MonopoleとSU(2) lattice QCDの有限温度相転移
著者 北原 俊一
発行年 1995‑03‑25
URL http://hdl.handle.net/2297/30558
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Monopoleと8ひ(2)1atticeQcDの 有限温度相転移
」ヒ原俊一
平成7年1月
博 士 論 文
Monopoleと3ひ(2)1atticeQcDの
有限温度相転移
金沢大学大学院自然科学研究科 物質科学専攻
物質基礎講座
学籍番号 氏名
主任指導教官名
92−2004 北原俊一 鈴木恒雄
目次
1 Introduction 2 Abehan projection
2.1連続理論でのabe1ian projection..
2.2 Lattice上でのabe1ian projection.
30温度系でのmonopo1e凝縮 4 QCDの有限温度相転移
4.! Maxima1extended monopo1eの期待される役割
4.2 有限温度QCDでのmonopo1e有効作用 4.3Monopo1e1ooPの長さ4.4 Monopo1e currentの分布、.
4.5 Monopo1eのeffective size
4.6 Monopo1e1oopのエントロピーと有限温度相転移 5 Conc1usion and remarks
6 謝辞
A Abe1ian ne1d streng七hの導出 B Dirac量子条件の導出
C Monopo1e densityの自己相関 D有限温度系のmonopo1e有効作用 E Monopo1e1oopの一様性についての補足
2 6
6 9
11
14
15
!5
17 20 20 22
25
2728
3032
33 38Chapter1
Introduction
原子核を構成する核子等、また数々の中問子はクォークと呼ばれるさ らに基本的な粒子から構成されていることが知られている。クォークは グルオンと呼ばれるゲージ粒子を媒介にして、相互作用をしている。そ のクォークとグルオンの世界はQuantum chromodynamics(QcD)と呼 ばれる力学で記述されると考えられている。QGDは正しい理論であると 信じられているが、未だに十分な説明がつけられていない現象が残って
いる。その一つがクォークは未だに単体で観測されたことがないという・いわゆるクォーク閉じ込め問題である。QCDにおいてはクォークは光の 三原色にあたるCo1Or電荷をもっているが、そのクォーク閉じ込め問題
は、Co1Orが無色の状態のものしかこの世の中には出てこないことを意 味している。核子等ならば光の三原色にあたるクォーク三体、中間子な
らば互いに補色にあたる色を持つクォーク二体(クォーク、反クォーク)からなっている。クォークの閉じ込め問題を考える場合、QCDの長距 離の性質を調べる必要がある。しかしながらQCDは長距離での摂動展 開がよいものではなく、その方法での計算は信頼できない。
ところが近年の計算機の発達により、QCDを計算機上でシミュレー
トすることが可能になってきた。もともとQcDは連続な時空上で定義 されているが、その時空点を離散化し、自由度を有限にして定義された
しattice QCDを計算機上に表現する。その計算では結合定数を連続的に変えていくことにより、短距離から長距離の性質まで調べることが可能 である。最終的には離散化された理論を連続極限に近づけていくことが 重要であるが、それにつれて時空点の自由度を増やしていかなくてはな
らず、計算機の速さや有限の記憶容量からくる限界がある。そのような
短所もあるが、多くの意味ある結果がLattice QCDのモンテカルロ法を
用いたシミュレーションから得られている。その結果、温度が0の系で
はクォークは常に閉じ込められていることがわかった。ところが・クォー
クは閉じ込められているという事実は確認できたが、何故そのような閉 じ込めが起こるのかは全く解明されていない。そこで、何故そのような 現象が起こるのか、またその現象のkey(1uantityはどのようなものかに
ついて注目していく。クォークの閉じ込めは、真空が完全 反電性 的に振る舞うことにより
起こると思われている。それとちょうど電荷と磁荷を入れ換えたような 状況が超電導である。超電導では電子対が凝縮を起こし、超電導体は完
全反磁性体となっている。そのなかに磁場が入ったとき、磁束は線状に絞 られる。もし真空がCOl〔)r電荷に対し完全 反電性 として振る舞うとき、クォーター反クォークの間の電場は紐状に絞られる。その紐のエネルギー は長さに比例することから、クォーター反クォークを無限に引き離すため
に無限のエネルギーを必要とすることになる。すなわちクォークは単体 で観測されないことになる。その描像を()GDから引き出すため、我々
はt Hooftにより提唱されたQCDのal)e1ian1)rojectionに注目する[11.QCDのabe1ian I)rojectionとは、W(3)ゲージ対称性のうちその極大
卜一ラス部分群の対称性を残すよう、W(3)/σ(1)2の部分をゲージ固定 するものである。A1)e1ianI)rojectio11した後ではひ(1)2の。hanne1にトポロシカルな量としてエnonopo1eが現れる。よって、abe1ianprojectionさ れたQCDはmonopo1eのあるabe1ianの理論であるとみなすことがで
きる。もしこのmonopo1eがボーズ凝縮を起こせば、電荷を持ったクォー ク、グルオンはdua1なMeissner効果により閉じ込められる。このよう
な描像では、複雑な非可換ゲージ理論であるQCDをより取扱いの簡単 なa1)e1ianの理論とみなすことができ、また超電導との類推が効くこと から直感的にも理解しやすいものとなっている。ところがW(3)ゲージ対称性からσ(1)2の選び方は無限に存在する。
そのため、上の描像を実現するよいゲージを見つけることがまず重要に
なってくる。近年のabe1ian I)rojectionされたQGDのモンテカルロ法に よる研究で、数あるゲージの中でいわゆる1naxi1na11y a1)e1ian(MA)9auge[2,3,41と呼ばれるゲージを採った場合、上の描像を実現していると思わ
れる結果が数多く得られている。そのなかで重要であると思われる結果
を三点あげてみる。一つはabe1ian dominanceと呼ばれる現象である。MA gaugeを採っ
た場合、閉じ込めに関係する量はabe1ianのゲージ場だけでほぽ元のゲージ場を使って得る値、またはその振る舞いをほぽ再現してしまう[4,51.O 温度系のW(2)QCDで、閉じ込めにとっては本質的な量であるクォー
ター反クォーク間の紐の強さ(string tension)はabe1ianのゲージ場だけで
ほぼ再現された。また、QcDは温度をあげていくと相転移を起こし、閉 じ込め相からクォーターグルオンプラズマ相に移行することが知られて いる。その相転移はPo1yakov1oop、ゲージ場のエネルギー密度等、数々
の秩序パラメータで特徴づけられる。その秩序パラメータをabe1ianゲー ジ場だけで書き直してみても、元のゲージ場で書いた量と同様の振る舞いを示すことが発見された。abe1ianのゲージ場で書いた量は元のゲージ場
で書いた量に比べて、相転移点前後でより明確に変化するように見えた。さらに興味あることに、それらのa.1)e1ia−nのゲージ場で計算される string te1〕siollとPo!yakov1oo1)はln(〕no1)o1eとphot(〕nの寄与に分離 することができる。String tensionはWi1s(〕n1oopから計算されるが、
Wilson lo(〕Pはm(〕no1)o1eとphotonの寄与の積の形で書くことができ、
それぞれのWi1son1oopへの寄与からstring tensionを計算するのであ る。その結果は、string tensionはmonopo1eの寄与が支配的でphoton
の寄与はほとんどないことがわかった。Po1yakov1oopも同様にmono1)o1eとphotonの寄与の積で書くことができ、両者の振る舞いを比較する。こ の場合も秩序パラメータとしての振る舞いはmOnOpO1eからくることが わかり、Photonはほぼ定数としての寄与しかしていないことが明らかに
なった。
更に第三番目としてal)e1ianの有効作用に関する成果がある。・一番目 のal)e1ian dominanceに関する結果はQGD1agrangianから非対角要素の グルオンを積分した後のa1)e1ianの有効作用の存在を示唆する。Al)e1ian の有効作用として、al)e1ian1ink丘e1(1の1oop ol)eratorのあるセットを仮
定し、その結合定数を求める方法がまず試みられたが、局所的な作用に
はならなかった[41。ところが、1attice上でdua1変換した後のmonopo1e Currentで書かれた作用を求めると、それは局所的に求められた。その
作用はextended mono1)ole[!71に対しても同様に局所的に求められた。さらにその作用は、ある物理的な長さのみに依存していて、結合定数と monopoleのexten(lednessには依存していなかった。もしこのことが系 を連続極限に近づけていったときにも正しいとすると、その作用は連続 極限での作用になっていると考えられる。その作用を用いて連続極限で
のmonopo1eのエネルギー、エントロピーを議論することができ、QCD(5σ(2))は1attice sizeが無限大のとき、すべての結合定数βでmonopo1e 凝縮相であることが示された。
これらの結果はmonopo1e凝縮による(lua1Meissner効果がクォーク 閉じ込め機構の本質であることを強く示唆する。それでは、QCDの有限 温度相転移はmonopo旦e凝縮の観点からどのように説明されるであろう か。0温度系での結果からmonopo1eのエネルギー、エントロピーの議論
4
で相転移温度が理解されるのではないだろうか。このことがこの論文の 主要な論点である。有限温度系の場合でも、mOnOI)o1eは閉じ込めに関
して重要な役割を果たしていることは、string tensionのmonopo1eの
寄与からの再現性、Po1yakov1oopへのmonopo1eの支配的な寄与という
結果からほぼ疑いのないことであり、そのことはmonopo1eのdynamics
が有限温度の相転移を決めていることを強く示唆する。Chapter2
Abe1ian projection
2.1 連続理論でのabe1ian prOjection
QCDのal)e1ian1)roje(rtionとは次のような特別なゲージ固定を行う ことである。まず w(3)ゲージ変換
λ、(二、、)→λ、(、、)一γ( )λ、(二。)γ1(二。)一三∂、γ(小1(。)(・.1)
9
ψ(lr) → ψ( )=γ(z)ψ(1τ:) (2.2)
で自明でない変換をする。perator X( )を選ぶ。Abe1ian I)rojectionとは ゲージ固定する行列γ( )をx(z)が対角になるように選ぶことである。
小)一郎)一 i∵州∴)・ (2.3)
γ( )は左からさらに対角な行列d(z)を掛けることによって完全に決め
られる。
州一 i∵))伽川∴川)
3
∈〃(3),Σψ)=0. (2.4)
{=1
ここで{伽)}はlW(3)の極大卜一ラス部分群である。d(π)をγ( )に 掛けてもゲージ条件(2.3)は不変であり、a(z)はゲージ対称性を部分的
6
(lW(3)/(σ(⊥)×ひ(1)))に固定することにより残ったひ(!)×ひ(!)のゲー
ジ対称性である。
この残ったゲージ対称性を固定せずに、この段階でQCDを見てみる。
まず、a1)e1ian l)rojectioI1されたあとの場の変数が、勝手なW(3)変換 w(π:)でどのように変換されるか調べてみる。x( )は場の変数の氾関数 でありw(λ1)で変換するため、γ(lr)は自明でない変換をする。ここで γ(lr)の形を、そのex1)onentの対角成分が0になるようにとる。
州一 Cダ)・ (2.5)
そうすることは、残ったσ(1)×ひ(1)のゲージ対称性を使えば常に可能 である。一/(π)は変換w(;r)の下で
ド(111)∴γw(1・)=4w(;τ)γ(:ll)W†(;τ). (2.6)
のように変換する。このいγ(;ll)はabe1ianエ)rOjeCtiO11された後のX(二1:)
を対角にする。cZw(二じ)はγ (;c)を決められた形(2.5)にするために必要 である。さらにal)e1ianprojectionされた後のゲージ場ん(z)は、W( ) の変換で
λ、(二工1)ム小)一〜λ、(。)・・1(。)一三∂、・・(ψ・1(。)(・.・)
9
のような変換をする。Abe1ian projectionされた後のゲージ場λμ( )は対 角行列aw(z)でしか変換されないことがわかる。さらに(2.7)の最後の項 は対角成分のみで構成されていることから、{、( )の対角成分は1)hoton のような変換を受けることがわかる。ん(lC)の非対角成分はmatterのよ
うな変換を受ける。クォーク場はw( )の変換で
φ(・)ムψw(・)=dw(・)φ(π) (2.8)
のような変換をうけ、ψ(z)も対角行列 ( )でしか変換しないことがわ
かる。ここで重要なことは舳∫r:)φミ(∫エ:)どぶ( )φ2( )φ3(κ)の形は電荷が
0であり、そのことはあらゆるW(3)変換W(lc)で不変であることを意
味する。つまり、al)e1ian I)rOjeCtionした後ではal)e1ian Chargeの閉じ込 めを言正明すればCO1Or閉じ込めを証明したことになる。
さらにabe1ian1)rojectionにおいて興味深いこととして、al)e1ian1)ro−
jeCtionした後のal)e1ianのChanne1にmOnoI)o1eがトポロシカルな量と
ここでd2σ{は面積要素、ηはある整数である。ηは球面(2.!1)と三次元球
()の球面∂ΩのmapPingに関するトポロシカルな数である(A1)1)endix B)。
この式はDiracの量子条件を表しており、9、、、は磁荷とみなすことができ る。Monopo1e current(2,!3)はε一tensorのためトポロシカルに保存する。
∂μ々μ(刈二〇. (2.16)
以上のことにより、al)e1ian1)rojectio11されたQCDはmono1)o1eをもつ al)e1ianの理論とみなすことができることが明らかになった。ラtHooft[11
はここで現れたmono1)o1eが凝縮を起こせば、(lua1なMeissner効果で
al)e1ianの電荷が閉じ込められると考えた。またこのとき、abe1ianの電 荷の閉じ込めは同時にCO1Orの閉じ込めを意味する。2.2 Lattice上でのabe1ian projection
この章ではal)e!ian l)rojeCtio1!を1attiCe上で定義する。簡単のため
(2)QCDを取り扱う。Lattice上では連続理論のゲージ場λμ(=c)にあ たるものはリンク変数σ(5,ρ)である。ここで5は1attiCe上の離散的な
点を表す。このリンク変数はゲージ変換γで
σ(3,ρ)=γ(3)σ(5,ρ)γ†(3+ρ), (2.17)
のように変換される。Lattice上でのa1)e1ian projectionは連続理論の時 と同様、ゲージ変換で、ある自明でない変換をする。perator Xを選び、
それを対角化するようにγを決める。このときγは左からイ∈σ(1)を
かける自由度を残している。ゲージ固定が終わった後、abe1ianのリン
ク変数を5σ(2)のリンク変数から以下のように取り出すことができる。〜)一(1;(ll;μ)「1㌃1)ド)
・(∵刈 (・・1・)
二σ(5,ρ)u(5,ρ)。 (2.!9)
u(5,ρ)は対角成分のみから成り立っている。また分解された後のそれぞ
れの量は残ったσ(1)対称性dでそれぞれ
0(・,ρ)↓d(・)0(・,ρ)dl(・) (2.20)
ll(・,ρ)ムd(・)・(・,μ)dl(・十ρ) (2.21)
9
なる変換をする。小,ρ)は1)h(〕tOnのような変換をすることがわかる。
A1)e1ianの月e1(l strengthはP1a(1uette変数
θμレ(5)=θ 、(5)斗0上ノ(5+ρ)一0μ(5+ク)一0レ(5) (2・22)
で定義される。Mono1)o1e currentは三次元の。ubeで定義される[!91.
!
ん!(・)一チ/レ/一∂リη/σ(・・ρ), (2・23)
ここで∂、は1attiCe上の前進微分を表す。lZμレ(5)の定義は以下のような ものである。
θ 、レ(・)=θ 、リ(・)十2πημレ(・),一π<θ 〃(・)≦π・ (2・24)
すなわちημレ(3)はある1)1a(1uetteを貫くDirac stringの数に対応する。
またnlonoI)o1ecurrentは ! 一
ん1(・)一11川σ∂リ0/1(・) (2・25)
と連続理論の場合(2.13)と1同様の形で書くこともできる。また、この monopo1e currentはトポロシカルに保存する。
∂1、んμ=0・ (2・26)
ここで∂二は後進微分である。この保存則のためmonopo1e currentは四次 元1attice上で閉じた1oopを描く。Monopo1e current(2.23)は最も小さ
い。ul)eで定義されていたが、QCDの長距離の性質を調べるため、より
大きい。ubeで定義されるexten(ied monopo1e[171を考えることが重要に なってくる[13,7,15,161.Fig.1は23extended monopo1eを定義するための23cubeを表す。η3extended monopoleを採用することはdua11attice
上で1)1ock sl)in変換を行っていることに対応し[13,!5,161、それにより QCDの長距離での性質を調べることができる。η3exten(led monopo1eを ノVξ×〈いattice上で採用したとき、exten(led monopo1eが動き得る有効 な1a.ttiCeの体積は
(÷)3・(÷) (…)
となり、これを以後renOrmariZe(l1attiCeと呼ぶ。
Chapter3
○温度系でのmonopo1e凝縮
QODのal)e1ian I)rojectiol!では無限のσ(1)(×乙!(!))の抜き出し方が 存在するが、intro(hlcti(〕nでも述べたようにいわゆるmaxima11y abe1iaIl
(MA)9auge[2,3,41はたいへん興味深いゲージであることが明らかに なってきた。MAgaugeでは
X(・)一Σ[σ(・,ρ)σ・σ†(・,ρ)・σ†(・一ρ,ρ)σ・ひ(卜州1(・・1)
μ
を対角化する。1)eratorとして採用する。MA gaugeに固定された後では、
abe1ianゲージ場u(5,ρ)のみからつくられるabe1ianの1oo1)operator
が、閉じ込めに関する本質的な量または現象を再現しているようにみえ
る。また、al)e1ianの1oo1)operatorは王)hotonとmono1)o1eの寄与に分 けることができ、1nOnoI)o1eの物理量への寄与が計算できるようになって
きた。O温度系での解析が最近ShibaとSuzukiにより行われ、興味深い
結果を得た。[13,6,7,8,14,15,161。
まず第一に (2)QCDでmonopo1e currentで書かれるσ(1)有効
作用を得たのである[!3,7,14,151.Mono1)o1e currentは各1attice上のSiteで保存則を満たしていることを考慮すると、相互作用を行っている
monop〔)1e currentの分配関数は一般的に次のように書かれるであろう。lXl
Z:(n Σ )(nδ∂μ、(。),・)・・p(一5固)・ (3・2)
51μんμ(3)=一1刃 5
ここで作用は、カをある相互作用31同の結合定数とし、3固;Σ〃5州
のように書くのが自然であろう〃1は自己エネルギー項Σ、,μ(んμ(3))2の結 合定数であり・∫2はnearest−neighborの結合Σ、,μんμ(5)んμ(5+ρ)の結合 定数・ゐはそれと異なるnearest−neighborの結合Σ、,、≠ひん、(3)后、(3+ρ)の
11
結合定数とする[!3,15]。Shi1)aとSuzuki[13,7−14,151は、Swendsen[201 による系の配置から作用を逆算する方法を、currentの保存則(2.26)が
存在するような系に拡張した。その結果、作用が局所的に決まり、その
作用が1atticeの体積に依らなかったのである。また()○Dの長距離の性 質を調べるためeXtende(l mOnO1)o1eを採用したときも、その有効作用が(SCa1ingregiOnに入っても)同様に決められたのである。その作用は自己 エネルギー項が支配的で、その他の相互作用はmOnOl)O1e Current間の距 離が離れるに従って、急速にその結合定数が小さくなっていた。
有効作用を決めることができたため、mono1)o1e1oo1)のエネルギー、
エントロピーを考えることによりmOnO1)O1eの凝縮が起こっているかどう
か議論することができる。もし、monopo1eのエントロピーがエネルギー
を上回っていたらmono1)o1eの凝縮が起こっていることになる。Com1)act QEDの場合[2!1にmonoI)o1e1ooI)のエントロピーは四次元1attice空間 内でのnon−backtracking random wa1kで評価され、単位長さあたり1n7 と見積もられている。一方、monopo1e1oo1)のエネルギーも次のように評 価される。MonoI)o1ec/lrrentは1oo1)長工が長いとき平均的にran(1omに分布していると考えられ、離れた2つの。urrentの相互作用は打ち消 しあうと考えられる。この仮定が良いものであることが、この後の章で
有限温度のQCDの場合に確かめられ、作用は自己エネルギー部分だけ でよく近似される。さらに、monoI)o1e currentは磁荷が±1のものが支配的であることを考慮すると、作用は^工と書くことができる。すると
^は単位monopo1e1oopあたりの自己エネルギーとみなすことができ、
単位mOno1)O1e1oo1)あたりの自由エネルギーは
!r1n7 (3.3)
と近似的に表される。もし∫1<1n7であれば、エントロピーはエネル ギーを上回りmonopo1eの凝縮が起こっていることになる。Fig.2では、
様々なextended mOnopo1eに対して2441atticeでのβ一∫1の関係が表され
ている。ここで水平に引かれている直線は1n7を示している。それぞれ
のexten(1ec1mOnopO1eは∫1<1n7を満たすような固有のβの範囲を持っている。Exten〔lednessが大きくなるにつれてそのようなβの範囲はよ り大きいβを含むようになってくることがわかる。より大きいextended monopo1eが相転移点を決めるために重要であると考えられる。
結合定数の振る舞いはそれぞれのextended monopo1eで異なっている
ように見えるが、ユ:軸を6=1τ×α(β)にしてプロットし直してみる(α(β)は 1atticeconstant)。するとFig.3で表されるように一つの曲線上に乗って いるように見える。このことから、mOnOl)O1eの有効作用はmOnOl)01eの
eXl,en(le(lneSSやβに依らずわだけに依っていることがわかる。すると、あ るη3−eXten(le(l m()l1OI)O1eを採ったとき、lnO11Ol)O1eのエネルギー、エント
ロピーがバランスする点〃」が存在しているが、これはわの言葉に直せば ある一点わピがCritiCa−1な値として存在することを意味する。δ=〃×α(一ゴ)
がわ、より小さいβでは、〃3mOnO1)O1eはエントロピーがエネルギーを
上回り凝縮が起こっていると考えられる。Fig.3で有効作用の趾に使わ
れた関数形は1 4π
5[ん]=Σl/州・)ん/(・)・ヲ(而)2Σん1(・)D(・一・ )々!(メ)(3・4)
であり、g(わ)は』W(2)のrunning coup1ing constantを表す。
11 1 17 1
州■2一。。、・1・(わ。。・)・。。、・1・1・(6・。・) (3・5)
D(5)は改良された1attice C(〕u1oml)propagatorである。この形はSmitと Sijs[221によって予言されたものである。Fittingに用いられたparameter はFig.3の中に書かれている。
Fig.3は最大43−exten(led monopo1eまでの結果であるが、このmonoPo1e 有効作用が連続極限であらゆる大きさのeXten(led mOnOI)o1eに関しても 正しい作用になっていると仮定しよう。するとわ、=ηα(β二1)が有限の大き さに決まっているということは、SiZeが無限大の1attiCeではeXten(led−
neSSが無限に大きくなるとき、β二}も無限に大きくなることを意味する。
これにより5σ(2)()GDは常に(すべてのβにわたって)monopo1eが凝 縮している相にあると結論する事ができる。そのことはすなわち(lua1な Meissner効果による。o1or閉じ込めの実現を意味する[!1。
ここでextended monopo1eを考えることはdua11attice上でb1ock spin変換を行っているとみなせることに注意する。すると、あらゆる大き
さのextended monopo1eに関して作用が全く同じで、それらはわのみで 決まっているということは、その作用は連続極限に向かうrenom!arized t剛ectoryの上に乗っていると考えられる。連続極限での作用はSnitと
S1js1221のよって予言された式(3.4)の形になっていると考えられる。さらにShibaとSuzuki[6,7,81は、monopo1eの寄与だけから、元の
5σ(2)ゲージ場から得られるstring tensionの値を再現した。これらの事実はQCDでmonopo1e凝縮が起こりdua1なMeissner効果でクォー
クとグルオンが閉じ込められていることを強く示唆する。
13
Chapter4
QCDの有限温度相転移
この章では()GDの有限温度相転移におけるmono1)o1eの役割につい
て調べてみる。すでに有限温度のQCDでもmono1)o1eの重要性を示唆す
る結果が得られてきている。Ejiriらによって[9,101W(2)有限温度QCDでMA gaugeをとった場合の、string tensionへのmonopo1eの寄与が調 べられた。閉じ込め相においてはmOnO1)O1eから得られたStringtenSiOn
は、al)ehan Wi1son1ooI)から得られた値とほぼ一致していて、非閉じ込 め相にはいると急激に0に近づくことがわかった(Fig.4)。Photonの部分 から得られるStringtenSiOnの値は無視できるほど小さいものであった。A1)e1ian Po1yakov1oo1)はMA gaugeをとった場合良い秩序パラメータ になっているが[51、この。peratorもmonopo1e(Diracstring)とPhoton の寄与の積に書けることが明らかになった。その2つの因子を別々に評価
することにより、Po1yakov1oo1)の秩序パラメータとしての性質はDirac stringの寄与からくることがわかった[11,121.Fig.5には3σ(2)MA gaugeの場合の結果が示されている。Abe1ian Po1yakov1oopは閉じ込め
相で0であるがβ>2,298(;β、)の非閉じ込め相では有限の値をとるようになってくる。Dirac stringからの寄与はそれと全く同じ振る舞いをす
るが、相転移前後での変化がより大きい。Photonからくる寄与は両相を
通じて有限な値であり、変化は小さい。とりわけ、閉じ込め相でPo1yakovk)oI)の値が0になることがmonopo1eの寄与によるという事実は興味深
い。このmonopo1eがPo1yakov100pの重要な性質を担っているという事実はひ(1),W(3)ゲージ理論でも見られた。さらに興味深いことに、こ
のmonopo1eの重要性はMA gauge以外のunitary gaugeでも見えるの
である。このことはabe1ian monopo1e凝縮によるクォークの閉じ込め描
像がゲージの採り方に依らないことを示唆する初めての結果である。4・1Maxima1extended monopo1eの期待さ
れる役割
○温度QCDの場合、それぞれのexten(le(l monopo1eはエントロピー
がエネルギーを上回ることによってmonopo1e凝縮が起こる固有のβの
領域をもっていた。そのときeXten(le(lneSSが大きくなるにつれて、より大きいβの領域がmonop〔)1e凝縮相に入る傾向がみられた。無限大体積 の極限でこの状況が変わらなければ、o温度の()CDはすべてのβにわ たってmonopo1e凝縮相であり、すなわち。o1or閉じ込め相であることが
証明される[11。
それでは有限温度QGDでは何が起こっているであろうか。String
tensi(〕nとPolya−kov loopは本質的にmonoエ)o1eの寄与に依っているとい う事実から、有限温度相転移もmOn(〕I)Oleの言葉で理解されることが期
待される。また0温度系の場合からの類推で、monopo工eのエネルギー、
エントロピーの大小関係が、有限温度相転移の相転移点を決める機構に
なっていると想像される。ところが0温度系と有限温度系では大きな違い がある。それは、有限温度系では時間方向の自由度が有限に保たれるという点である。Mo11opo1eは。urrentに垂直な3方向からつくられる。ul)e で定義されることから、空間方向に走るmOnoI)Ole(dynal//iCa1monO1)01e と呼ぶ)のexten(lednessは有限に制限されることを意味する。物理的な
string tensionに効くmonopo1e currentはWi1son1oopに垂直な方向に 走るmonopo1eである。Wi1son1oopは時間軸を含む平面上で定義されて いるため、dynamica1なmonopo1eは閉じ込め機構に主要な働きをする。
そこで・有限温度1attice QGDでは、extende(1(lynamica1monoI)o1eに maXimum SiZeが存在して、そのことが非閉じ込め相転移が有限なβ、(す
なわち有限な温度η)で起こることの理由になるのではないか、という
ことが予想される。以下の章でmOnopo1eのmaximum sizeとは何かを調べ、有限温度相 転移の相転移点がmaximum sizeのexten(le(l monopo1eのエネルギー、
エントロピーのバランスで説明されるかどうか調べていく。
4・2 有限温度QcDでのmonopo1e有効作用
有限温度系でのmonopo1eの有効作用は。温度のQGDの場合と同様、
monopo1e currentの配置から求めることができる。Monopo1e currentが
相互作用をしている系の分配関数を(3.2)式で表す。有限温度系は0混
15度系の場合と異なり、時間方向と空間方向を分けて扱わなくてはならな
い。時間方向のsite数が4,6,8等と小さいので、最近接からもう一つは なれた。llrrent間の相互作用までを考慮した。また、0温度系と同様2次 までの糸出合とした。Currentの保存則が各siteで成立していることから、5つの相互作用の型を考えればこの場合は十分であることがわかる1.
Fig.6は163×41atti(re上で13mono1)(〕1e有効作用を計算したもので ある・○ritica1な結合定数は2,298であり、閉じ込め、非閉じ込め両相で
作用を求めている。この作用は50個(または100個)の配置数から得られ
ている2。ここでハは自己エネルギー項Σ、,、(ん、(5))2の結合定数であり、
ムはΣ。,μ々μ(3)んμ(3+ρ)の項の結合定数、ムはΣ、,、≠レん、(5)ん、、(3+ク)の
それである。その他のより離れたCurrentどうしの相互作用の結合定数 は、より小さいものであった。両相でハが支配的であることが見て取れ る。また、非閉じ込め相で空間方向のCurrent間の結合定数と、時間方 向のCurrent間の結合定数の違いが大きくなっているが、閉じ込め相で
はその差は無視できる。次に作用の1attiCe SiZe依存性を調べてみる。まず、時間方向のSite数 を・VF8にとり・空間sizeをW、:8,12,16,24と変えて、作用をβ=2.40 で求める。なお、このとき系は常に閉じ込め相である。Fig.7より、作用は 1attiCeの空間SiZe依存性はないようである。今度は空間SiZeを固定して おき・時間sizeを変えて作用を求めてみる。Fig.8は空間sizeをノV、二12 にとり・時間sizeをノVF4,8,12と変えて作用を計算したものである。結
合定数の値はβ二2,2で固定しておいた。このとき、考慮したN士のど
の場合においても系は閉じ込め相である。Fig.8から、閉じ込め相にある 限りはmo11OI)(〕1eの作用は時間SiZeにも依らないようである。このこと をさらに明確にするために・結合定数をβ=2.46ととって同様の計算を行った・時間sizeは川=4,6,8,12をとったが、MF4,6のとき系は非閉
じ込め相にあり・川:8110では系は閉じ込め相にある。Fig.9にその結 果がプロットされている。これにより、系が非閉じ込め相にあるとき作 用は時間SiZe依存性があり、系が閉じ込め相にあるとき作用は時間SiZe 依存性がないことがわかる。系が閉じ込め相にあるとき、様々な1attiCe
size・また様々なmonopo1eのsizeで作用を求めたものがFig.10であ る・この作用は[7,!3,15,161と滑らかにつながり、0温度系の作用と まったく同じものである。1保存則を用いることにより・0温度系では平行な。llrrentどうしの相互作用で書く ことができるが・有限温度系の場合は垂直な。llrrentどうしの結合があり、正確には6 つの型がある(A1)Pen(一ix D㌧だがその結合は非常に小さく、以下無視していく。
2各配置間の自己相関についてはApPendix C。
Mon(〕1)o1eの有効作用が得られたので、lnono1)o1eのエネルギーを評価
することが可能になってくる。Monoエ)o1e1ooI)は完全にrandomに分布
しているため、自己エネルギーを除いた相互作用部分は打ち消し合いに よってほとんど影響を及ぼさないと言われている。そのことを実際に確
かめてみる。Fig.11でmonoI)o1e有効作用の値と、その有効作用を自己 エネルギー項だけで近似したときの値、さらに!1×工の値を比べている。ここでムはmono1)o1eの1o(〕1)の長さを表す。MonoI)ole1ooI)の長さの定 義の詳細は次の章で述べる。Fig.11から、相互作用項は打ち消し合って
おり、作用は自己エネルギー項でよく近似されることがわかる。さらに 自己エネルギー項は!1×ムでよく近似される。そのことは、monopo1e
Currentは単位磁荷を持つものが支配的であることからくるのであろう。次に、m〔)nOI)O1e1oopのエントロピーに注目してみる。
4・3 Monopo1e1oopの長さ
Mono1)(〕Ie1oo1)の振る舞いがnon−1)acktracki1!g random wa1kで現さ
れだとすると、4次元の十分大きい1atticeの上では場合の数は7ムとな
るであろう。すると。温度の()CDでは、monoI)o1e1ooI)の単位長さあ たりのエントロピーは1n7となる。ところが、有限温度系のQCDではエントロピーは時間方向の有限性が効き、1n7より小さくなることが想 像される。そのエントロピーを評価するためmonopoIe1oopの有限温度
系における振る舞いを注意深く調べてみる。まず・mono1)o1e1oopの長さを測定してみた。Bodeet aL[231はmonopo1e 1ooI)の長さをσ(!)1attice gauge thoryで調べている。彼らの結果によ
ると、閉じ込め相においては1本の長い1oopがほとんど1attice全体を 覆っていて・Cou1o1nb相ではその長い1oopがいくつかの部分に切れて分
かれてくる・ということである。我々もmoI1o1)o1e1oopの長さの定義を Bo(le et aL[231に従い、 (2)QCDで1oop長を計算してみる。ここでBode et a1・の定義とは、もし2つの1oopが交点を1つもってつながっ ているとき・それは1つの。rossingを持つ!本の1oopとみなすという
ものである。その結果・閉じ込め相においては大変長いmonoPo1e1oop がそれぞれの配置に1本だけ存在し、あとの1oopはすべて短いというも のであった。長い1oo1)と・短い1oopの分離はTab1e4.!のように大変
明確である。Tab1e4・1は10個の配置から得られたデータで、1attice sizeは163×4・β:2・20である。ここで、長い1oopの数は配置数と一致し
ていることに注意したい。この時間sizeではβ、:2,298であり、βがβ、17
(a)
ム number 工 number z number 工 number
4 708 24 4 46 1 5010 1
6 238 26 ! 52 1 5012 !
8 89 28 1 !00 1 5092 !
10 50 30 3 4612 !
12 33 32 4 4798 1
!4 24 34 3 4822 1
!6 !5 36 1 4854 1
18 8 40 2 4876 1
20 9 42 1 4880 1
22 6 44 ! 4940 1
(1))
ム numl)er ム number ム number ム number
2 19 10 ! !292 1 1336 1
4 14 1272 2 1302 1 1340 2
6 2 1288 1 1318 1 1348 1
Tal)1e4・1:10個の。om丘gurationについて、ある長さ工を持つmonopo1e
1oopの出現回数を計算したもの。Latticesizeは163×4で、結合定数の
値はβ=2.20。(a)は13monopo1eの場合、(1))は23monopo1eの場合である。
より小さい場合は、それぞれのβで特徴的な長さをもつ長いmonopo1e
1oo1)が!本存在し、βがβ、に近づくと1ooI)の長さが短くなったり、いくつかの部分に分かれたりすることがわかった。非閉じ込め相に入り、さ らにβが十分大きくなったとき、長い1001)は存在しなくなり、すべての 1oo1)が短いものになった・それらの結果は、σ(1)の場合[231と同様で
ある。
Tal)1e4.2は1oop長、crossingの数、mu1ticharged curemt数の全
。urrent数に対する割合のβ依存性を調べたものである。243×81attice上 で、monopo1eのsizeも変えて計算を行った。β、は2.51である。Grossing
の数は23monopo1eの場合少ないが、43monopo1eの場合はあまり少なく
はない。単位磁荷をもつmonopo1e currentは双方のextended monopo1e で支配的であり・そのことはmonopo1eの有効作用でゾ1が支配的であるこ(a)
一β 2.35 2.45 2.48 2.51 2.53 2,57 2.63 2.70
/ん/ 4980 2205 !7!0 838 479 148 69 35
/C・(・S・i・g/ 1!20 316 219 94 50 13 5 2
cba−rge1 97.62 98.67 98.88 99.04 99,07 99.52 99.29 99.27
cha−rge2 ■一
2.36 1.32 1.12 0.96 0.93 0.48 0.70 0.73 cha−rge3 0.02 0.0! 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00
cha−rge4 ]
0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00
(1))
2.35 2.45 2.48 2.51 2.53 2.57 2,63 2.70
/工/ 1140 700 605 450 357 169 54 21
/C・・SSi・g/ 714 320 246 157 110 45 12 3
charge! 一
81.07 90.98 92.!0 93.85 94.92 95.92 96,44 98,54
cha.1・σe2 b
16.98 8.43 7.69 5.91 5.02 4.02 3.36 !.45
cha・ge3 1.87 0.57 0.20 0.23 0.06 O.06 0.19 0.00
cha.rσe4 b
0.09 0.03 0.01 0.01 0.00 0.00 0.00 0.00
Ta})1e4・2:最長の1oopの長さ、crossingの数、mu1ticharge(l current数 の全。urrent数に対する割合(%)を243×81atticeで計算した。(a)は 23−extended monopo1eの場合、(4)は43−extended monopo1eの場合であ
る・ここに書かれている数は30個の配置から得た数の平均値である。
とと合っている。43mOnOpo1eの場合、/工/はβ<β、のときrenormarized
1a−tticeのsite数を越えているが、β、付近ではほぼsite数に近い。23
mO11OI)O1eの場合、/ム/はSite数より小さい。最近・Ejiri et aL[91!01が長いmonopo1e1(〕o1)と短いmonopo1e1oopの String tenSiOnに対する寄与を別々に評価した。彼らは、String tenSionが長
いmonopo1e1oopのみから再現されることをつきとめた。長いmonopO1e 1oopはdua11ink全体のわずか約!0%しか占めていないにもかかわら.
ず、string tensionを再現するのである。また、他の短い1oopはstring tensionに何も影響を及ぼさないのである。このことから、長いmonopo1e
1001)は閉じ込め機構に本質的に関わっていることが示唆される。19
4・4 Monopo1e currentの分布
この章では長いmOnoI)O1e1ooI)に注目し、その1attiCe空間内の分布
を調べる。長いmono1)o1e1ooI)といっても全dua11inkの約10%しか占
めていない。Ref・[231によると、com1)act QEDの場合には長い1ooI)は 一atti(℃空間全体に広がっているということであるが、5σ(2)QCDのと きはどうであろうか。ここで、長いmonoI)olelooエ)に所属する各mon(〕poユecurrentの、loo1)
の重心からの2乗平均距離
! →五2一τΣ(ト地)2, (・・!)
{
を調べてみた。ここで、ムはmono1)o1e IOOI)の長さであり、汽はある monop(〕1e curre11tの位置、伽は重心を表す。もし、monoI)o1e currentが
ペデ×川1attiCe上に一様に存在するとすると、R2は
六ル1∠1ソン心1(1・・1・…十1・)
N2 N2
=ユ十ユ(4.2)
4 12
のように評価される。lz3monopo1eを考えるときは、月2は
(N、//l)2(N{/η)2
4+12 (43)
となる。児2の計算結果はFig.12にプロットされている。W、=6のとき
,βじは2,426、またく㌃:8の場合にはβ、は2.5!である。閉じ込め相で は、データは(4.3)式とほとんど一致している。例えば243×6の1attice をとったとき、!3monoI)o1eを採用するとβ2は147と期待され、それは データと良く合っている。これより、m(〕nopo1e1oopは閉じ込め相でほと
んど一様に分布していることがわかる。非閉じ込め相に入ると月2がすば
やく減・少し始め・monopo1e1oopが一様に分布していないことを示してい る(このことはApPendix Eの結果からも示唆される)。また、extended monol)o1eを採用したときの方が13mono1)o1eの場合に比べβ≦β、の範囲で一様性が良いように見える。
4.5 Monopo1eのe価ective size
βがβ・より小さいとき・もしmono1)o1e1oopの。rossingが無視でき
れば、173monopo1e1oopはほとんど一様にdua11attice空間内に広かっ
ている。ほとんどのmOnO1)01e Currentは磁荷が土ユであり、100pの長
さはすべての1ink数4×Nξ×州に比べ短く制限されていることを考慮すると・何らかの反発力がmOnO1)01eCurrent間に働いていることが考 えられる。その反発力が何かを調べるため、以下のようなmOnOI)01eの
effective sizeを定義する。
ρ(ア〜)一(」W×(州}), (。。)
/小)/
ここで分子はがmOn(〕1)O1eのrenOrma1iZe(l1atiliCeの体積であり、分母
はrenorma1ezed1atticeの単位長さで測ったmonopole1ooI)の長さであ
る。βがβ。より大きいとき、前章で調べた通りmonopo1e currentの分布は一様ではない。この場合は、空間方向には2月、時間方向には川の範 囲で。urrentが一様に分布していると仮定した。これはβ。の近くで2月 がまだ川より大きいため、最も長いmOnoI)o1e1oOI)に占められている
e任ectiveなren(〕rmalize(l1atticeの体積は(2R/η)3×(川/η)と評価でき ると思われるからである。1(lZ)はη3mo11Ol)O1eの世界線に影響を受ける
範囲をあらわすものと思われる。すなわち、もしあるCurrentのまわり
に、あるZ(η)のe任eCtiVeな範囲というものが存在していれば、その最近 接のCurrentは少なくとも1(η)離れていなくてはならないことを意味す る。あるe任ectiveな範囲Z(η)をもつγ〜3extended monopo1e currentは、renorma1iZe(11attiCe上で、ある排除体積1(η)4を持つと考えられる。
その排除体積を考慮すると、7}3monopo1eがあるe冊ectiveな範囲Z(η)
をもつとき、mOnOI)(〕1eのエントロピーはrenOrma1iZe(11attiCeの上では なく、以下のようなreduCe(l1attiCe上で考えるべきであろう。
(凡/1・)3・(!Wη)
州・ (fo β≦β・)ラ (4・)
ここで、M(1)は1(η)に依存したある整数である。w(7)はN(z):[z(η)1+1 と取るのが自然であろう(ここで[z(η)1はz(η)を越えない整数である)。
Monopo1eはreduced1attice上のみを走っているかのようにみえるので
ある。
7(η)はFigs・!3−15に示されている。163×41atticeで13monopo1eを とったときの結果がFig・13であるが、7(η)はβがβ、より小さいとき2 より小さく・β・てほぼ2に達する・また、243×61attice(Fig.14)で13 mono1)o1eを採ったとき・Z(η=1)はβをβ、に向かって下から近づけ
ると下から3に近づ㍍そのとき33monopo1eを採った場合、1(η=3)
は下から1に近づいている・Fig.15をみると、同じような状況が243×8
21
1attiCeのときにも起こっている。すなわち、/(η)はβ≦β、のとき常に
/(lz)≦川/(21τ)となっているのである。このことは、reduced1atticeと して・β≦玖のとき時間方向は常に2=(八㌧川/(〜/(2η))を考えるべ きことを示唆している。そのことは、がextende(i monopo1eのエントロ
ピーは、β≦β、のとき、どんなηについても時間方向が2のreduced
1attiCeで考えるべきだということを導く。このことは、もしOrigina1な1atticeが等しければ、どんなextendednessηに対してもη3monopo1eの
エントロピーが等しいということを意味する。4.6 Monopo1e1oopのエント□ピーと有限温
産相転移
前の章では、Origina1の1attiCe SiZeが等しければあらゆるηに対し、
η3mOnOI)O1eのエントロピーが等しいことが明らかになった。ところが、
同じβではそれぞれのextended monopo1eで有効作用が異なっている。
ところがエントロピーは等しいため、Fig.10より相転移点を決めるのには より大きいeXten(le(l mOnOI)O1eが重要であると考えられる。
ここで・exten(1e(l mono1)o!eのmaximum sizeとは何かを考えてみる。
閉じ込めの現象には重要である(lynamica1monopo1e currentを定義する
ためには、少なくとも時間方向に2つの自由度が必要である。このこと
は・dynamica1なextendedmonopo1eのmaximumsize(η、、、 )はW、/2 であることを意味する。Fig.14,!5から、β≦β、のときにはmaxima11y extende(lmonoI)o1eは常に7(η、、、 )≦1であることがわかる。Reduced 1atticeはβ≦β。の範囲では、maxima11y extended monopo1eのrenoト ma1ized1atticeに等しい。このとき、長いmonopo1e1oopの、州=2のreduced1attice上でのエ
ントロピーはどうなるであろうか。これまでに見たように、長いmonopo1e 1oopは簡単なnon−backtracking random wa1kより、むしろある強い反発 力が働くという条件を持つrandom wa1kのように振る舞うと考えられる。しかしながら・そのような条件を正しく知ることは簡単ではない。さら
にextendednessが大きくなると。rossingの数は増えのである。よって、「:o W(2)QCDと異なり・有限温度系の場合にはmonopo1eのエント
ロピーを評価することはたいへん難しいものになる。そこでエントロピーを評価するために、モンテカルロ実験でhistogram
を用いた方法を使うことにする。数多くの配置をモンテカルロ法で発生させmonol)o1e1oopの長さに対するhistogramを得ることは簡単なことで
ある・123×41attice上で23exten(le(l monoI)(〕1e1oopの長さを測定した。
そのmono1)o1esizeは!23×41attice上のmaxima11yextendedmonoI)o1e である・Fig・16のhistogramは3000個の配置数から得られたものであ
る。β。は2・298である。縦軸はある長さのmonoI)o1e1oopが現れた頻度を表していて、長いmonoI)o1eの分布はGaussianのようである。
ある与えられた1点を通るムーsteI)のrandom wa1kの場合の数は、
randoln wa1kの条件によらず漸近的にμムとなることが知られている[241。
それゆえ・mOnOpO1e 1001)の分布は次のような形で丘tされると思われる。
一αム2+肌十・,わ=1・クム, (4.6)
ここでハはmonopo1e有効作用の自己エネルギー項からくるものであ
り、cはある定数である。第一項(一αZ2)はmonopo1e有効作用の他の
すべての相互作用項からくるものであり、それはFig.11からわかるように非常に小さいものである。だが、その項の存在はmonopo1e凝縮相で monopo1e1ooI)が無限に長くなるのを抑えるために重要である。第二項
の線形の項はエントロピー1nμを決める項であろう。β a b
2,101.80×10−42.93×10−1 2,201.41×!0−41.76×10−1 2,306.65×!0−54.93×!0−2 2,355.70×!0■52.31×10−2
Tal)1e4・3:histogranlの最小二乗法による舳ing。β=は2.10,2.20,2.30 と2.35である。
β:2.1〜2.35の範囲ではhistogramにGaussian分布の形が見ら れるため・Tab1e4・3にその範囲のGaussian丘t(4.6)の結果を示してい る・Ta1)1e4・3で線形の項はβ。=2・298でかなり小さくなっており、β=
2・35の付近でほとんど消えているようである。もし、maxima11y extended
monopo1eのエネルギー・エントロピーのバランスが有限温度相転移の原
因であるとすると・予言される。ritica1な結合定数はβ、〜2.35であり、現在知られている値β・:2・298に近い。β、付近での有限size効果を考
えると・その結果は考え方の簡単さを考慮するとむしろ良くあっている
と思われる。
23
この舳ingから、monopo1e1ooI)の単位長さあたりのエントロピーは
ム(β)(ハ(2・35)〜1・3,ハ(2,298)〜1.16)より、おおよそ1.16≦1nμ≦1.3 と評価される。
Fig・!7にmaxi1na11yexten(ledmonoI)o1eの^の値をプロットし、上
で評価されたエントロピーと比較した。縦の点線はそれぞれ川:4,6,8
でのPo1yakovIoopから決められた相転移点である。これによると、あら
ゆる1attiCeで相転移点がmOnOI)O1e1OOI)のエネルギー、エントロピーのバランスでおおよそ説明され得ることがわかる。ところが、まだ1attiCe
の有限SiZe効果、〜を変えたときのhiStOgram等、これから確かめてみるべきことは多くある。けれども W(2)QCDの有限温度相転移がこ
のようなmono1)o1e1oopのエネルギー、エントロピーのバランスという
簡単な考え方で、ほとんど説明がつくということは大変興味深いことで
あると思われる。Chapter5
Conc1usion and remarks
1.有限温度のQCDの閉じ込め相では1本の長いmonopoIe1oopが
それぞれの配置に存在していて、それ以外の1ooI)はすべて短いも のであった。長い1oopは(lua11attice空間内にほとんど一様に分 存していた・Tal)1e4・1により、23monopo1eの場合、短い1oopの
数は!3monopo1eのときに比べ非常に少なくなっていることがわかる。連続極限を調べるときには、時間方向の自由度を大きくとる 必要があるが、そのとき大きいexten(led monopo1eが重要で、短
いlOO1)は消えているであろう。このことは、String tenSiOnが長い monopo1e1oo1)だけから再現されることと合っている[9,101.2・ほとんどすべてのmonopo1e currentは磁荷が±1であり、また 1oopの長さがすべての1ink数に比べ制限されていることがわかっ た・このことは・monopo1ecurrent間に何らかの反発力が存在し、
monopo1eは排除体積をもつようにみえる。この排除体積を1oop長 のデータから評価することにより、extended monopo1eのエントロ ピーは。rigina1の1atticeが同じならば、extendednessに依らず同
じであることがわかった。3、有限温度のQCDでは、maxi1na11y exte11(led((川/2);3)monoI)o1eが
存在し・そのことは。温度QCDと大きく異なる。o温度系の場合 にはより大きいextended mono1)o1eが重要であった。有限温度系で はmaxima1エy extended monopo1eの存在が、必然的に。ritica1な結 合定数を有限にすることになった。Maxima11y extended monopo1e
のエネルギー・エントロピーのバランスで、様々な1attiCeの有限
温度相転移にほぼ説明がついた。しかしながら、この相転移のメカ
ニズムが正しいかどうかはより徹底した研究を行なわなければなら
25
ない。とりわけ、相転移点近傍の1a.ttiCeの有限SiZe効果をより詳 しく調べる必要がある。
Chapter6
謝辞
Mono1)o1e有効作用に関わるノート、プログラム等を快く見せて下さ り、数多くの相談にものって下さった柴薄志君に深く感謝致します。彼 の結果なしにはこの仕事はありませんでした。江尻信司君には計算機を 使用する上で多くのことを教えていただき、また、松原克己教授には基 本的なアイデアから計算結果の分析等、常に面倒をみていただきありが とうございました。入学当初から現在に至るまで、指導教官である鈴木 恒雄教授には常に御指導いただき、このような論文を書くことができま
した。大変感謝申し上げます。また、Netwok関係等では青木健一助教授 に、多くの相談にのって下さった末松大二郎講師、寺尾治彦助手に感謝
致します。
27
Appendix A
Abe1ian fie1d strengthの導出
Al)e1ian行e1(1はゲージ変換される前の量で書き表すと(2.!0)、
ト㌧★、十、1仙吋6 (・1)
である。ここでγを色変数で次のようにparametriZeする。
十1列 (…)
このとき(A・1)式の第二項は係数9−1を除いて 1 ・.・
・ ε。。ろγα∂、γら
γ3+1 1
:戸・。1{s nθco・φ∂!(・111θ・1・φ)一・・1・・φ∂!(・1・1…φ)/
1
二一 S1n2θ∂、、φ
γ3+1
一(1一…θ)∂μφ (A.3)
となる。さらに次の量
ε11・γα∂μγ凸∂1γじ (A.4)
を色変数で書き換えてみよう。
ε、。、㌣α∂、戸6∂、戸C
一γ /∂、 (・i・θ・i・φ)∂、…θ一∂、・(・・0∂レ(・i・0・i・φ)/
・∵2/一∂!(・i・・…φ)∂レ・()…∂μ・()・・∂レ(・i・1…φ)/
・γ13/∂/(・i・1・(〕・φ)∂レ(・i…i・ψ)一∂!(・i1…i・φ)∂リ(・i・1…φ)/
=()/ ・i・20・()・φ十戸2・i・20・i・ψ十ゴ 3(・()・0・j・0)
・(一∂μφ∂、0+∂μ0∂レφ)
= sin0(_∂μφ∂μ0+∂μθ∂レφ) (A.5)
一∂μ/(!一…θ)∂1φ/一∂ひ/(1一…θ)∂、φ/. (A.6)
この結果と式(A・3)よりa1)e1ian丘e1(l strengt11は
∫μ1一∂μλ1一∂ぺ (A.7)
=∂μ(γα州一∂μ(γα刈 1
一一[∂μ{(1−cosθ)∂レφ}一∂レ{(1−cosθ)∂、φ}1 (A.8)
9
・ ・ ! ^ 、 、
= ∂μ(γαλZ)一∂μ(γαλ二)一一εαb。γα∂、γ6∂レγc (A.9)
.9
と書くことができる。
29