1 3 4
‑ 弘 前 医 学 第1 2
巻 第1
号植込電極 に よる人脳病 態生理学的研究
第
4
報 視 床 部 単独刺 戟 時及 び前頭 葉 視 床部 間刺 戟 時 の臨床 像 :直 接電 気刺 戟療 法 の 可能 性佐 藤 恵
S ATO ‑ KEI I CHI
弘前大学医学部精神医学教室 (主任 和田豊治 教授)
( 2 3. X. 1 9 5 9
受付)い と ぐ ち
われ われ は
1 957
年 以来 ,人 脳 の臨床 病 態 生 1〕2)3)4.5)6)7)8一 理 学 的研 究 の一環 として植 込電 塵に よ る脳 髄 1)‑2) の直 接電 気刺 戟 法 を取 りあげ,BI CKFORD
等 の提 唱 す るt t el ect r os t i mo gr aphy"
の立 場 か ら追究 を行 な って来 たが, その手 枝 や 前頭 葉 刺 戟 時 の臨 床像 と脳 波所 見 につ い て は既 に 第1報 ・第 2報 に於 いて述 べ た.
さて本 稿 で は前頭 葉 皮 質及 び皮 質下 部 と視 床 部 とに電 極 を長 時 間 に亘 り挿入 して, 矩 形 波刺 戟電 流 を加 えた場 合 の臨床 像 につ い て述 べ る.
被 検 者 は陳 旧精 神 分裂 病者
1 7
名 で あ るが , それ らは いづ れ も電 極 植 込 み2
カ月 前 に は, 電 撃療 法・I ns ul i n
療 法・Chl or pr omagi ne
療 法 等 は中止 してお り,
文 術 前 の脳 波所 見 に は 特 に異常 波 の 出頭 が認 め られ なか っ た もの ば か りで あ る.実 験 成 績
1
:症 例本 論 に入 る前 に先 ず若 干 の症 例 につ い て具 体 的 に記載 してみ よ う.
症 例
1:j
j才,男.現 病歴 :昭 和
27
年 発 病 ,絞 黙 ・無 為 の状 態で入 院. 約
40
日鼠 の加療 で軽 快 退 院 した. そ の 後約5
カ月 を経 て再 び無 為 の状 態 を呈 し, ま た結 核 に確 患 した との妄 想 を抱 く.1
年 後 に症 状 は さ らに悪 化 し, 独語 ・独笑 が 著 明.昭 和
2 9
年 に再入 院. 再入 院後 に各 種 治 療 を 施 行 して も症状 に著 変 な く,無 為 の状 態 を呈 し, 簡 単 な返 答 を得 る場 合 も稀 に は あったが 通常 はぼ ん や り立 っ て い るか ,又 は常 同約 に 歩 き廻 る. しか し不 穏 ・興奮状 態 は一度 も認 め られ なか った.El ect r os t i mo gr aphy
(昭和j2
年1
1月12日施 行) :‑a)
電 極 固定 :前頭 葉 に対 して は正 中線 よ り列 側3cm
の部 位 で冠 状 縫 合 の 前 で 両 側 に 穿孔 ,頭 蓋 骨面 に引 い た切 線 に対 して直 角 の 方 向 に電 極 を挿 入 し, 前頭 葉皮 質下 部1 cm
・2cm ・3cm ・4cm
の部 位 に 固定 .視 床 郭 に対 して は頭 頂部 よ り電 極 を挿 入 し,皮 質下 部7. 5 cm ・8cm ・8. 5 cm ・9cm
の部 位 に固 定 した.b)
脳 波記 録 :術 後2 4
時 間 を経 て初 回深 部 脳 波 を記録 .安 静 時 脳波所 見 で は, 左 右 前頭 葉 皮 質下 部 共 に4cm
の部 位 で1
1‑1 3/
秒 ・2 0/ ̀ Ⅴ
の波 が その大 部 分 を 占 め, 時折4‑6/
秒
・7 0‑8 0/ J V
の 徐波 の発 采 が認 め られ, し か も同期 性 で あった. この 徐波 は前頭 葉皮 質 下 部 浅 層で も時 に は視 床部 で も同期 性 に発釆植込電極に よる入脳病態生理学的研究
していた.前頭葉皮 質下部浅 層では振 巾が増 加す ると共 に,
1
7‑2 0/
秒 とその振 動 数 も速 くな り,一見Spi ke
或 いはShar pwave
の 形 を里 し'皮質波 に類似 していた・一万' 視 床部に於 いては' その深部 (即 ち9c m
の部 位 )では約1・ 5 /
秒 の基本 波の上 に不規 則堰 板 巾のα波様 の波が重畳 していた・ それ よ り上方 では規 則的な
8‑ 9/
秒 のα
波様 の波が み られ た.C)
電 気刺 戟 :術後48
時 間 を経 て刺 戟 を施 行 した .刺戟 条件 は5 0/
秒 パル ス巾1 0 ms ec.
と一定 した矩形波電 流 を使用 し,電 Irfは
5
‑40V
を与えた.刺 戟時 間は1
秒〜3 0
分 間,揺計
1 6 0
分1 0
日間で あ る.刺戟時所 見 は次 の よ うで ある.即 ち :‑
1) 両 側前頭葉皮質下部 間刺戟 :これ では 第 2報 で述べ た もの と格別変 った所見 を認 め ることが 出来 なか った.総計
1 2 0
分 に亘 る刺 戟後では,精 神 反応 が施行前 に比 し円滑 化し 問診に対 して幾分迅速 にな り,動作 の活発 化 も認 め られ た. ただ し刺戟中 てんかん性痩撃 発作 を 2回生 じてい る.2)
右 脚視 床部 各電 極 間刺 戟 :5V
では何 等 の変 化 も認 め られず,1 0V
に 上昇 した場合 に頭部 緊迫感 と左手 の振顛 とを示 し,その刺 戟 の継続 と共 に熱 感 を生ず ると言 い,事 実終7
7後全身 に発汗 を認 めた・15Vに上昇 す ると 声 をあげて頭 痛 を訴 え,同 時に主 として左側 の腕 ・手指 ・下肢祉及 び左 側の底面 に振頭 が 生 じてい るのが認 め られ た.発音 も不 明掠 と な った.電 圧の上昇 と共 に振喪 の度 合 は著 し く大 とな り,特 に額面 筋の振頭 が 目立 つ. こ の1 5V
刺 戟中 は意識が澗濁 し,終了後全然 こ の期 問の記憶 はなか った.電 極 の どの部分 間 の刺戟 で も, ほ とん ど同様 の状態 像が認 め ら れ た.j)
片 側 綿頭葉皮 質下部‑右 側視床部 間刺 戟 :視 床部 単独刺 戟 時 よ りも幾分竃 Ffを高 め た時に前記2)項 と同様 な状態 像が み られ た.即 ち
1 5V
刺 戟 で は左 跳手腕 ・下肢 の振顛 感 を 訴 え,電 圧 の 上昇 と共 に振薪 は他覚 的に認 め‑ 1 3 5
られ
,Z OV
では強度 の頭痛が 加わ り, そ して25V
以上では意識 は喪失 して全身性強直性感 撃 を生 じた. しか し刺 戟終 了 と共 にその強直 性壇撃 は消失 し (間代性痩撃 に移行す ること はな く),文脳波上 で もaf t er ‑ di s c har ge
の 発采 は認 め られ なか った. しか し乍 ら繰返 し て刺戟 を行な った場合,時 にはj OV
以上 の電 lfに よる刺戟 で も何等 の反応 を示 さない場合 もあった.或 いは通電 時のみ大 声で頭 痛 を訴 え, その後は平 穏な状態 を呈す る場合 もあっ た. この よ うな場合 には第1瀬 で報告 した如 く視 宋部 に著 明なaf t er ‑ di s c har ge
の発采 が 認 め られ ていて も,電 流値は上昇 せず, あた か も遮断 され た如 き状態 を示 す ものの よ うで あった.4)
両側前頭葉皮 質下部‑右 側視 床部 間刺 戟 :この症 例では特 に著 明な臨床像 の変 化を 認 め ることが 出来 た.以下 にその状態 を詳述 してみ よ う.即 ち,視 味背 内側核 よ り眼嵩面17)
に至 る緑椎が存在す ると言 う説 に もとづ き' 前頭葉両 側安男下部
4c m
の両部 位 .(2
点) を 共 に入 力側 とし,視 床部 の変質下部8c m
の部 位(1
点)を出力側 として,2
点 よ り1
点 に至 る刺戟 を加 えた ところ,1 5V
の刺戟 の開始 と 共 に休 を動揺 させ,大 声 で頭痛 を訴 えたが' 約1 5
秒 後に急 に寝台 よ り起 き上ろ うとした.直 ちに刺戟 を中止 して患者 を寝台 に押 しつ け た ところ,患者 が t●家 に帰 りた くな った" と 自発的 に話 しか けて来 た.今迄 にな く明瞭な そ して円滑 な話 し方 で ある. そ こで直 ぐに問 診 を行な った処,迅 速 に応答 した. その一部
を抜琴す ると次 の 如 くで あ る.
'‑前 よ り話 し易 くな ったか" t'は い"
''家 で どん な仕事 を していたか" ‑‑‑ t'家 に いた時 には鉄道 で線 路工夫 をしてい た. そ れか ら色 々な仕事 をした".
つ いで質問に応 じて勤務先 の事 ・兵隊時代 の事 ・家族 の状況等 を語 り出 し, その内杏は 家族 の申 し立 て と違 う点 は認 め ら れ な か っ た. しか しなが ら病識 は欠 除 してお り,何故 病院に収 容 され てい るのか, また病院 は何処
136‑
に あ るのか等 の 副 こつ い ては返 答 出来 なか っ 已. その 後再 び同 様 刀 質問 を行 ったが , その rJl容に は 変 りが ,なか った.
d)
刺 戟 術施 行 に よ る症 拭 の変 化 :上 述4)
の よ うに, 臨 T木像 の変 化が 著 明 に認 め られ たの で, そ の 後 は何 等 .7)刺戟 も行 な わなか っ たが , 刺 戟 後 は病 識 こそ欠 くが 自発 性 を増 し 病 室 「勺で は退 屈 感 を訴 え, 且つ今迄 全 然 目を 通Jた 事刀な い新 聞 や 雑誌 を拾 い読 み, 家族 や 子供達 と面 会 した折 に は感 情 を あ らわ し, 家 の 貢や学俊 の 有等 を話 し合 って い T=.掃 除 その 他 の作 業 も命 じ られ た如 くし, この様 な 状 態 は ほぼ3
ケ月以 上継続 し,
その 後 :三河 次 行動 は に ぶ くな って 来 たが, しか し刺 戟 前 の 状 態 に は もどって い な い.症 例
2:35
才,一女.現 病 歴 :昭 和
2 7
年頃 発 病 . 昭 和2 9
年入 院.入 院 時 は発 揚 状 態 に あ り, 多弁 で 小 児的傾 向 遠 く, 時 折興 奮状 態 を呈 し, 独語 ・独笑 あ り, 且 つ 色情 的 言動 多 くて手淫 等 を行 な って い た. 肺結 核 の た めに
Chl o r pr oma z i ne
療 法 を継 続 す る と共 に電 撃療 法 も併 岡 したが, 発 揚 状 態 ・多 弁 ・色情 は消失 せず, 時折 幻 聴 ・ 幻 視 が あ っ た.El e ct r os t i mo gr ap h
y(昭 和32
年2
月11日施 行):‑a) 電 極 固定 :症 例
1
と同様 に穿 孔 した.但 し前頭 葉 定 貫下 部 ‑ の電 極挿 入 は, 頭 蓋 骨 穿 孔 部 位 に引 い た 切線 に 対 して
6 00
の方 向 で , 正中 線 に平 行 の方 向 に穿 孔 部 よ り前方 及 び後 方 に挿 入 .電 極 は右 側前頭 葉 皮 質下 部 で1 cm 2cm ・jc m ・4cm
の部位 で 固定 . 左 側 は1cm ・jcm ・4 c m
の部 位 で固定 ,視 床部 に 対 して は症例1
と同様 に6. 5 cm ・7cm ・7. 5 cm 8c m
の深 さの部 位 で固定 .b)
脳 波記 録 :手 術4 8
時 間 後脳 波記 録 施 冒 .安 静 時 脳 波所 見 は前頭 葉 右 側皮 質 下部 で は, 前方及 び 後方 の電 極共 に その深 部 ,即 ち 良質下 部4cm ・3cm
の部位 に1 2‑1 5 /
′秒jO / 〜
Ⅴ の速 攻 の継 続 して発来 して い るのが認 め ら れ, これ に時折
5‑6/
秒・ 5 0 / (
Ⅴの 徐 波 が混 合藤
して発采 して い た.
1cm ・2cm
の浅 層 で は1 7‑2 2 /
秒・60‑80 / J V
の速 波及 び鋭 波が継 読 , また 5‑ 6/ /
秒・80‑1 0 0 / ̀ V
の高 電 圧徐 波( HVS)
が 時折 混 合 して い るのが認 め られ た. 左側 支質下 部 の所見 も ほ ぼ 同様 で あっ た .視 軍部 は全 べ て8‑9/
秒 のα
波 様の渡 で あ り, 前頭 葉 皮 質下 部に5‑6/
秒 の 徐波 が 認 め られ る場 合 も, それ と同期 性 に5‑ 7
/ 秒・4 0 F N
程度 の 徐波 が視 両部 に認 め られる場 合 もあった.
C) 電 気刺 戟 :刺戟 は術後72時 間 後 よ り施 冒 .刺 戟 条件
は5 0/
秒 ,パル ス巾1 0. O ms e c.
, 電r王5‑45 Vol t s
の雲 形 渡電 流 を使 用, 刺 戟 時 間は 1
秒〜3 0
分 に亘 り,総 計2 0 0
分1 6
日間 に及 ん だ .刺 戟 時 の所 見 は次 の よ うで あ る.
1) 両 側 前頭葉 皮 質 下 部 間 の刺 戟 の うち, 前方 に挿 入 した Z電 極 間 の刺 戟 所 見 は 第
2
報 で述 べ た症 列 の それ に準 ず る もの で あったが 後方 に入 れ た2
電 極 間 の刺 戟 で は, 深 層4 cm
の部 位 の刺 戟 に於 いて1 5V
で刺 戟 を始 めて知 質 , その 後 はj OV
迄 上昇 して も著 しい頭 痛 は 生 ぜ ず,40V
迄 上げ た と ころ腹 部 痛 を訴 え, 且つ ''控部 よ り下 方 が下 る様 だ" ・ ''丁度 汽 車 に乗 った時 の様 な 気持 だ" と云 い 出 したが この際 に は意 識 の著 明 な澗 燭 は認 め られ な か った .身 体 的 に は熱 感 が あ り, 顔 面紅 潮 ・発 汗 が認 め られ血 圧 は最 低 ・最 高 値共 に 上昇 し Rrr(縛 も促 進 して い た. その 間 の血 圧 ・脈持 像 を示 す と第1
図 の よ うで あ る. しか し終 了 後 の脳 波所見 に はaf t er ‑ d i s c har ge
の発 采 は 認第
1
回 電気刺戟中の血圧 と泳樺の変化放 血 ⊥ =最高血EE
f+ ̲隻 .山 千 。最低血EE
I 1
2 3 4 5 6 T 8 9
植込電極による人脳病態生理学的研究
め られなか った. なお浅 層
1c m‑ 2c m
の部 位間の刺 戟 で は前方 ・後方 と も類 似 し て い た.Z)
片側前頭葉 安男下部 の前方霞 毎 と右視 床部 間の刺戟 で は,症 例1と同様 に左右共 に1 5V
で頭痛 や手 暁 の振薮 を生 じたが,特 に本 別では刺戟電 流 の振動 数 に一致 した音 を知覚 す ると述べ た.即 ち愚者 の訴 えに よ ると, そ れ は特 に右 側半球 の前頭 葉深 層 と視床部 問 を 刺 戟 した場合 に強 く感 じられ るし, 聞 え る場 所 は鼻 の奥 の万 で あ ると云 う.試 みに振 動 数 を変 化 させ3/
秒 にす る と, "コツコツと云 う音すご' と云 い, 早 くす る と ttガ 7‑ と鳴 2 る" と云 う.刺戟 の入 力方 向 を変 えて もこの 状態 に変 化はな く,電 [王の 上昇 と共 に音 の知 覚 は強 くな り, それが やが て嘩痛 に変 る. ちちろん左側手 折 ・肢 足 の振覇 は著 明 とな '(), その後に意 識喪失 と と もに強直性痘撃 を生 じ た.前頭部浅 層の刺戟 で は音 の知覚 は弱 く, 且つ嘩痛 の度 が強 い ものの よ うで あった.左 側前頭葉 定員下部 と右視 床部 の場合 に も,苗 の知覚 は存荏 して いた.
3)
片 側前頭葉皮 質下部 後方電 極 と右視 床 部 間の刺 戟 で は, 前述2)の場合 に類 似 して い るが,青 の知 覚 は弱 く,嘩痛 の訴 え も少 なか った. しか し深 層4 c m
の部位 で左 側定員下 部ヽと右視 床部 との間 の刺 戟 で は,熱 感 ・発汗 が 著 明に認 め られ
,35V
以 上で意識 の澗濁 を生 じ, その間に視 床部af t e r ‑ d i s c har ge
の発采 を認 めた.4)
右 側視 床部 の 各電 極 間刺 戟 で :i,前症 例 と類 似の所見 が認 め られ た. この際 には苗 の知覚 は判然 とせず,音 よ りも tt昇の奥 が叩 かれ て い る感 じだ''と訴 えた.5)
両 側前頭葉 定員下部 と視 床部 問の刺戟 で は,前頭葉皮 質下部 前方 ・後方 いづ れ の刺 戟 で も,著 明な精神症状 の変 化が刺戟中 に認 め られ なか った. また音 の知覚 は前述j)の場 合 とほぼ一致 して いた.d)
刺 戟術施行 に よ る症状 の変 化 :この症 例 は 2週 間に亘 って電 極 を挿入 し, その間に‑ i馳
隔 日に計6日間電 気刺戟 を行 な ったので あ る が, 術後 も相 変 らず 多弁 で あった. しか し幻 聴 ・幻視 は消失 し, 色情 的言動 は認 め られ な くな った.実母 の話 しに よる と,術前 に比 し 話 しの内宵が しっか りして来 た と云 う.幻聴 の消実 は刺戟 4日目に,右 前頭葉 後方 吏買下 部
1c m
と右視 帝部7. 5 c m
の部 位 に,急激 にj OV
の刺戟電 流 を1 0
秒 間加 えた処, てんかん 性嘩撃 発作 を生 じたが, それ以来 の ことで あ り, 同時 に発揚状態 も減 退 して来 た.術後 2 ケ 月間はほぼ同様 の状態 を示 してお り, その 後時折 発揚 状態 を呈す る事 が あったが,次 第 に落 ちつ きをみせて不 完全寛解 の状態 で退 院 した.症 例
j :49
才, 男.現病 歴 :昭和
1 5
年発病 .入 院時 は幻聴 が著 明 で思 考 は滅裂 , 問臥 こ無 関心,.然 し問診 に 対 して は思 いの ほか迅速 に応 答 して いた.各 種 治療 に よって も好転 せず,症状 は次 第 に無 為の状態 を呈 して来 た.El ect r os t i mo gr aphy
(昭 和33
年2
月1 8
日施 行) :‑
a) 電 極 固定 :電 極 の値込 みは, 前頭葉皮 質 に対 して は, 直 径
5mm
の盃 状 銀 電 極 をAg‑ AgCl
鍍 金 し,これ を穿孔部 位 よ ut)両半 球 前頭葉 共 に, 前頭葉 極 の方 向 に4 c m
,冠状 縫合 に沿 うて側頭葉 側 に3. 5 c m
, 内側に 3 c m
の部 位で硬脳 膜上 に国定 した.視 床部 に対 し ては頭頂部 よ り両 側の皮質下 部7 cm・ 7. 5 c m
・8c m ・8. 5c m
の 各部 位 に電 極 を 挿入 固定 した.
b)
脳波記録 :術後2 4
時間 を経 て初 回の脳 波記録 を施行 .その安静 時脳波所見 は,前頭葉 変質頑脳膜 上誘導 で は, 内側部及 び前頭葉 極 部共 に右 側 に於 いて, 2 0‑2 2 /
秒・5 0‑6 0 F L V
の遠 波が認 め られ,側頭 葉側では この波 に混 合 して5‑6/
秒・1 5 0‑2 0 0 F L V
のHV S
の 発来 して い るのが認 め られ た.文左 側 も同様 に, その 内側部及 び前頭 葉陸で2 0‑2 2 /
秒 ・5 0‑60 F L V
の速 波が著 明 で あ り,側頭 葉側で はやは り
5/
秒 のHV S
の発采 が速 波に混合 し138‑
て認 め られ た.視 床部 は各電 極の部位 で
8
‑9/
秒で3 0‑4 0 / J V
のα
波様 の波が工 として 発 来 していたが,時 には6/
秒 の遅 い波 を認 め る場合 が あった. この際頭 乾 上で前頭一 後 頭 閏の双 極誘導 を行 な った処, 側頭菓 側O
Jl硬 脳 昧 上よ り誘導 され たHVS
に同朋す るb '
波 の登乗が み られ た,C) 電 気刺戟 :手
指48
時制後 よ り電 気刺戟 を行 なったが ,刺 戟 条件 は前症例と同 様.刺 戟 時 冒射ま1
秒〜3 0
分 間で あ り,総 計通電 時間 は3 4 0
分( 2 4
口乱)に 及ん だ .刺戟時所 見 は次 の通 りで ある.
1) 前頭葉 の硬脳膜 上の電 極 間 の刺戟 は, それが 両側半球 の刺戟 で あろ うと
,
或 いは一 極半球 の電 極 間の刺 戟 で あろ うと,電 気刺戟 に 対 して は皮質下 部の場 合 よ り は敏感 で あ った.即 ち
5V
ですでに刺 戟 を知覚 し,1 0V
で梓 橋 を訴 え,j OV
では 全身 の強直 性痘撃 ・意識 喪 失を生 じ,45V
でその刺戟電 流値 は7. 5 mA
平均電 流 値 を示 した.3 0V
の急激 な通電 では1 0
秒間通電 した処, 全身の強再性唾撃に引続 き,刺 戟入 力 側 を焦 点 とす るてんかん性疫撃 の巽東 を認 め る事が出来 た.前頭葉 の うち刺 戟 に 対して特 に敏感 な部位 は側頭葉寄 りの側 で あ り,特 に両側の側頭葉 側の電 極間のみで 刺戟 を繰 返 した処,最 後 には2 0
17の電 圧 を1 0
秒 間急激 に通電 す ると毎回てんかん性痩撃 発 作 を生 じた .(平均電 流 値 はほぼ7mA
前後で あった.)2)
片 側前頭葉 受買部一視 昧部 Plrjの刺戟 の 場 合で は, 前頭 葉 の 各電 極 の中 では, やは り 催頭英 側 と祝昧部 の 各電 極 との凧の刺戟が最も鋭敏 な rjJ応 をお こ し,次 いで前頭葉 海i 部と 視 矢部間,最 も低 いの は内 剛部 と視 床部 問で あった. しか し乍 らその差 は僅少 で あ り, こ の症 例では側頭葉 側 と祝 宋部 間で は
5V
で刺 戟 を知覚 したのに対 し, 前頭葉 塵 と視 本部 で は8V
, 内側 部 と視 昧部 で は1 0V
を要 した.電 圧 を上昇 させ るとその差 は無 くな り
,1 5V
で はいづれ も同程度 の埠痛 を訴 えて,刺戟 更藤
対 側○手 腫 ・肢足 の振再 を認 め
,2 0V
で は著 明な卑痛 と振宙 を生 じ,3 0V
では強置 性壇撃と意讃喪 失がみ られ た.
j)
両側視 床部 間の刺 戟 で は,1 5V
で刺 戟 を知覚 し,2 0V
で は熱 感 ・発汗 ・顔面潮紅 ・ 血 圧 上昇 ・脈持促 進 の身体症状 と共 に著 明な 頭 痛 を訴 え, この状態 は皮質下 部8. 5 c m
の部 位 翫刺戟 で最 も著 明で あった,8c m
の部 位 間 刺戟 では入 力方向 と反対側の顔面 に も 'tビ リビ リす る感 じ"及 び半身 の脱 力感が あ り,軽 度 の振覇 を生 じて いた.
2 5V
で は祝休部各電 極 間で全べ て,意識 の喪失 と全身 の強再性痩 撃 とが認 め られ た.各部位 共に45V
で瞬 間的 に刺戟 した処,全 身 の強直後2‑3
秒 間の意 識喪 実 あ り, この際 には視 界が 全然見 えな く な り,次 いで t'気持が わか らな くな った""その間の時間は何分程度 か見 当 が つ か な い" と訴 えた.
即 ち
abs e nc e
様 状態 で あるまいか と推定 され る.終了後 尿意 が あったが排 尿 しなか っ ナ∴d)
刺 戟術施行 に よ る症状 の変 化 :2 4
日間 に亘 る長期 間の電 極 植込 に もか か わ ら ず, この症例 では電 極 に よる と考 え られ る副作 用 の発現 は全然認 め られず に経過 した.刺戟 は 総計 3 4 0
分 に亘 る長時間のそれ で あったが, 初 回の2 0
分 FnFlの刺 戟後 は 自発性が増加 し,不 穏状態 を呈す ることが殆 ん どな くな り,第7
日目の
1 4 0
分 間の刺 戟後に愚者 に囲碁 を行 わ せ た ところ2
局を打 ち, その手順 には格別異 常 を思 わせ る節 は見 当 らなか った.刺戟 術終 了後 は 自 ら進 ん で行 動 し,礼 儀正 し く, 会話 も迅速 で あ り,幻聴 は認 め られず ,病感 を有 し'一 見不 全寛解 を思 わせ る柁態が1
カ月以 上経過 して も存続 していた. その後次講 に 自 発性 の減 退 を示 して来 たが ,完 全 に無為 の状 態 を呈す ることな く,文不穏状態 とな る事 も なか った.症
刊4:2 8
才,女.現 病 歴 :発病
4‑ 5
年前.入 院後 は各種治 療 にかか わ らず ,症 状 の改 善 は認 め られず,植込電極 に よる人脳病態生理学的研究
鰐為 の状態 に あ り'且 つ糞 尿の失禁 も生 じて 来 す二・
El e ct r os t i mo gr aphy
(昭和3 3
年2
月2 5
巨]施 行) :‑a) 電 極固定 :電 極 折込 は,前頭葉 に対 し ては, その硬 脳 喋上 に症例
3
と同様 に皿電 極 を設置 し,祝 味部 には7 c m ・7. 5 c m ・8cm
・8. 5 c m
の部 位 に挿 入固定 した.b)
脳 波記録 :術後2 4
時 間 を経 て初 回脳波 記録 を施行 .安 静時脳波所 見は,右
側前頭葉 安警部で は, 前頭柴 垣部 と内側部 には2 0‑2 4
/秒・1 0‑1 5 / ∠
Ⅴ の低電 圧速 波( LVF)
が 著明 に認 め られ た. 文側頭葉 側で は このLVF
に混J じて
4‑ 6/
秒・5 0‑60 / J V
の 徐波が発来 し て いた. 左側 の前頭葉 皮質部 では,前頭 葉 極 部 ・内佃J部 ・側頭葉 倒共 に,2 0‑2 4/
秒・1 0
‑1 5 / J V
のLVF
が著 明で あった. 視 床部 の 所 見 は,右側は7 cm ・7. 5c m ・8c m
共 に7
‑8′ /
秒 の α波 様の波 を認 め,8. 5 c m
の部位 では5‑6/
秒 の徐波が混合 して い るのが認 め られ,一方左側は各部 位共に 5‑ 6/
秒 の 徐波がα波様 の波 に混合 して いた.C)
電 気刺 戟 :手 術4 8
時間後 よ り刺戟 を行 な ったが, その条件 は前 各症 ISrJ同様 ただ霞 rIE のみ5‑45V
と可変 して使 岡した.刺 戟 は1
回に1
秒3 0
分,誼 計1 3 0
分( 21
日間 .)刺 戟 時所 見 は次 の通 りで ある.即 ち本症 例 に対 して行 な った刺戟 は, 1)両側半 球前頭葉 硬脳膜 上電 極 間刺 戟,2)片 側半球前頭葉硬 脳 膜 上霞 垣間刺 戟, 3)片 側半球 前頭葉硬脳
陵
上 電 極‑視 床部 間刺 戟,4)
両側半球 前頭葉硬脳 膜 上電 極一 視 味部 聞刺戟, 5)両側視 床部 間刺 戟 で あ るが, これ等 の刺 戟時 に於 け る状態 像 は前述 の各症 例 に於 け るそれ とは格別 異 な る 所見 は認 め られ なか った.d)
刺 戟術施行 に よ る症 状 の変 化 :本症 例 は無為 の状態 で拒絶 的で あ り, 検査室 に入 る ことを拒否 し,又 検査 中 の問診 に対 して もほ とん ど反応 を示 さな い状態 で あった. その本 症 例 に於 いて特 に著 明な症 状 の改善 は,刺 戟 開 始3
日目に (片 側半球前頭葉硬脳膜 上電 極‑ 1 39
一 視 東部 間刺 戟施 行 後)糞 尿の失禁状態 が消 失 して 自 ら便所 に行 く様 にな った事, それ と 共 に刺 戟前 に比 し行 動 が活発 とな って且 つ問 診に対 して も返 答す る様 にな った事 で あ る.
しか して繰 返 して刺 戟 を行 な った結果 で は, この状態 以上 の症 状改善 を望 む こ とば出来 な か った.然 もほぼ 1ケ月 に して以 上の状態が 悪 化 して無為 の状態 を示 したが,糞尿 の失禁 はその後生 じていな い.
2
:臨床像の概括 A :電 気刺 戟 時下 の所見前項 に於 いて は刺 戟 を加 えた場合 の個 々の 状態 像につ いて症 例 を中心 として述べ たが, これ ら
1 7
例 の電気刺 戟 時下 の所 見 を総括 す る と, その臨床像 は次 の如 くで あ る.先づ われ われが, これ ら
1 7
列に対 して加 え た個 々の刺戟 時 間 を表示 す ると第 2図の如 く で あ るが ,【附第2
図第1
表 】それ は1
秒〜1 0
秒 間の短 時 間刺 戟,及 び1
分〜 5
分 間の比 較 的長時 間刺 戟, それ に1 0
分〜3 0
分 間に亘 る長 時 間刺 戟 の3
つ に大 別 され るで あろ う.短 時 間刺 戟 は主 として脳波所見 の変 化を観察す る ために陸 田,比 較 的長時 間刺 戟 は2 0‑45V
と 言 った高 い電 圧を加 え る場合 に利用 し臨床像 の変 化 を追究,長 時 間刺戟 は1 0‑2 0V
電 圧で 行 い且つ主 として刺 戟術 自体 の効果 をみ た も ので ある.【附第3
図】第2回 各症例の刺戟時間 とその頻度
術朋働ほほほ伯仲価岬ほほほ相対8時向 00000 0000
〇〇〇〇〇OO00O0OO00O0
1 2 3 1 56
1
8I t 1 l l t 2 1 3l l 1 5 t 6
llger第
3
図 は比 較的長 時間刺 戟 に属 す る刺 戟 を 加 えた場合 の臨床像 の主 な もの を示 した もの で あるが, この場合 に も刺 戟 はOV
よ り徐 々1 i C )‑I
第
3[ 琴
刺哉時下にみられた主壷状の出現 率 と刺戟 問.・..̲.前房事炭質1‑第後方<蛋 同 一‑‑ 一片 Bg妊荊 皮貞一視 床 帯 .一 一 片C的蘇芳皮具T払→蔑 作 者 ト ーー一 片巾 某 斥 各 t 壌 DL丸 &
●一 一 両 辞 視 床 恭 同 ‑ ‑ ‑.片儲 前頭辛 皮真下筑後孝一祝 辞
ZTI 0▲ur̲rI出現伺救 15昔知.寛14意讃浸IF13襲古蛙鼻ru下面掌111手指長q川馬首不明■9枚t促q‑血圧上昇TiitF・L'A一汗Lr・書面荘flqL̲738書〜頚缶k迫書It4'知t
症状 1'拝4■「7脱力■ 川魚d女失 先度k等Jq中鎖nU■tl
に所定 〇霞 rIE迄 上昇 させてい る.
即 ち第
3
図の如 く,刺 戟 を加え ると先 づ知 覚 を'惑ず る. この刺戟173]覚 はそれが どの様 な 感 じの もので あるか ば不詳 で ある.即 ちどの 症 例に於 いて もそれ を適確 に表現 し得ない ら し く,大 多数が tで電気 をか け られてい る" と 述べ てい るが,一種 の しびれ感 に類似 の もの で あ る らしい.刺 戟 を知覚 して も余 り苦痛 を 訴 えないのが常 で あった.頭部緊迫感 は4
例 に於 いてその訴 えを聞 くことが 出来 たのみで あ り,著明 な症 状 とは言 い得ない. しか し刺 戟知覚 後 に電 圧を上昇 させ ると,すぐに全頭 部或 いは刺 戟 部位 の痔痛 を訴 え る場合が 多か った.熱 感 は全症 例 に於 いて認 め ることが 出 莱, それ に伴な って顔面紅 潮 ・発汗 ・脈縛促 進 ・血 圧の軽度 上昇 と言 った 自律神経 の横能 異常状態 を呈 し易か った.電 圧の 上昇 と共 に 刺 戟 反 対側の手 腕 ・下 町の振顔及 び璃面 筋の 振顔 が発莱 した. この際更 に刺戟電 圧を 上げ ると,意 識 の澗蘭が それ に伴な い, さらに強 直佐屋撃 をお こして意識喪 失に至 るのが常 で あった. なお, 時 に は腹部塙 ・脱力感 ・体動 感 ・音貯 IEZ等が認 め られ る例 fl )あった.これ等 の刺戟時下 にお け る症状 と, その刺 戟間 (但 し 各列にお け る値の平均 値) との関 係 を示 した ものが 第
3
図の上欄で あ る.刺 戟条 件は前に述べ た如 く,振動 数
5 0
/秒・パル ス
巾1 0 ms e c.
と一定 させ, 電 圧 を漸 次 上昇 させて い る.藤
一般 に刺戟閣値 は t'片側視床 2点 間刺戟 >
片 側前頭 安買一視 宋簡刺戟 >片 柳前頭葉 皮質
I;
下‑ 視 床間刺 戟 >両 固視 床 間刺戟>片 柳前頭 実 業 乾買下 後方一 視 床間刺戟> 両tRur前頭葉 皮質 三 下 後方問刺 戟" の
頓
に 上昇 してお り,視 床部 を含 まな い前頭葉部刺 戟 の場合が一 律に高値 で ある. また症 状 の点 をみ るに 自律神経 系機 能 か ら由来す る ものは意識 障害 の それ と余 り 大差 がな い として も,痘撃 と意識喪失 とは特に闇値が高 い ことが注 目 され る.勿論 闇値 に 関 しては各刺 戟電極 間距離 も考 慮に入れ な け ればな るまい.
なお,刺 戟時 に於 ける脳波変 化は他稿 で詳 述す るが, いま参 考 までに視 床脳波像 を示 す と第
4
図の如 くで ある.【附第4
図】即 ち図は まず左右視 床部7 c m
の部 位 を刺 戟 し,左視 床 部にaf
ter‑dis c ha
rge の発采 をみ( A)
,それが 時 間の経過 と共 に( 2 0
秒後 )2
/秒 の高電 FE徐 波 に変 化 した像 で ある(B).その様 な徐波 の 中 に左 側視床部7cm
と8c m
の間に刺 戟 を加 え ると(B)の高電 圧徐波が増 強 され る と 共 に,( C)
の様 に左 側8c m
の部位 に も同様 のaf t e r ‑ d i s c har ge
とその位相逆転 とが認 め ら れ,左右8c m
問の記録 で もaf t e r ‑ d i s c ha r ge
が記録 され る. これ は時 間が経過(2分後 )
して も続 いて発来 す るが, (D)の様 に 間期が 減ず る.
B:
電 気刺 戟術施行後 の臨床効果刺 戟 を行 な った
1
7例 の精神分裂病者 につ き その電 極挿入部位 ・刺 戟時 間 ・術 前症 状 ・術 後 に於 け る症 状 の変 化な どをま とめて表示 す ると第1表の如 くで ある.【附第 1表 】即 ち寛 解 状態 で1年後 に退院 した もの1名 (これ は 刺 戟 術施行 後 に何等 加噴 していな い),3カ月 後 に行動が障 害 (遅 徐 化) さ れ て来 た もの1
名,4
カ月後に無為 の状態 とな った もの1
名,2
カ月後 に術前の症状 に返 った もの1
名,1
カ月後 に術 前の症 状 に返 った もの2
名の計6
名に症 状の一時的な改 善 を認 め る事 が 出来 た.その他に糞 尿の失禁が消失 した もの 1名,
ド
冗.Th a 】 a m
.3 c m‑2 2 c m‑1
植込電極 に よる人脳病態生理学的研究
第 4図 視床部刺戟時に於 ける脳波像の変化 (説明本文)
( A)
3 c m‑2 cm w . 叫¶
( B) (C) ( D)
‑ i E ! 引
i 一 ・い ‑ 1 抑 一叫㌣叶や
2 c m
‑1c m
,qJt・YPIll叫柵 吋す叫 . ;. γ :‑ 叫 ‑ ・ : . 〜 ‑ * ・ . ・ ・ か ‑
叫 や叫 柵8. 5 c m‑8 c m 1 8 c m‑7. 5 c m
7. 5 c m‑7 c m
ヽL 〜 、」 L・7 。 m‑6. 5 c m
、 〜 叫 、‑∨一・・rJ 一 一 ノー,‑Y,'lN‑
18. 5 c m‑8 c m L.Th a l am. I 8 c m‑7. 5 c m 7 c m‑7 cm L. T.7. 5 c m‑ R. T.7. 5 c m L. T.8 c m‑ R. T.8 c m
..八で.辛例症
3
3
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= : = 二 三 云 五 三 二 コ第 1表 電気刺 戟時下の臨床 像
れ州
ll位'部
T掛l電
両側 前 頭 薬 石 視 床 部
■Ht rH︼ / / OT
早// /′■
目口一10一16 欝分16‑刺計 nU02
術 前︻ 症状 術 後 症 状 l完
心常1関.無為
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・表的・無 芸畏篭禦 造 適 儲 諸 品品
同性行動
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. 雲瞥 悠 ゑ莞璽慧香 l慧準(丁)I,,急f,5'甲言 1カ年後寛解I/J†JZX.̲5Fi
幻視 .色情的言軌 !警訂 )轟左葉品 壷 状‑ 退院
̲多弁̲・発揚状態
栗蹄 ]互 ̲j340二 ̲ I̲品慧.・鎗r習、考・掛̲̲ 耳 肇 仝寛醐 態一軸 (‑)・自雛 増「 禰日離 嘩 ̲i‑り 詔諾 歪 琵 蓑 '2,.310■芸禁 裏警轟鷲黙約 定量i(i̲r fe.糞尿 】糞尿失禁(‑) T "T . 「南側 前 頭 葉
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J璽型常襲
草 案
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2 8 品vDuul"蒜貰 茄右側 前 頭 葉 両側 視 蘇 部
二別視側側〃〃一両右 真部頭床 ・5L第㌢蕪莞苧心̲目不変不変2川窪艶要請違熟謂覧軌疎通首4カ月離無 為の状態 5 憂弁・幻聴・気分易 不
20臨 蓋離籍 野 「 不 100
■ i ■ i T i
t ″ O
噺不穏状態・無開場讐讐増加・心.無為髭・鯛心・意志︼盲‑J
変 i不 変
変 l不 変
不穏状 t
1カ月後 よ㌻
自発性減退不 穏状態
(
‑)変 不 変
i E ! 桓‑
刺 戟時 にのみ 著明に症 状 が改 善 され'終 了 と 共 に直 ちに旧態 に返 った ものが
1
名あった.その他 は, 幾分 自発 性 を有す る様 にな った と 考 え られ る もの
3
名,全然症 状 に変 化を認 め られ なか った もの6
名で あった. 後の二 者 は 表中 には一応不 変 と して記載 して あ る. 全然 変 化を認 め られ なか った ものの中 に は,発熱 その他 の手 技 上の障害 の た鋸 こ刺 戟 術が短 時 間 しか行 われ なか った例4
名が含 まれ て い る 事 を付記 したい.考 接
間脳 に対 す る精 神医学 的研 究 は
,1 931
年 にFoRS TER
及 びGAGEL
に よ.'9視 床下 部附近 の瞳場 の手 術時 に特 異 な精 神状態 が観察 され た こ とに端 を発 してお り, その報 告 に よ り間 脳 に対す る研 究 が推 進 され, またその機能 も 次 第に解 明 され て来 た. 間脳 の うち特 に視 床 背円側 核 は精 神症 状 に関与 す る し,解 剖学 的 に もその一部 は前頭 葉 の 顔 窟 面, 或 い はt t Pr ef r ont alr eg ion"
に連 絡 してお り,文他 の 視床部諸 核 と も密接 な関係 を有 して い る.この部 位 の破壊 は精 神作用 ・個性 ・行動等 に 変 化を もた らす こ とは現 在迄種 々論 じられ て 来 た処で あ り,従 って背 内 側核 に対 して手 術 的侵 襲 を行 な う視 床 切離 術
( Thal amot omy)
1 U
/f ) ; 1 6 二
が 企図 され た.即 ちSpI EGEL
や和 田 らに よる "
Oor s omedi alThal amot omy' '
で あ り, その臨 床成績 に もみ るべ きものが あ る.我 々が 的報 で行 な った前頭 葉 安男下部 の再 接電 気刺 戟 と同様 に,視 床部 の それ も又 精神 症 状 の改 善 を もた らす もの で は あ るまいか.
そ して さらに前頭葉皮 質下 部 と視 床部 の同時 刺 戟 で は, よ り効 果的結 果 を得 る ことが 出来 まいか. これが 前報 に引続 き行 な った本研究 の意 図す る処 で あった.従 って第 2報 と同様
2ノ3)
に
BL CKFORD
等 の提 唱す る" El ect r os t i m
0‑gr aphy
‑'の立場 よ り電 気刺 戟 を 行 な ったの で あ る. その結 果 はす でに述べ た如 く, 或 る 程 度 まで は臨床治療 として も有効 で あった.即 ち電 気刺 戟 を加 え る こ とに よ り, 一時 的 に 藤
或
いは3
ケ月以 上 の期 間 に亘 って精 神症 状の 改 善 を示 した もので あ り, その中 の1例 では 刺 戟 中 に劇的 な変 化 を呈 した. この様 な電気l;. 刺 戟 につ いて はHEATH
等 も視 床部 .視床下
部'Jj刺 戟 を行 な って精 神症 状 の改 善 を認 めて14二 15′ お り' 秋元等 や松井 も視 床部 の刺 戟に よ り情 緒面 に変 化を生ず る事 を観 察 し, その部 位の
El ect r ol ys e
に よ り感情 障害 の改 善 を報告 してい る.
一万,刺 戟時下 にお け る身 休症 状 として は われ われ は又 興味深 い症 状 の発現 を認 め るこ とが で きた.即 ち, 前頭葉 と視 昧部 の刺戟時 に於 け る音 の知覚 で あ る. われ われ は先 に前 頭葉 皮質下 部 の刺戟時 に閃光 を知覚 す る こと を認 めた. それ と関与 して音 の知覚 と云 うこ と も興味 あ る問題 と考 え られ る.然 しその解 明 は尚追究 を要 す るで あろ う.
長 期 間 にわ た って糞 尿失禁状 態 を呈 してい た症 例4に於 いて, その消 失が認 め られ た こ とは, 刺 戟 術 に よ り精 神症 状 の改 善 が行 われ た事 に よ る と も考 え られ るが, それ と共 に間 脳 に於 け ろ消 化管運 動 及 び勝朕 運 動 の各中 枢
‑ の直接 作 間 も叉考 慮 されね ばな るまい.武ll11} 田は視 床下部 に あ る
C
副交感帯刺 戟 で, 胃 ・ 小暢 ・直陽運動 の先進 反応 を認 めて い る し,13ノ 隣木等 も家弟 の視索 前野 の刺 戟 で, 小陽 ・重 陽運動 が共 に完 進 辰応 を示 した こ とを報告 し て い る.瞬眺運動 に関 して もその支配 に関 し 諸 家 の報 告 が あ り, いづれ も勝耽運動 の先進 反応 を認 めて い る.従 っ て, これ等 の点 よ り 考 え る と勝牝 の運動 が その中 棺の刺 戟 に よ り 機 能 の恢 復 を生 じた と考 え られ な い事 もあ るまい.
刺戟時 に起 る臨 昧症状 の変 化につ いて は,14 秋元 等 は これ を, 1)てん かん発作様 Fi応, 2) 知覚 戻応