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単元 化学変化と原子 分子 中2 化学分野 ベーキングパウダーに使われるふくらし粉 なぜ膨らむの 炭酸水素ナトリウムを探究せよ ベーキングパウダーの中に含まれる炭酸水素ナ 学 トリウムの化学式から 熱分解した際の物質を 習 予想し 実験で確かめて追求していく 図1 授業展開案 水に電気を流すと発生す

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Academic year: 2021

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思考力・判断力・表現力を育てる探究学習教材及び指導事例の開発と実践

(2年目報告)

実施担当者 福山市立城北中学校 教 諭 久保木 淳士 1. はじめに 昨年度より,生徒の科学的な思考力・判断 力・表現力を高めるために,探究学習(問題解 決学習)の教材開発・指導実践を行ない,それ らを指導事例としてまとめる活動を行ってき た。 本研究では,理科における生徒の思考力・判 断力・表現力を育成するために,理科の授業の 中で探究学習を行うことで生徒にどのような 学力が形成され,思考力・判断力・表現力がつ くかについて研究を行った。 また,その教育効果について現場の教員が実 感を持って理解し,実践を検証・修正できるよ うなシステムの構築を目指して,福山市の教育 研究団体の中での自主研究会「福山理科の会」 として活動を行った。 本年度は,昨年度までの「事例開発」に続き, 「実践」を重点的に位置付け,さらには福山市 内の教員に情報提供を行うことを活動の中心 として行ってきた。 2. 探究学習の定義づけ 新学習指導要領では,理科における改訂の 要点の1つに科学的な思考力,表現力の育成 を図ることを挙げている。「科学的な思考・ 表現」の趣旨は『自然の事物・現象の中に問 題を見出し,目的意識を持って観察・実験な どを行い,事象や結果を分析して解釈し,表 現する』こととなっている。 本研究会では, 探究学習の“仮説・計画→実験→結果・分 析→説明・表現”のプロセスを通して,その ような学習の場面を一単元の中で仕組むと ともに,その中で効果的な評価を行うこと が,科学的な思考力,表現力を育成しく上で 有効ではないか と考えた。 一般的に探究学習とは, ①生徒が問題を見出し,仮説を立て,観察・ 実験を計画する。 ②観察・実験の結果を分析し解釈する。 ③科学的な根拠のもとに説明・表現する。 などの活動で構成した授業1)である。 3. 事例実践への取り組み 本研究会「福山理科の会」は,有志数名による 自主研修会である。模擬授業や実践交流,小笠原 豊氏の講演などで学んだ実践や,村上忠幸教授の 論文,または,普段の授業実践で行ったネタ・コ ツの共有,先輩教師との交流から学ぶなど活動を している。 本年度はとくに,探究学習の「実践」を中心に 行ってきた。 今年度まで,本研究会で開発・実践した探究学 習の授業は,以下である。 (☆は福山理科の会オリジナル授業,★は先行実 践あり)

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単元「化学変化と原子・分子」(中2:化学分野) ① ① ☆ 課 題 ベーキングパウダーに使われるふくらし粉, なぜ膨らむの?~炭酸水素ナトリウムを探究せよ~ 学 習 内 容 ・ベーキングパウダーの中に含まれる炭酸水素ナ トリウムの化学式から,熱分解した際の物質を 予想し,実験で確かめて追求していく。 ※図1(授業展開案) ② ② ☆ 課 題 水に電気を流すと発生する気泡Xの正体を 徹底的に探究せよ。 学 習 内 容 ・気体の泡「気泡X」の正体に着目し,どのよう な実験で調べればよいか考え,実験させる。 ・追究課題の高揚のため,水の化学式に注目させ て,原子モデルで気体を予想させ,追究意欲を 高める。 ※図2(授業展開案) ③ ③ ★ 3) 課 題 探究!?なんでも還元団 ~還元しやすい有機物を探究せよ~ 学 習 内 容 ・数種類の有機物(クッキー,チョコレート,ア メ,かりんとうなど)から酸化銅が還元しやす いのはどれかを実験により追究していく。 図1(授業展開案) 図2(授業展開案) 単元「動物のくらしやなかまと生物の変遷」(中2:生物分野) ① ★ 2) 課 題 胎児の血液循環はどうなっているだろうか? ~考えられる血液の流れを探究せよ~ 学 習 内 容 ・胎盤につながっている胎児は,肺呼吸がないた め,成人の動脈血と静脈血の流れとは異なる。 どのような血液循環になっているか追究させ る。 ※中部大学 准教授 小笠原 豊氏 実践追試 ① ② ☆ 課 題 クジラがほ乳類であることを説明するために, 考えられることを探究していこう 学習 内容 ・骨格に注目させて,クジラがほ乳類であること を追求させる。 図3(授業展開案) 図3(胎児の血液循環を 考える生徒たち) 図4(生徒たちが予 想した血液循環)

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図5(授業展開案) 単元「地球の大気と天気の変化」(中2:地学分野) ① ☆ 課 題 「雲のでき方」をコース別に探究しよう! イ いろいろ大気圧実験コース ロ 露点を調べよう ハ 発生!簡単に雲発生モデル 学 習 内 容 ・雲ができる条件を説明する実験をコース別に探 究し,その後グループを再編成する。その中で, 自分が経験した実験を共有し,雲のでき方を考 察する。 ② ★ 課 題 霧をつくろう!~限られたもので雲と同じ霧 のでき方を探究しよう。 学 習 内 容 ・ケースの中に,ドライアイス,お湯,線香,マ ッチを使って,雲(霧)を発生のさせ方を追求 していく。また,その理由を考えさせ共有して いく。 図4(天気単元 構造図) 単元「電流の性質とその利用」(中2:物理分野) ① ★ 3), 4) 課 題 40Wと 100Wの直列つなぎを 100Vにつなぐと, 40Wの方が明るいのはなぜか? ~電気回路をとことん探究しよう~ 学 習 内 容 ・上記の課題からスタートして生徒自らの「疑 問・予想」をもとに,各自で実験を行い,その 結果をもとに「考察」を行う。5時間計画で行 う。 図6(雲のでき方の大気 圧 実験コー スで探究し ている様子) 図7(霧をつくろうとい う 課題で探 究している 様子) 図7(電気回路を各自で実験し探究している様子)

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図8(電気単元 構造図) 単元「自然と人間」(中3) ① ★ 2) 課 題 密閉した容器の中で生息するには 学 習 内 容 ・密閉した空間で魚が生き続けるための条件を考 え,生命が生きていく上で生産者や消費者,分 解者が自然のバランスを取ることが必要であ ることに気付いたり,生徒自身の今後の生活で 自然保護や環境問題に興味を持たせたりする。 単元「地球と宇宙」(中3:地学分野) ② ☆ 課 題 オーストラリアの月はどう見えるか?モデル を使って探究しよう! 学 習 内 容 ・オーストラリア(南半球)から見た月の満ち欠 けを,日本からみた月の満ち欠けと比較しなが ら,モデル実験を用いて探究していく。 4. 事例実践の成果 本研究の主な対象である本校,中学2年生では, 広島県基礎・基本学習状況調査の問題を用いた検 証を行った。 タイプBを呼ばれる,いわゆる「活用」問題の 正答通過率について,本研究の対象である中学2 年生は,物理・化学・生物・地学の4領域のうち 3領域が,広島県と福山市の生徒の平均よりも, 1領域は広島県より高かった(下表)。 H27 広島県基礎・基本学力状況調査「理科」タイプⅡ 生物 化学 物理 地学 本校 (福山市立城北中) 51.9 60.9 50.0 50.8 広島県 51.5 58.5 43.1 43.2 福山市 53.8 55.4 41.4 41.3 特に,化学分野における「実験結果を分析・解 釈して,結論を導き出す」問題では,広島県平均 通過率が 59.3%に対し,本校生徒は 65.4%であっ た。このことから,本研究の取組により,探究的 に活動の経験が,科学的な知識を活用して考える ための一定の力をつけているものではないかと 推測できる。

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5. 事例の共有化に向けて 本研究会では,定期的に機関紙「Fantastic Science」を発行している。本年度は 2015 年 7 月と 10 月(9 号)発行に発行した。自らの 実践を振り返り新たな実践の創造を目指し, さらには他の 実践につなげ るヒントを共 有することを 目的としてい る。これまで, 市内の理科教 員 10 名程度 が執筆してお り,2016 年 4 月発行で第10 号となる。 6. 学会への参加で先端情報の獲得をめざす 平成27年度日本理科教育学会 全国大会 が8月1日,2日の二日間にわたって,京都 教育大学で行われ,福山理科の会からは2名 の参加をした。 大会では,シンポジウム,課題研究発表や 一般研究発表のほかに,企業展示なども行わ れており,こちらでは2015 第Ⅷ期の機関誌 の先進校視察/大学訪問でも紹介した中部大 学の小笠原豊先生が出展されており,教材の 購入や情報交換を行うことができた。各分科 会会場で理科教育に関する研究成果の発表・ 議論が活発に行われた。 7. まとめ 平成27年度はじめに,広島版「学びの変 革」アクション・プランというものが広島県 教育委員会から提示された。6つの具体的な 施策の中に「課題発見・解決学習の推進」と いうものがある。これは,これからの社会で 活躍するために必要な資質・能力の育成に効 果の高い「能動的な学び」を促進するため, 授業の中で「課題発見・解決学習」を推進す る,ということである。 指導する教師自身,課題発見・解決の経験 をどれだけ持っており,またどれだけの指導 力を備えているのかが,これから求められる 教師像になると考える。 福山理科の会がずっと推し進めている探究 学習は,<課題を発見し,仮説をたて,検証し, 課題の解を探す>授業である。この授業づくり は,最近の流行に乗ったものではなく,多くの 先達の教師達により形成され,主張されてきた。 現在でも,中部大学の小笠原豊先生や村上忠幸 先生(京都教育大学 教授)が中心となり,日 本全国に広げようとしている。 今再び,新しい要求の中で,私たちが目指し ている理科の探究学習づくりを再構築・整理・ 統合していき,未来を担う子どもたちが社会で 生き抜く資質・能力をつけるための授業を創 造したい。また,そのための教師力向上をめ ざして活動をしていきたい。広島県や福山の 子どもたちの科学的な資質・能力の向上のた めにも,努力を絶やさず教師修行を行ってい きたいと再決意し,この研究のまとめとする。 謝辞 本研究会に携わっていただいたすべての人 に感謝をまず述べたい。2年間の研究の中で, 多大な支援と温かなサポートをいただいた中 谷財団の皆様には本当に心から感謝を申し上 げたい。本当にありがとうございました。 参考文献 1) 2010 年 11 月 13 日城東中学校公開研 小笠原豊氏講演資料 2) 『理科の授業の楽しさ実感 mini 探究学 習RECIPES』小笠原豊 著(2014) 3) 『「理科は感動だ!」―子どもが熱中する 理科授業づくり (小森型理科の授業)』小 森栄治 著(2010) 4) 『「理科は感動だ!」―子どもたちを理科 好きに (小森型理科の授業)』小森栄治 著(2008)

参照

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