女性 の活躍促進 と女子短期大学 の使命81
女性 の活躍促進 と女子短期大学の使命
金 井 正
1.「 女 性 の 時 代 」 の 幕 開 け
第2次 大 戦 後 の1945(昭 和20)年10月10日 に 前 日 の9日 に 成 立 し た 幣 原 内 閣 が,普 通 選 挙 法(婦 人 参 政 権)改 正 を 決 定 し て い る 。 こ れ は,戦 前 か ら の 婦 人 参 政 権 運 動 の 成 果 で も あ る 。同 年12月 成 立 ・公 布 さ れ た 「衆 議 院 議 員 選 挙 法 」 に よ り20歳 以 上 の 男 女 平 等 の 選 挙 権 が 認 め ら れ,翌 年4月10日 の 戦 後 第1回 総 選 挙 で 初 の 婦 人 参 政 権 が 行 使 さ れ る の で あ る 。
国 際 連 合(国 連)が51力 国 の 加 盟 に よ り成 立 し た1945(昭 和20)年 に は,パ リ で 世 界 婦 人 会 議 が 開 催 さ れ,国 際 民 主 婦 人 連 盟 が 結 成 さ れ て い る 。 翌 年 に 開 催 さ れ た 第1回 国 連 総 会 で エ レ ノ ア ・ル ー ズ ベ ル トが,国 内 お よ び 国 際 問 題 へ
の 女 性 の 参 加 の 奨 励 な ど を 呼 び か け て い る 。 そ の 後,1948(昭 和23)年12月10 日 の 第3回 国 連 総 会 に お い て 「世 界 人 権 宣 言(UniversalDeclarationofHu‑
manRights)」 を 採 択 し て い る 注1)。 こ の 第 二 条1項 「す べ て の 人 は,人 種 (race),皮 膚 の 色(colour),性(sex),言 語(language),宗 教(religion),政 治 上 そ の 他 の 意 見(politicalorotheropinion),国 民 的 若 し く は 社 会 的 出 身 (nationalorsocialorigin),財 産(property),門 地 そ の 他 の 地 位(birthor otherstatus)又 は こ れ に 類 す る い か な る 事 由 に よ る 差 別 を も受 け る こ と な く,
こ の 宣 言 に 掲 げ る す べ て の 権 利 と 自 由 と を 享 有 す る こ と が で き る 」(外 務 省 仮 約)と し て,平 等 か つ 無 差 別 の 基 本 原 則 宣 言 し,と り わ け 性 差 別 を 明 確 に 禁 止
した の で あ る。 世 界 人 権 宣 言 の 内容 を基 礎 と して条 約 化 し た 「国際 人権 規 約 」 で あ る 「社 会 権 規 約 」 と 「自 由 権 規 約 」 は,1966(昭 和41)年12月16日 の 第 21回 国 連 総 会 にお い て,全 会 一 致 で採 択 され て い る。
社 会 規 約 「経 済 的,社 会 的 及 び 文化 的権 利 に 関 す る 国 際 規 約 」 の 第 三 条 「こ の 規 約 の 締 約 国 は,こ の 規 約 に 定 め る す べ て の 経 済 的,社 会 的 及 び 文化 的権 利 の 享 有 に つ い て男 女 に 同 等 の権 利 を確 保 す る こ とを約 束 す る」(傍 点 筆 者)と
して い る。 また,自 由 権 規 約 「市 民 的 及 び 政 治 的 権 利 に関 す る国 際 規 約 」 の 第 三 条 「この 規 約 の 締 約 国 は,こ の 規 約 に定 め るす べ て の 市 民 的 及 び 政 治 的 権 利 の 享 有 に つ い て男 女 に 同等 の権 利 を確 保 す る こ とを約 束 す る」(傍 点 筆 者)と
して い る。 両 規 約 と も男 女 平 等 の 原 則 を 定 め て い る の は,「1つ に は,国 連 が 男 女 平 等 の 原 則 を極 め て 重 視 して い る とい う こ と,他 方,こ の 原 則 が 世 界 の 各 地 域 にお い て必 ず し も十 分 尊 重 され て い る と は限 らない とい う現 実 を踏 ま えて この 原 則 の重 要 性 を 強調 す る こ とな どの 理 由 に よ る も の」 注2)と 指 摘 され て い る。
1946(昭 和21)年 国連 経 済社 会 理 事 会 に よ り設 置 され た 「人 権 委 員 会(Com‑
missiononHumanRights)」 お よ び 「婦 人 の 地 位 委 員 会(CSW:UnitedNa‑
tionsCommissionontheStatusofWomen)」 の積 極 的 な取 組 み に もか か わ ら ず,女 子 の対 す る差 別 が 依 然 と して広 範 に 存 在 して い る こ とか ら,1967(昭 和 42)年 の第22回 国連 総 会 で 「女 子 に対 す る差 別 の撤 廃 に 関す る宣 言 」 が 採 択 さ
れ る こ とに な る。 なお,人 権 委 員 会 は2006(平 成18)年 よ り人 権 理 事 会(Human RightsCouncil)に 取 っ て代 わ る こ とに な る。
国 際 的 に女 子 に最 も光 が 当 て られ始 め る の は,国 連 に よ り1975(昭 和50年) を国 際婦 人 年 と し,6月 か ら7月 に か け て メ キ シ コ シテ ィで 開催 され た世 界 女 性 会 議 で あ ろ う。 さ ら に 国際 連 合 は,国 際 婦 人年 の 目標 「平 等,発 展,平 和 」
を達 成 す る た め に,続 く1976年 か ら1985(昭 和60)年 ま で の10年 間 を,同 目 標 とす る 「国 連 婦 人 の10年 」 と宣 言 し,国 内 的 に も国 際 的 に も,行 動 へ の指 針 とな る 「世界 行 動 計 画 」 が採 択 され た 。 以 来,世 界 的 な規 模 で,目 標 達 成 に
向 け て 活 発 な 活 動 が展 開 され よ う にな るの で あ る 。
女性 の活躍促進 と女子短期大学の使命83 国 際 労 働 機i関(ILO)に お い て も,国 連 の世 界 女 性 会 議 に呼 応 して,1975(昭 和50)年 に 開 催 した 第60回 総 会 で 「婦 人 労 働 者 の 機i会及 び 待 遇 の均 等 に 関 す
る宣 言 」,「婦 人 労 働 者 の 機 会 及 び待 遇 の 均 等 を促 進 す るた め の 行 動 計 画 ⊥ 「雇 用 及 び職 業 にお け る婦 人 及 び男 子 の 地 位 及 び企 画 の 均 等 に関 す る決 議 」 が 採 択 さ れ た。 また,1979(昭 和54)年12月 の 第34回 国 連 総 会 に お い て,「 女 子 に対 す る あ らゆ る形 態 の差 別 の撤 廃 に 関 す る 条 約(「女 子 差 別 撤 廃 条 約 」)」(昭和60 年7月1日 条 約 第7号)が 採 択 さ れ た 。1985(昭 和60)年 「国 連 婦 人 の10年 」
ナ イ ロ ビ世 界 会 議 に お い て(西 暦2000年 に 向 け て の)「 婦 人 の 地 位 向 上 の た め の ナ イ ロ ビ将 来 戦 略 」 採 択 。1980(昭 和55)年 の 世 界 会 議 にお い て,「 国 連 婦 人 の十 年 後 半 期 行 動 プ ロ グ ラ ム」 が 採 択 さ れ,さ らに 「婦 人 に対 す る あ らゆ る 形 態 の差 別 の撤 廃 に 関す る条 約 」 の署 名 式 が行 わ れ た 。2000(平 成12)年 に は, 国 連 特 別 総 会 「女 性2000年 会 議 」 が ニ ュ ー ヨー クで 開催 され る な どの 動 きが あ っ た 。
日本 で は,政 府 に よ り1975(昭 和50)年9月,「 国 際 婦 人 年 世 界 会 議 にお け る 決 定事 項 の 国 内 施 策へ の取 り入 れ そ の他 婦 人 に 関 す る施 策 に つ い て,関 係 行 政機 関相 互 間 の事 務 の 密接 な 連 絡 を 図 る と と もに,総 合 的 か つ効 率 的 な対 策 を 推 進 す る た め ⊥ 婦 人 問題 企 画 推 進 本 部 が設 置 さ れ た。 同推 進 本 部 は,1977(昭 和52)年1月,10年 間 の 我 が 国 の婦 人 施 策 の 基 本 的 方 向 で あ る 国 内行 動 計 画 を
策 定 し,更 に,前 半 期 に お け る 重 点 目標 を設 定 し,そ の 効 果 的推 進 に 努 め て き た 。 「国連 婦 人 の10年 」 中 間年 世 界 会 議 の 結 果,ま た,婦 人 問題 企 画推 進 会 議 の 意 見(「 国際 婦 人 年 の10年 後 半 期 に 向 け て」昭 和56年2月)を 踏 ま え,1981(昭 和56)年5月 に 同 本 部 よ り,「婦 人 に関 す る施 策 の 推 進 の た め の 『国 内行 動 計 画 』 後 期 重 点 目標 」 が 策 定 され た の で あ る。
1985(昭 和60)年 「男 女 雇 用 均 等 法 」 公 布,「 女 性 差 別 撤 廃 条 約 」 批 准, 1986(昭 和61)年 婦 人 問 題 推 進 本 部 拡 充(構 成 を 全 省 庁 に 拡 大),1987(昭 和 62)年 「西 暦2000年 に 向 け て の 新 国 内行 動 計 画 」 策 定,1991(平 成3)年 「育 児 休 業 法 」 公 布,1994(平 成6)年 男 女 共 同参 画推 進 本 部 設 置(婦 人 問題 企 画 推 進 本 部 廃 止),1996(平 成8)年 「男 女 共 同 参 画2000年 プ ラ ン」 策 定,1997(平
成9)年 「男 女 雇 用 機i会均 等 法 」 改 正,1999(平 成11)年 「男 女 共 同参 画社 会 基 本 法 」 公布 ・施 行,そ して2000(平 成12)年 「男 女 共 同参 画社 会基 本 法 」 策 定 さ れ,2001(平 成13)年 男 女 共 同 参 画 局 設 置 と続 く。
「男 女 雇 用 均 等 法 」 に よ り,女 性 が 一 般 職 と して就 職 しや す くな っ た こ とか ら,1985(昭 和60)年 以 降 女 子 短 大 へ の進 学 者 数 は増 加 傾 向 とな り,バ ブ ル 崩 壊 後 の 景気 後 退 に よ る1992(平 成4)年 か ら始 ま る就 職 難 ま で は女 子 短 大 の 卒 業 生 の就 職 内定 率 は高 くな って い た 。
2.女 性 の 活 躍 推 進 政 策 の 端 緒
1994(平 成6)年7月 の 閣 議 決 定 で,従 来 総 理 府 に置 か れ て い た婦 人 問 題 企 画 推 進 本 部 が,内 閣 に設 置 され る 「男 女 共 同 参 画 推 進 本 部 」 改 組 され る。 この 推 進 本 部 の 構 成 員 も事 務 次 官 か ら閣 僚 に変 更 され る こ と に な る。
1992(平 成4)年12月 に わが 国初 め て の 「婦 人 問 題 担 当大 臣」 が 置 か れ,翌 1993(平 成5)年 名 称 を 「女 性 問 題 担 当 大 臣 」 と し,2001(平 成13)年1月6
日の 中央 省 庁 再 編 の 際 に,内 閣官 房 長 官 が 内 閣府 設 置 法 第9条 に基 づ く特 命 担 当大 臣 「男 女 共 同参 画 担 当大 臣」 に任 命 され,現 在 に至 る。
こ の 間,1997(平 成9)年 に総 理 府 か ら 「男 女 共 同参 画 審 議 会 設 置 法 」 が 国 会 に提 出 さ れ 同年3月 公 布,4月1日 施 行 され る。 同年6月 に 同設 置 法 に基 づ く 「男 女 共 同参 画 審 議 会 」 が 開催 され,内 閣総 理 大 臣か ら諮 問 され た 「男 女 共 同参 画 社 会 の実 現 を促 進 す る ため の 方 策 に 関す る基 本 的 事 項 」 の 審 議 を 開始 す る。 こ の諮 問 内容 に は直 接 明 示 され てい なか っ たが,総 理 大 臣挨 拶 の 中で 前 年 12月 に 決 定 した 「男 女 共 同参 画2000年 プ ラ ン」 を踏 ま え て 「男 女 共 同 参 画 基 本 法 」 の検 討 を示 唆 した。
1998(平 成10)年11月 の 男 女 共 同 参 画 審 議 会 か らの 答 申後 の 翌1999(平 成 11)年2月26日 に 閣 議 決 定 され,内 閣提 出法 律 案 と して 第145回 通 常 国 会 に提 出 され る。 そ して,同 年5月21日 の 参 議 院 に て法 案 の 目次 の前 に次 の よ う な 前 文 を加 え る修 正 が な され,衆 議 院 に て 同年6月15日 に可 決 ・成 立 す る。 公 布 年 月 日1999(平 成11)年6月23日 注3)。
女性の活躍促進 と女子短期大学の使 命85
「我 が 国 にお い て は,日 本 国憲 法 に個 人 の 尊 重 と法 の 下 の 平 等 が うた われ, 男 女 平 等 の 実現 に 向 け た様 々 な取 組 が,国 際社 会 に お け る取 組 と も連 動 し つ つ,着 実 に進 め られ て きた が,な お 一 層 の 努力 が 必 要 と され て い る 。
一 方,少 子 高 齢 化 の 進展,国 内 経 済 活 動 の 成熟 化 等我 が 国 の社 会経 済情 勢 の 急 速 な変 化 に対 応 して い く上 で,男 女 が,互 い にそ の 人権 を尊 重 しつ つ 責 任 も分 か ち合 い,性 別 にか か わ りな く,そ の 個性 と能 力 を十 分 に発 揮 す る こ とが で き る男 女 共 同 参 画 社 会 の 実 現 は,緊 要 な課 題 と な って い る。
この よ う な状 況 にか んが み,男 女 共 同参 画 社 会 の 実 現 を二 十 一 世 紀 の 我 が 国社 会 を 決 定 す る 最 重 要 課 題 と位 置 付 け,社 会 の あ ら ゆ る 分 野 に お い て,男 女 共 同参 画 社 会 の 形 成 の 促 進 に関 す る施 策 の 推 進 を図 って い くこ と が 重 要 で あ る。
こ こ に,男 女 共 同参 画 社 会 の形 成 につ い て の基 本 理 念 を明 らか に して そ の方 向 を示 し,将 来 に 向か っ て 国,地 方 公 共 団体 及 び 国民 の男 女 共 同参 画 社 会 の形 成 に 関す る取 組 を総 合 的 かつ 計 画 的 に推 進 す る た め,こ の法 律 を 制 定 す る。」(傍 …点 筆 者)
上記 の前 文 内容 は,当 時 の男 女 共 同参 画 担 当 で あ る 内 閣官 房 長 官(野 中 広 務) の 法 案提 案理 由 に沿 っ た 内容 で あ る 。前 文 の 「国 際社 会 に お け る取 組 と も連 動 しつ つ,着 実 に進 め られ て きた が,な お 一 層 の努 力 が 必 要 」 との 点 は,「 国 際 連 合 な ど国 際社 会 に お け る 取 り組 み と も連 動 しつ つ,着 実 に 進 め られ て きた と ころ で あ ります 。 そ の 間 に は,女 子 差 別 撤廃 条 約 も批 准 され ま した 。 しか しな が ら,現 実 の 社 会 にお い て は,男 女 間 の 不 平 等 を感 じ る人 も多 く,男 女 平 等 の 実 現 に向 けて,な お 一 層,努 力 して い か なけ れ ば な りませ ん 」 に該 当 す る。 男 女 平 等 を表 明 す る種 々の 法 令 等 が 成 立 して い る もの の,現 実 に は,残 念 なが ら, 男 女 平 等 の 実現 が な され て い な い との 指 摘 で あ る とい え る注4)。例 え ば,UN DP(国 連 開発 計 画)が 人 類 の進 歩 を 測 るた め に経 済 成 長 に係 る指 標 と して 平 均 寿 命 や 教 育 水 準,1人 当 た り国民 所 得 な どか ら算 定 して い るHDI(人 間 開 発 指 数)に よる と,日 本 は2000(平 成12)年 で174か 国 中9位 と高 位 に あ るが,
女 性 が 積 極 的 に経 済 や 政 治 な どの 意 思 決 定 に参 画 して い るか ど うか を国 会 議 員 や 管 理 ・行 政 職 の う ち女 性 の 占め る割 合 や 賃 金 の 男 女 格 差 か ら算 定 したGEM
(ジ ェ ン ダ・一・…エ ンパ ワー メ ン ト指 数)は70か 国 中41位 と な っ て い る。 こ れ は, 女 性 の 能 力 の 開発 は進 んで い る に もか か わ らず,そ の 能 力 を発 揮 す る機 会 が 十 分 に は整 って い ない こ と を示 して い る注5)。
前 文 の 「少 子 高 齢 化 の 進 展,国 内経 済 活 動 の 成 熟 化 等 我 が 国の 社 会 経 済 情 勢 の急 速 な変 化 に対 応 」 につ い て は,労 働 力 の 不 足 に対 応 す る ため に も 「女 性 と 男 性 が 互 い にそ の 人 権 を尊 重 し,喜 び も責 任 も分 か ち合 い つ つ,性 別 に と らわ れ る こ とな く,そ の 個 性 と能 力 を十 分 に発 揮 す る こ とが で きる男 女 共 同参 画 社 会 の 実 現 は,一 層 緊 急 の 課 題 」 で あ る と問 題 を提 示 して い る。
1997(平 成9)年10月27日 の 人 ロ問 題 審 議 会 報 告 書 「少 子 化 に関 す る基 本 的 考 え 方 に つ い て一 人 口 減 少 社 会,未 来 へ の責 任 と選 択 一 」(抜 粋)に お い て, 少 子 化 の 要 因 の背 景 と して,(1)社 会 の 成 熟 化 に伴 う個 人 の多 様 な生 き方 の 表 れ,(2)女 性 の社 会 進 出 とそ れ を 阻 む 固 定 的 な男 女 の 役 割 分 業 意 識 と雇 用 慣 行,そ れ を支 え る 企 業 風 土 の 存 在,(3)快 適 な生 活 の 下 で の 自立 に対 す る た め らい,(4)現 在,そ して 将 来 の 社 会 に 対 す る不 安 感 を挙 げ て い る 。 少 子 化 の影 響 へ の 対 応 の ひ とつ と し て,「 労 働 力 人 口減 少 の 緩 和 の た め,高 齢 者, 障 害 者,女 性 を は じめ,就 労 意 欲 を持 つ あ らゆ る者 が 個 人 の 選 択 に応 じた 多 様 な働 き方 で 就 業 で き る よ う,年 齢 や 性 別 に よ る垣 根 を取 り払 う新 た な雇 用 環 境 の 創 出 が 必 要 」 と して い る点 は 興 味 深 い 。
さ らに,結 論 と して,「 個 人 の 自立 や 自己 実 現 と他 者 へ の 貢 献 が 両 立 す る 男 女 共 同 参 画 社 会 の 実 現 を 目指 し,男 女 が 共 に 育 児 に責 任 を持 つ と と も にそ の 喜 び も分 か ち 合 え る よ うな 新 しい 家 族像 を基 本 に捉 え て,新 しい 地 域社 会 や 企 業 風 土 を形 成 し,次 世 代 育 成 へ の社 会 的 連 帯 を図 る とい う形 で 我 が 国 社 会 の 新 た
な枠 組 み の 構 築 を 目指 す とい う こ と」 と指 摘 して い るの で あ る。
そ して,前 文 の 「二 十 一 世 紀 の 我 が 国 社 会 を決 定 す る最 重 要 課 題 」 と謳 って い る点 は,「 男 女 の 人権 が 尊 重 さ れ,豊 か で 活 力 あ る社 会 を実 現 し,女 性 も男 性 もみ ず か らの 個 性 を発 揮 しなが ら,生 き生 き と充 実 した 生 活 を送 る こ とが で
女性 の活躍促進 と女子短期大学の使命87 き る こ とを 目指 す 」 法 律 で あ り,「21世 紀 の 日本 社 会 を決 定 す る大 きな か ぎ と な る意 義 を持 つ 」 と して い る。
この 法 律 第13条 で 男 女 共 同 参 画 社 会 の 形 成 の 促 進 に 関 す る基 本 的 な計 画 (「男 女 共 同 参 画 基 本 計 画 」)の 策 定 を政 府 に義 務 付 け て い る。 そ して,第21条 に よ り内 閣 府 に 「男 女 共 同 参 画 会 議 」 を置 く と され,1997(平 成9)年 に設 置 した 「男 女 共 同参 画 審 議 会 」 が廃 止 さ れ る注6)。
この男 女 共 同参 画基 本 法 の成 立 に よ り,国 内 的 に は女 性 の活 躍 推 進 政 策 が本 格 化 して い くの で あ る 。
3.女 性 の 活 躍 推 進 政 策 の 展 開
(1)内 閣 府 「男 女 共 同参 画 基 本 計 画 」
経 過 措 置 と して 存 続 して い た 「男 女 共 同 参 画 審 議 会 」 に対 して 内 閣 総 理 大 臣 が 「ビ ジ ョ ン及 び男 女 共 同参 画2000年 プ ラ ンの 策 定 の 後 の 国 内外 の 様 々 な 状 況 の 変 化 を考 慮 の 上,政 府 にお い て 男 女 共 同 参 画 基 本 計 画 を策 定 して い く際 の 基 本 的 な考 え 方 に つ い て 」1999(平 成ll)年8月 に諮 問 し た。 同 審 議 会 は, 2000(平 成12)年6月 に ニ ュ ー ヨー ク で 開催 され た 国 連特 別 総 会 「女 性2000年 会 議:21世 紀 に 向 け て の 男 女 平 等 ・開 発 ・平 和 」 の 成 果 を視 野 に入 れ て 調 査 審 議 を進 め,2000(平 成12)年9月,「 男 女 共 同 参 画 基 本 計 画 策 定 に 当 た っ て の基 本 的 な考 え方 一21世 紀 の 最 重 要 課 題一 」 を答 申 した 。
こ の答 申 を受 け て,「 男 女 共 同 参 画 基 本 計 画 」 を策 定 し,2000(平 成12)年 12月 に 「男 女 共 同 参 画 社 会 基 本 法 」 第13条 を受 け て 閣 議 決 定 して い る。 こ の 基 本 計 画 は,① 男 女 共 同参 画社 会 基 本 法 に基 づ く男 女 共 同参 画 の係 る初 め て の 法 定 計 画 で あ る こ と,1996(平 成8)年12月 に 男 女 共 同 参 画 参 画 推 進 本 部 が 決 定 した 国 内 行 動 計 画 「男 女 共 同 参 画2000年 プ ラ ン」 に代 わ る新 た な 国 内行 動 計 画 と して位 置 付 け られ る こ と,③2001(平 成13)年1月 か らの 中央 省 庁 再 編 後 の 新 た な体 制 を前 提 と した 計 画 で あ る こ と にお い て,大 き な意 義 を有 して い
る と してい る注7)。
男 女 共 同参 画 基 本 計 画 で は,第1部 にお い て,男 女 共 同参 画 社 会 基 本 法 の 制
定 まで の経 緯 とそ れ を踏 ま え た計 画 の基 本 的考 え方 と構 成 を示 し,第2部 にお い て,中 央 省 庁 等 改 革 後 の新 た な体 制 の下 で の施 策 の基 本 的 方 向性 及 び具 体 的 な施 策 の 内容 を示 して い る。 なお,第2部 で は,各 章 の 冒頭 で,施 策 の 基 本 的 方 向性 につ い て概 観 を付 して い る。 第3部 にお い て は,男 女 共 同参 画 社 会 の 形 成 の促 進 に 関す る施 策 を総 合 的 か つ 計 画 的 に推 進 す る ため に必 要 な方 策 を示 し
て い る。
「第2部 施 策 の 基 本 的 方 向 と具 体 的施 策 」 の 「1政 策 ・方 針 決 定 過 程 へ の 女 性 の 参 画 拡 大 」 にお い て,「 …男 女 共 同参 画社 会 基 本 法 に 定 め る責 務 と して, 国 は,基 本 理 念 を踏 ま えた 施 策 の 総 合 的 な策 定,実 施 の 責 務 を負 う こ とが 規 定 さ れ て お り,そ の 施 策 の 中 に は 積 極 的 改 善 措 置(ポ ジ テ ィ ブ ・ア ク シ ョン)が 含 ま れ て い る。 … 」 と して,ポ ジ テ ィ ブ ・ア ク シ ョ ンの 用 語 が使 わ れ て い る。
特 に,第2部 の 「3雇 用 等 の分 野 に お け る男 女 の均 等 な機 会 と確 保 」 の 「(1) 雇 用 の 分 野 にお け る男 女 の 均 等 な 機 会 と待 遇 の確 保 対 策 の推 進 」 で は,重 要 な 取 組 み と位 置 づ け られ て い る とお も われ る。 「施 策 の基 本 的 方 向 」 と して,次 の よ うに 示 して い る 。
男 女 雇 用 機 会 均 等 法 の 改 正 に よ り,平 成11年4月 か ら,募 集 ・採 用,配 置 ・昇 進 を含 む雇 用 管 理 の すべ て の段 階 に お け る女 性 に対 す る差 別 が 禁止 さ れ た こ とを 踏 ま え,積 極 的 な行 政 指 導 に よ り男 女 雇 用 機 会 均 等 法 の履 行 確 保 を 図 る 。 ま た,実 質 的 な男 女 の均 等 確 保 を実 現 し,女 性 の 能力 を最 大 限 に い か す た め に は,制 度上 の男 女 均 等 が確 保 さ れ る だ け で な く,事 実 上 生 じて い る男 女 労 働 者 間 の格 差 を解 消 す る た め の企 業 の ポ ジ テ ィブ ・ア ク シ ョ ンが 不 可 欠 で あ る こ とか ら,企 業 に対 す る促 進 施 策 を積 極 的 に展 開す る。
そ の 「具 体 的 施 策 」 に お い て,「 企 業 にお け る女 性 の 能 力 発 揮 の た め の 積 極 的取 組(ポ ジ テ ィ ブ ・ア ク シ ョン)の 推 進 」 を挙 げ て い る 。
(2)厚 生 労 働 省 「女 性 の活 躍 推 進 協 議 会 」
女性の活躍促進 と女子短期大学の使命89 厚 生 労働 省 「雇 用均 等 ・児 童 家庭 局 」 主 導 に よ り,第1回 「女 性 の活 躍 推 進 協 議 会 」を2001(平 成13)年7月 に 開催 して い る 。こ の協 議 会 の活 動 内容 は,「ポ ジテ ィブ ・ア ク シ ョンの 取 組 の 普 及,促 進 に 向 け た行 動,発 信 」 が 中心 で あ る。
「女 性 の活 躍 推 進 協 議 会 開催 要 綱 一 ポ ジ テ ィブ ・ア ク シ ョ ンの推 進 に 向 け て一 」 に よれ ば,こ の 協 議 会 の 当 初 の 趣 旨は 次 の 通 りで あ る。
平 成9年 の 男 女 雇 用 機 会 均 等 法 の 改 正 に よ り,募 集 ・採 用 か ら定 年 ・退 職 ・解 雇 に至 るす べ て の 雇 用 管 理 にお け る女 性 に対 す る差 別 が 禁 止 され た と こ ろで あ るが,実 質 的 な男 女 均 等 を実 現 し,女 性 の 能 力 を最 大 限 活 か す た め に は,制 度 上 の 均 等 が 確 保 され るだ けで な く,従 来 の 慣 行 や 固 定 的 な 役 割 分 担 意 識 に根 ざ した 雇 用 管 理 が 繰 り返 され て い るた め 生 じて い る男 女 労 働 者 間 の 事 実 上 の 格 差 を解 消 す る た め の 企 業 の積 極 的 な取 組(ポ ジ テ ィ ブ ・ア ク シ ョ ン)が 不 可 欠 で あ る 。 この よ う な女 性 の積 極 的 な 活用 は,近 い 将 来,労 働 力 供 給 の減 少 が 見 込 まれ る 中で,我 が 国企 業 の競 争 力 の 維 持 ・強 化 の た め
に も重 要 で あ る。
しか しなが ら,現 状 にお い て は,一 部 の企 業 にお い て取 組 が 見 られ る もの の,多 くの企 業 に お い て は,ポ ジ テ ィブ ・ア ク シ ョ ンの必 要 性 が 十 分 に認 識 され て い な い状 況 に あ る。 この よ うな状 況 の 中 で,ポ ジ テ ィブ ・ア ク シ ョ ン の取 組 を さ らに広 く普 及 させ て い くた め に は,企 業 が 自 ら主 体 的 に ポ ジ テ ィ ブ ・ア ク シ ョ ンに取 り組 む こ とを促 す 仕 組 み と して,行 政 と経 営 者 団体 が 連 携 し,経 営 者 団体 を通 じ傘 下 の企 業 に対 し強力 に働 きか け を行 っ て い くこ と
が効 果 的 で あ る 。
この た め,官 民 連携 して,広 くポ ジテ ィブ ・ア ク シ ョ ンの普 及 を図 っ て い くこ と とす る。
こ の 協 議 会 で は,2001(平 成13)年7月 の 第1回 の 会 議 か ら ポ ジ テ ィ ブ ・ア ク シ ョ ン の 普 及 を 図 る た め の 取 組 に つ い て 議 論 を 行 い,2002(平 成14)年4月 19日 に 「ポ ジ テ ィ ブ ・ア ク シ ョ ン の た め の 提 言 〜 意 欲 と 能 力 の あ る 女 性 が 活
躍 で きる 職場 づ く り〜 」 を厚 生労 働 省 よ り発 表 して い る 。
(3)経 済 産 業 省 「な で し こ銘 柄 」 と 「ダイ バ ー シテ ィ経 営 企 業100選 」 経 済 産 業 省 で は,東 京 証 券 取 引 所 と共 同 で,2012(平 成24)年 度 よ り女 性 活 躍 推 進 に優 れ た 上 場 企 業 「なで しこ銘 柄 」 を選 定 し,発 表 して い る(2013年2 月26日)。
な で し こ銘柄 とは,東 証 一 部 上場 企 業 の 中 か ら,業 種 ご とに,女 性 が働 き続 け る た め の 環境 整備 を含 め,女 性 人材 の活 用 を積 極 的 に 進 め て い る企 業 の こ と で あ る。 こ の取 組 み は,「 成 長 戦 略 の 中核 」 とす る 「女 性 活 躍 推 進 」 の取 組 の ひ とつ で あ り,「女 性 活 躍 推 進 」 に優 れ た上 場 企 業 を 「中長 期 の 企 業 価 値 向 上 」
を重視 す る投 資 家 に とっ て魅 力 あ る 銘柄 と して 紹介 す る こ とを 通 じて,そ う し た 企 業 へ の 投 資 を促 進 し,各 社 の取 組 を加 速 化 して い くこ と を狙 い と し て い る 。 また,女 性 活躍 を推 進 す る企 業 の す そ 野 を広 げ る とい う点 で,経 済 産業 省 が 昨 年 度(平 成24年 度)よ り進 め て い る 「ダ イバ ー シ テ ィ経 営 企 業100選 」 と の相 乗 効 果 が期 待 され て い る 。
この100選 は,女 性,高 齢 者,外 国人,障 が い 者,多 様 な キ ャ リア等,多 様 な 人 材 の 能 力 を最 大 限発 揮 させ る こ とに よ り,イ ノ ベ ー シ ョ ンの創 出,生 産性 向 上 等 の 成 果 を 上 げ て い る企 業 を表 彰(大 企 業 ・中小 企 業)す る も の で あ る。
「優 れ た ダイ バ ー シ テ ィ経 営 企 業 」 を選 定 ・表 彰 し,ベ ス トプ ラ ク テ ィ ス 集 と して 広 く発 信 す る こ とに よ り,積 極 的 に取 り組 む 企 業 の す そ 野 を広 げ 女性 活 躍 推 進 の 動 き を加 速化 す る こ と を期 待 して い る 。
(4)女 性 の 活 躍 状 況 の 資 本 市 場 にお け る 「見 え る化 」
内 閣 府 は,「 女 性 の 活 躍 促 進 に よる 経 済 活 性 化 」 行 動 計 画(平 成24年6月22 日女 性 の 活 躍 に よ る経 済 活 性 化 を推 進 す る関 係 閣 僚 会 議 決 定)及 び 日本 再 生 戦 略(平 成24年7月31日 閣 議 決 定)に 基 づ き,企 業 の女 性 活 躍 に 関 す る指 標 等 の 公 表 に係 る 資本 市 場 に お け る企 業 の取 組 を促 す 方 策 に つ い て検 討 す る こ とを 目 的 と して,女 性 の活 躍 状 況 の 資本 市 場 に お け る 「見 え る化 」 に 関す る検 討 会 を
女性 の活躍促 進 と女子短期大学 の使命91 開催 す る こ とを2012(平 成24)9月18日 に決 定 した。
そ し て,2012年(平 成24)年12月13日 に 「女 性 の 活 躍 状 況 の 資 本 市 場 にお け る 『見 え る化 』 に 関 す る 検 討 会 」報 告 を公 表 す る。 この 報 告 にお い て,「 コ ー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス の観 点 か ら役 員 会 の構 成 が 投 資家 に とっ て重 要 な 関心 事 項 で あ る との視 点 に立 っ て,国 内外 の上 場 企 業 が金 融 商 品取 引 所 の有 価 証 券 上 場 規 程 等 に基 づ い て作 成 を 求 め られ て い る 『コー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス に 関す る 報 告書 』 に お い て役 員へ の女 性 登 用 の状 況 に 関 す る情 報 の 開示 が促 さ れ る よ う,当 該 情 報 を 記 載例 と して 『記 載 要領 』 に 明示 す る こ とを金 融 証 券 取 引所 に 要 請 す る 」 と した の で あ る(同 報 告,本 文13頁)。
この 「記 載 要 領 」 の 変 更 に よ り,経 済 産 業省 も参 画 す る か た ち で 「女 性 活 躍 推 進 」 に 着 目 して 公 開 情 報 をベ ー ス に 企 業 を選 定 ・公 表 し,投 資家 へ 情 報 を発 信 す る こ と を考 え て い る(同 報 告,本 文13〜14頁)。
株 式 会 社 日本 取 引 所 グ ル ー プ(東 京 証 券 取 引 所,大 阪 取 引 所,日 本 取 引所 自 主 規 制 法 人,日 本 証 券 ク リ ア リ ン グ機 構 を 子 会 社 とす る指 名 委 員 会 等 設 置 会 社)は,「 コー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス に 関す る 報 告 書 」 記 載 要 領 の 一 部 改 訂 を 2013(平 成25)年4月18日 に行 っ て い る。 こ の 「女 性 の活 躍 状 況 の 開 示 に 係 る
『コー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス に 関す る 報 告 書 』 記 載 要 綱 の 改 訂 につ い て 」 に よ れ ば次 の よ う に述 べ て い る。
人 的 資 源 の 半 分 を 占め る女 性 の 活 躍 促 進 が 我 が 国 経 済 を再 生 ・成 長 させ る 重 要 な鍵 の 一 つ で あ る との 認 識 の 下,昨 年 末,内 閣府 に よ る 「女 性 の 活 躍 状 況 の 資 本 市 場 にお け る 『見 え る化 』 に 関す る検 討 会 」 の 報 告1が と りま とめ られ,「 企 業 に お け る女 性 の活 躍 に 関 す る情 報 に つ い て,企 業 に よる 任 意 か つ 積 極 的 な情 報 開示 」 の一 層 の促 進 が 提 言 さ れ て い ます 。
ま た,当 該 提 言 に基 づ き,女 性 の活 躍 に 向 け た政 府 の各 施 策 や 報 告 書 の記 載 事 例 につ い て,本 日付 で,内 閣府 よ り 「コー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス に 関す る報 告 書 で の積 極 開示 の お願 い」 及 び 「コー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス に 関す る
報 告 書 等 で の記 載 イ メ ー ジ につ い て(ご 参 考)」 が公 表 され ま した。
こ う し た一 連 の 政 府 にお け る取 組 み を踏 ま え,こ の た び 当 社 で は,「 コ ー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス に 関す る報 告 書 」 記 載 要 領 の一 部 改 訂 を行 い ま した の で,そ の 内容 につ き御 通 知 申 し上 げ ます 。
男 女 共 同参 画 局 は,役 員 等 の男 女 別 の構 成 や,役 員 へ の女 性 登 用 の状 況 に 関 す る現 状 を記 載 す る積 極 的 な 開示 を,企 業 に 要 請 して い る(内 閣 府 男 女 共 同参 画 局 「コー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス に 関す る報 告 書 で の積 極 開示 のお 願 い」2013
(平成25)年4月18日)。 こ の お願 い は,各 金 融 商 品取 引 所 が 「コ ー ポ レー ト ・ ガバ ナ ンス に 関す る報 告 書 」 記 載 要 領 の一 部 改 訂 が 公 表 さ れ た 同 日で あ る。 そ して,女 性 の活 躍 状 況 に 関す る記 載 事 例 が,2013(平 成25)年,2014(平 成26) 年,2015(平 成27)年 と年 々 バ ー ジ ョ ンア ップ して 詳 細 な情 報 が 内 閣 府 男 女 共
同参 画 局 よ り公 表 され て い る。 これ に よ り,事 業 主 に対 して,女 性 の 活 躍 に関 す る情 報 開示 の 積 極 的 開 示 を促 して い る。 この 点 は,い わ ば,企 業 に対 して 外 的 強 制 力 を働 か せ て い る こ と に な る。 こ う した 外 圧 的 手 段 に よ り各 企 業 の 女 性 の 活 躍 推 進 を迫 って い るが,企 業 の 内 発 的 変 化 が 生 じる こ と を期 待 した い 。
他 方,「 女 性 の活 躍 に 関 す る情 報 は,財 務 情 報 に現 れ な い 企 業 の 『見 え な い 価 値 』 の 一 つ で す 。 企 業 が 女 性 の 活 躍 状 況 を開 示 す る こ と に よ って,存 続 可 能 性 や 中長 期 的 な成 長 性 が 投 資 家 か ら適 切 に判 断 され,資 金 調 達 な ど にお い て メ リ ッ トを得 る こ とが で き る よ う に な る と考 え られ ます 」 と して 女 性 の 活 躍 推 進 を意 義 付 け る こ と に よ り,各 企 業 の 自発 的 な女 性 の 活 躍 推 進 を提 示 して い る。
(5)コ ー ポ レ ー トガ バ ナ ンス ・コ ー ド原 案
コ ー ポ レ ー トガ バ ナ ン ス ・コ ー ドの 策 定 に 関 す る 有 識 者 会 議 は ,2015(平 成 27)年3月5日 付 け で,「 コ ー ポ レ ー トガ バ ナ ンス ・コ ー ド原 案 」 を 公 表 し た 。
こ の 有 識 者 会 議 は,民 間 有 識 者 の 知 見 を い か し つ つ,コ ー ポ レ ー トガ バ ナ ン ス ・コ ー ドの 基 本 的 な 考 え 方 に つ い て 提 言 を得 る こ と を 目 的 と し て い る 。 「『日 本 再 興 戦 略 』 改 訂2014一 未 来 へ の 挑 戦 一 」(平 成26年6月24日 閣 議 決 定)に お
女性 の 活躍 促 進 と女 子 短期 大 学 の使 命93 い て,東 京 証 券 取 引 所 と金 融 庁 を 共 同 事 務 局 とす る 有 識 者 会 議 に お い て 『コ ー ポ レ ー トガ バ ナ ン ス ・コ ー ド』 を 策 定 す る 」 と し て い た 。 こ の 有 識 者 会 議 に お い て 「OECDコ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 」 を 踏 ま え た 「コ ー ポ レ ー トガ バ ナ ン ス ・コ ー ド原 案 」 が 策 定 さ れ た の で あ る 。
こ の 原 案 の 目 的 に 次 の よ う に 示 し て い る 。
「11.… 法 令 とは 異 な り法 的拘 束 力 を有 す る 規 範 で は な く,そ の 実 施 に 当 た っ て は,い わ ゆ る 『コ ン プ ラ イ ・オ ア ・エ ク ス プ レイ ン』(原 則 を実 施 す る か,実 施 しな い場 合 に は,そ の理 由 を説 明す るか)の 手 法 を採 用 して い る。
す な わ ち,本 コー ド(原 案)の 各 原 則(基 本 原 則 ・原 則 ・補 充 原 則)の 中 に, 自 らの個 別 事 情 に 照 ら して 実 施 す る こ とが 適 切 で な い と考 え る原 則 が あ れ ば,そ れ を 『実 施 しな い 理 由』 を 十 分 に 説 明 す る こ とに よ り,一 部 の 原則 を 実 施 しな い こ と も想 定 して い る 。」
そ して,こ の 原 案 は 東 京 証 券 取 引所 に お い て 必 要 な 制 度 整備 が 行 わ れ,上 場 企 業 を対 象 と して2015(平 成27)年6月 導入 す る こ とに な っ た注8)。
この 中 の 【原 則2‑4.女 性 の 活 躍 促 進 を含 む社 内 の 多 様 性 の確 保1に お い て,「 上場 会 社 は,社 内 に 異 な る経 験 ・技 能 ・属 性 を反 映 した 多 様 な視 点 や価 値 観 が存 在 す る こ とは,会 社 の持 続 的 な成 長 を確 保 す る上 で の 強 み と な り得 る,と の 認 識 に立 ち,社 内 にお け る女性 の 活 躍促 進 を含 む 多 様性 の確 保 を推 進 す べ きで あ る」 と定 め て い る。
(6)女 性 の職 業 生 活 にお け る活 躍 推 進 に 関す る法 律
2015(平 成27)年8月28日 に 「女 性 の職 業 生 活 に お け る 活 躍推 進 に 関 す る法 律(女 性 活 躍 推 進 法)」 が 成 立 した。 こ の 法 律 の狙 い は,働 きた い と い う希 望 を持 っ て い て も就 業 して い ない 女 性 が 約300万 人 お り,指 導 的 地位 に 占 め る女 性 の割 合 が 先 進 諸 国 を 大 き く下 回 っ て い る な ど,「 女 性 の 力 」 が 必 ず し も十 分 に発 揮 さ れ て い な い 中 で,女 性 の働 く意 欲 を実 現 につ な げ,ひ い て は 日本 の 持
続 的 成 長 を実 現 し,活 力 あ る社 会 を維 持 して い くこ とで あ る,と して い る(女 性 活 躍 担 当大 臣 「女 性 の 職 業 生 活 にお け る活 躍 推 進 に 関 す る法 律 の 成 立 に 当 た って 」 平 成27年8月28日 参 照)。
こ の法 律 に よ り,国 や 地 方 公 共 団 体 民 間事 業 主(労 働 者 が300人 以 下 の 民 間 事 業 主 に つ い て は 努 力 義 務)は,事 業 主 行 動 計 画 を 策 定 す る こ とに な っ た
(第8条 参 照)。
この 条 文 につ い て は,附 則 第1条(施 行 期 日)に よれ ば,平 成28年4月1日 か ら施 行 す る こ と に な っ て い る 。 そ れ ま で に,一 般 事 業 主 行 動 計 画 で は,「 採 用 した 労 働 者 に 占め る女 性 労働 者 の 割 合,男 女 の 継 続 勤 務 年 数 の 差 異,労 働 時 間 の 状 況,管 理 的 地 位 にあ る労 働 者 に 占め る女性 労働 者 の 割 合 そ の他 の そ の 事 業 にお け る女 性 の 職 業 生 活 にお け る活 躍 に関 す る状 況 を把 握 し,女 性 の 職 業 生 活 にお け る活 躍 を推 進 す るた め に改 善 す べ き事 情 につ い て 分析 した 上 で,そ の 結 果 を勘 案 して,こ れ を定 め な け れ ば な らな い 。 この 場 合 にお い て,前 項 第 二 号 の 目標(女 性 の職 業 生 活 に お け る活 躍 の 推 進 に 関す る取 組 の 実 施 に よ り達 成 し よ う とす る 目標)に つ い て は,採 用 す る 労 働 者 に 占 め る女 性 労 働 者 の 割 合, 男 女 の 継 続 勤 務 年 数 の 差 異 の 縮 小 の 割 合,労 働 時 間,管 理 的 地 位 にあ る労 働 者 に 占め る女 性 労 働 者 の 割 合 そ の 他 の 数 値 を用 い て 定 量 的 に定 め な けれ ば な らな い 」(第8条3項 抜 粋)。
この 女 性 の 活 躍 に関 す る状 況 把 握 事 項 とは,① 女 性 採 用 比 率,② 勤 続 年 数 男 女 差,③ 労 働 時 間の 状 況,④ 女 性 管 理 職 比 率 等 で あ り,こ れ らの 状 況 把 握 ・分 析 して,定 量 的 目標 や 取 組 内 容 な どを内 容 とす る 「事 業 主 行 動 計 画 」 を策 定 ・ 公 表 す る。
こ の よ うに,上 場 企 業 の み な らず,労 働 者300人 を超 え る民 間事 業 主 に つ い て も,女 性 の 活 躍 促 進 の 状 況 把 握 と行 動 計 画 が,法 律 上,義 務 付 け ら れ る に 至 った の で あ る。 い よい よ,各 企 業 は,女 性 の 活 躍 推 進 に戦 略 的 に取 組 む 経 営 行 動 が 求 め られ て い る とい え る。
女性の活躍促 進 と女子短期 大学 の使命95 4.短 期 大 学 の数 量 的 推 移
第2次 大 戦 後,学 校 教 育 法 の1947(昭 和22)年 施 行 に よ り,戦 前 の 帝 国 大 学, 大 学 令 に基 づ く大 学 の ほ か高 等 学 校,高 等 専 門学 校,医 学 専 門学 校,師 範 学 校 等 が 一括 して新 制 大 学 に移 行 した。 そ の 際,大 学 設 置 基 準 に満 た な い学 校 につ い て,短 期 大 学 とす る こ とに な っ た 。
学 校 数 に つ い て,学 校 基 本 調 査 に よ れ ば,当 初 は 暫 定 的 な 制 度 と さ れ た 1950(昭 和25)年 に は149校(国 立0校,公 立17校,私 立132校)で あ っ た が, 5年 後 の1955(昭 和30)年 に は264校(国 立17校,公 立43校,私 立204校), 1960(昭 和35)年 に は280校(国 立27校,公 立39校,私 立214校),そ して,短 期 大 学 が 制 度 と して 恒 久 化 さ れ た に1964(昭 和39)年 に は339校(国 立29校, 公 立40校,私 立270校),1996(平 成8)年 に は598校(国 立33校,公 立63校, 私 立502校)の ピ ー ク に達 し,そ の 後 減 少 の 道 を た ど り,2015(平 成27)年 に
は346校(国 立0校,公 立18校,私 立328校)に 至 った 注9)。
1950年 代 の 短 期 大 学 の 役 割 は,国 立(夜 間)に お い て は勤 労 男 子 の職 業 教 育, 私 立(昼 間)に お い て は女 子 中心 の 教 養 教 育 や 教 員 養 成 の 二 つ に大 別 され,公 立 は そ の 中 間 的存 在 で あ った と指 摘 さ れ て い る注10)。そ の後 女 子 教 育 機潤 と
して 私 立 短 期 大 学 の存 在 意 義 が 更 に 強 調 さ れ よ う に な っ た 。1950年 代 は,女 性 の初 婚 年 齢 も低 く,女 性 の進 学 先 と して教 育 が 短 期 に終 了 す る点 で 短 期 大 学
は社 会 の要 請 に こ た え て い た の で あ る。 家 政 学 や 幼 稚 園教 員 養 成 短 大 で は,い わ ゆ る 「良妻 賢母 」 の育 成 を表 明す る短 期 大 学 もあ っ たが,日 本 経 済 の高 度 成 長 と と もに女 性 の社 会 進 出 の機 会 を与 え る教 育 機 関 と して の存 在 意 義 が 認 め ら れ よ うに な る の で あ る。 文 部 科 学 省 の 「短 期 大 学 制 度 の 沿革 と特 徴 」に お い て, 短 期 大 学 は女 性 の 高等 教 育 の普 及 や実 践 的職 業 教 育 の場 と して,大 きな役 割 を
果 た して きた との認 識 を示 して い る。
学 校 基 本 調 査 の 国 公 私 立 の 短 期 大 学 の 在 籍 者 数注11)に よ れ ば,1954(昭 和 29)年(男 子36,335人,女 子37,162人)よ り女 性 の ほ うが 多 く な り は じめ, 2015(平 成27)年(男 子15222人,女 子117,459人)に 至 る まで そ の傾 向 は変 わ
らな い 。
そ し て,2015(平 成27)年 の 学 校 基 本 調 査 注12)。 に よ れ ば 公 立 大 学 学 生 数 6,953人(男 子1,000人,女 子5,953人),お よ び 私 立 短 期 大 学 学 生tW125,728人(男 子14,222人,女 子111,508人)で あ り,公 立 短 大 で は85.61%,私 立 短 大 で は 88.68%女 子 が 占 め て い る 。
短 期 大 学 の 在 学 者 数 は,平 成5年 度 に 過 去 最 高 に な り,翌 年 度 か ら減 少 し続 け,平 成 に 入 っ て か ら は 過 去 最 低 を 更 新 し,上 記 の よ う に2015(平 成27)年 の 学 校 基 本 調 査 で は,前 年 よ り3,853人 減 少 し て132,681人,女 子 は3,263人 減 少 し117,459人 と な っ た が,公 私 短 大 の 女 子 が88.5%占 め て い る 。 短 大 志 願 率(現 役)に つ い て は,1993(平 成5)年 の15.8%を ピ ー ク に し て 減 少 し,前 年 度 比0.1 ポ イ ン ト減 の5.3%に な っ た 。 そ れ に 対 し て,大 学(学 部)(現 役)の 入 学 志 願 率 は,2010(平 成22)年 の55.7%を ピ ー ク に し て 減 少 し,前 年 度 比0.6ポ イ ン ト 減 の55.5%と な っ た 。
こ の よ う な 現 状 に お い て,今 後 の 女 子 短 大 の 社 会 的 役 割 は あ る と い え い る だ ろ う か 。い や む し ろ,各 女 子 短 大 が 培 っ て き た 歴 史 を 踏 ま え,今 日 の 社 会 的 ニ ー ズ に 対 応 す る 女 子 短 大 の 使 命 を積 極 的 に 社 会 に 発 信 し て い くべ き で あ ろ う 。
5.女 子 短 期 大 学 の 未 来 (1)官 邸 の 動 行
2013(平 成25)年 に 内 閣総 理 大 臣(安 倍 晋 三)私 的 諮 問 機i関と して 官 邸 に 設 置 さ れ た 「教 育 再 生 実 行 会 議 」 よ り,「今 後 の 学 制 等 の 在 り方 につ い て(第 五 次 提 言)」 が2014(平 成26)年7月3日 付 け で 公 表 され た 。 そ こ で は,日 本 の 少 子 ・高 齢 化 の 急 速 な進 行,生 産 年 齢 人 口 の加 速 度 的 な 減 少 が見 込 まれ る危 機 的 な状 況,お よ び グ ロ ーバ ル化 の 急 速 な進 展 に よ る競 争 が指 摘 され て い る(同 提 言,1頁)。 こ の認 識 の も と に,「 日本 が 将 来 に わ た っ て成 長 し発 展 を続 け, 一 人 一 人 の 豊 か な人 生 を実 現 して い くた め に は,個 人 の 可 能 性 を最 大 限 引 き出 す と と も に,少 子 化 を克 服 し,国 力 の 源 で あ る人材 の 質 と量 を充 実 ・確 保 して い く必 要 」 が あ る と して い る(同 所)。 こ う した前 提 で,「 社 会 ・経 済 の変 化 に 伴 う人 材 需 要 に即 応 した 質 の 高 い 職 業 人 を育 成 す る と と もに,専 門 高校 卒業 者
女性 の活躍促進 と女子短期大学の使 命97 の進 学 機 会 や社 会 人 の学 び直 しの機 会 の拡 大 に 資す る た め,国 は,実 践 的 な職 業 教 育 を行 う新 た な高 等 教 育 機 関 を制 度 化 す る」 と提 言 した(同 提 言,5頁)。
ま た,「 『学 び続 け る』 社 会,全 員 参 加 型 社 会,地 方 創 生 を実 現 す る教 育 の在 り方 につ い て(第 六 次 提 言)」 が,教 育 再 生 実行 会 議 よ り2015(平 成27)年3月 4日 付 け で 公 表 さ れ た 。 こ こで は,「 現 役 世 代 の男 性 中 心 の 経 済 社 会 か ら脱 皮 し,生 涯 現 役 で活 躍 す る こ とが で き,ま た,女 性 が 輝 く社 会 を実 現 してい く必 要 」 と し,そ の た め に 「『高 齢 者 』 の捉 え方 の見 直 しや,男 性 も女 性 も仕 事 と 生 活 の調 和 を重 視 した 働 き方 や 人 生 設 計 の見 直 しが 必 要 」 と指 摘 して い る(同 提 言,7頁)。 女 性 の 活 躍 推 進 支 …援等 の た め の提 言 と して,① 大 学,専 修 学校, 社 会 教 育 施 設 等 は,女 性 の ス キ ル ア ップ と,職 場 復 帰 や 再 就 職 等 を支 援 す る実 践 的 な プ ロ グ ラ ム の提 供 を推 進 す る,② 大 学 は,出 産 ・育 児,仕 事,介 護 等 の た め に一 旦 学 業 を中 断 した 人 も,引 き続 き,学 業 を継 続 で き る よ う休 学 期 間 や 在 学 期 間 の 弾 力 的 な運 用 を推 進 す る,③ 大 学,専 修 学 校 等 が 女 性 の ニ ー ズ に応 え る プ ロ グ ラム を提 供 す る に当 た って は,産 業 界 との 連 携 や,各 種 の 就 業 ・起 業 支 援策,事 業 主 へ の 助 成 措 置 等 の 活 用 を図 りなが ら,学 ん だ 成 果 が 社 会 参 画 につ なが る支 援 を行 う,と して い る(同 提 言,8頁)。
(2)実 践 的 な職 業 教 育 を行 う新 た な高 等 教 育 機 関 の 制 度 化
先 の 第 六 次 提 言 で は,「 大 学 等 は,地 域 の 求 め る人 材 ニ ー ズ の 多 様 化 に対 応 し,地 方 公 共 団体 や 企 業 等 と連携 して,実 践 的 プ ロ グ ラム の 開発 や教 育体 制 の 確 立 な ど,『 実 学 』 を一 層 重 視 した,地 域 産 業 を 担 う高 度 な 人材 の 育 成 を推 進 す る 」 と と もに,「 第 五 次 提 言 で 述 べ た実 践 的 な 職 業 教 育 を行 う新 た な高 等 教 育機 関 の 制 度化 が 地域 の 職 業 人 育 成 に 大 きな効 果 を もた らす こ とが期 待 で きる こ とか ら,そ の 実現 に 向 け た取 組 を推 進 す る 」(同 提 言,12頁)。
この 提 言 を受 け て,文 部 科 学 省 の 中 央 教 育 審 議 会 に て,「 実 践 的 な職 業 教 育 を行 う新 た な高 等 教 育 機 関 の 制 度 化 に 関 す る特 別 部 会 」 が,2015(平 成27)年 5月15日 に 第1回 の会 議 を 開催 し,2015(平 成27)年10月21日 に第6回 の 会 議 が 予 定 さ れ て い る。 そ れ ら会 議 で は,脱 稿 時 点(2015年10月22日)で は,
最 終 結 論 に は至 っ て い な い。
第5回 の会 議 に 配布 され た 資料 「新 た な 高等 教 育 機 関 の教 育 内容 ・方 法 に つ い て(議 論 の た め の メ モ)」 に よれ ば,「(1)新 た な機 関 に お け る教 育 内容 ・方 法 の特 色 は,ど の よ うな もの か 。」 の なか で,例 と して,「 教 育課 程 の編 成 に 当 た って は,「 教 養 」 や 「総 合 的 な判 断 力 」 を培 う こ とに も配慮 。 授 業 全 体 に 占 め る実 習 ・演 習 等 の 割 合 につ い て,各 分 野 の 特 性 に 応 じつ つ,一 定 割 合 以 上 (例 え ば,4〜5割)以 上 とす る こ とを 義 務 付 け」 な どが 話 題 と な り,委 員 か ら次 の よ うな 意 見 が 出 た との こ とで あ る(同 メ モ,2頁 」)。
「○ 職 業 教 育 を行 っ て行 く際 に も,ベ ー ス とな る基 礎 的 な 能 力 が ど うい う も の か を,設 置 基 準 や,あ るい は カ リキ ュ ラム の 中 に,し っ か り入 れ 込 ん で い く必 要 が あ る。 ○ 例 え ば,ハ ー バ ー ドや ス タ ン フ ォー ドの ビ ジ ネ ス ス クー ルで は,経 済 学 者 の 名 前 な ど教 えず と も,経 営 上 必 要 な経 済 学 等 は徹 底 的 に 叩 き込 んで お り,職 業 教 育 に最 適 化 す る な ら,教 え る順 番 もカ リ キ ュ ラ ムの 組 み 方 も変 わ って くるの で は ない か 。」
「実 践 的 な 職 業教 育 を行 う新 た な 高 等 教 育 機 関 の 制 度 化 」 が,今 後 どの よ う に展 開す る か は予 断 で きな い。2015(平成27)年6月30日 に 閣議 決 定 され た 「『日 本 再 興 戦 略 』改 訂2015」 の 「中 短 期 工 程 表 」に よれ ば,「2019年 度 の 開 学 に向 け, 中央 教 育 審 議 会 実 践 的 な職 業 教 育 を行 う新 た な高 等 教 育 機 関 の制 度 化 に 関す る 特 別 部 会 で 議 論 し,2016年 年 央 まで に結 論 を得 た 上 で,そ の 結 果 を 踏 ま え た 法 制 上 の措 置 」(同 工 程 表,25頁)す る と して お り,2019(平 成31)年 度 か ら, 新 大 学 を発 足 す る大 前 提 の も とに種 々議 論 され て い る現 状 で あ る 。私 立 短 大 関 係 者 か ら,① 実践 的教 育 とい う 「実践 」 とは何 を指 して い る の か,② い ま まで に認 証 評 価 に お い て 「機 関評 価 」 を受 け て きた が,「 分 野 別 評価 」 の 内容 どの よ うな もの か,③ 国 際 通用 性 の観 点 は どの よ うな もの か,④ 新 しい大 学 に既 存 の 短 大 は移 行 す るの か,改 組 転 換 す るの か,⑤ 教 養 教 育 は どの よ う に考 え るの か,⑥ 職 業教 育 にお け る学 習 成 果 とは何 な の か,等 々 問題 が 指摘 され て い る。
女性の活躍促進 と女子短期大学の使命99 (3)女 子 短 期 大 学 の 使 命
学 校 基 本 調 査 の 「調 査 結 果 の概 要(高 等 教 育 機 関)」 に よれ ば,平 成27年 度 の 短 期 大 学 の 「関係 学 科 別 学 生 数 」 の比 率 は,教 育37.8%,家 政18.5%,保 健 9.8%,人 文9.3%,社 会8.7%の 順 で あ る 。 また,短 期 大 学 に 占 め る女 子 の割 合 は88.5%で あ る。 入 学 者 の 「出 身高 校 の所 在 地 県 」 と 「入 学 した短 期 大 学 の所 在 地 県 」 との 関 係 をみ る と,本 科 の入 学 者 の う ち,「 自県(出 身 高校 と同 一 県) 内 の 短 期 大 学 へ 入 学 した 者 の比 率 」 は67.8%で,前 年 度 よ り0.1ポ イ ン ト上 昇 して い る。 これ を 男 女 別 に み る と,男 子 は57.4%(前 年 度 よ り2.5ポイ ン ト低 下), 女 子 は69.1%(前 年 度 よ りO.4ポ イ ン ト上 昇)で あ る。
こ の よ うに,短 大 は,地 域 密 着 して い る傾 向 が あ る。 また,学 科 につ い て も, 教 育,家 政,保 健 の学 生 数 の 占 め る割 合 が多 い こ と も,地 域 密 着 型 に な っ て い
る と もい え る で あ ろ う。
さ きに み た よ うに,「 大 学 等 は,地 域 の求 め る人 材 ニ ー ズ の多 様 化 に対 応 し, 地 方 公 共 団体 や 企 業 等 と連携 して,実 践 的 プ ログ ラム の 開発 や教 育体 制 の確 立 な ど,『 実 学 』 を一 層 重 視 した,地 域 産 業 を担 う高 度 な人 材 の育 成 を推 進 す る」
こ とで あ れ ば,新 大 学 と現行 の 短 大 は 競合 す る こ とに な ろ う。
他 方,女 性 の 活 躍 推 進 支 援 等 の た め の 提 言(① 大 学,専 修 学 校,社 会 教 育 施 設 等 は,女 性 の ス キ ル ア ップ と,職 場 復 帰 や 再就 職 等 を 支援 す る 実践 的 な プ ロ グ ラ ム の提 供 を推 進 す る,② 大 学 は,出 産 ・育 児,仕 事,介 護 等 の た め に一 旦 学 業 を 中 断 した 人 も,引 き続 き,学 業 を継 続 で きる よ う休 学期 間 や在 学期 間 の弾 力 的 な 運用 を推 進 す る,③ 大 学,専 修 学校 等 が 女性 の ニ ー ズ に応 え る プ ロ グ ラ ム を提 供 す る に 当 た っ て は,産 業 界 との 連 携 や,各 種 の就 業 ・起 業 支 援 策,事 業 主へ の助 成 措 置等 の活 用 を 図 りな が ら,学 ん だ 成 果 が社 会 参 画 に つ な が る 支援 を行 う)に 対 応 す る短 大 を新 大 学 に移 行(ま た は,改 組 転 換)す る とす る な らば, 女 子 の 受 け 入 れ を担 っ て きた 短 大 の これ か らの 道 が あ る よ うに お もわ れ る 。
しか し,こ う した 官 邸 主 導 の教 育 改 革 に対 応 す る こ とが 至 上 命 題 で あ る と考 え る べ きで は な い で あ ろ う。 政府 に よる 天 降 り的教 育 改 革 で は な く,自 生 的教 育 改 革 が 本 来 の 姿 で あ る とお もわ れ る 。
「実 践 的 な職 業 教 育 を行 う新 た な高 等教 育 機 関 の 制 度化 に関 す る有 識 者 会 議 」 の審 議 の ま とめ に よれ ば,企 業 が 人 材 育 成 にか け る費 用 を縮 小 して い る状 況 が あ る こ と も,学 校 教 育 に お け る職 業 教 育 の充 実 の必 要 が あ る との認 識 に立 っ て い る注13)。こ の 点 に つ い て は,企 業 にお け る教 育 訓練 の 肩代 わ りと して 大 学 に 押 し付 け る感 が あ る 。 一 部 の 経 済 界 の教 育 に対 す る 要 望 に応 え る か の よ う な, 官邸 主 導 に よる 「教 育 再 生 」 の推 進 は,戦 前 の よ うな 「お 国 の た め の教 育 」 な らぬ 「企 業 の た め の教 育 」 に な っ て し ま うの で は な い か との危 惧 を覚 え る。 入 社 後 に す ぐに使 え る よ うな技 能 的教 育 は,急 速 に進 歩 す る社 会 に お い て は,す
ぐに 陳腐 化 す る可 能性 が あ る 。技 能 的教 育 は必 要 で は な い と断言 して い る の で な い 。教 育 の重 点 をそ こに の み 置 くの で は な く,卒 業 後 学 生 が 長 い 間 に 亘 り 役 立 て る こ との で きる教 育 も大 事 で あ る と指 摘 して い る の で あ る 。 そ れ こそ が
「学 生 の た め の 教 育 」 で あ る 。 企 業 にお い て教 育 訓 練 す る余 裕 が な い とす る な らば,企 業 を支 援 す る経 済 政 策 を行 うべ きで あ り,ま た,職 業 訓 練 の場 を充 実 す る政 策 も考 え られ る。
卒 業 後,社 会 に役 立 て る の み な らず,本 人 の生 涯 に わ た り生 き続 け る教 育 と は,い っ た い どの よ うな 内容 で あ る のか 。これ まで も各 大 学 の現 場 で は議 論 し, そ れ を カ リキ ュ ラム に 反 映 し教 育 して きて い る と ころ で あ る 。短 期 大 学 で い え ば,「 職 業 又 は 実 際 生 活 に 必 要 な 能 力 の育 成 」 と 「幅 広 く深 い 教 養 及 び総 合 的 な判 断力 」 を持 っ た学 生 を輩 出 して きて い る。 この 点 に つ い て は,有 識 者 会 議 で は,「 特 に,短 期 大 学 に お い て は 職 業 又 は実 際 生 活 に必 要 な 能 力 の 育 成 を 目 的 と して 資格 取 得 と も連 動 した教 育 課 程 を編 成 し,高 等 専 門学 校 に お い て は職 業 に必 要 な 能力 を育 成 す る こ と を主 な 目的 と して実 験 ・実 習 を重 視 した 質 の 高
い 職業 教 育 を行 っ て きた」 注14)との 認 識 を示 して い る。
抽象 的 過 ぎ る との ご批 判 が あ る と承 知 した 上 で い えば,女 子 短期 大 学 の使 命 は,何 で も吸収 しや す い ス ポ ン ジ の よ うな 頭 を持 つ 年 代 の 女 子 注15)に対 して, 短期 集 中 して,就 職 先 にお い て即 戦力 とな る能力 の み な らず,深 い教 養 と豊 か な人 間性 を培 う と と も に,世 事 に 紛 動 さ れ な い よ う な社 会 の洞 察 力 を教 授 し, 光 り輝 く女 性 を 輩 出 す る こ と で あ ろ う。 そ の こ と に よ り,20年 後,50年 後,