二層流体の界面における波動
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(2) 目次 序論 水波の理論 境界値問題. 第1章 第2章 2−1. 微小振幅波 2−3 定在波 2−3−1波による水の運動についての一般論 2−2. 1. 4 4 6 8 8. 2−3−2 囲まれた水面での水波の振舞い. 11. 2−3−3 連成振動. 13. 2−4. 2層流体の界面の関係式. 第3章 実験装置及び実験方法 3−1 実験装置. 14 18 18. 3−1−1 リップルタンク. 18. 3−1−2造波機. 19. 3十3 センサー. 20. 3−1−4 センサーの配置. 21. (a)定在波 (b) 2層流体の内部波 3−1−5増幅器 3−1−6記録装置 3−1−7波長測定. 3−2 実験方法 3−2−1定在波の測定 (a)実験の手順 (b)測定方法. 21. 22 22. 23 24 25 25 25. 26. 3−2−2 連成振動の測定. 27. 3−2−3 2層液体の界面の波動に関する測定. 27. (a)波長測定 (b)表面張力測定. 第4章 固有振動と豊成振動の結果と考察 4−1 A・B領域の長さが同じ場合 4−1−1 a(=b)の長さの変化にともなう固有振動の出方 4−1−2. 固有振動数とその前後の振動数の波高値の差が小さい場合. 4−1−3. 固有振動数とその前後の振動数の波高値に大きな差が. ある場合 4−1−4考察. 29. 29 30 30 30. 33 33 33.
(3) 4−1−5固有振動における波形とフーリエ解析 4−2 A・B領域の長さが異なる場合. 35. 4−3 固有振動と連成振動. 37. 4−3−1固有振動の領域が確定できない場合の連成振動 4−3−2 A・B領域の固有振動が重なる場合 4−3−3一・方の固有振動が他の領域に影響を与える場合 4−3−4 a、bの比が同じ場合の連成振動の波高値変化 4−3−5固有振動からずれたところで波高値が高くなる場合. 37. 4−3−6考察 4−3−7連成振動における波形とフーリエ解析 第5章 密度の異なる2液体の界面の波動現象 5−1 密度の和と差の比の変化による波長変化 5−1−1振動数の小さい場合の波長 5−1−2 振動数:の大きい場合の波長. 5−1−3考察 5−2 界面の表面張力の違いによる波長変化 5−2−1振動数の小さい場合の波長 5−2−2振動数の大きい場合の波長 5−2−3考察 5−3 5−4 5−5. 5−6. 第6章. 上層の液の深さによる波長変化 下層の液の深さによる波長変化 内部波の減衰 界面の波形とフーリエ解析 結論. 37. 39 39 39. 41. 42. 43 45 45 45 45. 47 50 51 51. 52 55 55 56 58 63. 謝辞. 64. 参考文献. 65.
(4) 第1章序論 波といえば、水面を広がっていく波や北風にあおられた荒々しい日本海の波 を思い浮かべる。また、水波のはたらきによって、心休まる潮騒の響きを聞か せてくれるときや、ときには陸地を振動させるほどのエネルギーを見せてくれ る場合もある。. 水波の研究には私たちの身を守ることや生活に役立つことが多い。地震、津 波の多い我が国において、防災を意識しての街づくりは必要欠くべからずこと である。北海道の奥尻島の津波の惨事は記憶に新しい。海底の地形によって波 の高さが変わることや両方から周りこんだ波が重なり合って波が高くなり、地 域によってその被害に差が出たという。波動現象を理解することは、自分の生 命を守る意味からも重要なことである。. 津波は浅水波の現象としてとらえることができる。高波の現象は固有振動の 発生に関連づけて考えられる場合もある。例えば、入り江や港湾では、一般の 振動系と同じく固有振動の周期をもつことがある。条件しだいでは、固有振動 が発生し、波が高くなり災害をもたらす。波の運動において、波高が高いとい うことは、波のエネルギーが高いことであり、そのような現象を実験的に作り だすことによって、波動の現象を解明することは興味あることである。. 上記の現象は目に見える形で生じるのでよく知られている。それに対して、 日常目にすることが少ない水波の現象もある。それは内部波である。河川の水 や温排水が海へ流出すると、海水より軽いために境界面を作って、海水に重な り、成層した状態になる。この境界面において波が発生する。この波を内部波 という。また、海水の温度差による密度の違いでその境界面近くに波が発生す ることも知られている。この現象も境界面で発生する波として興味ある現象で ある。. 本研究では、上記の2つの現象を2層流体の界面の波動現象としてとらえて 解析する。つまり、界面の波を密度の異なる2つの流体の境目に起こる現象と. 一1一.
(5) してとらえる。一つは、空気と水の境界における現象として、もう一方の内部 波は、密度の異なる液体の境界に発生する現象として、とらえることができる。. なお内部波に関連した研究については、本学の1988年卒業論文で山本哲史 が「2流体の境界面の振動」、同じく岸本裕希が「2流体の境界面における波 形変化」を取り上げている。このなかでの2流体とは、灯油と水のことである。 両研究では、境界面に生じる波は、水と空気の境界面に生じる波に比べて波の. 速度が遅いこと、水深の影響を受けにくいこと、また、その他の特徴として、 波長に対する振幅が大きく、波の減衰がはやいことなどを結論づけている。こ れらの結論は、内部波の特徴をとらえているが定量的解析、理論式に基づいた 解析等が十分行われていないので、本実験では、灯油、水以外のものも組合せ て、分散関係に関する実験と理論解析を試みた。本研究では波の本質的なこと を浮き彫りにするために1次元波を取り扱う。. 第1の実験では、空気と水の界面における定在波の固有振動と平成振動の関 係について行った。ここでは、振動片をはさんで連結した2つの回そうに生じ る波について測定した。両方の水そうの長さの比が同じ場合は、理論式から予 想される固有振動が発生した。また、両方の長さが異なる場合は、各々の固有 振動が互いに関わり合って連成振動が発生する。この場合、長さの比が同じか、 または、接近しているときは振動数に対する波高値の関係が同じパターンを示 す。. 第2の実験では、2液体の界面に生じる波の分散関係について行った。ここ では、興味ある現象が見られ、その理論的裏付けをすることができた。振動数. が小さいところでは、波長は2液体の密度の和と差の比で規定されること、ま た、振動数が大きくなるにつれて、波長は表面張力の影響を強く受けること、 波長は圧力によらないことなどが定量的な解析によって明らかとなった。. 一2一.
(6) 本論文の構成は、次の通りである。. 第1章序論にひきつづき第2章では非圧縮性完全流体における水波の一次元 波についての一般論を述べる。第1の実験に関しては、主に固有振動について. 述べる。第2の実験に関しては、2層液体の界面での波の分散関係式の導き方 について述べる。この式は水と空気の界面についても成り立つ。. 第3章では実験装置の一般的な事柄について述べる。2つの実験で共用する 物が多いので1つにまとめた。使用方法等で異なる場合は、その都度明記して ある。. 第4章では空気と水における定在波の波動現象の結果と考察について述べる。 一一. ツは両方の水そうの長さが同じ場合の固有振動の発生について述べ、それを. 基に、両方の長さが異なる場合の連成振動について考察する。. 第5章では2液体の界面における波動現象の分散関係を測定し、理論式との 比較を行う。第6章では結論を述べる。. 一3一.
(7) 第2章水波の理論 2−1 境界値問題 水の運動が静止状態から始まるとすると、Lagrangeの渦定理によって運動は. 渦なしでなければならない。渦なし流では、速度ポテンシャルΦが存在する。 速度σ匿(U,V,W)の各成分を非圧縮流体の連続方程式に代入すると、. A〈1>=O. (2 ・1). となる。ΦはLaplace方程式(2・1)に従う調和関数でなければならない。ただ. し、波を1次元方向に進む平面波とし、△≡∂2/∂x2+∂2/∂ア2 とする。 (2・1)の解を求めるには、境界条件を水底と水面の両方に課さなければなら ない。. 水底y=一h(x)においては、固体境界面における非粘性境界条件から、 速度ポテンシャルΦを用いて、. (grad¢). =O (2t2) と書ける。. 水面ア=n(x,t)においては変形する境界面の方程式F(x,t)=アーη(x,t)=O. で与えられるから、DF/Dt=0を書きかえると、. on on. v 匿一十u− et ox. (2 ・3). さらに、速度Uのx成分とy成分のu、vが速度ポテンシャルΦを考慮して、. 並冨虹+二三 ∂ア. ∂t. (2.4). ∂κ ∂x. となる。. 自由水面においてはさらに、力のつり合いが要求される。渦なし流では圧力. 一4一.
(8) 方程式が成り立つが、いまの場合は、非圧縮流体であるからP=一p/ρ、外 力が重力であるからΩ=gy(g:重力加速度)、さらに速度ポテンシャルを用い. てg躍國判g7α6ゆ1と書けることを考慮すると、圧力方程式は、. 讐+晋+迦Φr+gy 一f(’). (2 ・5). と書ける。水面に接する大気圧を,ρoで表せば、水面)ノ=ηにおいては P=Poであるから、(2・5)式の右辺の任意関数をf(t)=Po/ρと選べば、. η ・・一. ?齊浮撃〟Eα4Φ12. (2 ・6). と書ける。(2・6)を(2・4)に代入すれば境界条件はすべてΦだけで表される. ことになるが、このような非線形の境界条件を含む境界値問題は一般に取扱い. が困難である。そこで、以下に示すように境界条件を線形化する。すなわち、 波に伴って起こる流体の運動の大きさが1次の微小量であると考えれば、速度. の大きさを与えるΦおよびηもまた1次の微小量である。したがって、2次の 項を無視すれば、境界条件(2・4)、(2・6)はア=ηにおいて、. ∂Φ. 1e¢ η盟嘲一一 g ot. ∂η. ヨ ∂ア , ∂’. (2・7). となる。両式からηを消去すれば、Φに対する条件式、. 020 0¢ s−7ti−2 +g ls−i’V一=O. (2 ・8). が得られる。これらの条件式は厳密には水面ア=ηにおいて課せられる。 一5一.
(9) しかしΦとηに関して2次の微小量を無視しても差し支えないので、条件式 (2・8)は、これを静止水面において課して、y=0において(2・8)を書くこ とができる。. 2−2 微小振幅波 水の波の本質を浮き彫りするために、深さhを一定と仮定し、波はx軸方向 のみに伝播する1次元波とする簡単化の仮定で問題を解く。 この問題に対して方程式は、. 020 020. F.:+gtr/一一一〇 (2・g) 境界条件(2・2),(2・8)はそれぞれ、. O¢ yニーhで、. oy. = O (2・10). o2¢ OO. 一i‘:’一 =O (2・11) y=0で、 Ot2 +g 0y. となる。また、波の形.y■η(x,t)は、(2・7)から、. n(x,t)= 一 1;一(一Sls:tplL),., (2’i2). で与えられる。. いま、波として、座標Xおよび時間tにつてCOS関数の形で変化する正弦 波を考え、. Φ(κ,.y,t)=φ(ア)COS(k;(一CD・t). (2・13). とおく。ここに、k/2π(>0)は波数、波長はその逆数λ=2π/kで与. 一6一.
(10) えられる。同様に、ω/2π(>0)は振動数、周期はその逆数T=2π/ω. で与えられる。またcos関数の変数kx一ωtは波の位相を表すが、同一位 相、x一(ω/k)t ==一定、の点のx座標は時間とともに速度。ニω/kで 移動する。 (2・13)を(2・9)に代入すると、振幅関数:φ(ア)に対する方程式、. 諾雲一k2φ … (2 ・ 14). が得られる。水底での境界条件(2・10)を課すると、Φは、. Φ雷Cc・sh[k(ア+h)]c・s(k,c一ω’). (2 ・ 15). と決定される。そして、波の形は(2・12)から、. コ. n 一 A sin (kx 一一 tu t), A . 一 12−9’2一 cosh (kh ). g. (2 ・ 16). A一一=’ cosh (kh ) g この解に水面上の境界条件(2・11)を課せば、ωとkとの間の関係式、. co =Vgk tanh(kh) (2・17). あるいは、cとk、λとの間の関係式. 一7一.
(11) ・÷夢t蜘)田募t舳〔2−it}4h〕. (2 ・ 18). が得られる。このように水波の伝わる速さ。は、波の波長によって異なる。こ れを波の分散といい、(2・17)あるいは(2・18)を分散関係という。. 2−3 定在波 空間的に移動しない波を定在波という。このことを容器の中の波の水の運動 をについて考え、容器の長さ1が基本振動数を規定することを示す。. 2−3−1 海による水の運動についての一般論 速度ポテンシャルは(2・16)∼(2・18)を(2・15)に代入して、改めて、. Φ=一. ロ肋)c・・h[k(ア+h)]sin(kx 一 cD t)(2・19). と書ける。. 水とともに動く1点の座標を(x,y)で表せば、点の運動は方程式. 筆一÷論)c・・h[k(ア+h)]血(kr一ω’)(2・20). 一x・+. _)舳[k(ア。+h)]㈱・一ωの(2・21). の解として決定される。ところが、この方程式は右辺に未知関数x,yについ ての超越関数を含む非線形方程式であり、厳密に解くことは難しい。そこで、. 波による水の運動は周期的と考えられるから、動く点の座標(x,y)の1周. 一8一.
(12) 期間での平均値を(x。,Yo)で表せば、微小振幅波と同様な考えで、 x−Xo,.y−Yoは1次の微小量となる。したがって、上式の右辺の微小量を 無視することができる。すなわち、X=Xo+(κ一Xo)、 y”y。+(y−y。)を代入. すれば、振幅Aが1次の微小量であるから、x一κo,.y一)ノ。からの寄与は2次. の微小量となり、これを無視することができる。この近似のもとで上式を積分 すると、 X ’ Xo + gi/iliililth−ifnh kh COSh [k(yo +h)]cos(kt, 一 tut) (2 . 22). _)叫[kい)]s漁・一ω∂(2・23). 胤+ となる。. 位相速度C>0で正方向に伝わる波と一Cで負方向に伝わる波とを重ね合わ せたものを考えれば、境界値問題の線形性から、これも解である。. この波の水面波形は、(2・16)のAを改めてA/2と書けば、 n = 一il一[sin (kx 一 tut)+ sin(kx + tut)]= A sin kv cos cDt (2 ・ 24). となり、速度ポテンシャルは(2・19)から. Φ一一. ィ鼠)舳[ん(ア+乃)]曲血ω’(2・25). 水の運動は(2・22)、(2・23)から. …・+. A論)…h[k(ア。+h)]…kr・一’(2・26). 一9一.
(13) ア田ア・+. ミ肋)舳[ん(ア・+明血k)c・一’(2・27). で表される。. この波による水面の運動は、(2・24)から、X=nx/k(n:整数)の点で. 振幅が・である。x=(n+i)X/勧煎振幅が最大である。振幅・の三飯 振幅最大の点を腹という。(2・26)、(2・27)からそれぞれの水の運動を考える. と、図2−1に示すように、節については水平運動だけであり、腹については 鉛直運動だけであることが分かる。一般の位置では一定の傾きで直線的な単振 動を行う。 波の腹に対応する鉛直ifiiX・・(. 1n十T. 2)π/k=(n+i)λ/2において、水が鉛直. 運動を行うことから、これらの鉛直面を固体壁面におきかえても、完全流体に. 対する境界条件力轍される.このことから、定酬ま、x一(n+;)λ/2の 位置にある2枚の鉛直固体壁と水底の水平面に囲まれた容器の中の振動とみな. すことができる。このような容器のX方向の幅は、半波長λ/2の任意の自然. 数倍でよく、逆に容器の幅1が与えられた場合、1=λvn/2なので、波長 λ昌21/n(n:自然数)の定在波が固有振動として可能である。このときの 固有振動数は、k=2π/λ=蜘1を(2・17)に代入して、. ω一. ヒ9伽h〔nxh l). のように求められる。固有振動数はω/2πで求められる。. 一10一. (2 ・ 28).
(14) A 4. o. 図2−1. 4A 一2L 2. 3 ft. 4. 定在波の流線. 2−3−2 囲まれた水面での水波の振舞い 定在波は進行波が障害物にあたって反射し、進行波と反射波が干渉してもで きる。進行波と反射波の振幅、波長、周期が等しい場合、左右から進んできた 波は重なり合い、腹、節ができる。自由端での反射は、入射波と反射波の位相 が同じである。自由端においては、振動源面と反射面では波の腹が現れる。. 振動源の振動数と水波の固有振動数が等しいとき、共振しあつて水波の振幅 が大きくなり定在波ができる。逆に、振動数が異なる場合は、干渉して打ち消 し合って振幅が小さくなる。固有振動の出方は容器の波の進行方向の長さで与. えられる。個々の振動の仕方を固有振動モードという。n=1のモードを基本. 振動、n=2以上のモードを倍振動という。整数nは節の数を表わす。図2− 2は振動のモードを表わす。. 一11一.
(15) n == 1. n=2 n=3 n=4 n=5 図2−2. 一12一.
(16) 2−3−3 連成振動 2つ以上の振動系が互いに力を及ぼし合って振動するとき、これを連成振動 という。. 最も簡単な連記振動の例として、図2−3のように、質量mの2つのおもり 君、ろを滑らかな水平面上に置く。君、ろはバネの方向のκ軸方向でのみ運動 するようにする。バネ定数はそれぞれんおよびた’とし、君、ろのバネの平衡位 置からの変位をそれぞれx1、 x2とすると、運動方程式は. 襟一一kr, +k’(x、 一 Xl) (2・29). 艦苧冒ん(一x2)一k’(x2−Xl). (2・30). となる。この連立微分方程式は、k’(κ2−Xl)の項がおもりP,、 P,の間の相互. 作用を表していて、解は. :lll瓢∴畿:::ll](2.31) ただし、A、 B、α、βは初期条件から決まる定数で. tU 1 == pm、ω、一(k+2k’)/m (2・32) となる。つまり、個々のおもりは、2つの単振動が合成さた運動をする。 /. Pl. P2 ド. k(∴:細頸◎k 図2−3 −13一.
(17) 2−4 2層流体の界面における圧力方程式. 完全流体では運動状態においても接線応力が働かず、応力テンソルは静止流 体と同形のPij =一ρ㍉で表されるから、運動方程式は、. DU Dt. 1. =一一i一 gradp +K (2・33) p. と書ける。Uは流速、ρは流体の密度、 Kは単位質量にはたらく外力である。. 2層流体の密度をそれぞれρ1とρ2(ρ、〉ρ2)とおくと、下層の流体の運動方 程式は、. DU Pi. Dt. =一gradp +piK (2 e 34). と書ける。ここでは外力ρ,Kは重力と、上層の流体の境界面付近の運動が下層 の流体におよぼす力の和であると考えられる。このうち、重力は、一Pigrad gy. と書ける。さらに、境界付近では上層の流体の運動の速さは、下層の流体の運. 動の速さと同じであると考えられるので、上層の流体のおよぼす力は、 一ρ、(DU/Dt)と表すことができる。ゆえに(2・34)の運動方程式は、. 愕一一脚+{一・P・9・ad(gy)一防劉 (2 ・ 35). となり、 !1!tL . !2,YU一 + gradg 2 (2 ・ 36). Dt Ot であるので、(2・35)に代入し、積分すると、. 一14一.
(18) IL6.“一:一. + ;i−lgrad 〈b 12 + 一is:,一il?.i. 6¢. 一十 〇t Pi+P2. gy−f(t) (2・37). Pi+P2. が得られる。ただしΦは速度ポテンシャル、U=gアadΦである。これが2 層流体の圧力方程式である。. ここで、(2・37)のPのついて考えることにする。静止境界面からの波高y. をy=η、上層の液体の深さをしとすると、境界面に加わる圧力は、 (L一η)ρ、gと表すことができる。しかし、表面張力を考慮にいれると、下層の. 流体の圧力と上層の流体の圧力は等しくないので、その圧力差δpを加えた (L一η)ρ2g+6pがpに等しい。すなわち、(2・37)は、. 讐+譜防+耗+去1㈱r+ll葦1:gn 一 f(t)(2・38). となる。右辺の任意関数を!(t) ・ Lp、g/ρ、+ρ、と選べば、. 一{l191?一 ’ is一;{lt12is−s一,, + tigrad¢i2 + il一:’一ii−il一;一i g; gn 一 o (2 ・ 39). となり、界面における境界条件(2.6)は、. n一一. 瑞フ1ρ1聖ρ、一右ll三1:lgrad ¢ 12(2・40). で与えられる。ここで6Pは表面張力が働いている曲面を隔てての平均曲率に 比例し、. δP =Y〔71−1一+ 7f−5一) (2・41). 一15一.
(19) で与えられる。γは曲面に働く表面張力を表す。しかし、水面の形が ア=η(X,z,t)で与えられた場合、その表式は一般には極めて複雑である。 しかし、微小振幅波の場合、ηに関して1次の量のみをとれば、平均曲率は、. 走+t一一〔ll讐+1三?〕 (2 ・ 42). で表されるから、(2・4)、(2・40)において、ηとΦについて2次の項を無視 すれば、境界条件はy=ηにおいて、. 6tp 6n ∂ア. n一一. (2 ・ 43). ∂t. 譿フ一吉ρ1三ρ、〔差要+1三?〕. (2 ・ 44). となる。両式からηを消去すればΦに対する条件式、. 剰glllll一ρ1≒、〔02 02Z;].72+’5−E.一i2〕}筈=・(2・45). が得られる。. 表面張力の影響をみるために、一定の深さの水における1次元の微小振幅波 を考える。このとき、(2・45)でy−0とおいて、. cls?g)一〇,+(ggi,一ii一:一i−i pp,2一. y. Pi+P2 一16一. 券〕嘗=・(2・46).
(20) となる。この式を(2・11)の代りに用いれば、2−2節で行ったのと同様に説 論を展開したらよい。解(2・15)を微分すると. 02¢ . 一 Ot2. co 2 C cosh (kh )cos (kt 一 co t) (2・47). −CIS¢L= ck sinh(kh)cos(kx 一 tut) (2・4s). Oy. であるから、(2・46)は、. igil−i’一ii−2−i−iPp2,一is一;iti−s一;p,(zjltih−22)/ktanh(kh) (2t4g). tu2=. と変形できる。ここで、(2・11)、(2・14)から∂2/∂x2は一k2と置きかえられ るので、分散関係として、 co 2 ” (g ll−i’一ii一:一i−i :i + is一;ii−1/1−iis−7p,)k tanh (kh ) (2・so). あるいは、. tu o 田. k. 一 旨. 〔駕号+ρ1苧ρ、〕tanh (kh). 鴎ll:+ρ1筆㌔、回2琵乃〕(2・51). が得られる。(2・51)が2層流体の界面における波の分散関係の理論式である。. 一17一.
(21) 第3章. 実験装置及び実験方法. 3−1 実験装置 装置の全体の構成を図3−1に示す。装置の大まかな構成は、振動数に応じた 水波を造る造波機、水を囲うリップルタンクおよびセンサーを中心とした計測装. 置から成り立っている。2つの実験で共用したものは、造波機、リップルタンク 部分である。センサーの位置や計測部分は、それぞれの実験で異なる。詳しいこ とは、各実験の項目で説明する。以下装置について述べる. OP一アンプ(スピーカー) (センサー. e. 続 .襲. .亀ia■ ほ. ホ. タ. ’ 奪i麹●. も. オヲロスコープ. コ. iSe]禦 発振器.1. ,鰭魎. 7?F[ie2’e一”;. t. ,y . ・. 野 1. 轟〃’伸…●讐●”. ・ A. D. コンバータ. ぴ. 廿繰.嫌醐樽一胴■■閉剛1隔國. 早C Hee1一!一il :. τ罐謬製. 噛センサー. t§ ,」ハP4 Sr1:一t.一一一一一一H一.一ny−. 磯曙)ウヲ)隊シク嚥遡蜘Q ・・鱈1■瞬㍗・臨.、1、雇 図3−1装置の全体の構成. 3−1−1 リップルタンク 実験で使用したリップルタンクは表面の滑らかなアクリル板で作製されたもの. で、内寸は、長さ100cm、幅12.8cm、深さ14cmである。 定在波、連成振動の測定においては、両端の反射板から振動片までの距離を同. 一18一.
(22) じようにするために、上記のリップルタンクにアクリル板の仕切を置いて調節し た。. 2液体の界面の波長測定においては、進行波の反射を消すために、消波板を置 いた。これは、三角柱の形をした金網にガーゼを巻いたものである。. 3−1−2 造波機 本実験で用いた造波機の構図を図3−2に示す。造波機は低周波発振器と増幅. 器およびスピーカー(フォステクス社製FF165N、 IMP.8Ω)を組み合 せ、スピーカーのコーンの振動を振動片の上下運動に変える仕組みになっている。. つまり、低周波発振器(エヌエフ回路設計ブロック社、MODEL FG−12 2)から正弦波を発振させて、それにより振動片をくり返し上下運動させる。本 実験のセンサーでとらえることができる波動範囲において、波形およびフーリエ. 成分の安定したデータが得られる周波数領域は、1Hz∼15Hzまでである。 コーンと振動片は、3本のアルミ管(直径3mm,長さ230mm)で連結している。さ らに、コーンの上下運動を補助するためにバネを取り付けている。. 振動片は木製の直方体で、水の浮力を受けないようにおもりを取り付けて比重. が1に近い状態にしている。振動片の振幅の幅は増幅器で、2mm∼6mmまで変え ることができ、安定した波を造りだすことができる。サイズは、縦4.Ocm、横 12.8cm、高さ4. O cmである。. 一19一.
(23) ば ばね. 8.5cm. cm 26.5cm 14cm 14cm. 4cm. 12.6cm 12.8cm. 図3−2. スピーカー. 低周波発振器. OP−alnp. 図3−3(造波機のブロック図). 3−1−3 センサー 水位の変化を水中に入れた2本の平行な電極間の電気抵抗の変化として読み取. る。図3−4にセンサーの構造を示す。センサーの電極間の間隔および直径が、 それぞれe,D(e>>D)の円柱電極において、その水中での長さをZとしたとき、電. 一20一.
(24) 極間の電気抵抗R(z)は近似的に、. Rω磁伽〔2乏D〕. (3. 1). の関係で表すことができる。ここで、σは流体の電気伝導率とする。センサーの. 電極には直径0.3mmの白金線を用いた。 また、センサーの分極による抵抗値の変. 動を防ぐために電極に10KHzの交流電流 を流した。. Z. 2層の液体においては、上層の油が電. D=0.3. 気を通さないことから、界面の下層部分. e. の水の波動だけをセンサーはとらえるこ. .6. とができる。こうして、界面の波形信号. を得ることができる。. 図3−4. 3−1−4 センサーの配置 (a)定在波. 図3−5に示すように、センサーは、波の腹の位置に設置した。定在波の節の 数によって、腹の位置は異なるので、その都度調整した。節が1つの場合は、節. と振動片の間の振動片から1/3の位置に設定した。節が2つ以上のものは、振 動片に近い腹の部分に設定した。. 一21一.
(25) (波の腹に設置、振動片から最初の腹). センサー. センサー. <→. 距離調節板. 水. 図3−5 (b) 2層流体の内部波. 2層流体の界面に生じる波は、振動片から遠ざかるにつれて、リップルタンク の壁に近い部分と中央部分とで速度が異なり、波面がくの字型に変形する。これ は、上層の油の粘性の影響で壁面近傍でひずみが生じるためである。そのために センサーは、振動片に近い中央部分に設置した。. 進行波の波形測定においては、腹、節を意識する必要はない。しかし界面の波 動は減衰が激しいので、振動片から、B領域の2. O cm、5. O c皿、8. O cm、. 11.Ocmのところにセンサーを設置した。 波長測定においては、振動片から1c皿のところに固定センサーを置き、可動セ. ンサーは自由に移動できるようになっている。センサーどうしの横の距離は1cm である。. 3−1−5 増幅器 波形信号の増幅器の回路図を図3−6に示す。このような反転増幅器を用いた 場合、O p−ampの入力電圧Viと出力電圧Voとの間には、. 一22一.
(26) v・目. qR. iノ’. 噤jVi. (3. 2). の関係がある。ここでR(z)はセンサーの抵抗、Rfは帰還抵抗とする。(3.1)の関 係より(3.2)は、. 」/, = CRfV,Z .. xo ’C:一 =Di− UiE7zzs−」2’i D) (3・3). したがって、増幅器によって、水位Zに対し直線的に変化する出力電圧Voを得る ことができる。(3.3)のCRfは、キャリブレーションによって求めることができる。. 比例定数Cはセンサーの感度によ. Rf. って違うので、可変抵抗Rfで調. センサー R (z). 節することによって、数個のセン. サーのCRfを一定にそろえること ができる。V,は、10kHzを出力. 飼. ptA74 1. している発振器の出力電圧である。. 図3−6 3−1−6. 言己録i装置. 波形記録装置のブロック図を図3−7に示す。O p−ampから出力される信号をダ. イオードを用いて半波整流し、この信号の中から10kHzの信号をローパスフィル. ターで除去して水位に対する電圧だけを得る。次に、この電圧をA・Dコンバー ターによって数値に変換される。数値化する場合、サンプリングの時間間隔は5. msec、1センサーあたりのサンプリング数はFFTを使うために1024点とし た。数値化したデータは、データ保存用のプログラムのコンピューターを経由し. て、フロッピーディスクに記録する。データの図形化および計算処理には、それ. 一23一.
(27) 専用のプログラムで波形、波高値の計算結果およびフーリエスペクトル図を打ち 出す。. センサー. op−amp. ADコン. バータ. コンピュータ. フロツピー デイスク. プリンター. 発振器. 図3−7. 3−1−7 波長測定装置 図3−8に示すように、図3−7の記録装置のブロック図と異なるところは、 コンピューターに取り組む部分をオシロスコープに呼び込むところである。2本 のセンサーから入った波形信号は増幅されて、オシロスコープの水平、垂直の入 力端子に同時に加えられることによって、リサジュー図形が描かれる。測定装置. は、図3−11に示すようにセンサーを2本使用し、一方のセンサーを固定して、 もう一方のセンサーを可動させる仕組になっている。. 一24一.
(28) :センサー. オシロスコープ. op−amp. 「Z〕. [Z〕. 発振器. 同位相oo. 固定センサー. 位相差1800. 測定距離. 同位相3600. 可動センサー. λ. 図3−8. 3−2 実験方法 2つの実験について述べるが重複するところは1つにまとめて述べる。. 3−2−1 定在波の測定 造心機、リップルタンク、センサー、記憶装置を設定する。発振器の周波数:範. 囲(1.OHz∼6.5Hz)を0.25Hz間隔で出力変化させ、振動片両側の水そうの長. さを5cm∼20cmまで、1cm間隔で変化させて測定した。実験条件は図3−9に 示す。以下実験と測定について述べる。. (a) 実験の手順 ・ リップルタンクに水道水を入れ、センサーのキャリブレーションを行う。. ・ 図3−9に示すように、底から振動片の高さを2cm、水深4cmに調整 するとともに、振動片両側の期そうの長さa、bをa=bとなるように調節 する。. ・ ヒューレットパッカード社シリーズ200(9816)のコンピュータに システムとデータストックのプログラムをロードして、キャリブレーション. 値やその他の設定値を入力してRUNする。正常に作動するかを確かめる。 ・ それぞれのアンプの出力と周波数において、水波の波形をコンピュータの. 一25一.
(29) ディスプレイで確認しながら、水波の腹の部分にセンサーを設定し、プログラム を作動させて、データをストックする。. センサー. センサー. 4cm. 静止水面. 2cm. 図3−9 (b) 測定方法. 波高値のデータは、図3−10に示すような波形とフーリエ成分も考慮に入れ ながら、1024点の中のそれぞれの振幅の最高値と最低値を選択して平均値を 出し、最高値の平均値と最低値の平均値を加算して2で割った値を用いた。. 振動数はその波形に対するフーリエ成分のうち、基本波に対応する部分から導 き出した。. 9昌亀巳㍗. .己5. F8vRiER−s e. iim(Hz 9. Cte. 一.5. 図3−10(波形とフーリエ成分). 一26一.
(30) 3−2−2 連成振動の測定 定在波の測定と同じ装置を使用する。発振器の周波数範囲(1.5Hz∼6.5Hz)を. 0.25Hz間隔で出力変化させた。表3−1に示すように振動片の両側の水そう の長さは、aを一定にしてbを 変化させた。実験の手順、測定 方法は定在波の場合と同じであ. 表3−1 aの距離(cm) 7 8 9. る。. bの距離(cm) 11 14 16 9 10 16 12 14 11 18 13 15. 18 20. 3−2−3 2液体の界面の波動に関する測定 測定は、主に振動数と波長について行った。波長測定に使用したものは、造波. 野、リップルタ?ク、センサー、オシロスコープである。発振器の周波数範囲. (1.OHz∼6.5Hz)を0.5Hz間隔で出力変化させた。図3−11に示すように、 A領域の長さは7cm、 B領域は85cmあり、端に反射板を取り付けた。また、下. 層の深さは1.5cmに固定して、上層の深さを2cm、3cm、4cmと変化させて測 定した。振動片はリップルタンクの底から1.4cmの界面のところに設定した。. 表3−2に示すように、上層と下層のそれぞれについて密度を変えた6種類の 液体を組み合わせて、9通りの実験を行った。実験は、界面に波を立たせて、そ. の波長を測定した。混合油は図3−12に示すように、灯油となたね油の割合を 変えて任意の密度を作った。油は電気伝導率が0であるので、センサーは界面の. 水およびグリセリンを混ぜた溶液のみの水位をとらえることができる。表3−2 の数値は、2液体の密度の和と差の比を表したものである。密度測定(20℃)は、 100m1の質量を精密ばかりで測定して求めた。以下波長測定と表面張力の測定につ いて述べる。. 一27一.
(31) 2∼4cm. 固定センサー 可動センサー. 1cm. 界面 消波板. 静止界面. 上層. コ層 1.5cm. 図3−11 表3−2(密度比) 上. 層下. 層. 灯油(密度0.78). 混合油A(0.82). 混合油B(0.86). 水(密度19/m1). 0,124. 0,099. 0,075. グリセリン25%液(1.06). 0,152. 0,128. 0,104. グリセリン50%液(1.13). 0,183. 0,159. 0,136. O. 94. →一一 ャ合油 O.9 : 貫. 湯0.86 蓮 blg o. s2. O. 78. o. 1. 2. 3. 4. 比(灯油/なたね油). 図3−12. 一28一. 5. 6.
(32) (a) 波長測定 それぞれの振動数において、内部波の波面がくの字型にならないようにアンプ で振動片の上下運動を調整する。. 固定センサーと可動センサーからの波形入力の位相が一致することをオシロス コープのリサージュ図形で確認し、その時の可動センサーの位置を目盛りで読取 る。. 可動センサーを移動させて、位相差!80。のりサージュ図形を通過し、位相. 差360。の図形を確認して、上記と同様に目盛りを読取る。こうして、センサ ーの移動距離から波長を算出した。. 上記の測定を5置くり返し、それぞれの水波の1周期の長さの平均値を求めた。 また、測定の的確さを得るために、ビデオや写真等で確認した。. (b) 表面張力測定 ジョリーのばねばかりを用いて、液体と空気の界面、液体と液体の界面の表面. 張力を測定した。液体と空気の界面の表面張力の実験値71dyn/cmは、理科年表 に与えられている値に近いが、液体と液体の界面の表面張力は小さく、灯油と水 の組合わせ以外のものについては、測定値にばらつきがあり特定することが難し い。. 以上のことから、表面張力の値を実測値によって求めることは困難なので、実 験値にフィットするγを理論式から求めた。詳細については第5章で述べる。. 一29一.
(33) 第4章.固有振動と連成振動の結果と考察 本章では、前章で説明した実験によって得られた結果をもとに、それぞれの 振動系の固有振動が連成振動において、どのような波の振る舞いをするかを解 析する。. 4−1 A・B領域の長さが同じ場合(固有振動) A・B領域が同じ長さの場合、振動片の振動数を変化させていくと、特定の 振動数領域において波の振幅が大きくなるときがある。これは、振動源の振動 数と波の固有振動が重なり合い共振を起こすことによって、振幅が大きくなる. 現象である。さらに振動数を大きくしていくと2番めの固有振動が現われる。 理論的には無限に多くの固有振動がある。しかし、実際には振動数を大きくす. ると波長が短くなり、振幅の変化をとらえることが難しい。A・B領域の長さ が5∼20 cmにおいて、振動数に対する波高値の変化の代表的なものをピック. アップして図4−1に示す。振動数の測定範囲は1.17Hz∼6.45Hzまで である。振動数が6.45Hz以上になると波の振幅が大きくなり、固有振動を 特定することが難しい。以下の項目で固有振動の発生について考察する。. 4−1−1 a(=b)の長さ変化にともなう固有振動の発生 図4−1に示すように、振動数に対する波高値の変化が凸になっているピー ク値を、その長さにおける固有振動とした。. 図4−1と図4−3の比較からわかるように、固有振動の発生は、同じ振動 数領域において、a(=b)の長さが大きくなるにつれて、固有振動の数が増 えてくる。. 一30一.
(34) a=bニ7cmの固有振動 O. 16. EO.12 り. \. 0,08. {曜. 鰹0.04 o 2. 3 4 5. 6. 7. 振動数/Hz a・・b・=8cmの固有振動 一野一. O. 16. =≠Wcm. 一}一 a≠Wcm. 日0.12 り. \. 0.08. 寵. 鰹0.04 o 2. 3. 4. 5. 6. 振動数/Hz a・=b=9cmの固有振動 一トー <j9cm. 0.12. + b=9cm. 員 り. \0.08. 悪α04 0. 1.5 2.5 3,5 4.5 5.5 6.5 振動数/Hz. 図4−1 一31一.
(35) 図4−2はa(ニb)の長さが5∼20cmにおける、それぞれの基本振動と 倍振動をプロットしたものである。この図からわかることは、以下のことであ る。. a(ニb)の長さが大きくなるにつれて、n=1の固有振動数(基本振動). は小さくなってくる。a=b=5cmの基本振動は、3.91Hzであるのに対し. て、a=bニ20cmでは、1.37Hzである。 任意のa(ニb)において、固有振動モードの出方の間隔は徐々に縮まって. くる。図4−2で固有振動nニ1とn=2の振動数の平均差は1.33Hz, n ニ2とn=3の平均差は0.89Hz、 n・=3とn=・4の平均差は、0.72Hz、. n=4とn=5の平均差は0.49Hzである。. 一一匿一一n=1 一一ローn=2 一一◆一一n=3 一一ゆ一一n=4 一一含一一n=5. 10 8. ミ6 繧4 2 0. 4 aニbの長さ/cm 8 12 16 20 図4−2(固有振動と容器の長さとの関係). 一32一.
(36) 4−1−2 固有振動数とその前後の振動数の波高値の差が小さい場合 図4−1(a ・= b=7cmの固有振動)の最初の固有振動からもわかるよう. に、a=bの長さが5cm、6cm、8cm、10cmにおいても、固有振動数の前後 の波高値の差は0.01∼0.03と小さく、ゆるやかな山をなしている。こ の差が小さいとどのような意味を持つかは、4−3の固有振動と連成振動のと ころで論議する。. 4−1−3 固有振動数とその前後の振動数の波高値:に大きな差がある場合. 図4−3からわかるように、a=bの長さが9cm、11∼20cmにおいては、 固有振動の前後の波高値の差は、0.1∼0.2 cmである。固有振動数の領域 の波高値が際立っている。. この傾向が強く出る固有振動領域はn=2、n=3である。節の数が2、3の ときは振幅が大きく、定在波が顕著に現れる。. 0.25. 一一. s O.2. ≠?鼈鼈?a一一16cm. + b=16cm. り. \0。15 糧。・・1. 騒0.05 0 1. 3. 5. 7. 振動数/Hz 図4−3(a==b==16cmの固有振動). 4−1−4 考察 容器に囲まれ定在波のωと1の関係式は(3・27)で与えられる。囲まれた. 水面における水波の振舞いについての理論的なことは2−3−2を参照。. 一33一.
(37) (2・28)の1次元波の理論式に固有振動モードをn=1からn=・5までを入 れて計算すると、それぞれの長さにおける固有振動の関係を表わすことができ. る。それを図4−4に示す。これは、図4−2の実験で得た結果とよく一致す る。. しかし、綿密に比較した場合、実験では確認できなかったことがある。それ. は、理論値の図4−4において固有振動モードの各長さにおけるn・=2とn=. 1の振動数の差(n2−n1=X1、同様にn=3、 n=4、 n=5について も)をとった場合、図4−5が得られる。つまり容器の長さが伸びるにつれて、 モードの間隔も徐々に縮まるとともに、全体的に固有振動数も小さくなってい く。前者については実験値では、有意の差が見られなかった。. + n=1. 一一 香[一. 氏≠Q −n=3 −n=4 −n=5. 10 8. 更6 蕪4 2 0 4. 8. 12. 長さ1/cm 図4−4. 一34一. 16. 20.
(38) 一一. 2. 00. mトーX1一一トーX2一一◆一X3−Q一一X4. 1. 50. × 1. 00 麟. O. 50. o. oo. 4. 8. 12 16. 20. 長さ1/cm 図4−5. 4−1−5 固有振動の波形とフーリエ解析. 図4−6は両側の回そうがa=b=15cmの場合の3.13Hz付近のA・B 領域の水波の波形とフーリエスペクトル図である。この図からわかることは、. 3.13Hzと3.13Hz前後の振動数において波高値に差があることである。 このことから、3.13Hz領域において固有振動が発生していることがいえる。. 一35一.
(39) 領域. A領域. U動数/Hz. 呂領域 Doし4 旧1. o帆■ La邑. p_ 琴. 匙3貞5.. 登9. ソ響. 1 一. .15. 冨. D._.ノ、. 〈.心・. _パハ・.. ∼.!9−. 、. ). ・ f. 2.73. 、一. 4ノ 〔●●oコ. −’、.ノ. .し〆’ ‘poo,. 15. 璽●. @. ㍉ヒ5 嘗. D冒. D9. 一」. .. l. 由駅}、。,. l. 臨罐EP・. 一. 2. 囮. (H罵. L..臼 幽. o・奪. 16ロ. A. @ 1. 5. 匪. .. お. tH=}. 」 . .. ..一. ?. 、・.... @. H. 一. ,. 一. なd晒}, 2. 15. ◎. 墨. ‘● コ. e8 0」. 3.13. 。」5. 。隠. \ 9㌔ ... .,. \_.. ・.3. ㍉3 辱. el劇εP‘. 1. 塾5. 2. 一. ⊂HzF. 臨胴至匡薦. .. 1e. l 5. 2. ごHzβ. @. o鴨t.・LO, ‘卜●. 竃り 1 一. こH. 一.霊5. рT. \.. o. o \. _. 3.32. !. ( 〉1. ⊂● o翼. ( ・ ). ●ω. ’. } 甲.」5. .一. J15. 冠⊃ ■.3. .. 1. ,施iEp s. 15. 2. 騨. ’’. @’ ”臨駅…由. 「卜弓z. 一. 巳0. 図4−6(a=b=15cinの3,13Hz.付近の固有振動). 一36一. ..「.「... .「.ート「. Do隔 IO3. 乙り. ,. 一. 置5. 29. 〔Hz ・. a 喘.
(40) 4−2 A・B領域の長さが異なる場合 A領域とB領域の長さが異なる場合は、a==bのときに見られた振動数一波 高値のグラフの形状とは異なる結果が得られる。A・B領域において、同時に 波高値が高くなったり、あるいは波高値のピークがずれて出てくることもある。. これは、A・B領域の振動系が互いに影響し合うことによる波動現象と考えら れる。すなわち、一一種の連成振動である。. 本実験では、A領域の長さを一定(7cm、8cm、9cm)にして、 B領域の長 さを変えてA・B領域の波高値を測定した。. 4−3 固有振動と連成振動 それぞれの長さにおける固有振動について、4−1で得られた結果と4−2 で得た結果を同じグラフ上で見た場合、ある傾向が浮び出てくる。以下の項目 で、このことについて述べる。. 4−3−1 固有振動の領域が確定できない場合の可成振動 図4−1のa=b =・ 7cmの場合の基本振動はA領域では、3.13Hzで、 B 領域では、3.32Hzとなる。本来a、 bは同じ長さであるので固有振動は同 じであるべきと考える。このことから、測定精度を考慮し、a=bニ7cmの場 合の基本振動は3.2Hzとする。 a =b ・= 7 cmにおいては、基本振動の付近で. 最大と最小の波高値の差が小さい。. 以上のことを踏まえて、図4−7∼図4−9に示すように、aの長さを7 ’cm に固定して、bの長さを変化させた連成振動の結果を考察する。 図4−7はa=7cm、 b == 9 cmの臣下振動である。縦の破線はそれぞれの長. さにおける基本振動と倍振動である。上端の数値はその長さを表わす。7cmに. おける基本振動数である3.2Hz付近で、波高値が高くなっている。図4−8. では、3.32Hz付近において、 a=b−14cmの固有振動と重なることに よって、波高値が高くなっている。図4−9は、a ・・ b=16cmの固有振動が. 一37一.
(41) 3.2Hz付近にでることによって、 a=b=7cmにおける固有振動の波動が強. 調されたことになる。つまり、4−1−2で述べたように、固有振動領域にお いてその前後の波高値にあまり差がない場合は、他の振動系の影響を強く受け ることによって近隣の振動数での波高値が高くなると考えられる。. 固有振動[二二藍:臨. 0.16. 一z¥ a=7cm. + b=9cm. 日0.1下 り. 9,. ll O.08. 7. ,7. 9XN .g l/. 1亟. 騒0.04. 1. 0. 占 2. 4. 3. 5. 6. 7. 振動数/Hz. 図4−7. 0.25 懸. 固有振動[二鯛饗、. 0.2. \0.15. i14. 一¢F一 b=14cm. 14 14i A al 14. 罷。.1 0. 05. il. 0. L 1・i.. 15. .A一 a=7cm. 7il 7. り. 3,5 4.5. 2. 5. 振動数/Hz. 図4−8. ’一. R8一. 5. 5. 6. 5.
(42) 固有振動「藍:1:1器m. 0.16. A a=7cm −pt一 b=16cm. HO.12. i7. む. il O. 08. 16. `16 16x.7. 6 Nl. 寵. 鰹0.04 :. 0 1. 5. 2. 5. 3.5 4.5. 5. 5. 6. 5. 振動数/Hz. 図4−9 4−3−2 A、B領域の固有振動が重なる場合 図4−8からもわかるように、固有振動が重なった場合は、一一段と波高値が. 大きくなる。図4−10と図4−11にも、この傾向がみられる。 固有振動どうしの重なりは、主にb/a=2のときみられる。. 4−3−3 一方の固有振動が他の領域に影響を与える場合 図4−7の4.3Hz付近において、 A、 B領域の波高値が高くなっているの は、B領域のa=b=9 cmの固有振動がA領域に影響を与えているためと考え. られる。4.3HzのA領域の波高値は0.07cmである。これに対して図4− 1のaニb ・= 7cmの4.3Hzにおける波高値は約0.02cmである。これはA 領域の振動が振動片を通してB領:域に伝わったものと考えられる。. 4−3−4 b/aの比が同じ場合の連成振動の波高値変化 aとbの距離の比が同じか、または、近い値のときは振動数一波高値のグラ フが類似している。. 図4−10、図4−11及び、図4−8は、b/a=・2である。図からもわ かるように、固有振動が重なる領域を2ヶ所もち、それをB領域の固有振動が 一39一.
(43) はさむ形をしている。また、波高値が高くなるところや、低くなるところが類 似している。. O. 3. 固有翻「.豊:囎m. 0. 25. s. 811U 8 ix16X ,16. 6 O.2. 垂0.15. i16. 一A一 a=8cm −s$L一 b=16cm. 16. 1gR o.1 1,. 0. 05. 0 1. 5. 2. 5. 3.5 4.5. 5. 5. 6. 5. 振動数/Hz. 図4−10 固有振動「一』1:1:ll!m. 0,2. 一A一一 a=9cm. fiO.15. 91X” gi kX18 ls 118. り. \. i18. 0.1. 一¢L一一 b=18cm. 18. 10亟. 騒0。05. に . }』.. 0 1. 2. 3 4 5. 6. 7. 振動数/Hz. 図4−11 図4−12はb/a ・=1.25、図4−13はb/a=1.22である。こ の2つの図からも分かるように、固有振動が重なる領域を1つもち、その他の 固有振動の位置も似ている。つまり、比が類似していることと固有振動の配列. 一40一.
(44) とは因果関係があると考えられる。. 固有振動「. 0.2. 一一一. @一一 a=b=8cm. a=b=12cm. 日0.15 り. \ 0.1 鯉. 12i. 18 s. −A一 a=8cm. ll .e,12 /liX12 ,12. ‘F b=12cm. ilx. 1起. 蝿0.05 !. 0 1. 2. 圏. .■. 3 4 5. 6. 7. 振動数/Hz. 図4−12. 固有緻じ算號m. 0.16 9. 日0.12 り. 13. }.13kl二鴇. 13. A’9 .13. il O.08. Il. 寵. 鰹0.04. l ト ・. 0 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 振動数/Hz. 図4−13 4−3−5 固有振動からずれたとこで波高値が高くなる場合. 図4−14はb/a=2.25の場合である。この図で特徴的なことは、a =b=18cmの最初の固有振動(基本振動)のところで波高値が高くならず、 0.2Hzずれた所で高くなることである。このような現象は、 b/aの比が1.. 一41一.
(45) 5以上のところがらみられるが、b/a=1.7以上になると出現率が安定し てくる。波の形は節が1つの基本振動である。. 固有振動「一一 a=b=8cm. 0.25 自. a=b=18cm. 0.2. −A一 a=8cm. \0.15 罷。.1. 1s lsA l 8 ls 18zzV.,ls. 0.05 0. −e一 b=18cm. K8. り. ii y i/yx’ ド. L5. 1,. 3.5 4.5. 2. 5. 5. 5. 6. 5. 振動数/Hz. 図4−14. 4−3−6 考察 連成振動の各振動系をあげると、 (1)振動片の上下運動、 (2)振動片の. 横振れ、(3)振動片の両側の下そうでの水波に分けられる。これらの振動系 の相互作用で波動現象が起こっている。(2)に関しては、振動片の上下運動 を小さくおさえることによって、固有振動時の水波の影響による振動片底の横. 振れを約2mmにすることができる。これによって、一方の水そうから他の水そ うへの影響を小さくすることができた。ここでは2つの連結した水そうによる 振動系を中心として考えることにする。. ちなみに、上下運動を大きくすると、A・B領域間で振動片の横振れを通し て、振動の逆転現象が周期的にみられる。しかし、これらの現象は安定性に欠 け、2次一波も発生するので測定が難しい。. 今回の実験では、各々の水そうの長さに対する固有振動が連成振動時にどの ような関りを持つかを調べた。その結果は以下のようにまとめることができる。. ①両側の水そうの長さが異なる六六振動において、振動片から両方の反射板ま. での距離の比が同じである場合は、両方の水そうにたつ水波の固有振動のパ 一42一.
(46) ターンが同じである。②長さの比が1.7以上の場合、a、 b(a<b)の長 い方基本振動からおよそ0.2Hzずれたところで波高が高くなる。さらに、③ 両方の水そうの固有振動が一致する場合は、波高値が高くなること、特に2倍 振動は高くなる傾向がある。. 表4一一1は各モードにおける固有振動数の理論値を表にしたものである。こ. の表で水そうの長さが5cmの整数倍の長さ、10cm、15cm、20cmについて. みた場合、5cmにおけるn=1およびn=2の振動数は3.92Hzと5.58 Hzである。この2つの固有振動は、10cmにおいては1つおきの間隔で発生し、. 15cmにおいては2つおき、20cmにおいては3つおきに発生する。6cmにお いても同様である。このことから、aとbの長さの比によって、固有振動のパ ターンが類型化できることがわかる。. 両方の水そうの固有振動が一致する場合は、一方の水そうの振動のエネル ギーが振動片を通して他方の水そうの振動に移行し、波高値が一段と高くなる と考えられる。. 表4−1(各モードにおける固有振動数) 京器の さ(cm). n=1. n・2. 5.00. 3.92. 6.00. 3.55. 8.00. 2.99. 9.00. 2.77. 10.00 11.00 12.00 13.00 14.00 15.00. 2.57 2.40. 700. 325. 2.25 2.12 2.00. n・3. n・4. n=8. n=7. 6.84. 7.90. 8.83. 9.67. 510 472 441 415 392. 624 578 541 510. 806 746 698 658 624 595. 883 818 765 721 684. 10.45. 11.17. 954 883 826 779 739 704. 1020. 7.21. 3.73. 461. 721 668 624 589 558 532. 3.55. 4.41. 5.10. 5.70. 6.24. 6.74. 3.39. 4.23. 5.48. 6.00. 6.48. 6.93. 3.25. 4.07. 5.28. 5.78. 6.24. 6.68. 5.10. 5.58. 6.03. 645. 4.93. 5.41. 5.84. 6.24. 4.79 4.65. 5.25. 5.67. 6.06. 5.10. 5.51. 5.89. 4.52 4.41. 4.96 4.83. 5.36. 5.73. 5.22. 5.58. !483. 1.89. 3.11. 3.92. 4.90 4.72 4.55. 16.00. 1.79. 2.99. 3.79. 4.41. 17.00 18.00 19.00 20.00. 1.70. 2.88. 3.67. 427. 1.62. 2.77. 3.55. 4.15. 1.54. 2.67. 3.44. 4.03. 1.47. n=6. n=5. 5.58. 257. 334. 392. 6.52. 944 883 833 790 753. 4−3−7 二成振動における波形とフーリエ解析. 図4−15は両側の回そうがa=8cm、 bニ16cmの場合の2.93Hz付近 のA・B領域の水波の波形とフーリエスペクトル図である。 一43一.
(47) 図4−15(a=8cm、 b=16cmの2.・93Hz付近の連成振動). 一44一.
(48) 第5章 密度比の異なる2液体の界面における波動現象の結果と考察. 5−1 密度比による波長変化. 5−1−1 振動数の小さい場合の波長 界面の波長は、振動数(3Hz以下)が小さい場合には上層の液と下層の液の 密度の比によって変化する。密度比が大きい界面においては波長が長くなり、逆 に小さくなると短くなる。. 図5−1は振動数に対する波長変化の実験値を9組の密度門別に表わしたもの. である。9組の組み合せの例として、78−W(.124)について説明すると、. 最初の数値は、上層液の灯油の密度0.78を78という記号で表わす。82と 86は灯油となたね油の混合油である。2番目の記号は下層液(Wは水、25は グリセリン25%液)の種類である。最後の括弧内の数値は2液体の密度比を表 している。図5−2は図5−1の振動数の小さい領域部分を拡大したものである。 図5−2において密度比の一番大きい場合と一番小さい場合を上げて説明する。 密度比の一番大きい、灯油(0,78)とグリセリン50%(1.13)の2層流体の場合. は、振動数2.15Hzにおいて波長が6.3cmで一番長い。それに対して、密度 比の一番小さい、混合油(0.86)と水(1)の場合は、上記と同じ振動数において、. 波長が3.2cmで一番短い。このように密度比の大きさの順序で波長も長くなっ ていく。. 灯油と水の密度比0.124と混合液とグリセリン25%の密度比0.128 の場合は、振動数2.15Hzにおいて、比の小さいほうが波長が長い。これは、 二つの比が接近しており、測定誤差の範囲内に入るためだと考えられる。. 5−1−2 振動数の大きい場合の波長 図5−1からもわかるように、振動数が大きくなるにつれて、密度比の小さい 方が波長が長くなるといった関係がなくなる。例えば、混合油Aとグリセリン5. 0%の組の波長は、2.15Hzにおいては2番目の大きさであるが、3.13Hz 一45一.
(49) では4番目の位置にある。さらに急降下して5.5Hz付近では下のグループに 入ってしまう。灯油と水の組の波長は、2.15Hzにおいては5番目の大きさで あるが、3.13Hzでは3番目の位置にある。そのままゆるやかな曲線で上のグ ループに入ってしまう。このように振動数が増すにつれて、密度比とのはっきり した関係がなくなることがわかる。. 7. 6. 一ト78−W(.124) 一←一 V8−25(.152) 5 一{トー V8−50(.183). ×. 日4 Q \ 曜鰹3. 一トー W2−W(.099) )K. ×. 《. 一+一. W2−25(.128). 一ト. W2−50(.159). 86−W(.075). 緊. 黶 一86−25(.104). }×『 棄ii懸 もミ醸ミ鴫_文. W6−50(.136). ▼∼▼. 0 2 3. 4. 5. 6. 7. 振動数/Hz 図5−1(実験値). 一46一. 8. 9. 10.
(50) 78−50 (. 183). 82−5Q (. 159). 7. 78−25 (. 152). 86−50 (. 136). 78−W (.124). 6. 82−25 (. 128) 86−25 (. 104). 5. 82−W (.099) 86−W (.075). 日4 む. \. メ. ・ミミ三誉、. 灘3. 三三き美. 2. 1. o. 2 2.2 2.4 2.6 2.8 3 3.2 3.4 3.6 振動数/Hz 図5−2(実験値). 5−1−3 考察 2層流体の界面における波動現象の理論式は(2・50)、 (2・51)で与 えられる。式中の記号は、下層の深さh、振動数f、上下層の密度ρ、表面張力γ、. 波数ん/2xである。ここでkを求めるために(2・50)のkh・=X(無次元) とおき、Xの3次方程式に変換して根をニュートン法で求める。これから、 kを 算:出して最終的に波長を求めることができる。しかし、ここで理論式中の表面張. 力γの値をいくらにするかが問題になってくる。そのためには2液体の境界面で 一47一.
(51) の表面張力を測定したものが必要となる。しかし、この測定を試みたところ表面 張力の大きさは小さく、測定に用いたジョリーのばねばかりの精度では測定値を. 特定することが困難であることがわかった。そこで、理論曲線が実験値を最も フィットするように表面張力を決めることにした。すなわち、2液体の9組の界 面の表面張力の値は、実験で得られた各周波数での波長と、理論式に適当な表面 張力の値を代入して得た各周波数での波長の差の総和が一番小さい値になるよう に表面張力の値を選んだ。. 上記の方法で求めた表面張力の値は表5−1に 示す。これらの表面張力の値を理論式に代入して. 求めた結果を、振動数の小さいところを図5−3. に示す。この図から、2.15Hzにおける各密度. 表5−1 2液体組 表面張力(dyn/㎝) 78−W. 22.5. 78−25. 23. 比の組の波長を見た場合、5−1−1で述べた密. 78−50. 17.5. 度比と波長の関係の順序が一部前後していること. 82−W. がわかる。これは、理論平中の表面張力の値の取 り方でこの順序は変わる。実験で得られた分散曲. 線にフィットするよう表面張力の大きさを決めた. 11. 82−25. 4. 82−50. 9. 86−W. 7.5. 86−25. 9. 86−50. 6.5. ため、実験誤差が入ったものと考えられる。. 図5−4からもわかるように、振動数の大きいところにおいては、実験値と同 様、κと波長との関係はでてこない。以上のことから、実験値は理論曲線によっ てよく説明できることがわかる。. 一48一.
(52) 78−50(.183) 78−25(.152). 7. 82−50(.159). 78−W(.124). 6. 86−50(.136) 82−25(.128) 86−25(.104). 5. 82−W(.099). ×. d口O. 86−W(.075). 4 ×. \. ×. 剛灘. 3. ×. ×ここミミ曇 *. 2. 1. 0. 2. 2.2. 2.4. 2.6 2.8. 振動数/H. 3 Z. 図5−3 (理論値). 一49一. 3.2. 3.4. 3.6.
(53) 7 一一 「一一. V8−W(.124). 一一78−25(.152). 6. +『. V8−50(.183). 一ト82−W(.099) 5 一一・ 汕鼈黷. W2−25(.128). △. ×. 一欄一. 禽. 日4 o \. W2−50(.159). 、. 86−W(.075). ×、 A. ’× 86−25(.104). 噴爆3. ㎜×}. \㌦磯. W6−50(.136). 来\. @\§こ護\. @. ’峯ミ麩藤誤認閉門こ支 ▼一 @『. ▼. 0 2. 3. 4 5. 6 7 振動数/Hz. 8. 9. 10. 図5−4(理論値). 5−2 界面の表面張力の違いによる波長変化. 表面張力の求め方は、5−1−3で述べたので省略する。表5−1の表面張力 の値を使って分析する。ここでは表面張力の値別による振動数と波長の関係につ いて述べる。. 一50一.
(54) 5−2−1 振動数が小さい場合の波長 κの異なる9組の波長変化において、振動数の小さいところでは、それぞれの 界面における表面張力の大小によって波長はあまり影響を受けない。. 表5−2は図5−2の9組を波長の大きい順序で並べた物である。また、各々 の界面の表面張力も列挙した。. この表からわかることは、前記のような. 表5−2 2液体組. んの大きさに応じた波長変化はでて. 表面張が:鯛㎝. 78−50C183). 17.5. こないことである。例えば、灯油の3組. 82−50C159). 9. の波長と表面張力について述べると、. 78−25q52). 23. 86−50C136). 65. 78−WG124). 22.5. 番長い78−50は表面張力17。5. 82−25G128). dyn/cmである。78−25は23. 86−25(104). 4 9. 2.15Hzの振動数において、波長の1. dyn/cmで混合油82−50の9dyn/cm. 82調GO99) 86調(075). 11. 75. より大きいが波長は3番目に長い。. 78−Wは22.5dyn/cmで、間に混合 5dyn/cmをはさんで5番目に長い。このことから、振動数の 油86−50の6. 小さいところにおいては、波長は表面張力の影響を受けることが少ないと言える。. 5−2−2 振動数が大きい場合の波長 振動数が大きくなるにつれて、上層が灯油の組と上層が混合油の組とに別れる。. 図5−2からもわかるように、上層が灯油の3組は、混合油の6組より波長が約. 4mm長い。上層が灯油の場合の表面張力は17.5∼23dyn/cmである。混合 油においては、4∼11dyn/cmである。. 図5−1の82−50(.159)と78−W(.124)を例にとって述べ る。図からもわかるように、82−50の波長一振動数の曲線をたどると、振動 数の小さいところでは上のグループに属するが、振動数が大きくなるにつれて下 き のグループに属するようになる。78−Wは振動数が小さいところでは中間のグ. 一51一.
(55) ループに属するが、振動数が大きくなるにつれて上のグループに属するようにな る。. この両者の違いは、表面張力とκの差にある。κについては、5−1−2で、 振動数が大きくなるとκの影響が小さくなるという結果がでたので説明を省略す. る。表面張力の値は表5−1から、82−50は9.Odyn/cm、78−Wは22. 5dyn/cmである。このことから、2つのグループに分かれるのは表面張力の影響 が大きいと予想される。. 混合油A(密度0.82)の組と混合油B(0.86)の組においては、両方 の組が混在して区別できない。表面張力においてもその差はみられない。. 5−2−3 考察 上述したことから、表面張力の影響は振動数が大きくなるにつれて大きくなり、 波長一振動数曲線が2つのグループに別れることがわかる。ここで、理論式に表. 面張力の値(10dyn/cm)を同じくして、9組のκについて計算した結果を図5 −5に示す。この図からわかることは、κの異なる9組が振動数が大きくなるに つれて、波長の値が収束していくことである。振動数の大きいところでは、κに. よる差は顕著でないことがわかる。また、図5−6では理論式において、78−. Wのκを一定に、表面張力γを10∼20dyn/cmまで変えた。その結果、表面張 力の値が小さくなるにつれて波長も全体的に小さくなることがわかる。. 一52一.
(56) 7 一一 「一一一 V8−W (.124). 6 一一一. +㎜ @78−50(.183). 5 ×. 口HQ. 4. \悪3. ュト @78−25(.152). →一一 一一一 汕鼈鼈黶. ×. 熱.. 美ミミ§. W2−W (.099). @82−25(.128). 爪ミミ茶ミ茶ミ隷 一一一. g 82−50(.159). 86−W(.075). @ @. ×一86−25(。104) …〉く一 86−50(.136)ミ・・ミ或§怨ミ横×こi又。_又_ヌ. 0 2. 3 4. 6. 5. 7. 8. 9. 10. 振動数/Hz 図5−5(理論値). 7. 6. 一△一 チ一10. 日5. 一屠一 チ一15. 04\略3. →一. チ一20. 灘2 −⊥ 0. 2. 3. 4. 5 6 7 振動数/Hz. 図5−6(理論値) 一53一. 8. 9. 10.
(57) 分散関係の理論式が実験値をよく説明することを示すために以下のような実験. を行った。上層に灯油、下層には水に界面活性剤(BT−7)を入れて測定した ところ、図5−7からもわかるように、水のときに比べ波長が約5mm短くなった。 また、振動数が大きいところにおいて、混合油の6組と同じ傾向を示している。. 上層が空気のときの界面活性剤入りの液体の表面張力は29dyn/cmである。2液 体の界面での表面張力は、実験値と理論式のフィットから4dyn/cmであることが わかった。界面活性剤を入れることによって、界面の表面張力が小さくなったこ とがわかる。この傾向は振動数が大きい範囲において、混合油を上層に置いたと. きの実験値と類似している。以上のことから、上層の密度が大きいと界面の表面 張力は小さくなり、波長が全体的に短くなることがわかった。. また、振動数が大きくなるにつれて、表面張力の影響を強く受ける。振動数が 小さいときは、表面張力の影響を受けにくいことがわかった。. 7. 一園一. 6. 一△一 E面活性剤. 日5. 04. \略3. 鰹2 1 0. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 振動数:/Hz. 図5−7(実験値). 一54一. 8. 9 10.
(58) 5−3 上層の液の深さの違いによる波長変化 2液体の界面にたつ波の波長は、上層の溶液の深さの影響をどのように受ける. かを調べるために、密度比の異なる9組について上層の液の深さを2cm∼4cmま でlcmつつ変えて波長を測定した。. その結果は、図5−8の灯油と水の場合のように上層の液の深さによって、そ の有意の差はみえない。残り8組についても同様である。この結果は、(2・3 4)から、L(上層の深さ)を消去したことによって、圧力によらない分散関係 式が得られたことと一致する。. 7. 一←. 6. 薄福Qcm. 一卜凹 薄福Rcm. 85 04. 灯油4cm. \. 略3 鰹 2. 1 0 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 振動数/Hz 図5−8(実験値). 5−4 下層の液の深さの違いによる波長変化 上層の深さを一定にして、下層の深さを変えて実験した結果、図5−9(灯油 と水)に示すように有意の差は見られない。. 理論式に灯油一水の密度比と表面張力22.5dyn/cmを入れて求めた結果が図. 5−10である。波長変化をみた場合、2.15Hz付近ではわずかな差がみられ るが、振動数が大きくなるにつれてほとんど同じ値にある。. 一55一.
(59) 7 6. + W−1. 5. 日5. + W−3. 0. く4 蝦3 鰹2. + W−4, 5. 1 0 2. 3. 5 6 7. 4. 8. 9 10. 振動数/Hz 図5−9(実験値). 7 一』一一 v−1.5. 6. 85. →一一. Q4\. 一←W−4.5. v−3.0. 曙3 謎2 1 0. 2. 4. 6. 8. 10. 振動数/Hz 図5−10(理論値). 5−5 内部波の減衰 振動片から2、4、6、8cmのところにセンサーを設定して、界面にたつ進行 波を測定した。図5−11は灯油と水における波の減衰を表したものである。 この図からわかることは、振動数が大きくなるにつれて、波の減衰が早く、振 一56一.
(60) 動数の小さいところでは波の減衰が遅いことである。. O. 06 國. φ 團. 図 ③. 闘. ◇. 闘. 命 晒. 舎. 0.04. φ. \. 臨 φ. △. り. △. 団. o. 日. 頓. 關 ◆. 2cm 4cm 6cm 8cm. △. 一 △. △ ■. 匝:. ■. ■. 國. △. △. φ. ■. 一 隔. 0.02. 一. △. △. 畠. △. 一. ▲. 国. 愈 ’. o 2. 3. 4. 5 6 7. 8. 9 10. 振動数/Hz. 図5−11 図5−12は上層に混合油A(0.82)と下層に水の場合の振動数2Hz、4 Hz、6Hzにおける内部波である。この図からもわかるように、波の振幅は振動片 から遠ざかるにつれて小さくなり、波紋が見えなくなる。また、波長の長い2Hz に比べて波長の短い6Hzの方は波の減衰が早いことがわかる。. 図5−13∼図5−16は、振動片から2、5、8、11cmにおける界面の進 行波の波形とフーリエスペクトル図である。. 一57一.
(61) 5−6 界面の波形とフーリエ解析. 図5−12(混合油A(0.82)一水の内部波). 一58一.
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