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次にグループ別に分かれて研究室を見せていただきました リップマー研究室ではナノサイズの人工宝石をつくり新しい酸化物材料の物質をつくる研究をしています 超高度な真空を実現して レーザーによりプラズマを作る装置などでナノサイズに原子を一段ずつ規則正しく並べることが可能だそうです ナノスケール物性研究部門

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Academic year: 2021

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2012年8月6日(月)  10時~17時 東京大学物性研究所 (柏キャンパス)   千葉県柏市柏の葉5丁目1番5号 SSⅠ(全コース) 一年生 66名 東京大学物性研究所にて、家 泰弘 所長と科学を志す後輩達 2つの電子の振動をわかりやすく解説 物性物理「はじめの三歩」の講義とチーバ君 目 的 先端科学の研究の現場を体験し、研究者と交流することで、科学に対する興味 関心を増やす。「創る」、「観る」、「知る」などの基礎的勉強の重要性を認識させ ることで、生徒の科学学習への更なる意欲喚起と、最新の学術・技術の理解を 図る。将来の科学技術に携わる進路選択に強い影響を与える。

東京大学物性研究所訪問

日 時 指導者 家 泰弘 所長(日本物理学会会長) 大谷義近教授、高橋竜太助教、嶽山正二郎教授、金道浩一教授 場 所 参加者  現代社会はいろいろなところで物性科学の恩恵を受けています。携帯電話やパソコンの中の半導体 中の電子の振る舞い、記憶媒体(磁気ハードディスク)、液晶、光ファイバー、高強度繊維、高分子ゲ ル、形状記憶合金、燃料電池、光触媒、太陽光電池、医療分野ではMRI(磁気核共鳴画像診断装 置)、デジカメや国立天文台のすばる望遠鏡のCCDカメラ、スーパーカミオカンデの光電子増倍管な ど数え上げたらきりが無いほど、至る所で役に立っています。  物性科学は、多様な物質の性質(物性)を、物理学や化学の基本原理に基づき、原子や電子のミク ロなレベルから理解しようとする学問です。高圧力・極低温・超強磁場などの研究により、役に立つ物 質を生み出す研究をしています。  家泰弘所長から物性研の概要説明と、わかりやすいスライドを使った物性の初歩の講義「はじめの 三歩」をしていただきました。千葉県のゆるキャラ、「チーバ君」を使った「第一歩」目は、あらゆる物質 は原子からできているという話から始まって、原子の構造と周期律の関係の説明です。馴染みのある 周期律表の列と行の特徴、原子の電子配置のしかたの説明では、ホテル「アトム館」の客室では同じ スピンの向きは不可で、下の階から二人ずつ順番に入るルールがある。ギターの弦の定常波と比べ たエネルギーの量子化や、周期表と比べた電子エネルギー準位のつまり方、最外殻の電子(価電子) が原子の化学的性質を決めていることなどの説明がありました。  「第二歩」目は、原子から固体への説明として、2個の水素原子を近づけたときの2パターンの振動 をジェスチャー付きで説明してエネルギーバンドの導入をして、金属と絶縁体と電子の動きやすさ、半 導体の電子とホール(正孔)と熱励起または光吸収、ドナー(電子供与体)のドーピング、発光ダイオー ドと太陽電池などの話がありました。  「第三歩」目として、磁性を例とした協力現象と相転移の説明です。周期表と電子エネルギー準位の 詰まり方の復習と強磁性であるための磁気モーメントと磁区と磁壁の様子、原子の磁気モーメントとス ピンの関係、原子の磁気モーメントを揃える力として、量子力学的な効果(スピンの向きによるクーロ ン相互作用の違い)、磁気秩序(協力現象と相転移)を周囲の隣近所に気遣う気持ちでわかりやすく 説明し、磁気秩序のいろいろな例として強磁場、反強磁場、フェリ磁場の説明へと続きました。  以上のように物性の初歩をわかりやすく楽しく・・・と言ってもまだ化学も物理も学び始めていない 一年生ですから、エネルギーバンド・量子化・スピンなど生徒にとっては難解だったようです。  それでも「物性科学の最前線」ビデオとともに食い入るように見ていました。

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大谷義近教授(昭和54年卒) 運動器具でスピンの角運動量を説明 戸山SSHへエールを贈る リップマー研究室で人工宝石を研究する高橋竜太助教(平成08年卒) 毎秒1000回転で真空度を上げる技術 国際超強磁場科学研究施設の強磁場実験棟 液体窒素の中で強磁場を作る Flywheelの説明器 次にグループ別に分かれて研究室を見せていただきました。  リップマー研究室ではナノサイズの人工宝石をつくり新しい酸化物材料の物質をつくる研究をしてい ます。超高度な真空を実現して、レーザーによりプラズマを作る装置などでナノサイズに原子を一段ず つ規則正しく並べることが可能だそうです。  ナノスケール物性研究部門の大谷研究室では、微小磁性体中の磁区の磁気人工格子(マグノニック 結晶)によるメディアへの新しい記憶方法の研究をしています。電荷の流れを伴わない純スピン流と呼 ばれる角運動量のみの流れを実現してスピントロニクスの研究をしています。  国際超強磁場科学研究施設の強磁場実験棟の金道研究室では、Pulse magnetの開発を行ってお り、数ミリ秒の時間において80T(テスラ)という強力な磁場を実現するため-196℃の液体窒素の中で電 流をコイルに流すが、一瞬にして熱のため液体窒素が無くなってしまう。しかし、コイルは壊れることな く繰り返し使用している。 Flywheel発電機では、慣性モーメントの大きなはずみ車を連結して回しておいてから発電機のスイッ チを入れた方が大きな磁場が得られることを、自転車の実験で説明していただきました。ここでは数秒 という長い(?)時間の強磁場環境を実現しています。  一巻きコイル法Single-turn-coilでは、大電流により破裂した分厚い銅と銀の合金の一巻きコイルの 廃材の量に驚かされました。 嶽山研究室では、電磁濃縮法Flux compressionにおいて、あまりの強磁場のために想像を絶する実 験環境となっています。通常のマンションなら3階位の高さの大部屋の巨大コンデンサーに蓄えた電 荷を一気に放電させることで、一瞬の大電流を頑丈な一巻きコイルに流して、内側のリングに誘導電 流が流れることで互いに反発し、内側のリング内の磁力線を絞ることになります。こうして730Tの世界 最高の磁場を数μ秒というわずかな時間で実現して新しい物質の研究ができるそうです。ちなみに地 球磁場は0.00001T。代償として、マッハ10の衝撃波でコイルどころか部屋が吹き飛び黒焦げになり、 その後一ヶ月はひたすら後始末をし続ける実験だそうです。  物性研究所では見るもの聞くものすべてが想定外でした。

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730Tの世界最高の磁場を実現 Flux compressionの一巻きコイル 巨大コンデンサーの部屋 Single-turn-coilでは、分厚い銅と銀の合金の一巻きコイルが破裂した多数の廃材に驚かされた 簡易分光器の制作の指導と講義の様子 多面体の工作と結晶のモデル 研究者(大谷義近教授(昭和54年卒)、高橋竜太助教(平成08年卒))を囲んで昼食をとる様子  極低温の超伝導とヘリウムの超流動のビデオを見ながら、3人の戸山高校卒業生を囲んでラウンジ で昼食をとったあと、家泰弘所長から、分光についての講義を受けてから簡易分光器の工作をしまし た。こちらは簡単に組み立てのできる段ボールの箱が用意されていましたが回折格子の溝の密度が 大きく、箱の側面の方に一次像が表れるので慣れるまで時間がかかりました。休憩の後、家教授から 結晶構造の面心立方格子、六方最密構造など多面体の講義があり数学的な話題があったあと、多面 体の工作に移りました。正二十面体やサッカーボールのようなフラーレン模型をつくり持ち帰りました。 今回の訪問は、戸山高校卒業生の家泰弘所長(日本物理学会会長:昭和45年卒)をはじめ、大谷義 近教授(昭和54年卒)、高橋竜太助教(平成08年卒)と城北会のご尽力により実施できました。物性の話 はレベルが高く、理解しにくいことも多くありましたが、日本の最先端の研究に触れることができ圧倒さ れっぱなしで、超一流の研究者との交流が実現できたぜいたくな一日を体験させていただきました。  今回いただいた講義の資料は大学に入ったときに必要になりますから生徒は大切にしておきましょ う。  卒業生も母校の近況には関心が高く、SSHのホームページをよく見てくださり、「戸山高校の卒業生 は全力で応援しますよ」という戸山高校のSSH事業に対するエールをいただきました。

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生徒の感想  アンケート結果からは、物性研 訪問で、最先端の研究に刺激を 受けて憧れはもったものの、内容 が難しすぎて理解が追いついて いないようだ。たとえ高校で物理 を勉強していてもすぐに理解ので きる内容ではないので、高校一年 生であるので当然といえよう。  物性は電子の振る舞いなので、 化学コースの反応が全問にわ たって高めであるが、物理コース は低くなっている。科学館訪問で は物理コースの反応が良かった が、今回は難しすぎたようだ。生 物コースは内容が遠いので全体 的に低めだが、分光器と多面体 の製作で反応が良くなっているの が目立つ。息抜き的に感じられた のかも知れない。感想からは、他 コースの内容にも前向きに興味 を示していることがわかる。 ・分光器で光の回析を見て感動。 ・このような施設の大学に入りたいと思った。 ・世界で一番強力な磁気を生み出す装置のスケールが大きかった。悪用されたら大変。 ・わからないことが多すぎた。理解できないことがあった。(多数)1 ・ひとつひとつの研究はおもしろいはずなのに知識がなくて理解できず残念。もっと勉強したい。 ・世界トップレベルの実験は難しい。 ・超強力磁場の実験はおもしろそう。(多数) ・まだ物理を学んでいないので研究の内容が難しかった。 ・真空をつくるタービンが小型で驚いた。このタービンを使えば自分の夢が現実に近づきそう。 ・大学のスケールの大きさや設備がどれほど充実しているのか知ることができた。 ・生物に関することが少なくて残念。(複数) ・興味を持ったのは酸化物についての実験と宝石に電気を流すと伸び縮みすること。 ・スピンは複雑だが興味深い。(複数) ・多面体を作ることに興味をひかれた。 ・最先端物理について学べて良かった。 ・自分はこの分野に向いていないことがわかった。 ・原子の構造が詳しく分かった。 ・自分の知識量が必要だと思った。 ・簡易分光器の工作ではよく理解ができた。 ・ナノスピントロニクスに興味を持った(複数) ・異分野を学ぶことにより幅広い知識を持つことができた。 ・自分は生物分野に進みたいと思っていたが、東大を訪問して磁場の事や電流の事を調べるのが面 白いと感じた。物理分野も視野に入れたいと思った。 ・ナノサイズのきれいな宝石を作ろうとしている研究。将来が楽しみ。

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・ナノというとても小さな単位の話が多くあった。動物や植物について小さな単位で見てみたいと 思った。先生の「新しいことをやらなければ意味がない」という言葉にそれは難しいけれどその通 りだと思った。 ・地上で磁場の強い場所を作れる装置に興味を持った。 ・物性科学の話が聞けて良かった。物理学に興味を持ったので物理学についてしっかり学びたい。 ・強い電磁波をつくるためにたくさんのお金と電気を必要とするなんてびっくりした。 ・自分の基礎知識のなさを痛感した。(多数) ・理系の学習の進化を感じた。 ・研究所というところがどういう所なのかわかった。(複数) ・レーザーを用いた実験が興味深かった。 ・超強力磁場の実験で長い時間をかけて準備したコイルが一瞬で崩壊するほどの破壊力に驚いた。 ・小さな宝石に紫外線をあてる研究が面白そうだった。 ・磁界が物質に与える影響を調べるだけでもいろいろな調べ方がありメリット、デメリットがわ かった。他のアプローチ方法や視野があると思うので多角的に物事を捉えていきたい。 ・スペクトルに関することが参考になった。 ・全ての物質は無数の原子でできており、その原子自体も様々な運動や周りの環境に応じてそれぞ れ“物性”を示すことがわかった。 ・コイルでどれだけ大きくて強い磁場が作れるかとても大きな磁力ができていることが分かって びっくりした。 ・これからの自分の研究で根気よく実験を繰り返してなぜそうなったのか立ち止まって考えたいと 思う。 ・強い磁場を与えると物質がどのように変化をするかを調べていることに興味を持った。  最先端の研究が行われていることに驚きを持った(複数) ・日本の最先端技術を見て将来やりたいことの指針が少しできた。 ・研究所を見学して理系に進み学びたい思いが強くなった。 ・自分は化学コースだが、物理もおもいろいと思った。 ・1巻きコイルで実験器具自体が破裂するところがおもしろかった。 ・説明が分かりやすく面白かった。(複数) ・どんな研究も技術の発展につながると分かった。考えられないような力や速さを人間は生み出せ るという事に驚いた。 ・730Tも出せる実験器具がすごかった。こんな実験をして毎日を過ごすのはとても楽しそうだと 思った。 ・リップマー研究所のレーザー光源が不思議だった。(複数) ・まだ物理学を学んでいないのにあの内容は無理があると思う。 ・Flywheelの技術が印象に残っている。本当に効率のよい発電方法だったので大発明だと思った。 圧倒された。 ・省エネにつながる方法を研修しているところがあってそこには共感できた。 ・機材が大規模で世界トップレベルの研究をしていることがわかったが、何のための研究か理解で きなかった。

参照

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