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Excel表計算によるAHP 日大生産工(学部) ○ 宇田川 美紀

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Academic year: 2021

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Excel

表計算による

AHP

日大生産工(学部)  ○  宇田川  美紀 日大生産工(院)        槍﨑  将之 日大生産工      篠原  正明

1  はじめに

  AHPでは、問題に対して各要素間で一対 比較を行い、そこで得たデータを計算し問 題の解決を図る。一対比較から得た行列に 対し、AHPでは様々な計算手法を用いるが、

本研究ではMicrosoft Excelを用いてAHP の計算を行うシートを作成した。

2  AHPについて

  AHPとはAnalytic Hierarchy Process 略で、米国ピッツバーグ大学T.L.Saaty 授により提唱された手法である。これは、

問題の分析において、主観的判断とシステ ムアプローチをうまくミックスした問題解 決型(提案型)意思決定手法の一つである。

  したがって、AHPはこれまでの意思決定 手法では対処しきれなかった問題の解決を 図って開発されたもので、AHP手法を使っ て問題を解決するには、まず問題の要素を、

最終目標→評価基準→代替案の関係で捉え て、階層構造を作り上げる。(図2.1)

2.1  階層構造図

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

AHP via Excel Spread Sheet

Miki UDAGAWA, Masanori UTSUGIZAKI, and Masaaki SHINOHARA

  そして、最終目標からみて評価基準の重 要さを求め、次に書く評価基準から見て各 代替案の重要度を評価し、最後にこれらの 最終目標から見た代替案の評価に換算する。

  AHPは、この評価の過程で、今までの経 験や勘を生かして、これまではモデル化し たり定量化するのが難しかったことも扱え るようにしているのが特徴である。

3  Excel表計算を利用したAHP   本研究では、固有ベクトル法を用いて計 算を行う。ここでは学科選択を例にする。

学科選択の基準は日本大学生産工学部内 での学科選択とし、選考基準となる評価基 準は5つ用意する。

評価基準が5、代替案が7の計算シート の作成を例にして説明を行う。

  学科選択における階層構造は下記の階層 図とする。(図3.1)

学科の選択

就職率

機械 学園生活

土木 建築

電気電子 応用分子化学 マネージメント 数理情報

得意分野 学科ブランド 将来性

3.1  学科選択の階層図

(2)

まずは、評価基準(図3.2)の一対比較行 列を作成する。(図3.3)

ここでは、評価基準が5つなので 5 5 列の一対比較行列を作成する。

学科の選択

学園生活 得意分野 就職率 学科ブランド 将来性

3.2  評価基準

3.3  評価基準の一対比較行列

  一対比較行列に初期ベクトルを掛け合わ せ、行列を計算する。

=

n nn

n

n

w w w

a a

a a

a a

a a

M M M M L

L L

M O M

M O

M O

L

2 1

1 31 21

1 13

12 11

1 1 1

    (1)

求めた行列の一番下の要素で各要素を割り、

それを一対比較行列に掛け合わせる。

=

n n n n n

nn n

n

w w w

w w w w w w

a a

a a

a a

a a

M M M M L

L L

M O M

M O

M O

L

2 1 2 1

1 31 21

1 13 12 11

    (2)

  上記の作業を数回繰り返し、値を収束さ せる。収束させた値を利用してCI値とウェ イトを求める。(図3.4

3.4  パワー法による値の収束

  各代替案(図3.5)における一対比較を行 い、得た値を入力し(図 3.6)、評価基準の 一対比較行列と同様にパワー法を用いて計 算を行う。(図3.7)

(3)

就職率

機械 学園生活

土木 建築

電気電子 応用分子化学 マネージメント 数理情報

得意分野 学科ブランド 将来性

3.5  代替案の構造

3.6  代替案間における一対比較行列

3.7  代替案間のパワー法

  各要素間で得た重みを用いて最終的に AHPのウェイトを求める。(図3.8)

3.8  AHP計算ウェイト

  計算ウェイトの値が大きいほど、代替案

の重要度が高いため、この場合においては 7番目の代替案である数理情報工学科を選 択することが適当であると判断される。

4  Excel表計算を用いることの利点

  Excel 表計算を用いることにより、数値

を入力するだけで AHP の計算を行うこと ができる。

Excelでは要素の値が変化してしまうと、

同じシートは使用ができなくなるが、シー ト上でのプログラミング内容は複雑なもの ではないので、誰でも簡単に元データから の修正を行うことができる。

また、計算過程そのものをみることがで きるので、計算結果に問題が生じた場合、

間違えた箇所を直接みることができる、と いったような利点がある。

5  全体整合度と個別整合度の表計算   M個の評価基準とN個の代替案から構成 される「目標―評価基準―代替案」の 3 AHP において、意思決定全体の整合度 を次式で計算する(図 4.1、導出は 付録1)。

global

CI

2

1

0

+

= M

i i

global CI CI

CI   (3)

  但し、 は目標から見たM個の評価基 準間一対比較に関する整合度、 は評価 基準 (

CI0

CIi

i i=1,L,M )から見た代替案間一

対 比 較 に 関 す る 整 合 度 、 評 価 基 準i

wi

M

i =1,L, )の重みである。

(4)

4.1  CIglobalの計算

6  今後の課題

  Excel で作成したこのシートをもっと使

いやすく、また、見やすくするための改良 や、もっと具体的なデータの解析をするな どソフトを最大限に利用できる研究を行っ ていく。

  また、整合度CIにおける全体整合度と個 別整合度における研究もこのExcel表計算 で作成したシートを用いて行っていく。

7  おわりに

  Excel表計算を用いてAHPの各種計算を

行うソフトウェアプログラムを作成した。

個別整合度のみならず、全体整合度も計算 することができる。

参考文献

[1]後 藤   格:  「 一 般 化 平 均 法 に基 づ く

AHP」  平成 17 年度博士前期課程論文

(2005)

[2]稲嶺  和哉:  「AHP における整合度に

関する研究」  平成17年度博士前期課程論 文(2005)

[3]木下  栄蔵:『入門 AHP−決断と合意形

成のテクニック』  日科技連(2000)

〔付録1〕(3)式の導出 

  意思決定全体の倍率誤差をδglobalとする

ならば、以下の近似式が成立する〔1〕。

2CIglobal δglobal2   (A1)

2CIglobal δi2  (i=0,L,M )  (A2)

ところで、δglobalδi )の間

には、次式(A3)が成立する。

M i=0,L,

=

+ +

=

+ M

i i i

global w

1

0)(1 )

1 (

1 δ δ δ   (A3)

すなわち、近似的に(A4)が成立する。

=

+

M

i i i

global w

1

0 δ

δ

δ   (A4)

(A4)に(A1)、(A2)を代入すれば、(3)式を得 る。

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