平安朝初期の訓点語に用ゐられたスラとダニ
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(2) 坪. 平 安 朝 初 期 の訓 点 語 に用 ゐ ら れ た スラ と ダ ニ 大. 併. 治. 小 川本 ・麻 生 文庫 本 ・岩 淵 本 願 経 四分 律 古 点 四 巻 東 大寺 本 成 実 論 天 長 点 三巻 山田 本 妙 法 蓮 華 経古 点 一巻. は ︑ 万 葉 集 に しか 例 が な く︑ ダ ニ七十 二︑ スラ ニ十 八 で︑ 凡 そ 三対. 根津 本 大乗 掌 珍 論 承和 ・嘉 祥 点 一巻. 西 大寺 本 金 光 明 最 勝 王 経古 点 十 巻 ( 春 日博 士 によ る ). ス ラと ダ ニは︑ 意 味 のよ く 似 た副 助 詞 で あ る︒ 上 代 の スラ と ダ ニ. 一の比 でダ ニが スラよ り 多 い︒平 安 朝 に入 る と︑ こ の差 は 一層著 し く なり ︑ 和 歌以 外 の散 文 で は︑ 専 ら ダ ニを 用 ゐ て スラを 用 ゐず ︑ ス. 石 山寺 本 大 智 度 論 天安 点 十 七巻. 東 大寺 本 金 剛 般 若 経讃 述仁 和 点 一巻. 東 大寺 本 地 蔵 十 輪 経 元慶 点 六巻. 石山 寺 本 諭 伽 師 地論 古 点 十 一巻 '. ラ の意 味 を も ダ ニが 兼 ね る や う に な った ︒ しか る に︑ 初期 の訓 点 語 では ︑ ダ ニ よ り も却 って スラ を 多 く 用 ゐ た︒ 加 点 年 代 明 白 な点 本. わ た し は︑ これ ら の資 料 を︑ スラ と ダ ニの用 例 を 求 め る た め に読 ん. 山田 本 弥 勒 上 生 経 讃古 点 ( 白 ) 一巻. で︑ 最古 の資 料 と いは れ る成 実 論 天 長 点 ︑ こ れ と同 種 の飯 室 切 金 光. だ ので は な く︑ 全 般 的 な調 査 の間 に ︑ た ま たま気 付 い たも のを 拾 ひ. 明 最 勝 王経 註 釈 古 点 ︑ 山 田 本 妙 法蓮 華 経 古 点 ︑及 び 成 実論 天 長点 に. ダ ニの ヲ コト点 は な い︒ こ れ は︑ ス ラが 特 定 の 記号 を必 要 と す る ほ. 集 め た 程度 であ るか ら ︑仔 細 に検 討 す れば ︑ 右 の数 字 は いく ら か 殖. 石 山寺 本 大 般 浬桑 経古 点 ( 丙)十巻. ど 頻 用 され た のに対 し︑ ダ ニは そ れ ほど 多 く 用 ゐ ら れ なか った こ と. え る か も し れ な い︒ ただ し︑ 両 者 の勢 力比 は大 し て変 る ま いと 思 は. 石 山寺 本 蘇 悉 地 掲 羅経 略 疏 寛 平 点 二巻. を 示 す も ので あ る︒ 実 際 ︑ わ た し が︑ 左 記 の資 料 か ら集 め得 た 用例. 次 ぐ古 い資 料 で︑ 同 じ 系 統 に立 つ根 津 本 大乗 掌 珍論 承 和 ・嘉 祥 点 な. は ︑ スラ 七 十 七 ︑ ダ 一 二二十 一で ほば 五対 二 の比 で︑ スラ がダ ニより. れ るか ら ︑本 稿 では ︑右 の数 字 を 基 にし て論 を進 め る こ と にす る ︒. ど の︑ 一群 の点 本 を見 る と ︑ スラ を示 す 特 定 の ヲ コト点 は あ る が︑. 多 い︒.
(3) さて ︑ 訓 点 語 で︑ こ の やう に スラ を多 く 用 ゐる のは︑ 単 に伝 統 性 の 故 に︑ 上 代 の文 法 を伝 へた だ け で は なく ︑ 訓 点 語 そ のも の の特 殊 事 情 も 手 伝 って ゐ る やう であ る ︒. 先 づ ︑訓 点語 で︑ スラ ・ダ ニの現 はれ る構 文 を 見 る と︑ 次 の やう に色 々 な場合 が あ る︒. る も の︒. A 後 に ﹁況 ・何 況﹂ など を 伴 ふ文 の ﹁尚 ﹂ の前 ま た は後 に補 読 す. ( 第. 一 表). 即 ち ︑ スラ を最 も 多 く 用 ゐ る のは A で あり ︑ 訓 点 語 に スラ の多 い. 原 因 は ︑ こ こ に あ ると 考 へら れ る の で︑ 以 下 A を中 心と して ︑ スラ. る︒ 叙 述 の重 点 は 乙 にあ り ︑ 甲 は 乙を 引 き 出 す材 料 ︑ いはば 例 とも. A は ︑ あ る事 が ら 甲 を挙 げ て︑ 他 の事 柄 乙 と 対 比 す る 構文 で あ. と ダ ニの 用法 を調 べ てみ よ う︒. 見 ら れ るも の であ る ︒ そ れ故 ︑ 甲 に ス ラ ・ダ ニを 含 む こ と に な る. B後 に ﹁云 何﹂ を伴 ふ文 の ﹁尚﹂ の前 ま たは 後 に補 読す るも の・ ︒ C後 に ﹁寧 ﹂ を 伴 ふ文 の ﹁尚 ﹂ の前 ま た は後 に補 読 す るも の︒. の︒. c甲 が否 定 で︑ 対 比 の 中 心 と な る べき 語 が ﹁尚 ﹂ の前 に あ るも. の︒. b甲 が肯 定 で︑ 対 比 の中 心と なる べ き 語 が ﹁尚 ﹂ の後 に あ るも. の︒. a甲 が肯 定 で︑ 対 比 の中 心と なる べき 語 が ﹁尚 ﹂ の 前 に あ るも. か 後 にあ るか によ つて ︑ A を更 に次 の四種 に分 け る こと が でき る︒. 的 判 断 か ︑ ま た は︑ 対 比 の中 心と なる べき語 が︑ ﹁尚 ﹂ の前 に あ る. べき 語 に スラま たは ダ ニを補 読 す る︒ 甲 の 記 述が 肯 定 的判 断 か 否 定. が ︑ ﹁尚﹂ は ナ ホま た は ナ ホ シと読 み︑ 甲 の中 の対 比 の中 心 と な る. D後 に ﹁況 ・何 況 ・云 何 ・寧 ﹂ など を伴 は な い文 の ﹁ 尚 ﹂ の前 ま た は後 に補 読 す るも の︒. の︒. E ﹁尚 ﹂ が な く ︑後 に ﹁況 ・何 況 ﹂ など を伴 ふ文 に 補 読 す る も. F ﹁尚 ﹂ が な く ︑後 に ﹁云何﹂ を 伴 ふ文 に補 読 す る も の︒ G ﹁尚 ﹂ が なく ︑ ﹁寧﹂ を持 つ文 に 補読 す るも の︒. 読するもの︒. H ﹁尚 ・況 ・何 況 ・云 何 ・寧 ﹂ な ど の な い文 に︑ 文 意 に よ って補. ( 以 上 ︑ ﹁尚 ﹂ の代 り に︑ 稀 れ に ﹁ 猶 ・猶 尚 ﹂ を 用 ゐ る こ とが あ る︒ ) わ た し の集 め た 用例 を分 類 す る と ︑次 の如 く であ る ︒. の︒. d 甲 が 否定 で︑ 対 比 の中 心と な る べき語 が ﹁尚 ﹂ の 後 に あ るも.
(4) た だ し︑ こ こで ︻否定 ﹂ と い ふの は︑ 内 容 的 に見 た 否定 であ って︑. 仏 道 一︒ (大 智 度 論 天 安 点. (ら ) む 〃︑. ︒ 何 況有 二. し. 巻. 形 式 的 な否 定 で は な いか ら ︑次 の やう に︑ 文 法 上 は肯 定 表 現 に属す. 尚無. スラ. るも の であ っても ︑ 否 定 と し て取 り 扱 ふ︒ ④声 聞 道 果. 尚難. 16 ︻ 23 ) することダに. ︒念知. 巻六十四 は なり に. ︒何 況眼 見. し. ︒( 同. ﹂ ムや. 巻. 八十 六 18 ﹁ 7) すら なり して に ムや を 尚不可得 ︒ 何 況 住 レ 如 得 二 阿 褥 多 羅 三 貌 三菩 提 一︒. ②如 (同. 21 一 13 ). ③未 来 世 未 有 六十七. さ て ︑前 記 A の例 を ︑右 の分 類 に当 て は め て整 理 す る と︑ 次 の如. ( 第 二 表). く で あ る︒. 即 ち ︑ 肯 定 の a ・b では ︑ 殆 んど スラだ け が 用 ゐら れ ︑ 否定 の c .d では ︑ スラ ・ダ ニが共 に用 ゐ ら れ る が ︑ 対 比 の中 心 と な る べ き 語 が ﹁尚﹂ ︑ の前 にあ る cで は ︑ スラが 圧 倒 的 に多 く︑ ﹁尚﹂ の. るべぎこと の を 取二 諸 法 相 一︒. して. (大 智 度 論 天 安 点. 巻 六十 ニ. ー2 鴨5. の の には の すら なり (ら)ムや れとして も 法 中 諸法 法相 尚空 ︒ 況有 三 我 而 決. 後 にあ る d では ︑ そ の 差 は 比 較 的少 いと い ふこと が でき る︒ そ の. 例1 ④是 定. , 6. ). てル. a を. 人 スラ. 尚. し. 是. 巻四. く ア ルベシ. 応 レ如 レ. 遮 罪 一︒ ( 地蔵 十輪 経 元 慶 点. ⑤犯 二 性 罪 一 者. の. ー4 ぢ ) a の. 其. セ ルい は. ︒況犯二. (の ). ヱ 5) a. して. を. 余. の. 小. の. を. (大. 樫嫉 一. (れ)た る. 滴与下 ( 中 略 ) 諸 外 道 欣 コ求 ,善 説 一 離二. には. 巻十 ニ. (て) を ぬ ダニ ( せ) を す 翻剤 (と) ( さ)むは を ⑧ 得 二 人 身 一但 不 ン 行 レ 善 尚 為 二大 失 一 ︒ 況起 二 悪 業 一︒ が. (成 実 論 天 長 点. ⑦此 中. ひととすら ( く) す を (じく) ケル に の とは 者上 広 興 二謡 論 一︒ 何 況 同 趣 二 一乗 ↓諸 師 ︒. と. 巻十 五. の. にして. 得一 ・( 中 略 )断 二. ずること. 因 縁 一︒ 何 況 虚 証. の. 何 況甚 深 , ー︑ー. 巻七十 13 } 9 ‑ 10 ) b は すら し (く) せむや 婬 心 尚 無 ︒ 況能 婬 欲 ︒ (成 実 論 天 長 点. る. ー. (く) ムや. 7)C. 尚 不 レ応 レ作 二貧 欲 熊 志 罪. すら. ー. 尚 無 ︒ 何 況能. 因. 乗 掌 珍 論 承 和 ・嘉 祥 点 10 7 ) b 別訓 外 道 ∂髄房 る の をすら をば ⑧ 我 尚 知 二布 施 持 戒 等 恩 一 ︒ 何 況 般 若 波 羅 蜜 ︒ (大 智 度 論 天 安点 ⑨小 児. 実定. の. ︒. 6一 15 ) C の は (て)すら . の に し (る)こと 愚 人 於二 浅 近 法 一猶 尚 難 レ悟 ︒ をば ﹁ ーー‑ ー (大 智 度 論 天 安 点 巻 一 6一 20 ) C 縁. 若諸法. 道. には. 位 一 ︒. の. し. し. すら. に. や. 巻 二十 三. 三. ( ら)むや. ︒. の. 旦 25. ( 妙法蓮. ﹁楽 ﹂ に 添 へ る べ き で あ ら. (諭 伽 師 地 論 古 点. (同 巻 八十 六 18 一 20 ) C い にダも しず ( は) する副 (は)ムという (中 略 ) 初 尚 不 レ能 レ 住 二 食. i,. 無 レ 実︒ ( 同 巻 九十 10 ︻ 5 を するダに を し を. 習 一︒. の. 若 人見 レ色 修 レ. 煩拶. 於 二此. に. (ダ モ は ﹁初 ﹂ に で は な く ︑. ヤ. 働 士 夫 補特 伽 羅 に. 欣 楽 一︒ 況 27 ) C う︒). の. 十方 世 界 中 瞳 無 匠 藁 一 ︒ 何 況 有 ・. ρ.
(5) 森. 誼点. 唯. ) d. 三界. せむや. を. 一︒. を. 勤. にすら. せ. を. 修中梵 行上︒. (め)て. ( 大 乗 掌 珍 論 承 和 .嘉 祥 点. 般浬馨 散. すとの. 生死. の. 是 諸 菩薩 滴不下儒コ求 や. 睨 ﹁復 欣 コ楽. せむ ヤ. 一切. の. 有情. の. 無量. の. を. 苦 拶 一︒. (地 蔵. 15 一 12 ) d ずるイは の を しず (は) すこと に る (ら) の 行 二 布 施 輪 一︑ 尚 不 レ能 レ 滅 下 自身 所 レ有 少分 ( く). 除 コ滅. ︒. 巻 六十 二. 6︻ 31 ) d. ヤ道 を・ ( 同. みてすらここだ ましていかにあらむ' ○ 夢 のみ に見 尚 幾 許 恋 ふ る吾 は う つ つに見 ては 溢 而 如 何 有 ( 巻 十 一 ・二 五 五三 ). ラが ダ ニより 適 切 であ る こと を示 して ゐ る ︒. と あ る のは ︑国 語 と し て 最 も A に近 い表 現 で あり ︑ A にお いて︑ ス. 上代 のスラは ﹁確定 の妻 ﹂. ま た ︑ 加 納協 三郎 氏 の ﹁﹃だ に ﹄ ﹃す ら ﹄ の用法 上 の 差 異 に就. て﹂ (和 国十 語三 と年 国文 六月 学号 ・昭) によ段. 14 ). 巻 一. ゐら れ て ゐ る が︑ スラ は ︑ 二十 八例中 三 例︑ 即 ち 九分 の 一し か否 定. れて ゐ る ︒ダ ニは ︑ 七 十 二例 中 二十 一例 ︑即 ち約 三 分 の 一が 否定 に用. 二︑万 葉 集 の例 を見 る と︑ 否 定 には ︑ ダ ニが スラより 多 く用 ゐら. る こと に な った の であ らう ︒. そ れ故 ︑ A にお いて は ︑ 全体 と し て スラ が ダ ニよ り多 く 用 ゐら れ. 適 切 で あ る︒. こ のやう な場 合 に用 ゐ ら れ るも のと し て は︑ やは り スラ が ダ ニより. 10 一 13. 22小 信. 論 天 安 点 巻 百 14 一 10 ) をすら ( あら) ズ べく マしや の を 尚 不 ・得 ︒何況得二 出家 道果 一 ︒ ( 同. の をすら マじ ( ふ) ( する) こと をば 般若 波 羅 蜜 品 尚不 レ能 レ 談 ︒何 況 多 ︒ ( 大 智度. ゐ ら れ な い︒. 表 はす も の に限 ら れ︑ ム ・ジ のやう な主 観 的 推 量 を表 は す も のは 用. は極 め て稀 れ で あ る が︑ そ れ も ︑ ベ シ ・マジ のやう な客 観 的 推 量 を. 定 ・希 望 な ど で は な い︒ 例 へば ︑甲 の中 に推 量 の助動 詞 を 含 む こと. 度 ・意 向 を 表 はす 語 ﹂ に続 いたと い ふ︒ と ころ で︑ 甲 は ︑ 既 定 の事. を 表 は す 語 に続 き︑ ダ ニは ︑ ﹁ 未 定 事 実 に対 す る 表 現者 の主 観 的 態. を スラ. ︒睨能. ︒ 何 況浬 桑. に ダ (に). 陣 一. の. ー1 ⁝ 23 ) d. 苦 幅上. 天人. (す る )こ と. 巻十 ニ. は. ( 成実論天長点. 実 ま た は 当 然 予 想 さ る べき 事 が ら であ って︑ 未 定 事 実 や単 純 な推. せむ や. 邪︒ 尚 不 レ得 レ生 二. 十輪 経 元慶 点 巻九 9一 10 ) d (の) の は の ぜるをもちて し ( さ) をダに 漏尽 人 煩幅 根断 尚 不 レ起 レ 心 ︒ 況当レ 是. 祝 若諄訟瞑志. (同. (大 智 度 論 天 安 点 巻 八十 三 11 ︻ 23 ) d (て)の るを ( くる)こと (に) ( は) (る)こと の をダ(に) 以レ 有レ 尽 故 尚 不 レ能 レ 得 二 小 乗 浬架 一 ︒ ︒. 1一 213)d. 紛) ︑する法 相 謝 は尚 不 レ得 二題 墨 ダ. に. ・ 何 況働. 何 況無 上道. ⑳葛 巻 八十 七. 一︑ 上代 の スラは ︑ 一事 を 挙げ て他 を 類 推 さ せ る意 味 を 持 ち ︑ ダ. これ に つい て︑ わ た しは 次 のや う に 老 へる︒. ニは ︑ す べて を譲 歩 し た最 後 の 一線 を表 は し た ︒ スラは ︑ ﹁他 のこ と は い ふま で も なく 何 々さ へも ﹂ と い ふ気 持 であり ︑ ダ ニは︑ ﹁他 の こと は と も か く せ め て何 々だ け で も﹂ と い ふに 近 か った︒ と ころ. 構文 であ る ︒ こ のやう な場 合 に用 ゐら れ るも のと し て は︑ ダ ニより. で︑ Aは ︑ 甲 を例 と し て︑ 乙 が そ れ 以 上 であ る こと を強 く 救 述 す る. も スラが 相 応 し い︒ 万 葉 集 に.
(6) に用 ゐら れ て ゐ な い︒ 平 安 朝 初期 の訓 点 語 でも ︑ 完 全 に補 読 す る場 合 ︑ 即 ち H を 見 る と ︑ ダ ニは ︑ 十 八 例 全 部 が 否 定 を 表 は す 語 に 続. に. (にし)て. を. ヒ. の. を. 仏 実智一 ︑ 2一 2). (は)ムとも. (妙 法 蓮 華 経 古 点. に. き ︑ ス ラ は ︑ 六 例 中 二例 し か 否 定 を 表 は す 語 に 続 い て ゐ な い ︒ に (せ)しカば を ( ち)しむる ( くあら) ( るとこ) (もりし) 汝云何 治 レ 病 乃 使 レ無 ン 有 二 創 処 一︒ ( 小 川 本 願 経 四 分律 古 点 甲巻 23 ﹁ 2) , ラい 少分 一. 噺讐 洪は㌃ る三 心 遜 難 無量劫 舜 思 莫 ・ 能 レ 知二. レ韓. . 磐鈎 厭監 る嵩 も・ ( 挽. 仏. せむと. 萱. 3一 3) 別 訓. 語 一︒ (妙 法. の. (小. 師地論古. に のず の の をダにも ず の( る) (ら) 於 二生 死 一不 レ見 二少 分 戯 論 過 失 一 ︒ 不 レ見 二少 分 所 レ有. 過概 ダにも・亦は集. 8一 12 ). 聴 訓受. ( 同. を. 点 巻 二 十 一 旦 13 1 14 ) の の に ケ ブ すラも (り) すること に 諸 巧師 受 学 弟 子 亦 有 三 恭 コ敬 於 師 一︒. 外 川本 願 経 四分 律 古 点 甲巻. 欲三. を おも ひたるをも ちてなり. にすら罫 化 . し. たまひ勾 をもちて如 喉. 是( の. 鞘 (せ). 合 レ 掌. ( を). 仏 已に曽 の膳 心. (にし)て. レ. 旦 10 ). (万 葉 集. 巻十 七 ・三 九三 八). ). ことだにも ○ た ぶ れ たる 醜 つ翁 の許 等 太 爾 母 吾 に は告 げ ず ︑ 四〇 =. (同. 巻十 七 ・. ス ラ だ け が 用 ゐら. そ れ 故 ︑ Aも ︑ 否 定 の場合 には ︑ ダ ニの用 ゐら れ る可 能 性 が あ るわ. け で あ り ︑ 従 っ て ︑ 肯 定 の a ・b に は ︑ 殆 ん ど. れ ︑ 否 定 の c ・d に は ︑ ス ラ ・ダ ニが 併 用 さ れ る こ と に な っ た の で. 35 ﹁ 18. 19 ). の ( き)て (く)を ( を) らむヤ (せ) 菩 薩聞 ・ 説二 般若 一 而 不 二 進 修 一 ︒ (金 剛 般 若 経. あ ら う ︒ 肯 定 で ダ ニを 用 ゐ た の は ︑ 前 掲 と ︑次 の例 と で あ る︒ ( き)つ口 にダも し ( り)て くナ (さ)ムト (を) や 説下 未悪世 尚 有 二 衆 生 一能 生 中 実相上 ︒況 今 現在. 讃 述仁 和 点. ら な い. 欝. 大 蔵 経 の校 異 覧. といふこ. ると ︑ ﹁未 + ( 来 ) カ﹂ とあ. ﹁未 ﹂ の 右 に は ︑ 白 墨 で 一字 漢 字 が 書 き つ け ら れ て ゐ る が ︑ 何 と 読. む雰. る ︒ ﹁来﹂ の字 を 補 って ﹁未 来 の悪 世 ﹂ と 読 む べき か. コ ご が あ るが ︑ ﹁未 ﹂ に は反 点が な い︒仮 り に ﹁未 ﹂ を ﹁未 来﹂. と ら し い︒ ﹁生 ﹂ の左 に は 反点 の コ ﹂ が︑ ﹁説 ﹂ の左 に は 反 点 の. は︑ 全体 と し て は肯 定 判 断 で あ. の意 に解 し︑ 反点 に従 って ﹁生﹂ か ら ﹁説﹂ に 返 っ て 読 ん で お い. そ の前 後 に スラ を補 読す る習 慣 が 早 く か ら 一般 化 し てゐ た こ と を示. あ る ︒ こ れ は漢 文訓 読 の 際︑ A ・D のよ う な ﹁尚 ﹂ を ナ ホと 読 み︑. 三 ︑ 万葉 集 に は︑ ﹁ , 尚﹂ を ナ ホま た は スラと 読 ま せ た多 く の例 が. す べき例 外 であ る ︒. 用例 三十 一の内 ︑ ダ ニを肯 定 に用 ゐ た唯 一の確 実 な例 と し て︑ 注 目. るが ︑ 対 比 の中 心と な る ﹁善 を行 (せ)ぬ﹂ が 否定 であ る た め ︑ こ れ. たが ︑ 余 り 確 実 な例 で は な い︒. 蓮 華 経古 点 3㎜ 25 ー % ) の ヲスラ してず ( は) すること 於智 疑惑 不 レ能 レ 了 ︒. 巻十 七. 我今自. ( 成実論天長点. に引 か れて ダ ニを 用 ゐ た ので あ らう か ︒ いつ れ に し ても ︑ ダ ニの 全. ︒. 智 二於 テ ス ラ (に)して は なりといはば は すら (ら)( ず) せ (ぞ) なさむ 若後 ・ 因 先 ・ 果 ︑因 自 未 レ生 ︒ 云 何 生レ 果. ま た ︑ 加 納 氏 の前 記 論 文 に よ れ ば ︑ 上 代 の ダ ニは ︑ 否 定 の 場 合 に 限 り ︑ 確 定 事 実 を 表 は す 語 に も 続 く こ と が で き た と い ふ︒. して. ○ か く の み や 吾 が 恋 ひ を ら む ぬ ぼ 玉 の欲 流 乃 比 毛 太 爾 解 き 放 け ず.
(7) すも の であ る ︒ と こ ろ で︑ A に つい て考 へると ︑ aで は︑ 対 比 の中. モ は ダ ニ ェ︑の 音 韻 変 化 し た も の で ︑ 従 来 考 へら れ て ゐ た よ り も ︑ 遙. て ダ ニ モ ・ダ モ を ダ ニ よ り 多 く 用 ゐ ︑ そ の 比 は 四 対 一で あ った ︒ ダ. の. てず. は. 1 ,, ,. を. 19 一 1 41 15 ) ( 第 ︼表 C の例 ). 寧ろ得ユや仏.藍. 仏 ︒ ( 大智 度 論 天 安 点. た てま つら. 未 二 曽 不 レ見 レ. にダも ( あらず ). ヱ 5 1 6). 旦 14 ). の ﹁処 ダも ﹂ 参 照 ︒. 巻 ・. ,. 以 上 述 べた と こ ろ は︑ 春 日政 治 博 士 が ︑ ﹁ 古 点 の 況 字 をめぐ っ. な ほ︑. 一 ︒ ( 金 剛 般 若経 讃 述 仁 和 点. 有 相.︒.行咽 .は施を尚ア 得二+王.報藩. 百. 夢 中. 点. 上︒ (麻 生 文 庫 本 願 経 四 分 律 古 点 2 4皿 17 ) ( 音) にして (ら)オゴリタカビ( 音) をサへして あらずして に 我慢 自 衿 高 話曲 心不レ 実 ︑ 於 二千 万 億 劫 にマじ (く) の をダも マじ ( く) をも 一不 レ聞 二 仏 名 字 一 ︒ 亦 不 レ聞 二 正 法 一 ︒ ( 妙 法 蓮華 経 古. (せ ). 彼. か に早 く 現 は れ て ゐ る ︒ (の) (り)て て ( り)てダも の (の)(に) に 比 丘 尼有 レ 疑 ︑ 不 下敢 在 二 水 上 厨 一大 小 便. 心 と な る べき 語 が ﹁ 尚 ﹂ の前 にあ る から ︑ こ れ に スラ を補 読 す れ. スラ ・ ナ ホ の 慣 用 句 が成 立 し やす い︒ こ れ に対. ば ︑ ス ラ の直 ぐ後 に ナ ホ ( 尚 ) が 来 る こ と に な って ︑両 者 の関 係 が 緊 密 に なり ︑ し ︑ b で は︑ 対 比 の中 心と な る べき 語 が ﹁ 尚 ﹂ の後 にあ る から ︑ こ. スラ の 慣用 句 は 成 立 し に く い︒ そ れ 故 ︑ C で. スラ ・ナ ホの 慣用 句 に支 へら れ て ︑ スラと ナ ホと の結 合 が. ナホ. れ に スラ を補 読 し ても ︑ 両 者 は 常 に他 語 に よ って切 断 さ れ る こと に なり ︑ は︑ 否 定 に勝 ち︑ ス ラが ダ ニを 圧 し て多 く 用 ゐら れ た が︑ d で は ︑ 否定 が スラ と ナ ホと の結 合 を破 って︑ 比 較 的 多 く ダ ニが用 ゐら れ る こと にな った ので あら う ︒ わ た し は ︑ 以 上 の如 く考 へる こと に よ って ︑ 第 二表 の示 す 事 実 を 説 明 す る こと が で き︑ ま た ︑ 訓 点語 で︑ 特 に ス ラ の多 い特 殊 事 情 を も 理 解 す る こと が でき る と 思 ふ︒ 繰 り 返 して い へば ︑ まつ ︑ A そ の も のが 訓 点 資 料 に頻 出 す る こと ︑ こ の構 文 にあ って は ︑本 来 ス ラが スラ. 一︑ ﹁尚 ﹂ の前 に は スラを 多 く用 ゐ︑ ﹁尚 ﹂ の後 に な ダ ニを 用 ゐ. て﹂ ( 古 五訓 一点 の研 究 ︒ 三 ‑ 三 五 五頁 ) の中 で言 及 された︑ スラ ・ダ ニの用 法 に 関す る お説 によ って導 か れた も の で あ る︒ 博 士の お説 を要 約 す る. る ︒ ﹁尚 ﹂ の前 に ダ ニを用 ゐた 例 は稀 れ にあ る が ︑ ﹁尚 ﹂ の後 に ス. と ︑次 の如 く であ る ︒. な ほ︑ 第 一 ・第 二表 の ス ラ には スラ モを︑ ダ ニには ダ ニモ ・ダ モ. こと など の ため ︑ 上代 以 来 の 一般 的 傾向 に反 し︑ 訓 点 語 で は スラが. を含 ん で ゐ る こと を注 意 し て おき た い︒ 上代 の ス ラ には ︑ スラ ・ス. せ る 義 で︑ 現 代 のサ へに当 り ︑ ダ ニは︑ 提 示 す る 一事 物 を限 って他. 二︑ スラは ︑ 低度 も しく は 高 度 の 一事 物 を提 示 し て︑ 他 を 推 測 さ. ラ を用 ゐ た例 は な い︒. の両 形 が あり ︑ ダ ニを ダ ニモよ り 多 く用 ゐ たが ︑訓 点語 では ︑ 却 っ. ス ラ モ は 極 め て稀 れ に用 ゐた ︒ ( 26 参 照 )ダ ニに は︑ ダ ニ ・ダ ニモ. ラ ニ ・スラ モ の三 形 が あ った が︑ 訓 点 語 で は︑ ス ラ ニは 全 く用 ゐず. ダ ニより 圧 倒 的 に多 く用 ゐら れ る こと に な った の であ る ︒. ・ナ ホ の 慣用 句 が 守 ら れ︑ 習 眉的 に スラ の用 ゐら れ る 傾向 があ った. ダ ニより 適 切 で あ る こと ︑ A の大 半 を占 め る a ・ cで は ︑. 三.
(8) ﹂. を 予想 し な い のが 本 義 で︑ 現 代 のダ ケに 当 る︒ そ れ故 ︑ ﹁尚﹂ の前. 三︑ しか る に︑ 平安 時 代 に入 り ︑ ダ ニの使 用 が 増 加 し ︑従 来 ス ラ. 後 に読 み添 へる も のと し て は︑ 本 来 スラ の方 が適 切 で あ った︒. の表 は し て ゐた 意味 をも ダ ニが 表 はす やう にな って ︑後 に ﹁況 ・何 況﹂ な ど を 伴 ふ ﹁ 尚 ﹂ の前 後 に も ︑ スラ に代 って 用 ゐら れ出 し た ︒ 四︑ た だ し ︑ ﹁尚﹂ の前 では ︑ スラと ナ ホと の結 合 が強 く ︑ 依 然 と し て ス うが 用 ゐら れ︑ ﹁尚﹂ の後 で は︑ ス ラと ナ ホと の結 合 が 弱 く ︑ ダ ニは 容易 に スラ に代 る こ と が でき た︒ わ た し は ︑ こ の説 を読 ん で ︑ .始 め て訓 点 語 にお け る ス ラ ・ダ ニの 用 法 を 教 へら れ︑ ﹁尚 ﹂ を め ぐ る両 者 の使 ひ 分 け に 心を 惹 か れ た︒ そ し て ︑古 点本 を播 く 度 に ︑ 注意 し てそ の用 例 を集 める や う に な っ た が ︑今 こ れ を整 理 し て み る と︑ す で に述 べた やう に︑ 博 士 の お説 と は ︑ 幾分 異 な る結果 が 現 は れ た︒ こ のや う な相 違 を 齎 し た 主 な原 因 は ︑博 士 の教 へに従 って ︑ スラ ・ダ ニの 用 法 を︑ ﹁尚﹂ の前 後 に 二分 し た 上︑ 更 に︑ 肯 定 と否 定 と の区 別 を導 入 して ︑ 分 類 を より 詳 し く し た こと にあ る や う で あ る︒ 本 稿 の論旨 を 一層 明 白 にす る た め︑ 博 士 のお 説 に対 し︑ 敢 へて批 評 を試 み させ て 頂 かう と 思 ふ︒ 一︑ ﹁尚 ﹂ の前 に スラ を多 く 用 ゐ る の は事 実 であ る が︑ ﹁尚 ﹂ の 後 に は ダ ニを用 ゐ て スラ を用 ゐな いと いふ のは 誤 り で あ る︒ わ たし の 集 め た例 では ︑ ﹁尚﹂ の後 に用 ゐら れ るも の は︑ スラ 八︑ ダ ニ四 で︑ や はり ス ラが多 い︒ そ れも ︑ ダ ニ が 比 較 的 多 く用 ゐら れ る の は︑ 否 定 の場 合 に限 る の であ り ︑ 肯 定 の場 合 には ︑ 却 って ス ラを 用. ( 東第 要 洋十 大学 二集 紀) に︑西 大寺本不空饗 神思 経寛徳 二年点か. ゐ て ダ ニを 用 ゐ な い傾 向 があ る ︒ 因 に︑ 小 林 芳 規 氏 の ﹁ 古 点 の況字. 続超. ら. 罪 隠 以レ 消 除 す ︒ 呪 や余 の有 情 の身 心 清浄 にし て 此 の 呪 を開 持. ○ 是 (の)如 き 衆 生 ︑斯 の 呪力 に由 て 尚 し現 に軽 受 ( し ) て︑ 重. せむ ( は) 而 も 福 を獲 サ ラ ︹ム︺不 ヤ︒. ( 五 五頁 ) と あ る の は︑ 博 士 のお説 を踏 襲. の例 を引 き ︑ ﹁﹃尚 ﹄﹂字 の 下 に ス ラが 用 ゐ ら れ てお り ︑ 古 用 の ダ ニ と あ る 表 現 に反 す 乃︒﹂. さ れ た た め の誤 解 では な いか ︒ これ は ︑ わ た し の分 類 で は︑ b に属. って ゐ る例 と 見 ら れ る ︒. す る も の で︑ 当 然 スラ が用 ゐら る べき で あり ︑ む し ろ よ く古 用 を 保. 二︑ A の構 文 に お いて は︑ 博 士 の お説 の やう に︑ 意義 上 スラが ダ. ニより 適 切 であ る と 思 は れる が ︑ 否定 の場 合 に限り ︑ ダ ニも ま た 用 ゐ ら れ る可 能 性 が あ った︒. 三︑ A にダ ニの現 はれ る 事 実 を ︑博 士 は ︑ 平安 時 代 に入 って ︑ ダ. ニの使 用 が 増 加 し ︑ ダ ニが ス ラの 意味 を兼 ね る やう に な った 結果 と. 見 ら れ たが ︑ も し さう だ と す れ ば ︑ ダ ニは︑ 肯 定 ・否 定 の区 別 な く. 用 ゐら る べき で あ る︒ しか る に ︑実 際 には ︑ ダ ニは︑ 肯 定 には 殆ど. の推 移 に伴 って︑ ダ ニの意 味 が変 化 し︑ ﹁スラ の 位 置 を 奪 ひ尽 し. 用 ゐら れ ず ︑ 主 と し て否 定 に 用 ゐら れ る傾 向 が あ る︒ これ は ︑時 代. た﹂ た めで は な く︑ む し ろ ︑ ダ ニ本 来 の用 法 と し て︑ 否 定 の場 合 に. 限 り A の中 に 入り 込む こと が で き たと 解 す べき であ る︒ ダ ニの 全用. 例 三十 一︑ そ の内 二十 九 ま で が否 定 であり ︑ 殊 に直 接 原文 の影 響 を. 受 け な いH の十 八例 全 部 が否 定 で あ る こ と に注 意 し た い︒ わ たし. は︑ H に見 ら れ る ス ラ六 ︑ ダ ニ十 八 の開 き が︑ 訓 点 語 以 外 の国 語 に. お ける 両 者 の勢 力 比 を ︑ 比較 的 忠 実 に 示 し て ゐ るも のと考 へ︑ 平 安.
(9) て ゐ な いが )︑ ダ ニが スラ を 圧 し て多 く 用 ゐ ら れ て は ゐ たが ︑ いま. 朝 初期 に あ って は ( 点 本 以 外 の国 語 資 料 は ︑ 実 際 に は殆 ん ど 現 存 し 演. て ︑博 士 の御 指 導 を 仰 い で来 た ︒京 大楽 友 会 館 で ︑ 始 め て博 士 の講. い った︒ 実 際 ︑ わ た し は︑ 京 都 大 学 在学 中 か ら ︑ 二 十 数 年 に亘 っ. し ︑ 懇切 丁 寧 な 御 返事 を頂 いた 時 の こ と︑ ま た ︑朝 鮮 から の帰 途 ︑. を拝 聴 し た時 の こと ︑ 卒 業. だ ス ラ の位 置 を奪 ひ尽 す に到 らず ︑ な ほ用 法 上 の相 違 を保 って ゐ た. 論 文 の作 製 に当 り ︑禁 止 詞 マ ナ の 語 序 に つ いて お 伺 ひ し た の に対. 国 語 資料 と し て の訓 点 の位 置. と 想 像 す る︒. 馬 屋谷 のお 宅 に参 上 し︑ 故 大 矢 透 博 士 から 引 き 継 が れ た資 料 や︑ 博. 四︑ ﹁尚﹂ の前 と 後 と で は︑ ナ ホと スラ の結 合 の 度 合 が 違 ふか ら ︑ ダ ニが 入り 込む の に難 易 の差 が あ ると い ふ のは ︑首 肯 す べき 説. の日 と同 じ 感 激 を も って思 ひ出 す こ と が でき る ので あ る︒ 福 田 良 輔. 取り 扱 ひを ︑ 細 々と お教 へ頂 いた 時 の こと な ど ︑ わ た し は︑ 今 も そ. 士 自ら お 集 め にな った資 料 な ど に つ いて︑ 点 本 の調 べ方 と訓 点 語 の. ). 明 であ り ︑ わ た しも こ れ に従 った ︒. ス. 何 二況 ヤ多有 ラ ムヲ ハ. 五︑ 聖 語 蔵 本 菩 薩 善戒 経 古 点 か ら引 か れ た. これ を記 念 し て本 誌 が特 輯 され る こと に な った 由 で あ る が︑ 博 士 の. 教 授 から のお 手 紙 に よ る と︑ 博 士 は今 年 八十 の賀 を お祝 ひ に なり ︑. ・ 少物 ダ ニ尚 髭 は︑. 御 指 導 を仰 いだ 一人 之 し て︑こ のお め で た い誌 上 に︑拙文 を載 せて 頂. と共 に ダ ニを aに 用 ゐ た注 目 す べ き例 外 であ る ︒ 確 か に 上代. の ダ ニに はな か った 用 法 で︑ ダ ニが スヲ に代 り 始め た こと を示 す も. く こと は︑ ま こと に光栄 であ り ︑ 無 上 の喜 び であ る ︒山 陰 の水 都 よ. も ので あ る︒. 島根 大学 教 授. 昭 和 三 十 四 年十 一月 十 五 日記. 初期 の訓 点語 に伝 へら れ た 上代 の文 法﹂ の 一部 を詳 説 し た. で 開 か れ た国 語 学 会 中国 四国 大 会 で 行 った講 演 ︑ ﹁平安 朝. 二︑ 本 稿 は ︑昭 和 三 十 三 年十 一月 二十 三 日︑ 広 島 大 学文 学 部. が 行 数 を示 す ︒. ほ ︑ 用例 の出 典 を示 す 分 数 は︑ 分 子 が料 紙 の枚 数 を ︑分 母. を ( ) で包 ん で表 は し︑ 反 点も 後 世 の形 式 に改 め た︒ な. 実 字 は平 仮 名 の右 に傍 線 を 引 き ︑ 私意 によ る 補 読 は平 仮 名. 行 の活 字 体 に改 め︑ ヲ コト 点 は平 仮 名 ︑ 仮 名訓 は片 仮 名 ︑. 付 記 一︑ 本 稿 で点 本 を引 用 す る場合 に は︑ 本 文 の文 字 はす べて 現. て︑ この 稿 を了 る︒. り ︑ 遙 か に︑ 博 士 の御 健 在 を お祈 り し ︑変 ら ざ る 御 指導 を お願 ひ し. の で あら う か ︒ た だ し ︑ 博 士 自身 ︑ ダ ニを ﹁尚﹂ の前 に用 ゐ た例 の. ●. 中 に 加 へて ゐら れ な い のは 不審 であ る︒ 初 に 記 し た やう に︑ 平 安 朝 初期 の訓 点 語 と い っても ︑ 本 稿 で 取り 扱 った も のは そ の 一部 に過 ぎ ず ︑ 調査 す べく し て 調 査 で き な か っ た資 料 も 少 く な い︒ 殊 に︑ 正 倉 院 関係 のも のは 全 く 未 見 で あ る か ら ︑ そ の中 にど ん な例 外 が 潜 ん で ゐ るか 分 ら な い︒ しか し ︑ 目 下 の と こ ろ︑ ど う にも なら な い こと な の で︑ わ たし は わ た し なり に︑ 可 能 な 範 囲 で 用 例 を 集 め る他 な か った︒ そ れ にも 拘 らず ︑ 本 稿 が ︑訓 点語 の ス ラ ・ダ ニの 用 法 を明 ら か にす る た め に︑ 少 し でも 役 立 つと こ ろ があ ると す れ ば︑ そ れ は︑ 偏 へに博 士 のお 説 に よ って 啓発 さ れ た賜 であ る︒ わ た し は︑ 先 に︑春 日博 士 の ﹁古 訓 点 の研 究 ﹂ の書 評 を書 か せて 頂 いた折 ︑ ﹁博 士 に と って は︑ 出 席 簿 に載 ら ざ る 学 生 であ る︒ ﹂ と.
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