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非漢字圏の日本語学習者への漢字指導

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Academic year: 2021

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(1)非漢字圏の日本語学習者への漢字指導. 専攻. 教科・領域教育学専攻. コース. 言語系 コース(国語). 学籍番号. M06199A. 氏 名. 萩森須賀. 概要.  非漢字圏学習者が日本語を学習する際に負担. れられた漢字を構成する図形は、漢字認億に重. となっているのは、漢字の数の多さと、漢字を. 要な役割を示す、とのことである。本研究にお. 構成する一つ一つの部分が複雑な点である。外. いては、これが発達段階の児童にもあてはまる. 国人の児童、生徒は、両親の仕事の関係等で日. のか、またそれはどのような形で認識されるの. 本に来日し、小中学校に入学している。最初彼. かを明らかにするという目的で行った。. らは日本語もわからない環境の中で、学習方法 の選択もできないまま勉強をしていかなければ. 研究対象. ならないのが現状である。心身の発達段階にあ.  漢字指導授業は、2人のフィリピンから来日. る彼らは、置かれた社会に接することにより、. した小学生児童を対象に行った。そのため、彼. 思考や抽象概念がつくられていく。その抽象概. らが日本に来るまでに学習してきたフィリピン. 念の多くは、「ことば」を通じて形成されていく. での第二外国語の英語学習方法が、日本語学習. のである。. にどのような影響があるのかについてふれる。.  成人の日本語学習者であれば、各自の目的に. また日本で定住する外国人児童への漢字指導に. 応じ、漢字を習得しないで、「日本語会話」だけ. ついても考えていく。人問は、漢字習得の際に. を学ぶことが可能である。しかし、義務教育段. 脳の中で漢字を情報として記憶し、処理をして. 階の非漢字圏目本語学習者は、多くの場合、居. いる。この点について認知心理学の角度から見. 住する地域の小中学校で勉強する。日本語だけ. ていく。. を使用して各教科を学習するために、rひらが. また、第二言語を習得するためには、様々なテ. な」「カタカナ」「漢字」を学んでいかなければ. クニックや工夫が必要である。これらの具体的. ならないのである。そのため、漢字習得の際に、. な行動を学習ストラテジーとよんでいる。この. 知覚(ここでは主に視覚)からの認知、記憶と. 学習ストラテジーやそれに基づく学習ストラテ. いう関係が切り離すことのできないものとされ. ジー調査について紹介していく。. る。視覚からの認識が漢字を記憶していく際に、.  本稿では具体的な漢字指導授業の内容として、. 重要なキーポイントとなる。. (1)学習者は漢字を構成する部分を「図形」 として認識できるのかどうか。(2)漢字を構成. 先行研究. する部分を「図形」として捉えた場合、非漢字.  漢字を構成する図形の認識についての先行研. 圏学習者はその構成する部分をどのような形と. 究では、人間の知覚を通して情報として取り入. して認識しているのか。(3)学習者が漢字を記. 一264■.

(2) 億力していくためには、どのような漢字の学習. 部首指導も行った。この結果、2人の児童は漢. ストラテジーを使うのが効果的か、以上3点の. 字を容易に記憶することが可能になってきた。. 実験を行い、これらの内容について明らかにし.  積極的に学習ストラテジーを使ったため、彼. ていく。. ら自身も満足できる成果が上げられたのではな. (1)については、白黒に色分けした数枚の正. いだろうか。. 方形のカードを使用し、児童に提示した15か ら26文字の漢字がどのカードに対応するのか. 結語. を示させた。次に(2)については、学習者が.  本稿では、児童においても漢字を構成する図. 漢字を構成する部分を「図形」として捉えたこ. 形の認識が可能であることを漢字指導授業にお. とを確認した後、提示した漢字の最も印象的な. いて示した。今後の課題として、漢字を構成す. 部分に印を付けさせた。最後に(3)について. る字形の認識が、書き取りなどの再生率にがど. は、学習者とのコミュニケーションをはかり、. れだけ影響があるのか。また、学習者が好む学. アンケート調査で得た情報を基に、インターネ. 習ストラテジーを使用した場合の漢字の再生率. ットのウェッブサイトを使用した学習ストラテ. と、指導者が指示した学習ストラテジーを使用. ジーを行った。. した場合の漢字の再生率との比較、以上2点を.  (1)の結果については、授業の回数を重ねる. 明らかにしていきたい。. に従い、学習者は漢字を構成する部分の図形の 認識の比率が向上した。また漢字を見た時に、. 参考文献. その漢字の中で印象的な部分が上部であるのか、. 海保博之(1983)『漢字を科学する』r漢字の特. 下部であるのか、右部であるのか、あるいは左. 性をはかる」有斐閣ブックス.. 部であるのかの認識が可能となった。次に(2). 高木裕子(1995)「非漢字系目本語学習者にお. については、児童たちは独自のパターンで認識. ける漢字パターン認識能力と漢字習得に関する. するカをもっていることがわかった。認識する. 研究」『世界の日本語教育』5号pp.125・138.. 箇所は、部首にあたる部分の時もあり、「演」と. 渡辺茂(1976)『漢字と図形』日本放送出版協. いう漢字であれば、「サンズイ」という部分を認. 会.. 識している。部首以外の箇所では、r空」という. 漢字であれば、カタカナのr工」という部分が 印象的だと感じている。最後に(3)について はアンケート調査を参考に、彼らの学習の希望 を取り入れて、インターネットのウェッブサイ トの利用や、反復練習などを行った。その結果、. 学習者たちは楽しみながら、学習ストラテジー を取り入れることができた。これらの学習に加 えて、常に漢字記憶を増やすために、学習者の. 主任指導教員 田中 雅和. 今後の進学を見据えた上での漢字学習に必要な. 指導教員   寺尾 裕子. 一265一.

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