角形鋼管横補強RC柱の耐震性能評価法に関する研究 [ PDF
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(2) 1.5. < 1.0 の場合. Vexp. Bjt pw fyt. Bjt pw f yt. ν c,test = 0.96 - 0.01 fc' R=0.49. 1. Vexp ν c, test = Bj f ' / 2 t c. Bjt pw fyt. Vexp. < 1.0. (3). ν c, test =. 0.5. 0 20. 30. 40. 50. 0 20. 60. 30. Concrete strength fc' (MPa). Vexp − Bjt pw fyt (1 − ( D / jt ) tan θ ) BDfc ' tan θ / 2. ν c,test = 0.91 - 0.008 fc' R=0.60. 1. 0.5. ≥ 1.0 の場合. ≥ 1.0. νc,test. Bjt pw fyt. 1.5. Vexp. νc,test. Vexp. 40. 50. 60. Concrete strength fc' (MPa). 図 -1 コンクリート強度有効係数の逆算結果. (4). . 50. せん断破壊した試験体 58 体について、上記の逆算式. 益尾式. 40. による結果をそれぞれの場合について図 -1 に示す.実. CEB式. 30. νcfc' (MPa). 験結果に回帰分析を施して得られた近似式間に若干の差 は見られるものの、 有異差とは認められないので単一の 式で表現することが可能であることが分かる. したがっ. 学会指針式. 20. て、全ての実験データに回帰分析を施し、その結果以下. ν c2 ν c1. 10. の式を得た.なお、式(5)は学会指針 A 式と同様の形 式で、式(6)式は指数関数の形で表現した.. 0. ν c1 = 0.93 − fc ' / 108. (5). ν c 2 = exp( − fc ' / 65) . (6). 0. 20. 80. 100. 図 -2 コンクリート圧縮強度と有効係数との関係 . 2. び既往のコンクリート強度有効係数算定式である学会指 針 A 式、益尾式 2.36)、CEB 式の比較を示す.益尾式を除. ンクリートには適用できないことが分かる.したがっ て、以下では式(6)により考察を行う.. 1. 0.5. 0. 2. νc,test/exp(-fc'/65)=1.25(1.18-D/568) R=0.52. 1.5. νc/exp(-fc'/65). 1.5. νc/exp(-fc'/65). 囲内ではあまり差は見られないが、式(5)は高強度コ. 60. Concrete strength fc' (MPa). 図 -2に、逆算により得られた結果と、式(5) 、 (6)及. く各算定式は逆算結果の平均値を評価しており、 実験範. 40. 1. 0.5. 0. 0.2. 0.4. 0.6. 0.8. 0 100. Axial load ratio n. 図 -3 に、実験結果を式(6)で除したものと軸力比、. 150. 200. 250. 300. Depth of column D (mm). 柱断面寸法との関係を示す. 軸力比に関しては明確な相. 図 -3 有効係数と軸力比、柱断面寸法との関係. 関関係は見られないものの、 柱断面寸法に関しては図に. . 示すような相関関係が得られたので、回帰分析を施し、 ν c = 1.25(1.18 − D / 568) ⋅ exp( − fc ' / 65). (7). 図 -4に式(1)及び式(7)によるせん断耐力式の精度 の検証結果を示す. 提案式を用いて計算した結果は平均 値1.01、標準偏差0.17と比較的精度良く実験値を評価し ている. 図 -5 及び表 -2に全ての試験体について、崎野・孫曲 げ耐力式と修正大野・荒川式及び提案式を用いたせん断 耐力式の組み合わせによるせん断耐力算定値と実験値の. 800 Experimental value Vexp (kN). 式(6)と組み合わせて以下の式(7)を提案式とする.. +20%. □ normal ■ double confined. -20%. 600. 400 Proposed 200. 0. Data : 58 Mean value : 1.01 Std.deviation : 0.17. 0. 200. 400. 600. 800. Calculated value Vcal (kN). 比較を示す.図 -5 と表 -2 より、崎野・孫曲げ耐力式と. 図 -4 せん断耐力の実験値と計算値の比較. 提案式の組み合わせによる耐力算定法により、 鋼管横補. . 強 RC 柱の耐力及び破壊形式の推定が、修正大野・荒川 式との組み合わせによる耐力算定法と同程度の精度で行. 52-2. 350.
(3) 2. 2. □ flexural ■ shear. Vf : Sakino-Sun Vs : Arakawa. . 1.5 V exp/Vf. 1. 0.5. 試験体数 平均値 標準偏差 修正大野・荒川式 125 1.06 0.15 せん断耐力提案式 125 0.98 0.14 Nfs : せん断破壊領域に存在する曲げ破壊試験体 Nsf : 曲げ破壊領域に存在するせん断破壊試験体. 1. 0.5. 0. 0.5. 1. 1.5. 2. 2.5. 0. 3. 最大値 1.42 1.43. 0.4 0. 0.5. V s/Vf. 1. 1.5. 2. 2.5. 最小値 0.65 0.52. Nfs 27 15. Nsf 0 6. +30%. Sugano. 3. V s/Vf. Experimental value αy. V exp/Vf. 1.5. 0. 表 -2 Vexp/Vu(Vu=min { Vfu , Vsu } )の統計. Vf : Sakino-Sun Vs : Proposed. 図 -5 せん断耐力算定値と実験値の比較 えることが分かる. 4. 変形能力の評価法に関する研究. 0.3 -30%. 0.2. 0.1. 本研究では変形能力を表す指標として、 最大耐力時の 0. 部材角を終局変形、水平力 - 部材角関係の第 1サイクル. 0. 0.1. 包絡線における、水平力が 95% まで低下した点の部材. 0.2. 0.3. 角を限界部材角と定義し評価することを試みる.. 図 -6 菅野式による剛性低下率の評価. RC部材の終局変形の算定には菅野式2.24)による剛性低. . 下率が使用される.しかし、この式は普通強度材料を使. 0.3. 用したRC梁部材の実験結果から得られた実験式である. 0.25. 0.25 0.2. αy,exp. そこで、まず菅野式の鋼管横補強 RC柱への適用性につ. 0.3 y=-0.011+0.0796x R=0.623. 0.2. αy,exp. ため、鋼管横補強 RC 柱への適用性には疑問が生じる.. 0.15. 0.15. 0.1. 0.1. いて検証する.図-6に全ての試験体について、菅野式の. 0.05. 0.05. 鋼管横補強 RC 柱への適用性について示す.ここで、鋼. 0. 1. 1.5. 管横補強RC柱の初期剛性はせん断剛性を考慮した以下. 0. 2.5. 0. 0.2. 0.4. 0.6. 0.8. 1. 1.2. η0. 図 -7 剛性低下率とせん断スパン比、軸力比の関係 (8). . 0.15 αy,exp-(0.18-0.22a/D+0.087(a/D)2+0.12η 0). . 1 1 + 1 Ks Kf. 2. y=0.043+0.156x R=0.68. a/D. の式(8)により計算している.. Ke =. 0.4. Calculated value αy. K f = 3 ⋅ Ec ⋅ Ie h 3 Ks = Ec ⋅ Ae {2 ⋅κ ⋅ (1 + ν )} ここで、Kf : 曲げ剛性、Ec : コンクリートのヤング係数、 Ie : 鉄筋を考慮した等価断面 2 次モーメント、 h : 柱のクリアスパン長さ、Ks : せん断剛性、. 0.05 0 -0.05 -0.1. Ae : 鉄筋を考慮したコンクリートの等価断面積、. y=0.035-0.177x R=0.51. 0.1. 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. fyt t ⋅ fc ' C. κ : 形状係数(=1.2) 、ν : ポアソン比 図から分かるように、 菅野式による評価は実験値を過. 図 -8 剛性低下率と横補強量の関係. 大評価しており、 このままでは適用できないことが分か. と横補強量との関係について調べた結果、図 -8 に示す. る.そこで、菅野式のパラメータである主筋比 pt、せん 断スパン比 a/D、軸力比 η0 に関して、実験値との関係を. ような相関関係が得られた. 以上の結果を基に回帰分析. 調べた結果、せん断スパン比と軸力比については図-7に. を行い、試行計算を繰り返した結果、鋼管横補強 RC 柱. 示すような相関関係が得られた. そこでせん断スパン比. の剛性低下率算定式として以下の式(10)を得た.. と軸力比について回帰分析を行い、 試行計算を繰り返し た結果以下の式を得た. 2. α y = 0.18 − 0.22. a a + 0.087 + 0.12η0 D D. a. a. 2. f. t. yt α y = 0.22 − 0.22 D + 0.087 D + 0.12η0 − 0.12 f ' ⋅ C c. (10). 図-9に式(10)を用いて計算した終局変形と実験値の (9) 比較を示す.ここで、終局変形を計算する際、使用する. 次に、実験値から式(9)による計算値を引いたのも. 最大耐力は、曲げ破壊した試験体は崎野・孫曲げ耐力. 52-3.
(4) 0.1. +30%. 0.04 -30%. 0.03 2specimens 0.05-0.06. 0.02 Proposed 0.01 0. Data : 125 Ave. : 1.06 Std. : 0.37. 0. 0.01. 0.02. 0.03. 0.04. +30%. Yasuda Data : 103 Ave. : 0.87 Std. : 0.50. 0.08. Measured value R0.95 (rad). Measured value Rexp (rad). 0.05. -30%. 0.06 1specimen 0.13. 0.04 0.02 0. 0.05. 0. 0.02. 0.04. 0.06. 0.08. 0.1. Calculated value R0.95 (rad). Calculated value Rcal (rad). 図 -9 終局変形の実験値と計算値の比較. 図 -10 安田式による限界部材角の評価. . . 0.08. 式、 せん断破壊した試験体は前節で述べた提案式を用い. y=0.0156+0.054x R=0.51. R0.95,exp. 的精度良く実験値を評価していると言える.. 0.06 R0.95,exp. 0.06. て計算したせん断耐力を使用している.図より、式(10) による計算値は若干のばらつきは見られるものの、 比較. 0.08. y=0.030-0.01x R=0.20. 0.04. 0.02. 0.04. 0.02. 次に限界部材角について考察する. 鋼管横補強柱の既 0. この式 往の限界部材角評価式として安田式3.7)があるが、. 0. 0.2. 0.4. 0.6. 0.8. 1. 0. 1.2. 0. 0.1. Axial load ratio n. を用いて全ての試験体の実験値を評価した結果、図 -10. 0.4. 0.5. 図 -11 限界部材角と軸力比、横補強量の関係. に示すように大幅に過大評価する試験体が数体見られ、. . ばらつきも大きい.そこで、限界部材角に影響を及ぼす. 3. R0.95,exp/(0.11*exp(-1.05n)*(fyt/fc'*t/C)0.57). と考えられる軸力比 n、横補強量について実験値との関 係を調べた結果、図 -11に示すような相関関係が得られ た.そこで、軸力比、横補強量について回帰分析を施し、 試行計算を繰り返した結果以下の式を得た. fyt t R0.95 = 0.085 ⋅ exp( −0.76n) ⋅ ⋅ fc ' C . 0.2 0.3 fyt t ⋅ fc ' C. 0.50. (11). y=0.52+0.44x R=0.49. 2.5 2 1.5 1. Vmu : Sakino-Sun Vsu : Proposed. 0.5 0. 0. 0.5. 1. 1.5. 2. 2.5. 3. V su/Vmu. 次に、実験値を式(11)で除したものと崎野・孫曲げ 耐力式及び式(7)を用いて計算したせん断耐力から得. 図 -12 限界部材角とせん断余裕度の関係. られるせん断余裕度との関係を調べた結果、図 -12に示. +30%. 0.06. Proposed. すような相関関係が得られた. 以上の結果を基に回帰分 Measured value R0.95 (rad). 析を行い、試行計算を繰り返した結果、鋼管横補強 RC 柱の限界部材各評価式として以下の式(12)を得た. 0.52. fyt t Vsu R0.95 = 0.048 + 0.040 ⋅ exp( −0.86n) ⋅ ⋅ (12) Vmu fc ' C . Data : 104 Ave. : 1.06 Std. : 0.28 -30%. 0.04. 0.02. 図 -13に式(12)による計算結果と実験値の比較を示 0. す.図より、式(12)による計算値は実験値を平均1.06、 標準偏差 0.28 と比較的精度良く評価していることが分. 0. 0.02. 0.04. 0.06. Calculated value R0.95 (rad). かる.. 図 -13 限界部材角の実験値と計算値の比較. 5. まとめ 以上の考察より、崎野・孫曲げ耐力式、本論で提案し. わせて用いることにより、鋼管横補強 RC 柱の耐力、破. たコンクリート強度有効係数算定式を用いたせん断耐力. 壊形式、終局変形、限界部材角を比較的精度良く推定で. 理論式、剛性低下率算定式、限界部材角評価式を組み合. きることを示した.* 参考文献はまとめて論文本体に示す.. 52-4.
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