製品安全政策の概要と最近の動向
平成30年11月26日
1.製品安全行政の概要
1.1 製品安全4法の概要
1.2 重大製品事故報告・公表および原因究明
2.製品事故防止に向けた取組の促進
2.1 政府による広報活動
2.2 ESG投資を活用した企業への投資促進
3.製品安全政策の最近の動向
3.1 社会動向に合わせた規制の見直し
3.2 インターネットモール事業者との連携
3.3 製品安全行政の合理化・電子化
製品安全4法の概要
製品安全4法では、危害発生のおそれがある製品を指定し、製造・輸入事業者に対して国が定め た技術基準の遵守を義務付け。 製造・輸入事業者は、技術基準適合義務(自主検査)を履行し技術基準を満たした製品にP Sマークを表示(○PSマーク)。 危害発生のおそれが高い特別特定製品等(◇PSマーク)については、自主検査に加え、国に 登録した検査機関の適合性検査を受検。 販売事業者等はPSマーク表示がない製品を販売・陳列してはならない。 電気用品安全法(電安法)(457品目) 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(液石法)(16品目) ガス事業法(ガス事法)(8品目) 消費生活用製品安全法(消安法)(10品目) ライター、レーザーポインタ、乳幼児ベッド、石油ストーブ LEDランプ、延長コード、エアコン、冷蔵庫、電子レンジ等 ガス瞬間湯沸器、ガスこんろ、ガスふろがま 等 カートリッジガスこんろ等 国 が 指定品目 ・ 技術基準 を 規定 技術基準適合義務 事業開始 の 届出 登録検査機関 において 適合 性検査 を 受検 PS マークがない 製品 の 販売 ・ 陳列 を 禁止 義務 を 履行 した 製品 に PS マークを 表示4 【・特定~(◇)︓登録検査機関による適合性検査が必要 ・その他(○)︓自己確認が必要】
違反件数 (国の対応によるもの)
• 平成29年、製品安全4法に抵触するものと経済産業省が確認した違反件数は計380件。 • 違反事業者に対し、ヒアリングや立入り検査を実施し、口頭での注意や、改善を促す文書を発出する等により、 違反状況の解消に向けた指導を行った。 違反件数の推移 違反情報の入手端緒(平成29年) 試買テスト NITE立入検査 自治体立入検査 情報提供 自己申告 その他 137 71 5 86 68 13 電安法 ガス事法 液石法 消安法 計 H25年 235 0 4 80 319 H26年 218 2 4 61 285 H27年 258 3 11 27 299 H28年 315 4 9 34 362 H29年 330 1 16 33 380 違反が多かった主な製品 (電安法)直流電源装置、リチウムイオン蓄電池 、LED電灯器具 (消安法)携帯用レーザー応用装置 、乗車用ヘルメット (ガス事法)開放燃焼式ガス瞬間湯沸器 (液石法)カートリッジガスこんろ 、屋外式ストーブ<参考>違反対応の根拠条文(電気用品安全法の場合)
第3条 事業の届出 第8条第1項 技術基準適合義務 第8条第2項 検査義務、保存義務 第9条 適合性検査義務 第10条 PSマーク表示義務 第27条販売の制限 第12条 表示の禁止 第11条 改善命令 第42条の5 危険等防止命令 遅延理由書を添えて届 出を行うこと 技術基準に適合させる こと 適正な検査を行うこと 適合性検査を実施す ること 履 行 行政指導 法律(電気用品安全法) 不 第58条 30万円以下の罰金 (法人重課) 30万円以下の罰金 第57条第2号、6号 1年以下の懲役若しくは 100万円以下の罰金 第59条第1号 (法人重課) 1億円以下の罰金 不 履 行 不 履 行 不 履 行 不 適 正 適正な表示を行うこと 履行 履行 履行 履行 命令違反 刑事告発 適正 刑事告発 自治体の法定受託事務 指導に従わない場合等 行政命令 刑事罰 指導に従わない場合(無届、虚偽)等刑事告発 命令に従わ ない場合 刑事告発 指導に従わ ない場合等 第57条第3号 1年以下の懲役若しくは 100万円以下の罰金 第59条第1号 (法人重課) 100万円以下の罰金 家宅捜索逮捕 書類送検起訴 自治事務:消費生活用製品安全法、ガス事業法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律 事実上の流通・販売停止 製品の回収命令 販売・陳列可能 改善命令、表示の禁止は 経済産業局に委任重大製品事故報告・公表制度(消費生活用製品安全法の制度)
製造・輸入事業者が重大製品事故の発生を知ったときは、10日以内に消費者庁に報告することを義務付 け。(消安法第35条) 販売事業者等が知ったときは、製造・輸入事業者に通知する責務がある。(消安法第34条第2項) 消費者庁は当該事故情報を迅速に公表。経済産業省は、NITEに対して原因究明調査を指示。 (消安法第36条) 調査結果は改めて公表し、注意喚起や命令・指導を行うことによって、再発防止を図る。 製造・輸入事業者報告義務
※平成21年9月より、重大製品事故情報の収集・公表を消費者庁が担当、事故原因究明等を経済産業省が担当。 死亡、重傷(治療期間30日以上)、 火災(消防が確認したもの)、CO 中毒、後遺障害を伴う製品事故 重大製品事故 の発生 販売事業者 通知の責務 消費者庁事故情報の公表
消費者庁が一元的 に報告を受付 経済産業省原因究明
指示 報告 NITE (製品評価技術基盤機構)原因究明調査
調査結果
の
公表
注意喚起
・
命令
・
指導
重大製品事故件数の推移
0 300 600 900 1200 1500H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29
●平成29年の重大事故件数は前年度より59件増。
受付件数1424
その他
電気製品
石油機器
ガス機器
1227
1142 1112 1137
984
915 895
814
873
(前年比+59
件)● 平成29年の重大製品事故は、873件 ● 死亡事故は35件(平成29年の食中毒による死者は3名) ● 過半数が電気製品による火災 死亡 治療期間重傷 30日以上 火災 一酸化炭素 中毒 計 燃焼器具 10 4 155 3 172(20%) ガス機器 2 2 94 3 101(12%) 石油機器 8 2 61 0 71(8%) 電気製品 14 21 558 1 594(68%) その他 11 74 22 0 107(12%) 合 計 (4%)35 (11%)99 (84%)735 (0%)4 (100%)873
平成29年の重大製品事故件数
重大製品事故件数トップ5 エアコン 53件 電気ストーブ 47件 石油ストーブ 37件 ノートパソコン 36件 ガスこんろ 34件● 重大製品事故は全て原因を分析し、結果を経済産業省のホームページで公表 ● 製品そのものが原因となった事故のほか、誤った使い方やメンテナンス不足による事故も多数発生 製品起因 経年劣化 修理不良設置・ 誤使用・不注意 偶発的事故等 原因不明 調査不能 2982件 595件 369件 2160件 2610件 1911件 46件 26% 5% 3% 19% 23% 17% 0% 製品起因 26% 経年劣化 5% 設置・修理不良 3% 誤使用・不注意 19% 偶発的事故等 23% 原因不明 17% 調査不能 0%
重大製品事故の原因分析
● 毎年11月の「製品安全総点検月間」に合わせ、経済産業省、自治体、NITE、 事業者等がそれぞれの立場で製品安全に関する情報提供・注意喚起を実施 ○経済産業省・NITEの主な取組 製品安全総点検セミナーの開催 製品安全に関するポスターの掲示 中小企業向けの情報発信 HP等を通じた製品安全に関する情報発信 等 ○賛同いただいた自治体・民間企業等の主な取組 市役所ロビー等での啓発イベント開催 HPや販売店舗での製品安全総点検月間の周知 地域情報紙等でのリコール・製品安全に関する周知 自社主催イベント等での製品安全に関する情報発信 製品安全に関する講演会開催・番組作成 等
製品安全総点検月間・民間や団体との連携
平成30年度ポスター● 製品安全に積極的に取り組んでいる製造・輸入・小売事業者、 各種団体を「製品安全対策優良企業」として表彰。 ●事業者の製品安全に関する取組を評価し、 安全に向けた意識の向上を促進。 ●平成19年度に開始され、 12回目を迎える平成30年度の受賞企業は以下のとおり。 平成30年度の受賞企業 ○経済産業大臣賞 ・パナソニック株式会社 アプライアンス社 ランドリー・クリーナー事業部 ・株式会社ニトリホールディングス ・株式会社大一電化社 株式会社バンダイ YKK AP株式会社 製品安全対策ゴールド企業(大臣賞を3回受賞した企業)
製品安全対策優良企業表彰(PSアワード)
上新電機株式会社 株式会社イトーヨーカ堂 株式会社相田合同工場アキュフェーズ株式会社 製品安全対策優良企業表彰に関する情報をメールでお届けします。 配信登録はメールで! 件名:「メルマガ登録」 詳しくはWEBページを ご確認ください。 ○技術総括・保安審議官賞 ・株式会社リコー ・パナソニックホームズ株式会社 ・有限会社ナルデン ○優良賞 ・株式会社千趣会 ・株式会社幸和製作所 ・株式会社ヨシカワ ライフスタイル事業部 ○特別賞 ・一般社団法人日本サッシ協会 ・ヤマトロジスティクス株式会社 ・株式会社友和【参考】ESG投資
※を活用した企業への投資促進
● 製品安全に積極的に取り組む企業は投資先として評価が高くなる傾向にあるが、 多くの企業は取組を評価するための投資家向けの効果的な情報発信が不足。 ● 投資家の関心が高い「統合報告書」に着目し、統合報告書の優良事例の分析・発信や、 政府が取り組む表彰等の投資判断の参考となる情報を周知することで、 安全先進企業への投資が促進される施策を検討。 限られた統合報告書の紙面において、掲載する/ しない、分量の基準は投資家などの読み手の ニーズにより変わる 投資家が統合報告書において、どのような情報を 求めているか分からない 統合報告書の作成に慣れておらず、同業他社の 動向などから手探り状態の企業も存在 評価機関 現時点でも安全性に対する肯定的な評価も一 部では試みている しかし判断に必要な情報は十分でなく、より詳細 な情報が欲しい 投資家サイドからの要望があれば、評価機関とし ては評価の観点に組み込むことも検討の余地が ある 現状の企業による情報発信では検証が困難 評価の提示 情報開示 評価・投資 情報開示 投資家 投資家からの意見 評価機関からの意見 政府 統合報告書などの 作成のポイント及び 優良事例を発信 働きかけ 働きかけ 政府の表彰制度など、 見るべき観点を 発信・啓発 働きかけからの派生 投資家が評価機関に働きかけを開始 当事者 企業 働きかけからの派生 業界内でベストプラクティス が派生的に広がる 11 メーカーからの意見1.通達改正の背景 ① 電安法の規制対象品については政令で定義され、運 用上の詳細は、通達において公開されているが、モ バイルバッテリーの対象・非対象については、改正 前の通達ではどちらとも読める内容。 ② しかしながら、モバイルバッテリーについては、近 年、事故が急増しており、また電子機器の外付け電 源として用いられるリチウムイオン蓄電池そのもの と解されることから、今回、通達を改正し、規制対 象であることを明確化した。 2.経過措置期間 今回の規制対象化にあたり、モバイルバッテリーの製造・輸 入事業者には、技術基準適合や、出力電圧・外観について の全数検査等が新たに義務付けられ、販売事業者にはPSE マークの付されたものの販売が義務付けられる。 事業者の準備状況を踏まえた結果、平成31年1月31日 までの1年間を経過措置期間とし、この間は、これまでの扱 いによることもできることとする。 ※改正・経過措置期間のスケジュール 出典:平成28年度 事故情報収集・調査報告書、平成29年10月、製品評価技術基盤機構(NITE) ●近年事故が多発している、いわゆるモバイルバッテリーについては、電子機器類の外付け電源として用いられる リチウムイオン蓄電池そのものであると解されることから、平成30年2月1日付けで通達[注]を改正し、 電気用品安全法の規制対象化(経過措置1年間) [注]電気用品の範囲等の解釈について(平成24・03・21商局第1号)※商務流通保安審議官通達 ※非重大製品事故を含む