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営業線に近接した大口径深礎杭の施工管理について 東日本旅客鉄道㈱

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Academic year: 2022

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(1)土木学会東北支部技術研究発表会(平成25年度). IV-16. 営業線に近接した大口径深礎杭の施工管理について 東日本旅客鉄道㈱. 東北工事事務所. 正会員. ○中澤. 東日本旅客鉄道㈱. 東北工事事務所. 正会員. 栁川. 1.はじめに. 尚樹 誠. (2)連絡通路の橋脚の概要. 鉄道・運輸機構が計画する北海道新幹線新青森~新. 連絡通路は、2 径間であり、中間に橋脚を 1 本構築す. 函館(仮称)のうち、JR津軽線に近接する箇所につ. る設計となっている。この橋脚の基礎は、杭長 L=7.0m. いて、JR東日本により受託工事の発注を行っている。. の大口径深礎杭径Φ4000 である(図 3) 。. 現在、JR東日本の施工箇所は、津軽線大平駅~津 ② 深 礎 工. 軽二股間であり、津軽海峡線の高架橋及び橋梁の耐震 補強工事、津軽海峡線の雪覆い工事及び奥津軽(仮称) 駅の連絡通路新設工事を行っている。 (図 1). シートパイル 津 軽 線. 津軽線(JR北海道) 薬液注入. 図3 図1. 北海道新幹線の路線. 津軽線(JR東) 大口径深礎杭. 連絡通路の橋脚基礎概要図. 3.深礎工. 本稿は、上記 3 件の工事のうち、奥津軽(仮称)駅連 絡通路の工事について、施工計画の報告を行う。. 深礎工及び薬液注入の施工の際、考慮すべき事項は 以下の通りである。. 2.奥津軽(仮称)駅連絡通路工事の概要. ①. (1)奥津軽(仮称)駅の概要. 津軽海峡線の保守基地線軌道と大口径深礎杭及 び薬液注入工の施工場所が、近接しているため、. 当社は、津軽線津軽二股駅から駅前広場へ乗換えす るための連絡通路の新設及びタワー棟の新設工事を行. 列車運行に支障の無い施工方法の検討が必要。 ②. う(図 2)。. 保守基地線は、JR北海道の管轄のため、当社 で行う軌道管理基準と異なり、具体的管理方法. ・本屋(昇機棟)【基礎・鉄骨建て方】. の取り決めが無い。. ・本屋(連絡通路)【基礎・鉄骨建て方】. 4.施工計画の検討と対策 (1)深礎工及び薬液注入施工時の営業線への影響範. タワー棟 新 幹 線 保 守 基 地 線 津軽線. 囲検討 在 来 下 り 退 避 線. 在 来 下 り 通 過 線. 新 幹 線 下 り 副 本 線. 新 幹 線 下 り 本 線. 新 幹 線 上 り 本 線. 在 来 上 り 退 避 線. 在 来 上 り 通 過 線. 深礎工及び薬液注入施工時において、保守基地線に 影響する範囲を当社の「近接工事設計施工標準」を用い、 検証を行った。. JR東日本施工範囲. 図2. 連絡通路の概要図. 深礎杭施工では、既設構造物(軌道)に対し、変位 や変形等の影響が及ぶと考えられる「制限範囲」と既 設構造物に対し、通常変位や変形等の有害な影響は無. キーワード. 営業線近接深礎杭. 連絡先. 〒038-0012. 施工計画. 青森県青森市柳川一丁目2番 74 号. TEL 017-782-2905.

(2) 土木学会東北支部技術研究発表会(平成25年度). いが、まれに影響があると考えられる「要注意範囲」. 軌道変位を誘発しないよう、掘削→ライナー設置→裏. の 2 つがある(表 1) 。制限範囲は、保守基地線の軌道. 込モルタル打設を 1 サイクルとして、1 日の作業終了時. 中心から 45 度のラインで地中に下ろした範囲となるが. は、必ず裏込モルタルを終了するようにした。. (図 4) 、本工事の大口径深礎杭は、この範囲となる。. (4)軌道計測方法の計画. また、津軽線については、要注意範囲である。. 測定方法は、JR北海道と営業線近接の検討会を行 い、軌道工による手計測で、直接軌道を計測する方法. 15.0m. と軌道脇に観測杭を設置して測定する方法の 2 種類で. 12.0m 12.0m. 行う事で取り決めた。観測杭による測定は、作業開始. 7.25m. 前・午前作業終了時・作業終了時の 3 回/日行い、深礎 杭前後 10m の区間に観測杭を軌道中心から 3.5m 離れた. 津 軽 線. 脇に設置し、観測杭に変化があった場合は、軌道工で 直接軌道の測定を行うようにした。. 薬液注入. 大口径深礎. 範囲区分Ⅲ:制限範囲 範囲区分Ⅱ:要注意範囲. Φ4.0m L=7.0m 9000 8000. 津軽海峡線の範囲区分. 在 下 本 線 IP-1. 5. 新設構造物の施工により既設構造物に対し、 新設構造物の施工法による対策工を原則として実施 変位や変形等の有害な影響が及ぶと考えられ するとともに、既設構造物の変位・変形量を推定し許容 IP-新 下 副 1 R=1300 る範囲 変位量との比較を行う等、影響度を検討した上で、原則 制限範囲 3 4 として既設構造物防護工による対策工を実施する。ま (要対策範囲) た、工事を安全に進めるため、対象となる既設構造物 Ⅲ 及び周辺地盤や新設構造物の挙動を計測して管理す る。 4. 図6. 5. N o .1 N O .1 + 1 .2 6 1. 6. N o .2. N O .2 + 1 5 .7 9 1. S P .2. R =50m. 30m. E C .1 .1. N o .3. N O .3 + 1 0 .8 4 6. とし、測定値が達した場合、直ぐに軌道整備を行うよ B C .2. R= N O .0. 6. JR北海道と打合せを行い、限界値の×0.7 を警戒値. N o .1 + 1 0 .0. S P .1. N O .0 - 9 .3. 5. (5)軌道の整備基準値の設定. 3. (2)薬液注入の施工方法. 観測杭による測定概要図. 6. C. 在 上 副 本 線 IP-2. 薬液注入は、二重管複相であり、深礎杭の外周及び. うに体制を整えた。. 底版部を行う。保守基地線に近いため、注入順番を保 守基地線側から右回りに外周を注入し、外周を遮壁状 態にしてから、底版部の注入を行った。理由としては、 保守基地線から遠い箇所を完了して行くと、保守基地 線側と反対方向が遮壁状態になり、注入材が保守基地 線側へ流入して軌道変位をする恐れがある為、保守基 地線側から進めた。(図 5) 平 面. 保守基地線. 断 面. 三厩方. 青森方 3 2 1. 1. 2. 表2. 保守基地線の軌道管理値. 表1.保守基地線の軌道管理値(整備基準値4級線適用) 測定項目 限界値 工事中止値 警戒値 軌間 14 13 10 高低 22 20 16 埋蔵文化 財 区 域 ( 清 水 遺 跡 ) 22 通り 20 16 水準 18 17 13 平面性 18 17 13 ※平面性においては、水準を計測し水準値を平面性 に換算して軌道管理値とする。 ※限界値=整備基準値、工事中止値=整備基準値×0.9、 警戒値=軌道整備値×0.7とする. 5.おわりに 津 軽 線. 本工事において、自社の営業線の他、他社の保守基. 3 1 2. 地線に近接して工事を行い、他社の軌道に影響が無い. 3. よう、関係箇所と打合せを行って体制を整えた。今後 も、営業近接工事において、鉄道をご利用されるお客 図5. 薬液注入施工順序. (3)深礎杭の施工方法 深礎杭の施工方法は、ライナー周辺の地山崩壊から. さまをはじめ、自社だけではなく、他社の輸送を妨げ ることの無いよう、施工計画を検討し工事を進めて行 きたい。. 38km637m700. 保守基地線 観測杭. B. R=1000. 基点. 38km374m700. 要注意範囲 (Ⅱ). 大口径深礎杭. 津軽線. 近接程度の区分 対策内容 内容 新設構造物の施工により既設構造物に対し、 新設構造物の施工法による対策工を原則として実施 通常変位や変形等の有害な影響はないとして するとともに、既設構造物の変位・変形量を推定し許容 良いが、まれに影響があると考えられる範囲 変位量との比較を行う等、影響度を検討した上で、状況 に応じて既設構造物防護工による対策工を実施する。 また、工事を安全に進めるため、対象となる既設構造物 及び周辺地盤や新設構造物の挙動を計測して管理す る。 3 4 新幹線ホーム端. 区分. 近接程度の区分. 新幹線ホーム端. 表1. EC. 図4.

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