で あ る。 す な わ ち,物 価水 準 が た とえ ば3割 な り5割 な り騰 貴 した場 合 に,す で に 事 実 上騰 貴 して しま った 物 価 水 準 を承 認 し た うえ,こ の 新 しい 水 準 に お い て 物 価 を安 定 させ よ うとす る現 状 維 持 の 方 法 と デ フ レー シ ョン を実 行 して これ に よ り騰 貴 した物 価 水 準 を もと に戻 す方 法 で あ る。 と こ ろが,第2の 方 法 は,第1節 に お い て も簡 単 に 触 れ た如 く,イ ン ド政 府 の 採 る能 わ ざ る と こ ろで あ っ た 。か くて第1の,平 価 切 り下 げ に よ る方 法 が 採 用 せ られ た ので あ る 。以 下,そ の背 景 な らび に 目的 を簡 単 に分 析 し ょ う。 す で に 第2節 に お い てみ た如 く,イ ン ドは第2次5ケ 年 計 画 中 期 頃 よ り第3 次 計 画 期 に か け て か な りの イ ンフ レー シ ョ ンを経 験 し,加 うる に 貿 易 収 支 の逆 調,資 本 収 支 の赤 字 の故 に,政 府 は 相 当 の財 政 困難 に 陥 っ てい た 。 これ を具 体 的 数 字 に よ って み る と,た と え ば通 貨 発 行 量 ば 国民 所 得 の増 加 率 を大 き く上 回 り,1963年 度 には1951年 度 の2倍 に も達 して い る。 ま た政 府 の 負 債 も,1964年( 註7) 3月 末 には 国 内債 務680億 ル ピー,海 外 債 務179億 ル ピー(旧 為 替 相 場 表 示) に 達 し,そ の総 額 は 同年 度 の 国 民所 得 に 比 し2分 の1,通 貨 発 行 高 に対 して は (註8) 約2倍 に達 して い た。 か くて,1952∼53年 度 を100と す る物 価 指 数 は,1963∼ 64年 度 で135.3を 記 録 し,特 に最 近2年 間 の 物価 上昇 率 は年 率15∼6%に 達 す る (註9) とい う。 こ の よ うな 印 貨 ル ピー の 国内 購 買 力 の低 下 は必 然 的 に そ の対 外 購 買 力 (註10) の 低 下 を 招来 し,従 っ て法 定 平 価 表 示 の対 外 購 買 力す なわ ち 旧 為 替 レー ト表 示 の対 外 購 買 力 は,実 質 購 買 力 との 問 に 相 当 の ひ ず み を 生 じて い た 。 換 言 す れ

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ば,法 定 為 替 相場 はす で に平 価 を失 してい た とい え る の で あ る。 か くて イ ン ド 政府 は,す で に均 衡 を失 して しま った 印 貨 の対 外 価 値 を正 常 な 点 に 引 き戻 す べ く,為 替 平 価 の 切 り 下 げ とい う 手 段 を 選 ぶ にい た った の で あ る。 い うな ら ば これ は,事 実 上発 生 して しま っ た 印貨 ル ピ ー の価 値 の下 落 を事 後 的 に承 認 す る こ とに よ り,現 在 の時 点 に お い て 印貨 を 安 定 させ よ うと した もの に 外 な ら な い 。 以 上 の 分 析 を通 じて我 々 は,今 回 の イ ン ドの為 替 相場 の 切 り下 げが,実 は 為 替 相場 を ク ッシ ョ ン と した,印 貨 ル ピー の価 値安 定 政 策 の意 味 を もっ もので あ る こ とを 知 った 。 以下 に お い て,イ ン ドの輸 出 入 構造 の 分 析 を通 じて,そ の可 否 を 問 うこ と とす る 。 (註1)平 価(Parity)と は 、本 来 は 二 国 の 通貨 単 位 に 含 ま れ る金 属 の量 に よ っ て算 出 され る両 国 の通 貨 単 位 の割 合 をい う。 故 に、 為 替 平 価 は 、 い わ ば 国定 せ られ た、 為 替 比 率 と解 す る こ とが 出来 る。 ち な み に 、切 り下 げ 以前 の イ ン ドは、 純 金1オ ンス に っ き166,6ル ピー を平 価 と定 め 、1オ ンス35ド ル の米 貨 と対 応 してい た 。 (註2)金 本 位 制 の もとで は、 国 際収 支 に不 均 衡 を 生 じた 場 合、 債 権 国 に イ ン フ レー シ ョン を、 債 務 国に デ フ レー シ ョン をひ きお こ す こ とに よ って 国 際間 に 調整 が行 な わ れ るこ とが 期 待 され て い た 。す なわ ち 、 国 内 経 済 の 犠牲 にお い て 通貨 の 国 際価 値 を維 持 せ ん とす る もので あ った 。 これ に 反 して 、 現 在 の 国際 通 貨 基 金 制 の もと で は 、一 面 にお い て各 国 が一 方 的 に、 任 意 に 為 替 平 価 の 切 り下 げ を 行 な うこ とを 禁 ず る反 面 、 あ る一 定 の 条件 の もとで は あ るが 、 一 国 の 体 質 的不 均 衡 を是 正 す る た め の為 替平 価 の変 更 が 認 め られ てい る 。 (註3)宮 田 喜 代蔵 著 「イ ン フ レー シ ョ ンと平 価 切 下 」 第 二 章 第 一 節 (註4)上 掲書 、 第 五章 第 一 節 (註5)た とえば 、 英 植 民 地 時 代 の イ ン ドにお い て 、 印貨 ル ピー は、 あ る と きは 直 接 「 一 定量 の銀 」、 あ る と きは 「一 定 量 の金 」 と結 び 、 あ る とき には 「一 定 額 の ボ ン ド貨 」 と結 ば れ てい た 。 (註6)こ の購 買 力平 価 説 は 、 一 般 に、 グ スタ フ ・カ ツ セ ルの 名 に よ って知 られ る もの で あ り、 理 論 的 には 最 も正 しい もの と考 え られ るが 、 その 出 発 点 た る一 国 の 国 内 物 価 の吟 味 に 欠け る と ころ が難 点で あ る 。す な わち 、 各 国 は それ ぞれ 独 白の 物 価 体 系 、換 言 す れば 独 自の く金 に 対 す る各 財 の相 対価 格 体 系 〉 を有 す る ので あ るか ら、 これ は 一 国 の物 価 水 準 一 般 を 比較 す る場 合 に のみ 妥 当 な 理論 で あ ろ う。 なお これ に 対 して 、為 替 相 場 の 市場 価格 を説 明す る もの に、 国 際貸 借 説 、 為 替 心 理 説 な ど が あ る。

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(註7)通 貨 供給 量 の推 移 (単 位:億 ル ピ ー)

慧1幕 減

預 金 通 貨

供給量降 間鰍

■. 1951年 末 1956年 末 1961年 末 1962年 末 1963年 末 9 9 3 2 1 £ U α U 1 ⊥ O J 5 R U に ﹂ 0 圃 ■ ⊥ 0 乙 224.63 247.54 一3 .11 +10.08 +9.22 十18,67 十22,91 56.48 65.99 78,08 87.44 106,38 一1 ,96 十3,16 十3.76 +9.35 +18.95 通 貨 合 計 供 給 量 丁年間増 減' 18D.46 221.15 284.05 312.07 353.93 一5 .07 十13.24 十12,98 十28.02 +41.86 Source:Govern皿elltofIndia,PllblicationDivi8ioi,India1964. (註8)イ ン ド政 府 の 負 債 状 況(単 位:百 万 ル ピ ー)

1訟 璽 職 ピ蒲

艀 劉 その他[合 計擁

4,イ ン ドの 輸 出入 構 造 と為 替 相 場 の 切 り下 げ そ もそ も外 国 貿 易 は,一 国 の 国 内経 済 の 変 動 のみ で な く世 界 経 済 の変 動 を大 き く受 け る もので あ り,特 に イ ン ドは,独 立 時 のパ キ ス タ ン との分 離 に よ っ て 本 来 同 一 経 済 圏 内 の補 完 関係 が 完全 に 絶 ち 切 られ た結 果,外 国貿 易 に非 常 な ひ ず み を生 じて い る こ とは 周 知 の通 りで あ る 。 (註1)

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さて,1960年 代 の イ ン ドの 貿 易 は 開発 の た め の生 産 財 の 需 要 と,爆 発 的 な 人 口増 加 と不 作 の ため に 急 増 す ろ食 糧 輸 入 の た め に,貿 易 収 支 は常 に 逆 調 を示 し て来 た 。 こ こ に,い わ ゆ る交 易 条 件 を 検 討 す るに,全 体 と して は か な り改 善 さ (表1-A,B) れ て来 てい るよ うに見 え るの で あ るが,特 に 輸 入 の大 宗 を示 め る と こ ろ の機 械 (表2) 類etcに つ い て み る と非 常 な悪 化 を示 し,甚 だ しき は1963年 度 の 基 準 年 度 に比 して 二 分 の一 とい う数 字 す ら見 られ る状 態 で あ る 。 (表1-A) 年 次 品 目 臥 鋼 品 器 器 綿 麦 料 を ロ

械 、フ 学 機 鉄 石 輸 電 原 小 化 主 要 商 品 の 輸 入 (単 位;百 万 ル ピー) 1960年4月 ∼・ 1961イ下3月 1961年4月 ∼ 1962年3月 2.033.72.369.9

1'lll:lllll:l

l閣lll:1

817・41626・6 1.532.Ol938.7 393.4355.9 224、41・87.3

19灘 碧

弄1

2,471.4

111:l

lll:l

lll:1

㌶1:19

1963年4月 ∼ 10月 L579.9 507.6 )350,9     ,309,5 !469。O l263.3 1350・2 196.6 121.4 計(そ の 他 を 含 む)1111.216・2110.900・6110、770・9}、 (表1-B) 主 要 商 品 の 輸 出 6,347.1 次 年 ゜ 1 品 紅 綿 製 茶 品 ジ ュ ー ト 製 品 等 繊 維 類 非 鉄 原 鉱 石 原 砂 鉄 鉱 革 綿 糖 石 1960年4月 ∼ 1961年3月 L235.9 575.4 797.1 612.3 164.9 248.5 86.7 32,8 170.3 1961年4月 ∼ 1962年3月 19灘 騨}1963年4月 (単 位:百 万 ル ピ ー) ㌔'一 ∼10月 1、222.6 482.5 875.1 654.8 128.1 1 253.3 113.21 153・31 174・11 計(そ の 他 を 含 む)116,324・216.551.71

1.291.9{1

465.4}1

"ll::ひ

99・0 ,【1 225.8i!t 122・0:1 180・3冒 198.2:" 1、 ゴ 6、863,51く 貿 易 収 支II-4・892・Ol-4・348・gl-3.907・4 701.8 264.7 714.4 350.8 52.1 147.5 66,2 197.2 194.4 4.344.6 ,-2,002.5

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(表2) \ こ 品目分類 年 珠 __二:譜 食 糧 飲 料 お よび タ バ コ 素 材 原 料r食品樹1を除く) 鉱 物 油 動 ・植 物 性 油 脂 化 学 薬 品 工 業 製 品 機 械 類 、 輸 送 用機 器 雑 工 業 製 品 全 商 品 輸 出 入 価 格 指

轟謙 購 年

陣 謙賄

102 100 105 91 104 201 122 92 95 100 85 103 90 96 211 114 79 101 107 89 83 80 94 174 113 74 149 数(1958年 基 準) 輸入儲 指 数〔・)「 96 98 93 93 99 86 101 106 106 92 103 94 87 89 71 99 106 100 69106.3 87102.0 93112,7 8797,君 89105,0 50233.7 101110.呂 145毫 抽 転6 101楽 駐臼,直 108,7 張82.5 109.5 103.4 107』 2972 115.1 量誓74、 論 10工,O 155,0 102沼 療 呂92 91』 105.窃 348.0 111,臼 楽5LO 14乳5 ll111110611051'9411001112・11112.711G5.O SourcelGovernmentofIndia,PublicationDivision:India1964. こ こ に お い て 我 々 は,先 ず,為 替 レー ト切 り下 げ 以 前 に お け る イ ン ド輸 出 入 商 品 の 価 格 弾 力 性,交 易 条 件etcを 問 題 と し,つ い で,今 回 の 切 り下 げ が こ れ ら に ど の よ うな 影 響 を 与 え る か の 分 析 に 進 む こ と と す る 。 1964年 度 の 年 間 統 計 に よ る と,輸 出 は79.1億 ル ピ ー に 達 し,前 年 比15%の 増 加 を 示 して い る 。 こ の 輸 出 増 加 に は,主 と し て 砂 糖,植 物 油,紅 茶,油 か す, ジ ュ ー ト製 品,タ バ コ,青 果 物,繊 維 品,羊 毛 製 品,手 工 芸 品,原 綿,皮 革 な ら び に 皮 革 製 品,鉄 鋼 ス ク ラ ッ プ,鉄 鉱 石,水 産 物etcが 貢 献 し て い る 。 と こ ろ が,こ れ ら の 輸 出 増 加 の な か に は,単 位 あ た り価 格 の 低 落 に も か か わ らず 輸 出 数 量 の 増 大 に よ っ て 達 成 さ れ て い る も の が 多 い の で あ る 。 た と え ば,原 綿 に つ い て い う と,そ の トン あ た り価 格 は,1962年 の2098.25ル ピ ー か ら1963年 の 2030.65ル ピ ー に 低 下 し,そ れ を ば5万7000ト ン か ら6万2000ト ン へ の 数 量 の 増 加 に よ っ て カ ヴ ァ ー し,結 局,輸 出 額 に お い て は,1億1900万 ル ピ ー か ら1 億2590万 ル ピ ー に 増 加 して い る 。 同 様 に,マ ン ガ ン 鉱 に つ い て も,単 位 価 格 は,ト ンあ た り106.27ル ピ ー か ら88.85ル ピ ー に 低 落 し,そ の た め,輸 出 数 量 の79万8000ト ン か ら92万4000ト ン へ の 増 加 に もか か わ ら ず,輸 出 価 額 は8480万

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ル ピー か ら8210万 ル ピーへ と下 落 を示 して い る の で あ る。す な わち,他 の条 件 を一 応 無 視 して 考 え る とき,原 綿 の輸 出 は価 格 の低 落 を補 な うだ け の 増 加 を み た に もか か わ らず,マ ンガ ン鉱 に あ って は,輸 出 価 格 の 低 落 は それ を カ ヴ ァー す る だけ の 数 量 の増 加 を招来 しな か った 。す な わ ち,原 綿 の輸 出 価 格 弾 力 性 は llll:ll× 柵=1・05268と1よ り大 な る に反 し,マ ン ガ ン 鉱 の ぞ 相 ま 畿}× 謬lllll=0・96809と1よ り小 な る こ と がわ か る ・ な お 諭 出 総 額 の減 少 した もの に黒 こ しょ う,あ る種 の植 物 油,原 毛 お よび 雲 母 が み られ る が,黒 こ し ょ うは世 界 的 な豊 作 に よ る価 格 低 下 の故 で あ り,香 料 用 の レモ ン ・ グ ラ ス油 は化 学 合成 品 の 出現 と安 価 な グ ァ テ マ ラ産 の もの と の競 合 に よ る 。更 に,原 毛 は主 と して軍 需 面 にお け る 国内 需 要 の急 増 に よ る輸 出数 量 の 減 少 に よ る 。 な お,雲 母 の輸 出額 の低 下 もマ ンガ ン鉱 の場 合 と 同 じ く,数 量 増 加 の メ リ ッ トを 上廻 る価 格 の低 落 に よっ てい る。 以 上 の具 体 例 に よっ て も明 らか な る如 く,イ ン ドの輸 出 は 1,国 際商 品 た る農 作 物 あ るい は鉱 産 物 価格 の 不 安 定 性 2,代 替 的 合 成 化 学 製 品 の 出現 に よ る脅威 3,輸 出供 給 余 力 に 限 界 が あ り得 る こ と とい う,第1次 産 品 輸 出国 に見 ら れ る不 利 を そ の ま ま 蒙 って い る こ とが わ か る。 な お輸 入 に つ い て は,政 府輸 入分 の 大 幅 な 増 大 に比 し,民 間輸 入 分 は か な り の減 少 を示 して い るが,電 気機 器 な らび に 機 械 類 の輸 入 は そ の例 外 を な して い る 。 しか も これ らは 開発 計 画 遂 行 の た め に は 万 難 を排 して な さ れね ば な ら ぬ も の で あ った 。 こ の よ うな情 況 下 に お け る為 替 レー トの 切 り下 げ は,イ ン ドの輸 出入 に如 何 な る影 響 を及 ぼ す で あ ろ うか 。 以下 これ を,新 しい レー トの下 にお け る輸 出 入 商 品 の価 格 弾力 性,輸 出余 力,輸 入 の 非 減 少,交 易 条 件 の変 化etcの 諸 点 を考 慮 し,そ れ が貿 易 収 支 に ど うひ び くか?更 に は,資 本 収 支 を も含 め た 国 際 収 支 に ど う反 映す る か を分 析 した い 。 さ て,1962年 度 の イ ン ドの 輸 出入 を み る に,輸 入 は 総 額107億7090万 ル ピー に 達 し,機 械類(24.7億),輸 送 用 機 器(6.3億),電 気 機 器(5.7億),鉄 鋼 (8.7億),小 麦(9.2億),石 油 製 品(5,7億),原 綿(5.7億)が 主 た る もの

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で あ った 。他 方 輸 出 は 総 額68億6350億 ル ピ ー に と どま り,紅 茶(13億),ジ ュ ー ト製 品(11億) ,綿 製 品(4.6億),そ の 他 の一 般 繊 維 製 品(5・6億)お よび 皮 革(2.3億)が 主 要 項 目 をな して い た 。 と ころ が,以 上 の輸 入 品 の うち,機 械 類,輸 送 用 機 器,電 気 機 器(三 者 で 輸 入 総 額 の25%に 達 す る)は,後 述 の 開 発 計 画 よ り も明 ら か な る如 く,今 後 の 人 為 的 交 易 条 件 の悪 化 に もか か わ らず, 恐 ら く輸 入 の減 少 し難 い もので あ る 。 この こ と は特 に第4次 計 画 との 関 連 にお い て これ を み る と き 明 らか で あ ろ う。 従 っ て,こ れ らは 交 易 条 件 の 一 そ うの悪 化 と輸 入 量 の非 減 少 とい う二 つ の理 由 か ら,ま す ます イ ン ドの 貿 易 収 支 を悪 化 せ しめ る要 因 と考 え ら れ る 。幸 い 鉄 鋼 に 関 して は,相 次 ぐ重 点 的 開 発 支 出 の結 果,よ うや く輸 入量 の減 少 を み るにい た ってい るが,そ の輸 入 ば,い ま な お8 億7000万 ル ピー の 巨額 に 達 してい る。 ま た 原 綿 に つ い て も,原 料 高 の輸 出製 品 安 とい う不 利 を蒙 らね ば な らない 。更 に,小 麦(9.2億),米(2.1億)の 輸 入 (註2) も,両 者 で 輸 入 総 額 の11%を 占め るが,こ れ ら が共 に生 存 食糧 で あ る が故 に, そ の価 格 弾 力 性 は 極 度 にひ く く,し か も爆 発 的 な 人 口増 加,農 業 生 産 の停 滞 の 故 に,万 難 を排 して も行 なわ れ ね ば な ら ない もの で あ る。(註3) 一 方 輸 出 に つい てみ る と,価 格効果 の故 に(外 貨表示の価格が安 くなる), 多 少 の輸 出増 加 の 期待 で き る もの に紅 茶 が あ げ られ るが,こ れ ま た,主 仕 向 地 た る英 国 で は生 活 必 需 品 に近 い 嗜好 品 で あ るた め 価 格 弾 力 性 は 極 度 に 小 さい で あ ろ う こ と,ま た農 産 物 な るが故 に 輸 出 余 力 が如 何 ほ どあ る か とい う問題 を 考 え る と き,悪 化 した交 易 条 件 を克 服 す る だけ の輸 出増 加 は と て も期 待 で き ない と思 わ れ る 。 も っと も綿 製 品 に つい て は,価 格 競 争 力 を強 め る こ と に よ って輸 出 の増 加 も考 え うる し,同 様 の こ と は 鉄 鉱 石,皮 革 等 の輸 出 に もい え る で あ ろ う。 た だ,綿 製 品,皮 革etcに つ い ては,代 替化 学 製 品 と の 競 合 とい うこ と も 充 分 考 慮 に 入 れ て お か ね ば な らな い 。 更 に,ジ ュー ト製 品 に っい て も,そ の 用 途 が 限 定 さ れ て い るた め に 多 くは 期 待 で き ない 。 こ れ を要 す る に,輸 出 に 関 し て云 え ば,ご く一部 の もの に 限 り多 少 の輸 出 増 加 の 余 地 が あ る の み で あ り,輸 入 に っい て は,鉄 鋼,原 綿,軽 工 業 生 産 物etcの 輸 入 を多 少 削 減 す る こ とが 望 ま れ ろ程 度 とい え よ う。従 っ て,貿 易 収 支 の 改 善 の望 み は きわ め て 少 な く,こ こに,既 往 海 外 債 務 の元 本 返 済 等 を考 え る と き,綜 合 国際 収 支 の改 善 もほ とん

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ど絶 望 視 さ れ る の で あ る 。 (註1)た とえば 、 粗 ジ ュー トの生 産 地 が パ キ ス タ ン側 に残 り、 ジ ュー ト工 場 の 大部 分 が イ ン ド側 に残 った のは そ の典 型 的 な 例で あ る 。 (註2)周 知 の如 く、 イ ン ドの棉 花 は 短 繊 維 の もので あ り、 高 級 品 の生 産 には 、 良 質 の 米 棉 、 エ ジ プ ト棉 の 輸 入が 必 要 と され て い る 。 も っ'とも現 在 、 イ ン ド政 府 は,長 繊 維 品 種 の導 入 に力 を 入 れ てい る 。 (註3)新 聞等 に よ る と、 ガ ンジ ー首 相 は 、 イ ン ド国 民 に 節食 を 呼び か け てい るが 、 各 地 に餓 死 者 が 現 われ,食 糧 デ モ を誘 発 して い る。 5,第4次5ケ 年 計 画 と ル ピ ー の将 来 結 語 以 上 我 々は,今 回 の 為 替 相場 切 り下 げの 原 因 を イ ン ド経 済 の体 質 のな か に 求 め る努 力 を して来 た 。従 って,も しイ ン ド経 済 自体 の な か に,今 回 の 措 置 に よ っ て是 正 さ れ得 ない 根 本 的 な 悪 弊 が 存 す る な らば,必 らず や 近 い 将 来 に 第2 次,第3次 の切 り下 げが 必 要 と さ れ る こ と に な る 。 しか るに イ ン ド経 済 の 前 途 は 決 して楽 観 を 許 す もの で は ない 。 そ れ を,今 年 度 よ り始 ま る と こ ろ の第4次 5ケ 年 計 面 と の 関聯 に おい て 分 析 し,あ わ せ て ル ピー の将 来 を 占 ない たい 。 1964年10.月,計 画 委員 会 は 第4次5ケ 年 計 画 に 関す る メ モ ラ ンダ ム を発 表 し た が,こ れ は 前 年 の11月 に 発 表 せ られ た第3次 計 画 中 間 報告 に もと つ く もの で (註1) あ り,第4次5ケ 年 計 画 の輪 か くを示 す もの で あ った 。 次 ペ ー ジ に こ れ を 示 す 。 (表3) そ もそ も第3次 計 画 が,1961∼62年 か ら1975∼76年 にい た る15年 に わ た る長 期 計 画 の第1期 計 画 と し て提 出 さ れ た もの で あ り,従 って第4次 計 画 は,残 る (註2) 10年 間 の大 綱 を も示 しつっ,特 に前 半 の5ケ 年 間 に つい て の具 体 策 を示 す もの で あ る が,第3次 計 画 が 種 々 の 障 碍 に 見 舞 われ,そ の 目標 の 半 ば の 達 成 も危 ぶ ま れ てい た た め,そ の規 模 をめ ぐっ て激 烈 な論 議 が 展 開 さ れて い た ので あ る 。 す な わ ち 第3次 計 画 が 当 初 の期 待 と は 程 遠 い 達 成 率 しか 示 し得 て い ない が 故 に,第4次 計 画 は なお さ ら一 そ う大規 模 な らざ る を得 ない とす る計 画 委 員 会 側 の 立場 と,し か るが 故 に こ そ,次 の計 画 は 現 実 をふ ま え た もの で な け れ ば な ら な い とす る,主 と して 在 野 の学 者 や実 業 家 との 間 に,烈 しい 論 争 が 行 な わ れ た。 (註3)

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(表3) 第4次 計 画(公 共部 門支 出) (単 位;億 ル ピ ー) ◎。 Q。 較 比 の 門 部 共 公 の のa乳qく08m餌 ー の ㎝8 恥 一 ⊃ ⊃⊃ ー ノ ゜﹂潟3雌1422023 くくくく ﹂浮詔2﹂8QU旺4i⊥9自丑り阜-⊥11占 一 膨 盟 ジ    OQ9りム44 昌 紛 澱 予 績 実 画 計 歓

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学 健 宅 部 会 働 組 開同 教科保住未社労協 一 策 策 他 目 対対項 の 村民整 農 難そ調 一 た だ し、 こ れは 総 額2,260億 ル ピー の もので あ るので 、2,350億 ル ピー の ものへ の 修 正 が な され て い るは ず で あ る。

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特 に ・ 計 画 委 員 会 の 長 期 計 画 案 に よ る と,1966∼76年 の ユ0年 間 に,雇 傭 を 確 進 し,消 費 水 準 を 高 め,外 国 援 助 へ の 依 存 を 減 少 さ せ る た め に 必 要 な 経 済 成 長 率 を年 率7.5%と み,そ の た め 最 初 の5年 間 に 公 共 部 門 で1641.5億 ル ピ ー,私 的 部 門 で791。5億 ル ピ ー,合 計2433億 ル ピ ー の 投 資 が 最 低 限 必 要 で あ る と して い る 。 も っ と も 結 論 と し て は,現 実 の 諸 条 件 を 考 え て,2150億 な い し2250億 ル ピ ー を 適 切 な 最 低 限 と し て い た 。 な お,こ の 開 発 支 出 に よ り,農 業 生 産 な ら (註4) び に 組 織 産 業 は,少 な くと も そ れ ぞ れ,年 率5%お よ び11%,小 規 模 産 業,鉄 道,通 信,銀 行 お よ び 保 険 業 に お い て8%そ の 他 の 商 業,交 通,サ ー ヴ ィ ス 部 門 に お い て は6.5%の 増 加 が 期 待 せ ら れ,全 体 と し て の 成 長 率 は6.5%が 見 込 ま れ て い る 。 な お,こ の 第4次 計 画 は か な り 野 心 的 な 物 的 目 標 を 掲 げ て い る が,以 下 に 主 要 項 目 の 指 標 を 示 す こ と に よ っ て,そ の 輪 か く を 示 そ う 。 (表4) 以 上 は 新 計 画 の 概 略 で あ る が,で は こ の た め の 所 要 資 金 は い ず こ よ り 得 ら れ る の か?ま ず 計 画 委 員 会 の 主 張 す る と こ ろ に よ り こ れ を み よ う 。 草 案 に よ る と,所 要 資 金 総 額2375億 ル ピ ー の うち775億 ル ピ ー は 私 的 部 門 の 自発 的 投 資 に ま っ も の と し,残 りの 公 共 部 門 投 資 総 額1600億 ル ピ ー の うち , 470億 ル ピ ー を 海 外 援 助 に 期 待 し,現 行 の 税 収,鉄 道 収 入,公 債 等 に よ り857 億 ル ピ ー を,93億 ル ピ ー を1966年 度 よ りの 新 財 政 特 別 措 置(増 税 等)に よ り, 残 り の180億 ル ピ ー を 今 後 の 国 内 資 金 の ヨ リ有 効 な る 動 員 に よ り獲 得 す る もの と し て い る 。 こ れ を 一 覧 表 に て 示 す と 次 の 如 く な る 。 (表5) さ て,こ の よ う な 資 金 計 画 は あ ま り に も楽 観 的 に す ぎ る と 思 わ れ る の で あ る が,こ れ を 別 の 観 点 か ら見 る こ と に し ょ う 。 こ の5ケ 年 間 に2350億 ル ピ ー と い う数 字 は,イ ン ドの 国 民 所 得 に お い て 如 何 な る 比 重 を 占 め る も の で あ ろ う か?実 現 の 可 否 は 別 と して,海 外 よ り の 援 助 に 470億 ル ピ ー を 見 込 ん で い る が,第4節 に お い て み た 如 く,た と え 今 後 の 貿 易 収 支 が 悪 化 し な い と し て も,年 間40億 ル ピ ー と み て5ケ 年 間 で 約200億 ル ピ ー の 入 超 を 覚 悟 せ ね ば な る ま い 。 そ れ に,新 レ ー ト表 示170億 ル ピ ー の 既 往 の 海 外 援 助 に 対 す る償 還 が 予 想 さ れ て い る か ら,差 引 き 約2250億 ル ピ ー一が 今 後5年 間 の 国 民 所 得 よ り ま か な わ れ な く て は な ら な い 。 さ て,1965∼66年 度 の 国 民 所 得 は,農 業 生 産 が 順 調 に 推 移 す る と い う仮 定 の も と で も1740億 ル ビ ∼ に と ど ま

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(表4) 単 位 食 棉 ジ 糧 ユ 砂 糖 キ ビ(グ ル) 作 物 花 卜 油 性 種 子1 100万 ト ン 10万 俵 10万 俵 100万 トン 100万 トン 窒 素 肥 料(消 費高)i ト 燐 酸 肥 料(消 費高)1 発 電 灌 概(追加面積) 1000ト ン

_1

100万KW 100万 工 一 力 鉄 鋼(イ ン ゴ ツ ト)1 銑 鉄(最 終 製 品) ア ル ミ ニ ュー ム 機関車(製造能力) 商業 用 自動 車(〃) 機 械 工 具 100万 ト ン ノ! 1000ト ン 台 1000台 億 ル ピ ー セ メ ン ト100万 ト ン 主要 港 湾 荷役 能 力100万 トン 初等 教 育 (6才 一11才) 中 等 教 育 (11才 一14才) 高等 教 育 (14才 一17才) 同年令層比 ー ー ノ ノ 1965∼66年 度 第3次 計 画 当 初 の 目標 画 晃 定 訂 告 推 次 輻 の h丑 刷則 芽 び ロ

100 70,65 62 10 9.82 占 一_一 1000 400 12.7 29.5 30.0 98.6 17.25 58 3.5 700 120 9.2 1.5 80 360 60 3.⑪ 13 49 一 76.4% 28.6% 15.6% 100 70.65 62 10 9.82 ∩ U ∩ ) 0 に ﹂ 0 0 n 乙 12.5 23.2 4 凸悶 J r D ∩ り 0 乙 8 55.5 3.5 580 28 7.8 2 ﹂1 ⊥ 8 6 360 5 湘 生 0 6 5 12 49 メ モ ラ ンダ ム発 表時 の ,定 92 63.40 62 11 7,5 G O に ﹂ 匿 J nド ∪ 2 11.7 20.0 26 76 12.25 (15.25) 55 3.2 650 (680) 28 (30) 7.4 (8,9) 1.2 68 (Ta) 340 (390) 54 2.5 (3,0) 12 (14) 62 77,8% 31.6% 17.8% 1970∼71 年度 目標 120 95 80 13.5 10.0

}3,350

22,0 26.0 54 106 20 54.86 4.5 1350 165 11.7 4.0 240 450 5 0 0 0 1 ⊥ 1 20 86∼89 87.7% 42.7% 22.1% Source:MemorandumontheFourthFiveYearPlanお よ びYOJANA,1966年 9月4日 号 に て 紹 介 せ ら れ た 第4次 計 画 。 か っ こ 内 の 数 字 は 設 備 能 力 を 示 す 。

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(表5) 資 金 源 現 行 料 率 にお け る税 収 現行料金による鉄道運賃収入 公共企業収益 公 債(純 増 分) 小額貯蓄(郵 便貯金が主 と思われ る) 既往債務の返済延期 強制年金等の積立分 雑資本収入 非計画部門支出の節約 † 単 位:億 ル ピ ー 301.0・ 26.0 108,5 1150 .0 100・0}857・0 56.51 15.0 66.5 33.5 海 外 援 助(P.L.480条 特 別援 助 を含 む) 新 規 財 政 措 置(1966年 度 よ り確 定 分) 今後 の有効なる国内資金の動員 470.0 93.0 180.0 合 量口十 1,600,0 Source:YOJANA1966年9月4日 号 。 な お 、 こ の 表 に い う と こ ろ の 「有 効 な る 国 内 資 金 フ)動員」 な る もの が 具 体 的 に 何 を 指 す かは 今 の と ころ 不 明 で あ るが 、 既 述 の BlackMoneyの 摘 発 ・没 収 、 あ るい は各 州 予 算 の余 剰 、1967年 度 以 降 の 新 規再 増 税 が 考 え られ てい る もの と思 わ れ る。 なお 、 少 な くと も今 の 段 階 で は 、 今 計 画 期 中に 赤 字財 政 を行 な わ ない 旨の 言 明 を 行 な って い る 。(註5) る と考 え られ てい るか ら,こ れ を仮 りに1700億 と み,こ れ に 第4次 計 画 期 の 予 想(註6) 成 長 率(年 率6.5%)を 乗 じて各 年 度 の 国民 所 得 を推 算 す る と 以下 の 如 くな る。 1965∼66年 度(基 準 年 度)国 民所 得(見 込) 1700億 ル ピー 1966∼67年 度 国民 所 得 予 想 1967∼68年 度 〃 1968∼69年 度 〃 1969∼70年 度 〃 1970∼71年 度 〃 1810億 ル ピ ー 1928億 ル ピ ー 2053億 ル ピ ー 2186億 ル ビ ー 2330億 ル ピ ー 1966/67年 度 ∼1970/71年 度5ケ 年 間 合 計 10,307億 ル ピ ー す な わ ち,5ケ 年 間 に10,307億 ル ピ ー の 国 民 所 得 か ら,2250億 ル ピ ー の 開 発 支 出 を ま か な わ ね ば な ら ぬ こ と に な る 。 実 に,22%弱 に 相 当 す る 。 し か る に 一 方,現 時 点 に お け る.貯蓄 性 向 は13%と 算 定 さ れ て い る に す ぎ な い 。 而 し て,こ

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の ギ ャ ッ プ の 扱 い が,こ の 計 画 の 成 否 を 左 右 す る も の と い え よ う 。 以 上 み て き た如 く,イ ン ドが 今 回 の 為 替 レー トの 切 り下 げ に よ っ て フ ラ ン ス や ユ ー ゴ ス ラ ビ ア に み ら れ た 如 く そ の 経 済 的 苦 境 を 切 り 抜 け る こ と が 出 来 る か,あ るい は イ ン ドネ シ ア の 如 く,底 な し の イ ン フ レー シ ョ ン に 捲 き 込 ま れ る か は 同 国 が 国 内 の イ ン フ レ要 因 を 早 急 に 除 去 で き る か 否 か に か か っ て い る 。 と こ ろ が,現 実 に は 無 謀 と 思 え る 大 計 画 を 推 進 し て い る 。 以 下 結 論 と し て,現 在 の イ ン ドの 悪 性 イ ン フ レー シ ョ ン 回 避 の 処 方 籔 を 示 す こ と に よ っ て こ の 小 論 を と じ た い 。 (註7) イ ン ド政 府 の 採 る べ き 処 方 策 リ リ ー ー 一 り 4 つ ラ ジ ヲ ナ 9 U 4 に り 農 U 7 私 的 部 門 にお け る生 産 物 価 格 の 上 昇 を 認 め ない こ と 。 第4次 計 画 に っい ては,そ の完 全 実 施 よ り も,物 価騰 貴 を お さえ るこ と に 全 力 を注 ぐべ き こ と 。す な わち 通 貨価 値 の 安 定 こ そ現 下 の 急 務 で あ る 。 赤 字 財 政 は 絶 対 に 行 な わ な い こ と 。む しろ計 画 の 削 減 の方 が望 ま しい 。 公 共 部 門 にお け る収 益 率 の増 大 を 計 るこ と。 輸 出 の促 進 。 不 要 不 急 品 の輸 入 制 限 。 輸 入 品代 替 産 業(た と えば 食 糧 生 産)の 保 護 ・奨 励 。 以 上 。 (註1)GovernmentofIndia,PlanningCommission:McmoralldumolltheFourth FiveYearPlan,Oct,1964. (註2)第3次 計 画 よ り 始 ま る15年 間 の 口 標 は 、 a.白 立 的 経 済 発 展 の 基 礎 固 め を す る こ と b.働 ら く意 志 を もつ す べ て の 者 に 、 所 得 と 雇 傭 の 機 会 を 与 え る こ と c.経 済 的 ・社 会 的 格 差 の 縮 小 に 努 め つ つ 、 す べ て の 家 族 に 最 低 の 生 活 水 準 を 保 証 す る こ と で あ っ た 。 (註3)計 画 立 案 者 達 の 巨 大 主 義(gigantiSln)に 対 す る 批 判 は.多い が 、 特 に 鉄 鋼 業 界 の 巨 頭 で あ る タ タ 氏(J.R.D.Taしa)に よ る 、 同 規 模 の 計 画 を5ケ 年 で な く、7ケ 年 に 引 き の ば し て 実 施 す べ し と い う提 案 、 な らび に 故 シ ヤ ス ト リ首 相 の 、 第3次 計 画 を1∼2年 ず ら し て 達 成 さ せ て は ど うか?と い う示 唆 は 、 い ず れ も傾 聴 に 値 す る 。 前 者 に つ い て はTheTimesofIndia,1965年8月13日 号 、 後 者 に つ い て は 、 第4次 計 画 の 規 模 決 定 に い た る ま で の 新 聞(TheTimesofIndia)の 諸 報 道 。 (註4)1965年8月11日 の 計 画 委 員 会(実 行 委 員 長AsokaMehta氏)に よ る 決 定 。 な お 最 終 決 定 は 、 同 年9月5日 お よ び6日 に ひ ら か れ る 国 家 開 発 審 議 会(Natiollal DevelopmentCounci1,議 長 は 首 相)に よ っ て 行 な わ れ る こ と と な っ て1、・た が 7 8

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(TheTi皿esofIlldia,1965年8月12日 号)印 。パ紛 争 の勃 発 、 故 シヤ ス ト リ首 相 の 急 死 、 国民 所 得 の 予 期せ ざ る低 下,為 替 レー トの切 り下 げ を必 要 とす るほ ど の 外 貨 危機 の 緊 迫等 の ため 最 終 決定 がお くれ て い た 模 様 で あ る。 か くて 、1966年 8月20、21の 両 日に い た り、 草 案 が 上記N.D.C.に おい て承 認 さ れ、 同 月29日 に 国会 に提 出 され るにい た った 。(YOJANA,1966年9月4日 号) (註5)政 府が 新 規 の増 税 を 考 え てい る こ とは 、 こ の表 にお い て も、 「現 行 料 率 にお け る税 収 」 とい う表 現 を使 ってい る こ とで も明 ら かで あ るが 、 す で に1965年8月19 日発 表 の増 税 、(輸 入 税お よび 消 費 税 の増 徴 、5ケ 年 で86.5億 ル ピー を 見込 む。 TheTimesofIndia,1965年8月19日 号)お よび表 に あ る と こ ろ の1966年 度 よ りの 増税93億 ル ピー を 考 え る と き、 担 税 力 の 限界 が感 ぜ られ る 。 (註6)上 掲 メ モ ラ ンダ ム2ペ ー ジ 。 と ころ が 、最 新 の報 告 に よ る と、1965∼66年 度 の 国民 所 得 は 前 年 比4.2%の 下 落 を示 し、 結 局1593億 ル ピー に と ど ま っ た 模様 で あ る 。 なお 、 第3次5ケ 年計 画 が順 調 に推 移 した場 合 の ユ965∼66年度 国民 所 得 見 込 みは1900億 ル ピー で あ った 。 なお 、 第4次 計 画最 終 年 た る1970∼71年 度 の 国民 所 得 は 目標2310億 ル ピー と さ れ てい るか ら、 筆 者 の推 算 した2330億 ル ピー ば 穏 当な もの と考 え られ る。 (註7)敢 え て この よ うな 処方 箋 を提 出 した もの の 、 こ れ が実 行 され る こ とは まず あ る まい と考 え られ る。

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