• 検索結果がありません。

【学位論文審査の要旨】

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "【学位論文審査の要旨】"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

【学位論文審査の要旨】

日本の都市間高速道路で,渋滞が日常的になるに従って,運転者に対する詳細で正確な 情報提供が求められるようになった.これに対し,導入されたLED表示の可変式道路情報板 は,3色構成のカラー表示とシンボル表示が可能となったため,視認・判読性向上のため 文字情報に図形シンボル(以下,シンボル)を表示して運用されてきた.近年では,観光 立国実現のための多言語対応として,このシンボルの効果が期待されている.

しかし,情報板のシンボルは,LED表示が可能というシーズ先行で導入されてきた経緯 もあり,分かりにくく改善を要するものが多数あると指摘されている.そのため,情報板 にシンボルを表示しても,事象の原因又は指示事項を補完するという本来の目的を果たせ ていない可能性がある.さら更に,情報量の増加が運転者の判読を困難にさせ,急減速や不 安全な運転行動を誘発する負の影響も想定される.

これらの課題解決のため,高速道路会社において判読性向上効果のあるシンボルのデザ インが考案されている.しかし,シンボル単体の改良が実際の情報板の運用においてどの ような効果・影響をもたらすのか,あるいはそれを踏まえた情報板における効果的なシン ボル活用の方向性については明確になっていない.

本研究は,高速道路を対象として,シンボルを導入した可変式道路情報板について,視 認・判読性の観点から,シンボルの効果・影響を情報板の情報量や複雑さとの関係に着目 しつつ明らかにするとともに,それらを踏まえた可変式道路情報板におけるシンボル導入 の方向性について提示することを目的としている.具体的には,情報板の情報量や複雑さ の異なる「1事象情報板」「2事象情報板」及び「2事象ジャンクション情報板」を対象と して,日本語を理解できる運転者を対象とした実道実験及びドライビングシミュレータ(DS) による走行実験を行い,視認性及び判読性(可読性,理解度,適切性で評価),運転挙動の 変化に着目して,シンボル表示の効果・影響を明らかにした.また,複数事象を提供する 場合の新たな情報板表示の改善案の効果をDS実験により検証した.これらの結果を踏まえ て,シンボル導入の方向性を示している.

本研究で得られた主な成果は以下の通りである.

(1) 1事象情報板を対象とした実道実験において,改良シンボル単体の情報伝達機能と,

シンボルが表示される情報板全体の判読性を検証した.その結果,単体で評価の高い改良 シンボルを表示した場合,現行シンボルを表示した場合やシンボルを表示しない場合に比 べて,運転者の情報板全体としての可読性の評価が高いなど,判読性向上に対するシンボ ルの一定の効果を確認した.

(2) 情報量が多い2事象情報板を対象とした DS 実験において,シンボルの表示による 情報板全体の判読性や運転行動に与える影響を検証した.その結果,文字情報の注視時間 低減による理解度低下や速度低下などの運転挙動など,シンボル表示による影響の可能性 を指摘した.さらに,改良シンボルの表示が,現行シンボルと比較して判読性の効果向上 と運転行動に与える影響軽減に寄与することなどを明らかにした.

(2)

(3) 情報量が多くより複雑な2事象ジャンクション情報板を対象とした DS 実験におい て,視認性・判読性を検証した.その結果,上流側の情報板においては改良シンボルの表 示が遠方からの視認性がを高める可能性がある一方,下流側ではシンボルにかかわらず情 報板全体が注視されにくいこと,などを明らかにした.

(4) 2事象情報板におけるシンボル表示方法の改善に向けた表示方法の提案・検証をDS 実験により行い,1事象情報板を左右に並べ第2事象のシンボルも表示する表示パターン は,第2事象の理解度を高めることに有効であることを示した.これらの知見を踏まえ,

日本語を理解できる一般運転者の情報板表示の視認・判読性向上,影響軽減という視点の 両面を考慮して,シンボル表示方法に関する方向性を提示した.

以上要するに,本論文はシンボルを導入した可変式道路情報板についてシンボルの効 果・影響を視認・判読性の観点から実証的に明らかにして可変式道路情報板におけるシン ボル導入の方向性を提示したものであり,交通工学分野における貢献は極めて大きい.よ って,本論文は博士(工学)の学位を授与するに十分な価値があると認められる.

参照

関連したドキュメント

電力用パワーデバイスや受動部品の性能向上にともない,電力変換回路の高電圧・大電力 用途への検討が始まっている。最近では, 100 kW

質疑応答では、 「連携を考えるうえで作業療法士側からの情報提供のみでいいか」との質

運営の機能について考察する。6章ではアダプト制度の全国的な取り組み実態と習志野市の公有

などのメカニズムが報告されている.アンチセンス法を治療に応用するには 幾つかの課題が残されているが,今回の実験において,EIAF

第 3 章では,第 2

ゲーム理論のモデルを用いて分析した論文である.研究開発とそのスピルオーバーが存在 する 場合の研 究開発競争と 共同研究 を比較した代 表的なモ デル に d’Aspremont and

水中の pH 変化に対応する酸化還元電位をプロットした Pourbaix

本研究は,発光体を用いた交通運用システムの効果を,実データの分析により多面的に