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いにしえの心を訪ねる

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Academic year: 2021

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第2学年〇組 国語科学習指導案

1 単元 いにしえの心を訪ねる(教材名『徒然草』) 2 指導観 ○ 本学級の生徒たちは、中学校の古典の学習で、一年次に『竹取物語』、二年次に『枕草子』を学 んでいる。事前に行った実態調査では、古典で学習したことと今の自分とのつながりについて、「昔 の人とは生活が違う」「昔の人の考えと自分とは違う」と答えた。そこで、古典の世界との共通点 に気付き、古典の魅力や価値を見いだすことで、古典の世界に親しむ生徒を育成したいと考え、本 単元を設定した。中学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説国語編では、我が国の言語文化に関 する指導の改善・充実が示され、言葉そのものを学習対象とする国語科においては、言葉に着目し て言葉によるものの見方・考え方を働かせることが求められている。よって、古典に表れたものの 見方や考え方を捉え、自分の知識や経験を基に、古典の世界を自分に引き寄せて考えることで、作 品の魅力や価値を見いだし、古典に対する自分の価値観を再構築していく生徒の姿を目指す。 〇 本単元では、三大随筆のひとつであり、鎌倉時代に書かれた『徒然草』を扱う。本作品は、自然 や人生、社会に対する、兼好法師の意見や批評が鋭い見方で描かれている。授業においては、まず 第五十二段を取り上げる。第五十二段には、登場人物のエピソードとそれに対する兼好法師の考え が書かれており、言葉に着目しながら、登場人物の言動や作者の考えと、自分の知識や経験とを結 び付けやすい教材である。古典の世界に親しむには、描かれた世界に自分を引き寄せていくことが 重要であり、その点で有効であると考える。また、単元の後半では、このような視点から精選した 他の章段についても取り上げる。そして、古典に表れたものの見方や考え方を捉える知識及び技能 と、自分の知識や経験とを結び付けながら、自分のものの見方や考え方を広げたり豊かにしたりす る思考力、判断力、表現力等とが関連付けられた学習活動を通して、既有の価値観の再構築を図る。 ○ 本単元の指導にあたっては、古典に表れたものの見方や考え方を捉え、自分の知識や経験を基に、 古典の世界を自分に引き寄せて考えることで、作品の魅力や価値を見いだすことをねらいとする。 そのために、読み手の視点から読む「異化」と登場人物の視点から読む「同化」の、二つの視点か ら本教材を読み進めていく。また、作品の魅力や価値については、「『徒然草』が読み継がれてい る理由」を考えるという単元を貫く課題を設定し、追究活動を行う。まず、単元の導入段階におい ては、序段等から疑問や気付きを挙げ、単元を貫く課題を設定し、追究意欲を高める。次に、展開 段階の前半では、第五十二段を全員で読み進める。その際に、異化と同化を位置付けることによっ て、古典に表れたものの見方や考え方の捉えが確かになり、自分の考えが広がったり深まったりす る。ここで、自分の考えを可視化するために、自分化シートを用いる。この自分化シートによって、 最初に捉えた登場人物の人物像からの捉えの変容を把握することができる。また、古典の世界につ いての理解を促すために、補助資料の活用や、交流活動を適宜取り入れる。展開段階の後半では、 生徒が自分で選択した章段について読み進めていく。前半同様に、自分化シートを用いながら異化 と同化を繰り返す。自分で必要だと判断した補助資料を参考にしたり、他者との交流活動を有効に 活用したりしながら、自分の知識や経験を基に、登場人物の人物像を捉えていくことを通して、古 典の世界を自分に引き寄せていく。このようにして、作品の魅力や価値を見いだしていく過程を、 振り返りシートに記述する。振り返りシートは、毎時間の学習後の自分の考えをまとめることで、 付加・修正・強化されていく自分のものの見方や考え方の変容を可視化することができる。最後に、 単元の終末段階では、単元を貫く課題である「『徒然草』が読み継がれている理由」について、自 分の考えを表出する機会を設ける。単元を通して用いた、自分化シートや振り返りシートの記述内 容を基に、自分の価値観の再構築を行うことによって、古典の世界に親しむことを実感させる。 3 目標(単元の目標) ○ 現代語訳や語注等を手掛かりに作品を読むことを通して、古典に表れたものの見方や考え方を捉 えることができる。 【知識・技能】 ○ 『徒然草』を読んで理解したことや考えたことを、自分の知識や経験を基に、自分の考えを広げ たり深めたりすることができる。 【思考・判断・表現】 ○ 自分のものの見方や考え方を付加・修正・強化したことを基に、自分の考えをまとめることで、 作品の魅力や価値について明らかにしようとしている。 【主体的に学習に取り組む態度】

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2 4 評価規準 知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に取り組む態度 現代語訳や語注等を手掛か りに作品を読むことを通して、 古典に表れたものの見方や考 え方を捉えている。 『徒然草』を読んで理解した ことや考えたことを、自分の知 識や経験を基に、自分の考えを 広げたり深めたりしている。 自分のものの見方や考え方 を付加・修正・強化したことを 基に、自分の考えをまとめるこ とで、作品の魅力や価値につい て明らかにしようとしている。 5 計画(6時間) 学習活動と学習内容 具 体 的 な 手 立 て 知 思 態 一 次 ① 1 学習の目的や見通しをもつ。 (1) 『徒然草』の序段と、百十七段を読む。 〇 作者(兼好法師)の人物像や作品の世界観に ついての疑問や気付きを見いだすこと (2) 『徒然草』の序段と、百十七段からの疑問や気 付きを基に、単元を貫く課題を設定する。 □ 『徒然草』の学習 の見通しをもつため に、同じ随筆である 『枕草子』での既習 事項を確認する。 □ 作者の人物像を捉 えるために、作品名 につながる文頭や係 り結び等、着目する 視点を提示する。 ○ ◎ 二 次 ④ 2 第五十二段「仁和寺にある法師」を読む。 (1) 現代語訳や語注等を手掛かりに内容を把握し、 主人公(仁和寺の法師)の人物像について、自分 の考えを書く。 ○ 主人公の人物像を捉えること【異化】 ・ おっちょこちょいな人 ・ 残念な人 (2) 主人公の言動に着目し、その状況における人物 の心情について、主人公の視点から考える。 ○ 主人公の言動や心情を捉えること【同化】 ・ 石清水八幡宮を参拝することは念願だった。 (3) 主人公の言動に着目し、その状況における人物 の心情について、自分の視点から考える。 ○ 自分の知識や経験と比較して共通点や相違点 を見いだすこと【異化】 ・ なぜ、尋ねたり下調べしたりしなかったのだろ う。 (4) 補助資料を用いて、主人公の言動について再考 する。 ○ 古典の世界を自分に引き寄せること【同化】 ・ 主人公の失敗は、私たちにも起こりうる。 (5) 主人公の人物像について、最終的な自分の考え を書く。 ○ 主人公の人物像を捉え直すこと【異化】 ・ 誠実な人 ・ 誇り高い人 (6) 第五十二段から見いだした作品の魅力や価値に ついての自分の考えをまとめる。 ○ 作品の魅力や価値を見いだすこと ・ 「少しのことでも先導者は必要だ。」という 言葉は、今の私も生かせる解決策になっている。 □ 古典に表れたもの の見方や考え方の捉 えの変容の可視化の ために、自分化シー トを活用する。 □ 更なる異化と同化 を促すために、補助 資料(歴史的背景や 文化的背景等が分か る写真、地図、イラ スト等)の提示や交 流活動を設定する。 □ 自分の考えの広が りや深まりを可視化 するために、振り返 り シ ー ト を 活 用 す る。 ◎ ◎ ○ 『徒然草』が読み継がれている理由を明らかに しよう。

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3 3 『徒然草』から自分が選択した章段を読む。 (1) 現代語訳や語注等を手掛かりに内容を把握し、 主人公の人物像について、自分の考えを書く。 ○ 主人公の人物像を捉えること【異化】 ・ 話の結末から捉えた主人公の人物像 (2) 主人公の言動に着目し、その状況における人物 の心情について、主人公の視点から考える。 ○ 主人公の言動や心情を捉えること【同化】 ・ (主人公の視点からの)主人公の言動や心情等 (3) 主人公の言動に着目し、その状況における人物 の心情について、自分の視点から考える。 ○ 自分の知識や経験と比較して共通点や相違点 を見いだすこと【異化】 ・ (自分の視点からの)主人公の言動や心情等 (4) 補助資料を用いて、主人公の言動について再考 する。 ○ 古典の世界を自分に引き寄せること【同化】 ・ 主人公の言動や心情に対する理解等 (5) 主人公の人物像について、最終的な自分の考え を書く。 ○ 主人公の人物像を捉え直すこと【異化】 ・ 話の内容を総合的に捉えた上での主人公の人 物像等 (6) 選択章段に込められた作者のメッセージについ て、考えを交流する。 ○ 作者の考えを基に、自分の考えをつくること ・ 作者の考えは、自分や今の社会にもつながっ ている。 (7) 選択章段から見いだした作品の魅力や価値につ いての自分の考えをまとめる。 ○ 作品の魅力や価値を見いだすこと ・ 人間の普遍性 ・ 時代を越えた共通点等 □ 古典に表れたもの の見方や考え方の捉 えの変容の可視化の ために、自分化シー トを活用する。 □ 更なる異化と同化 を促すために、補助 資料の提示や交流活 動を設定する。 □ 自分の考えの広が りや深まりを可視化 するために、振り返 り シ ー ト を 活 用 す る。 三 次 ① 4 第五十二段「仁和寺にある法師」や選択章段、 交流で捉えた章段で感じたことや考えたことを整 理し、『徒然草』の魅力や価値について、自分の考 えをまとめる。 ○ 作品の魅力や価値を見いだすこと ・ 主人公と同じ心情を抱いたことがある。 ・ 自分たちの日常生活と共通している。 ○ 作品が読み継がれている理由を見いだすこと ・ 『徒然草』には、作者が時代を越えて伝えた かったメッセージが込められているから。 ・ 『徒然草』には、人の生き方等、現代でも共 通することが書かれていて考えさせられるから。 ・ 『徒然草』に描かれている人間の姿に共感し たり新しい発見ができたりしておもしろいから。 □ 『徒然草』の多く の魅力や価値に気付 くことができるよう に、お互いの考えを 交 流 す る 場 を 設 け る。 ○ ◎ ◎

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4 6 本 時 ○ 目 標 『 徒 然 草 』 の 第 五 十 三 段 、 第 二 百 三 十 六 段 か ら 選 択 し た 章 段 を 読 み 、 古 典 に 表 れ た も の の 見 方 や 考 え 方 を 捉 え る こ と で 、 自 分 の も の の 見 方 や 考 え 方 を 付 加 ・ 修 正 ・ 強 化 し 、 作 品 の 魅 力 や 価 値 に つ い て の 自 分 の 考 え を ま と め る こ と が で き る 。 ○ 準 備 自 分 化 シ ー ト 、 振 り 返 り シ ー ト 、 補 助 資 料 ○ 過 程 段階 学習活動 ○内容 ・予想される生徒の反応 □手立て ★評価規準(評価方法) 配時 導 入 展 開 1 第五十二段の学習を想起し、本時 のめあてをつかむ。 ○ 登場人物の言動や心情に着目し ながら、作品の魅力や価値を見い だすこと 2 『徒然草』から自分が選択した章段 を読む。 (1) 現代語訳や語注等を手掛かりに内 容を把握し、主人公の人物像につい て、自分の考えを書く。 ○ 主人公の人物像を捉えること 【異化】 (第五十三段) ・ お調子者 (第二百三十六段) ・ 好奇心の強い人 (2) 主人公の言動に着目し、その状況 における人物の心情について、主人 公の視点から考える。 ○ 主人公の言動や心情を捉えるこ と 【同化】 (第五十三段) ・ 周りの人の注目を浴びたい。 (第二百三十六段) ・ 獅子と狛犬の向きが他の寺社と 違って素晴らしい。 (3) 主人公の言動に着目し、その状況 における人物の心情について、自分 の視点から考える。 ○ 自分の知識や経験と比較して共 通点や相違点を見いだすこと 【異化】 (第五十三段) ・ なぜ、仁和寺の法師はここまで して宴を盛り上げようとしている のだろう。 (第二百三十六段) ・ なぜ、聖海上人は獅子と狛犬の 向きの違いに気付き、そのことに 意味があると思ったのだろう。 □ 生徒が学習の見通し や主体性をもつために、 自分化シートや振り返 りシートを基に、前時 までの学びを振り返る。 □ 古典に表れたものの 見方や考え方の捉えの 変容を可視化するため に、自分化シートを活 用する。 □ 主人公の人物像の捉 えに関わる叙述を整理 するために、同じ章段 を選んだ生徒同士の小 集団交流を設定する。 □ 主人公と自分との共 通点や相違点を見いだ すために、主人公の言 動と自分の知識や経験 とのずれから疑問を生 み出す。 10 40 自分が選択した章段を読み、『徒然草』が読み継がれる理由を考えよう。

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5 終 末 (4) 補助資料を用いて、主人公の言動 について再考する。 ○ 古典の世界を自分に引き寄せる こと 【同化】 (第五十三段) ・ この宴は児を祝う大切な場だか ら、児に楽しんでもらいたい。だ から、鼎をかぶって場を盛り上げ たいと思ったのだろう。 (第二百三十六段) ・ 寺社への見識があり、出雲神社 への信仰心も高いので、理由があっ てのことだろうと思ったのだろう。 (5) 主人公の人物像について、考えを 交流し、最終的な自分の考えを書く。 ○ 主人公の人物像を捉え直すこと 【異化】 (第五十三段) ・ 子供思いの人 ・ 優しい人 (第二百三十六段) ・ 思い込みの強い人 ・ 自分の見識の高さを示したい人 (6) 選択章段に込められた作者のメッ セージについて、考えを交流する。 ○ 作者の考えを基に、自分の考え をつくること ・ 作者の考えは、自分や今の社会 にもつながっている。 3 選択章段から見いだした作品の魅 力や価値についての自分の考えをま とめる。 ○ 作品の魅力や価値を見いだすこ と ・ 人間の普遍性 ・ 時代を越えた共通点等 □ 更なる異化と同化を 促すために、補助資料 の提示や交流活動を設 定する。 □ 主人公の人物像の捉 えを確かにするために、 疑問の解決を通して理 解したことを基に、自 分の考えを自分化シー トに記入する。 □ 作者の考えを基に作 品に対する自分の考え をつくるために、他の 章段を選択した生徒と 考えを共有する場を設 ける。 □ 自分の考えの広がり や深まりを可視化する ために、振り返りシート を活用する。 ★ 現 代 語 訳 や 語 注 等 を 手 掛 か り に 作 品 を 読むことを通して、古 典 に 表 れ た も の の 見 方 や 考 え 方 を 捉 え る ことができている。 (自分化シートの記述) 【知識・技能】 ★ 選 択 章 段 か ら 見 い だした『徒然草』の作 品 の 魅 力 や 価 値 に つ いて、自分の考えを広 げ た り 深 め た り す る ことができている。 ( 振 り 返 り シ ー ト の 記 述) 【思考・判断・表現】 40 10

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