小学校児童における健康行動の実践を促進させる授業内容の改善の試み
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(2) 目 次. 第一章. 本研究の動機。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…. 第二章. 健康行動の促進を図る学習過程の仮説. 1. 目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 。… 。・・ 3 方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…. 3. 結果・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…. 9. 考察・・・・・・・・・・・・・… 。。・・・・・・・・・… 14 要約・。・・…. 第三東. 。・… 。・・・・・・・・・・・・・・… 21. 学習過程の有効性の検討. 目的・・・・・…. 。・・・・・・・・・… 。・・・・・… 22. 方法・・・・・・・・・・・・… 結果・・・・・…. 。∴・・・・・・・・・…. 22. 。・・… 。・… 。・。・。・・・… 24. 考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 。… 30 要約・・・・…. 灘四章. 。・… 9の。。。・・。・。・・… 。・・31. 総i舌・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …. 。 ・ . ・ …. 32. 引用・参考文献・・… ∴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…. 資料. 謝辞. 33.
(3) 第一章 本研究の動機 日常生活における人間の行動は, “食べる”ことを例にとれば,「… は,おいしい. から食べる.」のように文化を楽しむ行動,「… は,栄養価が高く,体に必要である から食べる.」のような健康を念頭においた行動に大きく二分されると考えられる.換言 すれば,前者のような行動は,生活行動,後者のような行動は,健康行動として捉えられ ている. 保健教育の目的の1つは,生活行動を健康行動の観点で見直すとともに,変容 させることができる.つまり,生活行動の健康行動化を図れるようにすることであると考 えられる.すなわち,「家の人に食べなさいと言われるから食べる.」のような者を,「いろ. んなものを食べないと,栄養のバランスがとれないから食べる.」のように健康の保持・ 増進を目的として行動(健康行動)をとるように変革させることが目的とされている.. 現行の制度の下で示すならば,この目的を達成すべく,わが国の小学生(5・6年生の み)に保健学習が始まったのは,ほぼ1960年と考えられる.それ以来体育科の中で保健授 業が行われ,1970年頃からその改善と創出へのさまざまな取り組みがなされている2)5)15).. また,1992年から,小学校学習指導要領体育編の保健学習の目標「体の発育と心の発達, けがの防止,病気の予防及び健康な生活について理解できるようにし,健康で安全な生活 を営む能力と態度を育てる.」7),小学校指導書体育編の「身近な生活における健康・安. 全についての理解を通して,楽しく明るい生活を営む態度を育てることが究極的な目標で ある.」8)という考え方に基づいた,はじめての保健教科書のもとに保健授業がすすめら れている6).しかしながら,これらの施策にもかかわらず,近年,学校管理下における児 童・生徒の負傷・疾病の発生率は,増加の傾向が認められている11).このような事実や,. 健康行動を実践することが望ましいこと,またそれを実行することが必要であると知って いるのに実際には実行できないという現状から14),現在筆者を含め教師達は,児童の“. 知っていても,できない”ことを懸案の課題であると捉えている.また,このような現実 に対して,児童が学習したことを自分の問題,自分自身のこれまでの物事の認識の仕方・. 感じ方,あるいは,これまでの生活のなかで身につけている価値観や,自分の生き方と関 わらせて捉えていない13),つまり.児童に“自分自身のこととしてわからせる”ことが. できなかったとの反省がなされている.そのため,その解決策として,児童自らがその問 題点をみつけ体験的に学習する方法が考えられ,日常生活における各種行動の体験を通し 一1一.
(4) て児童自らが学習したことを授業内容にいかした学習過程を設定し,実践されている3) 13). Dしかしながら,この実践によって,前述の“知っていても,できない”という現実. が改善されたという報告はみられない.. したがって,前述の実践による成果をさらに長期的展望の下で期待する一方で,“知っ. ていても,できない”の解決に向けて,児童が“自分自身のこととしてわかる”ような授 業内容を設定するための方法について検討することが課題であると考えられる.. そこで,本研究では,児童自らが日常生活での体験を通して習得したと考えられる,健 康行動についての認識の程度(以後, “認識度”と略す)及び児童が健康について日頃ど. れだけ大切に思っているか(以後,健康への“価値づけの程度”と略す)が“健康行動を 実践する・しない”にどのように関わっているかを明らかにし,これらを保健授業の目標 及び内容の解釈に基づいて設定した授業内容に取り入れ,児童の“知っていても,できな い”という問題解決を図る授業として再構成し,その授業内容を児童が“自分自身のこと としてわかる”か否かを確かめて,健康行動の促進を図ることに有効な学習過程を仮説し, 併せてその有効性を検討しようとした.. 一2一.
(5) 第二章 健康行動の促進を図る学習過程の 仮説. 1.目 的 本研究では,便宜上,第5学年を取り上げ,健康行動についての“認識度”, “価値づ けの程度”が“健康行動を実践する・しない”にどのように関わるか,また, “認識度”, “価値づけの程度”, “実践度”の関連性を分析し,これらの結果を基にして“認識度”,. “価値づけの程度”を高める内容を設定し,これを小学校指導書体育編の指導内容の目標. 及び内容を解釈して設定した授業内容に取り入れようとした.そして,この授業内容を児 童が自分自身のこれまでの物事の認識の仕方と関わらせてわかるか,つまり, “自分自身. のこととしてわかる”か否かを確かめ,児童の健康行動の実践を促進させることに有効な 学習過程を仮説しようとした.. 2.方 法 1)保健目標の解釈に基づいた授業内容の設定 (1)対象. 岡山県及び愛媛県の小学校各1校における,第5学年120名を対象とした.また,5年. 置についての理解を深めるために,両校の第3学年121名,第4学年128名,第6学年12 4名の児童も対象とした.. (2)調査内容及び調査方法. 上記第5学年児童における“実践度”の低い健康行動を明らかにし,その結果を小学校 指導書体育編の内容に照らじ合わせ,指導内容を決定しようとした.しかし,健康行動の 内容はきわめて多岐わたるため,上記5年生児童についても,できるだけ広い領域の健康 行動の“実践度”について調査するため,便宜上,小倉試案且2>の保健6領域を参考とし. て,各領域において誰でもが日常生活で比較的よく経験しそうな行動9項目(表1A−1, 2)を取り上げ調査した.“実践度”については,「毎日(ぜんぶ,かならず)する,と きどき(気がむいたら)する,ほとんど(いつも)しない」の3段階(以下,実践の高い. 順に実践度3,実践度2,実践度1とする)で選ばせた(調査1). (3)結果の分析. 上述の健康行動9項目における第5学年の児童の“実践度”ごとの割合を集計し,授業 一3一.
(6) 内容を設定するうえで,実践度の低い健康行動を分析した.すなわち,質問9項目ごとの 実践度分布から,便宜上,実践度2以下の割合が高い健康行動を実践度が低いものとして 取り扱い,その結果からあきらかにされた実践度の低い健康行動と,小学校指導書体育編 の第5学年の内容に照らし合わせて,授業内容を設定した.. なお,授業内容の設定にあたっては,指導内容に関する小学校指導書体育編の目標と内 容を下記のような観点から解釈し,授業内容を設定した.. 内容1:その健康行動の意味・・・・・・・・… 健康を保持・増進させる方法を理 解させる内容.. 内容2:その健康行動の必要性・・・・・・・… その行動が健康の保持・増進に必 要であることを理解させる内容.. 内容3:その健康行動の日常生活への取り込み方・・健康行動の確立の重要性について 理解させる内容.. 2)児童の“健康行動を実践する。しない”に関わる要因の把握 (1)対 象. 前述の1)一(1)と同一児童を対象とした. (2)調査内容及び調査方法 児童の健康行動の促進を図るための授業内容を構成する立場から,児童が“健康行動を 実践する・しない”に関わる要因を授業内容に取り入れるため,次の調査をした.. 前述の1)一(2)の調査に加えて,日常生活を通して授業内容の理解の準備ができて いるか否かを確かめるため,健康行動9項目の実践の理由を「わけもできるだけくわしく 書いてください.」の質問項目により自由記述させた(調査1).. また,上記各児童が健康行動をする際その行動についての“認識度”の段階によって “実践度”が影響されているか否かを明らかにするため,健康行動9項目ついての“認識. 度”を調査した(表1B−1). 調査にあたっては,児童がその健康行動についてもっている認識をできるだけ正確に調 査するため,9項目について,「。・・をしなくてはいけないといわれています.『それ は,なぜだと思いますか.』」のように回答が認識のみに限定されるような質問項目を設. 定し,それらについて自由記述させた.なおこの調査は,上記調査1への影響を避けるた め,調査1実施後1日おいて行った. また,上記認識度の段階については,下記の3段階とした.. 段階1:「体に良い」,「あぶない」のように,質問に対して感覚を表現することのみ 一4一.
(7) で説明しているもの(以下,認識度1と略す).. 段階2:「栄養をとる」,「事故になる」のように,質問に対して健康に対する影響に ついて説明しているもの(以下,認識度2と略す).. 段階3:「栄養をとり体を丈夫にする」,「車が急に来てはねられてけがをする」のよ うに,質問に対して健康に対する影響の過程とその結果ついて説明しいるもの (以下,認識度3と略す).. さらに,健康行動についての“認識度”調査と同時に,健康行動を実践する際,児童が 健康について日頃どれだけ大切に思っているかという健康への“価値づけの程度”が“実 践度”に影響しているか否かを明らかにするため,「毎日のくらしのなかで,大切にして いるものを3っ書いてください.」の質問項目により自由記述させ調査した(調査H). (3)結果の分析 児童の健康行動の促進を図る授業内容ということから考え,児童が“健康行動を実践す る・しない”に関わる要因を授業内容に取り入れるため,次のような分析を行った.. “実践度’が“認識度”に影響されているか否かをみるため,第5学年の質問9項目各 々の認識度別の実践度分布を分析した.さらに, “実践度”が“価値づけの程度”に影響さ. れているか否かをみるため,“認識度”及び“価値づけの程度”の高い者と低い者別の実 践度分布を分析した.また, “認識度”, “価値づけの程度”, “実践度”の関連性を検. 討した.それらの結果を前述の小学校指導書体育編の目標及び内容から設定した授業内容 に取り入れ授業内容を設定した.. なお, “価値づけの程度”については,「毎日のくらしのなかで,大切にしているもの. を3つ書いてください.」の質問に対して回答した3語の中に健康に関する語句,例えば 「健康」・「命」・「体」等を記述した者を‘価値づけの高い者”とし,健康に関係する語 句のみられない者を“価値づけの低い者”として集計した.. また,健康行動の実践の理由の記述から,それらの行動の実践が,例えば「あなたは,. 食事のとき出されたものをぜんぶ食べますか.」の質問で,「家の人に食べなさいと言わ れるから食べる.」のように,健康の保持・増進を目的としていない生活行動,「いろん なものを食べないと,栄養のバランスがとれないから食べる.」のように,健康の保持・. 増進を目的とした健康行動,のいずれであるかを分類した.そして,設定した授業内容を 児童が,自分自身のこれまでの物事の認識の仕方と関わらせてわかるか,つまり,“自分 自身のこととしてわかる”か否かを確かめるため,その行動を健康行動として実践した者 の実践の理由から分析した.分析にあたっては,健康行動の実践の理由の記述内容を,そ 一5一.
(8) の行動の健康への影響を「病気になる」のように結果で捉えている,「手についたばい菌. が食べ物について体に入る.」のようにばい菌が体に入る過程を捉えている,「手につい たばい菌が体に入って,病気になる.」のように病気になる過程と結果を捉えている(以 後, “健康への影響の捉え方”と略す)の面から検討した.得られた結果を踏まえ,学習 過程を仮説した.. 一6一.
(9) 表1 簡略化された質問紙 (A−1, 2). ( )年. 男 ・ 女. みなさんが,毎日していることについて聞きます。. ①あなたは,朝ごはんを食べますか。・。・. Oほとんど毎日,食べる。〈)ときどき食べないことがある。Oほとんど,食べない。 (わけ). ②あなたは,食事:のとき出されたものをぜんぶ食べますか。。・・. Oぜんぶ食べている。()きらいな物はのこすことがある。0きらいな物をのこす。 (わけ). ③あなたは,おやつを食べますか。…. O毎日,自分でほしいだけ食べている。 O毎日,家の人からもらった物だけ食べる。 Oおやつは,できるだけ食べないようにしている。 (わけ). ④あなたは,かんジュースやペットボトルのジュースをのみますか。…. O毎日,のみたいだけのむ。 0毎日ではないが,のみたいときのみたいだけのむ。 O毎日,コップーばいから二はいくらいのむ。 O毎日ではないが,コップーばいから二はいくらいのむことがある。. Oのまないようにしている。 (わけ). ⑤あなたは,しんこうのないおうだん歩道をわたる時,どうやってわたりますか。・・9 0かならず立ちどまって左右を見てわたる。()左右を見ないでわたることもある。 ()いつも左右を見ないでわたる。 (わけ). ⑥教室の横のろうかに水がこぼれています。これを見てあなたはどうしますか。…. Oこぼれた水をふきとる。. 0すこしの水だったらそのままにしておく。. 0そのままにしておく。 〈わけ). .. ⑦あなたは,給食の前の手あらいをしますか。…. Oかならずあらう。()きがむいたらあらう。()あらわない。 (わけ). ⑧あなたは,だんぼうをしている教室の空気の入れかえをしますか。…. 0自分からすすんでする。0ときどき,自分からすすんでする。O自分からすすんではしない。 (わけ). ⑨学校では,そうじの時間があります。あなたは,つぎのどれですか。…. 0がんばってしている。 Oときどきあそんでしないことがある。 ○ほとんどあそんでしない。 (わけ). 注)表を簡略化したため,… にはすべての質問項目で「自分にあっているところに丸をつけ,つけ たわけもできるだけくわしく書いてください。」という言葉が省略されている.. 一7一.
(10) (B−L 2) ()年 男 ・女 つぎのしつ問について,自分の思うことを書いてください。 ①毎日,朝ごはんを食べることが大切だと言われています。 …. ②すききらいをしないで,いろいろな食べ物を食べなくてはいけないと言われています。・…. ③おやつを食べすぎてはいけないと言われています。…. ④かんジュースやペットボトルのジューズをのみすぎてはいけないと言われています。。・・. ⑤しんこうのないおうだん歩道をわたる時,左右をみてからわたらないといけないと言われています?…. ⑥教室のよこのろうかに,水がこぼれているとあぶないと言われています。…. ⑦給食の前に手をあらわないといけないと言われています。…. ⑧だんぼうをしている教室の空気を入れかえなくてはいけないと言われています。…. ⑨学校では,そうじの時間があります。…. ⑩おとなになったら,どんなしごとをしたいですか。. (. ). ⑪あなたのしょうらいのゆめをかなえるため,ひつようだと思うものを3つ書いてください。. ( ) ( ). ( ) ( 〉. ( 〉 ( ). ⑫毎日のくらしの中で大切にしているものを3つ書いてください。. 注)表を簡略化したため,… にはすべての質問項目で「それは,なぜだと思いますか。できるだけ くわしく書いてください。」という言葉が省略されている.. 一8一.
(11) 3.結 果 1)保健学習の目標の解釈に基づいた授業内容の設定. 学習過程を仮説するうえで,その授業内容を決定するため,調査1で実施された第5学 年の健康行動を実践度別に集計した(図1).その結果,質問項目④「あなたは,かんジュ ースやペットボトルのジュースを飲みますか.」,⑥「教室の横のろうかに水がこぼれて います.これを見てあなたはどうしますか.」,⑧「あなたは,だんぼうをしている教室. の空気の入れかえをしますか.」の3項目が他の項目より実践度2以下の割合が高い傾向 であることが認められた(P<0.05).この3項目の質問内容と小学校学習指導要領体育 編の目標と内容とを照らし合わせれば,④,⑧は第6学年の「健康な生活」の内容に含ま れ,⑥は第5学年「けがの防止」の内容に含まれていた.そこで,きわめて便宜的に,今 回の授業内容は対象児童が第5学年であること,実践度が低いこと,重要な健康課題であ ること等の理由から「けがの防止」9)を扱うことにした.. ①. o loe% 口実践度1 88.38. 9.83. 國実践度2. ②. 易55. 多. 多. @. 23.. 09. 67. ・. []実践度3. 42.73. 34.18. @. 79.. 62. 14.82. 25.6弓. @ @. 23.. 64. 72.57 z. /. 19.09. ス須7.27. @. 67.27. 28. @. lO.67. 61.33. F. @. 41.5. }. ”. 40.87. 7.83. 図1第5学年の質問項目ごとの実践度分布 以上のことから,小学校学習指導要領体育編の「けがの防止」の目標及び内容を前述の 授業設定の観点から解釈し,下記のような授業内容を設定した.. 内容1:「けがが起こらない安全な行動の方法を理解させる.」 内容2:「けがが起こらない安全な行動の必要性を理解させる.」 内容3:「けがを防止する安全な行動を実践する重要性を理解させる.」. 一9一.
(12) 2)児童の“健康行動を実践する・しない”に関わる要因 健康行動を促進することに有効な授業内容を構成するため, “健康行動を実践する・し. ない”に関わる要因と考えられる“認識度”及び“価値づけの程度”が“実践度”に及ぼ す影響と,また“認識度”, “価値づけの程度”, “実践度”の関連性を検討した.. (1)児童の健康行動の“実践度”に及ぼす“認識度”, “価値づけの程度”の影響. “認識度”が“実践度”に影響しているか否かを明らかにするため,第5学年の質問9 項目における認識門別の実践度分布(図2)を分析した.. 質問①「あなたは,朝ごはんを食べますか.」・⑤「あなたはしんこうのないおうだん 歩道をわたる時,どうやってわたりますか.」・⑦「あなたは,給食の前に手あらいをし ますか.」のような行動では,’“認識度”の段階に関係なく実践度3の割合が高い傾向を 示す結果であった.しかし,他の6項日では,一一.一般に,認識度3で実践度3の割合が高い. 傾向を示した.詳細にみれば,質問②「あなたは,食事のとき出されたものをぜんぶ食べ ますか.」・④「あなたは,かんジュースやペットボトルのジュースをのみますか.」・ ⑧「あなたは,だんぼうをしている教室の空気の入れかえをしますか.」・⑨「学校では, そうじの時間があります.あなたは,つぎのどれですか.」では, “認識度”が高くなれ ば, “実践度”は有意(P<0.05)に高くなることがみられたが,質問③rあなたは,お. やつを食べますか.」・⑥「教室の横のろうかに水がこぼれています.これを見てあなた はどうしますか.」では,同様の傾向がみられたものの有意ではなかった.これらの結果 は, “認識度”は“実践度”に影響を及ぼす1つの要因であることを示唆しているものと 考えられる.. また, “価値づけの程度”が“実践度”に影響しているか否かを明らかにするため,第. 5学年の“価値づけの程度”の高い者・低い者の質問9項目における実践度分布(図3) について認識度別に比較した.. 認識度3の場合には, “価値づけの程度”の高低と実践度3の割合には一定の関係は認 められなかった.しかし,認識度1,2の場合には, “価値づけの程度”の高い者におけ る実践度3の割合は, “価値づけの程度”の低い者のそれより有意に高い(P<0.05)結 果がみられた.これらの結果から, “認識度”が低い場合には, “価値づけの程度”が“ 実践度”に影響を及ぼす可能性のあることが示唆された.. 一10一.
(13) 質言忍識度3. oLd.一一一th−」 leo% 塁i− 85.71 灘襲. 14.29. 問認識度2. “.. ①認識度1. 欝耀戴鑛灘灘i86.769. 質認識度3. 毒鶏 76.47t毒 c「’w「 ¥’1 25.53. 問認識度2 ⑤認識度1. ミ霧雲。. 質認識度3. ミ劣等70.83 暴嚢鍵奪嚢撒. 問 言忍耐度:2. 養き灘§66.15羅蓑. ⑦認識度1. 霧76 購’羅. 質認識度3. 雛譲麟驚50鑛灘螺無. 問認識度2. ミ準準 46.15. ③言忍識度1. 灘33。82.. 質認識度3. ミ§灘i灘53。49 き蓬難. 問認識度2 ⑥認識度1. :羅13.64. 質認識度3. 灘 68.75 妻嚢雛蓉萎奎鰹. 問認識度2. :ミ蒙萎奪i馨 40 蟹馨嚢簿『. ②認識度1. :羅 33.33 事萎嚢. 質認識度3. 馨豪嚢i三篶灘鍵 76.19 、轍暮懸. 問 需忍ii哉渡2. 考16.13婁i. ④認識度1. 繍;. 質認識度3 問認識度2 ⑧認識度1. vゆΨw 鱗.92.31 難 IL 76. 聡’懸 73.75 /織萎門川繊妻. 箋 33.33織二丁. 22.5. 66. 67. 20.83. 32.3豆. 20 42. 86 23. 08. 30. 77 38. 24. 「’. 27. 94. 30.23 54. 55. 31. 81. 50. 灘纏灘50麟灘灘i鍵. @. 31.25. 53.85. 60。6. 14.29. 74.19. 82.76 浴. ヌ. ,67.67. 属叡 詠 噛. 纒. 54.55. −難山i. 33.33 31.81. 31.03. 62.07. 20. 質認識度3. 1囎、鰻 60 ミ灘馨学年三年き馨馨i. 問認識度2. 糞25購. 75. ⑨認識度1. 蝋42.2織灘灘. 50.. 46. 図2認識子別の実践度の分布. 一il一. 20. 團 実践度1 実践度2 実践度3.
(14) 認識度3. 。. lOoefo 笏グ11.11ノ. 高. 83.33. ワ 笏 勿!lO.53プ. 低. 口実三度3 囮実践度2 口実三度1. 86.84. ス微. 言忍言哉度:2. 撒ク10。74二多勿勿. 高. 低. 87.6. 載1. 61.68. 14.02. 認識度1 多多珍18,47(. 高. 88.14. 低. 70.49. 撚霧笏. 図3認識度及び価値づけの高い者・低い辞別の実践度の分布. (2) “認識1度”, “価値づけの程度”, “実践度”の関連性. “認識度”及び“価値づけの程度”が“実践度”に影響している結果を授業内容に取り 入れるため, “認識度”, “価値づけの程度”, “実践度”の関連性について検討した.. 図2及び図3の分析結果から, “実践度”は“認識度3”で高くなり,また“認識度 3”のときには, “価値づけの程度”はあまり“実践度”に影響しないが, “認識度”が 下がれば“価値づけの程度”’が高い者の実践度が高くなる傾向にあることが認められた. 以上のことから, “認識度”, “価値づけの程度”, “実践度”の関連性は,“i忍識度”. が高ければ“実践度”は高くなり, “認識度”が低いときには, “実践度”を促進させる. ために“価値づけの程度”を高くする必要のあることが推察される.. 3)健康行動を実践する。しないに関わる要因を取り入れた授業内容の構成 前述の保健学習の目標の解釈に基づいて設定した3項目の授業内容に,健康行動を実践 する・しないに関わる要因を取り入れ授業内容を構成した.. “認識度3”で“実践度”が高くなることから,前述の認識度3の内容である「健康に 対する影響の過程とその結果」を内容1に,認識度が下がると“価値づけの程度”が高いこ 一ユ2一.
(15) とが実践度に影響することから,健康が大切であるという観点から健康行動の必要性を理 解させることを内容2に,健康行動の方法を工夫することから健康行動を実践することの 重要性を理解させることを内容3に取り入れ,下記のように授業内容を構成した.. 内容1:「けがの起こる原因を調べ,その原因が重なって起こることを確認させ,けが を防ぐ:方法は,原因を取り除くことであることを理解させる.」. 内容2:「けがを防ぐ行動の必要性を,けがをしない健康で安全な行動が大切であるこ とから理解させる.」. 内容3:「けがを防ぐ行動を実践する重要性を,けがを防止するためには,どのような 工夫をしたらよいかから理解させる.」 4)健康行動として実践した者の“健康への影響の捉え方” 設定した授業内容を児童が自分自身のこととしてわかることができるか否か,すなわち,. 児童に授業内容に対する準備性が備わっているか否かを確かめるため,質問9項目の“健 康への影響の捉え方”について,健康行動の実践の理由の記述内容を分析した.すなわち,. 質問⑦の行動の場合を例に示せば,健康への影響を「病気になる」のように結果で捉えて いるくa−1),「手についたばい菌が食べ物について体に入る.」のようにばい菌が体 に入る過程を捉えている(a−2),「手についたばい菌が体に入って,病気になる.」 のように病気になる過程と結果を捉えている(a−3)の観点から各行動について分類し, 集計した(図4). その結果,質問⑥の場合, “健康への影響の捉え方”を「ころぶ」のように結果で捉え. ている者(a−1),「走っていて,水を踏んですべる」のようにすべる過程を捉えてい る者(a−2),「走っていて,水を踏んですべってけがをする.」のように,けがの発 生の過程と結果について,2つ以上の要因が重なって起こることを捉えている者(a−3) のうち,「a−2」の割合が最も高い傾向が得られた(P<0.05).この結果は,授業で認. 識させようとする「a−3」に対して,児童自らが日常生の体験を通してその前段階まで を認識していることを推察させる.このことは,児童の健康行動を実践する・しないに関 わる要因を取り入れた授業内容を児童が自分自身のこととしてわかることができることを 示唆しているものと考えられる.また,質問⑦においても同様の結果が得られたが,他の. 7項目では,「a−1」の割合が高いことから,授業内容を構成するとき,「健康に及ぶ 過程を理解させる」内容を含めた構成をする必要があると考えられる.. 一13一.
(16) @ ii}:{i……i…ii杉15.05形 z 團a−1. ①. F:勝83.87=『『}::3『』. 國a−2 、:…・%す1・・:・ …言il;・:;i・髪笏雛. ②. 回a−3. :i…ili諭3S・舶i:門案::;:. @. @. to. 易. Q、1繋講. :……き;;1:il168113\・:. @. @. ・・. liiilii::iiii層ll三・.1ユ. ・・:蜘え・::嘗獲髪薇鰯纏勿・笏…1…・ 『『1. w4乞36・:……㌃・:ン. 、・:166..67:で「. @ @. ・『. ヲ激論門門笏笏 @:1∫ll笏「二三影. W3.33匠. :1……:…:lll笏卿髪. 図4 質問9項目を健康行動として実践した者の“健康への影響の捉え方”の割合. 4.考 察 1)児童の“健康行動を実践する・しない”に関わる要因 本研究では,児童の健康行動の促進を図ることに有効な授業内容を設定するうえから, 児童の“健康行動を実践する・しない”に関わる要因を“認識度”及び“価値づけの程度” の点から検討するため, “認識度”及び“価値づけの程度”が“実践度”に及ぼす影響, ならびに“認識度”, “価値づけの程度”, “実践度”の関連性について検討した.. その結果, “認識度”が高いと“実践度”を高めること(図2),認識度3では“価値. づけの程度”の高低による実践度3の割合の差は認められなかったが,認識度1,2では, “価値づけの程度”の高い者の実践度3の割合が, “価値づけの程度”の低い者のそれよ り有意に高い(P<0.05)結果であったことから(図3), “認識度”及び“価値づけの程 度”は, “実践度”に影響することを示唆していると考えられる.さらに, “認識度”, “価値づけの程度”, “実践度”の関連性は,“認識度”が高いと“実践度”が高くなり,. “認識度”が低いときには, “価値づけの程度”が高いと“実践度”を後押しをする関係. にあること,児童各個人の“価値づけの程度”は,健康行動の必要性を健康の大切さから 認識することで高まると考えられること,授業においては,健康行動の“認識度”を高める ことが大切であることが推察されたこと等から考えると,“認識度”,“価値づけの程度”. を高めように構成した授業内容は,児童の健康行動の促進を図ることができると考えられ る.. 一i4一.
(17) また,図2の“認識度3”で“実践度”2以下の者の割合が各項目で異なるものの15∼ 50%もみられた.これらの児童は,上述の“認識度”が高いと“実践度”を高めるという 考察に反する現象である.このことから考えると,前述の“知っていても,できない”と いう現状を裏付ける者がこの中に含まれていると考えられる.つまり,これらの児童はそ の健康行動における“認識度”については, “認識度3”の程度を備えているが,実践の 際には,その“認識度”が効果を現していないものと考えられる.つまり, 「健康」につ. いての知識を覚えている状態であり,知識を自分自身のこれまでの物事の認識の仕方と関 わらせて捉えていないため,実践に結び付かなかったと考える.このことから,“知って いても,できない”児童は,授業内容を臼分の問題,自分自身のこれまでの物事の認識の 仕方・感じ方,あるいは,これまでの1」常生活を通して身につけている価値観や,自分自 身の生き方と関わらせて捉えていないことを示唆している結果であると考えられる且3).. そこで,図2の児童の健康行動の実践に影響していると示唆された“認識度”については, その内容を自分自身のこととしてわからせるように配慮する必要があると推察される.. これらのことから考えると,図4の結果は,児童が日常生活を通して,授業で高めよう とする認識の前段階まで身につけていると考えられ,設定した授業内容は自分自身のこと としてわかることができることを示唆しているものと考えられる.. さらに,教師自身の児童が授業内容を自分自身のこととしてわからせる配慮として,調 査活動・実験を授業内容に取り入れることにした.これは,比較的伸び伸びと自発的活動 を許容された児童の行動は,そうでなかった者より発展牲があることが指摘されているこ. とD,高学年になると知的な能力において,抽象的,論理的な思考が可能になり,行為の 結果を重視しがちであった児童も次第に行為の動機をも考慮できるようになるle)という. 知見に従い,調査活動で児童の思考を揺さぶり児童の体験をいかせるようにし,実験をす ることで抽象的,論理的思考を援助し,さらに結果をもたらせた過程を理解させることが 児童が授業内容を自分自身のこととしてわかることを援助できると考えたからである2)5) 6). 以上のことから前述のように設定した授業内容に調査活動及び実験を取り入れ,下. 記のように時間構成をし,学習過程を仮説した(表2−1∼4). 第1・2時: けがの起こる原因をけがの起こった場所に行き調査し,その原因が重なつ て起こることを「廊下を走って止まる.」実験で確認し,けがの原因を取 り除くことがけがの防止の方法になることを理解させる.. 第3時. : けがをしない健康で安全な行動が必要であることを理解させ,けがを防. 一15一.
(18) 止するには,どんな工夫をしたらよいかを考えさせることで, けがを防ぐ行動を実践する 重要性を理解させる.. 一i6一.
(19) 表2−1 仮説された学習過程. 第5学年体育科(保健学習)学習過程 1単元 けがの防止 2 目 標 ・けがが起こる原因には行動・環境。服装・心身の状態の4つの要因があり,. その内の行動と環境・服装・心身の状態の中の1つ以上の要因とが重なつ て起こることを理解するとともに,けがを防止する方法を理解する。 ・健康で安全な生活が大切であることを理解し,けがが起きないようにす る態度を養う。. 3 指導計画 第1次 学校生活でのけが・・… 。・・・・・・・・・… (3e仲間) 第1時 校内でけがの起こった場所を調べ,どうしてけがが起こるのか. 研 究. について知る。. 第2時 けがが起こる過程をけがを起こす要因の関連性から理解し,け. 対 象. がを防ぐ方法をみつける。. 第3時 健康な生活の大切さから,けがを防止する行動が必要であること を理解するとともに,けがが起きないように行動する行動の重要. 授. 業. 性を理解する。. 第2次 交通事故の原因。・・・・・・・・・・・・・・・… (2時間). 第3次家庭や想いきでのけが・・・・・・・・・・・・・…. (1時間). 4 指導上の立場 ・本校の児童は,ある行動がけがを防ぐことに必要であることやけがの原因になるこ とを知っている者が多い。しかし,これらの児童の中には,けがを防ぐ行動ができ. にくかったり,けがの原因になる行動をしてしまったりする者が少なくない実態が あり,けがを防止する行動を促進させることが課題である。また,けがを防止する. 行動をとれる児童は,けがが起こる過程を理解し健康への価値観をもち,体に及ぶ 影響を結果論で判断し行動している。さらに,その行動をしにくい児童は,けがが 起こる過程の理解が浅かったり,健康への価値づけの程度が低かったりする。 ・この単元では,i)ある行動がけがの防止に必要であることを理解する, li)けが. を防止する方法を理解する,hi)けがを防止する行動を確立する重要性について理 解する,以上のような授業内容が考えられる。そして,健康で安全な生活が大切で あることを理解し,けがが起きないようにする行動を実践しようとする態度を養う ようにしなければならない。. ・本単元の指導にあたっては,けがが起きないようにする行動の実践を促進させるた め,授業内容を児童が自分自身のこととしてわかるよう工夫する必要がある。そこ. で,上記i)∼血)の授業内容に児童の健康行動を実践する・しないに関わる要因 である“認識度”・“価値づけの程度”に関する事項を取り入れ,下記のような授 業内容を設定し指導することにした。 一17一.
(20) 表2−2 5 展 開. (第1次. 第1時). 校内で過去起こったけがの発生場所の資料をもとに,発生場所に実際に調べ. 目 標. に行き,. けがが起こった原因を知る。. 学習活動. 1校内でけがをした 経験を発表する、,. 指導上の支援及び援助. 備 考. O校内でけがをしたことのある友だちの経験を聞くこと で,けがについて学習することを知る,,. ・最初教師の経験談を話し,「みんなにも似た経験をした ことがないかな,,」の発問で,発表し易くする。. ・友だちの経験を聞かせることで,本時の学習が自分の 身近なことであることに気付くようにする,,. 2校内でけがが起き た場所を確認し,そ の原因を予想する,,. ○過去校内で起こったけがの発生場所の資料からけがカ 起きた場所を確認し,起きた原因を予想する。. ・プリント. (保健室資料). ・資料からけがが発生した場所を確認することで,けが の起こった場所の特徴をつかみ,起きた原因を簡単に. 予想することで,現地に行って原因となるものを調 べることに関心を持たせる。. 3けがが起きた場所 に行って, けがの原. 因になりそうなご とを調べる,,. ☆班毎に現地に行き,けがの起こった原因と考えられる. ・現地調査メ. モ用紙. ことを調べる,,. ・現地では,環境についての原因が多くみつけられると 推察されることから,環境以外の原因にも目が向くよ うけがをしたそのときの児童の様子を想像させ,行動・ 服装・心身の状態についても目が向くようにする,,. 4調べてきたことを 発表する。. O二二に調べてきたことをまとめて発表し,原因が4つの 要因に分けられることを知る,、. ・発表を行動。環境・服装・心身の状態の4種類に分けて 板書し,けが起きた原因には,4つの要因があることを 知らせる。. ・要因と要因が重なった場合をみつけたものは,その他 として取り上げ,他の4つ性質が異なることに気付か せておく,,. 5学習したことでわ かったことをまと める。. O本時に学習したことで自分がわかったことを用紙にま. ・学習記録プ リント. とめる。. ・「今日の学習でわかったことを書いてください。」の質. 問用紙を配布し,自分なりにわかったことを記録する ようにする。. 注)☆:“児童の健康行動を実践する・しないに関わる要因と調査活動を配慮した部分.. 一18一.
(21) 表2−3 (第1次. 第2時) けがが起こる時には4要因の内,行動と環境・服装・心身の状態の中の1つ以上. 目 標. の要因が重なって起こることを理解するとともに,その要因を取り除く ことがけが を防ぐ方法であることを理解する。. 学習活動 1. 前時の学習内容を 思い出す,,. 指導上の支援及び援助 ○けがが起きる原因を思い出し,行動・環境・服装・心身の. 備 考 ・原因カード. 状態の4つの要因に分けられることを思い出す。 ・前野の板書したものをカードに書いておき,4種類に分 けて掲示し,けがの原因には行動・環境・服装・心の状態. 又は身体の状態の4つの要因があることを確認させる。 2. 廊下でのけがを例. ☆廊下でけがをするいろんな場合を考え,原因を要因に. けがが起こ. 分類し,その関連性からけがの起こる過程を理解する。. つた過程を調べる。. ・いろんな原因をみつけ,それを要因分けし,どのケース. にとり,. でも行動と他の要因がiつ以上重なって起きることを 理解する。. ・服装・心身の状態について児童から出にくいと予想さ れるが,この場合は教師が提示し,心身の状態について の実験をすることを知らせる。 3. 廊下を走っていて. ○廊下を走っていると,急に人や物を見つけた時止まれ. 急に止まれるか実. るかどうかを実験し,行動と他の要因が重なってけが. 験する,,. おきる過程を理解する,,. ・赤旗. ・児童を走らせ,出た信号(赤旗)で急に止まれるかを体 験し,急には止まれないことを確認する。. ・日常生活では危険が予期できないことから,もっと危. 険であることを知り時には自分のもつ運動能力で危F を回避できないことがあることを理解させる。 4. 調べた他の例の過. ○前時に調べた他のけがが起こった例についても,けが. 程を確認し,けが. 起こる要因の関連性を確かめ,要因を取り除くことで. を防ぐ方法をみつ. けがが防げることを理解する。. ける。. ・けがは,要因のうち,行動と他の要因1つ以上が重なつ. て起こることから,2つ以上の要因を取り除く必要が あることを理解させる。. 5学習したことでわ かったことをまと める,,. O本時に学習したことで自分がわかったことを用紙にま とめる,,㌔. ・学習記録プ リント. ・「今日の学習でわかったことを書いてください。」の質. 間用紙を配布し,自分なりにわかったことを記録する ようにする,,. 注)☆:“児童の健康行動を実践する・しないに関わる要因と実験を配慮した部分.. 一19一.
(22) 表2−4 (第1次. 第3時) けがをすると日常生活に支障をきたすことから,けがが起きない健康な生活. 目 標. の大切さを理解するとともに,けがが起きないようにする工夫や努力が重要で あることを理解する。. 指導止の支援及び援助. 学習活動. 1けがをするとどん. ☆けがをすると自分の生活にどんな影響があるかを話し. なことに影響があ. 合うことでけがのない健康で安全な生活が大切である. るか話し合う、,. ことを理解し,けがを防止する行動の大切さに気付く,,. 備 考. ・けがをしたらどんなことに困るかを,自分の経験をも とに話し合わせる。. ・大きなけがについて経験した者がいないときには,教 師の経験談をし,けがをすると生活に支障が出ること を気付くようにすし,けがを防1しする行動が必要であ ることを理解させる,,. 2けがを防ぐために. ☆これまで工夫されていることを確認し,それ以外に,自. どんなことをする. 分たちにもできることがないかを話し合うことでけカ. とよいか話し合う。. を防止する行動をすることが重要であることを理解さ せる。. ・これまでの工夫を確認することで,そのことの大切さ を意識させる。. ・新しいものが見つけにくいときには,けがの起こる過 程因をもとに考えさせるようにする,,. 3学習したことでわ かったことをまと める。. 0本時に学習したことで自分がわかったことを用紙にま とめる、、. ・学習記録ブ リント. ・「今日の学習でわかったことを書いてください。」の質. 問用紙を配布し,自分なりにわかったことを記録する ようにする,, り. 注)☆:“児童の健康行動を実践する・しないに関わる要因を取り入れた部分.. 一20一.
(23) 5.要 約 本研究では,小学校児童における健康行動の実践を促進するため,健康行動9項目にお ける“認識度”別の“実践度”分布,“認識度”及び“価値づけの高い者・低い者”の“ 実践度”分布ならびに“認識度”, “価値づけの程度”, “実践度”の関連性を分析する. ことから“健康行動を実践する・しない”に関わる要因を明らかにし,その結果を授業内. 容に取り入れ児童が授業内容を自分自身のこととしてわかるか否かを確かめ,学習過程を 仮説した.. 得られた結果の大略は次のごとくである.. 1)健康行動の実践度の割合は,各項目闘で異なっていた.. 2)実践度の低い項目は,④「あなたは,缶ジュースやペットボトルのジュースをのみま すか.」,⑥「教室の横のろうかに水がこぼれています.これを見てあなたはどうします か.」,⑧「あなたは,だんぼうをしている教室の空気をいれかえますか.」であった. 3)学習過程を仮説した仮説授業の単元には,「けがの防止」が選ばれた. 4)“健康行動を実践する・しない”に関わる要因は, “認識度”, “価値づけの程度” であることが認められた. 5) “認識度”, “価値づけの程度”, “実践度”の関連性は,“認識度”が高ければ“実. 践度”は高くなり, “認識度”が低いときには, “実践度”を高めるために“価値づけの 程度”を高くする必要があることが推察された.. 6)健康行動を実践する・しない”に関わる要因を取り刈れた授業内容が構成された.. 7)児童が「廊下に水がこぼれていたらふく.」という行動を健康行動として実践すると きの“健康への影響の捉え方”は,滑る過程を捉えており,2つ以上の要因が重なったと きにけがをするということの前段階までを理解していることが認められ,構成した授業内 容を児童は自分自身のこととしてわかる準備ができていることが示唆された.. 8)設定された授業内容に調査活動,実験を取り入れた児童の健康行動を促進させる学習 過程が仮説された.. 9)児童の“知っていても,できない”という現状については,このときの“知っている” は,単に知識を覚えている状態であり,知識を自分自身のこれまでの物事の認識の仕方と 関わらせて捉えないため,実践に結び付かなかったと考えられた.. 一21一.
(24) 第三章 学習過程の有効性の検討 1.目 的 前章では,児童の健康行動の実践を促進させることに有効な授業内容の改善を図り,児 童が授業内容を自分の問題,自分自身のこれまでの物事の認識の仕方・感じ方,あるいは,. これまでの生活のなかで身につけている価値観や,自分の生き方と関わらせて捉える,つ まり,自分自身のこととしてわかる学習過程を仮説することを試みた. そこで,本章では「けがの防止」を単元にして仮説した学習過程に沿った授業を実施し,. A)児童が授業内容を自分自身のこととしてわかったか否かを各授業後の児童の感想文か ら分析し,B)仮説した学習過程に沿った授業が児童の例えば,食事後歯磨きをするとい. う行動を実践することが望ましいこと,また,それを実行することが必要であると知って いるのに実際には実行できないという“知っていても,できない”という問題を解決でき たか否かを健康行動についての“認識度”と“実践度”の関係から分析するとともに“実 践度”が促進されるか否かを実施授業対象児童の授業前後の縦断的比較及び異なる学習過. 程の授業を受けた同学年の児童と横断的比較をすることによって,仮説した学習過程の有 効性を検討した.. 2.方 法 1)対 象 仮説した学習過程に沿った授業を受けた岡山県の小学校第5学年2クラス51名と,調査. 1・∬の対象児童の第4学年(授業対象児童が第4学年であったとき)及び第5学年120 名の児童を対象とした. ’. 2)調査内容及び調査方法. 上記児童に,仮説した学習過程(表2−1∼4)に沿った3時間の授業を実施し,その 授業内容を,児童が自分自身のこととしてわかったか否かをみるため,それぞれのクラス で毎授業最後の学習活動において授業の感想を「今日の授業でわかったことを書いてくだ さい.」の質問項目で,記名・自由記述で書かせた4). さらに,授業後の児童の健康行. 動の“認識度”と及び“実践度”の定着をみるため,全授業終了後3カ月おいて前述調査 1・llと同様の質問用紙と方法で,健康行動の実践度(調査皿)と健康行動の‘認識度” について調査した(調査IV).. 一22一.
(25) 3)結果の分析 仮説した学習過程の授業内容を児童が,自分自身のこととしてわかったか否かをみるた め,実施した3時間の各々の授業について,授業内容を今やっている行動と関連させて理 解しているか否かの観点から,児童の感想文の記述された原文の内容をできるだけ変えず に授業内容を今やっている行動と関連させて理解している者とそうでない者に分類し,実 施時間毎に集計して,自分自身のこととしてわかった児童とそうでない児童の割合を比較. することで分析した.これに加えて,1人の児童が,実施した3時間の授業を自分自身の こととして何時間理解できたかを集計し分析した.. なお,児童の感想文の記述内容の分析から得られる認識内容は,各児童が学習した知識 についての表現が主である可能性が考えられる.そのため,記述内容を分類する場合,「 廊下を走るとよくないことがわかった.」,「けがが起こる場所は,その原因をなくさない といけないことがわかった.」等,知識について表現しているものは知識のみをあらわす表. 現と分類し,「今までは,止まろうと思って走っていたら止まれると思っていたけど,今. 日止まれないということがやっとわかった.それと廊下がぬれていたら,他の人がけがを するからふかないといけないと思った.」,「夢中になって走っているから,これからは ,早く遊びに行きたくても右側を歩こうと思った.」等,自分の今やっている行動に触れ て表現するものは自分自身のこととして考えられた表現と分類した.. また,児童の“知っていても,できない”という問題を解決できたか否かを横断的,縦 断的に検討するため,授業で取り上げた健康行動に関連した質問⑥における“認識度3” で“ タ践度2”以下を示す者について,仮説した学習過程に沿った授業を受けた児童(以. 下,’95第5学年と略す)と調査1・■の仮説した学習過程と異なる学習過程の授業を受け た第5学年(以下,’94第5学年と略す)及び95第5学年が第4年学年であったとき(以下, ’94第4学年と略す)の実態を比較し分析した.さらに, “実践度”の促進が図られたかを. 同様の観点から検討するため,’95第5学年と’94第5学年及び’94第4学年の実態とを比較 し分析した.. これらの分析結果から,児童の健康行動の実践を促進させるために設定した学習過程の 有効性を検討をした.. 一23一.
(26) 3.結 果 A)児童が授業内容を自分自身のこととしてわかったか否かについての有効性 仮説した学習過程に沿って実施した3時間の各々の授業について,児童が今やっている 行動と関連させて理解している,つまり,自分自身のこととしてわかったか否かを,児童 が感想文に記述した原文をできるだけ変えずに分類し,実施した時間ごとに集計した(表 3).そして,時間ごとの自分の今やっている行動と関連させて理解できた者・そうでな い者の割合を比較した(図5).その結果,各時間とも自分の今やっている行動と関連さ せて理解できた者の割合が,そうでなかった者の割合より高い傾向を示した(第1,2時:P <0.05,第3時:P<0.20).さらに,実施した3時間の授業で,1人の児童が自分自身のこ. ととしてわかった時間数の割合を集計した結果は図6の通りであり,3時間とも自分自身 のこととしてわかった者の割合が最も高い結果であった(P<0.05).. 以上のことから,仮説された学習過程に沿った授業は,児童にその授業内容を自分自身 のこととしてわからせ得ることが認められた.. 100}も. 。. 第1時. 41.豆8. 58.82. 第2時. 35.29. 64.71. 第3時. 口できた者 囮できなかった者. 45.lZ. 54.9. 図5 自分の行動と関連させて理解した者とできなかった者の時間ごとの割合 100#’. 39. 23. 23. 52. 17. 64. 19. 61. o. 3時間. 2時間. 1時間. 0時間. 図6 自分の行動と関連させて理解した時間数別の割合. 一24一.
(27) 表3 授業に関する「わかったこと」の記述内容の分類及び件数 第1時. 知識の理解についての表現. 件 7. ・どんな場所でどんなけがが多いかわかった.. 環境,服装,行動,心身の状態の4つがけがの.、. 自分のこととして考えた表現 ・1人が注意しても,相手が注意しなくてはいけな. 2. い.注意し合って頑張ろうと思った.. 因になることがわかった.. ・ぼくは,あんまり学校でけがをしていないので,. ・けがが起こる場所は,その原因をなくさない. 件. 3. 1. みんながこれほどけがをしているとは思っても いなかった.気をつけるようにしたい.. といけない。. ・いろんな原因があって,それがけがになる.. 2. ・廊下を走ることはよくない.. 1. ・ふざけたり,走ったりするとけがになる.. 3. ・いろんな場所でいろんな原因で起こることカ. ・けがの原因にいろいろあった.だいたいけがは,. 1. 自分のミスで起こるんだなと思った. ・けががどうして起こるか原因を考えて少しずつ. 2. わかってきたような気がしました.そんなこと に注意してけがをしないようにしていきたい.. わかった.. ・服装でけがが起きることがわかった,廊下や. 1. 階段を走ったら,ほんの小さなことで大けが. ・廊下や階段は,走ったら危険なことになると思. 2. つた.廊下を走ってけがをしたことがあるから,. になることがわかった。. これからは注意したい.. ・けがの原因に服装も関係があること,けがを. 1. しないためには走らなかったらいいという. ・廊下を走ったりすると,けがをする.気をつける ようにしたい.. わけでわないと知った、. ・階段を飛ばさないようにしょうと思った.. ・行動でけがが起こることはだいたいわかつ. 5. 1. ていたけど,環境,服装,感情でけがが起こる. 1. 廊下が濡れていたりすることがあるので,走ら ないようにしたほうがよいと思った.ブランコ. なんて知らなかった.. の前を通るときは,気をつけないとあぶない.. ・けがの起こりやすい場所がわかった.. 1. ・廊下や教室であばれたらあぶないというこ. 1. ・いろんな原因があってけがをすることがわかっ た.これからもけがをしないよう注意します.. ・けがの原因はいろいろあるけど,シューズの後. とがわかった.. 7. 1. ろを踏んだり,走ったりすることも原因になる.. 原因をつくらなければけがはしないけど,つい つい原因を作ってしまう.. ・原因が環境にもあるなんて,ちっとも思わなか. 1. つたけど,やっぱり「ここにあれがなければけが をしなかったのに」と思うこともある.廊下は,. 右側を歩くのはあたりまえだとわかっているの し. に左を歩いたりはしったりすることがある.や つばりいけないことだな. ・けがの原因には,4種類あることがわかった.自. 4. 分のことだから気をつけてけがのないようにし たい.. ・廊下を走ること,ふざけることがけがの原因に. 2. なる.わたしは,よく走るので,こんどから気を つけて歩くようにしたい.. ・場所ごとにいろんなけががあることがわかりま. 1. した.私もぶつかったことがあるのでこわいな と思いながら通りました. 21. L−. Q5一. 30.
(28) 第2時. 知識の理解についての表現 ・けがは,原因が重なって起こることがわかっ. 件 2. た.. ・教室の整理整頓をするのは,けがの防止にっ. 1. ながる.けがは行動と他の3つの原因とで起こ. 自分のこととして考えた表現 ・いつも気をつけて,けがを防止しようと思った.. 2. ・私は日ごろよく走っているのでくせで走ること. 1. があるので少しずつ直したい.. ・ちょうしに乗っているとけがが起きる.これか. る.走っていたら,水たまりがあったり,人が. 2. らは,よく注意しようと思う.. 走っているから危ない.. ・けがの防止には,整理整頓が一つの方法になる. ・今日,整理整頓がけがの防止につながること. 件. 5. が初めてわかった.. 2. ことがわかった.いそがないで歩くようにした い.. ・走ったりして,夢中になっていたら,急にとま. 3. れなくてけがが起こることがわかった.走る1. ・けがは,4つの原因が重なってすることがわかっ. 2. た.実験では,旗を見てからすべつてなかなか. 人,物,心でけがが起こる.. まれなかったから走ってはいけないんだなと思. ・走っていると急に止まれない.. 2. ・夢中になって走っていると,途中で人が出て. 1. くると急に止まれないことがわかった.行動. つた.. ・夢中になって走っているから,これからは早く. 1. 遊びに行きたくても右側を歩こうと思った.. と環境や服装,心や体の状態が合うとけがを. ・走っているとなかなか止まれない。すぐ止まれ. しゃすいことがわかった.. 1. ると思っていた.原因となるものを取り除けば. ・「廊下は右側を歩こう」という目標がどうして. 1. あるのかわかった.それに,走っていると急に. いいけど,原因をつくらなかったらいい. ・ぼくは,たまに机に引っ掛かっていたんだけど,. 1. 自分の不注意だということや話に夢中になって. は,止まれないことがわかった.. ・食管などは二人でもつ。遊具で遊んでいる人. 1. の前や後ろに行かない.階段は飛ばさない.. いだんだなと思いました. ・階段,廊下は,右を歩く.走るとよくないから,こ. ・原因となるものを取り除けばよいことがわカ. 2. つた.夢中になって走っていると人にぶっか. 3. れからは,気をつけようと思う.. ・4つの原因のどれかが重なったときにけがが起. 2. こること,けがを防止するには,原因を取り除く. つたり,急にとまれない.. ことが必要だとわかった.自分しか取り除けな い,行動,心の状態をみんながやっていないから けがが起こるだなと思った.. ・けがを防止するためには原因を取り除かないと. 1. いけないことがわかった.なかでも水たまりや. 墨がこぼれていることも1つの原因だというこ し. とを知った.進んでふけるようにしたいです.だ. 動や環境などに気をつけなければと思った. ・私は,シューズをちゃんとはいてないときがあ. 1. る.ちゃんとはかないことがけがの原因になる と知った.きちんとはかこうと思った.身の回り の整頓をしょうと思った. ・廊下を走ったときの実験では,急に止まれなく. 1. てちょっとあぶないと思った.教室を走って机 にぶつかったことがあるけどほんとうにあぶな いと思った.. ・実験で夢中になって走っていると,急に止まれ. なくて人とぶつかり大けがになることがわかつ. 一26一. 6.
(29) 知識の理解についての表現. 件. 自分のこととして考えた表現. 件. た.けがの原因を起こさないようにしたい. ・今までは,止まろうと思って走っていたら止ま. 5. れると思っていたけど,今日止まれないという ことがやっとわかった.それと廊下が濡れてい. たら,他の人がけがをするからふかないといけ ないと思った.. ・けががどういうふうに起こるのかわかった.走. 1. っていたら,急に止まれないことがわかった.こ れからは,水たまりとかにも注意します.. ・今日は,赤旗が出ないかなと待ちながら走った. 1. のでうまく止まれた.普通なら止まれず,ぶつカ. って頭を打っていたかもしれません。階段も飛. ばさなければけがの原因にならないとわかりま した。けがの原因を取り除けばいいと思いまし た.興奮したり,夢中になったりして走ると 危険だと思った.. 18. 一27一. 33.
(30) 第3時. 知識の理解についての表現. ・けがの防止の工夫に早寝早起きジてすり,滑. 件 59311211. 闔 めなどがある.. 自分のこととして考えた表現 ・今までの勉強で気をつけようと思った.私も他. 件 42721114312. フ人もけがをしないように注意できるように,. E学校の中や外で,けがが起きないよう目標を. │スターや鏡を置くとよいと思った.. ツくったりして工夫してあることがわかった. Eけがの防止のためにいろいろ考えたけど,こ. E原因を防ぐ工夫が大切だと思った.. ワでにいろいろ考えられていたことに気づい. Eけがを防止する工夫はなかなか難しいと思っ. 「なかった.運動会のとき,はきなれたくっをは. ス.ポスターや鏡を置くのがいいと思った.. ュのもけがの防止の工夫のひとつだと思った.. Eけがの防止でいろいろな工夫がされているこ. Eけがをすると困る.けがのないよう今日考えた. L下を走らない工夫をしたらいいと思う. ニがわかった。小さいけがだったら困ること ヘないけど,大きなけがだと困ることがある. Eけがを防止するために,ブザーやカーブミラー つけたらいいと思った.つめが伸びていたら,. アとがわかった. Eけがをすると困ることがあるとわかった.. lにあたってけがをしたりつめがおれたりする. Eいくらかるいけがでも困ることがわかった.. フで気をつけたほうがいいと思った. E学校でもいろいろなけがの防止の工夫があるこ. Eちょっと工夫すると,けがをちょっとはすく. ネくなることがわかった.. ニがわかった.ルールを守ることが大切だし,・ チて行こうと思う.. E廊下にカーブミラーを置くのはとってもいい考 ヲだと思った.1階のトイレの所をまがるとき禾 ヘ,人とぶっからないように気をつけています.. Jーブミラーがつくといいと思います. E歩いていても,教室からでるとき人とぶつかっ. スことがある.カーブミラーを置くとかする工 vをすればよいと思った. Eけがを防ぐ工夫はいろいろあるけど自分ででき. ネいものがある.早寝早起きや水がこぼれてい スらふく,右側を歩くは,いつでもできる.けが したら,困ることがいっぱいあるから,なる’. ュけがをしないようにしょうと思った. Eけがを防ぐ工夫がたくさんしてあること知らな. @. ゥった.私たちにできる工夫をどんどん探して. レ. H夫していきたい. E前に,手をけがして鉛筆がもてなくて困ったこ ニがある.だから,廊下を走ったりしないように オて,けがのないようにしたい.. Eけがを防ぐには,ゆっくり歩き,走らないように. キることとわかりました.これからは,けがの. を一つでも取り除いてけがをしないようにし スいです.. 23. 一28一. 28.
(31) B)児童の“知っていても,できない’vという問題を解決できたか否か及び“実践度”. の促進についての有効性 仮説した学習過程の授業では,「けがの防止」を取り上げたが,この内容に関連した健. 康行動「廊下に水がこぼれていたらふく.」の“認識度3”で“実践度2以下”を示す児 童,つまり, “知っていても,できない”児童の割合を集計し(図7),’95第5学年と’. 94第4学年及び’94ng 5学年とを比較した.その結果,’95年第5学年の“認識度3”で“ 実践度2以下”を示す児童の割合が,’94第4学年及び’94第5学年のそれと比較すると, ’ 94年第5学年との比較では有意(P<0.05)に低く,’94年第4学年との比較では有意で はなかったがかなり低いという結果が認められた.. このことは,今回仮説した学習過程に沿った授業内容は,児童の“知っていても,でき ない”という問題を解決でき得ることを示唆している.. 10001.. 。. 1コ実践度3 ’95年第5学年. 46.15. 53.75. ’94年第5学年. 35.42. 64.58. ’94年第4学年. 35.71. 64.29z z. 國実践度2以下. 図7「廊下に水がこぼれていたらふく.」認識度3の実践度3及び実践度2以下の年度別の割合. 仮説した学習過程に沿った授業を受けた児童の“実践度”が促進されたか否かを明ら かにするため,質問⑥「廊下に水がこぼれていたらふく.」の健康行動における実践度. の各段階についての割合を’95第5学年ど94第5学年,’95第5学年と’94第4学年のそ れぞれについて比較した(図8).. ’95第5学年と’94第5学年の比較では,実践度1で’95第5学年(P<0.20)の方が低 い傾向がみられ,実践度2で有意な差はみられなかったが,実践度3で’95第5学年(P <0.05)の割合が有意に高い結果が認められた.一方,’95第5学年と’94第4学年の比. 較においては,実践度1で有意な差はみられなかったが,実践度2で’95第5学年(P< 0.05)の割合が有意に高い結果であり,実践度3で’95第5学年(P<0.05)の割合が有意. 一29一.
(32) に低いことが認められた.これらのことから,横断的な比較では,仮説した学習過程に 沿った授業において“実践度”の促進が図られた.しかしながら,縦断的比較では促進 する傾向は見られなかった.. 100 slo. 。. [コ実践度1. z笏. ’95年第5学年. ’94年第5学年. ’94年第4学年. 19.57. 54.34. 25.64. 19。23. 26.09. 56.41. 38.46. 國実践度2 口実践度3. 17.85. 42.3. 図8「廊下に水がこぼれていたらふく.」の健康行動についての実践度別の冊数割合. 4.考 察 本章では,仮説した学習過程の有効性をみるため,実施した授業内容を児童が今やって いる行動と関連させて理解している,つまり,自分自身のこととしてわかったか否か,児 童の“知っていても,できない”という問題を解決できたか否か及び健康行動の“実践度 が促進されたか否かについて各々分析した.. 実施した授業内容を児童が自分自身のこととしてわかったか否かの面では,表3の児童 の感想文の「原因が環境にもあるなんて,ちっとも思わなかったけど,やっぱりここにあ れがなければけがをしなかったのにと思うことがある.」,「今までは,止まろうと思っ て走っていたら止まれると思っていたけど,今日止まれないということがわかった.・・ ・」等のように,自分の今やっている行動と関連させて授業内容を理解している者の割合. が実施した各時間とも有意に高かったこと(図5),また1人の児童が実施した授業を3 時間とも自分の今やっている行動と関連させて授業内容を理解している者の割合が有意に 最も高かった結果(図6)から,仮説された学習過程に沿った授業内容は,児童に対して 自分自身のこととしてわからせることに有効であったことが示唆された. また,児童の“知っていても,できない”という問題を解決できるか否かの面では,’95. 年第5学年の“認識度3”で‘実践度2以下”を示す児童の割合が,’94第4学年及び’94 第5学年のそれより低い結果が認められた(図7).このことは,今回仮説した学習過程 一30一.
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