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国際女性27本文.indb

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1.はじめに

 日本の女性議員比率は世界的に見てあまりにも 低く,もはや最下位グループに属するといっても 過言ではない状況である。2012年12月に実施され た総選挙における女性当選者は,前回の54人から 16人減少して38人にとどまり,比率にして7.9%

である。これは2013年1月現在190カ国中162位で ある1)

 なぜ日本がここまで後塵を拝するようになった かといえば,ジェンダー・クオータ(以下,クオー タ)を導入していないからである。クオータは女 性議員を飛躍的に増大させる有効な手法であり,

2013年現在,100カ国においてクオータが導入さ れている2)。法律でクオータ実施を義務付ける

「法律型クオータ」は64カ国1地域で導入され,こ れらのうち17カ国1地域が議席割当制を実施し,

残りは候補者にクオータを用いている。また政党 が自主的に候補者選出においてクオータを用いる

「政党型クオータ」は49カ国で実施されている。

1980年代以降,政党型クオータが先進国を中心に 広がり,1990年代半ばからは法律型のクオータが 急激に世界大に拡大した(Thames and Williams 2013)。

 近年では,日本社会においてもクオータへの関 心が高まっている。女性議員比率の引き上げはク オータを導入しない限りは実現しそうにないこと が,その背景にあると思われる3)。では,どうし たらクオータ導入の機運が政界でも高まり,政党 が個別自主的にあるいは立法を通じて実施に踏み 切るのだろうか。また,クオータの実効性をあげ るためにはどのようなクオータ制度を構想すべき だろうか。2では,日本においてクオータが導入

されるにはどのような政治的条件が必要かを論じ,

3では,日本の選挙制度に適合的なクオータのあ り方を探る。以上の論考を通じて,実効性のある クオータを実施するためには公的なルールによっ て政党の候補者選出過程の公正さを確保する視点 が不可欠であることを指摘する。

2.クオータ導入の条件

 クオータはすでに100カ国で実施されているこ とから,どのような政治的条件がその導入を促す かに関して研究の蓄積がある。強力な女性運動,

政治エリートの戦略的判断とそれを促す女性票の 存在,国際圧力,政治文化・規範との親和性がほ ぼ通説となっている(Krook 2009)。確かにこれら の条件を日本に見いだそうとすると難しく,日本 でこれまでクオータの議論が盛り上がってこなか ったのも不思議ではない(三浦,近刊)。現在高ま りつつある機運を捉えて,今後さらにクオータ導 入の必要性の理解を広げるには,何が必要であろ うか。

 まず何よりも,女性運動の盛り上がりが不可欠 である。政治家は女性議員の増加に好意的あるい は積極的であっても,候補者選出の自由度を奪う クオータにはなかなか踏み切れないものである。

女性運動の粘り強い働きかけなしにクオータが導 入されることはまずないであろう。日本の女性団 体はひとつひとつの規模は小さくとも,焦点化さ れた問題に対しては連携を組み,機動的に対処し てきた。クオータの導入という一点のみで多種多様 な女性団体が連携することが何よりも必要である。

 現状の女性議員比率があまりに低いために,女 性団体がクオータ導入で一致することは,さほど

クオータ制と日本の課題

  

三 浦 ま り

(上智大学法学部教授)

特集Ⅰ クオータ制 10

(2)

難しくないかもしれない。ただし,女性議員がな ぜ増えるべきなのかという点については多様な見 解が存在するであろう。とりわけ論争となるのは,

ジェンダー・バックラッシュに賛同する女性議員 の存在である。1970年代から1990年代にかけて,

成熟民主主義国において政党型のクオータが導入 されていった時期には,女性議員が女性の権利や 地位向上に関心を寄せるのは半ば自明であり,女 性達がクオータに賛同した背景には,ジェンダー 平等を実現するという共通の目標を持つことが可 能であったことがある。しかしながら,2000年代 以降は,ジェンダー平等という価値が保守運動か ら攻撃を受け,実際にジェンダー平等に否定的な 女性政治家も多く存在する。女性議員の増加とジ ェンダー平等の達成のあいだに,現在は「ずれ」

が生じている。

 ジェンダー平等にコミットした女性達にとって 悩ましいのは,女性議員ならば誰でも良いとはい かないことである。意思決定の場に女性が進出す ること自体がジェンダー平等達成のひとつの指標 であり,またそれが他領域におけるジェンダー平 等を促進するという意味でひとつの道標であるが,

意思決定に参加する女性がジェンダー平等に関心 を持たなかったり,否定的であったりする場合,

それでもなお,女性が意思決定の場に増えた方が よいのであろうか。クオータ導入で一致するため には,それでもなお4 4 4 4 4 4,女性が増えた方がいいと踏 み切らなくてはいけない。ここで躊躇したならば,

クオータ導入の機運は急速に萎むことであろう。

 しかしながら,クオータ導入は諸刃の剣かもし れない。女性議員が増えても,保守的な女性議員 が増え,結果的に他領域におけるジェンダー平等 政策が後退することもありえるからである。右傾 化が進む日本の政治文脈では,女性議員の増加と ジェンダー平等が切り離されることによって,か えってクオータ導入の可能性が拓けるという皮肉 な見方さえ可能である。したがって,クオータ導 入の実を挙げるためにも,クオータがジェンダー 平等に資する「その先」の道筋を描くことが重要 になってくる。

 そのためには,女性票を可視化していくことが

求められよう。他国の例でも,政党幹部がクオー タ導入に踏み切るには,女性議員を擁立すること で女性票を獲得できるという計算があったことが しばしば指摘されている。

 日本では,女性有権者は女性候補者を支持する 傾向にあるという認識は一般に形成されていない。

1989年の社会党の「マドンナ」候補をのぞけば,

2000年代以降の「小泉チルドレン」や「小沢ガー ルズ」に見られるように,女性候補者の擁立は女 性の声を吸い上げるという文脈で行われたもので はなく,旧態依然の政治へのアンチ・テーゼを演 出するために女性が利用されたものであった。女 性の声を必ずしも代弁しない女性候補者の出現は,

女性が女性に投票するというパターンを生み出し てこなかった。

 では,日本の女性は女性票としてまとまること ができないのかというと,そうとは言い切れない。

幾つかの争点に関して明瞭な形で性差(ジェンダ ー・ギャップ)が観察できるからである。争点支 持構造における性差が女性票という塊にまとまる ことができれば,投票行動に地殻変動をもたらす ことも不可能ではないだろう。

 一般的に,原発,平和,対外政策の政策領域で 性差が確認できる。例えば,毎日新聞が2013年5 月に行った全国世論調査では,憲法96条を改正し て改憲の発議要件を緩和することに対して,賛成 では女性が男性よりも12ポイント少なく,反対で は5ポイント多い。外国への原発輸出に関しては,

賛成は女性の方が30ポイント少なく,反対は女性 が24ポイント多い4)。また,毎日新聞の2013年7 月の全国世論調査では原発再稼働に賛成する女性 は男性よりも23ポイント少なく,反対は16ポイン ト多かった。現憲法上で集団的自衛権を容認する ことに関して,賛成は女性は男性よりも21ポイン ト少なく,反対は9ポイント多い5)

 憲法96条の改正や集団的自衛権容認に関して男 性のあいだでは意見が拮抗しているのに対して,

女性のあいだでは立憲主義・平和主義・脱原発を 指向する傾向が強く,結果的に女性の意見が世論 全体を左右する結果となっている。世論調査のレ ベルだけではなく,実際の投票行動において,立

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憲主義・平和主義・脱原発を指向する女性達がそ の存在を見せつけることができるのであれば,そ れは政党にとって無視のできない声となろう。

 女性票が一定の塊を形成するにしても,政党側 の受け皿がなければ,政治的代表を獲得するに至 らない。したがって政党の刷新がクオータ導入に あたって不可欠である。ジェンダー平等に親和性 の高い左派あるいは中道左派政党が女性議員を積 極的に擁立し女性票を引きつけ,その成功体験を もとにクオータ導入へと踏み切るのがひとつのシ ナリオであろう。実際に日本でも社会党がその路 線を歩んでいた。1980年代にいち早く党内でクオ ータを導入し,1996年に社民党に改組した際には 党則にクオータを明記している。しかし党勢の衰 退により,社民党が日本の政党政治に及ぼす影響 はわずかしかでない。

 民主党の女性議員にはジェンダー平等に理解の ある議員が少なくないが,党としては女性票を戦 略的に開拓する意思が乏しく,女性にあまり評価 をされてこなかった政党である。今後,民主党が 党勢を回復させるにあたり女性票に着目するかが 問われるが,先の世論調査の動向を見る限り,女 性票を支持基盤にするのであれば,政策の立ち位 置は立憲主義・平和主義・脱原発となる。民主党 の一部や落選議員,民主党から離脱し新党を結成 した政治家達が,この立場で連携できるかが焦点 である。逆に言えば,立憲主義・平和主義・脱原 発でまとまることのできる女性団体が女性票を可 視化し,政党と連携することができれば,擁立さ れる女性候補者もジェンダー平等にコミットして いる可能性が高く,女性議員の増加とジェンダー 平等が再び直結することになるのである。

3.選挙制度とクオータ制

 では,どのようなクオータ制度を提言していく ことが必要なのであろうか。

 衆議院も参議院も比例区があるが,そこに30%

のクオータを導入することが,もっとも受け入れ やすいと思われる。衆議院では議席の37.5%(180 議席),参議院では39.7%(96議席)が比例区から 選出される。仮に30%のクオータが適用され,男

女ないし女男で交互に配置するジッパー方式が採 用された場合,単純に計算して衆議院で最大54人 の女性議員が確保される。2012年の総選挙では小 選挙区から16人の女性が当選したので,仮に54人 にこの数字を合わせると14.6%の女性議員比率を 達成することになる。小選挙区で24人の女性が当 選した2009年の総選挙の場合,16.3%まで女性議 員比率が引き上げられる。比例区に50%のクオー タを導入すると,それぞれ22.1%,23.8%となる。

現在の国際平均が20%を超えたことを考えると,

国際水準に追いつくためには少なくとも比例区に おける50%クオータが必要であることが分かる

6)。ただし,女性議員の増加が政策的帰結をもた らすと考えられている決定的多数(クリティカル・

マス)の30%を超えるためには,比例区だけでは 不十分である。

 衆議院の場合,問題となるのが重複立候補制度 である。多くの政党が重複立候補者を同列順位に 配列し,惜敗率によって順位づけを行っている。

比例区でクオータが実効性を上げるためにはジッ パー方式が不可欠であるが,現行制度にジッパー 方式を持ち込むとなると,同列順位に複数候補を 登載することを禁止するか,あるいは同列には男 女1名ずつまで配置可能とし,どちらかが1名し か当選しない場合にのみ惜敗率を利用するように しなければならない。

 参議院の場合,非拘束名簿を維持するのであれ ばジッパー方式は導入できない。非拘束名簿の下 では,政党幹部が数合わせだけのために当選可能 性の低い女性候補者を並べるようであると,女性 議員比率は改善しない。非拘束名簿で女性議員を 増やすためには,女性団体や有権者の監視が重要 になってくる。

 衆議院の小選挙区,また小選挙区と中選挙区が 混在する参議院選挙区にはどのようなクオータが 可能であろうか。小選挙区は現職がすでに地盤を 形成しているため,現職議員の立候補する権利を 奪ってまでクオータを導入することは法的にも政 治的にも困難を極める。選挙制度改革を伴わずに 実効性のあるクオータを実施するには,イギリス の例に見られるように,政党の候補者選出過程に

(4)

ついて一定の基準を設ける必要があるだろう7)。  1990年代の選挙制度改革の大義であった二大政 党制化が民主党の行き詰まりと野党の多党化現象 により展望が開けず,また1票の格差問題も深刻 であるため,選挙制度改革が再び議論の俎上に載 る可能性は高い。その際,区割りの変更や比例区 の削減といった小手先の改革で終わらせるのでは なく,日本はいかなる代表原理を重視する国であ るのかに関する議論を深めることが必要である。

 比例代表制と小選挙区制(多数代表)は代表性に 関するまったく異なる哲学に基礎付けられている

(Lijphart 1999)。両者を合わせ持つ小選挙区比例 代表並立制度自体は他国にも例があるが,日本は それに加えて参議院における3つの制度(比例区,

小選挙区,中選挙区),および地方選挙における混 在(小選挙区,中選挙区)が複雑さに拍車をかけて いる。代表性原理に立ち返って議論をするのであ れば,女性の過少代表は民主主義の観点から問題 にされなくてはならない。

 日本社会における多様な価値観とアイデンティ ティを政治に反映させるために,比例代表選出部 分の増加や小選挙区比例代表併用制などの制度の 効用を今一度精査する必要がある。ジェンダー・

クオータの導入も大きな政治改革の文脈の中で進 めていく必要があるだろう。

4.おわりに

 日本でもクオータが導入されれば,それが例え 比例部分に30%程度の按分で実施されたとしても,

現状を大きく改善させることになる。そうしたク オータが「ガラスの天井」となり,それ以上の女 性議員増加を妨げることのないよう,クオータ推 進運動に持続性を持たせる工夫が求められる。そ のためには,なぜ女性議員の増加が必要であるの かに関して代表原理に立ち戻って議論を立てるこ とが肝心である。さらには,国政のみにクオータ を実施するのではなく,地方選挙および政党内の 意思決定の場においてクオータを適用することで 相乗効果を高める必要もある。

 女性議員の数を少ないものにとどめている最大 の壁は各政党の候補者選出過程にある。それは政

党の私的な領域に属するものではなく,公的監視 の対象とすべき事柄である。クオータ議論の高ま りは,選挙制度のみならず候補者選出過程を含め て,公正で民主的な政治代表のあり方を問うこと になるだろう。

1)列国議会同盟(Inter-Parliament Union, IPU)参照(http://

www.ipu.org/wmn-e/classif.htm)。列国議会同盟のランキ ングでは122位となっているが,同一順位に複数国が並んだ 場合に次点の国の順位をその分下げて算出すると,162位と なる。

2)Quota Project: Global Database of Quotas for Women

(http://www.quotaproject.org/)参照。なお,このデータ ベースに含まれていない台湾を1地域として付加した。

3)たとえば筆者は2011年3月8日に国際女性デー記念シン ポジウム「世界118位の現実:クオータは突破口となる か?」に主催者の1人として関わったが,当日は100人以上 が集まり,ユーストリーム中継を400人以上が視聴した。

2012年には主要な女性団体によって「クオータ制を実現す る会」が結成され,女性団体WIN WINはクオータ制度の啓 発を目的とする小冊子を2013年に刊行した(WIN WIN 2013)。また2010年12月に閣議決定されたに第3次男女共 同参画基本計画はクオータに言及し,平成23年度版『男女 共同参画白書』(2011年6月)はポジティブ・アクションの 特集を組み,世界のクオータ制を紹介している。

4)毎日新聞2013年5月20日。

5)毎日新聞2013年7月29日。

6)比例名簿が男女の順で配列された場合,奇数の当選者を 出す政党が多ければ,その分女性議員は選出されないこと になるので,この数値はあくまで最大値である。

7)フランスの県議会では2つの選挙区をペアとし1つの選 挙区に編成し,各選挙区に男女ペアで立候補する新たな選 挙制度を導入した。小選挙区での実効性を高めるには,こ うした制度改革が必要になってくる。

【参考文献】

三浦まり(近刊)「日本におけるジェンダー・クオータの成立 条件」三浦まり = 衛藤幹子編『ジェンダー・クオータ:世界 の女性議員はなぜ増えたのか?』(明石書店)

WIN WIN編著/赤松良子監修(2013)『クオータ制の実現を 目指す』パド・ウィメンズ・オフィス

Krook, Mona Lena. 2009. Quotas for Women in Politics: Gen- der and Candidate Selection Reform Worldwide. Oxford : Oxford University Press.

Lijphart, Arend. 1999. Patterns of Democracy: Governments Forms and Performance in Thirty-Six Countries. New Ha- ven : Yale University Press.(粕谷祐子訳『民主主義対民主 主義:多数決型とコンセンサス型の36ヶ国比較研究』勁草 書房,2005)

Thames, Frank C. and Margaret S. Williams. 2013. Conta- gious Representation : Womenʼs Political Representation in Democracies Around the World. New York : New York University Press.

(みうら まり)

(5)

 1988年,私が女性差別撤廃委員会(CEDAW)

委員に就任したての頃,世界の様々な国の女性 の状況にとって重要な私たちの仕事をフォロー するCEDAWに,国内NGOがなぜ出席してい ないのか,と自問しました。様々な国の状況や委 員会の活動範囲をよく知るようになって,その当 時,女性差別撤廃条約や同条約を批准した国に おける条約履行の監視が仕事であるCEDAWの 重要性を知っているNGOは,世界を見渡しても 多くはないということがわかりました。

 国際女性の地位協会( JAIWR)の主要な活動 は,日本における条約実施の周知や,実施の効 果についての専心です。同協会は,1987年に創 設され,この種の国内NGOとしては最初にでき た一つです。JAIWRは,創設後直ちに,当時世 界的規模で同協会と同様の役割を果たしていた 唯一の国際的組織である,国際女性の権利監視 協会(IWRAW)と協調し,国内・国際双方で重 要な役割を果たしました。

 貴協会は,条約履行や,過去及び現在の世紀 で最も重要な闘いの実現──男女平等の実現及 び何世紀にも渡る女性差別の撤廃──という,

CEDAWの途方もない役割を理解して下さって いる最初のNGOの一つです。したがって,協会 の創設者たちは,日本の女性だけでなく,世界 の女性に対し最大級の貢献をしている人々とし て,名を記すべきです。1991年,初めて,貴協会 のゲストとして招待していただきました。この 招待により,日本を初めて訪れる機会を得たば かりでなく,重要な女性団体で,その目的や団 体のために全身を傾けて献身的な活動をしてい る,数多くの著名な方々とお目にかかる機会を 得ました。

 国際法の専門家である会員が編集している,

貴協会の条約諸条文の解釈に関する出版物は,

条約についての最も重要な出版物の一つです。

CEDAW議長として,また,政府や都道府県の

ゲストとして,その後の5回の日本の滞在は,

様々な地域を訪問し,貴協会の重要性が増して いることや,協会の存在意義の確かさを教えて くれました。貴協会の会員は,尊厳を持って常 に討論の場におりましたし,その活動からくる 権利擁護の結果は,政府当局にも認識されてい ました。

 会員が常時CEDAWの会期に出席しているこ とや,実態についての貴重な寄稿や情報は,特 に 日 本 報 告 が 審 議 さ れ て い る 会 期 中 に,

CEDAWの検討及び総括所見(勧告)に大いに役 たちました。JAIWRは,また,国内NGOから 送付される報告,近年はいわゆる “シャドー・

レポート” という形をとっていますが,こうし た形の助力を委員会に行った,最初のNGOの一 つでもあります。

 あなたがたのイニシアティブにより構築され た,日本における条約の適用に関心・懸念を共 有するNGOの国内ネットワークは,討議や会合 を通じて,条約や,条約適用のレベルで何が最も 重要であるかについての知識を向上させました。

 16年間のCEDAW委員及び4年間のCEDAW 議長(1993〜1996年)として,貴協会への私の短 い感謝の最後に,この協会の前会長である赤松 良子さんに特別のお礼を申し上げることをお許 し下さい。他の著名な会員,国際人権法のよく 知られている研究者・教授──その中でも特に 現会長の山下泰子名誉教授,そして様々な専門 分野で大変重要な多くの人々に,お礼を申し上 げたいと思います。条約採択20周年のお祝いの 年である1999年に,貴協会の活動と理想的に結 びついている赤松良子賞を頂いたことは,私に とって名誉で,光栄なことと思っております。

 CEDAWは,貴協会の貴重な仕事にご恩があ ります。         (訳:堀内光子・会員)

(注記:本メッセージは,2012年12月18日に,当協会に寄 稿されたものです。)

女性差別撤廃委員会30周年と国際女性の地位協会の役割について

イヴァンカ・コルティ

(元 CEDAW 議長・委員)

参照

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