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生活期の 環境適応の評価と治療

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Academic year: 2021

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(1)

生活期の

環境適応の評価と治療

訪問看護ステーションいこいの森 射場賢 同志社山手病院 河本修一

畷生会脳神経外科病院 難波聡

2021/1/20

(2)

前回までの振り返り

 第1回 環境適応の神経生理学的背景と評価

環境を認識していくための感覚モダリティなどを 神経生理学的に解説

 第2回 ベッドサイドの環境適応の評価と治療

急性期段階において、環境適応をどのように考えるのか、

離床への繋げ方について提案

 第3回 動作と環境適応

回復期段階において、環境と身体機能の関係性を評価・

考察していくことで効率的な動作の獲得へ繋げる提案

(3)

より良い生活のための概念:ICF

生活期では 活動・参加が注 目されているが、

課題遂行や環境 設定になりがち

(4)

生活期では環境設定も重要です。しかし…

 手すりの位置や段差解消などは必要

しかし根本的な解決には至らないし、環境が 変わると似たような問題に直面する可能性 もある(外出先など)

環境が変わっても適応できるようになることが重要!

(5)

環境適応の概念

個体の行動における適応性(前回の講義より)

誕生から死までの時間で、常に新しい環境・

状況に直面し適切に行動する

調和的環境を作る

生命システムが置かれた環境と調和的な空間 関係を作る

(シリーズ 移動知 第1、3巻 : 移動知、環境適応)

(6)

課題に対する姿勢コントロール

姿勢制御戦略・姿勢調整

ADL (機能的課題・運動課題)

姿勢制御 四肢の活動

(リーチ、歩行の1歩、階段昇降等) 姿勢の安定性・オリエンテーション

予測的姿勢調整 反応的戦略

(7)

アフォーダンス

アフォーダンスは、環境に実在する人間(動物)がその 生活する環境を探索することによって獲得することが

できる意味や価値である

個人によってその意味・価値の捉え方は異なる (個人の身体機能、経験、価値観などによる)

(アメリカの知覚心理学者ジェームズ・J・ギブソンによる造語)

(8)

アフォーダンスと姿勢制御

前庭皮質

身体図式:空間における身体の姿勢 (垂直性)や身体各部位の

表象・認知機能

⇒頭頂-前庭皮質が生成

前庭皮質は体制感覚、視覚、

平行感覚などが収束する領域

⇒ 前庭感覚は重力を参照しているた め、他の感覚よりも感覚信号として の絶対性に勝っている

(歩行の安全性に関わる神経生理機構 高草木薫)

(9)

アフォーダンスと姿勢制御 2

運動プログラムの生成

・身体図式の情報や周囲の空間 認知情報は、皮質運動関連領野

(特に6野)に伝達されて運動プ ログラムを生成する情報として 用いられる

・頭頂-側頭連合野で生成される 認知情報は海馬を経由し内側側 頭葉に伝達され、運動の誘導に 利用される

(歩行の安全性に関わる神経生理機構 高草木薫)

(10)

アフォーダンスと姿勢制御 3

運動ループの活動

運動プログラムの生成には 補足運動野と運動前野など6 野と大脳基底核や小脳との ネットワークの活動が必要 運動プログラムは目的とす る運動とこれを支える姿勢 制御のプログラムから構成 される

(歩行の安全性に関わる神経生理機構 高草木薫)

(11)

2つの視覚経路

・背側視覚経路は、物体 の位置、奥行き情報など を処理する「空間視

(Where)」の経路

・腹側視覚経路は主とし て色や形の情報を処理し、

形や色の二次元情報から その物体を同定する「物 体視(What)」の経路

(Kandel ER, Schwartz JH, TM.

Princeples of neural science NY:

McGraw-Hill, 2000)

(12)

自己を定位する視覚情報

視覚情報のさまざまな変化は、姿勢や運動を知 覚するための大きな手掛かりとなる

1. 肌理(きめ)の勾配 2. 光学的流動

3. 運動視差

4. 不変項

(13)

肌理(きめ)の勾配

視空間を構成する肌 理を持つ面は、網膜 像は二次元であって も三次元性について の豊富な情報を持っ ている

(福田忠彦:感覚の生理と心理ー 奥行き知覚と立体視.

KEIO Univ, 2006)

(14)

光学的流動

知覚者の移動を特定する光学的変形:

光学的変形は、環境がどのような所であるのかについてと同時に、それを 観察している者の行為も特定している

(佐々木正人:アフォーダンス入門ー知性はどこに生まれるか 講談社学術文庫, P99-103, 2009)

(15)

運動視差

(福田忠彦:感覚の生理と心理-奥行き知覚と立体視、KEIO Univ. 2006)

(16)

不変項

様々な角度にあるドアを見る時、その形状が台形に見えるにも関わらず、ドアは 長方形であると見ている

(福田忠彦:感覚の生理と心理-図形知覚、KEIO Univ. 2006)

(17)

脳卒中患者の姿勢コントロールと視覚

 多くの脳卒中患者は、発症初期から姿勢や運動の コントロールにおいて混乱を示し、次第に脳卒中 患者特有の定型的なパターンとして固定化する

 この混乱状態は、視覚情報の処理過程にも重大な 影響を与えるとともに、不適応反応が持続する一因 にもなると考えられる

(柏木正好:環境適応-中枢神経系障害へのアプローチ 第2版 青海社, P131, 2007)

(18)

治療介入前

姿勢制御が 不十分な状 態から開始

非麻痺側 の引き動 作が強く、

努力的

(19)

治療介入後

姿勢制御が ある程度で きている状 態から開始

麻痺側下 肢の支持 も良く、

自然な昇 段へ

(20)

治療介入前後の視環境

姿勢制御 が出来て いないと 足元しか 見えない

姿勢が変 化すると 視環境が 変化する

介入前 介入後

(21)

全てが同時に情報になる

(高橋栄子:第26回活動分析研究大会 特別講演抄録、P.46)

(22)

視環境に向けた適応

 対象との距離を可能な限り縮める

 対象を正面に捉える

 対象を十分に観察する(対象と周囲との関係の探索)

 リーチアウトに引き続く対象操作に即した構えを作る

 下肢が支持する要素を伴ったリーチへ導く

(柏木正好:環境適応 第10回活動分析研究大会特別講義抄録より引用、一部加筆)

(23)

まとめ

生活期では環境設定も重要であるが、あらゆる 環境に適応できるようになることが重要である

課題に対して安定した姿勢を保持できるように なることは、ADLを改善していく基盤になる

その安定した姿勢保持により視覚が変化し、姿

勢コントロールを背景とした目的的な活動とし

ていくべきである

参照

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