ホルスタイン種去勢雄牛の脂肪組織の相対成長
その他(別言語等)
のタイトル
Allometry of adipose tissues on holstein steers
著者 寺脇 良悟, 岡田 光男
雑誌名 帯広畜産大学学術研究報告. 第I部
巻 14
号 4
ページ 345‑349
発行年 1986‑06‑25
URL http://id.nii.ac.jp/1588/00002102/
笛大研軋14(1986)=345〜3姐 345
ホルスタイン種去勢雄牛の月旨肪組織の相対成長
寺脇良悟*・岡臼]光男**
(受理:19鮎年11月26日)
Alユometry ofadiposetissues on HoIstein steers Yo5hinorlTERAWAKt*and Mitsuo oKADA榊
摘 要
 ̄連の育成・肥育試験で用いたホルスタイン種去勢ヰ74頗の体各部の脂肪組織に関する成長 を,総分離脂肪垂および枝肉脂肪垂を相対成良式の裏革にとり,得られた相対成長係数によっ て検討しトまた,黒毛和種去勢牛に関する報告と比較検討した。、絵分離脂肪垂に対する各部位 別分離脂肪垂の相対成長倒酎ま,腸間膜脂肪と胃付着脂肪において劣成長を.皮下・新聞脂肪 においては等成長を,また,網膜脂肪において慢成長を示した。腎臓・陰のう・内もも脂肪の 線分離脂肪に対する相対成長は変移点雇有し,前判ま高い優成長を,後半ははぼ等成長を示し た0筋内脂肪の総分離脂肪動こ対する相対成長も変移点を斉し,前半は非常に低い劣成長を,
後半は非常に高い慢成長彦示した。枝肉脂肪量に対する部分肉分離脂肪看の相対成長係数は,
カタバラ,ウデ,ヒレおよびモモに関して劣成長を示し.ネック,カタロース,リブロース,
サ▼ロインおよぴトキパラにおいて僚成長を示Lた。本研究における部分肉分離脂肪の栂対成 長係数を黒毛和樺去勢牛のそれと比較すると,前躯では大きく,躯幹部分では小さいことが明
らかとなった。
枝肉脂肪はさらにそれらが形成される部位により皮 下,内面,筋問および筋内脂肪に分けられ.食肉生席
上功罪両面の性格をもち.それぞれ複雑な役割春満じ ている。例えば,皮下脂肪や内面脂肪は冷蔵中枝肉の 乾燥防止や雑菌繁殖抑制に重要な役割を演じ.また.
筋間脂肪は蔵内脂肪と関連し,保存性および食味惟改 善に功献している。しかし,その反面,これら脂肪の 星は枝肉の正肉歩留あるいは訪三内生産量に影哲L,過
緒
高栄養で飼養される肥育牛はエネルギーの貯蔵組織
として特に脂頗凝儒がよく発達すを。草体耽脂肪組織 は,それが発蓮する部位により腹腔脂肪と蔵内脂肪に
大きく分けられるが,肥育の目的からは利用価値の乏 しい腹腔脂肪の発達は好まLくなく,枝肉脂肪の発達 が好まLい。
* 帯広畜産大学肉畜増額学研究室
相 帯浸こ畜産大学内番肥育学研究室
* LaboratoryofMeatAnimalReproduction・ObihiroUniversityorAgrieulture且ndVeterinary Medicine,Obihiro,Japan.080
柏 Laboratory c>fMeat AnimalProduction・Obihiro UTliveT8ity of Agricu加re and Veterinary m・1ediclne,()l)jlliro,Japan.080.
−35
寺勒良悟・岡田光男
a畑
剰な脂防の存在はそれだけ正肉歩留香悪化させ.赤肉 埋産塁を少なくする、ので敬遠される。さらに,近年に おいて,肥育過樟で過剰な脂肪を蓄積させることはそ
れだけ肥育効率を悪化させ仁生慮コストを上昇させる
ことにもなるので.この融からも問題視されるに至っ ている。
このような特性をもつ脂肪経線は.品種や性によっ てもその発達の様相や分布,分配が異屯り,また,同 一品乳性であっても,筋肉や骨組鰍こ比較して飼名
乗件の影響を磨く受ける性質をもっていることが成書
によって詳解され,また,経験的にも知られている しかし,近年広く普及を見ているかレスタイン頑去勢
雄肥育牛において,その体脂肪がどのような成島をた どるものか明らかにはされていない。そこで,水研究
‡享,ホルスタイン愕去勢雄特におげる体各部の謄勝越
織の榛相を知るために実施したも鱒である。
材料および方法
農水省草地誠験頓において一連の育成■肥育試験に
用いたホルスタイン種去勢牛74頑を供試し,と殺胞体 時に内儀脂肪を採取Lた。内臓脂防は,腸間膜膳防,
約腱脂肪㊨よび胃付着脂肪に分萌し計盈した。枝肉脂 肪は,腎臓・陰のう・内もも脂肪詔よび皮下脂肪と筋
聞脂肪を一括した皮下・筋聞脂肪とした。これらの脂 肪組鰍ま,24時間放玲後の枝肉から採取した。なお,
皮下一筋聞脂肪は枝肉を部分肉廠引規格1〉に基づいて 分割し,各ブロックこ■とに採成した。そのため,皮下
・新聞脂肪には,胸腔,腹腔および骨盤腔七どに付着 する内面脂肪も含まれた。なお,筋内脂肪は枝肉の前,
中および後解の代表的な3種の筋肉,づまり,ヒ腕3
亜軌胸最長添および半腱様前の租脂肪割合と分離し た筋肉重量から推定した
これらの各階肪相磯の成長牒瀬惚 アロメトリー式
を用いて.総分離脂肪電あるいは枝肉脂肪垂に対する
相対成昆係数を比較することによって検討した。さら に,成長の様相が単相であるか.あるいは,二楷であ
るかの検討は後席ら21の方法により行ったb
結果および考寮
体重ぶよび各部位の分離脂肪垂に関する乎均値,礫 準偏差,変動係乱暴大儀および最小値を表1に示L た。例式年のヰ均体重は,4兼.2主唱であったd また,
その最大値および最小値∈ま,それぞれ82鈍gおよぴ 114kgであった。各部位の分離脂肪垂に関する平均値 の合計塁は1g3.1kgであり.平均体重の約28妬であ ったe各部位の分拷闘巨防垂を内臓脂肪,枝肉脂肪寿よ び蔵内脂肪にまとめると,総労組脂肪垂忙対する割合 は,それぞれ22.1軌73.9廊およぴ4.0%であった。
各部位の分離脂肪茎に関する変動節線は,体重に関 する値と比較して,非常に大きい値であった。これは.
体恵と比べ,分鮭脂肪垂が個体周で大きく変動する乙 とを示唆した。
表2には,各測定値間の相関係数を示した。すべて の測定値間で高い止の相関係数が推定された .内聴脂 Tablel.Mea一日㍉$tandard d糾iati(〉nS,COefriei即1tS Of var主atit)Tl,ma血n111n
andmi11im11mOfb由dy wei紳t(kg)arld par・titionalseparablef乱t
Ⅳeighね(kg)わr74e叩erimenta】5ねer土i・
Mea−1S_D.a C.Ⅴ.も Maxim11m MiniTnum 34.1 826.0
72.3 24.2 81.8 24.3
7三‡.2 4n.9
73.6 ヰ4.0 47.1 164.2 102.0 22.7 Bodyweigh㌣
Mesentモriaratweight Omerltumfatweight
Slユゴacefatw8ightorナum8n
Xi〔iney,COdandchan−1elねtwei紳t旨
SllbcutaneロuBandintermu8仁ul紐rf包もWeiが1tSd lTltraml】SCularratweighte
438.2 149.4 8.3 6.0 6.6 5.4 12.3 9.0 ユ4,4 10.6 76.6 36.1 4.9 5.0
114.0 0.6 0.2 8.8 0.3 1∴ナ l11 且;S蕾aⅢユard deviatiロn.
b;Coe錯iei珊t of variatio町.
c;且t畠1aⅦgh七色r arter fasti一昭.
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e;Eざtim紬drrom meanra栂ofcrude r如and mtlSCleweightsfor〜1.tricepsbraccbi・
M.lolTgissimllS th(〕raCi葛and M_Semitediれ0畠uS
−36 、
脂肪組織の相対成長 347
Table2.Simple¢OrrelatioJICOefficient血ath訂forbody weight8nd partitiona15eparable fat weigbt.
(1)(2)(3)(4)(5)(β)(刀 (8) 柑)
Bodyweightユ
Tot乱1separablefatweight Carcas5一札tWeightb Totai8eparablef且tWeightitl abdomen
lntramlユ写mlarfaいVeigbtd Ome11tu∫nratWeight SurfacefaもWeighto†rumen Mesellteriaf且tWeight
Subcutaneousa11dinterm11SCulare ratlVeights
Kidney,COd and channeユf8t l材eights
(1)