• 検索結果がありません。

既設小遊間橋梁に対する遊間部止水工の開発と施工について

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "既設小遊間橋梁に対する遊間部止水工の開発と施工について"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

既設小遊間橋梁に対する遊間部止水工の開発と施工について

東日本高速道路㈱    フェロー会員    鈴木  裕二 東日本高速道路㈱      上楽  知史 旭化工㈱    正 会 員    蔭山  知大     旭化工㈱    正 会 員    片島  大志   ニッタ㈱   

       

    佐伯  浩二 東日本高速道路㈱    正 会 員  ○清水  尚志   1.はじめに 

東日本高速道路(株)が管理する高速道路において,凍結防止剤を含んだ伸縮継目遊間からの漏水に起因す る橋梁桁端部の劣化損傷(桁・橋台・支承等の腐食)が近年目立ち始めている.しかしながら,ジョイントの 取換等を実施して漏水対策とする場合は,工事実施に交通規制が伴うため高速道路を利用するお客様へのサー ビス低下が懸念される.加えて,ジョイント本体が健全な場合は不経済となる.また,遊間が狭い箇所では樋 やシール材などの施工が困難であった. 

そこで,より良質かつより少ない負担で補修を可能とする遊間部止水工として,人の手が入らない小遊間の 止水が可能で,交通規制を伴わない伸縮継目遊間の幅員両端面部から補修を実施できる工法の開発と施工を行 ったものである.  

2.既設小遊間部止水工概要 

 

今回開発・施工した既設小遊間部止水工法は,旭化工㈱・ニッタ㈱・東日本 高速道路㈱の共同開発による新工法であり,遊間内に設置したワイヤーをガイ ドに各種作業を実施するため次のとおりの特徴がある. 

①  人の手が入らない狭小遊間の止水が可能. 

(遊間量 30〜100mm) 

②橋梁本線の交通規制を行わず施工が可能. 

また,新開発の発泡シール材を用いた止水工法であり,次のとおりの特徴がある.   

①伸縮は発泡セルの変形で吸収し伸縮方向以外の変形がない 

②水に触れると吸水し発泡セル内にゲル化し止水 

③発泡する事による流動抑止効果の発生 

④低粘度からの低速硬化によるコンクリート面とのなじみ向上  発泡シール材の充填は,遊間内に設置した布バックの一方から ポンプにより充填し,布バックが膨れることでシール材の漏れを 防止すると同時に,上半分のメッシュ部から遊間内へシール材が 充填されるものである.

本工法の概略施工手順は次のとおりである.

①遊間にワイヤー設置

②下地処理(ワイヤーをガイドにケレン・洗浄・プライマー塗布・エアー乾燥等を実施)

③布バック設置(ワイヤーから吊下げる)

④発泡シール材充填(布バック内に現場にて混合練混ぜした発泡シール材を充填)

⑤端部処理,排水構造の設置(フォーム材等による端部止水処理,排水管等の設置) 

  キーワード  道路橋,橋梁補修,遊間,ジョイント,止水,発泡シール材 

  連絡先  〒110-0014  台東区北上野1-10-14 住友不動産ビル 5 号館  東日本高速道路㈱ 関東支社  TEL03-5828-8181  図-1  構造概要図

-2

  シール材の外力による変形イメージ 発泡シール材 弾性シール材(従来品)

ワイヤー

発泡シール材

布バック

漏れ止めフォーム

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑179‑

Ⅵ‑090

(2)

               

3.施工状況 

 

東日本高速道路㈱最初の施工箇所として,東北自動車道(西那須野塩原 IC〜黒磯板室 IC 間)の熊川橋(PC 2径間連続ホロースラブ橋,橋長=50.2m,設計遊間量 50mm,設計伸縮量 36mm)にて,平成 21 年 5 月に施工 を実施した. 

               

  施工は,上下線桁端部の合計4箇所について実施した.作業日数は1施工箇所あたり3〜4日間で合計で1 4日間要した. 

実施工で判明した課題を以下に記述する. 

①ワイヤーの設置に先立ち行う遊間部の既存物(発泡スチロールな ど)の撤去に時間を要する. 

②遊間内の一部に,より狭小な部分が存在した場合,施工可      能な位置に現場での変更が生じる. 

③遊間部に建設時の残材(釘など)がある場合布バックの損傷    によるシール材の漏れが懸念される.  

これらのことから今後は,施工工程に余裕を持って,事前調査 による実遊間量や遊間内部の確認・把握を実施し,事前に遊間 部の既存物の撤去を済ませておくことが望ましい. 

4.追跡調査 

 

継続的に止水機能が確保されているかを確認するために,桁遊間の伸縮量と漏水確認を定期的に行った.桁 遊間については最大で12mmの伸縮量を確認したが,止水構造体は損傷せず健全であった.平成22年3月 末現在においても漏水は確認されていない. 

5.おわりに 

  施工後の追跡調査においても漏水は確認されず,止水機能は保たれている.今後も引続き追跡調査及び実施 工を行い有効な工法として確立されるよう努めていきたい.橋梁本線の交通規制を行わず施工が可能であり,

人の手が入らない狭小遊間の止水が可能である本工法は,今後の漏水対策に大きな効果をもたらすものと期待 している.桁端の漏水を止めることは,様々な劣化・損傷を防ぐものであり,本工法が道路橋の予防保全や補 修対策として安全性の確保・ライフサイクルコストの低減・長寿命化に寄与するものになれば幸いである. 

布バッグ 設置

充填完了

端部処理(排水処理)

端部 処理 図-3  概略施工手順

図-4  橋梁一般図      図-5  施工断面図

写真-1  施工状況

漏れ止めフォーム

ワイヤー

回転式 高圧ノズル

ワイヤー

プライマー

漏れ止めフォーム

布バック

発泡シール材

フォーム材      ワイヤー 支持金具 塩ビ排水枡

塩ビ排水管 厚サドルバンド オールアンカー,ナット

発泡シール材 布バック 支持金具 フォーム材 コンクリート

高圧 洗浄

布バッグ 設置

シール材

充填 ワイヤー

プライマー

漏れ止めフォーム

充填 完了 土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑180‑

Ⅵ‑090

参照

関連したドキュメント

現在は使用されていない横桁下フランジ主桁貫通構造現在は使用されていない横桁下フランジ主桁貫通構造 鋼道路橋設計便覧(昭

に伴う多径間吊形式橋梁の建設も活発である。しかし、多径間 吊形式橋梁の弾塑性挙動などの研究は極めて少ない 1)2)3) 。ま

げられる。そこで, その点について架設方法の手順, 施工サイクルタイムに着眼点をおき整理し, 改善策を検討す ることにより,

このあおりの解消を図るため、桁を所定の高さまでこ う上するとともに、既設の沓座を取壊し復旧する工事 を施工した。当該箇所は、桁の直下に水路が位置して おり、水路と橋脚の間の 1.2m

九年橋の全径間に対して小型 FWD 試験を実施した.本 稿では紙面の関係から 4 主鈑桁部の結果について紹介 する. 九年橋の 4 主鈑桁部の床版は図-1 に示すようなチャ

東北地方の高速道路に架設されている橋梁の RC 床版 は,冬期間に散布される凍結防止剤によって生じる塩害

近接程度の区分 対策内容 内容 新設構造物の施工により既設構造物に対し、 新設構造物の施工法による対策工を原則として実施

本工事は,国土交通省近畿地方整備局発注の和田山八鹿道路円山川橋工事(高度技術提案Ⅱ型),橋長 678m の設計施工一括発注方式,橋梁上下部工事である.橋梁上部工(有効幅員