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日本語版怒りのメタ情動観念尺度の作成および信頼性・妥当性の検討

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日本語版怒りのメタ情動観念尺度の作成および信頼

性・妥当性の検討

著者

鮑 ?, 加藤 道代

雑誌名

心理学研究

91

3

ページ

165-172

発行年

2020

URL

http://hdl.handle.net/10097/00131271

doi: 10.4992/jjpsy.91.19208

(C) 2020 公益社団法人 日本心理学会

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心理学研究 2020 年 第 91 巻 第 3 号 pp. 000-000 研 究 資 料

Methodological Advancement

日常生活の中で,自己と他者の情動を同定し理解し た上で,情動を表現し,調整し,利用する一連の能力 は,情動コンピテンスと呼ばれている(野崎・子安, 2015; Salovey & Mayer, 1990)。子どもの情動コンピ テンスは,親の対応が支持的であれば促進され,非支 持 的 で あ れ ば 抑 制 さ れ る(Ornaghi, Pepe, Agliati, & Grazzani, 2019)。その際,親による支持的対応として は,子どもの情動を読み取ること,その情動について 共感的に対話すること(蒲谷,2013),子どもを慰める こと(OʼNeal & Malatesta-Magai, 2005)などがあげら れている。それに対して,親が子どもの情動表出を無 視すること,罰を与えることなどは非支持的な対応で

ある(Fabes, Poulin, Eisenberg, & Madden-Derdich, 2002; Klimes-Dougan et al., 2014)。

Eisenberg, Cumberland, & Spinrad(1998) は, こ れ らの対応を親による情動の社会化(parental emotion socialization)という理論的概念として提示した。親 による情動の社会化は(a)親による子どもの情動表出 への対応,(b)親子でその情動について話し合うこと, (c)親自身の情動表出(ポジティブ・ネガティブ情動 の表出頻度)の 3 プロセスから捉えられる(Eisenberg et al., 1998)。子どもはこの 3 プロセスから影響を受け, 情動コンピテンスを獲得し,情動の社会化を実現する と考えられている。

他方,Gottman, Katz, & Hooven(1996)は,メタ認 知の観点から,親自身の情動および子どもの情動に対 する親の信念と対応を包括的に捉え,メタ情動観念 (meta-emotion philosophy)という概念を提示した。親 のメタ情動観念の重要な構成要素としては,親が子ど もの情動を(a)どのように識別するか,(b)どのよう

日本語版怒りのメタ情動観念尺度の作成および

信頼性・妥当性の検討

鮑 婧

1 

加藤 道代

 東北大学

The Japanese version of the Parental Meta-Emotion Philosophy about Anger Questionnaire: A psychometric evaluation

Jing Bao and Michiyo Kato (Tohoku University)

The present study involves the construction of a measure called the Japanese version of the Parental Meta-Emo-tion Philosophy about Anger QuesMeta-Emo-tionnaire (PMEPA-J) and examinaMeta-Emo-tion of its reliability and validity. Participants consisted of 272 mothers of children aged 2-5 years who completed the PMEPA-J and other questionnaires. Con-firmation factor analysis yielded a 19-item, 4-factor structure with the following factors: Coaching, Non-Involve-ment, Dysfunction, and Dismissing. Cronbach’s α values were .75−.89 and ω values were .78−.89, which indicat-ed adequate internal consistency. The sub-scales were correlatindicat-ed in the expectindicat-ed directions with other measures in the Parental Attitude and Parenting Self-Efficacy Scales. Coaching was significantly positively correlated with “Parenting Self-Efficacy”, “Acceptance and Child-Centeredness” and negatively correlated with “Inconsistent and Lax Discipline” as well as “Control”. In contrast, Non-Involvement, Dysfunction, and Dismissing were signifi-cantly negatively correlated with “Parenting Self-Efficacy”, “Acceptance and Child-Centeredness” and positively correlated with “Inconsistent and Lax Discipline” as well as “Control”.

Key words: meta-emotion philosophy, parental emotion socialization, mothers, questionnaire.

The Japanese Journal of Psychology

J-STAGE Advanced published date: July 30, 2020

Correspondence concerning this article should be sent to: Kato Michi-yo, Graduate School of Education, Tohoku University, Aobaku, Sendai 980⊖8576, Japan. (E-mail: mic@tohoku.ac.jp)

1 本研究の実施にあたり,葉 光輝先生,一條 玲香先生,Dr. Bonnie Klimes-Dougan,Dr. Nancy Eisenberg,安保 英勇先生,吉 田 沙蘭先生より,温かい励ましと貴重な助言をいただいた。 心理学研究 2020 年 https://doi.org/10.4992/jjpsy.91.19208

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に受け入れるか,(c)どのように介入するかの 3 側面 があげられている(Cohodes, Chen, & Lieberman, 2017; Katz & Hunter, 2007)。これらの理論構築の過程で,親 による情動の社会化の方がより広義に考えられ,親の メタ情動観念は,親による情動の社会化の枠組みの一 部分として取り扱われている(Raval & Walker, 2019)。 先行研究によれば,親のメタ情動観念は,子どもの 情動コンピテンスに限らず,より広範な子どもの心理 社会的適応に影響を与えることが示唆されている。例 え ば,Johnson, Hawes, Eisenberg, Kohlhoff, & Dudeney (2017)では 49 件の実証的研究についてメタ分析を行 い,親のメタ情動観念が支持的であるほど,子どもの 攻撃行動,反社会的・非社会的行動,および破壊行為 などが少ないことを見出した。さらに,Katz, Maliken, & Stettler(2012)は,親によるメタ情動観念と子ども の発達との関連を検討した実証的研究をレビューし, メタ情動観念が子どもの情動コンピテンスを介して, 子どもの問題行動,自尊心,学業成績,身体健康,対 人スキルなどに影響を及ぼすという理論モデルを提唱 している。これらの知見から,親のメタ情動観念は, 子どもの発達に影響を及ぼしうる親側の要因の一つと して考えることができるだろう。したがって,日本に おいても,親のメタ情動観念を検討することが求めら れるが,未だその測定手段は開発されていない。 メタ情動観念の測定方法を概観すると,数多くの研 究で Parental Meta-Emotion Interview(以下,MEI とす る; Gottman et al., 1996)が使用されている。MEI は親 を対象とした半構造化面接法で,子どもの悲しみと怒 りに対する親の対応について測定するものである。 MEI は,親のメタ情動観念のコーチング(emotion-coach-ing)および軽視(emotion-dismissing)の 2 類型につ いて測定する。ここで測定するコーチング類型とは, 親が情動を価値あるものと捉え,その情動に敏感に気 づき,認め,そしてその生起理由を理解しようとし, 子どもを安心させるように努力する傾向を表す。一方, 軽視類型は親が情動を価値のないものとして捉え,そ の情動を禁止すべきだと考える傾向を表す。コーチン グ類型と軽視類型の分類の方法を見ると,MEI では, 複数の研究者によるコーディング方法が用いられてい る。具体的には,長時間の面接録画を用いて,情動へ の気づきとコーチング行動の 2 側面がどのように行わ れているかに着目したコーディングが実施される。こ の 2 側面の得点がいずれも高い親はコーチング類型と され,いずれも低い親は軽視類型と分類される。こう した測定手法の特徴から,MEI は,厳密な得点化が 可能であると言える。しかしその一方で,測定にかか る人的・時間的コストは大きく,加えて,調査協力者 の負担の大きさも見逃すことはできない。以上を踏ま えると,実施や得点化がより簡便の測定方法が必要で あると考えられる。

Yeh は,Gottman et al.(1996)のメタ情動観念理論 に依拠し,親子の相互作用について 12 週間の観察お よび 2 回の面接調査を行い,その結果を踏まえて,親 評定メタ情動観念尺度(Parental Meta-Emotion Philoso-phy Questionnaire: 以下,PMEPQ とする)とその短縮 版 尺 度 を 作 成 し た(Yeh, 2002; Yeh, Cheng, & Yang, 2005)。PMEPQ は,親のメタ情動観念の中でも特に 子どもの怒りに関する親の対応を測定することが特徴 である。対応の類型に関しては,コーチングと軽視の 2 類型に分類される MEI に対して,PMEPQ では,さ らに「非関与」(emotion-noninvolvement),「機能不全」 (emotion-dysfunction)の 2 類型を加えて,コーチング, 軽視,非関与,機能不全の 4 類型に分類される。この うち非関与は,子どもの情動に対する親の関心が希薄 な傾向を表す。機能不全は,子どもの情動への対応に あたり,親自身が不安定な状態に陥ってしまう傾向を 表す。PMEPQ では,コーチングと軽視のみならず, さらに非関与と機能不全が加わることによって,親の 非支持的なメタ情動観念をより多面的に捉えることが 可能となった。 なお,先述のように PMEPQ は,子どものネガティ ブ情動の中でも,特に怒りに関する親の対応に着目し た測定尺度である。子どもの怒り情動に関する親の対 応は,攻撃性などの子どもの外在化問題行動(Barnes, Howell, Thurston, & Cohen, 2017)や,抑うつなどの内 在化問題行動(Sanders, Zeman, Poon, & Miller, 2015) に強く関与することが報告されていることから,重要 な情動としてとりあげる意義は大きい。 以上より,PMEPQ は,子どもの外在化・内在化問 題行動につながりやすい怒り情動に焦点を当て,親の メタ情動観念の 4 類型から多面的に測定可能であるこ と,観察,面接調査が主流であった従来の測定方法に 対して,質問紙法により簡便な測定を可能にしたこと を特徴としている。上述した特徴はいずれも PMEPQ の利便性という点に集約できることから,日本語版怒 りメタ情動観念尺度の作成にあたり,PMEPQ を用い ることとした。 目  的 本研究では,日本語版怒りのメタ情動観念尺度 (Japanese version of the Parental Meta-Emotion Philoso-phy about Anger Questionnaire: 以下,PMEPA⊖J とする) を作成し,幼児を持つ母親を対象として,原尺度に見 られた 4 因子構造の因子的妥当性と基準関連妥当性, および内的整合性を検討することを目的とする。 PMEPA⊖J の基準関連妥当性の検証に際して,養育 態度と育児効力感との関連を検討する。メタ情動観念 は,情動領域に対する養育という概念として捉らえら れているが,全体的養育態度と密接に関連する。メタ 情動観念と養育態度との関連を縦断的に検討した研究

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によると,支持的なメタ情動観念が高いほど,否定的 な養育態度は抑制され,肯定的な養育態度は促進され ることが示されている(Gottman et al., 1996)。また, 類似した結果は,Cleary & Katz(2008)においても報 告されている。本研究では全体的養育態度の指標とし て,2─5 歳の子どもを持つ親に適用できる養育態度 尺度(加藤・黒澤・神谷,2014)を用いる。この尺度 は受容・子ども中心(子どもを中心に考え尊重し受け とめようとする態度),一貫性のない優柔不断なしつ け(子どもへの対応に基準がなくばらつきがある態 度),統制(子どもに対する規制的態度)の 3 下位尺 度からなる。支持的メタ情動観念のコーチングと肯定 的養育態度の受容・子ども中心の間には正の相関が示 されるだろう。一方,非支持的メタ情動観念の非関与, 機能不全,軽視と一貫性のない優柔不断なしつけおよ び統制との間には,正の相関が示されるだろう。 また,メタ情動観念と育児自己効力感との関連につ いて,支持的なメタ情動観念(コーチング)は情動の 社会化の担い手としての自己効力感と正の相関がある ことが報告されている(Ciucci, Baroncelli, & Toselli, 2015)。本研究では,子どもの情動への対応も含む, 母親の全般的な育児自己効力感尺度(田坂,2003)を 使用する。育児自己効力感尺度では「子どもへの積極 的関わりの自信」,「子どもを安堵させる自信」,「子ど もに自己統制させる自信」の 3 側面について測定する。 基準関連妥当性の検証に当たり,コーチングは育児自 己効力感の 3 下位尺度との間にいずれも正の相関があ り,非支持的メタ情動観念の非関与,機能不全,軽視 は育児自己効力感の 3 下位尺度との間にいずれも負の 相関があると想定される。 方  法 手続き 株式会社クロスマーケティングのリサーチ専門デー タベースに登録されたモニターから,2─5 歳の子ど もを持つ母親を対象として,300 人の回答を得た。こ こから,大問ごとに同じ選択肢を連続した選んでいる ものを不正回答とみなして除外した結果,272 人(有 効回答率:90.67%)が分析対象となった。本調査実 施にあたり,東北大学教育学研究科における倫理委員 会の承諾を得た(承認 ID:17⊖1⊖009)。 質問紙 日本語版怒りのメタ情動観念尺度 本研究では, PMEPQ 短縮版の中国語原尺度に基づき,PMEPA⊖J を 作成した。原尺度はコーチング,非関与,機能不全, 軽視の 4 下位尺度から構成され,各 6 項目,合計 24 項目である。 PMEPQ の原著者(Yeh)の許可を得て,日本語学 を学ぶ中国人研究者が日本語訳を行い,その後,日本 語に翻訳された項目案について,日本語で心理学の博 士論文を執筆し学位を取得した中国人研究者が中国語 に逆翻訳し,原尺度と逆翻訳版の異同について確認し た。心理学の研究者,日本で子育てをする心理学修士 学位を取得した中国人,および心理学博士学位を有す る日本人母親の 3 者による合議を経て,日本の母親に 馴染むよう表現の調整を行った。最終版は原著者 (Yeh)に送付して承認を受けた。以上の一連の翻訳, 逆翻訳,修正の手続きを経て,PMEPA⊖J の項目案が 作成された。回答方法は,「1:まったくそう思わない」 ─「7:非常にそう思う」の 7 件法とした。 養育態度尺度 加藤他(2014)が作成した養育態度 尺度を使用した。受容・子ども中心,一貫性のない優 柔不断なしつけおよび統制の 3 下位尺度からなる 25 項目で構成され,「1:ほとんどあてはまらない」─ 「5:とてもあてはまる」の 5 件法で回答を求めた。 育児自己効力感尺度 田坂(2003)が作成した育児 自己効力感尺度は,3下位尺度 14項目から構成された。 「1:まったくそう思わない」─「6:非常にそう思う」 の 6 件法で回答を求めた。下位尺度の「子どもへの積 極的関わりの自信」は 6 項目であり,子どもと良い関 係をつくるために母親が積極的に働きかけ,子どもに 満足感を与えることができる程度を測定する。「子ど もを安堵させる自信」は 5 項目であり,子どもが不安 になったり混乱したりした時に,母親が子どもを落ち 着かせたり安心させたりできる程度を測定する。「子 どもに自己統制させる自信」は 3 項目であり,母親が 子どもに言い聞かせたり注意したりすることによっ て,子ども自身に自分をコントロールする能力を身に つけさせることができる程度を測定する。 フェースシート 母親自身に関しては,年齢,就業 形態(仕事をしていない,常勤,パート・臨時,その 他),夫との同居の有無を尋ねた。子どもに関しては, 性別と年齢を尋ねた。 結  果 回答者の属性 回答者である母親の年齢は 23─48 歳(M = 35.61, SD = 5.11) で あ り, 現 在 仕 事 を し て い な い 者 は 58.5%,常勤は 23.5%,パート・臨時などは 18.0% であっ た。回答者の 98.2% は夫と同居していた。子どもの 年 齢 は 2─5 歳(M = 3.66, SD = 1.17) で, 男 児 51.1%,女児 48.9% であった。 確認的因子分析・信頼性 PMEPA⊖J が原尺度と一致した因子構造を持つかど うかを確認的因子分析で検証した。Hu & Bentler(1999) が提唱する Two-Index Presentation Strategy に従い,適

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Table 1

各モデルにおける適合度指標

モデル χ2/df GFI CFI RMSEA SRMR AIC BIC モデル 1 2.31 .85 .88 .07 .07 676.53 871.25 モデル 2 1.79 .91 .94 .05 .05 348.75 507.40 注)モデル 1 は 24 項目 4 因子解で,モデル 2 は 19 項目 4 因子解である。 Table 2 確認的因子分析の結果ならびに基礎統計量 項目 標準化係数 M SD F1:非関与(α = .82, ω= .87) 15 子どもが怒ったことを気にかける必要はない .83 2.49 1.21 11 子どもが怒った理由など気にかける必要はないと思う .77 2.36 1.25 10 子どもは自分の怒りを自分で何とかすべきであり,私が何がしてあげられることはなにもない .72 2.95 1.30 13 子どもが怒ったとき,親は干渉すべきではないと思う .67 3.08 1.15 4 子どもが怒ったときは,実は何をしても別に意味がない。 .52 3.39 1.31 20 子どもは怒るのが当然なので,別に気にかける必要はないと思う .43 3.44 1.34 F2:機能不全(α = .89, ω= .89) 7 子どもが怒ると,私はパニックになって頭が爆発しそうになる .90 2.66 1.48 8 子どもが怒ると,私はどうすればいいのかわからなくなる .83 2.83 1.47 6 子どもが怒ると,私は自分の感情をコントロールできなくなる .83 3.22 1.43 17 怒っている子どもと冷静に話し合うことは,私には難しいa 3.64 1.43 2 私は,子どもが怒ったときの私の対応に対して後悔ばかりしているa 4.18 1.26 3 私は,子どもがなぜ怒るのかがさっぱりわからないa 3.09 1.19 F3:軽視(α = 76, ω= .78) 19 私は,子どもが怒りを表すことを許さない .79 2.23 1.29 18 子どもがいつも同じようなことで怒るなら,私は罰を与える .69 3.14 1.39 16 子どもの怒りは,いつも大した理由はなく,理屈に合わないことばかりだと思う .62 3.20 1.33 24 子どもが怒ったら,私はすぐに子どもを制止して怒るのをやめさせる .55 3.21 1.24 23 子どもの怒りは心身の成長のためによくないと思うa 2.77 1.25 14 たとえどんな理由があっても,子どもは周囲に八つ当たりすべきではないa 4.09 1.47 F4:コーチング(α = .75, ω= .80) 21 私は,子どもが怒った時に示す表情や反応について,気にかけるようにしている .73 4.85 1.17 9 私は,まず子どもが怒った理由を理解してから対応するように気をつけている .71 4.81 1.19 22 私は,感情を適切に表現する方法を子どもに教える .58 4.51 1.20 1 私は子どもの怒りの感情をとても大事なものと考えている .58 4.84 1.20 12 子供が怒りを示すことで,私はむしろ子どものことをよく理解できる .48 4.32 1.07 5 子どもが怒ったとき,私は子どもをなだめて落ち着かせる .40 4.43 1.26 潜在変数間相関 F2 F3 F4 F1 .62 .88 ⊖.58 F2 .66 ⊖.39 F3 ⊖.54 注)N = 272。 a 19 項目モデルで削除した項目。

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合度を判定したところ,指標 1「TLI, BL, RNI, CFI ≥ .95, Mc ≥ .90 かつ SRMR ≤ .08」又は指標 2「RMSEA ≤ .06 かつ SRMR ≤ .08」という基準に該当する場合に,適 合すると判定した。モデル 1 は Yeh(2002)と同じ 24 項目 4 因子構造である。モデル 1 それぞれの適合 度指標および情報量基準を算出したところ,Hu & Bentler(1999)の判定基準に達していないため,適合 度が十分ではなかった。次に,モデル 1 を元に,因子 負荷量が .40 未満の項目 14(負荷量は .29)および項 目 2(負荷量は .33)を削除した。さらに,モデル内 で測定誤差間の修正指数が 10 以上の項目 17,23,3 を削除した。そこで,修正した 19 項目 4 因子解をモ デル 2 にした(Table 1)。Table 1 に示した通り,19 項 目からなるモデル 2 の適合度は判定基準(指標 2)に 達した。したがって,この 19 項目から構成される尺 度を PMEPA⊖J として採用することが適切であると判 断された。PMEPA⊖J 各下位尺度内で合計した点数は, 下位尺度の得点とした。 各因子に含まれる項目の内容と Yeh(2002)および Gottman et al.(1996)を踏まえ,各因子の命名を行った。 第 1 因子は「子どもが怒ったことを気にかける必要は ない」,「子どもが怒った理由など気にかける必要はな いと思う」などの項目からなり,子どもの情動と距離 を取る態度を示す項目のまとまりであることから, 「非関与」と命名した。第 2 因子は「子どもが怒ると, 私はパニックになって頭が爆発しそうになる」,「子ど もが怒ると,私はどうすればいいのかわからなくなる」 などの項目からなり,子どもの情動に対して,親自身 の混乱を示す項目のまとまりであることから,「機能 不全」と命名した。第 3 因子は「私は,子どもが怒り を表すことを許さない」,「子どもがいつも同じような ことで怒るなら,私は罰を与える」などの項目からな り,子どもの情動表出への禁止的態度を示す項目のま とまりであることから,「軽視」と命名した。第 4 因 子は「私は,子どもが怒った時に示す表情や反応につ いて,気にかけるようにしている」,「私は,まず子ど もが怒った理由を理解してから対応するように気をつ けている」の項目からなり,子どもの情動への受け入 れおよび指導的態度を示す項目のまとまりであること から,「コーチング」と命名した。 各下位尺度の内的整合性を検討するために信頼性係 数を算出した。その結果,信頼性係数は Cronbachʼs α = .75─.89,ω= .78─.89 であり,十分な値であった (Table 2)。 なお,子どもの性別と年齢による因子構造の安定性 について確認するために,子どもの性別と年齢層(グ ループ 1:2─3 歳の年少児; グループ 2:4─5 歳の年 長児)によって,多母集団同時分析を行った。これら の適合度の比較を行ったところ(Table 3),子どもの 性別において,4 つのモデルの中で厳密な測定不変モ デル(因子数,因子負荷,切片,誤差分散が不変)が 良好な適合度を示していたため,これを採用すること とした。子どもの年齢層において,4 つのモデルの中 で強測定不変モデル(因子数,因子負荷,切片が不変) が十分な適合度を示していたため,これを採用するこ ととした。 基準関連妥当性 PMEPA⊖J の基準関連妥当性を検討するために,養 育態度および育児自己効力感との相関関係を確認し た。分析に先立って,各下位尺度の項目を合計し,下 位尺度の得点とした。PMEPA⊖J 以外の尺度の α 係数 を確認したところ,養育態度の受容・子ども中心下位 尺度で .89,一貫性のない優柔不断なしつけ下位尺度 で .79,統制下位尺度で .81 と十分な内的一貫性が示 された。 ただし,育児自己効力感尺度の各下位尺度の α 係数 について検討したところ,子どもへの積極的関わりの 自信下位尺度で .86,子どもを安堵させる自信下位尺 度で .89 と十分に高い値を得たが,子どもに自己統制 させる自信下位尺度は .38 であり,極めて低かった。 そこで本調査のデータによる育児自己効力感尺度に対 Table 3 多母集団同時分析の結果 変数 測定不変性モデル χ2 df p CFI RMSEA SRMR 子どもの性別 (男・女) 配置不変モデル弱測定不変モデル 447.77462.47 292307 .00.00 .93.93 .04.04 .06.07 強測定不変モデル 473.84 326 .00 .93 .04 .07 厳密な測定不変モデル 499.75 345 .00 .93 .04 .07 子どもの年齢 (年少児・年長児) 配置不変モデル弱測定不変モデル 435.31455.62 292307 .00.00 .93.93 .04.04 .07.08 強測定不変モデル 479.25 326 .00 .93 .04 .08 厳密な測定不変モデル 518.66 345 .00 .92 .04 .09 注)確認的因子分析で 19 項目からなるモデルに基づいた。

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して探索的因子分析(最尤法・プロマックス回転)を 行った。まず,固有値の推移は,降順で 6.66,1.30, 0.91,0.84,…であった。このことから,固有値の減 衰状況についてスクリー基準として,2 因子解が妥当 と判断した。ここで,14 項目のうち,因子負荷量が .40 未満の項目 6(因子Ⅰに .12 で負荷した),項目 8(因 子Ⅱに .16 で負荷した)を削除した。次に,残りの 12 項目を再度因子分析したところ,固有値の推移は,降 順で 6.62,0.86,0.78,…であった。このことから, 固有値の減衰状況についてスクリー基準として,1 因 子解が妥当と判断した。ここで,1 因子に負荷してい た各項目の因子負荷量が .40 を超えた。12 項目からな る育児自己効力感尺度は,信頼性が α = .93 で高い水 準に達した。項目の合計点を育児自己効力感の得点と した。 PMEPA⊖J の基準関連妥当性を検討した結果,仮説と 一致する結果となった(Table 4)。すなわち,PMEPA⊖J と養育態度尺度および育児自己効力感尺度との関連に ついて,(a)コーチングは受容・子ども中心と有意な 中程度の正の相関(r = .50, p < .001)を示し,一貫性 のない優柔不断なしつけ(r = ⊖.19, p < .01)と統制(r = ⊖.12, p < .05)と弱いながらも有意な負の相関を示し た。また,コーチングは育児自己効力感と有意な中程 度の正の相関(r = .61, p < .001)を示した。(b)非関 与は受容・子ども中心と有意な弱い負の相関を示し (r = ⊖.36, p < .001),一貫性のない優柔不断なしつけと 有意な弱い正の相関(r = .39, p < .001)を示し,統制 と有意な弱い正の相関(r = .26, p < .001)を示した。 また,非関与は育児自己効力感と有意な弱い負の相関 (r =⊖.39, p < .001)を示した。(c)機能不全は受容・ 子ども中心と有意な弱い負の相関を示し(r = ⊖.30, p < .001),一貫性のない優柔不断なしつけと有意な弱 い正の相関(r = .34, p < .001)を示し,統制と有意な 弱い正の相関(r = .24, p < .001)を示した。また,機 能不全は育児自己効力感と有意な中程度の負の相関 (r = ⊖.41, p < .001)を示した。(d)軽視は受容・子ども 中 心 と 有 意 な 弱 い 負 の 相 関 を 示 し(r = ⊖.38, p < .001),一貫性のない優柔不断なしつけと有意な中 程度の正の相関(r = .41, p < .001)を示し,統制と有 意な中程度の正の相関(r = .44, p < .001)を示した。 また,軽視は育児自己効力感と有意な弱い負の相関 (r = ⊖.38, p < .001)を示した。 考  察 信頼性・妥当性の検討 本研究では,幼児の母親を対象としたメタ情動観念 を測定する PMEPA⊖J を作成し,その因子構造,信頼 性および基準関連妥当性を検証した。まず因子構造に 関して,PMEPA⊖J は原尺度と同様に,コーチング, 非関与,機能不全,軽視の 4 因子構造が確認された。 また,多母集団同時分析により,子どもの性別・年齢 層において同様の因子パターンが示され,子どもの性 別と年齢が異なっていても,同じ尺度を使用できるこ とが示唆された。次に信頼性に関しては,内的整合性 が原尺度と同様であり,良好な水準に達したことが確 認された。 基準関連妥当性に関して,予測と概ね一致した結果 が得られた。メタ情動観念の 4 類型のうち,(a)コー チングは支持的で,受容・子ども中心の養育態度との 間に有意な正の相関が見られた。受容・子ども中心が 高い親は,子どもの情動や行為を受け入れる習慣があ ると考えられる。コーチングは,子どもの情動に敏感 に気づき,その情動を受け入れ,さらに積極的に介入 することを特徴としており,コーチングが高い親ほど, 受容的で子ども中心の養育態度が高いことが示唆され た。また,コーチングは育児自己効力感と正の相関を 示した。育児自己効力感尺度は,子どもの気持ちや感 Table 4 PMEPA⊖J と養育態度,育児自己効力感との相関係数 1 2 3 4 5 6 7 8 M SD 1 コーチング ─ ⊖.40*** ⊖.29*** ⊖.37*** .50*** ⊖.19** ⊖.12* .61*** 4.63 0.79 2 非関与 ─ .54*** .67*** ⊖.36*** .39*** .26*** ⊖.39*** 2.95 0.91 3 機能不全 ─ .54*** ⊖.30*** .34*** .24*** ⊖.41*** 2.90 1.32 4 軽視 ─ ⊖.38*** .41*** .44*** ⊖.38*** 2.94 1.00 5 受容・子ども中心 ─ ⊖.29*** ⊖.07 .65*** 3.82 0.65 6 一貫性のない優柔不断なしつけ ─ .16** ⊖.24*** 2.27 0.62 7 統制 ─ ⊖.10 2.83 0.60 8 育児自己効力感 ─ 4.08 0.75 注)1─4 は日本語版怒りのメタ情動観念尺度(PMEPA⊖J)の下位尺度,5─7 は養育態度尺度の下位尺度,8 は育児自己効力感尺度の 合計点である。 *p < .05, **p < .01, ***p < .001.

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情をくみとりそれにうまく反応する自信といった側面 が含まれる(田坂,2003)。コーチングの高い母親は, 子どもの情動に対する応答性が高いという特徴を持つ と考えられるため,コーチングが高いほど育児自己効 力感が高いと示されたのだろう。(b)非関与や機能不 全,軽視は非支持的,否定的である。この 3 下位尺度 はいずれも,一貫性のない優柔不断なしつけや統制と 正の相関を,育児自己効力感と負の相関を示し,コー チングとは相反な傾向が確認された。 以上の結果から,本研究で作成した,幼児を持つ母 親を対象としたメタ情動観念を測定する PMEPA⊖J は 妥当性と信頼性を備えた尺度であると言えるだろう。 PMEPA-J の課題・方向性 本 研 究 に お け る 今 後 の 課 題 に つ い て 述 べ る。 PMEPA⊖J は,子どもの怒りという,ネガティブ情動 に対する親の対応を問うものである。したがって,回 答者である親にとって,子どもに対する自分の対応が 望ましいとは言えない場合は,答えにくいと感じるか もしれない。本尺度は親による自己報告であるため, 社会的望ましさの影響を受ける可能性も考慮しておく 必要がある。 次に,メタ情動観念と不適切な養育との関連を検討 することも今後の課題である。親によるコーチングの 低さは,子どもに対する身体的・心理的虐待や無視の ような不適切な養育と関連していることが示されてい る(Shipman et al., 2007)。不適切な養育は,他者から は見えにくい家庭内の育児場面で起こることが多く, 親自身が自覚することは少ない。PMEPA⊖J を用いる ことにより,母親の情動および子どもの情動に対する 母親の信念と対応をとらえることができれば,不適切 な養育の早期発見および母親への支援が可能になるか もしれない。これについては,今後の慎重な検討が求 められる。 最後に,尺度の対象者について述べる。原尺度は父 親あるいは母親を調査対象としたが,本尺度の作成に あたっては母親に限定して調査した。日本では,父親 の育児・家事参加時間は 1 日当たり約 1.23 時間であ り(内閣府,2019),養育の主要な役割を担うのは依 然として母親である。したがって,調査を母親に限定 した理由は,日常的に母親は父親より子どもの怒りの ようなネガティブな情動への対応に直面することが多 いと考えられたためであった。ただし,近年では父親 に対しても育児関与の重要性が呼びかけられ,父親の 養 育 と 子 ど も の 発 達 と の 関 連(Cunningham et al., 2019)や,父母の協同育児に関する研究(澤田, 2019)も増加している。このような動向を受けて,今 後は父親のメタ情動観念を検討するだけでなく,家族 システム理論を踏まえ,父母が協力して行う養育を念 頭に,父母それぞれのメタ情動観念を組み合わせて検 討を進める必要があるだろう。 総じて,PMEPA⊖J を用いて,日本におけるメタ情 動観念に関する研究が進むことが期待される。 利益相反に関して 本論文に関して,開示すべき利益相反関連事項はな い。 引 用 文 献

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