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生物活性を有する炭素環プリンヌクレオシド類の合成研究

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Academic year: 2021

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Title

生物活性を有する炭素環プリンヌクレオシド類の合成研究(

内容の要旨(Summary) )

Author(s)

古崎, 敦史

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第186号

Issue Date

2002-09-11

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/1907

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位記号番号 学位授与年月日 専 攻 学位論文鼻 目 古 崎 敦 史 (愛知県) 博 士(工学) 甲 第 186 号 平成14年 9月11日 物質工学専攻 生物活性を有する炭素環プリンヌクレオシド顆の合成研究 (Studie$OnSynthe8i$Ofc血bocyclicpurinemcleosides po$$eSSingbiologic&laL!tiYitie8) 学位論文審査委貞 (主査)教 授 北 出 幸 夫 (副査)教 授 西 川 一 八 教 授 清 水 洋 助教授 上 野 義 仁

論文内容の要旨

天然型ヌクレオシドの糖部や塩基部が修飾されている化合物臥一般に修飾ヌクレオシ ドと呼ばれる。これら修飾ヌクレオシド臥抗腫瘍、抗ウイルスなど様々な生物括性を有

するものが多い。この修飾ヌクレオシドの一つとして炭素環ヌクレオシドがあげられる。

炭素環ヌクレオシドと臥天然型ヌクレオシドの糖部フラノース環内の酸素原子を炭素原 子で置換した化合物であり、これらも様々な生物活性を有している○この炭素環ヌクレオ シドの中には、9adenosyl・L・homocysteine(SAH)hydrolaseを阻害するものがある。SAH hydrolaseは、生体内メチル化の際に生成する化合物であるSAHを、adenosineと L・homocysteineに加水分解する酵素である。生体内のメチル化は細胞増殖にとって必須で

あるが、ウイルスもこのメチル化機構を利用して増殖してい寧。また、非感染細胞と比べ

て感染細胞の方がメチル化速度が速いと考えられるため、メチル化反応の阻害が抗ウイル

ス作用につながると考えられている。SAHの蓄積は生体内メチル化を阻害するが、通常

はSAHhydrolaseにより加水分解されるためSAHは蓄積しない。SAHhydrolaseの阻害 はSAHの蓄積を生じるため、ウイルス増殖を抑制できると考えられる○このため、SAH

bydrola点eが抗ウイルス剤などの標的酵素とされている。

一方、マラリア原虫は、原虫自身のSAHhydrolaseを使って増殖すると考えられている。

このためマラリア原虫のSAHhydrolaseを選択的に阻害する阻害剤が得られれば、その

阻害剤は抗マラリア薬となる可能性がある○

そこで本研究では、ヒトおよび月ねぷ皿0血皿鬼極肌皿(月血壇如几血マラリア原虫)

SAHhydrolaseを標的酵素として選び、分子設計・合成した炭素環ヌクレオシド類のそれ

ぞれのSAHhydrolaseに対する阻害活性を調べ抗マラリア薬開発の可能性を論じている。

(3)

-8-第1章では、種々の炭素環ヌクレオシド類の合成法、SAHhydrolaseの生体内における

役割、加水分解機構や、阻害剤による阻害機構など、本研究を遂行するにあたっての背景

を記述している。

第2単においては、炭素環ヌクレオシドであるnoraristeromycinの塩基部を修飾した

種々の誘尊体(8・bromo、8・ふethyl、2・amino、2・bromo、2・methyl、8・aZa・7・deaza)の合

成、およびそれらのヒトおよびP鬼血如z・Z)mSAHhydrola8eに対する阻害活性を測定し

ている。その結果、塩基部2位をアミノ基で置換した2・aminonorariBterOmyCinがP

Jak*ammSAHhydrolaseに選択的阻害括性を示すことを確認している○

第3章においては、nOraristeromycinの糖部修飾を行い、同様に得られた化合物のヒ

トおよびP應均ammSAHhydrola8eに対する阻害活性を測定している。さらに、P

鬼血如mmSAHhydrolaseに阻害括性を有する化合物の抗マラリア括性の測定を、岡山

大学の綿矢教授に依頼し、これら化合物(noraristeromycin4一・ePimerおよびDHCeA)が、 弱いながらも抗マラリア楕性を示すことを確認している。また、DHCeAの合成途中に得

られる中間体と塩基との反応では、塩基の性質により反応点が異なることを見出している。

それらの結果、中間体が糖部修飾体を合成する際に有用な前駆体となることを見出して」、

る。 一方、有効な阻害剤を合成する上で、活性部位のアミノ酸残基の特定が重要な情報とな る。そこで、SAHhydrolaBeの酒性部位探索物質の合成および得られた化合物のSAH 毎drolaseに対する粗害効果について検討している。先の中間体を出発原料として、糖部 にエポキシ基を有する化合物(3■,4●・anhydronoraristerdmycin)を合成している。さらに、 本化合物がSAHhydrolaseに選択的に取り込まれ、SAHhydrolaseを阻害することを示 している。本化合物のヒトSAHhydrola$eに対する阻害形式は、瀕一次反応に従うこと が示され、その血.dが0.55min・1、属が12.4匹Mであることが示されている。 第4章では、第2章および第3章の内容をまとめ、SAHhydrolase阻害剤が抗マラリア 薬開発するためのシpド化合物になりうること、マラリア原虫SAHhydrolaseの阻害試 験が抗マラリア薬開発のための一次スクリーニングに利用可能であることなどを示すと ともに、今後の課題・展開等について述べている。

論文審査結果の要旨

天然型ヌクレオシドの糖部や塩基部が修飾されている化合物は、一般に修飾ヌクレオシ

ドと呼ばれる。これら修飾ヌクレオシドは、抗腫瘍、抗ウイルスなど様々な生物括性を有

するものが多い。この修飾ヌクレオシドの一つとして炭素環ヌクレオシドがあげられる。 炭素環ヌクレオシドとは、天然型ヌクレオシドの糖部フラノース環内の酸素原子を炭素原 子で置換した化合物であり、これらも様々な生物活性を有している。この炭素環ヌクレオ シドの中には、9adenosyl・L・homocysteine(SAE)hydrolaseを阻害するものがあるoSAH

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あるが、ウイルスもこのメチル化機構を利用して増殖している。また、非感染細胞と比べ

て感染細胞の方がメチル化速度が速いと考えられるため、メチル化反応の阻害が抗ウイル

ス作用につながると考えられている。SAHの蓄積は生体内メチル化を阻害するが、通常

はSAHhydrolaseにより加水分解きれるためSAHは蓄積しない。SAHhydrolaseの阻害

はSAHの蓄積を生じるため、ウイルス増殖を抑制できると考えられる。このため、SAH bydrolaseが抗ウイルス剤などの標的酵素とされている。

一方、マラリア原虫は、原虫自身のSAHbydrolaseを使って増殖すると考えられている。

このためマラリア原虫のSAHhydrolaseを選択的に阻害する阻害剤が得られれば、その

阻害剤は抗マラリア薬となる可能性がある。

そこで本研究では、ヒトおよび月ね点戊∂粛山刀点均肌皿(月飽和如肌Ⅷ;マラリア原虫)

SAHbydrolaseを標的酵素として選び、分子設計・合成した炭素環ヌクレオシド類のそれ

ぞれのSAHbydrolaseに対する阻害括性を調べ抗マラリア薬開発の可能性を論じている。

第1章では、種々の炭素環ヌクレオシド類の合成法、SAHhydrolaseの生体内における

役臥加水分解機構や、阻害剤による阻害機構など、本研究を遂行するにあたっての背景

を記述している。

第2章においては、炭素環ヌクレオシドであるnoraristeromycinの塩基部を修飾した

種々の誘導体(8・bromo、8・methyl、2・amino、2・bromo、2・methyl、畠・aZa・7・deaza)の合

成、およびそれらのヒトおよび月鬼極点m皿SAHbydrola8eに対する阻害活性を測虚し

ている。その結果、塩基部2位をアミノ基で置換した2・aminonorariBterOmyCinがP

應血如m皿SAHbydrola月eに選択的阻害活性を示すことを確認している。

第3単において臥norari8terOmyCinの糖部修飾を行い、同様に得られた化合物のヒ トおよび月虚血如m皿SAHhydrola8eに対する阻害活性を測定している。さらに、月

鬼血如′∽かSAHbydrola8eに阻害活性を有する化合物の抗マラリア括性の測定を、岡山

大学の綿矢教授に依頼し、これら化合物(norari8terOmyCin4・・ePimerおよびDHCeA)が、 惑乱、ながらも抗マラリア括性を示すことを確認している。また、DHCeAの合成途中に得 られる中間体と塩基との反応では、塩基の性質により反応点が異なることを見出している。 それらの結果、中間体が糖部修飾体を合成する際に有用な前駆体となることを見出してい る。 一方、有効な阻害剤を合成する上で、活性部位のアミノ酸残基の特定が重要な情報とな

る。そこで、SAHbydrolas`eの活性部位痍索物質の合成および得られた化合物のSAH

bydrolaseに対する阻害効果について検討している。先の中間体を出発原料として、糖部 にエポキシ基を有する化合物(31,4.・anhydronoraristeromycin)を合成している。さらに、 本化合物がSAHhydrolaseに選択的に取り込まれ、SAHhydrola8eを阻害することを示 している。本化合物のヒトSAHbydrola層eに対する阻害形式は、擬一次反応に従うこと

が示され、その血.dが0・55min・1、属が1云.…Mであることが示されている。

第4章では、第2章および第3章の内容をまとめ、SAHbydrola層e阻害剤が抗マラリア

薬開発するためのシード化合物になりうること、マラリア原虫S血hydrolaseの阻害試

験が抗マラリア薬開発のための一次スクリーニングに利用可能であることなどを示すと

(5)

-10-ともに、今後の課題・展開等について述べている。 以上に詳しく述べたように、本論文ではヒトおよびマラリア原虫SAHhydrolase_の立体 構造の違いに着目し、塩基部または糖部を修飾した炭素環ヌクレオシド誘導体を合成し、 これらの中にマラリア原虫酵素に対する選択的阻害活性を示す化合物を見出している。さ らに、本化合物がマラリア原虫生育阻害活性を示したことから本酵素阻害剤が新規な抗マ ラリア薬開発のシード化合物となりうることなどを示しており、この論文の有用性は極め て高い。従って、審査の結果、この論文を学位論文に値するものと判定した。

最終試験結果の要旨

この論文の主要部分は、審査付き論文として公表済みの2編の論文である。この論文が

学位論文として完成された内容を有することを確認した。

公聴会において、学位論文の内容を中心として、またこれに関する事項、即ち抗マラリ

ア薬開発の意義と現状、炭素環ヌクレオシド合成法や合成した化合物の構造確認法、なら

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