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ヒーティングケーブルを埋設したコンクリート床版の輪荷重走行試験

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Academic year: 2022

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ヒーティングケーブルを埋設したコンクリート床版の輪荷重走行試験

片山ストラテック㈱ 正会員 ○山本将士 正会員 山野 修 中日本高速道路㈱ 畔柳昌己 正会員 溝上善昭 正会員 松下穂高 大阪工業大学 八幡実験場 フェロー 松井繁之

1.はじめに

谷川橋(上下線)および敦賀ジャンクション橋は,舞鶴若狭自動車道と北陸自動車道を接続する敦賀ジャン クション内のランプ橋である.敦賀ジャンクションは積雪寒冷地に指定されており,冬季における路面凍結や 積雪による交通障害が予想される.これらの対策として,凍結防止剤の散布,車両による除雪および舗装基層 部へのヒーティングケーブル(以下,ケーブル)を配置して融雪を行うロードヒーティング等が一般的である.

本橋は,縦断勾配が大きく,ランプ部に位置することからロードヒーティングによる融雪対策を計画してい る.従来のロードヒーティングは,舗装基層部へケーブルを配置するため,舗装打替え時にケーブルが切断さ れて張替えが発生するなど補修工事のコストや工期に多大な費用や労力がかかる事象が発生している.このよ うな現状を踏まえ,長期的な融雪機能の確保やLCC最適化を目指し,コンクリート床版内へケーブルを配置 することを検討した.本稿では,輪荷重走行試験を実施し,ケーブルを埋設した床版の疲労耐久性および床版 のひび割れ状況を確認した結果について述べる.

2.試験体の概要

本試験は,大阪工業大学八幡実験場の自走式ゴ ムタイヤ輪荷重移動載荷装置を用いて実施した.

試験体の形状を図-1 に,コンクリートの仕様を 表-1にそれぞれ示す.試験体は,幅2.8m,長さ

3.4mとした.また,床版厚は22cmとし,鉄筋は

主 鉄筋D13 および 配力 鉄筋 D25 をそれ ぞれ

125mm 間隔で配置していずれも実橋と同じとし

た.ケーブルは,配線方向や継手などを考慮して 橋軸方向および橋軸直角方向に配置した場合の 2 ケースとし,2 体製作した.本稿では,2 ケース の結果が類似しているため橋軸直角方向に配置 した試験体について述べる.なお,実橋は PC床 版であるが,本実験はコンクリート床版にケーブ ルが配置されたことによる影響を把握すること

が目的であるため,PC鋼材相当分の異形鉄筋D29を750mm間隔 で配置することで代替した.試験体の支持条件は,床版支間2.5m の単純支持で橋軸方向の両端部は横桁による弾性支持とした.

3.試験方法

輪荷重は,実橋の大型車の計画交通量6,000台/日以上における 供用100年間を想定した荷重載荷回数を算出した.載荷ステップ

は,100kNで0.5万回,150kNで0.5万回,170kNで7万回および190kNで4万回の繰返し載荷とした.

キーワード:舞鶴若狭自動車道,ロードヒーティング,ヒーティングケーブル,輪荷重走行試験,疲労耐久性 連絡先:〒551-0021 大阪府大阪市大正区南恩加島6丁目2番21号 TEL:(06)6552-1235,FAX:(06)6551-5648

表-1 コンクリートの仕様

設計値 実測値

圧縮強度 σck=30N/mm2 σ28=41.2N/mm2

スランプ 10.5cm 9.5cm

空気量 4.5% 3.7%

セメントの種類 最大粗骨材寸法

混和剤

20mm AE減水剤 普通セメント

図-1 試験体形状

支持横桁

2800

40.2 220

3400

40.2220

配力鉄筋 D25

PC代替鉄筋 D29

主鉄筋 D13 ケーブル

支持間隔 2500150150 87.5配力鉄筋間隔 21×125=262587.5

主鉄筋間隔 26×125=3250

75 75

ケーブル 19×80=1520

90 180 19×80=1520 90 ケーブル間隔

X(橋軸方向)

Y

(橋軸直角方向)

支持横桁

土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

‑1189‑

Ⅰ‑595

(2)

計測は,各載荷ステップおよび8万回までは2万回毎,8万回以 降は 1 万回毎に静的載荷を行い,床版表面のひび割れ状況を目視 観察してマーキング・スケッチした.また,各載荷時にケーブル の断線の有無を確認した.

4.試験結果

試験体中央のたわみと走行回数の関係を図-2に示す.総たわみ は,初期載荷時100kNで約0.4mmとなっている.その後,段階的 に荷重を大きくし,1万回走行時150kNでは0.92mmとなり,8万

回で190kNに荷重を増加して12万回走行したが破壊には至ってお

らず,総たわみは1.76mmであった.

試験体中央における橋軸方向および橋軸直角

方向の100kN換算した活荷重たわみの分布を図

-3,図-4にそれぞれ示す.図に示す解析値は,

FEM による直交異方性板解析により全断面有 効および引張無視断面を計算したものである.

ここで,タイヤの載荷範囲はプレスケールを用 い て 190kN 載 荷 時 の 圧 力 分 布 を 測 定 し ,

370mm×320mm とした.初期載荷時の活荷重た

わみは,コンクリートが全断面有効の理論値と

良く一致している.また,12 万回走行終了時は 0.59mm となっており,引張無視断面の解析値に対して0.5倍程度 となり劣化度は Dd=0.28 と残存耐久性は大きいことが確 認できる1)

12万回走行終了時の床版下面ひび割れ状況を図-5 に 示す.初期ひび割れは,1万回走行時に橋軸方向に発生し ており,たわみは急激に増加している.また,6万回走行 時まで橋軸方向のひび割れが進行し,3本のひび割れがみ られた.8万回走行時には橋軸方向ひび割れから橋軸直角 方向にひび割れが進展し,その後,12万回走行終了時に 至るまでひび割れは緩やかに進展した.一方,床版上面は乾 燥収縮による毛細なひび割れがみられたものの,繰り返し荷 重に伴う橋軸直角方向のひび割れはなかった.実験終了後,

ひび割れ面を切断して観察したが,床版下面から上面へ貫通 するようなひび割れは発生していなかった.

5.まとめ

輪荷重走行試験を実施して床版内にケーブルを配置した コンクリート床版の疲労耐久性および床版のひび割れ状況 を確認した.その結果,疲労破壊することなく 12 万回の走 行を終了した.また,たわみによる劣化度は0.28と小さく,

設計供用期間100年間相当の床版の疲労耐久性を有していると考えている.

参考文献

1)松井繁之著:道路橋床版,設計・施工と維持管理,pp.44-56,森北出版(株),2007.10.

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0

0 2 4 6 8 10 12

走行回数(万回)

たわ(mm)

総たわみ 残留たわみ

図-2 たわみ-走行回数の関係

0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 1.00 1.10 1.20 1.30 1.40 1.50

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000 2200 2400 2600 2800 3000 3200 3400 測定位置(mm)

たわみ(mm)

0万回 0.5万回 1.0万回 8.0万回 12.0万回 全断面有効 引張無視

図-3 橋軸方向の活荷重たわみ分布

0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 1.00 1.10 1.20 1.30 1.40 1.50

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000 2200 2400 2600 2800 測定位置(mm)

たわみ(mm)

0万回 0.5万回 1.0万回 8.0万回 12.0万回 全断面有効 引張無視

図-4 橋軸直角方向の活荷重たわみ分布

図-5 床版下面のひび割れ状況

17@200=3400

14@200=2800

X(橋軸方向)

Y

(橋軸直角方向)

土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

‑1190‑

Ⅰ‑595

参照

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