平成 12 年 3 月 23 日 国民生活センター
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商品に係る消費者ト
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概要
要
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Ⅰ ⅠⅠ Ⅰ.調査の.調査の.調査の.調査の目目目目的と調的と調的と調的と調査査査内容査内容内容内容 1. 1.1. 1.調調調調査の査の査の査の目目目的目的的的 元本割れのリスクの伴う金融商品に対する消費者苦情の分析、 苦情に対する事業者の対応等に ついて調査、分析するとともに、その結果をとおして消費者被害の未然防止のために関係機関に 要望する。 2.2.2.調2.調調調査査査査内内内容内容容容 1)金融商品に対する消費者苦情の分析 PIO−NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に入力された金融商品に関する相談のな かで、以下の商品に関する苦情を抽出し、分析の対象とした。業種別の対象商品は下表のとおり である。 表1.業種別の対象商品 業 種 対 象 商 品 証券会社 「外国投資信託」「外国債券・社債」「投資信託」「社債」「ワラント」「金融債」 銀行 「外国投資信託」「外国債券・社債」「投資信託」「社債」「ワラント」「金融債」 「外貨預金」 生命保険会社 「変額保険」 (注)1.分析の対象とした相談事例は、証券会社、銀行、生命保険会社いずれも1998年度∼199 9年度(11月末までの入力)のものである。 2.「株式」に関する苦情は、「投資信託」等に関する苦情内容とは異なる(例えば、証券会社の倒 産に関連した苦情が多いなど)ので分析対象からは割愛した。参考として、苦情件数のみを表2 の注に表記した。 2)苦情の個別事例の調査と事業者の対応 1999年10月∼1999年11月末までに国民生活センターに寄せられた金融商品に係 る苦情のうち、購入元金が300万円以上で相談者が事業者との話し合いを望んだ10事例を対 象に、相談者から取引経過等について詳細な聴き取りを行って問題点を把握した。また、事業者 から、消費者が申出た苦情内容や問題点についての事業者の見解や対応を調べた。10事例の業 種は、証券会社が8社、銀行1社(外貨預金のオプション取引)、金融(為替)先物オプション 取引業者1社である。 Ⅱ ⅡⅡ Ⅱ.調査結.調査結.調査結.調査結果果果果の概の概の概の概要要要要 1. 1.1.1.PIOPIOPIOPIO−−−−NENENETNETTT にににみるにみる苦みるみる苦苦情苦情情の情ののの特特特特徴徴徴徴
(1) (1)(1)
1)苦情件数及び相談者の特徴 相談者には女性や家事従事者、50代、60代が多い。 ①商品別の苦情件数 「外国投資信託」「外国債券・社債」「投資信託」等に関して、1998年度∼1999年度(1 1月末までの入力)に約650件の苦情が寄せられた。外国債券・社債や外国投資信託など為替 リスクのある金融商品に関する苦情が多く、円安の時期にこれらを購入して損失を被った消費者 が苦情を寄せている。国内の投資信託に関する苦情も多い(表2)。 表2. 商品別の苦情件数 商 品 件 数 商 品 件 数 証券会社 計 654 件 (外国投資信託) 159 件 (ワラント) 5 件 (外国債券・社債) 143 件 (金融債) 2 件 (投資信託) 259 件 (その他) 37 件 (社債) 49 件 (注)1.(その他)は、債券や投資信託が外国のものか国内のものか分からないもの等をここに分類した。 2.証券会社の株式に関する相談件数は233件。 ②相談者の性別で見た苦情商品 性別では、三分の二(65.6%)が女性(PIO−NET の相談全体では 55.6%)である(表3)。女 性に苦情が多い商品は、為替リスクのある金融商品(「外国債券・社債」24.5%と「外国投資信託」 22.1%の両方で 46.6%)及び「投資信託」(38.7%)である(表4)。(注:契約した本人以外からの 相談が 11%見られた。本概要では、性別、年齢、職業等消費者の属性及びこれらの属性を軸にした集計は、契約 状況を把握するために契約者本人の属性で集計した。文中の相談者とは契約当事者のことになる。) 表3. 性別 (%) 商 品 件数 男性 女性 団体 不明 証券会社 計 654 33.5 65.6 0 0.9 PIO-NET 全相談 407972 37.5 55.6 1.7 5.2 (注)PIO-NET 全相談は、1998年度の相談で1999年5月末日までに入力されたものである。 表4. 性別に見た苦情商品 (%) 件数 外国投 資信託 外 国 債 券・社債 投資信託 社債 ワラント 金融債 その他 証券会社 計 654 24.3 21.9 39.6 7.5 0.8 0.3 5.7 男性 219 29.2 17.4 39.7 7.3 1.4 0 5.0 女性 429 22.1 24.5 38.7 7.7 0.5 0.5 6.1 不明 6 0 0 100.0 0 0 0 0 ③年齢別の苦情商品 年齢は50代が最も多く(26.8%)、次いで60代(24.6%)、70代(18.0%)である。50 代、60代の中高年で約半数(51.4%)を占める(表5)。 50代では、為替リスクのある金融 商品(「外国投資信託」と「外国債券・社債」の両方で 38.3%)と「投資信託」(36.6%)の苦情 件数がほぼ拮抗している。60代、70代では為替リスクのある「外国投資信託」や「外国債券・
社債」が両年代共に、この2商品で5割強を占め、次いで、両年代共に「投資信託」が4割弱で ある。(表5、表6) 表5. 年齢 (%) 件数 ∼20 才 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 80 才 以上 不明 平均 (才) 証券会社 計 654 0 2.3 8.9 11.0 26.8 24.6 18.0 3.7 4.7 57.4 PIO-NET 全相談 407972 2.8 26.8 20.8 14.8 11.3 8.1 4.8 1.5 9.1 39.9 (注)平均は、苦情件数から不明を除いた件数を母数として算出した。 表6.年齢別の苦情商品 (%) 年 齢 件数 外国投資 信託 外 国 債 券・社債 投資信託 社債 ワラント 金融債 その他 証券会社 計 654 24.3 21.9 39.6 7.5 0.8 0.3 5.7 20歳代 15 26.7 13.3 53.3 0 0 0 6.7 30歳代 58 27.6 25.9 39.7 0 0 0 6.9 40歳代 72 16.7 29.2 40.3 6.9 0 0 6.9 50歳代 175 22.3 16.0 36.6 14.9 0.6 0.6 9.1 60歳代 161 30.4 21.7 39.1 5.0 1.2 0 2.5 70歳代 118 23.7 28.8 39.0 5.9 0.8 0.8 0.8 80歳以上 24 29.2 20.8 33.3 4.2 0 0 12.5 不 明 31 12.9 9.7 58.1 6.5 3.2 0 9.7 ④職業 職業は、家事従事者(38.8%)と無職(28.4%)の両者で6割強(67.2%)を占める (表7)。 なお、無職の約9割(89.8%)は60歳以上であった。 表7. 職業 (%) 件数 給与生活者 自営・自由 家事従 事者 無職 その他 不明 証券会社 計 654 20.2 6.6 38.8 28.4 0.5 5.5 2)取引上の特徴 説明に関する苦情が多く、適合性に疑問がある事例も。 ①商品別の苦情内容 「元本保証等の不実告知」が654件中 15.4%、「リスク説明がなかった」が同 14.8%など、勧 誘時の説明に関する苦情が目立つ。特に、「外国投資信託」には「不実告知」が159件中 26.4%、 「リスク説明がなかった」も同 20.8%と多い。「不実告知」は、「投資信託」にも259件中 13.1% 見られる。(注1) 「不実告知」に関する苦情事例には、口頭や手紙の説明ではリターンの説明だけだったが、パン フレットを読むとリスクについて書かれていた等の印刷物の表示と口頭説明が異なるというもの もあった。 勧誘時の説明に関する苦情の他、「理解不可」(654件中 6.4%)や「目的外投資」(654件
中 3.7%)など適合性に関する苦情が654件中約 10%(65件)見られた。「理解不可」は為替 リスクのある「外国投資信託」(159件中 7.5%)や「外国債券・社債」(143件中 9.1%)及 び「投資信託」(259件中 5.0%)等に、「目的外投資」は「投資信託」(259件中 4.2%)等 に見られた。(注2) 「無断契約」に関する苦情は「投資信託」に259件中 17.0%と多かった。また、「解約拒否」 など解約に関する苦情が「外国債券・社債」(143件中 21.0%)や「外国投資信託」(159件 中 14.5%)、「投資信託」(259件中 12.4%)等に万遍なく見られた。(表 8) なお、「解約拒否」や「無断契約」等の契約・勧誘に関する苦情は、性別では女性に「解約拒否」 に関する苦情が多く(429件中 16.3%)、女性には 14 項目の苦情の中でこの苦情が最も多い。 年齢別では、「解約拒否」や「無断契約」関する苦情は50代、60代、70代の中高年に多かっ た(10%強∼20%弱)。「理解不可」は70代に最も多く見られた(118件中 11.9%)。 (注1) 文中の( )内の%は、各商品の苦情件数を母数にして算出した。以下、同様である。 (注2) 取引が「適合性」に適っているかどうかは、日本証券業協会の投資勧誘規則に定められている「顧 客の投資経験、投資目的、資力等」を参考として、「理解不可」や「目的外投資」「資金面に問題」 の三項目の分析コードを用意した。) 表8. 商品別の苦情内容 (%)複数回答 説明に関する苦情 (注)1 適合性に関する苦情 商 品 件数 断 定 的 判断 不実 告知 商品説 明無し リスク説明 無し 目的外 投資 理解 不可 資金面 に問題 証券会社 計 654 11.0 15.4 6.1 14.8 3.7 6.4 0.2 外国投資信託 159 11.9 26.4 10.7 20.8 3.8 7.5 0 外国債券・社債 143 13.3 13.3 7.0 21.0 4.2 9.1 0 投資信託 259 9.7 13.1 4.6 10.4 4.2 5.0 0.4 社債 49 12.2 10.2 0 8.2 2.0 4.1 0 ワラント 5 0 0 0 40.0 0 20.0 0 金融債 2 50.0 0 0 0 0 0 0 その他 37 5.4 2.7 2.7 2.7 0 2.7 0 勧誘に関する苦情 契約・解約に 関する苦情 苦 情 処 理 高齢者 の取引 商 品 件数 威 迫 的 な行為 再 勧 誘 長時間 勧誘 無断 契約 解約 拒否 苦情 処理 (注)2 証券会社 計 654 0.2 2.9 0.3 12.2 14.7 11.8 9.0 外国投資信託 159 0 1.9 0.6 8.2 14.5 8.8 15.1 外国債券・社債 143 0 2.8 0 8.4 21.0 14.7 16.8 投資信託 259 0.4 4.2 0.4 17.0 12.4 10.0 3.9 社債 49 0 0 0 8.2 6.1 12.2 0 ワラント 5 0 0 0 0 0 0 0 金融債 2 0 0 0 0 50.0 0 0 その他 37 0 2.7 0 18.9 18.9 27.0 2.7 (注)1.勧誘時等の説明に関する苦情、目的外投資等の適合性に関する苦情など 14項目に限定して苦 情内容をコード化して集計(資料1)。断定的判断と不実告知、商品説明無しとリスク説明無しを 重複させないなどに注意した。また、接客対応や証券会社の倒産、事務手続き等に関する苦情は 分析の対象としていないので複数回答ではあるが、比率の計が 100%未満の商品もある。 2.70 歳以上の消費者に信用取引、株式投資信託、金融先物取引、ワラント、オプション取引等リ スク・リターンレベル(RR)3以上の商品(RR3:値上がり益・利回り追求型、RR4:値上が
り益追求型、RR5:積極値上がり益追求型((社)証券広報センター「投資信託ガイド」より)及 び外国債券、外国投資信託等の為替リスクの伴う商品や変額保険を勧誘(訪問販売、電話勧誘販 売、店舗での勧誘)していた場合の苦情件数。 3)販売形態の特徴 訪問販売や電話勧誘販売など店舗以外での契約は3割 ①販売形態別の苦情 訪問販売は店舗以外の場所で契約をした場合、通信販売は電話等によって契約を申込んだ場合、 電話勧誘販売は電話で勧誘され、その電話で契約した場合である。このような店舗以外での契約 締結した場合の総称が“無店舗販売”である。 「訪問販売」等の無店舗販売が合わせて654件中 33.2%、「店舗購入」が同 54.6%である。無 店舗販売の中では、「訪問販売」「電話勧誘販売」「通信販売」の順に多い。 商品別では、「外国投資信託」は、無店舗販売が159件中 51.6%と大半が無店舗販売で、「店 舗購入」は同 39.0%である。「外国投資信託」の無店舗販売の中では「訪問販売」が159件中 23.3%、「通信販売」が同 17.6%であるが、「通信販売」は他の商品に比べ特に多い。他に「投資 信託」にも無店舗販売が259件中 25.8%見られる(表 9)。 なお、年齢別の販売形態は、50代、60代には無店舗販売が多く、50代に175件中 30.9%、 60 代に161件中 36.6%見られた。他に20代や80歳以上には苦情件数は多くないが、20 代は15件中 60.0%が訪問販売以外の無店舗販売であった。80歳以上は24件中無店舗販売 が約4割で、20代とは逆に「訪問販売」のみであった。 表9. 商品別、販売形態別の苦情 (%) 商 品 件数 訪問販売 通信販売 電話勧 誘販売 無店舗販 売 計 店舗購入 不明 証券会社 計 654 16.8 6.3 10.1 33.2 54.6 12.2 外国投資信託 159 23.3 17.6 10.7 51.6 39.0 9.4 外国債券・社債 143 14.7 4.9 11.2 30.8 62.2 7.0 投資信託 259 15.4 1.5 8.9 25.8 58.7 15.5 社債 49 12.2 2.0 8.2 22.4 67.3 10.2 ワラント 5 0 0 0 0 80.0 20.0 金融債 2 0 0 50.0 50.0 50.0 0 その他 37 16.2 2.7 13.5 32.4 43.2 24.3 ②販売形態別の苦情内容 販売形態別の苦情内容を見ると、無店舗販売では元本保証などの「不実告知」(217件中 21.7%)、「リスク説明なし」(同 16.1%)など説明に対する苦情や「解約拒否」(同 22.6%)など の苦情(割合)は「店舗購入」のそれらを上回った。 無店舗販売の中でも販売形態別によって苦情内容が異なる。「訪問販売」は「不実告知」(11 0件中 21.8%)等の説明に関する苦情の他に 「理解不可」(同 13.6%)等の適合性に関する苦情 が他の販売形態より多く見られた。「通信販売」は「不実告知」(41件中 34.1%)が多く、また、 「解約拒否」も41件中 14.6%あった。「電話勧誘販売」は「解約拒否」(66件中 27.3%)が最 も多く、電話での勧誘で応諾した直後に解約を申し出たが拒否された等の苦情が見られる。「電話 勧誘販売」は次いで、「リスク説明なし」(66件中 15.2%)である(表10)。
店舗購入では、「苦情処理」(357件中 16.0%)や「無断契約」(同 14.3%)等が見られる(表 10)。 表10. 販売形態別の苦情内容 (%)(複数回答) 説明に関する苦情 (注)1 適合性に関する苦情 販売形態 件 数 断定的 判断 不実告知 商品説明 無し リスク 説明無し 目的外 投資 理解不可 資金面 に問題 証券会社 計 654 11.0 15.4 6.1 14.8 3.7 6.4 0.2 訪 問 販 売 110 11.8 21.8 4.5 18.2 5.5 13.6 0 通 信 販 売 41 19.5 34.1 9.8 12.2 2.4 4.9 0 電話勧誘販売 66 7.6 13.6 9.1 15.2 3.0 3.0 0 無店舗販売計 217 12.0 21.7 6.9 16.1 4.1 8.8 0 店 舗 購 入 357 9.5 12.0 5.9 14.6 4.2 5.6 0.3 不 明 80 15.0 13.8 5.0 12.5 0 3.8 0 勧誘に関する苦情 契約・解約に 関する苦情 苦情処理 高齢者の 取引 販売形態 件 数 威迫的な 行為 再勧誘 長時間 勧誘 無 断 契 約 解 約 拒 否 苦 情 処 理 (注)2 証券会社 計 654 0.2 2.9 0.3 12.2 14.7 11.8 9.0 訪 問 販 売 110 0 0.9 0.9 10.0 22.7 1.8 20.0 通 信 販 売 41 0 0 2.4 2.4 14.6 0 0 電話勧誘販売 66 1.5 12.1 0 6.1 27.3 6.1 7.6 無店舗販売計 217 0.5 4.1 0.9 7.4 22.6 2.8 13.4 店 舗 購 入 357 0 2.0 0 14.3 10.9 16.0 8.1 不 明 80 0 3.8 0 16.3 10.0 17.5 3.8 (注)表8の注1、2に同じ。 4)契約元金 多額な取引が多い 証券会社の契約元金の平均は、約720万円である。金額の区分は200万円未満が 23.7%、 200万円∼1000万円未満が 27.8%、1000万円以上が 14.2%である(表11)。高額 の契約が多い。 表11. 商品別の契約元金 (%) 商 品 件数 200 万 未満 200 万 ∼ 400 万未満 400 万 ∼ 600 万未満 600 万∼ 800 万未満 800 万∼ 1 千万未満 1 千万 ∼ 不明 平均 (円) 証券会社 計 654 23.7 12.4 8.3 4.0 3.1 14.2 34.4 720 万 外国投資信託 159 22.0 13.2 8.8 5.0 2.5 18.2 30.2 804 万 外国債・社債 143 20.3 14.0 7.0 4.9 6.3 15.4 32.2 832 万 投資信託 259 25.5 11.6 8.9 2.7 1.2 15.1 35.1 687 万 社債 49 22.4 8.2 12.2 6.1 6.1 2.0 42.9 360 万 ワラント 5 60.0 0 0 0 0 0 40.0 107 万 金融債 2 100.0 0 0 0 0 0 0 139 万 その他 37 24.3 16.2 2.7 2.7 2.7 5.4 45.9 653 万
(2 (2(2 (2))))銀行銀行銀行銀行(((外(外貨外外貨貨貨預金等預金等預金等預金等)))) ① 苦情件数、相談者の属性 銀行が扱っているリスクの伴う金融商品に関する苦情件数は25件である。 25件の内訳は「外貨預金」16件、「金融債」5件、「外国投資信託」1件、「外国債券・社債」 1件、「投資信託」2件である。 性別は、男性12件、女性13件でほぼ半々である。年齢は、60代が25件中 32%、60歳 未満が同 64%と多数を占めた。職業は家事従事者が25件中 32.0%、無職が同 28.0%、給与生 活者は同 20.0%である。 ②苦情内容 「商品説明なし」が25件中 28.0%、「解約拒否」同 16.0%、「理解不可」と「苦情処理」が各 12.0%などである(表12)。 表12. 苦情内容 (%)(複数回答) 件 数 説明に関する苦情 (注)1 適合性に関する苦情 断 定 的 判 断 不 実 告 知 商品説明 無し リ ス ク 説明無し 目 的 外 投 資 理解不可 資金面 に問題 計 25 4.0 8.0 28.0 4.0 0 12.0 0 勧誘に関する苦情 契約・解約に 関する苦情 苦情処理 件 数 威迫的 な勧誘 再勧誘 長時間 勧 誘 無断契約 解 約 拒 否 苦 情 処 理 高齢者の 取引 (注)2 計 25 0 0 0 0 16.0 12.0 4.0 (注)表8の注1、2に同じ ③販売形態 「店舗購入」20件 80.0%、無店舗販売は2件 8.0%であった。 ④契約元金 契約元金の平均は526万円である。200万円未満が5件 20.0%、200万円∼1000万 円未満が5件 20.0%、1000万円以上が3件 12.0%である。 (3 (3(3 (3)))生命)生命生命生命保保険保保険険険会会会会社社(変社社(変(変額(変額額額保保保保険険険)険))) ① 苦情件数、相談者の属性 生命保険会社(変額保険)に関する苦情件数は約50件(52件)である。このうち、銀行等 の融資を受けているものが52件中、28.8%見られた。 性別は、男性と女性がほぼ半々である。年齢は、50代が52件中 19.2%、60代が同 17.3%、 70代が同 15.4%などである。 職業は、「給与生活者」が52件中 28.8%、「無職」が同 23.1%、「家事従事者」が同 17.3%な どである。
② 販売形態 販売形態は「訪問販売」が30件 57.7%と多い。「店舗購入」は6件 11.5%である。(表13) 表13. 販売形態別の苦情件数 (%) 件数 店舗購入 訪問販売 不明 変額保険 52 11.5 57.7 30.7 ③苦情内容 生保険会社(変額保険)には、借金契約等の「資金面に問題」があったが 28.8%、次いで、「リ スク説明なし」が 23.1%である(表14)。 表14. 苦情内容 (%) 説明に関する苦情 (注)1 適合性に関する苦情 件 数 断定的 判断 不実告知 商品説明 無し リスク 説明無し 目的外 投資 理解不可 資金面 に問題 計 52 7.7 5.8 3.8 23.1 1.9 1.9 28.8 勧誘に関する苦情 契約・勧誘に 関する苦情 苦情処理 高齢者 の取引 件 数 威迫的 な行為 再勧誘 長時間 勧誘 無 断 契 約 解 約 拒 否 苦 情 処 理 (注)2 計 52 0 0 0 1.9 0 7.7 3.8 (注)表8の注1、2に同じ (変額保険の契約元金の概念は他の金融商品と異なるため集計は割愛した。) 2.苦情の 2.苦情の2.苦情の 2.苦情の個個個別事例個別事例別事例別事例のの調のの調調調査査査と査と事とと事事業者の対事業者の対業者の対業者の対応応応応の特の特の特徴の特徴徴徴 追跡調査した10事例の契約者本人の性別は女性9件(内8件が本人からの相談)、男性1件。 年齢は、40代1件、50代2件、60代3件、70代3件、80代1件である。 販売形態は訪問販売6件 、電話勧誘販売1件、店舗へ行った時の不意打ちの勧誘1件、店舗販 売1件、販売形態不詳1件である。業種は、証券会社8事例、銀行1事例、金融先物オプション 取引業1事例である。 (1)投資目的に反するなど適合性に疑問がある取引によって多額の損を抱える。 今回追跡した10事例のうち、証券会社との取引6事例と金融先物オプション取引1事例の計 7事例が「投資目的に反する」「商品の仕組みを理解できなかった」等の適合性に関する苦情であ る(下記事例)。7事例の販売形態は訪問販売5件、店舗へ行った時の不意打ち勧誘1件、販売形 態不詳1件である。 証券会社との取引6事例の購入商品は、外国公社債投資信託、株式投資信託、株式会社型外国 公社債投資信託、外国債券ノックイン債などで、為替リスクのある外国債券や外国投資信託の購 入が多い。為替差損を抱えていて、1000万円以上の含み損を抱えている例が3例ある。この
6事例のうち5事例(下記事例の⑤を除く)には、相談者が述べるところによると、リスク商品 を嫌っていたこと、そのことを外務員には伝えていたという共通点が見られた。消費者の「投資 目的」若しくは「投資意向」が尊重されていれば損害は発生しなかった事例と思われる。 証券会社には消費者に対して最初はリスクの低い投資信託を勧めることから始めるが、次は高 利回り等のメリットを強調し、顧客の投資目的から離れて、ハイリスクの商品を勧めるというや り方が見られた。また、証券会社は、以前に外債等のリスク商品の購入経験があれば、消費者の 投資目的や投資意向に外れる商品であっても、以前の経験が日本証券業協会の投資勧誘規則に定 めがある「顧客の投資経験」に合致し、適合性に適う取引であると言う主張をした。下記の事例 ①④⑤⑥についてそのような主張が見られた。 一方、消費者には、商品を購入するかどうかの判断のよりどころを外務員の説明にもとめる傾 向がみられた。リスクの発生の仕組みが分からないあるいは商品知識に疎い消費者は、“私はリス クの発生する商品は嫌だと外務員に言ってあるから外務員が元本を大きくわる怖れがある商品を 勧めることはないだろう”と思い込み、“外務員の言葉を信じて”取引に参加している。 〈 適合性に関すること等の苦情事例 〉 ・証券会社との取引 ① 株式等のリスクの高い商品を好まず、投資経験の浅い51才の主婦に、目論見書に「当ファン ドへの投資は、性質上長期的なものと考えられるべきであり、内在するリスクを理解している 内外市場の動向に精通した投資家のみにふさわしいものである」と書かれているハイリスク・ ハイリターンの「株式会社型の投資信託」を購入させた。相談者は「株式会社型の投資信託」 を全く理解していなかった。(相談者は外務員が声を掛けてくれなければ損害を被った金融商 品を購入することもなく、損を被ることもなかったと指摘した。) (店舗に行った時の不意打ちの勧誘) ②眼が不自由で障害者手帳を持つ65才の主婦。以前、株取引で損をした経験があり、それ以来、 証券会社との付き合いは絶っていた。最近になって訪問があり、勧誘された。リスクの伴うも のは嫌だと言ったにも拘わらず、外国投資信託を勧誘されている。眼の障害から、売買につい て書いたものを読んで自己で判断できる状態になく、外務員が運用状況の報告を必ずするとい う約束のもとに購入したものだが、それが守られなかった。 (訪問販売、電話勧誘販売) ③40年間、日本国内にある外国の団体で働いていたために、日本の金融取引に極めて疎く、株 式等のリスク商品を好まず、そのことを外務員に伝えていたと言う62才の主婦に、最初1か 月間はローリスクの投資信託であったが、次はRR4の株式投資信託や外国の株式投資信託、 株式等を勧めていた。 (訪問販売) ④病身で耳が遠く、自由な会話は困難。自宅を売却し老人福祉施設に入居している75才の女性。 自宅を売却したお金等が資金で、元金の確保が重要だった人でそのことは外務員に何度も言っ たと言う。リスクの低い金融商品を長期に保有しており、それを売却して外国債券の購入を勧 められた。外務員に勧められて購入した商品名についても正しく把握できておらず、為替リス クの伴う外債に投資して、自己責任で運用できる人ではなく、新聞等での情報収集力のない人 と思われた。 (訪問販売) ⑤79才のパーキンソン症候群の女性。息子からの相談である。投資信託、外国投資信託など多 数を購入させられている。 (販売形態不詳) ⑥75才の女性。外国債券のノックイン債を三件購入させられていた。証券会社は、76才以上
の人には社内ルールでノックイン債は勧誘しないが、相談者は75才で投資型の顧客と認識し ていたので問題ないと考えたと言う。相談者はリスクのある商品は嫌だと外務員に伝えていた ので外務員を“信じて”商品を購入したと言うが、顧客カードは投資型に分類されていた。証 券会社は、投資型と判断したのは転換社債や他の証券会社で外国債券を購入しているからであ ると言う。 (訪問販売) ・金融先物オプション取引 ⑦80才の女性。事業者に、以前別の事業者との同様な取引で被った損を回復して上げると言わ れ、為替先物のオプション取引を契約させられていた。取引の仕組みを全く理解していない。 以前、相談者が別の業者との為替先物オプション取引で損をした経験を取り上げて、業者は、 経験がある、適合性に問題はないと主張。 (訪問販売) (2)リスク説明が不明確。 「外務員が消費者に送った手紙」(証券会社)や「消費者が録音した外務員の説明のテープ」(証 券会社)、「商品説明のパンフレット」(銀行)などを見ると、リスクについての説明が抽象的であ る。“リスク”という言葉に敏感な消費者に、“リスク”という言葉を使うことを避けているとも 考えられる(下記事例)。 追跡事例のなかには、口頭ではリスクがあるというが手紙では「円高になると外国債券の利回 りが下がる」と述べるだけで、リスクについて抽象的にしか書かないなど、口頭での説明と書面 での説明が統一されていない事例もあった。 また、外国投資信託の為替リスクは商品のリスクレベルに組み込まれないと述べた証券会社が あった。このことについて関係機関に問い合わせると、外国投資信託に経済変動の結果生じる為 替リスクは、法律上、商品のリスクレベルには組み込まれず、結果として、日本国内の投資信託 と同じリスクレベルになるということである。このように、外国投資信託等の為替リスクのある 金融商品のリスクレベルの捉え方は一般消費者にとって、非常にわかりにくい。 〈リスクについての説明例(証券会社、銀行)〉 証券会社 ① アジア諸国の通貨・証券オプションなどを組み込んだ株式会社型投資信託の市場リスクについ て、外務員は「他の投資信託と同様に何時でも解約できる。市場は狭いが口数を小口にして売 買できる」、「仮に一社が倒産しても投資信託だからリスクは薄まる」、「リスクは小さく、リタ ーンが大きい」と不適切な説明が行われていた。(注:以上は外務員の2回目の商品説明による。 これは消費者がとった録音テープに収録されていた。ハイリスク・ハイリターン(年利10パ ーセントを予測している商品)の商品に対する説明としては、不充分と思われる。) ② 外国投資信託について、「円安であれば金利6パーセント以上になる可能性もあるが、円高にな れば金利は6パーセント未満になります。円安方向に向かえば、途中売却した方が為替差益が 出て有利になります」と外務員が手紙で説明。勧誘時に外務員が相談者に宛てた手紙のなかで リスク・リターンの説明と思われるところは“円高になれば金利は6パーセント未満になりま す”のこの部分だけであった。相談者は、口頭で為替リスクの説明を受けたと言うが、手紙で も“円高の水準によっては元本を割る事もあります”と明確に書く必要があろう。 銀行 ③オプション取引付きドル建て外貨預金の商品説明書のリスクの記述が明確でない。銀行員はパ
ンフレットを元に説明しているが、そのパンフレットには大きく円利回りについて「7パーセ ント」と書かれているが、為替が消滅条件レートに達した時の利率が 3.6 パーセントになるこ とについての文章としての記述はないため、パンフレット全体を読んで書かれている例示等を 基に読解しなければならない。オプション取引のシステムの難解さに加え、表現や表示のまず さから一般の人には非常に理解しにくいものとなっている。 (3)相談者等の申出内容と事業者の主張は著しく乖離。 10事例の相談者は以下のような取引上の問題点を指摘した。 「リスク説明がなかった」 (証券会社) 「目論見書(有価証券の発行者の事業に関する説明を記載した文書のこと。旧証券取引法では受益証券説明書) を貰っていない」「運用報告書を貰ったのは1回だけ」 (証券会社) 「高齢者に勧める商品ではない」 (証券会社) 「1年待ってくれれば損を回復してあげると言われ、それを信じた」 (証券会社) 「勧誘されて商品を購入した翌日解約を申し出たができないと言われた」 (証券会社) 「取引途中で解約を申出たが、大丈夫と言って解約に応じて貰えなかった」 (証券会社) 「商品の仕組みについて誤認させる表示があり、表示を基に説明がされた」 (銀行) 「損を取り戻してあげるからまかせて下さいと言われた」 (金融先物オプション取引業者) これに対して、事業者は、「説明は充分行った」「書面は交付した」「運用状況は毎月会った時に 報告している」「ハイリスク商品の経験を積んでいる」「そんなことは言っていない」「募集期間 を過ぎているから解約はできない」「相談して解約しないことになった」として、ほとんどの業者 が相談者の言い分を認めなかった。消費者の言い分を認めた事例は、購入した商品の一部につい て説明不足を認めた1例のみである。 国民生活センターは、事業者に対して以下のような問題点を指摘した。 ・「目論見書には取引に精通した人に適した商品と書かれている。主婦等の一般投資家向けの 商品とは言えない」 (証券会社) ・「相談者の理解を超えたリスクの仕組みが複雑なハイリスク商品の勧誘は適合性に疑問があ る」 (証券会社) ・「初心者に対して5分間ではハイリスク商品の説明は難しいのではないか」 (証券会社) ・「消費者の投資目的に反するのではないか」 (証券会社) ・「リスク説明がされていない。録音テープでも明らか」 (証券会社) ・「1年定期で、1年後に元利共にもらえると言って勧誘することは“証券会社の行為規則等 に関する命令第4条”で禁止している“有価証券の売買に関し虚偽の表示をし又は重要な 事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為”に抵触する怖れはないか」 (証券会社) ・「円安の時期になぜ解約させなかったのか疑問」 (証券会社) ・「商品の仕組みについてのパンフレットの表示は誤認させる。口頭での説明も同様。」 (銀行) ・「リスクの仕組みが複雑なハイリスク商品の勧誘は適合性に疑問がある」 (金融先物オプション取引業者) これに対して、証券会社、銀行、金融先物オプション取引業者は、概ね共通して「理解しても らっている」「説明は行っている」「リスクの経験を積んでいる」と答えた。証券会社は他に、「人 生経験が豊か」「身内に証券関係者がいて知恵を付けられている」「当方に落ち度はない」「事故
とは考えていない」「一般投資家向けの商品として販売している」等と答えた。説明不足を認めた のは先の1例のみである。 (4)消費者の解約の申し出を拒む。 証券会社の追跡事例8事例のうち3事例(前述の(1)で紹介した②③④の事例)は、相談者 が外務員に解約を申し出たが応じられなかった事例である。②は、外務員からの電話勧誘で外国 投資信託を契約した翌日、解約を申し出たが解約できなかった事例で、解約の申し出が募集期間 を過ぎて居た為に解約できなかったことが後で分かった。③④は、取引が始まってからの途中で の解約申し出で、証券会社の対応は、③「顧客と相談して解約しないことになった」、④「今は時 期が悪いから様子を見ようと説得した」というものである。 ②の相談者には、投資信託の募集期間中は解約できるなどの解約条件は知らされていなかった。 投資信託の募集期間中は解約できることを知らなかったと言う例は他の追跡事例にもあった。 ③の相談者は解約を申し出たら、外務員に大丈夫、大丈夫と言って解約を思いとどまらされた と述べている。このような根拠のない情報提供をして、解約に応じていない。 参考までに、証券会社のダイレクトメールや受益証券説明書を見ると、“出し入れ自由”“中途 解約できます”などと書かれているが、募集期間中に解約できるかどうかについては書かれてい なかった。解約については全く触れていないものもある。目論見書を見ると、受益者の権利行使 の項に買戻請求権の記述はあるが、募集期間中の解約についての記述はなかった。 (5)苦情の解決について、「証券業協会のあっせん制度」の利用を拒み、裁判を主張。。。。 証券会社に対する苦情8事例のうち6事例の相談者が損害の回復を求めた。 苦情の解決の方策として、証券業協会の斡旋の対象になりそうな6事例について、相談者の求 めに応じて「証券業協会のあっせん制度」の利用について証券会社に聞いたところ、利用しても 良いとの意思表示をした証券会社が2社あった。しかし、このうち1社は最初から斡旋不調をほ のめかしている。残り4社は、「証券業協会のあっせんは消費者寄りだから嫌だが簡易裁判所の調 停なら応じる、裁判なら徹底的に戦う」「簡易裁判所の調停が良い」「裁判で争いたい」など、「証 券業協会のあっせん制度」の利用を拒むという対応であった。 なお、銀行の事例の相談者は損の回復は求めず、謝罪を求めたが、銀行は「表示の改善はする が、当該の顧客に対しては説明は行っている」として謝罪しなかった。 金融先物オプション取引業者は、損害額の25%を分割で返済すると約束した。 (6)顧客カードへの記入は外務員が行っている。 “協会員の投資勧誘、顧客管理等に関する規則”では証券会社が顧客カードを備え付けること を定めている。証券会社に対する苦情8事例のうち7事例(1事例は入院中のため確認できず)の 相談者の誰もが“顧客カード”の存在を知らなかった。当然、顧客カードへの記入は外務員が行 っていたことになる。 投資目的の欄も消費者の言葉の端々に出る投資経験等から外務員などが判 断し、例えば、転換社債を購入すると投資型にする等が行われていた。証券会社が顧客のタイプ 分けをし、顧客カードに記入するために、消費者の本来の投資目的や投資意向から外れる結果に なっている。消費者に聞きもしないで貯蓄額を外務員が記入していた事例もあった。 参考1.協会員の投資勧誘、顧客管理等に関する規則で定められている顧客カードの記載事項は下記のとお りである。
1.氏名、住所及び連絡先 6.取引の種類 2.職業及び年齢 7.顧客となった動機 3.投資目的 8.本人確認の方法 4.資産の状況 9.その他各協会員において必要と認める事項 5.有価証券投資の経験の有無 2.顧客カードにおける投資方針の欄の選択肢の例 「元本の安全性を重視したい」「元本と収益性のバランスに配慮したい」「安全性をより重視したい」 「収益性をより重視したい」「収益性を追求するため、リスクの高い商品にも積極的に投資したい」 (7)証券会社ではハイリスク商品が何かは曖昧。 苦情事例の追跡調査を行った証券会社8社(大手2社、中小証券会社6社)に対して、「高齢者 に対する勧誘ルール」「勧誘や注文のやりとりの記録作成」「消費者相談窓口の名称」等について 尋ねた。 高齢者に対する勧誘ルールを持っている証券会社が5社、持っていない証券会社が3社である。 勧誘ルールを持っている証券会社では、高齢者を概ね70歳以上としてハイリスク商品の勧誘は 行わないということである。ハイリスク商品は何かに対しては、「信用取引」のみが4社に共通し ており、1社は外部に教えられないと答えた。「信用取引」以外では、「ワラント、100%株式 の投資信託」(1社)、「リスクのランク5のもの、為替のかかるもの」(1社)、「リスクレベル4 以上のもの」(1社)である。為替のかかる商品をあげたのは1社のみである。 勧誘ルールを持たない他の3社のうち2社は、「70歳以上には気をつける」「65歳以上は少 し気を付ける」と答えた。 勧誘や注文のやりとりを記録している証券会社は1社だけだった。テープに録音するというこ とも非現実的だということである。 (8)証券会社の消費者相談窓口業務は他の業務と兼務。 苦情事例の追跡調査を行った証券会社8社の消費者相談窓口の名称は、一見して、消費者相談 窓口と分かるものは2社あったが、このうち1社は社内だけで使っている名称であって、正式の 部署名には「相談」という言葉は入っていない。他は、「コンプライアンス統括部」「法務室」「監 査部」「営業相談室」と言う名称である。証券会社の消費者相談窓口業務は他の業務と兼務してい ることが窺える。 Ⅲ ⅢⅢ Ⅲ.金融商.金融商.金融商.金融商品品品品に係るに係るに係るに係る取取取引取引上引引上上の上ののの問問題問問題題題点点点点 1.「商品の仕組みを理解できなかった」「消費者の投資目的を尊重しない」など、適合性に疑問 がある取引がある。 「商品の仕組みを理解できなかった」「投資目的に反している」など、適合性に関する苦情が証 券会社、銀行、生命保険会社(変額保険)に共通して見られた。 「目論見書には取引に精通した人に適した商品」と書かれているのに、証券会社は一般投資家 向けの商品として販売しているという事例もある。 金融先物オプション取引業者は、相談者が以前、当該の事業者ではない別の事業者と先物オプ
ション取引において多額の損の経験があることを知って、それを盾に「経験も知識も有る」とし、 適合性に問題はないと主張した。 追跡事例の調査のなかで、損害が発生した金融商品を購入する以前にハイリスク商品や為替リ スクのある商品の購入経験があれば、「投資経験がある」として適合性に適う取引であると言う主 張が証券会社や金融先物オプション取引業者に見られた。証券会社の場合、日本証券業協会の投 資勧誘規則で「協会員は、顧客の投資経験、投資目的、資力等を十分に把握し、顧客の意向と実 情に適合した投資勧誘を行うよう努めなければならない」と定められているが、追跡調査に見ら れたように、「投資目的」より「投資経験」の有無に重きが置かれ、消費者の「投資目的」を尊重 しない商品勧誘が行われていることは問題である。 証券取引法では、適合性について「顧客の知識、経験および財産の状況」とし、日本証券業協 会の投資勧誘規則に定められている「顧客の投資経験、投資目的、資力等」の中の「投資目的」 はない。証券取引法の規定に「投資目的」がないことが「投資目的」を尊重しないことの証券会 社の根拠となっているとしたら、問題である。 2.商品説明やリスク説明などは不十分で問題がある。 商品説明やリスク説明など、業者が説明した内容に対する苦情が証券会社、銀行(リスクのな い金融商品を除く)、生命保険会社(変額保険)に共通して寄せられている。追跡事例でも証券会 社、銀行に対して、商品説明やリスク説明に関する苦情が見られた。 消費者の苦情は、利益が得られることについての「断定的判断」や元本保証などの「不実告知」、 リスク説明がなかった、あるいは明確でないなど「リスク説明が無い」「商品説明が無い」などで ある。苦情には、口頭若しくは手紙ではリターンの説明だけで、パンフレットにはリスクについ ても書き、口頭若しくは手紙での説明とパンフレットとを合わせて全体の説明にすると言うやり 方が見られた。また、リスクのある金融商品を購入した経験があることで、リスクについても認 識しているとした証券会社もあった。リスクに関する曖昧な説明によって、消費者がどのような 仕組みで「リスク」が発生するかの認識が不明確なままに契約することになり、後日損失が発生 した時点で説明の不十分さが原因でトラブルになる。 パンフレットを読んでリスクに気が付いて解約を申し出る(解約できるかどうかは別にして) ことができるだけの判断力の備わっている消費者だけではなく、追跡事例の②④⑥⑦(9頁)の 60代、70代、80代の消費者のように、外務員の大丈夫と言う言葉を信じて購入したなど、 購入するかどうかの判断の拠り所を外務員の説明に求めるという消費者がいる。このような消費 者は、リスク・リターンの仕組みを理解できないために、判断の拠り所を外務員の説明に求めて いると考えられる。 書面でのリスク表示も重要だが、口頭でのリスク説明も明確に分かり易い言葉で行う必要があ る。 また、外国債券・社債はもともと格付け表示のみである。外国投資信託のリスク表示は為替リ スクを含めてのリスク表示となっていない。これはもともと外国投資信託には経済変動によって 生じる為替の動向を商品そのもののリスクレベルに組み込まなくても良いような法律上の仕組み があることによる。一方、日本国内の投資信託も証券取引法の改正により、目論見書にリスクレ ベルの表示をしなくても良いようになるなど、為替リスクや投資信託のリスクが一般の消費者に とって非常に見えにくくなっており、問題と思われる。 すでに金融審議会は、説明義務の立法化の枠組みを公表しているが、それには業者に立証責任
は転嫁されていない。ということは、消費者が立証しなければならない。証拠が明確でない、“言 った言わない”を消費者が立証するのは非常に難しく、商品説明やリスク説明についての具体的 な方策が必要と思われる。 3.訪問販売などの不招請勧誘に対する消費者保護策がない。 証券会社の苦情の3割強、生命保険会社(変額保険)の苦情の6割弱は「訪問販売や電話勧誘 販売、通信販売などの無店舗販売」によるものである。無店舗販売では「リスク説明なし」「元本 を保証するなどの不実告知」など説明に対する苦情や「解約拒否」などの解約をめぐる苦情の発 生割合は店舗購入のそれらを上回っていた。 追跡調査した10事例は、訪問販売が6事例、電話勧誘販売が1事例、店舗へ行った時の不意 打ちの勧誘が1事例、販売形態不詳が1事例、店舗購入が1事例である。追跡事例の中には、外 務員が勧誘しなければ損害を被った金融商品を購入することもなく、損を被ることもなかったと 言う相談者の率直な意見があった。電話勧誘販売には、外務員が消費者に電話で商品説明を行い、 目論見書は後で送るから必ず読んで、何か質問があれば電話してくれと言っておくという例が見 られた。 訪問販売や電話勧誘販売は、消費者にとっては不招請の勧誘のため、商品説明が充分行われて も事業者が提供する情報に対して無防備であり、契約について熟考する時間的余裕がないという 特徴がある。訪問販売や電話勧誘販売に「解約拒否」を巡る苦情が多かった(双方共に20パーセ ント台)が、このことはそれだけ解約の申出が多いことと裏腹の関係になろう。 高齢者にハイリスク商品の勧誘は差し控える、行わないと言う証券会社が5社あったが、ハイ リスク商品の具体的な商品名は概ね信用取引が共通しているだけだった。 商品や役務等の訪問販売や電話勧誘販売は、「訪問販売等に関する法律」で8日間のクーリン グ・オフ制度(無条件解約制度)などによって消費者保護が図られている。しかし、ほとんどの 金融商品は、訪問販売や電話勧誘販売などの不招請勧誘による契約に対して、十分な消費者保護 が図られているとは云えない。 4.解約を拒まれたというクレームが多数発生。解約ルールが不明確。 契約直後の解約や取引途中での解約申出に対する拒否など、「解約拒否」に関する苦情が証券会 社に1割強見られた。銀行にも見られた。苦情の追跡事例にも、契約の翌日に解約を申し出たが 断られた、取引途中に解約を申し出たが、大丈夫、今は時期が悪いなどと言って解約に応じて貰 えなかった、という苦情があった。契約の翌日に解約を申し出たが断られたと言う苦情の背景に は、投資信託の募集期間中を過ぎると解約できないことなど解約条件を知らされていないことが 背景にある。募集期間中を過ぎると解約できないことを知らなかった相談者は他の追跡事例にも 見られた。 ちなみに、パンフレットやダイレクトメールの解約についての表示を見ると“中途解約できま す”という程度のことしか書かれていない。商品の解約条件(解約できる期間、料金等)を勧誘 時若しくは契約成立時に書面、口頭で明確にする必要がある。 また、取引途中での解約申し出に対して、解約しなくても大丈夫、今は時期が悪いなどという 根拠のない情報を提供して解約に応じないことは問題である。解約を引きとめたければ運用情報 等を提供して、最終的な判断を消費者に委ねること等をする必要があろう。
5.消費者はどのような書面が交付されるのか分かり難く、また、内容も難解である。 書面が交付されなかったという苦情が追跡調査事例に見られる。証券会社は渡したと主張し、 もらった、もらってないの水掛論になっている。 証券会社に書面の交付を義務づけ規定した法令には以下のものがある。 証券取引法第15条 「目論見書の交付」 同 第40条 「概要書面の交付」(有価証券先物取引等) 同 第41条 「取引報告書の作成及び交付」 証券投資信託及び証券投資法人に関する法律第33条 「運用報告書の作成及び交付」 外国投資信託、国内の投資信託に関する関心は高く、それと共に苦情も発生している。しかし、 消費者には、その商品には購入時にどのような書面が交付されねばならないか、商品の所有中に どのような書面が交付されねばならないか等、書面交付の実情が分かり難い。 例えば、証券取引法では、新規募集の投資信託や追加型投資信託の継続募集期間中のものを販 売する場合には目論見書の交付義務を課しているが、募集期間を過ぎたものを販売する場合には 目論見書に準じる書面の交付義務はないということがある。 また、目論見書の内容が一般消費者には難解である。 6.消費者相談窓口などでの話合いによる解決が狭められている。 証券取引法は損失補填を禁じており、損失が補填されるのは、①「その補填に係る損失が事故 に起因するものであることについて、金融再生委員会の確認を受けている場合」及び省令で定め られている②裁判による確定判決や和解、③簡易裁判所による調停結果、④証券業協会のあっせ んが認定された場合」である。①の“事故”には、「証券会社の行為規制等に関する命令」(省令) 無断売買及び誤認させる勧誘(有価証券の性格、取引の条件等3項目)などが定められている。 無断売買など事故に該当する苦情は、消費生活センターのあっせんで解決した事例もある(証券 会社は、金融再生委員会に届け出て、確認を得る)。 しかし、苦情に見られた「投資目的に反する」勧誘など勧誘上、契約上の問題に起因するトラ ブルは多いが、話し合いで解決、消費者救済がされることは極めて少ない。証券会社等は「裁判 での決着」を主張するが、消費者特に高齢者にとって、本裁判で争うことは経済的、時間的負担 が大きい。 7.無断契約や再勧誘に対するクレームもある。 無断契約や再勧誘に対するクレームが見られる。無断契約や執拗な勧誘は厳に慎むべきである。 Ⅳ ⅣⅣ Ⅳ.金融商.金融商品.金融商.金融商品品品取引の取引の取引の取引のトトラトトララブラブブルブルルルのの未然防止のの未然防止未然防止に未然防止ににに向け向け向けた向けた改たた改改改善善善等善等等等 今回の調査結果では、①投資目的を尊重しない商品の勧誘 ②不十分なリスク説明 ③解約拒否 などの問題点が明らかになった。公正な取引と消費者保護のため法制度の整備を含め、以下のよ うな対応を図ることを行政機関等に望むものである。 1.適合性について「安全性重視といった顧客の運用方針の尊重」などを含め幅広く対象と すること。
金融商品は、信用取引などを除き、ほとんどの場合にお金を全額払い込み済みであり、 しかも、金融商品の価格は常に動いていて目に触れたり、手でさわったりすることができ ない特殊な商品である。また、契約金額は極めて多額で、損害額も数十万円から中には1 000万円以上に上る場合も珍しくない。リスクを好まない、説明を聞いても理解できな い者の保護のためには、消費者の適合性について、証券取引法に規定されている知識、経 験、財産の状況の把握に止まらず、「安全性重視といった顧客の運用方針の尊重」などを含 め幅広く対象とすることを望む。 また、「顧客カードの作成」は、消費者の適合性を把握し、適合性を判断する上で重要な 役割を持つ。取引を開始する前段階において「消費者自身に顧客カードを記入させる」こ とは、消費者に適った金融商品を勧めるうえで重要である。 2.重要事項に つ い て、書面表示及び 口頭で の 説明義務を明確に す る 。 書面交付や解約を巡るトラブルの根底には、どういう書面が何時交付されるか等の書面 交付や解約条件の分かり難さがある。商品説明を充実させるだけに止まらず、書面交付及 び解約のルールなどの「契約や勧誘のルール」を消費者に分かり易いものにすることが求 められている。金融商品については、販売形態の如何に拘わらず重要事項の説明義務を法 令等で明確にする必要があろう。重要事項には、商品の仕組み、リスク説明、為替リスク の有無、解約条件、解約手続き、解約手数料、取引に必要な手数料、交付されるべき法定 書面(各業法で規定されている書面の名称と交付時期)等が考えられる。 損害が発生し、説明義務に反していた場合には、事業者が損害賠償を負う旨の規定を設 けることを望む。 3.訪問販売、電話勧誘販売などの不招請勧誘について、適切な消費者保護策を定める。 訪問販売、電話勧誘販売などの不招請勧誘に係るトラブルも多いことから、不招請勧誘 での契約には、適切な消費者保護策を図られることを望む。 4.消費者相談機関での金融商品をめぐるトラブルの円滑な解決の促進 金融商品の取引で、消費者と事業者との間で勧誘上、契約上の問題が発生し、それによ って事業者が消費者に損害を与えた場合に、消費生活センター等の消費者相談機関の仲介 によりその問題が事業者と消費者の双方で認識されて損害額について当事者間で和解が 成立した場合には、事業者はその損害額を消費者に支払うことが可能となるような方策を 望む。 5.「証券業協会のあっせん制度」の利用について、証券業協会会員の指導 業界業界業界業界団団団体団体へ体体へへへの情の情の情報の情報提報報提提提供供供供及び及び及び要及び要要要望望望望 1. 証券業協会 (1)「証券業協会のあっせん制度」の利用の促進。 (2)「証券業協会のあっせん制度」を全都道府県で利用可能にする。 「証券業協会のあっせん制度」は、現在その開催場所はブロック単位で設定されてい る。全都道府県で開催されないために利便性に欠ける。
(3)会社の営業方針に左右されない、自主性のある消費者相談窓口の設置及び消費者相談 窓口の名称を消費者から見て、相談窓口と分かるような名称とする。 消費者保護基本法の精神に基づく消費者相談窓口の運営が必要と思われる。 (4)商品説明等の改善 2.銀行協会及び生命保険協会 (1)商品説明等の改善等 消費 消費消費 消費者者者者へのへのへのへのメメメッメッセッッセセセーーーージジジジ (1)金融取引に関して、業者の商品説明等に関する“チエックリスト”を作るなど、業者との 話合いには記録をとる。 (2)金融商品はその価格が常に変動しているものである。リスク、リターンの発生の仕組みが 分からない金融商品には手を出さないこと。また、リスクが伴う商品への資産運用には慎 重を期すこと。
資料1. 取引上の問題点等に係る苦情内容コード (PIO−NET に入力されている相談概要の内容を下記コードで分類) 項 目 コード 内 容 説明に関する苦情 断定的判断 1 必ずもうかる、○○パーセントは堅いと言われた等の“もうけ” についての断定的なトークがあった場合。 不実告知 2 商品の仕組み等の説明に嘘があった場合。例えばリスクの発生が 考えられるのに元本保証、絶対安全、リスクはないと言うなど、 説明等に明らかな嘘があった場合。資料内容と説明が異なる場合。 結果的にもうからなかった、利回りが保証されなかった、損をし たこと等は利益に関して「不実告知」としない。 商品説明なし 3 商品についての説明や解約条件、手数料について説明無しや説明 が不十分だった場合。ただし、リスクの説明がなかった場合に付 ける「リスク説明なし」と「商品説明なし」は重複させない。 リスク説明なし4 相談者からの「リスク説明なし」の指摘があった場合。この他、 リスク説明が当然あるべきなのに、「もうけ」の方の話ばかりだっ たような場合。 適合性に関する苦情 目的外投資 5 安全運用等相談者が投資目的を告げたにもかかわらず、結果的に 投資目的に合致しないリスクのある商品を契約させられた等。 理解不可 6 説明を聞いても理解できなかった、理解できないまま契約した。 資金面に問題 7 失業している、金がないと告げると借金を勧められた、投資資金 の捻出のために借金をした、多額の契約のためにローンを組んだ 等、資金面に問題がある場合。 勧誘に関する苦情 威迫的な行為 8 勧誘や解約の過程で業者に強迫的、威迫的な行為があった場合。 再勧誘 9 電話等で断っても断ってもしつこく勧誘された場合。 長時間勧誘 10 3時間以上の勧誘は無条件に“長時間勧誘”とする。2時間以下 は相談内容で判断する。短時間でも消費者が迷惑と感じていれば、 長時間勧誘になる。 契約・解約に関する苦情 無断契約 11 相談者が具体的な商品名をあげたにもかかわらず別の商品を契約 させられていた場合。無断売買を含む。 解約拒否 12 解約に応じなかった場合。 苦 情 処 理 苦情処理 13 業者の苦情処理に誠意が見られない場合。返金などの履行遅延も 含む。 その他 高齢者の取引 14 高齢(70歳以上)者に株式投資信託、先物取引、ワラント等のRR 3以上の商品(注)及び外債、外国投資信託、外貨預金等の為替リス クの伴う商品、変額保険を勧誘(訪問販売、電話勧誘販売、店舗での 勧誘)していた場合。(注)リスク・リターンレベル(RR)3以上とは、 RR3:値上がり益・利回り追求型、RR4:値上がり益追求型、RR5:積極値上 がり益追求型、のことを言う((社)証券広報センター「投資信託ガイド」より)。