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博士(獣医学)内田英二 学位論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

     博士(獣医学)内田英二 学位論文題名

     実 験 的 脂 肪 肝 牛 に お け る 血清リポタンパク 質とハプトグ口ビン

学位論文内容の要旨

  高 泌 乳 牛 の 周産 期 に 起 こ る 脂 肪 肝 は 、 代 表 的 な 代 謝 障 害 要 因 の ー っと 言わ れ 、 分 娩 前 の 過肥 、 ス ト レ ス 、 ホ ル モ ン 分 泌 の 不 調 等 が 原 因 と さ れ てい る。

また、肝の脂肪化は、肝におけるトリク.リセリト.(TG)合成およぴ超低密度リポ タ ン パ ク 質 (VLDL) の 合 成 ・ 分 泌 の い ず れ か の 過 程 で 障 害 を 受 け る と 発 生 す る 。 更 に 最 近 、 肝TG量 の 増 加 時 に 血 中 ハ プ ト グ ロ ピ ン が 上 昇 す る こ と が 報告された。

  本 研 究 で は 、ウ シ 脂 肪 肝 の 病 態 解 明 の 一 助 と し て エ チ オ ニ ン 投 与 によ るウ シ 脂 肪 肝 の 実 験モ デ ル を 作 出 し 、 血 液 中 の り ポ タ ン パ ク 質 お よ び ハ プト グ口 ピンの動態に注目し検討した。

1.エチオニン投与によるウシ脂肪肝の作出

  5. 頭 の ホ ル ス タ イ ン 種 の ウ シ に エ チオ ニン 投与 して 脂肪 肝の 誘導 を試 み、

以下の結果を得た。

1) 体 重l kg当 ル エ チ オ ニ ン を25mg、1週 間 隔 で 腹 腔 内 に 投 与 す る と 、 肝T G量は明らかに増加し、脂肪肝の誘導が確認された。

2) 血 中 リ ポ タ ン パ ク 質 の 分 析 で は 、VLDLお よ び 低 密 度 リ ポ タ ン パ ク 質

(LDL) 中 のApoB―100、 お よ び 高 密 度 リ ポ タ ン パ ク 質 (HDL) 中 のApoA―I が 投 与 後 減 少 し た 。ApoB−100の 減 少 とVLDLお よ びLDL中 のTG減 少 は 、 エ チ オニン投与直後には関連が認められた。

3)LDLお よ びHDL中 の コ レ ス テ 口 ― ル と り ン 脂 質 は 投 与 後 に 減 少 し た 。 4)肝TG量 の増 加に 伴っ て、 血清中のAspartate transaminaseヽAlkaline phosー phataseおよびピリルピンの増加が認められた。

5) こ れ ら の 変 化 は 、 野 外 の 自 然発 症 例 と 類 似 し て お り 、 今 回 の 方 法 が ウ シ 脂 肪 肝 を 誘 導 す る 実 験 モ デ ル の ー っ と し て 有 用 で あ る こ と が 示 さ れ た 。

(2)

II. エ チ オ ニ ン 投 与 に よ る ウ シ 血 清 ハ プ ト グ ロ ピ ン の 誘 導   ハプトグロビンをSingle radial immunodiffusion法により測定をしたところ、

エチオニ ン投与により作出した脂肪肝牛全例の血清中にハプトグ口ピンが出 現し、ま た血清コルチゾ―ルの増加が認められ、脂肪肝の発生と関連してい ることが示唆された。

皿 . 周 産 期 に お け る ウ シ 血 清 ApoB− 100濃 度 と ハ プ ト グ ロ ビ ン   同 一 牛舎 の ウシ を5つ の 群 (分 娩 時を0日としてそ の前後の牛 群を1群;

―44日 から −30日 :2群 ; −21日か ら ―9日:3群;O日から1日:4群;7日 か ら14日:5群;28日 から35日)に 分けて、周 産期のハプ トグ口ピン 、Apo B―100およびコルチゾール等の血中動態を検討した。

1)第3群の 血清ハプト グロピンお よびコルチ ゾ―ルは、 その他の群 に比ぺ て有意に高かった。

2)第3群は 、 血清ApoBー100とTGの 減少およ び遊離脂肪 酸の増加が 認めら れた。

3)分 娩時の血 清ハプトグ ロピンの出 現およびApoB−100の減少が 、出産後 の脂肪肝発生と関連していることを示唆した。

  以上本論 文で示した 結果は、自然発症のウシ脂肪肝と類似しており、本実 験モデル の有用性を 示すと同時に、アポリポタンパク質の減少によって肝臓 か らTG分泌 が障害 され、肝TG量 の増加が起 こることを 示唆してい る。また     ●

脂肪肝と 血清ハプト グロビンとの関連性が確認されたので、その診断的有用 性が示唆 された。

(3)

学 位 論 文 審 査 の 要 旨 主査′教授    斉藤昌之 副査   教授    藤田正一 副査   教授    藤永   徹

副査   教授    首藤文栄(岩手大学農学部)

学 位 論 文 題 名

     実 験的 脂 肪肝 牛に お ける

血清リポタン ノヾク質とノ\プト グロビン

   高泌乳牛の周産期に起こる脂肪肝は、代表的な代謝障害要因の ーつであり、分娩前の過肥、ストレス、ホルモン分泌の不調等が 原因 となって、肝におけるトリグリセリド(TG) 合成および超低 密 度 リポ タン パ ク質(VLDL) の合成・分泌 の過程が障害を受 け た 結 果 、 肝 に TG が 蓄 積 す る と 考 え ら れ て い る 。    本研究では、ウシ脂肪肝の病態解明の一助として、エチオニン 投与により作出したウシ脂肪肝の実験モデル並びに周産期におけ るりポタンパク質とハプトグロビンの血中動態について検討し、

以下の結果を得た。

1 . 5 頭 のホ ル スタ イン種のウシ にエチオニン(25mg/kg) を1 週

     間隔で腹腔内に投与すると、肝TG 量は明らかに増加し、脂肪

     肝の誘導が確認された。この時、血清の VLDL および低密度

     リ ポタ ンパ ク 質(LDL) 中のApoB ‐100 と TG 、 並びに高密度

     リ ポタ ンパ ク 質(HDL) 中の ApoA‑I の 減少 がみ ら れた。 更

     に 、LDL 網 よび HDL 中のコ レステロールとりン 脂質の減少

(4)

    jp 、血清Aspartate transaminase ,Alkaline phosphatase および      ビ リルビ ンの増加が認められた。また、血清ハプトグロビン      は 、エチ オニン投与前にはほとんど検出されなかったが投与      後仝例で出現し、これが血清コルチゾールの増加と I 蝴述して      い ること が示唆された。これらの変化は、野外の自然発症例      と 類似し ており、今回の方法がウシ脂肪肝を誘導する実験モ      デ ル の ー っ と し て 有 用 で あ る こ と が 示 さ れ た 6 2 . 同 一 牛 舎 の ウ シ 42 頭 に つ い て 、 分 娩 前 後 約 70 日 に わ た っ      て、パプトグロビン、 ApoB ‐ 100 およびコルチゾール等の血中      動 態 を 検 討 し た所、 分娩 0 〜 1 日 後に のみ、 血清 ApoB‑100 の      減 少、翁 よびハプトグロピンとコルチゾ―ルの増加が認めら    れ 、 こ れ ら の 変 化が周 産期 の脂肪 肝発 生と関 連し ている こと    が示唆された。

   以 上の ように本論文は、エチオニン投与による実験モデルの有

用性 を示 すと同時に、脂肪肝とアポリポタンパク質、ハプ卜グロ

ビン との 関連性を示唆しており、ウシ脂肪肝の病態解明に貢献す

るも ので ある。よって、審査員一同は、内田英二氏が博士(獣医

学 ) の 学 位 を 受 け る に 十 分 な 資 格 を 有 す る も の と 認 め た 。

参照

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