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「教えて考えさせる授業」の実践 : 高等学校「理科」及び「数学科」の事例を中心として

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Academic year: 2021

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(1)Title. 「教えて考えさせる授業」の実践 : 高等学校「理科」及び「数学科」の 事例を中心として. Author(s). 栢野, 彰秀; 橋本, 三嗣. Citation. 釧路論集 : 北海道教育大学釧路校研究紀要, 第40号: 131-140. Issue Date. 2008-12. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/1063. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 釧路論集 一北海道教育大学釧路校研究紀要一第40号(平成20年) Kushiro Ronshu,−JournalofHokkaido University ofEducation at KushiroNo.40(2008):13卜140. 「教えて考えさせる授業」の実践 一 高等学校「理科」及び「数学科」の事例を中心として 一 相 野 彰 秀1・橋 本 三 嗣2 】北海道教育大学大学院教育学研究科高度教職実践専攻 2広島大学附属中高等学校. PracticalReportof’▼TheClasstoMakeitThinkbyTeaching’.:. InCasesofHighSchooIScienceandMathematics. KAYANOAkihide】and HASHIMOTOMitsugu2 1AdvancedTeacherProfes$ionalDevelopmentPrograms,GraduateSchoolofEducation,HokkaidoUniversityofEducation. 2AttachedJuniorandSeniorHighSchool,HiroshimaUniversity. 要 旨 本研究は、子どもに基礎的・基本的な知識や技能を育成するための現実的な授業設計の原理として提案さ れている「教えて考えさせる授業」に関する実践研究である。本実践研究を行うための理論研究として「教 えて考えさせる授業」の意味内容を概説するとともに、多様な授業展開による「教えて考えさせる授業」を 行うための理論的な検討を試みた。その後、理論研究に基づいた教育実践を高等学校において行い、実践結 果に考察を加えた。 その結果、「教えて考えさせる授業」では多様な授業展開が可能であることが明らかになるとともに、多 様な授業展開を行うための第一次資料を得ることができた。併せて、教科「理科」及び「数学科」に限られ るが、同教科における「教えて考えさせる授業」の実践結果と得られた成果及び今後の課題が明らかになっ た。 はじめに. べきと指摘されている2・3)。. 2008年に改訂された/ト学校及び中学校学習指導要領. 第3期中央教育審議会が2006年2月に公表した「審 議経過報告」では、学習指導要領改訂の基本的な考え方と. では、その総則に、児童・生徒に「生きる力」をはぐくむ. して、基礎的・基本的な知識・技能を身につけさせ、自ら. ことを目指し、基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習. 学び、自ら考える力などの「生きる力」をはぐぐむという. 得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思. 現行学習指導要領(1998,1999年改訂)のねらい. 考力,判断力,表現力その他の能力をはぐくむとともに、. は今後とも重要であり、その実現のための手だてを講じる. 主体的に学習に取り組む態度を養うことが明記された4・5)。. ことが必要であるとされた。併せて、基礎的・基本的な知. 今後公表される高等学校学習指導要領も、小中学校のそれ. 識・技能の育成(いわゆる習得型の学習)と、自ら学び自. に準拠される。 これらにより、2qO8年に改訂された新学習指導要領. ら考える力の育成(いわゆる探究型の学習)は、対立的あ るいは二者択一的に捉えるもべきものではなく、この両方. 下における学校教育は、「習得」,「探究」,「活用」がキ. を総合的に育成することが必要であり、そのための手だて. ーワードとなり、これに基づいた教育活動が各学校で行わ. が必要であることも指摘されたl)。. れることになる。 子どもに基礎的・基本的な知識や技能を身につけさせる. これに加え、2003年に実施されたOE CD (Organization for Economic Co・Operation and. ことは、「生きる力」をはぐぐむための基盤となるだけで. Development)のPISA(ProgrammeforInternationalはなく、多くの保護者や子どもの願いでもある。そこで市 StudentAssessment)調査や2006年に実施された全国. 川伸一氏は、それらの保護者や子どもの願いに応えるため. 学力・学習状況調査などの分析結果からは、知識・技能等. に、基礎的・基本的な知識や技能を育成すること、すなわ ち習得型の学習に対する現実的な授業設計の原理として、. を実生活のさまざまな場面に活用する力の育成も重要視す. 一131−.

(3) 栢 野 彰 秀・橋 本 三 嗣. 述べている。. 「教えて考えさせる授業」を提案した6〕。. 「教えて考えさせる授業」は、すでに小学校の理科や算 数などで先駆的な実践研究が行われている7・8)。しかし、. 1.教えずに考えさせる授業. これらの実践研究に共通することは、教科書を利用した予. 市川は、現在小学校で多く行われている授業がこのタイ. 習を主体とした授業展開で、子どもの学習意欲の向上を図. プに属すると指摘している。そして、この10年間くらい 「教えずに考えさせる授業」がよい授業であると評価され. ろうとする点である。 基礎的・基本的な知識や技能を身につけさせるための. てきたと、痛烈に批判している。図1には、「教えずに考. 「教えて考えさせる授業」の授業展開は、教科書を用いた. えさせる授業」とその流れが示されている10)。. 予習だけでよいのだろうか。多様な授業展開による「教え て考えさせる授業」の可能性はないのであろうか。さらに、 新しい学習事項. 教科担任が授業を行う中学校,高等学校における「教えて. 授業の流れ. 考えさせる授業」の授業展開はどのようになるのであろう か。これらの点が、この研究に対する筆者らの問題意識で. 問題提示 自力(協同)解決 確認(まとめ). ドリルまたは発. る「教えて考えさせる授業」の意味内容を概説する。次い で、教科担任が授業を行う中学校や高等学校の教科教育に 国1. おいて、多様な授業展開による「教えて考えさせる授業」. 「教えずに考えさせる授業」とその流れ. 図1より、このタイプの授業は、問題提示があって、そ. を実践するためには、どのようなねらいで授業を構成し、 どのような授業展開を図ればよいのか、検討を加える。そ. して「自分で考えてみましょう」、あるいは「みんなで考. して最後に、筆者らが提案した枠組みでの「教えて考えさ. えていきましょう」となる。子どもからは、多数の意見が. せる授業」による教科教育の実践を高等学校において試行. 出てくることが期待され、そこで正しい考えを確認してま. した成果と課題について論述する。. とめる。その後ドリルで定着を図ったり、発展的な問題を 解くという授業の流れになることが分かる。また、既習内 容をもとに新しい学習事項を自力で考えさせて発見させた. Ⅰ.教えて考えさせる授業9). 市川が「敢えて考えさせる授業」を現実的な授業設計の. り、話し合いによって集団での練り上げで発見させること. 原理として提案したのは、次の考えからである。時間の制. で、「00的な考え方や関心・意欲・態度を育てる」こと. 約や、子どもの学力差がある条件の中で「わかる授業」を. に現状ではなっていることもわかる。 塾などですでに該当の単元内容を学習している子どもに. 展開して、できるだけ多くの子どもの基礎学力と学習意欲 を育てることが学校の授業で最も大切なことである。しか. とっては、問題解決学習が成立しているとはいえないし、. し、「わかる授業」が、昔から学校教育の大きなテーマで. 考えてもわからなかった子どもや話し合いに参加できなか. あるにもかかわらず、「授業がわからない」という子ども たちがいっこうに少なくなる気配がない。. である。. った子どもには、自力解決の喜びも味わえないという主張. 市川は、現在2タイプの「わからない」授業が学校にお いて行われていると分析している。一つは、先生が一方的. 2.教えて考えさせる授業. に知識を詰め込もうとして、説明ばかりで分からない、つ. 市川は「教え込み」でもなく、「教えずに考えさせる授. まらない授業である。「旧タイプのわからない授業」と呼. 業」でもない授業展開として、「教えて考えさせる授業」. んでいる。他方は、先生がほとんど何も教えてくれない。. を提案した。. 子どもの発言が間遠っていても、正しい考え方や知識を教. 「教えて考えさせる授業」では、新しい学習事項に相当. えないので、子どもは何が正しいのかもわからないため、. する部分を教師からの説明によって説明されることから導. つまらない寸受業である。これを「新タイプのわからない授. 入される。その後、教師から新しい学習事項を教えられた だけではわからない子どもがたくさんいるという前提に立. 業」と呼び、「教えずに考えさせる授業」と名付けた。 この2つのタイプの授業では、子どもは何がわかったか. ち、理解を確認する課題や発展的な課題,自己評価活動な. わからないので充実感がないといい、両タイプのわからな. どを加えて理解を深める授業の流れとなる。図2には、. い授業は、対極にありながら、子どもに充実感や達成感を. 「教えて考えさせる授業」とその流れが示されている10)。. 感じさせられないともいっている。そこで、先生がある程 度しっかり教えることが授業の基本であることを再認識し た上で、しっかり教えることによって、子どもの側から 「ここがよく分からない. 」といわせることが必要となると. −132−. 展. ある。 上述したことから、本稿ではまず第一に、市川の提案す.

(4) 「教えて考えさせる授業」の実践. Ⅱ.「敢えて考えさせる授業」の授業展開の検討. 発展課題 新しい学習事項. これまでの検討で、「教えて考えさせる授業」の意味内 容やそれが必要とされる教育的背景は明らかにできた。そ こで本章では、中学校,高等学校において多様な授業展開 教師からの説明 理解の確認 発展課題 自己評価活動. による「教えて考えさせる授業」を各教科で実践するため には、どのようなねらいで授業を構成し、どのような授業 展開を図ればよいのか、検討を加えたい。 1.「教える」ことと「考えさせる」ことを. 園2 「教えて考えさせる授業」とその流れ. どのように捉えるのか 市川は、「「教えて考えさせる授業」では、新しい学習. 3.「教えて考えさせる授業」の展開例l⊥). 事項の相当する部分を教師からの説明によって説明するこ. 「教えて考えさせる授業」の展開例として、小学校第5 学年「算数科」の単元「小数のかけ算」における小単元. とから導入される。」と説明した上で、「具体的な問題か. 「小数どうしをかける筆算のしかた」の1時間分の授業を. ら入るのではなく、「何を学ぶのか」,「結論は何か」と. 次に例示する。. いう点から導入する。」と述べている12)。. ① 前時の授業の終わりに、次時の新しい学習課題となる. ここで「何を学ぶのか」という点を、子どもの実態に即. 「小数×小数(2.3×2.8)の計算のしかた」を、家. して考えてみたい。「何を学ぶのか」ということを授業の. で算数のノートに予習させる。なお、「2.3×2.8」. 中で捉えるとすると、「1時間の授業の中で何を学ぶの. の予習課題は、「1mの重さが2.3k gのパイプがあ. か」と考えるのが妥当である。ここに筆者らが常々感じて. ります。このパイプ2.8mの重さは何k gですか」と いう次時の学習課題に由来する。. いる疑問がある。それは、これまでの授業では、「一見、 全員の子どもが同じものを見たり聞いたり読んだりしてい. ② 授業の冒頭で本時の学習課題である「2.3×2.8」. るように見えるにもかかわらず、どうも子ども全員が同じ. の筆算のしかたを示す。この時、次の2点に留意する。. 文脈で見たり聞いたり読んだりしていないのではないの. 「2.3×2.8」と立式した理由や今までの計算と何が. か。」という疑問である。子どもが同じものを見たり聞い. 違うのかについての確認。教師が説明を加えながら. たり読んだりしたとしても、子どもがそれぞれ異なる文脈. 2.3×2.8の筆算を板書し、子どもには、予習ノート. で学習内容を捉えていれば、異なったことを学んでること. を確認させながら、自分が書いてきた筆算と比べさせる。. になるのではないか、それがひいては理解度の差となって 現れてくるのではないかと考えているのである。. ③ 子どもの理解度を自己評価させる。 ④ 2.3×2.8の筆算のしかたを、自己評価の高い子ど. 具体的に説明したい。ある日の理科授業の場面である。. もに説明させる。この時、聞いている子どもには、説明. 教師により「アサガオの花を観察しましょう。」という活. で分かりづらい所があったら積極的に質問させる。. 動の指示がなされたにもかかわらず、子どもたちは全員が. ⑤ 子どもの理解度を再度、自己評価させる。 ⑥ 「2300×28」に直して計算しない理由を考えさ. 同じもの(アサガオの花)を見ているようで見ていないた め、同じ文脈で学習内容を捉えられていないという場面で ある。図3には、これまでの授業イメージが描かれている。. せる。この時、次の諸点に留意する。単位に着目すると 「2,3kgX2.8m」を「2300 g X2.8m」に 直して答えを出してもよいことを確認する。実際に23. 00×2.8を筆算で計算させる。筆算の答えをk gに 直すと23×28と見立てて計算したのと同じ答えにな ることを確認させる。筆算の際に小数を整数に直す過程 で、自分だったら10倍にするか、1000倍にするか どちらにするか考えさせる。小数点を動かすのは、小数 を整数に直すことが目的なので、最小の整数になればよ いことを確認させる。 ⑦ 教科書の適応問題を解かせる。 ⑧ 子どもの理解度の深まりを自己評価させる。 ⑨ 学習感想を書かせる。 上の展開例の①∼③が「教える」部分に相当し、④∼⑨ が「考えさせる」部分に相当する。 図3 これまでの授業. 一133−.

(5) 栢 野 彰 秀・橋 本 三 嗣. いることも分かる。. これに対し「教えて考えさせる授業」では、授業に際し. このことから、「子どもの学習活動を焦点化させる工. て「今日の授業ではこれからどのようなことを学ぶのか」 ということを子どもに適切な形で予め教えてやれば、子ど. 夫」は、各教科,各教師の該当単元の捉え方に基づき、学. もはこれからの学習のあらましが分かる。そうすると子ど. 習前,学習途中を問わない時期に、各教科,各単元におけ. もは、ある程度の見通しを持って、授業に臨むことができ、. る各教師の問題意識に応じた方法で提示することにした。. 授業の中で全ての子どもに同じ文脈で学習事項を考えさせ ることができるのではないかと捉えた。. Ⅲ.高等学校における「敢えて考えさせる授業」. 上述した観点から、「教える」ことを「子どもの学習活. 1.授業実践の目的. 中学校,高等学校における各教科の授業で、「教えて考. 動を焦点化させる工夫」と捉えることにした。「子どもの. えさせる授業」の多様な授業展開の可能性を明らかにする. 学習活動を焦点化させる工夫」を授業に取り入れた結果、 「学習課題について、子ども全員が同じものを見たり聞い. ためには、子どもに「いつ」、「どのように」教えるかに. たり読んだりでき、同じ文脈で考えられる。」ことを「考. ついての検討が課題となることは前述した。筆者らが提案. えさせる」と捉えることにした。図4には、「教えて考え. する枠組みでの文脈で表現すると、授業において「子ども. させる授業」のイメージ図が示されている。. の学習活動を焦点化する工夫」を「いつ」、「どのよう に」子どもに提示すればよいのか、各教科の教育実践を通 して明らかにすることである。このことの解明は、先行研 究でも中心課題となっている14〉。例えば、オーズベルに よる研究では、文字や文章による提示が有効であると報告 されている。川上による研究では、演示が有効であると報 告されている。鏑木は、予習が有効であると報告している。 そこで本授業実践では、「子どもの学習活動を焦点化す る工夫」は授業のどの時期に、どのような形で子どもに与 えればよいのか、この点を明らかにするために各教科の授 業を通して数多くの事例を収集することを第一年次の目的 とした。第一年次で得られた成果と明らかになった課題を 踏まえて、再度授業実践を行うことを第二年次の目的とし た。 2.授業実践の方法. 図4 教えて考えさせる授業. 上述した第一年次の目的を達成するために、統一された. 2.いつ、どのような形で「教えて」,「考えさせる」. 形式による1時間分の学習指導案を各教科の教師が作成し、. のか. これに基づいて公立高校において各1回ずつの授業実践を. 具体的な授業を構想するに当っては、「子どもの学習活. 行った。授業実践時期は、2006年9月から12月であ. 動を焦点化させる工夫」を、いつ、どのような形で授業に. る。「国語科」,「公民科」,「数学科」,「理科」,「保健. 組み込めばよいのかに関する検討が必要となる。この点を. 体育科」,「家庭科」,「外国語科」の授業が行われた。第. 明らかにするために先行研究に検討を加え、表1にまとめ. 二年次も同様な方法で授業実践を行った。授業実践時期は、 2007年9月から2008年2月である。「国語科」,. た13). 「公民科」,「数学科」,「理科」,「保健体育科」,「家庭. 表1「子どもの学習活動を焦点化させる工夫」. 科」,「外国語科」,「商業科」の授業が行われた。授業対. の与え方と形態 いつ. 象者は、両年次とも第1学年生または第2学年生である。. どのような形. 学習前 予習,過去の学習内容想起 など. 3.授業実践の結果 (1)「子どもの学習活動を焦点化するエ夫」は授業のど. 学習途中 演示.指示(口頭.文章),資料提示 など. の時期にどのような形で与えられたのか 授業実践第一年次には、7教科7回の授業が実践された。. 表1より、「子どもの学習活動を焦点化させる工夫」は、. これらの授業で見られた主な「子どもの学習活動を焦点化. 学習前に与えたり、学習中に与えたりされていることが分 かる。また、「予習」,「過去の学習内容の想起」,「演. させる工夫」は表2に示されている。. 表2より、各教科の授業で導入された「子どもの学習活. 示」,「指示」,「資料提示」など多様な形態で与えられて. 動を焦点化させる工夫」は次のようににまとめられる。国. −134−.

(6) 「教えて考えさせる授業」の実践. 表2 各教科の授業で見られた主な「子どもの学習活動を焦点化する工夫」(第一年次) 教科名. 単元名 国語総合. 国語科. 漢詩のしらペ 公民科. 「子どもの学習活動を焦点化する工夫」の. 学年 科目名. 現代社会 国際平和の実現 数学Ⅰ. 数学科. 三角比. 提示のしかた. 提示の時期. 模造紙に書いた文章による資料を提示して、漢文の構造に注目させた。. 新聞資料を提示して、過去の学習内容を想起させ、日本の国連外交のあり方に注目させた。 学習途中 中三で学習した三平方の定理を板書して、三角比の値と角度の関係に注目させた。. ロ 理科総合A 実験結果の再確認と過去の授業ノートを参考にさせる口頭による指示を行い、実験結果の 理科. 話し合いを焦点化させた。. 保健 体育科. 体育 体つくり運動. 学習前. 学習前. 学習途中. すでに理解されている運動実技の演示を行い、運動の「コツ」に注目させた。. 外国書吾 2 リーディング 動詞に下鱒を施しその意味を調べるよう、口頭による指示を行い、文章における動詞の働 Ekiben. 科. 家庭科. 家庭総合 被服材料の性能と特徴. きに注目させた。. 実物の提示を行い、ポリエステルの性質に注目させた。. 語科は「学習前」に、漢文の構造に焦点化させるため「文. たい。授業に関わった12人の教師の感想では、「授業改. 章による資料提示」を行った。公民科は「学習途中」に、. 善の工夫の必要性;5」、次いで「子どもの学習意欲が向. これからの学習課題の焦点化をするために「文章による資. 上した;5」についての感想が多かった。これらの感想か. 料提示」と「過去の学習貢果題の想起」を行った。数学科は. らは、各教師が教材研究を行い、授業で子どもに何を「教. 学習前. 学習前. 学習前. えて」,「考えさせる」かを明確にして授業に臨んだため、. 「学習前」に、三角比の値の意味に焦点化させるために板 書による「過去の学習課題の想起」を行った。理科は「学. 子どもにとって何を「教えられ」、何を「考えた」かが分. 習途中」に、実験結果の話し合い内容を焦点化させるため に「口答による指示」と「過去の学習課題の想起」を行っ. 業が行われ、子どもの学習意欲が向上したのであろう。. た。保健体育科は「学習前」に、運動のコツに焦点化させ るために「演示」を行った。外国語科は「学習前」に、こ. 子どもの実態に応じて、教科書を利用した予習を主体とし. れからの学習課題を焦点化させるために「口頭による指. た授業展開を行ったり、学習課題や授業展開に応じて子ど. 示」を行った。家庭科は「学習前」に、これからの学習課. もの学習活動を焦点化させる工夫を凝らしたりすれば、多. 題を焦点化させるために「実物提示」を行った。. 様な授業展開によるわかる授業が行われ、子どもの学習意. かる授業展開になったと考えられる。その結果、わかる授 このように「教えて考えさせる授業」は、学校や地域,. これらのことから、7教科7回の授業における主な「子. 欲の向上を図る可能性がある取り組みであるといえる。. どもの学習活動を焦点化させる工夫」を見るだけでも、学 習前,学習途中を問わず5種(文章による資料提示2,言. 4.「教えて考えさせる授業」の実際. 葉による指示2,過去の学習課題の想起3,演示1,実物. これまでの報告では、多様な授業展開による「教えて考. 提示1、のべ9の「子どもの学習活動を焦点化する工夫」. えさせる授業」の可能性の検討が主眼であり、教室におい. が行われていることが分かる。授業実践第二年次も同様な. てどのような実践が行われたのか明らかにされていない。. 結果が得られたが、紙幅の関係で本稿での報告を苦り愛し、. そこで本章では、第一年次に実施された教科「理科」及び、. 別途報告する。. 第二年次に実施された「数学科」の事例を取り上げ、どの ような実践が行われ、どのような成果と課題が明らかにな ったのか論じる。. (2)実践結果のまとめ. これらのことから、「子どもの学習活動を焦点化する工 夫」の提示のしかたと提示の時期を検討するだけでも、多. (1)「理科」における「教えて考えさせる授業」の実際. 様な授業展開による「教えて考えさせる授業」の可能性が. ア)学年、科目、単元名. あることが分かる。今後の実践研究の広がりが期待できる。. 第1学年「理科総合A」,「物質の変化」. 今後、実践研究の対象を他校,小学校を含めた他校種に広. イ)授業のねらい. 「理科総合A」は、物質の成り立ちをエネルギーの考え. げることによって、さらに多様な事例を蓄積し、教科教育 における「教えて考えさせる授業」のあり方を検討したい。. 方で捉えさせようと、意図された科目である。また、20. ここで、授業に関わった教師の感想からも実践を検討し. 03年に一部改訂された学習指導要領において、補充的な. −135一.

(7) 相 野 彰 秀・橋 本 三 嗣. 学習と発展的な学習が可能となった。. 本授業のねらいは、生徒実験を行わせ、実験結果を班ご との話し合いを通して解釈させることで「発熱反応」と. 「理科総合A」における単元「物質の変化」では、エネ. 「吸熱反応」の概念理解を容易にさせることであった。こ. ルギーの考え方を学ばせるために、次のような展開がなさ れている。化学反応においては、反応物の持つエネルギー. のねらいを達成するために「子どもの学習活動を焦点化さ. と生成物の持つエネルギーが異なり、その差に相当するエ. せる工夫」を授業に導入した。導入した「工夫」は、「実. ネルギーの出入りがあることが、反応物と生成物の持つエ. 験結果の再確認」と「過去の授業ノートを参考にさせる指. ネルギーの大小関係を表す図とともに示される。そして、 この図が用いられて、反応物の持つエネルギーより生成物. 示」であった。すなわち、生徒実験を行わせ、班ごとに実. の持つエネルギーが小さいときは、その差に相当するエネ. び「過去の学習課題の想起」を行わせ、話し合いを焦点化. ルギーが熱や光などの形で放出され、逆に大きいときは反. させる要素を提示したことになる。. 験結果を解釈させる前(授業の途中)に、「資料提示」及. その結果、全5斑のうち2つの班が「水酸化ナトリウム. 応させるために、熱や電気のエネルギーを与える必要があ ることが説明されている。前者は「発熱反応」の意味内容. が溶けるときに熱が発生して水温が上がったから発熱反. に相当し、後者のそれは「吸熱反応」に相当する。 このように同科目では、化学反応に伴うエネルギーの出. 応」,「硝酸カリウムが溶けるときに水から熱を吸収して. 入りが定性的に取り扱われてはいるが、上の学年で履修す. ることができた。なお、2つの班は考察を加えることがで. 水温が下がったから吸熱反応」と正しく実験結果を解釈す. る「化学I」で取り扱われる「発熱反応」及び「吸熱反. きず、残る1つの班は誤った考察を加えた。筆者のこれま. 応」に相当する科学的概念がすでに提示されている。. での経験からすると、とても良くできたという印象を持っ た。なぜならば、10班編成のクラスで「子どもの学習活動. 筆者らのこれまでの経験からすると、「化学I」におい て「発熱反応」及び「吸熱反応」を学習させようとすると. を焦点化させる工夫」を導入しない従来通りの生徒実験を. き、「発熱反応」の理解は容易であったが、「吸熱反応」. 行わせた場合、2班程度の正答である、という認識を筆者. の理解は困難であったことを度々経験している。「化学. は持っているからである。このことから、班ごとに実験結. I」では、“熱を発生する反応を発熱反応という”,“熱. 果を解釈させる話し合いの前に、「資料提示」と「過去の. を吸収する反応を吸熱反応という”という説明がなされて. 学習課題を想起」させるという、話し合いを焦点化させる. いるだけで、反応物及び生成物の持つエネルギーの大小関. 2つの要素を生徒に提示することで、ある程度見通しを持 った話し合いが行われ、正答を答えることができたことが. 係に基づき、熱が放出または吸収された場合の系の状態変 化について、着目する展開となっていないからである。こ. 分かる。熱化学領域における「発熱反応」及び「吸熱反. の点を克服するために、物質の持つエネルギーの差に着目. 応」の概念理解には限られるが、「子どもの学習活動を焦. した学習を行ったこの学年段階におけるこの時期に、「理. 点化させる工夫」を授業に導入する「教えて考えさせる授 業」の有効性がいえる。. 科総合A」の学習で獲得した生徒の既有の知識体系に∴こ れからの学習を焦点化させる情報を取り込ませ、上の学年. 次に、「教えて考えさせる」という新しい形態の授業に. で学ぶ概念である「発熱反応」及び「吸熱反応」までもの. ついて、学習後に生徒に書かせた感想文に検討を加えるこ. 理解を一挙に図るような「教えて考えさせる授業」による. とで授業評価を行いたい。「めちゃくちやな話し合いに終. 発展的な学習課題の導入を構想した。. わっていたと思う(同様意見を含む);5」,「実験結果. ウ)子どもの学習活動を焦点化させるためのエ夫. だけの理解に終わっていたと思う;5」,「考察できなか ったと思う;3」など、直接的な感想が多かった。その一. 「発熱反応」(水酸化ナトリウムを水に溶かしたときの. 溶液の温度変化を測定する実験)及び「吸熱反応」(硝酸. 方、「自分の考えで実験結果をまとめることができた;. カリウムを水に溶かしたときの溶液の温度変化を測定する. 3」「自分たちでどうしてこうなったか考えることがと. 実験)に相当する二つの事象を実験させ、観察させる。実. ても勉強になった;2」,「参考にするものがあったから. 験後、この二つの事象のどちらが「発熱反応」であり、. わかりやすかった;2」のような感想を書いた生徒もいた。. 「吸熱反応」であるか、各班に話し合いの時間を持たせて、. これらの感想からは、「子どもの学習活動を焦点化させる 工夫」が授業に導入されたことで、生徒同士で見通しを持. 解釈させる。この時、実験結果の再確認と過去の授業ノー トを、話し合いの焦点化させるための工夫として、生徒に. った自発的な話し合いが行われたことが分かる。この面か. 提示する。その授業ノートをとった時の授業では、熱の放. らも、「教えて考えさせる授業」の有効性が再確認される。 生徒の感想文からは新たな課題も明らかになった。上述. 出と吸収を物質の持つエネルギーの大小関係の観点から捉 えさせていたからである。. した、生徒同士で見通しを持った自発的な話し合いが行わ. 実験結果の再確認と過去の授業ノートを学習を焦点化さ せるための工夫として用い、実験結果から「発熱反応」及. れたことが分かる感想を書いた生徒は全て、実験結果を正. び「吸熱反応」を解釈させ、それらの知識理解を導き出す。. の生徒からは、わずか1名ではあるが「今度は自分の言葉. エ)成果と課題. でまとめたい。」という、自力解決の喜びを味わい今後の. しく解釈できた班の生徒であったからである。これらの班. −136−.

(8) 「教えて考えさせる授業」の実践. 学習の動機付けが得られたともいえる感想が書かれた。し. エ)成果と課題. かし、他の班の生徒からは、このような感想は得られなか. 本授業のねらいは、2つの大きさの異なる風船の中の空. った。市川のいう「考えても分からなかった子どもや話し. 気の量を比べる実体験を通して、一般の相似な空間図形の. 合いに参加できなかった子どもには自力解決の嘗びも味わ. 体積比の性質の理解を深化させるにさせることであった。. えない。」と合致した結果になったといえるであろう。こ. 資料3には測定結束が示されている。このねらいを達成す. の点を克服するためには、これらの生徒に対しては、教え. るために「子どもの学習活動を焦点化させる工夫」を授業. てしまうつもりくらいの「子どもの学習活動を焦点化させ. に導入した。導入した「工夫」は、「既習内容の確認」、 「計算結果と実測値の比較」である。前者により生徒が説. る工夫」を提示する必要があると考える。どの生徒にどの ような時期に、どのような形でこれを提示すればよいか、. 明に用いるための道具を提示し、後者によりどこに着目し. この点を検討する課題が残された。. て考えようとしているのかの視点と空間的なイメージをも って納得できる内容を提示した。 その結果、既習内容の確認で予想以上に時間がかかった. (2)「数学科」における「教えて考えさせる授業」 の実際. が、計算結果と実測値が近い数を示し、計算結果と実測値. ア)学年、科目、単元名. の比較において、示唆的な議論が生徒間で起こった。「相 似な空間図形においては、体積は相似比の3乗に比例する. 第1学年「数学I」,「図形と計量」. ことは、立方体でもいえたから。」と説明した生徒Aに対 して、「風船と立方体では話が違う。」という生徒Bの意. イ)授業のねらい. 「数学l」は、高等学校数学における基礎的・基本的な. 見が出され、その意見は他の多くの生徒に支持された。お. 知識を習得し、活用する能力を身につけさせることが意図 された科目である。現行の学習指導要領より、中学校から. 互いに相似を前提として議論はしていたが、形の違いに生. 移行された内容を含めて指導することになった。. 徒の多くは固執していたようである。計算結果(相似比の. 「数学I」における単元「図形と計量」では、中学校で. 3乗して計算した値)と実測値を比較したが、「3乗して. た三角比、正弦定理・余弦定理を活用して平面図形や簡単. 計算すればいいんだ。」という生徒Aの説明では、他の生 徒が納得しなかったのである。結局、「立方体の縦、横、. な空間図形の計量を扱うとともに、球の表面積と体積の求. 高さがそれぞれ広がることと、風船が膨らむのは同じこと. め方を指導する。中学校では、直接測定することが困難な. である。」と生徒Aが言い直すことで他の生徒の賛同を得. 木の高さ,直方体の対角線の長さ及び円錐の高さなどを学. た。この議論により、生徒の相似な空間図形の体積比の性. 学習した相似の考えや三平方の定理と、高等学校で学習し. 習している。高等学校ではその内容を振り返ることから導. 質の理解は深まったようである。既習の相似な立方体の体. 入して三角比、正弦定理・余弦定理を指導する。それらを. 積比の考えをもとに一般の相似な空間図形の相似比まで考. 活用して、図形の計量を行うことにより、その有用性を生. える(特殊から一般)授業実践を通して,「子どもの学習. 徒に感じさせたい教材である。. 活動を焦点化させる工夫」を授業に導入した「教えて考え. また中学校から移行された内容である、相似な平面図形. させる授業」の有効性が確認された。. の相似比と面積比、相似な空間図形の相似比と表面積や体 積の比については、この単元で扱うことで発展的な扱いが. 授業後に生徒23名に行ったアンケートで「なぜ相似な 空間図形の体積比が相似比の3乗に比例するのかが理解で. 可能となる。そこで相似な空間図形の体積比に着目し、性. きた。」(そう思う;18名,少しそう思う;4名,あま. 質の一般化の過程において生徒に説明を求め、それぞれの. りそう思わない;1名,そう思わない;0名)と答えてい. 生徒の理解の深化を図るような「教えて考えさせる授業」. る。23名のうち、22名が肯定的な反応を示しているこ. による発展的な学習課題の導入を構想した。資料1には、 本時の学習指導案が、資料2には授業で用いたプリントが. 開になっていたと考えられる。. とから、授業がそれぞれの生徒にとって概ね納得できる展. 示されている。. 授業において計算結果と実測値を比較させることで、実 測値が根拠になって相似な空間図形の体積比の性質が理解. ウ)子どもの学習活動を焦点化させるための工夫. 授業の最初に2枚の週末課題「比のプリント」、「相似. されるのではないかとの危倶があった。しかし、実際には. な図形のプリント」を用いて相似な空間図形の体積比の性. 立方体の縦、横、高さに着目した説明が出て、そこから一. 質の説明に必要な内容を復習する15)。その中で、相似な. 般化に進んでいった。これは「数学の授業における説明・. 立方体の体積比が相似比の3乗に比例することを確認する。. 証明とはどんなものか。」という生徒の数学観と、授業最. その後、2つの大きさの異なる風船の中の空気の量を比べ. 初に行った既習内容の確言引こより生徒が説明に用いる道具. る課題を通して、図形の相似を手がかりに体積比を計算で. を提示したことによると考えられる。このことは、「教え. 求め、実際に水上置換法で測定した値と比較する。そこか ら相似な空間図形の体積比の性質について整理し、生徒に. て考えさせる授業」の「子どもの学習活動を焦点化させる 工夫」により、生徒に学習課題をどのように考えさせ、納. 説明、納得を求める。. 得させたいかという部分にまで踏み込めるのではないかと. ー137−.

(9) 相 野 彰 秀・橋 本 三 嗣. いう可能性を示すと考えられる。. 検討したい。. 数学科の第一年次の取り組みにおいては、既習内容の想. 筆者らはこれまで「教えて考えさせる授業」は、基礎的、. 起、渚用に焦点を当て、授業の最初に既習内容を黒板に板. 基本的な知識や技能を育成するための1つの授業設計方法. 書してその時間は残すようにした。その結果、活用するた. と捉えていた。しかし二年にわたる教育実践から経験的に、. めの道具を提示することで、既習内容の振り返りができ、. 用語の解説や表現の工夫、演示のしかたなどの教材研究次. それをどう活用すればよいのかを生徒が理解しやすいこと. 第で、子どもに学習課題をどのように考えさせ、理解させ. がわかった。また授業研究を通して数学で用いる用語の解. るかだけに留まらず、発展的な学習へも導くことが可能で. 説、表現の工夫も大切であることに気づいた。しかし、生. はないかと考え始めた。今後の教育実践から、この点に関. 徒がどのように考えているか、どのように納得しているの. する示唆が得られるならば、その示唆は教科教育によって. かまで踏み込むことができなかった。第二年次では、どこ. 自ら学び、自ら考える力をどのように身につけさせること ができるか、についての一次資料となり得るであろう。. までを教えてどこまでを考えさせるかを明確にして取り組 み、生徒に学習課題をどのように考えさせ、納得させたい かを考えて授業を展開した。そのために既習内容の説明の. 付記. 時期や発問の方法に工夫をして、生徒が考えるのを促せる. 著者の役割分担は以下の通りである。栢野彰秀は、はじ. めに、第Ⅰ章、第Ⅱ章、第Ⅲ章1節,2節,3節,4節. ように取り組んだ。結果として単元によりうまくいく場合 とそうでない場合があることがわかった。うまくいかなか. (1)及びおわりにを担当した。橋本三嗣は、第Ⅲ章4節. った授業の要因の解明,改善と、対象が異なる場合の展開. (2)及び資料を担当した。. の工夫に関する検討が課題として残された。 註及び引用・参考文献 おわりに. 1)http://www.mext.go.jprb_menu/shingi/chukyo/chukyoO/ toushin/06021401/002.htm(2008年2月20日ダウンロー. 二年にわたる高等学校における「教えて考えさせる授 業」の授業実践を終え、各教科で行われた授業に加えた検. ド). 討から、以下の諸点が明らかになった。 第一に、資料提示や言葉による指示、過去の学習課題の. 2)国立教育政策研究所編:『生きるための知識と技能2』, 2006,ぎょうせい.. 想起など多様な「子どもの学習活動を焦点化する工夫」が、. 3)http://www.nier.go.jp几omepage/kyoutsuu/tyousakekka/ tyousakekka」〕Oint.pdf(2008年2月20日ダウンロード). 各教科の授業において可能である。. 4)http://www.mext.gojp/a_menu/shotou/new−CS/news/080216/. 第二に、「子どもの学習活動を焦点化する工夫」の提示. 002.pdf(2008年2月20日ダウンロード). は、学習前だけに限らず、学習中にも行われている。. 5)http:〟www.mext.gojp/q_menu/shotou/new−CS/news/. 「理科」及び「数学科」の授業実践に加えた検討からは、. 080216/003.pdf(2008年2月20日ダウンロード). 多くの生徒が単元の学習内容を理解するとともに、該当単 元において取り扱われている概念の理解も深まったことが. 6)市川伸一:『学ぶ意欲とスキルを育てる』,2006,小学館.. 明らかになった。. 7)鏑木良夫:『理科を大好きにするラクラク予備知識の与 え方』,2004,学事出版.. これらのことから、多様な授業展開による高等学校各教. 8)市川伸一,鏑木良夫:『教えて考えさせる授業小学校』,. 科の「教えて考えさせる授業」が行われ、生徒の学習内容. 2007,図書文化社.. 理解が進んだことが分かる。筆者らの提案した枠組みでの. 9)本節は全て、前掲書,6)から引用している。. 「教えて考えさせる授業」の有効性がいえ、教育実践の目. 10)図1,2は、2006年2月4日に東京大学で行われた東. 的が十全に達成されたと思われる。. 大COEシンポジウムにおける市川伸一氏の発表資料か. 筆者らの提案した枠組みにおける「教えて考えさせる授. ら引用した。. 業」では、「子どもの学習活動を焦点化させる工夫」の提 示のしかたや提示時期は、各教科、各教師の該当単元の捉. 11)前掲書8),pp.40−45.から引用した。. え方に基づき、学習前、学習途中を問わない時期に、各教. 12)前掲書6),pp.88・91.. 科、各単元における各教師の問題意識に応じた内容と方法. 13)「教えて考えさせる授業」は、今日の授業ではこれか. で提示することが特徴である。筆者らは、この点に今後の. らどのようなことを学ぶのか、ということを子どもに予. 実践研究の広がりを期待している。なぜならば、この提示. め提示する授業展開となる。有意味受容学習もこのよう. のしかたや提示時期は、高等学校における授業に留まらず、. な授業展開をとるので、オーズベルの報告に加え、有意. 小・中・高等学校で行われている教科教育全体に共通した. 味受容学習の理論に基づいた授業実践を行っている川上. 提示のしかたになり得るのではないかと考えているからで. 昭吾氏の報告、及び市川伸一氏の提案する枠組みで授業. ある。今後、実践研究の対象を、中学校りJ、学校にまで広. 実践を行っている鏑木良夫氏の報告を先行研究として検 討した。なお、実際に検討を加えた先行研究は以下の通. げ、筆者らが提案した枠組みの教科教育における有効性を. −138−.

(10) 「教えて考えさせる授業」の実践. りである。D.P.Ausubel,F.G.Robinson,舶ク〟. 的に出す宿題のことであり、当校では平成18年度より. Leamlhg;Holt Rinehart Winston,1969.,)rJ上昭吾;. 英語、国語、数学で実施している。数学科では、一週間 の学習内容と次の週の授業で用いる既習内容(小中学校. 『教えの復権をめざす理科授業』,2003,東洋館出版社.,. のもの)をプリントにして木曜日に生徒に配布し、次の. 前掲書7).. 週の最初の時間に解答、解説して回収し、指導に活用し. 14)表1における先行研究としてとりあげた3つの文献を 読み、筆者が抽出した。. ている。. 15)週末課題とは、生徒が週末に家庭学習を行うことを目 資料1.数学科学習指導案 教師の働きかけ. ◎留意点 ● ̄■ ̄■ ̄■ ̄■ ̄■ ̄■ ̄− ̄● ̄■ 時間. 予想される生徒の反応. 、. G福音蒜砧盲㌫蒜蒜「 」. ☆評価. l. ._......__._._.._._._._.._._.. ◎どのように計算すればよいかを示 5分. 1.週末課題「比のプリント」を解 答、解説して比と比例式の扱い方. す。. について確認する。. 「● ̄■■■■■■■■−− ̄‘ ̄■ ̄■ ̄− ̄■ ̄■ ̄‘■ ̄■ ̄’ 「 ‥■■ ̄■■ ̄■ ̄● ̄ ̄■ ̄■ ̄■ ̄− ̄■ ̄■.  ̄1. 「. l比べる数と比べられる数の関係か! l比例式の計算方法を確認する l l☆比と比例式を理解しているか」. lら何倍かを考えて比例式を扱う。! L._._._._._._._._._._.J L._.■._._._._._._._._.J. L._._._._._._._._._._.1 ・無理数を含む比と比例式の計算で つまづく 15分 ト」を解答、解説して相似な図形 ・分数、無理数を含む計算でつまづ の関係を板書する。 の抜き出しや相似比と面積、表面. ◎机間巡視. 積、体積の比の関係を確認する。. 「■ ̄■■ ̄■ ̄● ̄’ ̄■ ̄■ ̄■ ̄■ ̄● ̄■ ̄ ̄■ 「. 「. 「 − ̄■ ̄■■■ ̄■ ̄‘ ̄‘ ̄● ̄一 ̄● ̄■  ̄1. l相似な立方体の相似比と体積比の! 偏似な平面図形、空間図形におけ! l☆相似な立方体の相似比と体積比! l関係を生徒に意識させる。 l 1る相似比と面積、表面積、体積の! lの関係を理解しているか。. l. 」 L._._._._._._._._._._. L._._._._._._._._._._. l. l. 20分 の空気の量を比べる課題に取り組 具を用いて風船の周りの長さ等を ◎測定はnlrnの単位まで行い、数値 ませ、どのようにして相似比を求 測ればよいという反応が出る。 めるかを考えさせる。. 計算はエクセルを用いる。 ◎測定した値、エクセルで計算した 値をプリントに記録させる。 ◎2通り以上の方法で計算する。 ◎測定には誤差が出ることを話す。. 「■ ̄t ̄‘ ̄■■■■ ̄■ ̄■ ̄一 ̄■ ̄■ ̄■.  ̄! 「− ̄■ ̄■ ̄■ ̄■■■■■■■■ ̄■ ̄、 ̄■ ̄■ ̄一. 幅算結果と水上置換法による実融 l相似な立方体の相似比と体積比の! lヰ相似な立方体の縦、横、高さか! l値を比較させ、その結果について! l関係から説明しようとする。 l lら説明できているか。 l説明させる。. 「. l. l. L._._._._._._,_._._._.l 4.相似な空間図形の計量の問題に 取り組ませる。. 5分. できるが、それを用いて量を求め ることができない生徒が出る。. 5.まとめ. 5分. ※プリントの整理、自己点検シート. を用いてわかったこととわからな. への記入・回収. かったことを明確にさせる。. 6.宿題の提示. ー139一.

(11) 相 野 彰 秀・橋 本 三 嗣. 資料2.授業で用いたプリント 数学1操業プリント 平成20年2月12日(火〉 8惧. (確立) 単位:. 1 2つの大きさの異なる風船の中の空気のtを比べよう。. ⊂三石∃倍 2.練習間個に取り錮もう。 (1)下の図のような円厳形の琴線に2且の水を入れたところ∴水の深さが容器の深さの半 分になった。この零帯に水を濡たすには.あと何且の水が必要であるか。. a. b. 【コ a. b⊂】. (2)下の囲のように,三角錐を薦さを3等分する点を通り,底面に平行な平面で3つの 立体?.Q.Rに分ける.立体Qの硝が融であるとき,立件pと立体Rの紺 を求めよ。. ロ右∃倍. 竜 8. b. 【] a. a. b. aロ. bロ. b□. [召∃倍. 3.まとめ. ⊂焉∃倍 資料3.測定結果. (方法1). a 198 b 275 3 a a 515 b 718 3 a a 285 b 397 3 a ※(方法1)風船の結び目からてつぺんまでの高さを理科の力学で用いる測定用具を用いて測定した。 (方法2)風船の周の長さを巻尺を用いて測定した。. (方法3)風船の結び目からてっぺんまでの長さを巻尺を用いて測定した。 (確 認)水上置換法にて測定した。aは小さい風船の測定値、bは大きい風船の測定値で、単位はそれぞれmmである。 また(確認)では単位はmlである。. −140−.

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