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「教育愛に燃え社会の中で学び続ける教師」の育成: 相模原市が目指す教職員育成の姿と教員養成への期待

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Academic year: 2021

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(1)「教育愛に燃え社会の中で学び続ける教師」の育成 . 「教育愛に燃え社会の中で学び続ける教師」の育成. ― 相模原市が目指す教職員育成の姿と教員養成への期待 ―. 相模原市立総合学習センター 所 長 金井 秀夫 1 心とからだをきたえ、たくましく生きる人になる。. 子どもの教育に携わる者として、教師が自らの人間性. 2 自ら学び、美を求め、個性ゆたかに生きる人になる。. を磨き、子どもへの支援や指導をする力を高めることに. 3 人や自然とのふれあいを大切にし、思いやりのある. 加え、組織として子どもを育んでいくことを理解し、そ. 人になる。 4 みんなで考え、すすんで働き、よりよい社会をきず. の一員としてのあり方を考えていくことが重要であると 捉えた。. く人になる。 5 緑と青空のまち相模原を愛し、広く世界に目を向け る人になる。. 1,000 / 3,000 これは本市の公立小 ・ 中学校の教 員総数を分母、10 年経験者までを分子としたおよその 数である。若手教員の急増 ・ 年齢構成のアンバランス、. 「相模原市立学校教育目標」において、次世代を担う. と他の多くの自治体と同様の傾向が見られる。. 子どもたちへの願いをこのように謳っている。 フットワーク軽く学校を飛び回り、子どもたちと関わ さて、学校教育を通して、このような子どもたちを育 むために、教師はどうあるべきか。どのような資質や能 力を備えることが求められるのか。 本市では教職員研修体系を構築していくうえで、目指 す教師像を「教育愛に燃え社会の中で学び続ける教師」 とし、次の 4 つを教員育成の視点として据えた。 1 教育職としての本質を追及する ・豊かな人間性の育成. り、学校に活気を与えている、という若手教員の活躍を 耳にすることは大変うれしいことである。 一方で、教科指導に関わる疑問や悩みを抱え、なかな かその解決の糸口を見出せないでいる、という状況もあ るのではないか。 職員の年齢構成、多忙化などにより、いわゆる OJT を進めることも簡単ではない。研修に、即明日から使え る「ワザ」を求める声も少なくはない。. ・自己の資質や能力の啓発. 授業で使えるワザやネタを共有し合うことは、自分に. ・社会の一員としての自覚. はなかったアイディアや切り口を手に入れ、授業の幅を. 2 子どもを理解し、個 ・ 集団を育てる. 広げることにつながり、大変有意義なことである。. ・状況把握力と共感的理解. しかし、大切なのは、新しく出会ったアイディアを、. ・子どもの成長を見据えた指導力. 子どもの実態や授業のねらいに照らして自分なりにきち. 3 専門性を高める. んと咀嚼しようとすること、つまり、表面的な「やり方」. ・わかる授業の実践. だけではなく、エッセンスをつかみ、自分のものにして. ・確かな学力の保障. いくことである。そして、その視点で捉えようとすると、. ・授業改善力. 実は自分の周り ・ 子どもの周りにはたくさんの「ネタ」. 4 マネジメント力を高める. が存在していることに気づけるのではないかと思う。. ・学校運営への参画. 少しでもよい授業をしたい。子どもたちが夢中になっ. ・意識改革. ている顔を見たい。これは教師なら誰でも、いつでも持っ. ・学校内外のネットワークづくり. ている願いであり、その「答え」をいつも求めている。. 10.

(2) しかし、限られた時間 ・ 忙しい日々、多岐にわたる仕. 期待されるが、ここで言う即戦力とは、現段階ですでに. 事の中で、その答えを「すぐに」「与えられること」を. 出来上がっている人物のことではなく、学ぶ土台と学び. 求めすぎてはいないか。また、研修では、何が大事かき. 続ける意欲を備えている人物のことを指すのではないだ. ちんと伝えることができているか。. ろうか。教員養成を進めていくうえで、「それはそれ」 にならない学びを育んでいくことを常に心がけたい。. 子どもたちにこれからの社会を主体的に生き抜いてい く力を身につけさせたいと願っている。であるならば、. 本市では新採用教員の育成を3年間を通して行うこと. その指導者である教師自身も、「自ら課題を見つけ、自. としている。1・ 3年目の教員には指導主事が、2年目. ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動 ・・・」できる「生. の教員には退職校長である教育指導員が、全員を対象に. きる力」を鍛えていきたい。. 学校訪問 ・ 授業参観を行い、指導 ・ 助言やときには相談 などの支援をしている。授業を通して子どもとの関わり. ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆. を直接見て、協議を通して相手の声を直接聞くことがで きるこの研修制度は、大学や教師塾での学びを実際の教. 教師は子どもとともに成長する。同僚や保護者 ・ 地域 が育ててくれる。しかし、教師になった4月初日から「先 生」と呼ばれるのもまた事実である。「先生」として子 どもの前に立つための基本的な事柄、例えば、. 育活動の中で学び直すための支援として、労に値するも のであると感じている。 1・2・3年次の後は、5年次、そして10年経験者 研修と続き、年次研修としては一区切りとなる。若手に かなりの力点を置いた体系になっている。. ・各教科のねらい・子どもにつけたい力. また、今年度から教師塾スキルアップコースとして、. ・指導方法の基本. 主に若手を対象とした現職教員のためのコースを新設し. ・評価の観点 ・ 方法. た。受講者自身による企画立案型のこの講座では、暗中. ・各教科の基礎的な知識や技能. 模索 ・ 紆余曲折を繰り返しながら、自分たちの「おもし. ・児童 ・ 生徒理解に関する基本的事項. ろそうだ」を子どもたちの「おもしろい」にきっとつな げてくれることと、その成り行きを見守りつつ、成果に. などについて、教員養成段階でしっかりと学び、身に つけていくことが望まれる。学習指導要領にはどのよう. 期待したい。(はつらつと学んでいる受講者の姿そのも のがすでに成果の一端であると感じている。). に示されているのか、子どもたちにとってそれは何を意 味するのか、そのことを子どもたちにどのように伝える のか、ということに向き合っていきたい。. 大学、教師塾、教職員研修と、教員の養成 ・ 育成のそ れぞれのプログラムを推進するうえで、費やせる時間や 種々の条件には限りがある。教師としての成長段階、求. 本市では、「さがみ風っ子教師塾」を平成21年度に. められるもの(それらはもちろん環境や個々人によって. 開設した。本市で教師になることを目指す人たちが、相. 異なるが)に対応すべく、相互に役割を理解し、補完し. 模原の子どもたちの実態や教育の特色について知り、子. 合うことが大切となる。連携 ・ 協働のあり方について今. どもを理解するとはどういうことか、子どもを中心とし. 後も検討を重ねていくことが重要である。. た授業とはどのようなものか、学び合っている。 授業づくりについて考えるとき、これは若手教員の授. 「学校が舞台で、子どもが中心」であることを、教師. 業研究についても言えることだが、「ワザ」の話題に終. を目指し、教師として育つ、そのどの過程においても、. 始するのか、「授業のねらい」が議論されるのか、これ. そこに関わるすべての者の共通の認識としながら、子ど. まで学んできたことが、「それはそれ」ではなく、「それ. もたちの夢を育むことのできる、自分自身が生き生きと. が土台」にきちんとなっている者は気づきも大きく、学. 過ごし、学ぶ人材を育てたい。. びも深い。若手と言われる層の教員も学校運営の中核を 担うことが求められている今、「即戦力」であることが. 教育デザイン研究 第6号(2015年1月) 11.

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