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ソ マ トス タ チ ン ― 生 理学 的 および病 態生 理学的 意義

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Academic year: 2022

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(1)臨床 化 学 ・第12巻 ・第3号(1983)194〜200. 〈 特 集 〉 視 床 下 部 ホ ル モ ン(I). ソ マ トス タ チ ン ― 生 理学 的 および病 態生 理学的 意義 ―. 金沢大学医学部第2内 科 中. 1.分. 序. Brazeau 酸14個. 林. et al.1)が ヒ ッ ジ 視 床 下 部 よ り ア ミノ. よ りな るsomatostatin(SS)の. 明 と 合 成 に 成 功 し て 以 来,こ. 構造 解. の ホ ル モ ンにつ い. SSは. 肇. 布 及 び局 在. 視 床 下 部 に 高 濃 度 に 存 在 し,そ. paraventricular領 はaxonを. 域 に あ るSS含. 有 神 経 細胞. 正 申 隆 起 へ と の ば し,そ. の終末 は下. て の 知 見 は 急 速 に 増 加 しつつ あ る。 そ れ に は. 垂 体 門 脈 毛 細 管 に 接 し て 終 る 。 こ の よ う にSS. SSの. は 門 脈 系 を 介 して 下 垂 体 よ りのGH分. 抗 血 清 の作 製 とそ れ を利 用 して の ラジ オ. イ ム ノ ァ ッセ イや 免 疫 組 織 化 学 的 検 討 に よ る知. す る 。 又,視. 見 が 大 き く寄 与 した 。 今 日,SSは. Organum. ン(GH)分. 泌 に関 与 す る代 表 的 視 床 下 部 ホル. モ ン と し て の み な らず,そ と,中. 成 長 ホル モ. 枢 神 経 系,膵. の 広範 な生 体 内 分布. 消 化 管 系,そ. に 及 ぼ す 作 用 と に よ り,生. の 他 の 多 臓器. 体 に お け る生 理 学 的. 床 下 部 か らのSS含. vasculosum. lamina. の. 泌 を抑 制. 有神 経線維 は terminalist(他. の 多 数 の 生 物 活 性 ペ プ チ ドが こ の 部 に 存 在 す る)に. も到 達 す る が,こ. で な い 。 そ の 他SS含 核,弓. の 経 路 の 機 能 は 明 らか 有 神 経 線維 終 末 は 視 東 上. 状 核 及 び 腹 内 側 核 に も見 出 さ れ る 。 と り. 統 御 的 役 割 を は た す 物 質 と し て 興 味 が もた れ て. わ け 腹 内 側 核 にSS含. 有 線 維 が見 出 され る こ と. い る 。 そ こ で,本. は,こ. 出 因 子(GRF)が. 学 的,病. 稿 に お い て は 主 にSSの. 生理. 態 生 理 学 的 観 点 に沿 っ て述 べ て みた. い 。. の 部 位 がGH放. とGRFの SSは. 相 互 関 連 に 興 味 が もた れ る2)。 大 脳 辺 縁 系(Amygdala,. Nucleus. accumbens,. Olfactory. 広 く分 布 す る の で,SSが. and. さ ら にSS含. Pathophysiological. Aspects‑ NAKABAYASHI. 13‑1. Takara‑machi,. The. Second. School. of. Kanazawa,. Department Medicine,. 金 沢 大 学 医 学 部 第2内. 194. Ishikawa. of Internal. University. Kanazawa. Ishikawa. 科. 沢 市 宝 町13‑1). 920. Medicine. Kanazawa. 13‑1Takara‑machi,. (〓920金. Hippocampus, tubercle)に. も. 植 物神 経 系 機 能 に 関. 与 す る と考 え られ て い る2)。. Somatostatin ‑Physiological. HAJIME. 存在. す る 部 位 と し て 想 定 さ れ て い る こ と よ り,SS. 網 膜 に も存 在. す る 。 消 化 管 の 神 経 系 に もSS含. 有神経線 維 は. 存 在 し,筋 層 内 のAuerbach神 Meissn‑r神. 920. 有 神 経 線 維 は 尾 状 核,大 脳 皮 質,. 脊 髄 後 角 に も見 出 さ れ,又SSは. 経 叢,粘. 分 泌 腺 の 基 底 部 に も見 出 さ れ る。 又,交 節 に もSS含. 膜 下の. 経 叢 や,さ ら に 腸 粘 膜 絨 毛 固 有 層 や. 有 細 胞 が 見 出 さ れ る の で,こ. の 分 布 様 式 よ りSSはpeptidergic. 感 神経 れ ら. autonomic.

(2) 〈 特 集 〉 視 床下 部 ホル モ ン ・ソマ トス タチ ン. nervous SSが. systemに. 関 与 す る と考 え られ て い る。. 膵 お よ び 消 化 管 のD細. と は 視 床 下 部SSの た3)。D細. 胞 に存 在 す る こ. 〔A〕 神 経 系 ソ マ トス タ チ ン (1)視床 下 部 よ り の ソ マ トス タ チ ン 放 出. 存 在 に 引 続 い て 見 出 され. 胞 は 膵 島 の み な らず,消. 化 管 中 胃前. 庭 部 及 び 底 部 に も っ と も多 く存 在 し,ま. ば らな. が ら小 腸(回. 腸 に分. 腸 末 端 に は や や 多 く),大. 視 床 下 部 又 は 正 中 隆 起 部 を 用 い るin ス テ ム に お い て,SS放. 胎 盤 に もSSの. 状 腺parafollicular細. 胞,. 出 に影 響 を与 え る種 々. の 因 子 の 存 在 が 知 られ て い る 。 高 濃 度K+に る 脱 分 極,電. 布 す る 。 そ の 他,甲. vitroシ. 気 刺 激,Ca++イ. よ. ォ ン が,一. 般的な. 場 合 と 同 様 に,SS放. 出に. neurotransmitterの. 存 在 が 報 告 され て い る 。 促 進 的 に 作 用 す る5)。そ の 他,低 濃 度dopamine,. II.ソ. 高 濃 度norepinephrineは. マ トス タ チ ンの 放 出 及 び 作 用 様 式. し,こ. 共 に 促 進 的 に作 用. れ らは α‑receptorを. 介 す る 。GABAは. 視 床 下 部 培 養 細 胞 か らのSS放 SSが. 神 経 末 端 に 存 在 す る こ と は,SSが. neurotransmitt‑r又. はneuromodulatorと. opioid して. 作 用 す る こ と を 推 測 させ る 。 消 化 管 や 膵 の 内 分 泌 細 胞 か ら 細 胞 間 液 中 に 放 出 さ れ たSSは, of action(近. mode. 作 用 す る)を. 介 して 内 分 泌 ま た は 外 分 泌 細 胞 に. 膵 液 へ の 分 泌),(3)endocrine hormone(循. 環 ホ ル モ ン),と. 時 点 で は(2)(3)に. 接 細 胞 に直 接. secretion(胃. 液及び. substance又. は. して 作 用 す る。現. つ い て は既 に多 くの 支持 す る. 成 績 が あ る 。 しか し(1)の様 式 に つ い て は,消 管 ・膵 に お い てD細. 化. 胞 が 標 的 細 胞 に近 接 す る. と い う 形 態 学 的 事 実 か ら,SSがparacrine substanceと. と こ ろが この 説 明 は 一 種 の 可 能 性 につ い て の あ り,少. く と も現 時 点 で は それ. 脳 室 内 投 与 はSS放. とin. vivoの. し,さ. のpreprosomatostatinの. 遺 伝 子 構 造 も解 明 さ. れ て い る4)。 こ の 前 駆 体 よ り ア ミ ノ 酸14個 SS,さ. ら にSSのN端. の. vitro. 出 がcatechol‑. ン トロール 下 に あ る こ とを支 持. ら にin. vivoの. cholinergicシ. 成 績 よ りはSS放. 出が. ス テ ム に も影 響 を う け る こ とが. 想 定 され る。 体 がSS放. 味 あ る が,下 のSS含. 出 に 関与 す るか ど うか は興. 垂 体 摘 出 後 に正 中隆 起 や 視 床 下 部. 有 量 が 減 少 す る7)こ と よ り,short. feedback機. loop,. 構 の 存 在 が 想 定 され て い る 。 さ ら. す る 成 績8)か dalton. 出 を 促 進 し6),serotonin投. 成 績 はSS放. amininergicコ. にSSの. は 前 駆 体 が 存 在 し,約18,000. 験 よ りは,. 与 は 影 響 を 与 え な い と され る 。 従 っ てin. 思 わ れ る(後. 述)。. vivo実. dopamine,norepinephrine,acetylcholineの. を 明 らか に 支 持 す る実 験 的 事 実 に 乏 し い よ う に. SSに. 出 に抑 制 的 に作用 す る。. ウ レ タ ン 麻 酔 下 に ラ ッ トの 下 垂 体 茎 よ り下. GH自. して 作 用 す る と想 定 さ れ て い る。. hypothesisで. か らのSS放. 出 を 抑 制 し,. 同 様 に 視 床 下 部 ニ ュー ロ ン. 垂 体 門 脈 血 を 採 取 す るin. (1)paracrine. 影 響 を 与 え る,(2)luminal. peptidesも. 脳 室 内 注 入 がGHの. 奇 異 性 分 泌 を惹 起. ら,SSがSS自. 体 の 放 出 を抑 制. す る 可 能 性 も 示 唆 さ れ て い る 。 従 っ て,脳 SSのultrashort. loop. feedbackシ. 内. ス テムと. も い うべ き機 構 が 存 在 す る 可 能 性 が あ る 。. に14個 の ア ミノ 酸 を も. つSS‑28,又. ア ミ ノ 酸25個 よ りな るSS‑25が. processingの. 結 果 放 出 さ れ る こ と が 知 られ て. (2)ソ マ トス タ チ ン の 下 垂 体 へ の 作 用 SSはGH分. 泌 細 胞 か らのGH放. い る 。 こ れ ら分 子 量 の 異 な るペ プ チ ドの 生 物 活. 抑 制 す る 。In. 性 はSSの. て イ ン ス リ ン低 血 糖,運. そ れ と 少 し 異 な る とい わ れ,SS‑. vivo系. 28に つ い て は そ の 血 中 代 謝 の お そ い こ と と そ れ. ン に 対 す るGH反. に 伴 い 生 物 活 性 の よ り強 い こ と が 指 摘 さ れ て い. も,ペ. る。. 激,episodic. 出 を強 力 に. で は,SSは. ヒ トに お い. 動,L‑dopa,ア. ルギニ. 応 を 抑 制 し,ラ. ッ トに お い て. ン トバ ル ビ タ ー ル 麻 酔,視. 床 下 部 電気 刺. GH. surge時. のGH分. 泌 を抑 制 す 195.

(3) 臨 床化 学 ・第12巻 ・第3号(1983). る 。 さ ら にSSは TSH反. ヒ トに お い てTRHに. 応 を 抑 制 し た り,in. 分 泌 を 抑 制 し,LH,. 対 す る. vitroで. FSH分. もACTH. 泌 に も影 響 を 与. 想 定 さ れ る。 事 実,SSは. ラ ッ トに お い て ス ト. リ キ ニ ン に よ る け い れ ん に 拮 抗 し た り,バ. ル ビ. タ ー ル 麻 酔 の 持 続 を延 長 す る 。 さ ら にSSの. 脳. え る こ と が 知 ら れ て い る 。 こ れ ら の 成 績 はSS. 室 内 投 与 はbarrel. の 薬 理 学 的 量 を用 い た場 合 は殆 ん ど全 て の 下 垂. た,脳. 体 ホ ル モ ン放 出 にSSが. 動 が 抑 制 され る こ とが 知 られ て い る 。 こ の よ う. 唆 し,後. 述 のSSの. 影 響 を与 え る こ とを示. 作 用 機 序 と関 連 して 興 味 深. い。. な 効 果 は,SSが. 誘 発 す る。 ま. 注 入 す る と摂 食 及 び 飲 水 行. 視 床 下 部 の 腹 内側 部 及 び 外 側. 部 近 傍 部 に 多 く存 在 す る こ と と 関 連 し て,SS. 一 方 ,半 減 期 の 短 い 血 中SS(内. 因 性)が. 下. 垂 体 ホ ル モ ン分 泌 に は た し て 如 何 な る影 響 を 与 え る か は 生 理 学 的 に 重 要 な 点 で あ る 。 こ の 点, 抗SS抗 SS血. rotationを. 室 内 にSSを. 体 投 与 実 験 か ら,受. 動 免 疫 に よ る低. 症 は ラ ッ トの ス ト レス,絶. 動 に 影 響 を 与 え,さ 及 びTRHに. 食 時 のGH変. ら にTSHの. 対 す るTSH反. が生 体 の 植 物 神経 系 機 能 に抑 制 的 影 響 を及 ぼ し て い る可 能 性 が想 定 され る。 電 気 生 理 学 的 にSSが firingを. 中枢 神 経 ニ ュー ロ ンの. 抑 制 す る こ と が 知 られ て い る 。 一 方 ラ. ッ トの あ る 部 位 の 大 脳 皮 質 ニ ュ ー ロ ン はSSに. 基 確 値,寒. 冷. 応 を増 加 す る こ と. よ りfiring促. 進 を 示 す が,こ. の 現 象 はSSが. 抑 制 ニ ュ ー ロ ンの 機 能 を 抑 制 した 結 果 お こ る と. が 知 られ て い る 。 従 っ てSSがGH,TSH分. 解 釈 さ れ て い る 。 化 学 的 にSSは,前. 泌 の 生 理 学 的 抑 制 統 御 因 子 で あ る可 能 性 が 示 唆. 体 系 と 同 様 に,マ. され る 。. cyclic. 前 述 の 如 く,SSが. 如 何 に し て い くつ も の 下. AMP集. にSSが. 述の下垂. ウ ス の 培 養 脳 細 胞 に お い て,. 積 を抑 制 す る。 脊 髄 後 根 神 経 節. 存 在 す る こ と よ り,SSの. 知覚神経系. 垂 体 ホ ル モ ン 放 出 に 影 響 を 与 え る か は,SSが. に お け る抑 制 的 役 割 が 想 定 さ れ て い る 。 ま た ,. 示 す 下垂 体 の み な らず そ の 広範 囲 の作 用 か らみ. Guilleminは. て,生. 物 学 的 に き わ め て 重 要 と考 え られ る 。 し. 腸 管 のAuerbach神. るacetylcholine放. 出 をSSが. 経 叢 にお け 抑制 す ることを. か し そ の 機 序 は 未 だ 十 分 に は 明 らか で な い 。. 示 した9)。 従 っ てSSが. SSが. 的 役 割 を は た す と考 え られ る 。 同 時 に 中 枢 神 経. 細 胞 膜 の リセ プ タ ー に 結 合 す る こ とが そ. の 作 用 上 の 第1段. 階 で あ る と考 え られ る が,こ. cholinergicシ. 腸 管 神経 系 機 能 に抑 制. ス テ ム に お け る機 能 に もSSが. の リセ プ タ ー の 性 格 に 関 す る知 見 は 意 外 に 乏 し. 同 様 に 影 響 し て い る可 能 性 もあ る 。 更 に 視 床 下. い 。In. 部 ニ ュ ー ロ ン か ら のnorepinephrine放. vitroでcyclic. prostaglandins,. AMP. delivertives,. theophyllineな. ど が 示 すGH. 放 出 効 果 をSSが. 全 て 抑 制 す る こ と,さ. ホ ル モ ン放 出 に 必 要 なCa++と Ca++の た,一. 動 員 に もSSが. りこみ や 細 胞 内. 抑 制 す る こ と,な. られ て い る 。 従 っ てSSはcyclic 系 とCa++動. らに. 抑 制 的 に 働 く こ と,ま. 方 で 下 垂 体 前 葉 に お け るcyclic. 集 積 をSSが. SSが. 化 管 系 ソ マ トス タ チ ン. (1)ソ マ トス タ チ ン の 管 腔 内 放 出 AMP生. 成. 員 系 の 両 者 に 作 用 し て い る可 能 性. 胃 液 中 にsomatostatin‑like (SLI)物. 中 枢 神 経 系 に は 前 述 の 如 くSSが. 広 く分 布 す. 中 枢 神 経 機 能 に影 響 す る と. immunoreactive. 質 が 存 在 す る こ とが 知 られ て お り,. Uvnas‑Wallenstenら. (3)ソ マ トス タ チ ン の 神 経 系 へ の 作 用. 196. 示 す 神 経 領 域 に お け る広 範 囲 の 作 用 に. は未 知 の 点 が 多 い。. ど の事 実 が 知. が あ る。. る こ とよ り,SSは. にSSが. 〔B〕 膵,消. AMP. 出を も. 抑 制 す る こ とが 知 ら れ て い る10)。 こ の 様. は ネ コに お い て迷 走 神経. を 電 気 刺 激 し た り,acetylcholineを. 静 脈 内投. 与 す る と 胃 内pHに. 出態 度 が. 応 じ てSLI放. 胃 内 で 変 化 す る こ と を 見 出 した 。 即 ち 胃 液pH 1.2で. は こ れ らの 刺 激 はSLI放. 出 を 刺 激 し,.

(4) 〈 特 集 〉 視床 下 部 ホル モ ン ・ソマ トス タチ ン. 洞 時 にgastrinの. 胃 内 放 出 が 減 少 し,pH. で は 逆 にgastrin放. 6.5. 出 が 促 進 し同 時 にSLI放. ら の 栄 養 素 は 胃 相,腸 SLI放. 相 に お け る 胃 ・膵 か らの. 出 を 共 に 刺 激 し,同. 時 に 末 梢 血 中SL. 出 は み られ な い 成 績 を 示 した 。 そ し て この 現 象. I濃 度 増 加 を 惹 起 す る 。 又,酸. の 機 序 と し てdopaminergicシ. か らのSLI放. るがmuscarinergicシ い と し た 。 又,膵 一 方SSを. ス テ ムが 関 与 す. ス テ ム は影 響 を与 えな 液 中 に もSLIが. 存 在 す る。. 胃及 び十 二 指 腸 内 腔 に投 与 す る と. 胃 酸 分 泌 の 低 下,食 性 脂 肪(TG)レ. 外 分 泌 の 低 下 が ヒ ト,. イ ヌ が み ら れ て い る 。 従 っ てSSの. 管 腔 内放 出. 出 刺 激 で あ り,胃 注 入 す る と,イ. 部 ・膵 か らのSLIの し,し. ・十 二 指 腸 内. ヌ にお い て は 胃前庭. 血 中 放 出 は 著 明 に増 加. か も そ の 際 胃 底 部 か ら のSLI放. 内HCIの. 後 のenteroglucagon,中. ベ ル,膵. へHCIを. も強 力 な 胃 ・膵. 出は胃. 存 在 に よ り抑 制 さ れ,腸. 内HCIに. は 反 応 す る 。 こ の よ うな 胃 及 び 十 二 指 腸 球 部 及 び 上 部 の 内 容 物 のpHと. 胃 酸 分 泌 の 関 係 とSS. は何 らか の 生 理 学 的 意 義 を有 して い るよ うに. の 関 与 に さ ら に 興 味 深 い 。 十 二 指 腸 球 部 にHCI. み え る が,管. を 注 入 す る と 胃 か らのSLI放. 腔 中 のSLIの. 的 難 点 が あ り,未. 定 量 方 法等 の手 技. だ 十 分 に 明 らか に され て い な. 胃 酸 分 泌 を強 力 に抑 制 す. る こ と を 考 え 合 せ る と,こ の 成 績 は い わ ゆ る "bulbogastrone機 構"と 称 され るフ ィ ー ドバ. い 。 (2)ソ マ トス タ チ ン の 血 中 放 出 前 述 の 如 く,胃 多 数 存 在 し,イ 中SLI濃. る 。 そ こ でSSが. 出 が 促 進 され. ・腸 ・膵 にSS含 ヌ11),ラ. 度 が 門 脈,動. い こ と は,こ. ッ ク ・シ ー テ ム にSSが 有D細. ッ ト,ヒ 脈,下. 胞が. トに お い て 血. 大 静 脈 の1順に 高. れ ら内 臓 が 血 中SSの. 主 な放 出源. 空 腹 時 血 中SLIレ. ベ ル は,少. お い て は,cholinergic,. る 。 従 っ て,空. く と もイ ヌ に. adrenergicシ. 及 びprostaglandinsに. ーテム. よ って影 響 を う けて い. 腹 時 の 胃 前 庭 部 ・底 部 及 び 膵 の. D細 胞 か ら のSLI放 レ ベ ル と 同 様(後. 出 は,食 述)に,自. 後 の 血 中SLI. 律 神 経 系 の 支 配下. に あ る と 考 え られ る 。 興 味 あ る こ と は,血 化 管 ホ ル モ ン の1部. 示 唆 す る 。(b)血 中 栄 養 素 が 膵 及 び 胃 か らのSL I放 出 を 促 進 す る こ と はin に み と め られ る 。 ス,ア. とSLIレ. 中消. ベ ル の 間 に も関. 連 が み と め られ,interdigestive. phaseの. 胃の. 即 ちin. ル ギ ニ ン は イ ヌ,ラ. SLI放. で あ る こ と を示 して い る。. 関 与 して い る可 能 性 を. vitro,in vitroで. vivo共. は グル コ ー. ッ ト灌 流 膵 か ら の. 出 を 促 進 す る13)。 さ ら に β‑hydroxy‑. butyrateもin. vitroで. 促 進 す る 。 一 方in. 膵 か らのSLI放. vivoで. ノ 酸 は 膵 か らのSLI放. 出を. は グ ル コ ー ス,ア. ミ. 出 は 促 進 す る が,胃. か. ら のSLI放. 出 は 刺 激 せ ず,FFAは. 膵 ・胃 両 者 か. ら のSLI放. 出 を促 す 。 ところ が 一 方 で 静 脈 内 グ. ル コ ー ス 投 与 に よ り血 中 グ ル コ ー ス 濃 度 を生 理 的 範 囲 内(10‑30mg/dl)で 梢 血 中SLI濃. 変 化 さ せ る と,末. 度 が 低 下 す る成 績 が 報 告 さ れ て. い る。 この 成 績 は多 分 同 時 に増 加 す る イ ンス リ. リズ ミ カ ル 収 縮 と 同 時 に 変 動 す る 血 中motilin. ンがSLI放. レ ベ ル はSLIレ. え られ る 。 従 っ て 空 腹 時 に突 然 に 血 中 グ ル コ ー. ベ ル と強 い相 互 関 係 に あ る こ. ベ ル は,(a)消. っ て く る 食 物 そ の 他,(b)血 度 の 変 化,に. 述)結. 果 と も考. ス を 高 濃 度 へ と 上 昇 さ せ た 実 験 成 績 よ り,む. とが示 唆 され て い る。 食 後 の 血 中SLIレ. 出 を 抑 制 し た(後. 化 管 中 に入. 中 に お け る栄 養 素 濃. 応 じ て 変 動 す る こ と が 知 られ て い. る 。(a)食 物 の 経 口 摂 取 後,末. し. ろ 食 物 摂 取 時 の よ り生 理 的 現 象 下 で のSLI変 動 に 興 味 が もた れ る 。 (3)ソ マ トー タ チ ン の 血 中 放 出 へ の 影 響 因 子. 梢 静 脈 血 中SLI. 濃 度 の 増 加 す る こ と が,イ. ヌ12),ヒ. れ て い る 。 そ し て 脂 肪,蛋. 白,含. トで 報 告 さ. 水 炭 素 の3大. 栄 養 素 は 全 て こ の 現 象 に 関 与 し,さ. らに こ れ. (a)迷. 走神経 システム. 迷 走 神 経 を 電 気 刺 激 す る と ラ ッ トの 灌 流 胃 か ら のSLI放. 出 は 減 少 す る,増. 加 す る,と. の成 197.

(5) 臨 床 化学 ・第12巻 ・第3号(1983). 績 が あ り一 致 を み な い 。 ブ タ 灌 流 膵 か ら のSL. (e)prostaglandins. I放 出 は 迷 走 神 経 刺 激 に よ り減 少 す る 。 一 方,. PE2を. 注 入 す る とin. vitroで. も,in. in vivoで. の 迷 走 神 経 刺 激 時 の 門 脈 血 中SLI. で も,胃. 濃 度 は,ネ. コ で は 減 少,イ. 分 泌 を 抑 制 す る 。 そ し てindomethacin投. ヌで は 増加す る と. 報 告 さ れ て い る 。 従 っ て,こ vitro,. in vivoや. れ らの 成 績 はin. 種 差 な ど の実 験 条 件 の ちが い. を大 き く反 映 して い る。. 出 を 刺 激 しgastrin. 後 の 胃 及 び 膵SLI放. SSとPGsは. ヌ で 胃 相,腸. 出 は減 少 す る。. 共 に 胃 膵 に 広 く 分 布 し,し. る こ とが 知 られ て い る 。 よ っ て 前 述 の 成 績 は 両. 出 を 増 強 す るが 胃 底 部 か ら. 者 の 相 互 関 係 の 密 で あ る可 能 性 を 示 唆 す る 。 例 え ば,胃. (b)cholinergicシ. 内 容 物pHが. LI放. ステ ム. 低 下 す る と 胃 前 庭 部S. 出 の 増 加 と併 行 し てgastrinレ. 下 が み られ,indomethacin投 麻 酔 犬 に ア ト ロ ピ ン を 投 与 す る と,胃. 相及 び. 腸 相 に お け る 胃 前 庭 部 ・膵 か ら のSLI放 の 結 果 末 梢 血SLIは. 出反 増 加 しな. い 。 ヒ トに お い て も ア ト ロ ピ ン投 与 は 食 後 の 血 中SLI増. 加 を 減 少 さ せ る 。 しか し な が ら 胃. か ら のSLI放. 出 に は 胃 内 容 物pHに. stimulatoryあ cholinergic. る い はinhibitory systemが. る 。 こ の よ う な 現 象 は,SSの. 作 用 との 関 係 を 考 慮 に 入 れ る. と,SSもPGsも. 消 化 性 潰 瘍 形 成 防止 に何 ら. か の 役 割 を な してい る可 能 性 が あ る。 (f)gut. hormones,. 消 化 管 と膵 に は 種 々 の ペ プ チ ド 含 有 神 経 線. vitroで. は一定の. 胞 に 与 え る 効 果 に 興 味 が あ る 。 膵SLIはin. ス テム vitro系. 出 に 抑 制 的 に,β. で α受 容 体 受容 体 刺 激 は. 促 進 的 に 働 く。 内 臓 神 経 刺 激 は膵SLI放 抑 制 し,同. 時 に 胃SLI放. dopamineを. 出 を. 出 を 促 進 す る か,又. は 影 響 を 与 え な い と い う 。In 用 い るchemical. vivoで. は6‑OH. sympathectomy. は イ ヌ に お い て 食 後 の 胃 ・膵SLI放 さ せ る 。 い ず れ に せ よ 胃 膵D細. neuropeptides. 維 が み と め ら れ るの で,こ. vitroでVIP,. substance. gastrin,. secretinに. GIP,. け る。 胃SLI放. 刺 激 はSLI放. 胃粘 液 分 泌 作. 用14)とPGsの. お いて膵. 出 を 刺 激 す る が,in. イ ヌ 灌 流 膵 を 用 い るin. 与 下 で は この よ 泌 低 下 は み られ な くな. vivoに. 見解 をみない。 (c)adrenergicシ. う な 酸 に よ るgastrin分. ベルの低. 応 じて. auscarinic. 働 くと され て い る。. 一 方 ア セ チ ル コ リ ン はin SLI放. か も. 相 の 胃前. の そ れ は 増 強 しな い 。. 応 は 減 少 し,そ. 与 に. 両 臓 器 の 種 々 の 機 能 に い ず れ も抑 制 的 に 作 用 す. 迷 走 神 経 幹 切 断 は,イ 庭 部 か ら のSLI放. よ り,食. 及 び 膵SLI放. vivo. 出を減少. 胞 はadrenergic. コ ン トロ ール を受 け て い る と思 わ れ る。. P, CCK‑octapeptide, よ って 放 出 促 進 を う. 出 は,in. gastrin,. secretin,. bstance. Pで. octapeptide,. れ らペ プ チ ドがD細. bombesinで. 抑 制 さ れ,in secretinに. vitroで. はpenta‑. 刺 激 さ れ,su‑ vivoで. はCCK‑. よ り放 出 を 促 進 され. る 。 血 中 消 化 管 ホ ル モ ン の 観 点 か ら,個 SLI放. 々では. 出 を促 さな い 低 濃 度 の これ らホル モ ン. の 混 合 投 与 は 無 麻 酔 犬 で 膵 ・胃SLI放. 出 を促. 進 す る15)。 こ の 現 象 は 生 理 学 的 に 興 味 深 い 。 (g)opioids イ ヌ 灌 流 膵 を 用 い る 系 で は β‑endorphinは. (d)histamine Histamine cimetidineを. SLI放 H2‑receptor. blockerで. 投 与 す る と,イ. 膵 及 び 末 梢 の 静 脈 血 中SLIレ こ と よ り,H2‑receptorは. 出 を 抑 制 し 同 時 に イ ン ス リ ン,ブ. はnaloxoneで. ベ ル は減 少 す る. Met‑enkephalinがSLI放. 胃 ・膵D細. 胞 に刺 激. ル. カ ゴ ン 放 出 を 促 進 す る16)。 そ し て こ の 効 果. ヌの 食 後 の 胃 ・. 的 効 果 を 与 え る もの と考 え ら れ る。 198. あ る. 解 除 さ れ る 。 ラ ッ ト灌 流 胃 で も. の よ う にopioidsは (μ,δ)を 介 してSLI放. 出 を抑 制 す る 。 こ 異 な るop‑atereceptor 出 に 影 響 を 与 え る可 能.

(6) 〈 特 集 〉 視床 下 部 ホル モ ン ・ソマ トス タチ ン. III.ソ. 性 が あ る。. マ トス タ チ ンの 病 態 生 理 学 的 意 義. (4)血中 ソ マ トス タ チ ン の 生 理 学 的 意 義 (1)イ ンス リ ン と の 相 互 関 係 及 び 糖 尿 病 薬 理 学 的 量 のSSを. 静 注 す る と膵 ・消 化 管 の. 内 ・外 分 泌 機 能 の 殆 ん ど全 て が 強 く抑 制 さ れ る 。 し か し 血 中 に 存 在 す るSSが 内 で 変 動 す る と,は. 生 理 学 的濃 度. た し て い か な る影 響 が 生 体. に お こ る か は 興 味 あ る 。 これ に は 以 下 に 述 べ る よ う な2系. SLI濃. 物 摂 取 時 等 に み られ る血 中. の 効 果 を 観 察 した も の で あ る 。. そ の 結 果,xylose及. びTGの. 腸 管 か らの 血 中. 移 行 と 腸 管 リ ン パ 流 量 の 低 下17),膵 HCO3‑,酵. 素 含 有 量 の 低 下,胃. 胃interdigestive収. motilin, GIP,. GIPの. insulin,. 液 量 とその. 酸 分 泌 低 下,. 縮 間 隔 の 延 長,胃. 排 出 能 の 低 下,insulin,. glucagon,. ・胆 の う. gastrin, PP,. 基 礎 値 と 食 後 のPP, glucagon変. motilin,. 動 の 低 下,等. が報告. SSを. 系 列 は,抗SS抗 中 和 し 低SS血. る 。 そ の 結 果,GH, のgastrin, GIP,. 症 を作 製 し た成績で あ GLIの. insulin,. glucagon,. 体 投 与 に よ り内 因 性. PPの. 基 礎 値 上 昇 と食 後 増 強 反 応 を み と め,. motilin反. 応 に は変 化 を み な. い 。 さ ら に 食 後 の 血 中TG増. 加 の 増 強 をみ. 近 イ ヌ 灌 流 膵 を 用 い,. 用 を 介 し てinsulin放. 出を し. ろ 島 内 で の 動 脈 側 ・静 脈 側 に 接 す る 島 細 胞 の コ. 一方. ,insulinがSS放. 否 か は,in. vitroで. 出 に 影 響 を与 え るか は 未 だ 一 定 の 見 解 が 得 られ. て い な い 。 しか し,in 病 犬 でinsulin投. vivoで. はalloxan糖. 尿. 与 が 既 に 過 剰 と な っ たSLI. 放 出 を 減 少 す る こ とが 知 られ,さ も食 後 の 膵 ・胃SLI放. らに正 常 犬 で. 出 を 抑 制 す る こ とが 明. らか に な っ た 。 正 常 人 で のinsulin低. 血糖が. SLI放. しろ こ. 出 を 促 す と の 報 告 が あ る が,む. と解 され る 。 前 述 の 如 く,SSが ス,糖. 経 口摂 取 され た グ ル コ ー. 質 の 血 中 移 行 に 影 響 を 与 え,insulinが. そ の 末 梢 組 織 で の 利 用 に 関 与 す る の で,insulin とSSの. 相 互 関 係 は生 理 学 的 に極 め て重 要 で あ. り,そ の 点 の 解 明 は 糖 尿 病 や 肥 満 症 の 病 態 生 理 学 的 観 点 か ら も興 味 深 い 今 後 の 課 題 で あ る 。. る18)。 以 上 の 成 績 は 内 因 性SSが,生 吸 収 機 能,さ entryに. 体 の消 化 ・. ら に そ の 結 果 と し て のnutrient. 述 の 如 くGH,. GLIと. 互 関 係 の 密 な る こ とで,消 象 にSSが. 内 因 性SSの. 相. 化 管 系 のtrophic現. 大 き く関 与 す る こ と も想 定 され る 。. い ず れ に せ よ,以. 上 の 如 くSSが. 循環 ホルモ ン. と し て 生 理 作 用 を 発 揮 す る こ と は 支 持 され る と 思 わ れ る。. (2)消化 性 潰 瘍 SSが. 生 理 学 的 に重 要 な役 割 を は た してい る. こ とを推 察 きせ る。一 方 にお い て興 味深 い こ と は,前. SSがparacrine作. の 際 は 低 血 糖 に よ っ て 迷 走 神 経 機 構 が 作 働 した. され て い る。 第2の. 持 さ れ て い る 。 ま た,最. 成 績 か ら支. ン パ ー トメ ン ト機 構 が 提 唱 さ れ て い る19)。. 度 増 加 に 匹 敵 す る よ う に 微 量 のSSを. 全 身 投 与 し,そ. 泌 を コ ン トロール し. vitro, in vivoの. 抑 制 す る 可 能 性 を 疑 問 視 す る 成 績 が あ り,む. 列 の 実 験成 績が あ る。. そ の 第1は,食. 内 因 性SSがinsulin分 て い る こ と はin. 強 力 な 胃 酸 分 泌 及 びgastrin分. 泌 の抑. 制 効 果 を 示 し,さ. ら に 胃 粘 液 分 泌 促 進14)を 示 す. こ とか ら,SSの. ス トレ ー 潰 瘍 治 療 へ の 有 用 性. が 検 討 さ れ て い る 。 同 時 に 内 因 性SSと 潰 瘍 の 成 因 も,胃 以 来,当. に お け るD細. 消化性. 胞 の存 在 の 判 明. 初 か ら興 味 が もた れ,胃D細. 胞の胃潰. 瘍 で の 増 加 と十 二 指 腸 潰 瘍 で の 減 少 が報 告 され た20)。 し か し な が ら そ の 後 の よ り詳 細 な 検 討 を 行 った 臨 床 成 績 に よ る と,胃. 前庭部生検材料の. 周 辺 灌 流 時 のSLI放. 出 とpHの. に 加 令 に よ るSLI放. 出 の 減 少 と 高gastrin血. 症 な ど と の 関 係 よ り,SSが. 関 係,さ. ら. 消 化 性 潰 瘍 にお け 199.

(7) 臨床 化 学 ・第12巻 ・第3号(1983). る病 因 論 的 役割 を なす との 考 えを疑 問 視 す る む き もあ る。. 3) A. Arimura, H. Sato, A. Dupon, N. Nishi, and A. V. Schally: Science, 189, 1007(1975). (3)ソマ トス タチ ン産 生 腫 瘍 Somatostatinoma症. 候 群 で は,糖 尿 病,胆. 石,脂 肪 性 下 痢,膵 外 分 泌 不 全,消 化吸 収 不 良 症 候 群,イ ンス リン治 療 中 断 に よ るケ トア シ ド ー シス の 欠 除 な どの 自 ・他 覚 所 見 が報 告 され て い る。 これ ら慢 性 高SS血. 症 の 病 態,殊. に各. 種 ホル モ ン分 泌 動 態 に つ い て は,今 回 は割 愛 す る。. 5) Y. C. Patel, H. H. Zingg, and J.J.Dreifuss : Metabolism, 27, 1243(1978) 6)K. Chihara, A. Arimura, and A. V. Schally : Endocrinology, 104, 1656(1979). 8) M. D. Lumpkin, A. Neqro‑ Vilar, and S. M. McCann: Science, 211, 1072(1981). マ トス タチ ンの 臨 床 応 用. 今 日ま で,消 化 性潰 瘍 に よ る消 化管 出 血,肝 硬 変 時 の 食 道 静 脈 瘤 か らの 出 血,先 端 巨大 症 な ど の 下垂 体 ホ ル モ ン過 剰症,悪 瘍,糖 尿 病 な どにSSの た 。 しか しSSが. 性 ホル モ ン産 生 腫. 臨 床 応 用 が な され て き. 広 範 囲 作 用 と短 時 間 の 半 減 期. を示 す こ とか ら,今 後 よ り選 択 的,持 続 的,生 物 活 性 を示 すSSア. ナ ロ ー グ の 開発 が 望 ま れ る。. 結 SSは. 語. 広 く 神 経 系,消. 化 管,膵. な ど に分 布. し,そ の 生 理 学 的 役 割 につ い て は成 長 ホル モ ン 調 節 機 構 を含 め未 だ 十 分 に 明 らか に され て い な い。 少 く と も血 中SSはnutrient. homeostasis. に関 与 して い る可 能 性 が あ る。SSの 量 と血 中SSレ. 組織含有. ベ ルの 変 動 よ り,イ ンス リ ン欠. 乏 又 は過 剰 を伴 う糖 尿 病 や肥 満,消 化 性 潰 瘍 に お け るSSの. 病 因論 的 役 割 が一 部 想定 され て い. る。 臨 床 的 に は今 後 の 選 択 的,持 続 的,生 物 活 性 を もつ アナ ロー グの 開発 が 期待 され る。. 文. P. M.. Brazeau,. W.. Butcher,. Science,. 200. 4) R. H. Goodman, J.W. Jacobs, W. W. Chin, P. K. Lund, P. C. Dee, and J.F. Habener: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77, 5869(1980). 7) L. C. Terry, and W. R. Crowley: Endocrinology, 107, 1771(1980) IV.ソ. 1). 2) R. Elde, and T. Hokfelt: Ann. Rev. Physiol.,41, 587(1979). 179,. J.. Vale,. 77(1973). R. and. 11) V. Schusdziarra, E. Zyzner, D. Rouiller, V. Harris, and R. H. Unger: Endocrinoiogy, 107, 1572(1980) 12)V. Schusdziarra, V. Harris, J.M. Conlon, A. Arimura, and R. H. Unger: J. Clin. Invest.,62, 509(1978) 13)E. Ipp, R. E. Dobbs, A. Arimura, W. Vale, V. Harris, and R. E. Unger: J. Clin. Invest.60, 760(1977) 14)C. Johaisson, and A. Aly: Europ. J. Clin. Invest.,12, 37(1982) 15) D. Rouiller,V. Schusdziarra, V. Harris, and R. H. Unger: Endocrinology, 107, 524 (1980) 16) E, Ipp, R. E. Dobbs, and R. H. Unger: Nature, 276, 190(1978) 17) H. Nakabayashi, H. Sagara, N. Usukura, K. Yoshimitsu, T. Imamura, T. Seta, E. Yanase, M. Kawato, Y. Hiraiwa, S. Sakato, and R. Takeda: Diabeths, 30, 440(1981) 18) V. Schusdziarra, E. Zyznar, D. Rouiller, G. Boden, J.C. Bawn, A. Arimura, and R. H. Unger: Sciench, 207, 530(1980) 19) K. Kawai, L. Orci, A. Perrelet,E. Ipp, and R. H. Unger: Science, 218, 477(1982). 献. Rivier,. 9) R. Guillemin: Endocrinology, 99, 1653 (1976) 10) M. Gothert: Nature, 288, 86(1980). Burgus, R.. N.. Ling,. Guillemin:. 20) J.M. Polak, S.R. Bloom, A. E. Bishop, and M. V. McCrossan: Mhtabolism, 27 (Supp1. 1), 1239(1978).

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参照

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