• 検索結果がありません。

十 三 湖 にお け る塩 分 と溶存 酸 素 の変 動 に関 す る観測 と解 析

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "十 三 湖 にお け る塩 分 と溶存 酸 素 の変 動 に関 す る観測 と解 析"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)海 岸 工 学 論 文 集,第55巻(2008) 土 木 学 会,1051‑1055. 十 三 湖 にお け る塩 分 と溶存 酸 素 の変 動 に関 す る観測 と解 析 Spatio-temporal. Fluctuation. of Salinity. and Dissolved. Oxygen. in Lake Jusan. 梅 田 信1・ 田 中 仁2・ 小 西 絵 里 子3・ 佐 々 木 幹 夫4 Makoto. UMEDA,. Hitoshi. TANAKA,. Eriko. KONISHI. and Mikio. SASAKI. This paper presents salinity and dissolved oxygen (DO) variations in the brackish lake, Lake Jusan, Japan, investigated through field measurements and simulation. During 2007 summer, auto-recoding salinity-temperature meters and DO meters were installed at five stations in the lake. The mean retention time of the lake water estimated from inflow river discharge is about three days, so that large fluctuations of salinity were observed in the entire lake, and low DO conditions were observed during mid-summer in spite of the rapid exchange of lake water. Numerical simulation in terms of salinity and DO was conducted using a vertical 1-dimensional model. The result of this simulation revealed that oxygen was consumed in the mid-layer of the lake due to drought river water inflow during the summer.. 1.. に つ い て 考 察 した. は じ め に. 岩 木 川 の最 下 流 部 に位 置 す る十 三 湖(青 森 県 津 軽 地 方) は,ヤ. マ トシ ジ ミ(Corbicula japonica)の 名 産 地 と して. 知 られ る汽 水 湖 で あ る.ヤ マ トシ ジ ミの生 育 に対 して は, 塩 分 や 溶 存 酸 素 と い った水 質 的 な変 動 が,ス て 働 く場 合 が あ る.そ の た め,湖. ト レス と し. 内 の水 質 環 境 の時 空 間. 的 な特 徴 を把 握 す る こ と は,水 産 及 び 河 川 ・湖 沼 管 理 上 の 重 要 な要 素 で あ る.ま た,本 研 究 で対 象 とす る十 三 湖. 2. 現 地 観 測 (1) 現 地 の概 要 本 研 究 で 対 象 と す る十 三 湖 は,岩 木 川 の最 下 流 部 に位 置 す る汽 水 湖 で あ る.流 域 の概 略 を 図‑1に 示 す.流 域 面 積 は2,544km2,幹. 川 流 路 延 長 が115kmで. で 日本 海 へ と注 ぐ直 前 に,十 三 湖 を 経 由 して い る. 十 三 湖 は,岩 木 川 の 河 口 に位 置 し,日 本 海 に 面 して い. を 含 め,汽 水 湖 で は ヤ マ トシ ジ ミが 地 元 の 重 要 な水 産 資 源 と な って い る こ と が 多 い.従. っ て,ヤ. マ ト シ ジ ミの 漁. 獲 維 持 とい う 目的 か ら も,湖 及 び そ の 流 域 の 環 境 変 化 に 関 す る調 査 研 究 が 必 要 と され て い る. 汽 水 湖 に お け る シ ジ ミと関 連 づ け た 水 理 環 境 の研 究 は, 十 三 湖 と同 じ青 森 県 内 の 太 平 洋 側 に位 置 す る小 川 原 湖 に お いて 多 くな され て い る(鶴 田 ら,2002;鈴 高 杉 ら,2005な. ど).ま. た,国. 木 ら,2005;. 内 の 汽 水 湖 で最 も ヤ マ ト. シ ジ ミの 漁 獲 が 多 い宍 道 湖 に お い て も,湖 水 環 境 と ヤ マ トシ ジ ミの 関 係 に つ い て研 究 成 果 が あ る(中 村 ら,1997 な ど).ま. た,こ. れ ら3つ の 汽 水 湖(十 三 湖,小. 川 原 湖,. 宍 道 湖)に お け る ヤ マ トシ ジ ミの 餌 の 起 源 を 比 較 検 討 し た 研 究 も行 わ れ て い る(Kasaiら,2006).一. 方 で十 三湖. は湖 水 の 交 換 速 度 が 大 き く,水 質 悪 化 の 懸 念 が 少 な い. そ の た め,環 境 水 理 学 的 な観 点 か ら な され た研 究 は,高 橋 ら(1994)や 佐 々 木 ら(1997)な ど が あ る程 度 で,あ. まり. 多 くな い. 本 研 究 で は,十 (DO)の. 三 湖 内 の 多 地 点 で 塩 分 と溶 存 酸 素 量. 連 続 調 査 を 実 施 す る と と も に,塩 分 とDOの 時 間. 変 化 につ い て数 値 解 析 を行 い,こ れ らの変 動 メ カ ニ ズ ム 1正 会 員 2フ ェ ロー 3学 生 会員 4正 会 員. 博(工)東北大学准教授大学院工学研究科土木工学専攻 工博 東北大学教授大学院工学研究科土木工学専攻 東北大学大学院工学研究科土木工学専攻 工博 八戸工業大学教授工学部環境建設工学科. あ る.最 下 流 部. 図‑1. 岩木 川流 域 の概 略.

(2) 1052. 海. 図‑2. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). 十三 湖平 面 図 と調 査地 点. 表‑1. 湖内 の調 査地点 と項 目. 図‑3. 調査期 間 中 の十 三湖 にお ける水文,気 象条件. で計 測 した水 深 か ら,概 略 的 に算 出 した参 考 値 で あ る. 測 器 は,塩 分 ・水 温 計 が ア レ ッ ク電 子(株)製COMPACT‑ CT,溶. 存 酸 素 計 が ア レ ッ ク電 子(株)製COMPACT‑DOW. を 用 い た. 測 定 期 間 は,2007年6月9日 る汽 水 湖 で あ る.湖 面 積18.6km2,水. 面 標 高Om,湖. 心部. 〜10月11日 の 約4ヶ 月 間 で,. 測 定 間 隔 は い ず れ も10分 と した.測 定 期 間 中 の8月9日 か. に お け る 最 大 水 深 が 約2mの 浅 い 湖 で あ る .湖 の 平 面 形. ら10日 に か け て,一 度 測 定 機 を引 き上 げ,デ. 状 を図‑2に 示 す.十 三 湖 の 北 西 部 に あ る下 流 端 が,岩 木. 及 び 測 器 の メ ン テ ナ ンス を 行 っ た.さ. 川 の河 口 とな って お り,水 戸 口 と 呼 ば れ て い る.こ の 水. 月11日 に は,セ. 戸 口 を通 じて,日 本 海 へ 流 れ て い る.十 三 湖 は,平 均 水. 現 場 で 測 器 の清 掃 作 業 を行 った.溶 存 酸 素 計 に は,測 定. 深 が 約1mと 浅 く,湖 の容 積 に対 して 集 水 面 積 が 大 き い.. の度 にセ ンサ部 を 洗 浄 す る ワイ パ ー が 付 属 して い る の で,. ータの回収. らに,7月14日. と9. ンサ 部 分 へ の 付 着 物 を 除去 す る た め に,. そ の た め,湖 水 の 平 均 滞 留 時 間 が3日 程 度 と非 常 に短 く,. セ ンサ 部 分 の汚 損 は ほ とん ど無 か っ た.し か し,塩 分 ・. 湖水 の 回 転 が速 い こ とが 特 徴 で あ る.ま た,河 川 か らの. 水 温 計 は,ワ イパ ー 等 が な い た め,セ. 流 入 は,岩 木 川 本 川 が 全 集 水 面 積 の 約80%を. ツ ボ等 の 付 着 が あ った.. そ の ほか に 山 田川,鳥. 谷 川,相. 占 め て お り,. 内 川 な ど の流 入 が あ る.. 十 三 湖 に は,汽 水 環 境 に特 有 の生 物 で あ る ヤ マ トシ ジ. ンサ周 辺 に も フ ジ. 岩 木 川 の 流 量 は五 所 川 原 地 点 に お い て,十 三 湖 近 傍 の 風 向 風 速 は 十 三 地 点 に お い て,そ. れぞれ国土交通省 に よ. ミが 生 息 し,日 本 で も有 数 の シ ジ ミ産 地 と な って い る.. り測 定 さ れ て い る.潮 位 は 深 浦 地 点 に お い て,気 象 庁 に. 十 三 湖 で 漁 獲 され る 魚 介 類 の うち,90%以. よ り測 定 さ れ て い る(地 点 の 位 置 は,図‑1,図‑2を. 上(2,360ト ン,. 参 照) .. 平 成9年)が ヤ マ ト シ ジ ミで 占 め られ て い る こ と か ら,十. 十 三 湖 の水 位 は,岩 木 川 河 口 の 若 宮 地 点 お よ び水 戸 口 の. 三 湖 の漁 業 は シ ジ ミ漁 で成 り立 っ て い る と い っ て も過 言. や や 南 側 の十 三 地 点(図‑2参 照)に お い て,国 土 交 通 省 に. で は な い と され て い る(田 村 ら,2000) .. よ り測 定 さ れ て い る.. (2) 観 測 方 法. (3) 観 測 結 果. 十 三 湖 内 の塩 水 流 動 と そ れ に 関 連 した水 質 の 変 化 の 時 空 間 的 な 挙 動 を 捉 え る た め の 現 地 計 測 を実 施 した.測 定 項 目 は,塩 分,水 温,溶. 存 酸 素 量 で あ る.測 定 地 点 は,. 本 観 測 期 間 中 の十 三 湖 に お け る水 文,気 象 条 件 と して, 図‑3に 岩 木 川 流 量(五 所 川 原 地 点),水 び風 速(十 三 地 点)を 示 す.上. 位(若 宮 地 点)お よ. 段 の 流 量 時 系 列 か ら,7月. 湖 形 状 お よ び流 入 河 川 と流 出部(水 戸 口)を 考 慮 して,湖. 半 ば か ら8月 初 め にか け て は渇 水 で あ った こ とが 分 か る.. 内5地 点 に 測 器 を設 置 した.図‑2に. この 渇 水 が,湖 水 環 境 お よ び ヤ マ トシ ジ ミに影 響 した 可. 点Eの 合 計5地 点 で あ る.各 と測 定 高 度 は,表‑1に. 示 し た地 点Aか ら地. 測 定 地 点 に お け る測 定 項 目. 示 す と お りで あ る.な お湖 底 標 高. と して 示 した 値 は,現 地 調 査 時 の 湖 水 位 と設 置 地 点 付 近. 能 性 が 予 想 さ れ る.こ の 渇 水 は,8月 解 消 され て い る.ま た,こ. 中 頃 の 出水 に よ り. れ と ほぼ 同 じ期 間 に10日 間 ほ. ど,風 速10m/s前 後 の 強 風 が 継 続 して い る.こ れ は,東.

(3) 1053. 十三 湖 にお け る塩 分 と溶存酸 素 の変動 に関 す る観 測 と解析. 図‑5十. 三湖 にお けるDOの. 測定 結果.(a)地 点D,(b)地 点E. 化 が 生 じる こ と は,興 味 深 い と思 わ れ る.貧 酸 素 の発 生 要 因 につ い て は,次 節 の解 析 に よ り考 察 を 行 う. 3.数. 値解析. 湖 内 の塩 分 とDOの 変 動 に つ い て,鉛. 直1次 元 の比 較 的. 単 純 な数 値 シ ミュ レー シ ョ ンを 行 い,十 三 湖 の水 理 環 境 につ い て の 考 察 を行 った. (1)計 算 方 法 計 算 対 象 項 目 は,水 温,塩 式 は,式(1)で. 分,DOで. あ る.基 礎 方 程. 表 さ れ る湖 内 の鉛 直拡 散 方 程 式 で あ る.. (1) こ こ にc:塩 分,水 数 で あ る.Sは 図‑4. 十 三 湖 にお け る塩 分 の測定 結果.(a)地 点A上 層,(b)地 点B,(c)地 点C,(d)地 点D上 層,(e)地 点D下 層,(f)地 点 E.た だ し,最 下 段 の太 矢 印 は測 器 メ ンテ ナ ンス の実 施 日,図 中 の実線 矢 印 は欠 測期 間,破 線矢 印 は汚損 に よ るセ ンサ感 度低 下 の可能 性 が あ る期 間 を示 して い る. 温 ま た はDOを. 示 し,K:鉛. 直拡 散係. 生 成 項 で あ り,水 温 に つ い て は,気 象 条. 件 に よ る水 面 を通 じた 熱 収 支 を考 慮 して い る. 気 象 条 件 に よ り生 じる水 面 で の熱 収 支 φ[W/m2]は,日 射 に よ り受 け る 熱 量(全 天 日射 量,φI),長. 波 放 射 φL,. 潜 熱 φe,顕 熱 φcにつ い て,. 北 地 方 に 顕 著 な 山背 で あ る と考 え られ る.ま た,こ の 強. (2). 風 に対 応 す る よ うに,若 宮 地 点 の水 位 が 大 き く下 が って い る.こ れ は,湖 水 が 強 風 で 吹 き寄 せ られ た結 果 だ と考. と して 与 え た.こ. え られ る.. で あ る.こ の う ち,長 波 放 射 φLはSwinbankの 式,潜 熱 ・. 図‑4に 塩 分 の 観 測 結 果 を示 す.地 の1ヶ 月 弱 が 欠 測 とな って い る.地. 点Eは7月 点Aは,潮. 中旬 か ら 汐 に応 じ. た海 水 の流 入 お よ び 湖 水 の流 出 に よ り,塩 分 が 大 き く日 内 変 化 して い る.ま. た,設 置 標 高 の 比 較 的 高 い地 点B,. Cお よ びDの 上 層 は,湖. 心 や 湖 奥 部 とい う平 面 位 置 に 関. こにr=水 面 の反 射 率,b=水. 顕 熱 φe+φcはRohwerの ら算 出 した.ま. 面吸収率. 式 な ど の 経 験 式(岩 佐,1995)か. た,水 面 を 透 過 した 日射 の 水 深 方 向 で の. 熱 伝 達 は,Lambert‑Beerの DOの 生 成 項SDOは,底. 法 則 に基 づ い て与 え た. 泥 に よ る酸 素 消 費 と水 面 で の 再. 曝 気 を次 式 で 考 慮 した.. わ りな く,潮 汐 や 河 川 流 量 の影 響 を 受 け て大 き く変 化 し て い る.一 方 で,地. 点D(設 置 標 高‑1.1m,下. 観 測 期 間 を通 じて 塩 分 が高 い.こ. 層)で は,. で は定 常 的 に 塩 分 成 層 が形 成 され て い る と考 え られ る. DOに. つ い て は,図‑5に. 観 測 結 果 を 示 す.こ. か ら40cmと い う下 層 で の 測 定 で あ る が,概 条 件 で 推 移 し て い る.し. (3). の こ とか ら,十 三 湖 内. れ は底 面. ね好 気的 な. か し,地 点Dで は8月 上 旬 に,. 地 点Eで は8月 下 旬 と9月 中 頃 に 貧 酸 素 化 して い る.十 三 湖 の よ う に湖 水 の交 換 が 速 く浅 い湖 で も,夏 期 の貧 酸 素. こ こ に,T:水. 温,Tb:基. 消 費 速 度,θ:温 度,△Z:格. 準 水 温,a:T=Tbに. 度 影 響 係 数,DOsat:飽. 子 間 隔,As:各. 再 曝 気 係 数 を 示 す.本. 水 深 に お け る湖 水 表 面 積,ka:. 研 究 で はTb=20[℃],a=0.50[g/m2/d],. θ=1.06,ka=1.0[m/d],△Z=0.05[m]と 溶 存 酸 素 濃 度 は,次. お け る酸 素 和 溶存 酸素 濃. 式 か ら求 め た.. し た.ま. た,飽. 和.

(4) 1054. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). (4) 湖 内 へ の 流 入 水(河 川 水 お よ び水 戸 口 を 経 由す る海 水)は. a)流量(五 所川原地点). 湖 内 の等 密 度 層 へ と流 入 す る と した.一 方,水 戸 口 か ら 海 へ の流 出 は湖 底 か ら水 面 まで,全 層 一 様 に流 出 す る と 仮 定 した.流 入 水 及 び 湖 水 の 密 度 は,UNESCOの. 状態 方. 程 式 を用 い て,水 温 と塩 分 か ら決 定 した. b)上層塩分(実 測 値:地 点B) 計 算 期 間 は,十 三 湖 で 夏 季 水 質 調 査 を 実 施 した6月10 日か ら10月12日 まで と した.河 川 か らの 十 三 湖 へ の流 入 量 は,主. な 流 入 河 川 で あ る岩 木 川 の十 三 湖 か ら約30km. 上 流 側 に位 置 す る五 所 川 原 地 点 の 流 量 よ り,流 域 面 積 を 考 慮 して 推 定 した.. (5) こ こで,QR:岩. 木 川 か らの 流 入 量,AR:岩. 点 に お け る 流 域 面 積,AG:五 QG:五. c)下層塩分(実 測値:地 点D). 木 川の若宮地. 所 川 原 地 点 の 流 域 面 積,. 所 川 原 地 点 に お け る岩 木 川 流 量 で あ る.ま. 水 戸 口 の通 過 流 量 は,Sasakiら(2007)に. d) 下層DO(実. 測値:地 点D). た,. 倣 い,十 三 地 点. に お け る水 位 変 動 と湖 面 積 お よ び 河 川 流 量 の 関 係 か ら推 定 した. 図‑6. (6) こ こで,QM:水. 戸 口流 量,AL:十. 三 湖 面 積,h:十. 三湖. 水 位 を示 す.. DOと. 湖 内塩 分 ・DOの 再現 計算 結果. も に,変 動 傾 向 が よ く捉 え られ て い る.た だ し,7. 月 中 旬 か ら8月 中 旬 に か け て 上 層 塩 分 で実 測 と計 算 値 の. 湖 内 へ の 流 入 水(河 川 水 お よ び水 戸 口 か らの海 水)は 湖. 乖 離 が 大 き い.こ の 理 由 と して,当 該 期 間 は塩 分 セ ンサ. 内 の等 密 度 層 へ と流 入 す る と した.一 方,水 戸 口 か ら海. に付 着 物(フ ジ ツ ボ類)が 非 常 に 多 か っ た影 響 で,感 度 が. へ の 流 出 は 湖 底 か ら水 面 まで ,全 層 一 様 に流 出す る と仮. 低 下 して い た 可 能 性 も考 え ら れ る.後 述 す るDOの 低 下. 定 した.湖. に 関 して 重 要 な期 間 で も あ る こ とか ら,塩 分 の 測 定 値 の. 内 へ 流 入 す る 河 川 水 温 は,津 軽 大 橋 地 点(十. 三 湖 か ら約3km上. 流)で 水 温 が 国 土 交 通 省 に よ り定 期 的. 信 頼 性 は,本 研 究 の 重 要 な課 題 で あ る.こ の 期 間 の十 三. (月一 回)に 測 定 され て い る.こ の測 定 水 温 と そ の 日の 気. 湖 内 の 塩 分 収 支 を厳 密 に求 め るの は難 しい.し か し定 性. 温 か ら相 関式 を 作 成 して求 め た.十 三 湖 へ 流 入 す る海 水. 的 に は,こ. 温 は,水. 戸 口 の 近 傍 で あ る地 点Aに. 湖 水 位 はむ しろ上 昇 傾 向(図‑3)を 考 慮 す る と,海 水 流 入. 与 え,海. 水 塩 分 は33psuと した.河 川 及 び 海 か らの 流 入. 水 のDOは,飽. お け る実 測 値 か ら. 和 濃 度 を 仮 定 した.. の値 を 用 い た.河 川 流 量,風. 量 が小 さ い と は考 え に くい.従. って,こ. の期 間 の 塩 分 の. 測 定 値 は,誤 差 が 大 き い と見 る の が 妥 当 だ と考 え られ る.. 気 象 デ ー タは 十 三 湖 近 傍 の 気 象 庁 に よ る測 定 値 と して, 気 温 を 市 浦 地 点(ア メ ダ ス),日. の期 間 の 河 川 流 量 が少 な い に もか か わ らず,. 射 量 を青 森 地 方 気 象 台 で. 速,十 三 湖 測 量 デ ー タ は 国. 図‑7に,塩. 分 とDOの 鉛 直 分 布 時 系 列 の 計 算 結 果 を,. そ れ ぞ れ 上 段 と 中段 に 示 した.さ. らに,海 水 ま た は河 川. 水 が 十 三 湖 へ 流 入 して か らの 滞 留 日数 分 布 に つ い て の 計. 土 交 通 省 よ り提 出 され た もの で あ る.ま た,計 算 時 間 ス. 算 結 果 を,下. テ ッ プ は1時 間 と した.塩 分 ・水 温 分 布 の 初 期 条 件 は,. 滞 留 時 間 を 表 現 す る た め の ト レー サ ー を 用 い て行 った.. 十 三 湖 中心 部 に お い て 計 算 の 開 始 時点 に対 応 す る6月10. これ は,河 川 及 び海 か らの 流 入 時 点 で は 値 が0で,そ. 日 に測 定 さ れ た実 測 値 を 参 考 と して 与 え た.. 後 は,計 算 時 間 間 隔 △t[日]に対 応 して. (2) 計 算 結 果 と考 察 計 算 結 果 を図‑6に,観 観測値 は測定地点 が同. の 計 算 は,式(1)のcと. して. の. (7) 測 結 果 と対 比 して 示 す.た だ し,. の 生 成 項 を加 え て 計 算 を行 っ た も の で あ る.っ ま り,湖. 一 で は な い もの の,表‑1に. 内 で 一 日滞 留 す る と値 が1増 加 す る トレー サ ーで あ る.. 示 した. 湖 底 標 高 と設 置 高 さ か ら求 め た測 定 標 高 に対 して,計 算 値 と比 較 した.た. 段 に示 した.こ. だ し,前 述 の通 り湖 底 標 高 が概 算 値 で. あ る た め,厳 密 に は一 致 して い な い可 能 性 が あ る.塩 分,. こ の結 果 に よ る と,渇 水 で あ った7月 中 旬 か ら下 旬 に か け て,中 層 で の 滞 留 時 間 が2週 間 程 度 に まで 増 加 して い る こ とが 分 か る.密 度 差 の 関 係 か ら,上 層 は河 川 水 が.

(5) 1055. 十 三 湖 にお ける塩分 と溶 存酸素 の変 動 に関 す る観 測 と解析 流 入 し,下 層 に は 塩 水 が 流 入 して い る の で あ るが,中 層 は 両 者 の間 に挟 ま れ,結 果 的 に 湖 水 が 停 滞 して い た と い う こ と に な る.湖 水 が 停 滞 して い る層 で は,底 泥 な ど に よ る酸 素 消 費 が 進 む た め,中 層 に貧 酸 素 水 が 発 生 した と 考 え られ る.D地 層 水 が,8月. 点 に お け る8月 の 貧 酸 素 化 は,こ. の中. 上 旬 の 出 水(淡 水 で あ る た め,密 度 差 か ら上. 層 へ 流 入 す る)に よ り,下 層 へ 押 し下 げ られ,底. 層へ貧. 酸 素 水 が 移 流 した 結 果 で あ る こ とが 分 か る.つ ま り,実 測(図‑5)で 現 れ た 下 層 の貧 酸 素 化 は,そ の 場 で 酸 素 消 費 が 進 ん だ 結 果 で は な い こ と に な る.地 点Eの 観 測 結 果 で 生 じて い た貧 酸 素 化 も,図‑7の. 計 算 結 果 と対 応 を見 る と,. 中 層 か ら下 層 に か け て の 湖 水 の 滞 留 時 間 が 長 くな り,酸 素 消 費 が進 ん だ 後 に生 じて い る こ と が分 か る. 十 三 湖 は,水 深 が 浅 い と は いえ,最 生 息 して い な い.こ. 深 部 に は シ ジ ミが. れ は,最 深 部 が 地 点D周 辺 の湖 心 部. で,底 質 が 泥 質 化 して い る影 響 な ど の 理 由 が 考 え られ る. シ ジ ミの 分 布 が 多 い の は,水 深 が1m未 満 程 度 の か な り 浅 い領 域 で あ る.こ の 高 さ は,シ. ミュ レ ー シ ョ ン結 果 に. 見 られ た 貧 酸 素 化 領 域 に,概 ね 一 致 す る.昨 夏 の渇 水 時 に は,ヤ マ トシ ジ ミの 斃 死 が あ った と い う地 元 か らの 情 報 が あ った.湖. 内 の 高 塩 分 が 原 因 と も考 え られ るが,こ. れ に加 え て 中 層 で の 貧 酸 素 化 が,シ. 図‑7. 湖 内 水 質 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン結 果 の 鉛 直 分 布 時 系 列a)塩 分,b)DO,c)湖. 水 の 滞 留 日数. ジ ミに対 す るス ト レ. ス と して 作 用 して い た 可 能 性 が あ る.. に は各 種 の測 定 デ ー タ を提 供 い ただ い た.ま た 現 地 観 測 の 際 に は,十 三 漁 業 組 合 お よ び 太 公 望 に ご協 力 を い た だ. 4. 結. 論. い た.こ. 本 研 究 で は,岩 木 川 水 系 十 三 湖 に お い て,2007年. こに 記 して 謝 意 を 表 す る.. の夏. 期 に,塩 分 お よ び 溶 存 酸 素 量 に 関 す る現 地 観 測 を 行 っ た. 多 地 点 の 連 続 的 な 測 定 を行 い,こ れ らの 時空 間 的 な挙 動 を 捉 え る こ と が で き た.ま 変 動 につ いて,鉛. た,十. 三 湖 内 の 塩 分 とDOの. 直 一 次 元 の数 値 解 析 を実 施 した.こ. の. 数 値 解 析 に よ り,観 測 結 果 で 見 られ た湖 心 部 底 層 の貧 酸 素 化 は,渇 水 期 間 中 に 中層 で生 じ た貧 酸 素 水 が,出 水 の 流 入 に よ り下 層 に移 流 して発 生 した と推 測 で き る こ とが 分 か っ た.昨 夏 の 渇 水 時 に,ヤ. マ ト シ ジ ミの 斃 死 が 見 ら. れ た と い う情 報 が あ り,こ の 一 つ の要 因 と して,中 層 部 (ヤ マ ト シ ジ ミが 生 息 す る浅 瀬 領 域 の湖 底 高 度 に 概 ね 一 致 す る)の 貧酸 素 化 が 影 響 して い る可 能 性 が 考 え られ る. な お,本 研 究 に は,種 々 の 課 題 が 残 され て い る.ま ず 観 測 に つ い て は,例 え ば 塩 分 セ ンサ へ の 付 着 物 に よ る影 響,DOの. 鉛 直 分 布(中 層 に お け る 貧 酸 素 化)を 実 測 す る. こ とな ど で あ る.次. に解 析 につ い て は,3次. 元 モデルの. 導 入 や植 物 プ ラ ンク トン等 を 含 め た物 質 循 環 を考 慮 した DO変 動 解 析 モ デ ル の 構 築 な どが 挙 げ られ る.今 後,こ れ らに つ いて 対 処 して い き た い と考 え て い る.. 謝 辞:本. 研 究 は,岩 木 川 に お け る 河 川 生 態 学 術 研 究 会 の. 総 合 的 な 調 査 研 究 の 一 環 と して実 施 され た.国 土 交 通 省. 参. 考. 文. 献. 岩 佐 義 朗 編 著 (1995): 数 値 水 理 学, 丸 善, 214p. 佐 々木 幹 夫 ・田 村 保 憲 ・藤 囲 豊 (1997): 十 三 湖 遡 上 塩 特 性, 水 工 学 論 文 集, 41巻, pp.501‑507. 鈴 木 誠 二 ・西 田 修 三 ・金 城 周 平 ・小 野 雅 史 ・中辻 啓 二 小 川 原 湖 に お け る ヤ マ トシ ジ ミの 資 源 量 変 動 と物 水 工 学 論 文 集, 52巻, pp.1041‑1045. 田村 眞 通 ・中村 幹 雄 編 著 (2000): 日本 の シ ジ ミ漁 業,. 水の挙動 (2005): 質 循 環, た た ら書. 房, 266p. 高 杉 奨 ・藤 原 広 和 ・沼 邉 武 志 ・二 木 幸 彦 ・長 崎勝 康 (2005): 小 川 原 湖 に お け る水 質 環 境 お よ び ヤ マ ト シ ジ ミの生 息 状 況 に つ い て, 水 工 学 論 文 集, 49巻, pp.1561‑1566. 高 橋 迪 夫 ・藤 田 豊 ・佐 々 木 幹 夫 ・池 田 通 政 ・川 名 慶 紀 (1994): 十 三 湖 に お け る 出 水 後 の水 質 の 時 ・空 間 変 動 特 性 に関 す る 現 地 観 測, 水 工 学 論 文 集, 38巻, pp.283‑288. 鶴 田 泰 士 ・石 川 忠 晴 ・西 田修 三 ・成 田 舞 ・藤 原 広 和 (2002): 小 川 原 湖 に お け る ヤ マ ト シ ジ ミの繁 殖 環 境 に つ い て, 土 木 学 会 論 文 集, No.705/II‑59, pp.175‑187. 中村 由 行 ・井 上 徹 教 ・柳 町 武 志 ・石 飛 裕 ・神 谷 宏 ・嘉 藤 健 二 ・ 山 室 真 澄 (1997): 汽 水 湖 沼 沿 岸 部 に お け る水 温 ・水 質 構 造 の 日周 変 動‑鉛 直 対 流 循 環 が 二 枚 貝 生 態 系 に及 ぼ す 影 響‑, 水 工 学 論 文 集,. 41巻,. pp.469‑474.. Kasai, A, H. Toyohara, A. Nakata, T. Miura and N. Azuma (2006): Food sourcefor the bivalve Corbiculajaponica in the formost fishing lakes estimated from stable isotope analysis,Fisheries Science,Vol.72: pp.105-114. Sasaki, M. and M. Sato (2007): Characteristicof favorablecurrent and backflow in Iwaki river mouth, Journal of Water Rresources and EnvironmentalEngineering & Proceedings of Japan-VietnamEstuary Workshop, pp.109-114..

(6)

参照

関連したドキュメント

しかしながら,本実験のような反応促進作用をテロメ

[r]

Fig.15 Characteristics of the AsA fuel cell obtained by circulation of various O 2 contents in artificial gill (Open symbol = P, solid symbol = E cell ).. E 0 、 P max , E max

3 塩湖表層に存在する表層鹹水または塩結晶から滲出した結晶隙間鹹水をポンプで濃縮池 に送り、そこで数ヶ月から

を設定し、実践するかを再

水素酸化細菌Alcaligenes eutro2n�s ATCC 17697の狐立栄養培養 は, 水素, 酸素および炭酸ガスから成る混合気を通気して行う.

酸素の場合, 総括物質移動容量係数は, 培養槽の形状や通気かく.. はん速度, 培養液のレオロジ)などによって影響を受ける. すなわち, 亜硫酸酸化法, gassing

炭酸ガスのガス消費速度を表す式を以下に示す. また, これらの事実から, 測定した溶存水素濃度の