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1 発表要旨
本発表では,現代社会「平和主義」の単元学習を通して,パフォーマンス課題とその評価に関する 研究及び実践を行い,その具体的な方略及び成果を明らかにした。
パフォーマンス課題とその評価に関する教育方法学の理論については,西岡・田中(2015)が提唱 する「逆向き設計論」(本質的な問いを先に設定して,単元計画を立てる)と,田中(2011)の提唱 する「習得学習」(習得場面で,基礎・基本的な知識の定着をはかり,活用場面で習得した知識を活 用させる)を参考にした。
これらの理論は思考力・判断力・表現力等を育む学習モデルとしても有名であるが,それぞれ長所 と短所があるため,これらをハイブリッドに組み合わせることで,より一層「思考深化を促しなが ら,確かな学力を育む」パフォーマンス課題を設定できるのではないかと考えた。具体的には,「思 考深化に向かう基礎的な学習」と,「思考深化をはかる発展的な学習」を位置づけて単元計画を構想 し,前半は講義中心に基礎・基本的な知識の定着をはかり,後半は「9条改正について考える」とい う小論文作成のパフォーマンス課題を設定し,生徒に取り組ませた。また,実践を通してその効果を 質的・量的に測定することで,成果の検討をはかった。
成果としては,生徒のアンケート及び授業後の感想から,思考力・判断力・表現力等の向上が見ら れた。また,生徒のパフォーマンス作品(小論文)をルーブリック(評価基準表)により評価したと ころ,標準的な目標到達レベルを多くの生徒が達成しており,思考力・判断力・表現力を育む実践が できたと考える。
課題としては,適切な単元計画の設定や,思考力・判断力・表現力等を評価する際,複数の教員で 評価表を作成すること,自己評価,相互評価,ルーブリック評価等,多様な評価を組み合わせること の必要性が見出された。
2 発表を終えての所感
報告後,思考力・判断力・表現力等の評価の在り方について意見交換が行われた。本実践では,小 論文に対してルーブリックを設定するというパフォーマンス評価を行ったが,西岡加名恵教授より,
まず予備的な評価表を作り,後に修正を加えることで評価の妥当性が向上できることが指摘された。
今後,修正を繰り返し,妥当な評価を検討していく必要性がある。また,評価自体が目的となってし まわないように,生徒の実態を踏まえた指導改善を行っていくことや,生徒がその評価を踏まえて次 の目標を設定することまでを見据えた指導が必要であることが見出された。