• 検索結果がありません。

変性ポリウレタンの物理特性

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "変性ポリウレタンの物理特性"

Copied!
11
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

77

変性ポリウレタンの物理特性

P

h

y

s

i

c

a

l

P

r

o

p

e

r

t

i

e

s

o

f

M

o

d

i

f

i

e

d

P

o

l

y

u

r

e

t

h

a

n

e

E

l

a

s

t

o

m

e

r

s

H

i

r

o

s

h

i

OKAMOTO

The urethane linkage is kown to have low thermal stabi1ity whereas the isocyanurate ring has high thermal stabi1ity by reason of its irreversible reactivity at elevated temperature. Polyurethane elastomers containing isocyanurate cross-links have been produced with a wide range of modulus by means of triethylenediamine -high molecular epoxide catalyst combinations.

This co-catalyst system appeared to promote the urethane reaction initially and, then, the trimerization in a second stage.

Some of the formulations prepared by adding vinylacetate or acrylonitri1e to the one-shot polymerization system have excellent dynamic mechanical properties at elevated temperature.

1

.

緒 言 イソシアネート化合物は,分子中に活性水素を有する 化合物と特有な付加反応を行なうため,重付加反応の成 分, とくにポリウレタン原料として近年需要を高めつ〉 ある. ポリウレタン化反応は,通常,有機ジイソシアヰート とジオール(たとえば,ポリエステルグリコール,ポリ エーテルグリコールなど) よりブレポリマ一法 (Pre.

polymer Method)もしくはワンショット法(One-shot Casting Procedure)で高分子化を行なっている. 前者は,一旦,ジイソシアネートプレポリマーを合成 したのち,多官能活性水素化合物(たとえば,水,グリ コーJレ,ジアミン,ア

Z

ノアルコールなど)を添加して 分子量の増加をはかる二段法であるが,後者は,グリコ ール,イソシアネートならびに活性混合物(各種の活性 触媒,アミン,水など)を一度に混合して,高分子化を 一挙l乙行なうものである.したがって,プレポリマ一法 にくらべると,工程数が少なく,装置が簡便化でき,不 安定なプレポリマーの貯蔵というような厄介な問題がな いというかわりに,反応の調節がきわめてむづかしい欠 (1) 点を有する. (2) 筆者はこれまでに数種のイソシアネートの特異反応の 研究をおこなってきたが,本研究では,アミンーエポキ シ共触媒系がポリウレタン生成反応のワンショット法i乙 対して,有効に働くことが分

L

この反応によって得ら キ応用化学教室 れたポリマーの諸物性を検討した.

2

.

実 験

2

.

1

試 薬 トルエン2,4ージイソνアヰート (TDIと略す)は bpll1260Cで精溜したものを使用した. ポリプロピレングリコール (PPGと略す)は市販品 を窒素ガス気流下で, 90-100oC/10mm Hg48時間減 圧脱水を行t,tったものについて,カールフィツンャ一法 lとより水分率を,また,無水酢酸 ピリジン法により, ヒドロキシル価を測定した.本実験lこは,平均分子量が 200~2,000 までの種々のグレードの PPG を使用した. ポリエチレングリコールも PPGと同様の処方により 精製したものを用いた. エチレングリコール,ジエチレングリコール,および プロピレングリコールはいづれも1級試薬品を精溜して 用いた。 トリエチレンジアミンは,市販品をエタノールから再 結晶製精し, mp

1

5

8

0

C

のものを用いた. エポキシ化合物は,チパ社製のピスフェノールA とエ ピクロルヒドリン縮合体のうち,エボキシ当量が

1

8

0

の ものを使用した. 各種ピニルモノマーは,常法 lとより製製して用いた.

2

.

2

放射線架橋 室温でCo'.による7線照射をおこなった.

2

.

3

ポリマ一分析 赤外分析は日本分光社製DS-301型赤外分光器により

(2)

弘 ン 樹 脂 で 焼 付 け を 胞 し た 鉄 製 モ ー ル ド 中 に 流 し 込 む . こ のモールドを空気乾燥器に入れ, 70oC/30mIn加 熱 し た の ち , 取 り 出 し て 室 温 に な る ま で 放 冷 し て か ら , テ ス ト 用に適当のサイズ、にカットする.

3

.

実 験 結 果 本

2

.

4

.

1

引 張 り 特 性 引 張 り 持 性 は , 島 津 製 作 所 製 オ ー ト グ ラ フ IS-500型 試験機を用い, 250C 500mmlminの 引 張 り 速 度 で 行 なった. 岡

7

8

行なった ポ リ マ ー 物 性 試 験 2.4 ポ リ オ ー ル 成 分 の 分 子 量 ワ ン シ ヨ ソ 卜 法 に お け る ポ リ オ ー ル 成 分 の 分 子 量 が そ の物性におよぼす影響をしらべるために, PPGの 分 子 量 が そ れ ぞ れ200,400, 700, ,1{)00, 2,000, お よ び3,000, の も の に つ い て TDIと 触 媒 系 の 組 み 合 せ で2ふ 2.6に の べ た 処 方 で 予 備 テ ス ト を 行 な っ た .

3

.

1

応 力 緩 和 特 性 聞 記 記 録 式 応 力 緩 和 測 定 機 を 用 い , 空

2

.

4

.

2

県j羊精機社製, 気中で

i

i

なった. そ の 結 果 , ポ リ オ ー ル 成 分 と し て は , 分 子 量 が700の PPGが 全 体 と し て パ ラ ン ス の と れ た 引 張 り 特 性 を 示 す ことが分った. 重力的粕弾性の浪JI定 岩 本 製['p所 製 ス ペ ク ト ロ メ ー タ ー を 使 用 し た .

2

.

5

試 料 の 調 製

2

.

2

.

3

分 子 量 が700以 上 の グ リ コ ー ル 類 は , 低 モ ジ ュ ラ ス を 示 し , ま た700以 下 の PPGで は , 架 橋 間 分 子 量 が 小 さ 過 ぎ て ポ リ マ ー は フ リ ッ ト ル と な る . 従 っ て , 本 実 験 に お い て は , ポ リ オ ー ル 成 分 と し て は か 子 量700(OH値160)の PPGを 用 い て 以 下 の 実 験 を 行なった. グリコーノレとイソシアネー卜の当量関係は,グリコー ノレの OH基1当;量lこ対し, イ ソ シ ア ネ ー ト の NCO去 が2当 量iこえfる よ う 配 合 し , 添 加 触 媒 は イ ソ シ ア ネ ー 卜 {こ対し, ト リ エ チ レ ン ジ ア 三 ン が0.03%, エ ポ キ シ 樹 脂 が0.15%重量比でそれぞれ加えたー 低 分 子 グ リ コ ー ル の 影 響 に つ い て エチレングリコール,

3

.

2

テ ス ト ピ ー ス の 作 成 ビ ー カ ー に 計 算 量 の グ リ コ ー ル , イ ソ シ ア 不 一 ト , お よ び 触 媒 を 添 加 し , 十 分 カ ク ハ ン し た の ら , 真 空 デ シ ケ ー タ 中 で 悦 泡 を 行 な い , 完 全 に 泡 が 抜 け た 状 態 で シ リ コ

2

.

6

フ。ロヒ。 ジエチレングリコール. A C 300 E にJ 、¥ bJl よ& 200 100 出 羽 町 ご 山 岳 一 口 150 100 50

(% )

1

エ チ レ ン グ リ コ ー ル (EG)添 加 の 影 響 PPG: EGニ1: 1 (モノレ比) C ク 1 : 0.1 1: 0.5 D. ク 1: 0 話才 一ナA 長

f

申 // A. B.

(3)

79 ン の 物 理 特 性 ウ レ タ 変 性 ポ リ 150 ( N E ¥ 国 ﹂ ) 100 50 凶 器 。 出 一 m 300 100

(

% )

率 長 { 申 1 : 0.1 ジ ェ チ レ ン グ リ コ ー ル (DEG) 添加の影響 /{

C

.

PPG : DEG= 1 : 1 (モノレ比) グ 1: 0.5 図

2

A.

B

.

A 300 ( 引 EU¥ 国 ﹄ ) 200 創 出 明 問 。 謹 一 間 100 150 図

3

プ ロ ピ レ ン グ リ コ ー ル (PG) 添加の影響 PPG : PG = 1 : 1 (モル比) C. ク 1 : 0.1 1・0.5

(

% )

100 率 長 市 中 { 50 //

A

.

B.

(4)

8

0

岡 本 弘 N E U ¥ 国︾{ A 部 200 4軒 町 o 出血 T官、 t L..., 100

50 100 伸 長 率 ( % ) 150 図4 ポリエチレングリコール (MW.200) (PEG)添加の影響 A. PPG: PEGニ1: 1 (モJレ上七) C. ヶ 1 : 0.1 B. 11 1 : 0.5 レングリコールのよう芯(Jf分子ジオールを適当量 PPG に混合すると, PPG単独使用のものに比較して引張1) 特性が著しく改良される.これはポリウレタン分子鎖中 のハードセグメントとソフトセグメン卜の濃度比を低分 75 子グリコールによって適当に調節させているためと考え υ られる. PPG~700 1モルに対し,低分子グリコールをそれぞ れ0.1,0.5, 1.0モルづ〉添加したときの引張り特性を図 認 1~ 図 4ζ!示 す 25 これらの引張り特性図から分ることは,高分子量ク,) コール成分 lこ対して, 低 分 子 量 グ リ コ ー ル を 添 加 す る と,添加モノレ比叫菌加

T

るにしたがって,ストレスース トレインカーブは立ち直りをみせる これはほ分子クリ コールの添加によるハードセグメ/トの用力│しまたは製 橋密度の増加によってモジュラスが大きくなったものと 考えられる.

3

.3

ワンショット反応系の混度と粘度変化 ワンショッ卜法では活性触媒を用いるため.かなりの 目己発熱を伴なう. 図5こ(PPG:EGニ1: 0.5(モル比)

-

:

.

2園5のワンレノ ヨット処方に準じた配合による反応混合物の自己発熱状

50 放 置 11¥0IlJl(mini 100 図

5

ワンショッ卜混合物の発熱状態 PPG : EG--1 : 0.5(モル比) 態を示す. これは,各成分を250Cで混合カクハンし,その状態 で窒素ガス気HlUj'に放置しておいたときの温度変化で, この配合系ではカクハン後.15分位いの所lこ発熱のピー クを生ずる. また,反応系の枯度変化の

1

討議を悶転式B型粘度計を:

(5)

変 性 ポ リ ウ レ タ ン の 物 理 特 性 81 用いて追跡した結果を図6に示す.

t

ii!支測定は,反応系寸iに粘度百十を挿入して行なったb め,測定時の温度は図5のそれに対応する. え,それによって生ずる応力の振巾との比,および歪波 と応力波との位相差8を測定する. なお, この試料の18時間放置後の粘度は116,800cps (250C) まで上昇した.

3

.

4

応力緩和特性 図7fζ500C, 700Cおよび1000Cにおける空気中での 応力緩和状態を示す. 図7より !(t)!!(O) の値がl!ef乙減少する迄の,い わゆる緩和時間Tを求めると次のようになる圃 ナ50'Cニ480(min) ナ70'Cニ 255 Tlω'C二 180

3

.

5

動的特性 動的特性は岩本製作所製のデラックスタイプのスペク 卜ロメーターを用いて行なった. 図 81と装置の路凶を示す. 測定は常法 lとより,阪 ItJE。 の 正 弦 波 歪 を 試 料 に 与 〆'ー、、 '和6

2

4

t

(

hr

)

すなわち,複素弾性率を Eキとするとき ぴコ 巳4 0 ) 白103 "2d 立

E

10一一一-

o

20 40 60 放置時間 (min) 図

6

反応混合物の粘度変化 ネ一応力の振巾一一一 τ,...,.-w=:;:".-f...,および B 歪 の 振 巾

8

8

7

ワンショフト法ウレタンゴムの応力緩和曲線 PPG : EG=l : 0.5(モル比)

(6)

8

2

岡 本 Foree Deteetor 弘 Dynamic Deformation Detector Deformation Driver Statie Deformation Detector 図

8

粘弾性スペクトロメーター のこつの量を各周波数について測定し E'=E* cos Il E"=E本sinIl より動的弾性率Eにおよび動的損出E";を算出する. なお,位相差 BとE',E"との間には δ=tan-ι なる関係がある. 一般に複素弾性率E*は周波数 ωの関数になり,E* (ω)として表わされる.したがって粘弾性特性を複素弾 性率で表現するには ωの全周波数 (0~∞)についての Eキを知る必要があるが,本実験においては,便宜上ω の範囲を 1~100 CPS においた. 一般に複雑な波形の歪が与えられた場合でも,その波 形に周期性があればその波形をフーリエ級数に分解して 多数の高調波からとEる正弦波の和におきかえることがで きる.それら各周波数についての E

ω) の値が与えら れ』ば,各周波数成分の歪が応力にどのように変換され るかは次の式によって求まるので, 一一_E' ----~Eゲ I ~ __--- 700 C__

凶 仁

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-同 I 0.1 10 10' ω¥CjぷJ 国

9

E

'

E

tanoの周波数依存性 σ*=Eホ

ε

ホ Tこ官、し 0'* : ;複素応力 げ 複 素 歪 これらの応力波の和をとれば,与えられた歪波形に対応 する応力の波形が計算できるわけである. 図9,および図10に PPG: EG=l : 0.5(モル比)組 成のワンショット法によるポリウレタンの動的弾性率, 動的損失,および力学損失正切の周波数依存性,ならび に温度依存性を示す. 図9,10より,動的モジュラスは高温になるにつれて かなり低下していく ζとが分る. また,力学損失正切のピークは,周波数が増すにつれ て高温部へ移動することがわかる.

3

.

6

ビニルモノマーの添加が動的特性におよぽす影 響 電子吸引性置換基を有するピニJレモノマーは,アニオ ン系触媒の存在によりイソシアネートと共重合を行うこ

(

R句

BO qh E

コu

¥

11

0Cc0/C/S/5 5

¥

、、

"10C/S

"1 C/S tano

デぐミミ

110C/S 0 1 C/S 0.1 30 50 70 i品 度 C'C) 図10 E', E

tanoの温度依存性

(7)

変 性 ポ リ ウ レ タ ン の 物 理 特 性 83 ( 吋 とが筆者らによりみつけられているが.最近さらにこの 事実を裏書きする研究が Mobay.Chem. Co.の研究グ (6) ループにより発表された. 高温における動的特性の改良研究のーっとして,ワン νヨット配合系へビ、ニルモノマ を添加することは興味 ある問題であり,本実験においては,ピ、ニルモノマーと して TDIとの反応性,相溶性.操作性等の点から酢酸 ビ、ニJレ.アクリロニトリルを選ぴ添加を試みた. !こニノLモノマーの添加量は.

PPG

に対して

5

~20 重 量5訟で, 低分子量ジオールは添加していない. TDIお よび触媒の添加量は

2

.

5

1

こ準じて行なった. 表1, 21乙に酢酸ビニノレとアクリロニトリルを添加し たときの静的引張り特性を,また図111こ酢酸ビニル添加 物の動的特性を示す固 図10および図11の動的特性から,酢酸ビニノレを反応系 に添加すると高温時における損失正切が小さくとZる傾向 があることがわかる. 表

1

酢酸ヒニJレ添加試料の静的引張り特性

l

グ リ コ ー ル 成 分 中 の 3必 モ ジ ュ ラ ス │ 引 張 り 張 度 ; 伸 酢酸ビニJレ量 (wt鈎

'

l

g/cm2) (kg/cm2)

2

0

20 30 40 50 60 '(0 温 度 ("C) 図

1

1

酢酸ビニル (5必)添加ポリマーの 温度依存性

2

8

0

224 65 86

7

8

76 (J

r

s

)

8

0

86 86 度 一般にポリウレタン弾性体は,高温における動的性質 が悪い欠点を有しているが,これは主としてポワマーの '~~惰が水素絹台による二次的な化学結合にもとづくもの ごあって, 高温時において, これら二次結合が破壊さ れ,ポリマー主鎖の粘性流動を起すためと考えられる. 酢酸ピニル添加試料の粘性項が小さいことは,架橋が一 次結合的 lこ行なわれているものと考えられる. この推定を裏付ける実験として,反応系中 iζ添加され た酢酸ビ、ニルが単 lこホモポリマーの形でフレンドされて いる可能性があるかどうかを,試料をアセトンで48時間 ソックスレー抽出を行い,抽出物の赤外吸収スペクトノレ を調べた. この結果を表3および図12に示す. アセトン抽出量は,グリコール成分に対する酢酸ビニ ルの添加量が増しでも,殆んど一定で,岩塩板法による 抽出物の赤外スペクトJレは,ポリエーテルウレタンのそ れと同一である. この結果から,酢酸ビ‘ニルはポリマー中に単lζ ホモポ リマーの形で介在しているのではなく,共重合体として 介入しているものと推定される。

(8)

8

4

岡 本 表

3

酢酸ピニル添加試料のアセトン抽出試験 弘 グリコール成分への酢酸

I

ポリマー中の酢酸ビニ

I

ア セ ト ン 抽 出 量

I

抽 出 物 の IRS同 定 ピニル添加量 (wt必)

I

)レ理論含量 (wt%) (%) 5.0 3.49 0.45 ポリエーテルウレタン 10.0 7.09 0.53 11 20.0 14.66 0.60 11 c -

-

-

.

.

-

.

.

.

_

-

.

-

-

-

A U ' h u 渓 ) 附 材 現 制 問

ー一一一一酢酸ピニル添加試料(アセトン抽品物) ーーーーーーアクリロニトリ1レJ恭加試料(DMF)抽出物) li"'t l' い

¥

V

/

、¥.::,.,"

.

.

.

.

;

3600 2800 2000 1800 1600 1400 1200 800 i出 ; 数 (cm-1) 図

1

2

拍出物の赤外スペクトル(岩塩法) 表

4

アクリロニトリル添加試料の

D

M

F

キ拍出試験 1000 600 グリコール成分へのア

I

ポリマー中のアクリロー

IDMF

拙 出 量

I

抽 出 物 の IRS同 定 クリロニトリ-'レ添加量(wt トリル理論含量 (wt必)

I

(労) %) 5.0 I 3

.

4

9 0.90 ポリエ テJレウレタン 7.09 0.71 11 10.0 14.66 0.76 11 20.0 本ジメチノレホルムアミド また,ピ、ニルモノマーとして,アクリロニトリルを用 いた場合も,ジメチルホルムアミドによる拍出量はわづ かで,しかも抽出物の赤外スペクトルはポリエーテルウ レタンの波形を示し,アタリロニトリルの

-

c

圭 Nにも とづく, 2,320cm-1の吸収はみられない. これらを表

4

および図12に示す. したがって,アタリロニトリルの場合も,酢酸ピニル におけるのと同様に共重合体として介入していると考え られる.

3

.

7

ポリマーの7線処理 前記の実験結果lとみられるように,特定のビニルモノ マーを反応系に添加すると,そのモノマーは共重合体と なって系内に入ることがわかる. このようにして得られたポリマーに7線を照射すれ ば,ポリマー系内のピニルセグメント間1<:架橋が生じ. その結果としてモジュラスが増大すると考えられる. 本実験では便宜上,放射線照射で架橋型となる酢酸ピ ニルを添加して得られたポリマーについて,

r

線照射を 種々の照射条件下で試み,その静的物性を測定した,こ の結果を表51<:示す. この結果, γ線照射試料は非照射試料にくらべて. 3 %モジュラスおよび硬度が増大しており,アセトン抽出 量も減少している. これは7線照射により架橋が生じたた』めと考えられ る.予想される架橋点としては,酢酸ビニルユニット中 の a位の水素およびアセチル基中のメチル水素,ウレタ ン結合の窒素上の水素,ポリプロピレングリコールユニ ット中の a位の水素およびメチル水素などであるが,最 も活性な点は酢酸ピニルユニット中の水素と思われる. 一方,ポリエーテル成分は7線lとにより分解することも

(9)

変 性 ポ リ ウ レ タ ン の 物 理 特 性 85 表

5

酢酸ピニル添加ポリマーの Co.Oによる7線照射処理 7線 照 舟j 量 11 3必モジュラス I 引張り強度 伸 長 率

l

l

E

更 度 Iアセト(ン

m

抽出量判

l

抽ベ出ク物トのル赤分外 (r)

l

i

(kgjcm2) (kgfcm2)

i

(勿) (JIS) ス 析 3.7 74.1 5x10' 10.2 72.3 1X10. 8.7 67.2 5x10. 8.3 61.0 1x10マ 6.3 60.1 場グリコ- Jレ成分に対する酢重量ぜ= Jレ添加量5wt% 柿 48時間yヲ!J;;<v-抽出. 考慮されるが,本実験で行なった程度の照射線量では目 立った分解はみられない.しかし,照射線量を増すにつ れてモジュラスが低下し,アセトン抽出量もふえる傾向 からみて,照射量lζは適量値があろう.

4

.

結果検討 従来のプレポリマー法によるポリウレンタン化反応 は,多宮能のイソシアネートとアルコールまたはアミン からは)-(4)式で示される薫付加が行なわれる. H 0 1 11 ー- N = C = O + H O一司r一一N-C-O--- (1) (ウレタン結合) H 0 H 1 1 - N = C = 0 + H2Nー 一一司- N - C - H - -ー 12) (ウレア結合) H 0 H 1 11 1 --N-C-N一一一 + 0ニC=N-一ー一司 H 0 0 H 1 1 11 - N - c - ? cー ト (3) (ビューレット結合) H 0 1 11 一一-N-C-O一一一+O=C=N一一一→ H 0 0 1 11 11 ー一-N-C-N-Cー0-一一

(

4

)

(アロファネート結合) しかし,ウレタンまたはウレアの生成反応は (5)~(6)式 のように可逆反応である. R1-N=C=0+HO-R2

+

:

'

:

R 1 -N H C 0 0 R

(5) R,-N=C=O十日, N-R.ご R1-NHCONHR. (6) 168 110 110 102 94 86 0.45 ポリエーテ 91 0.12 11 90 0.32 11 91 0.36 11 91 0.39 h したがって,ポリマー主鎖中にζのような熱的に不安 定な結合が高濃度で存在することは好ましくない. 一方, イソシアネートの三量化反応は(7)式の如く起 札不可逆反応である. 3

R-N=C=O → 0 1 1 R ¥ / C ¥ / R N N

/C"'

To.

T/C

C'/ 'N/ "0

R

この反応で生成するイソシアヌレート環は熱的にもき わめて安定である所から,ウレタン化反応過程 lζ イソシ アヰートの三量化反応を入れることは,生成ポリマーの 耐熱性にとって好ましいことである. これまでに,イソシアネートの三量化触媒として種々 (7) (8) の有機金属化合物やアルコラートが有効である乙とが報 告されている.最近.Jonesは種々のアルキレンオキシ ド中で, ピリジンを触媒としてアリルイソシアートの三 量化反応を行なった.この場合の触媒機構は,エポキシ ドがピリジンと反応してエポキシドが関環し 1 1 EBN-C-c-oe 1 型の反応生成物が触媒種になっているものと組像されて し、る. 本実験K使用した三級アミンとエポキシ化合物の共触 媒系の作用も機構的には Jonesのものと類似している と恩われるが, トリエチレンジアミンのような求核性の 強いアEンを用いたLめ,触媒活性はいちじるしく強力 である.したがって,図5にもみられるように自己発熱 反応のため,配合によっては加熱するζとなしにゲルイじ するものもある. このように活性度の大きな触媒を用いた場合でも,イ ソシアネートとアルコールの反応は,両者によるウレタ ン化反応とイソシアネート自身の三量化反応との競争反

(10)

弘 NCO基と OH基によるウレタン結合の生成が18i式で示 占れるように起ったのちに残存する NCO基の三量化反 応が(9)式のように追従じて起ると考えられる.

3

.

2

の実験におけるエチレングリコール等の低分子グ 本 応であり,これまでに知られている活性化エネルギーの 値からみて,ウレタン化反応が三量化反応に優先してい ると思われる。したがって,グリコールとイソシアヰー トの調製時における当量関係から,先づ第1段階として 岡 86 ロ U H

)

一 ぺ り

O

可 、 ト 3

七 [ (

c

i

q

レ 一 / 2 モ H

C

I

O

H

o

c

け Uwly--&

戸 ( ) ﹀ ル

γ

l

/

一 モ

I

H

N

2

c

=

c

o

十 (9) CH3~ ~_CH ,

J

0

1

_

_

_

i

0

T "

(8) O=C=N

-

-

-

-

N_f._O_(-CH,-CH-O-)n-C-N ....

)

-

-

^

'

1

¥

l-r=

1

11 、 I

R

.

I

.

-

,,-~ ~ H'

0

~ CH

u

tl

lTDI

付 加 体 (1)

O

"

"

r

.

点 ¥ げ

o

0

R

....tI'

-よ 上

11 ..>JJ-N

N

.

.

.

.

.

.

V>...

N

:

"

.

.,rtl'l,CY'洲町W...C...N~. トームn

J

l

J..ム O"""V~ - 可

U

v OÇ!'-'ヘN''''~、0 主

OhC/NydO ぷ

N

C

.

.

.

.

.

.

.

N

一ーー一一ー→ n

(

1

)

一 一C 一 一N

-R 十 G l NiR O ぃ 日 C

X

X-CH

-CH8十CH.,=CH 歩 R

R

~ー CH

-

CH8

R

生長反応; H C R 一 一 H C 十

e

-NIR OIC 一一一C H2ーCH8 R

共重合; リコール成分を高分子グリコール成分に併用した理由 は, 反応が

(

8

)

(

9

)

式のように

2

段階に進u'ものとすれ ば, (9)式にみられるようなシアヌレート環(架橋点とな る)の問に更に低分子グリコール イソシアネート付加 体(ウレタンジイソシアネート)が同様にシアヌレート 環を形成しつ〉介入して行くことになり.その結果,架 橋密度が増大することになる. この結果は高分子グリコール単独使用のものに比較し て.モジュラスがいちじるしく増加していることからみ ても明らかである.この研究の一つの特徴は,従来のワ ンショット重合系にピ、ニノレモノマーを添加したことで. (5) これは以前に筆者が行なった実験と触媒系が類似してい ると乙ろから試ろみたものである.すなわち, 3級アミ ンまたは有機金属化合物のうち特定のアニオン系触媒を 用いるとイソシアネートが或る種のビニJレモノマーと共 (6) 重合を行なうことで,この機構は仰)式のように起る. ↓

o

- 一

C 一 一NIR 十 θ H 2 C R H C 乙の機構 l亡従えば,

3

.

6

の実験における酢酸ビ、ニルや 0 11 X8十Rェ N=C=O→ X -C-N8

R

X8十C H2=CH→ X-CH2-CH8

R

R

2 開始反応;

(11)

変 性 ポ リ ウ レ タ ン の 物 理 特 性 87 アクリロニトリルはTDIもしくはグリコール -TDI付 加体と共重合を行なう可能性がある.なお.モノ7ーの 反応性によってはブロックポリマーとなることも考えら れる. 溶剤抽出により混合ポリマ一系からビニル化合物のホ モポリマーが抽出きれなかったことから,添加されたビ ニルモノマーは何らかの形で,ポリマ一系内 lと介入し, それが物性の向上に寄与していると恩われる.

5

.

あとがき ポリウレタンの大きな欠点である高温特性を改良する ため,アミン エポキシ共触媒系 tとよりワンショット的 にエラストマーを合成し,種々の力学特性を測定した. 架橋密度調整のために低分子グリコールを更に添加した 場合や,特定のピニルモノマーを添加した場合lこ力学的 諸特性が改良されることを認めた. 本報においては,大略の物性チェックの結果報告にと すめ,詳細な反応機繕ならびに機構論的な検討は別に論 ずる予定である. 参 考 文 献

(1) L.A. Dickinson, Rubber Age., 82 91(1957) 2)岩倉編,近代工業化学, 17 453(1966) H. Okamoto, et al, Chem. Abst., 59 6540(1963) H. Okamoto, et al.ibid., 59 7675(1963) H. Okamoto, et al, ibid., 59 7678(1963) H. Okamoto, et al, ibid', 59 14173(1963) H. Okamoto, et al, ibid., 60 16009(196

(3) I.M. Kolthoff., Volumetric Analysis., Vol.III,

Chap. IX. Interscience, New York (1957) (4) Ogg, Ind. Eng. Chem., Anal.Ed., 17 394(1945) (5) H. Okamoto, et al, Japan Patent., 7146/63(1963)

H. Okamoto, et at, Chem. Abst., 64 16009(1966) (6) R.A. Godfrey, et al, Polymer Preprint., 10 No.

1 218(1969) (7) たとえば W.J. Balon, U.S.P. 2801, 244(1957) (8) たとえば A. Michael, Ber., 38 764(1905) (9) J. Jones, J. Chem. Soc., 1957 4392

参照

関連したドキュメント

整合性 + 繁殖性 モジュラーカット除去 厳密性 + 繁殖性

危険有害性の要約 GHS分類 分類 物質又は混合物の分類 急性毒性 経口 急性毒性 急性毒性-吸入 吸入 粉じん 粉じん/ミスト ミスト 皮膚腐食性

定可能性は大前提とした上で、どの程度の時間で、どの程度のメモリを用いれば計

コロナ禍がもたらしている機運と生物多様性 ポスト 生物多様性枠組の策定に向けて コラム お台場の水質改善の試み. 第

必要量を1日分とし、浸水想定区域の居住者全員を対象とした場合は、54 トンの運搬量 であるが、対象を避難者の 1/4 とした場合(3/4

条例第108条 知事は、放射性物質を除く元素及び化合物(以下「化学

SST を活用し、ひとり ひとりの個 性に合 わせた   

発するか,あるいは金属が残存しても酸性あるいは塩