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自動連続観測機器による琵琶湖深水層における低酸素化水塊の動態解析

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Academic year: 2021

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自動連続観測機器による琵琶湖深水層における低

酸素化水塊の動態解析

* 焦春萌・石川俊之・早川和秀・辻村茂男

(琵琶湖環境科学研究センター)

1 はじめに 琵琶湖北湖では、水深 90mを超える第一湖盆を中 心に、9 月から 12 月の間、低い溶存酸素濃度が観測 され、生物の生存に必要な溶存酸素濃度の目安とされ る2 mg/l より低くなることが起こっている。実際、 溶存酸素濃度の低下した湖底からは魚類のイサザ (ハゼ科の固有種)やスジエビの死骸が 2007 年 12 月、自律型潜水ロボット「淡探」の調査で発見 されている。このような湖底の状況を正確に把握 するため、本研究では、自動連続観測機器を用い て、溶存酸素濃度の低下した水塊を観測し、その動態 を明らかにすることを目的とした。 2 方法 自動連続観測は、図の示したように、第一湖盆の中 心を通した南北に湖盆を横断する線上(N1~N6)で行 った。調査の種類は以下のように分けられる。 1) RBR 社製の高精度水温計・溶存酸素計 3 台 第一湖盆の水温・溶存酸素濃度の時間・空間変化の 詳しい構造を測るために、N3、N4、N5 のそれぞれ湖 底から 1m において測定精度±0.002℃の水温計、測定 精度±1%の溶存酸素計を設置した。 2) サーミスタ温度計 第一湖盆の湖底境界層の水温成層構造および内部 波を把握するため、N3、N4、N5 のそれぞれ湖底から 2m 毎に計 8 個の水温ロガー(TidbiT、OnSet 社製、測 定精度±0.2℃)、表水層に 5m 毎に計 7 個の水温ロガ ーを設置し、年間を通して 5 分間隔で鉛直水温分布を 自動連続測定した。

3) 精密測流装置 ADCP(Acoustic Doppler Current Profiler:ドップラー流向流速計) 第一湖盆の深水層の流れおよび内部波を把握する ため、N4、N5 のそれぞれ湖底から 1m において、ADCP 流速計(NORTEK AS 社製、測定精度:流向は±2 度、 流速は±0.5cm/s)を設置した。なお、この流速計で 湖底から 2m 毎に 30m の範囲の流れの鉛直分布を観測 できる。 また、湖底境界層の水温・溶存酸素濃度の波動の 特徴を理解するために、データの局所回帰(LOWESS、 Cleveland et al., 1979)を行い、原データとの残差 を「短期変動」とした。また、流れデータの回転スペ クトル解析(Rotary Spectrum Analyses)も行った。

3 結果と考察 夏の琵琶湖深底部における低酸素水塊の DO の値は 区間分布が不均一で時間的にも変化していて、その動 態は物理変数(水温、流れ)に依存することが分かっ た。N3、N5 における水温と DO 値の短期変動(水温と DO 値-LOWESS(観測値からその LOWESS 値を引いた 値))は正の相関(N3 の水温短期変動値と DO 短期変 動値:R=0.82、 P<10-5 、N5 の水温短期変動値と DO 短期変動値:R=0.76、 P<10-5)である。また、N3 の 水温短期変動値と N5 の水温短期変動値、N3 の DO 短 期変動値と N5 の DO 短期変動値はそれぞれ負の相関 (N3 の水温と N5 の水温:R=-0.68、P<10-5 、N3 の DO と N5 の DO 値:R=-0.41、 P<10-5)である。また、 N4 における DO 値が年間最小値になった時期と流速の 絶対値が最小になった時期とが一致していることが 分かった。さらに、水温、溶存酸素濃度は流れととも に 5 日の周期を持って変化していることが分かった。 低酸素水塊のダイナミクスを更なる詳細に調査・研 究していく必要があると考えられた。 34.95 35.05 35.15 35.25 35.35 35.45 35.55 135.8 135.9 136 136.1 136.2 136.3 N2: サーミスタチェーン N3: サーミスタチェーン、 DO計 N4: サーミスタチェーン、 DO計(2台)、 ADCP N5: サーミスタチェーン、 DO計、 ADCP N6: SeaBirdのDO計 N1: サーミスタチェーン

琵琶湖

34.95 35.05 35.15 35.25 35.35 35.45 35.55 135.8 135.9 136 136.1 136.2 136.3 N2: サーミスタチェーン N3: サーミスタチェーン、 DO計 N4: サーミスタチェーン、 DO計(2台)、 ADCP N5: サーミスタチェーン、 DO計、 ADCP N6: SeaBirdのDO計 N1: サーミスタチェーン

琵琶湖

図:第一湖盆における調査地点および調査項目

1K03

参照

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