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氏名(生年月日)
本 籍
学位の種類
学位授与の番号
学位授与の日付
学位授与の要件
学位論文項目
論文審査委員
(113)
イケ ナカ ハル ミ
池中晴美(昭和3
博士(医学)
乙第1361号
平成5年3月19日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
進行性筋ジストロフィーにおける血中筋漿酵素活性に関する研究
第1編:Duchenne型筋ジストロフィーにおけるGOT, GPT,正DH, CK活
性値の経年的推移およびGOT・GPT、相互間の相関に関する研究
第2編:先天性筋ジストロフィーにおけるGOT, GPT,』L、DH, CK活性値の
経年的推移
(主査)教授 福山 幸夫
(副査)教授 丸山 勝一,高桑 雄一
論 文 内 容 の 要 旨
目的
小児期発症筋ジストロフィーにおける血清酵素
〔GOT, GPT, LDH,クレアチンキナーゼ(CK)〕値
の加齢に伴う経年的推移,及びGOT・GPT相関の臨
床的意義を明らかにする事を目的とした.
対象と方法
対象はDuchenne型筋ジストロフィー(DMD)75例
(採血時年齢生後2日~20歳),先天性筋ジストロ
フィー(CMD)1型68例(4ヵ月~14.5歳). II型2例
(2.5~7.5歳),III/IV型11例(6ヵ月~21.5歳).各酵
素活性値と年齢との相関の検討に当っては,分散の安
定化を図るために,各酵素値の対数変換を行った.ま
た酵素値を常用対数で表し,年齢との相関回帰曲線を
算出した.GOT値とGPT値の相関は,小児期を5年
毎の3期に分けて検討した.
結果
1)DMDとCMDの酵素活性値はほぼ同様の経年
的推移を示した.すなわち各酵素とも新生児期すでに
異常高値を示し,2歳頃まで徐々に上昇,3~6歳の
間ピーク値を維持し,その後急速に下降した.
2)DMDの酵素値は, CMDのそれより高値であっ
た(GOT 3倍, GPT 6倍, LDH 2倍, CK 4倍),
3)常用対数を用いたDMD酵素値と年齢とは,以下
の如き強い負の相関を示した.但しA=GOT, B=
GPT, C=LDH, D=CK, X=年齢(歳),
log三〇A=2.538-0.060X, r=一〇.763
10910B=2.658-0.069X, r=一〇.782
10910C=3.459-0.055X, rこ一〇。809
豆ogmD=4.583-0.102X, r=一〇.821
CMD I型についても同様の相関が認められた.
4)CMDにおけるGOT値(Y)とGPT値(X)の
相関は次の如くであった.
(i)5歳以下 Y=0.67X+77.80, FO.711
(ii)5.5-10歳 Y=0.77X十34.97, r=0.769
(iii)10.5歳以上 Y=0.48X十24.60, r=0.746
5)慢性肝炎パターン(GOT〈GPT)が, DMDの
50%,CMDの20%の例に認められた.
考察ならびに結論
DMD, CMDにおける血清筋漿酵素値の乳幼児期に
おける検討は少ない.今回新生児例を含め,各酵素値
の経年的推移と同一症例ごとの経時的変化を検討し,
年齢との間に負の相関を認めた.GOT, GP’:r高値から
肝炎と誤診された乳児例がかなりあるが,両酵素活性
上昇度の相対比較は肝疾患・筋疾患の鑑別に有用でな
く,CK値を同時に測定する必要がある.
一982一
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論 文 審 査 の 要 旨
Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)における高CK血症の自然歴については,従来若干の研究があった
が,何れも機能障害度III度以上の,いわば中期および末期に関する研究であった.またDMD機能障害の自然
歴そのものが,近年著しく改善されている.本研究は,この変貌した最近のDMD患者を対象とし,特にpre-
clinical stageおよび病初期に属する新生児期・乳幼児期を含めた全生涯に亘るGOT, GPT, LDH, CK各活
性値の自然経過を解析した.更に先天性筋ジストロフィーについて同様の解析を行い,経年的推移を明らかに
したが,このような研究は世界で初めてのものである.
本研究は,両疾患の病態生理の解明に寄与する所が大であり,臨床上・学術上価値ある研究である.・
主論文公表誌
進行性筋ジストロフィーにおける血中筋漿酵素活性
に関する研究
第1編:Duchenne型筋ジストロフィーにおける
GOT, GPT, LDH, CK活性値の経年的推移およ
びGOT・GPT相互間の相関に関する研究
第2編:先天性筋ジストロフィーにおける
GOT, GPT, LDH, CK活性値の経年的推移
東京女子医科大学雑誌 第62巻 第11号
1175-1184,1185-1196頁(平成4年11月25日発
行)
副論文公表誌
1)利尿剤にてコントロール困難な浮腫に対し
ECUMを施行したネフローゼ症候群への一考
察.関東小児腎研会誌 4(1):10-21(1988)
池中晴美,服部元史,長田道夫,伊藤克己
2)VSD, ASDに伴い呼吸不全を呈した胸部腎の
1例.小児診療 53(3):524-530(1990)池中
晴美,西畠 信,片山博視,富松ふみ子,相羽
純,中沢 誠,高尾篤良,今井康晴,都もと子,
新井敏彦,仁志田博司,村杉寛子,福山幸夫
3)Fukuyalna type congenital progressive mus.
cular dystrophy. Acta Paediatr Jpn 33(2):
261-269(1991)Osawa M,Arai Y, lkenaka H,
Murasugi H, Sugahara N, Sumlda S, Okada
N,Shishikura K, Suzuki H, Hirayama Y,
Hirasawa K, Fukuyama Y, Tsutsumi A, Ito
K,Uchida Y
4)多彩な臨床症状を呈した乳児重症型cyto・
chrome C oxidase欠損症の1例.臨と研
68(9):2858-2869(1991)金井信子,大澤真木
子,中野和俊,宍倉啓子,鈴木賜子,新井ゆみ,
杉江秀夫,今井 薫,上田 哲,川村眞由美,
猪野雅孝,池中晴美,小林由美子,横田和子,
福山幸夫,松本 勇,久原とみ子
5)熱性けいれん再発予防としてのジアゼパム坐剤
の使用方法について.小児臨45(1):
33-39(1992)秋岡祐子,粟屋 豊,地中晴美,
福山幸夫
6)東京都内一地域病院における小児感染症の実態
一CRP値との関連について一.小児臨
45(1):147-153(1992)伊藤圭子,粟屋 豊,
池中晴美,渡辺洋子,山下知子
7)先天性筋ジストロフィー症,特に幼少例におけ
る下腿筋CT値変化について.厚生省精神・神
経疾患研究委託費 筋ジストロフィーの臨床病
態と遺伝及び疫学に関する研究 平成2年度研
究報告書:227-230(1991)福山幸夫,新井ゆみ,
大澤真木子,炭田澤子,宍倉啓子,鈴木陽子,
平澤恭子,須賀原信子,池中晴美,斎藤加代子,
平山義人
8)先天性筋ジストロフィー症における先天異常要
因に関する研究.第2報:皮膚紋理について.
厚生省精神・神経疾患研究委託費 筋ジストロ
フィーの臨床病態と遺伝及び疫学に関する研究
平成2年度研究報告書:217-221(1991)福山幸
夫,炭田澤子,大澤真木子,池中晴美,須賀原
信子,村杉寛子,平澤恭子,新井ゆみ,鈴木陽
子,宍倉啓子,斎藤加代子,平山義人
9)先天性筋ジストロフィーの筋組織におけるジス
トロフィンの研究.厚生省精神・神経疾患研究
委託費 筋ジストロフィーの臨床病態と遺伝相
談及び疫学に関する研究 平成3年度磁心報告
書:281-285(1992)福山幸夫,池谷紀代子,斎
藤加代子,山内あけみ,池中晴美,石井のぞみ,
近藤恵里,坂内優子,三島真弓,高橋里恵子,
原田隆代,大澤真木子
一983一