シ ン ポ ジ ウ ム 「 イ ン ド 学 仏 教 学 に お け る コ ン ピ ュ ー タ 利 用 」 に つ い て 江 島 恵 教 近 年, 人 文 科 学 研 究, と くにテ キ ス ト研 究 に コ ン ピ ユー タ を利 用 しよ うとす る気 運 が 急 速 に高 ま りつ つ あ る。 わ れ わ れ の 分 野 は テ キ ス トの分 析 を研 究 の重 要 な柱 の ひ とつ と して い るわ けで あ り, コ ン ピ ユー タが そ の た め の 有 力 な 手 段 とな り う る こ とが 認 識 され, 一 部 の 個 人, グル ー プ, 研 究 室 が い ち早 く利 用 を 開 始 した。 ま た 少 数 で あ ると は い え, す で に そ の成 果 が 公 表 され っ っ あ る1)。 さ らに コ ン ピ ユー タ 導 入 の計 画 を も って い る本 学 会 会 員 も多 い とい う情 報 も入 って くる。 こ の よ うな状 況 下 にお い て, す で に コ ン ピ ュー タ利 用 を 行 な って い る会員 に集 ま って い ただ い て, 今 まで の 経 験 を報 告 し, 問 題 点 を 出 し あ って 今後 どの よ うに推 進 して い った ら よい か を話 しあ う, その よ うな公 開 の 場 を もつ こ とが 必 要 で あ る。 結論 は 得 られ な い か も しれ ない が, 遅 れ が ち な コ ン ピ ュー タ利 用 を 提 進 す るた め に も, と もか く情 報 交 換 の場 の 設 定 が 緊 要 だ と思 わ れ た。 この観 点 か ら, 頭 書 の シ ン ポ ジ ウ ム が, 第37回 学 術 大 会 の2日 目(6月15日)の 午 後, 東 京 大 学 文 学 部 印度 哲 学 ・印 度 文 学 研 究 室 の 主 催 に よ って, 開 催 され た。 江 島 は 同 研 究 室 内 で シ ンポ ジ ウム運 営 の 担 当 に任 ぜ られ, 司 会 を 務 め た。 以 下 は そ の 概 略 的報 告 で あ る。 (A) 成 果 ・現 状 の報 告 お よ び 問題 点 の指 摘 (1) 筑 後 誠 隆(龍 谷 大 学): サ ン ス ク リ ッ ト語 ・チ ベ ッ ト語 な どの, コ ン ピ ュー タ 上 で の表 記 コ ー ドにつ い て2) (2) 吉 元 信行(大 谷 大 学): 仏 教 文 献 研 究 にお け るパ ソ コ ンの 活 用-汎 用 欧 文 ワー プ ロ ソフ ト 「テ ク ノ メ イ ト」 を活 用 して 一3) (3) 江 島 恵教(東 京 大 学)・ 古 瀬幸 広: サ ン ス ク リ ッ ト語 デ ー タ ベ ー ス 構 築 に お け る 「デ ー タ 入 力補 助 プ ログ ラム」 お よび 「ソー トキー 作 成 プ ロ グ ラ ム」 の 開 発 に っ い て (4) 清 水光 幸(早 稲 田大 学), そ の他: 東 洋 学 にお け る コ ン ピ ュー タ 利 用 の 一 例 お よ び 問題 点 と展 望4) (5) 神 子上 恵 生 ・清 水 公 庸(龍 谷 大 学): イ ン ド学 仏 教 学 研 究 に お け る コ ン ピュ ー タ 利 用 につ い て5)
シ ンポ ジ ウム「イ ン ド学 仏 教 学 に お け る コ ン ピュ ー タ利 用 」につ い て(江 島) (156) (6) 小 野 基(筑 波 大 学)・ 小 田淳 一(尚 美 学 園 短期 大 学): ATMAN-S (Autornatic Text
MANaging program for Sanskrit) にっ い て6)
(7) 田端 哲 哉(A.R.I.): 印度 仏 教 学 献 研 究 とコ ン ピ ュー タ の活 用 一 索 引 作 成 の 場 合 7) 上 記 の うち(1)(2)(3)(5)はパ ソコ ンを利 用 して テ キ ス ト・デー タベ ー スあ るい はword index を 作 成 す る こ とに つ い て の もの で あ り, (6)(7)はそれ ぞれ 大 型 計 算 機, オ フ コ ン を利 用 して そ れ を 実 行 した例 の報 告 で あ る。 ま た(4)はパ ソコ ンを利 用 して, 平 川 彰 教 授 ・三 崎 良 周 教 授 の も とで, 本 学 会 誌 の 論 文 につ い て 著 者 名 ・件 名(key word)で ア ク セ スで き るデ ー タ ベ ー ス を 作成 した経 験 を主 題 と した。 いず れ に おい て もサ ン ス ク リ ッ ト語, パ ー リ語, チ ベ ッ ト語, あ る い は 漢字 等 の表 記 コ ー ド, 外 字 登 録, ソー トの 方 法, 複 合 語 の処 理 方 法, 入 力 の方 法 の問 題 点 が 取 りあ げ られ た。 (B) 情 報 処 理 専 門 の 立 場 か らの コメ ン ト 主 催 者 側 か らの 依 頼 で 出 席 した 坂 村 建 氏(東 京 大 学 理学 部情 報 科 学 科 講 師)か ら次 の諸 点 につ い て コ メ ン トが あ つた。 (1) パ ソ コ ンの 現 状 と限 界。 (2) 相 互 に情 報 を 交 換 しあ うた め に も, 学 界 レベ ル で 入 力 の方 法, 文 字 コ ー ドの 決 定 を す る必 要 の あ る こ と。 (3) 理 論 的 に は, 各 言 語 の文 字 の リス トを作 成 す れ ば, い つ で もそ れ が 可 能 で あ る こ と。 (4) 多 言 語 が 同 時 に処 理 で き る ヲ ン ピュ ー タ ・シ ス テ ム(TRON)が 現 在 開 発 中 で, サ ンス ク リ ッ ト語等 の 問題 もそ の な かで 解 決 可 能 で あ り, 専 門 家 の ア ドヴ ァ ィス を 必要 と して い る こ と。 (C) 今 後 へ 向 け ての 提 言 (A) に お け る報 告 の な かで も, 筑 後 誠 隆, その 他 の 諸 氏 に よ って文 字 表記 の コ ー ド統 一 化 な どの提 言 が な され て い たが, 改 め て 田端 哲 哉 ・清 水 光 幸 氏 に発 言 を 求 め た。 そ れ らの 提 言 は次 の よ うに ま とめ られ よ う。 (1) テ キ ス ト ・デー タベ ー ス構 築 の た め に, サ ンス ク リ ッ ト語 等 の文 字 入 力 コー ドの 統 一 化 を計 る。 (2) テ キ ス ト ・デー タベ ー ス の ひ とつ と して将 来考 え られ る 「コ ン ピュー タ大 蔵 経 」 に 向 けて, そ の 作 成 の た め の準 備体 制 を 整え る。 (3) 論 文 デー タベ ー スの た め, 少 な くと も本 学 会 誌 掲 載 の 論文 に はkey wordの 申 告 を 義 務 づ け る。 (4) 以 上 を 含 む コ ン ピ ュー タ利 用 の 問題 に つ い て は, 学 会 レベ ル で 情 報 交 換 あ るい は 意
(157) シ ンポ ジ ウム 「イ ン ド学仏 教 学 に お け る コ ン ピ ュー タ利 用 」に つ い て(江 島) 見 の 統 一 を 計 る。 (D) 平 川 彰 ・学 会 理 事 長 の 発 言 シ ンポ ジ ウ ムの 主要 プ ログ ラ ム終 了後, 司 会 者 は 平川 彰理 事 長 に, われ わ れ の提 言 を ど う受 け とめ て も らえ るか に っ い て, 意 見 を 求 め た。 これ に応 じて, 理 事 長 は, (1) シ ン ポ ジ ウ ムが 時 宜 を 得 て 催 され た。 (2) コ ン ピ ュー タ 活 用 の場 と して, 各 大 学 か ら委 員 を 出 して も らい,「 コ ン ピュ ー タ 利 用 の 研 究 委 員 会 」 とで もい う もの を 作 って は ど うか と思 う。 (3) そ れ に よ って 例 え ば ソ フ トの 開 発, 論 文keywordリ ス トの 決 定 な ど も行 な い た い。 (4) 財 政 上 の 問 題 もあ るの で, 各 大 学 の 当 局 者, 理 事 の方 々 の協 力 を要 請 す る。 (5) 論 文 デー タ ベ ー ス は な ん と して も作 成 した い。 旨の 発 言 が あ り, 参加 者 の賛 同 が 得 られ た。 (E) ア ン ケー ト集 計 概 要8) シ ンポ ジ ウ ム参 加 者204名; ア ンケ ー ト回 答者139名(報 告 者 を除 く)。 (1) パ ソ コ ン使 用 者 ・所 有 者51名; うち大 型 ・中型 ・小 型 の使 用 者5名。 (2) 自前 ・外 注 に よ る開 発済 み ソフ トの例:目 録 作 成 ・抽 出用 プ ログ ラ ム, デ ー ヴ ァー ナ ー ガ リー 印字, イ ンデ ック ス ・シ ス テ ム, 等。 (3) 研 究 利 用 例: 論 文 作成, イ ンデ ッ クス作 成, 文 献 目録, 引 用 文 献 カ ー ド, 等。 (4) 通 信機 能 を有 す る者4名(う ち海 外1名)。 (5) イ ン ド学 仏 教 学 に お け る研 究 ア イデ ィア お よ び提 言: ソフ トウ ェアの 統 一 的 開 発, 写 本 の コ レ ク シ ョ ン, テ キ ス トの校 訂, テ キ ス トの完 全 イ ンデ ック ス, シ ン タ ック ス研 究, 韻 律 の 分 析, 漢 訳大 蔵 経 の コ ン ピ ュー タ化, 梵 ・蔵 ・漢 ・和 語 の変 換 辞典, 論 文 デ ー タ ベ ー ス 作 成, 委員 会 の設 置, ホ ス トコ ン ピ ュー タ の設 置, 国 際 的 基 準 作 りの 推 進, 等。 (6) ワー プ ロ専 用 機 所 有 者37名(た だ しパ ソコ ン所 有 者 で ワ ー プ ロ ソフ トを 使 用 す る 者 を含 む可 能 性 あ り); 購 入 予 定 者13名。 (7) パ ソコ ン使 用 希 望 者76名; 購 入 予 定 者33名(さ ら に別 の 機 種 を 購 入 す る 予 定 の 者 を含 む)。 (F) 追 記 シ ンポ ジ ウム で は各 報 告 者 に よ る資 料 を 配 布 した。 そ れ らは 既 に 公 表 済 み, あ る い は公 表 予 定 の論 文(註2)-7)参 照)に 基 づ くもの が 多 い の で, 詳 細 は そ れ を 見 て い た だ く こ とに し, こ こに は小 野 基 ・小 田淳 一 両 氏 の 報 告 論 文 の み を 掲 載 す る こ とに す る。 さ らに シ ンポ ジ ウム の席 で話 題 に な っ た第32回 ア ジ ア ・北 ア フ リカ 研 究 国 際 会 議(ICANAS)(ハ
シ ン ポ ジ ゥ ム 「イ ン ド学 仏 教 学 に お け る コ ン ピ ュ ー タ 利 用 」に つ い て(江 島) (158) ン ブ ル グ, 1986, 8.25-30)に お け る 第15部 会 「パ ソ コ ン と 東 洋 学 研 究 」 の 報 告(報 告 者: UrsE.App, テ ン プ ル 大 学 大 学 院)を 収 録 す る9)。
1) F. Bernhard, H. Reul, F. Schulte-Tigges, H. Sunkel: Erstellung von Konkordanzen
zu Sanskrittextn
durch elektronische Rechnenanlagen, Lingustics 22, 1966, p. 5-23;
Bernhard, F.:Udanavarga, 2Bde., Gottingen 1965-1968; 大 室 照 道;「 ミ リ ン ダ パ ン ハ ー 』 の 研 究 個-人 用 コ ン ピ ュ ー タ ー を 利 用 し て ・印 仏 研30-1, I981, p.120-121; 同: 仏 典 研 究 に お け る コ ン ピ ュ ー タ ー の 効 率 的 利 用, 印 仏 研33-1, 1984, p.120-121; 塚 本 啓 祥:梵 文 法 華 経 写 本 の 研 究, 庭 野 平 和 財 団 ・昭 和59年 度 研 究 ・活 動 助 成 報 告 集(第3巻), 1985, p.5-7; 武 藤 紹 生: 仏 教 文 献 研 究 に 於 け る パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ー タ の 活 用 に つ い て, A.R.I.紀 要5, 1986, p. 67-73, 等。 報 告 者 に よ る も の は 後 出。 2) 筑 後 誠 隆: 仏 教 学 に お け る コ ン ピ ュ ー タ 利 用 の 諸 問 題 印 仏 研33-1, 1984, p.122-123; 註(5)の 論 文 も参 照。 3) 吉 元 信 行: 電 脳 事 始 め-仏 教 文 献 校 訂 に お け る パ ソ コ ン活 用 へ の 試 行, A.R. I. 紀 要4, 1985, p.32-42。 シ ン ポ ジ ウ ム で は, そ の 後 の 経 過 を 報 告。 4) 平 川 彰 ・三 崎 良 周 ・菅 原 信 海 ・福 井 文 雅 ・江 島 恵 教 ・清 水 光 幸: 東 洋 学 に お け る コ ン ピ ュ ー タ 利 用 の 一 例 お よ び 問 題 点 と展 望, 早 稲 田 大 学 情 報 科 学 研 究 教 育 セ ン タ ー 紀 要, 1986 spring, p. 80-84. 5) 神 子 上 恵 生, 他: コ ン ピ ュ ー タ ー 使 用 に よ る 仏 教 文 献 の 研 究, 龍 谷 大 学 仏 教 文 化 研 究 所 紀 要24, 1985, p.(20)-(21), 同25, 1987, 近 刊。 6) 後 に 掲 載 の 論 文 参 照。 7) 田 端 哲 哉: イ ン ド仏 教 学 と コ ン ピ ュ ー タ ー, 印 仏 研32-1, 1983, p.127-129; 田 端 聖 子 ・哲 哉: Index to the Dhammapada, A.R.I. 紀 要3, 1984, p.1-48; 服 部 由 美 ・田 端 哲 哉: Pali, Sanskrit 仏 教 文 献 研 究 と コ ン ピ ュ ー タ ー プ ロ グ ラ ミ ン グ, 同 誌p. 104-123; 田 端 哲 哉 ・星 子: 称 友 造 梵 文 倶 舎 論 索 引 試 論(1), 同5, 1986, p. 74-152。 8) ア ン ケ ー トの 立 案 に は 清 水 光 幸 ・古 瀬 幸 広 両 氏 の 協 力 を 得, ま た 集 計 は 清 水 光 幸 氏 の 手 を 煩 わ せ た。 謝 意 を 表 し た い。 9) シ ン ポ ジ ウ ム の 報 告 を こ の よ う な 形 ち で 本 誌 に 掲 載 す る こ と を 許 さ れ た 平 川 彰 理 事 長 と 学 会 誌 編 集 当 局 に 御 礼 を 申 し あ げ た い。(東 京 大 学 助 教 授)
サ ン ス ク リ ッ ト 文 献 の 索 引 作 成 に 関 す る 大 型 計 算 機 の 応 用 小 野 基 ・小 田 淳 一 1. は じ め に テ キ ス トの用 語 索 引 は 当該 文 献 の 言 語 学 的 研 究 や 原 典 解 釈 そ の もの を 補 助 す る手段 と し て有 用 で あ る ば か りで な く, その テ キ ス トの 含 まれ る言 語 文 化 一 般 の 研 究 に寄 与 す る と こ ろ が少 な くな い。 しか し, 従 来 その 手 作 業 に よ る作 成 は多 大 な労 力 と時 間 を 要 す るの が 常 で あ った。 と ころが 近 年 に な っ て コ ン ピュ ー タが 登 場 し, その 文 字 処 理 能 力 の 向 上 や特 殊 な文 字 法 を 図形 パ ター ン と して 出 力 す る技 術 の 発 達 に よ り, 様 々な 言 語 の テ キ ス トの用 語 索 引が コ ン ピュ ー タ に よ って 作 成 可 能 とな った。 本 報 告 は そ れ らの 技 術 を サ ンス ク リ ッ ト 文 献 に応 用 し, 他 の言 語 に は ない 幾 多 の 特 殊 性 を有 す るサ ン ス ク リッ トの 場 合 に 生 じ る諸 問題 を考 慮 しつ っ, 大 型 計 算 機 に よ る用 語 索 引 の 作 成 を試 みた もの で あ る。 な お 対 象 テ キ ス トと してDharmakirtiのPramavarttikasvarrtti (ed. by R. Gnoli, Roma, 1960)を 取 り上 げ た。 2. 処 理 過 程 と 使 用 機 器 文 献 の 入 力 か ら作 成 され た索 引 の 印刷 に 至 る過 程 は大 別 して 以 下 の 四 段 階 に 分 け ら れ る。 I 印刷 用 字 体 の 作 成 II テ キ ス トの 入 力 III テ キ ス トの処 理 IV プ リン タ に よ る印 刷 I, II及びIIIの過 程 は 大 型 汎 用 コ ン ピ ュー タ(FACOMM380)上 で行 わ れ, 印刷 用 字 体 と処 理 され た テ キ ス トは共 にMT(磁 気 テ ー プ)に 出 力 され る。一 方, Wは レーザ ー ビー ム プ リンタ(CANONLBP3500)に よる オ フ ライ ンの 出 力(単 体 と して の使 用)と な る。 機 器 は い ずれ も筑波 大 学 学 術 情報 処 理 セ ンタ ー の もの を用 い た。 3. 処 理 内 容 各 段 階 の処 理 内容 を 以下 に示 す。
サ ンス ク リ ッ ト文 献 の索 引作 成 に関 す る大 型 計 算 機 の応 用(小 野 ・小 田) (160) I 印 刷 用 字 体 の 作 成 文 字 の 印 刷 は, 文 字 コ ー ドと実 際 の文 字 パ タ ー ン に割 り付 け られ た コー ドを プ リンタ が 照合 す る こ とに よっ て行 われ る。 従 って 通 常 の アル フ ァベ ッ トに存 在 し ない 特 殊 文 字 を 印 刷 す る場 合 は, まず そ の文 字 パ タ ー ン を作 成 して コー ドを 割 り付 け る必 要 が あ る。特 殊 文 字 パ タ ー ン の作 成 及 び コー ド割 り付 けの 手 順 は 次 の 通 りで あ る。 (1)「 印刷 用 字 体 フ ァ イル 」(18×24ド ッ トの 文 字 パ ター ンを 格 納 し た も の)を 複 写 す る。 (2) 特 殊 文 字 の パ ター ンを 別 の フ ァ イル 上 で作 成 す る。 (3) 作 成 した パ ター ン に コー ドを割 りつ け る。 (4) 作 成 した パ タ ー ンを 「印 刷 用 字 体 フ ァ イル 」 内 の 当 該 コー ドのパ タ ー ンと差 し替 え る。 (5) 修 正 した 「印 刷 用 字 体 フ ァ イル 」 をMTに 出 力す る。 II テ キ ス トの 入 力 テ キス トの 入 力 は, (a)入力 した文 字 コー ドか ら印 刷 の た め の特 殊 文 字 を表 す コ ー ドへ の 変 換, (b)索引 化 の た め の 処 理(単 語 へ の分 割, 語 の位 置 の 同定, 文 字 順 の 並 べ 替 え 等), (c)入力 デ ー タ か ら原 テ キ ス トへ の還 元, の 三 点 が 容易 に行 な われ る よ う考 慮 して, 次 の よ うな 方 法 を と る。 な お 入 力 は 端 末 か ら直 接 行 な われ る。 (1)入 力 デ ー タ はIレ コ ー ド255バ イ ト(文 字)と す る。 (2)各 レロー ドの 先 頭6桁 は そ の レコ ー・ドのID(識 別 子;テ キ ス トIDが1桁, ペ ー ジ IDが3桁, 行IDが2桁)と す る。 (3)印 刷 時 に特 殊 文 字 とな る文 字 は3バ イ ト(特 殊 文 字 で あ る こ と を示 す1バ イ トの マ ー ク(a), 英 字1バ イ ト, 記 号1バ イ ト)で 入 力す る。(例:a→@a _) III テ キ ス トの処 理 入 力 され た テ キ ス トは索 引化 の た め の様 々 な処 理 を経 て 印 刷 用 の 特 殊 文 字 コー ドに 変換 され, MTに 出 力 され る。 そ の 手 順 は 次 の通 りで あ る。 (1) 入 力 デ ー タ を単 語 に分 割 し, それ ぞ れ の 語 の 後 にテ キス ト名 と テ キ ス ト中 の 位 置 (ペ ー ジ番 号, 行 番 号)を 付 し, 「単 語 フ ァ イル 」 とす る。 (2)「単 語 フ ァイル 」 を並 べ 替 え る。 但 し, サ ンス ク リッ トの ア ル フ ァベ ッ トは シ ス テ ム に よ って 提 供 され て い る ソー トプ ロ グ ラ ムが扱 え る英 字 ア ル フ ァベ ッ トと文 字 順 が 異 な るの で, 次 の よ うな 処 理 を 加 え る。 1) 各 文 字 が 特 殊 文 字 に 変 換 され た 場 合 の サ ンス ク リ ッ トに お け る文 字 順 を識 別 し, それ ぞ れ の 文 字 を 対 応 す る順 の 英 字 に変 換 して デ ー タ の末 尾 につ け る。 2) デー タ末 尾 の 英 字 の 文 字 列 を ソー トキ ー と して レコ ー ドを並 べ 替 え,「 サ ン ス ク リッ トァ ル フ ァベ ッ ト順 フ ァ イル」 とす る。
(161) サ ンス ク リ ッ ト文献 の 索 引作 成 に 関 す る大 型 計 算機 の応 用(小 野 ・小 田) (3)「 サ ンス ク リ ッ トアル フ ァベ ッ ト順 フ ァ イル 」 の 文 字 の 中 で特 殊 文 字 で 印 刷 す る 指 定 の あ る もの を 印刷 用 の 文 字 コー ドに変 換 して 「印 刷 編 集用 フ ァ イル」 とす る。 (4)「 印刷 用 フ ァイル 」 を プ リン タが 要 求 す る形 式 に 編 集 して 「編 集 フ ァ イル」 とす る。 (5)「 編集 フ ァイル 」 をMTに 出 力す る。 IVプ リ ンタ に よ る 印刷 LBP3500に よ る印 刷 は次 の よ うに 行 わ れ る。 (1) I-(5)の 「印刷 用 字 体 フ ァイル 」 を プ リン タが 要 求 す るパ タ ー ン部 と して読 み込 ま せ る。 (2) III-(5)の 「編集 フ ァイル 」 を プ リンタ が 要 求 す るテ キ ス ト部 と して読 み込 ませ る。 (3)印 刷 を行 う。 4. 問 題 点 本 報 告 は試 験 的 に行 っ た もの で あ るの で 作 業 の過 程 で様 々 な 問題 が生 じ, そ の対 策 に費 した時 間が 全 過 程 の殆 ど を 占め た が, 因 み に 文 字 パ タ ー ンの 作 成 とテ キ ス トの入 力 ・修 正 を 除 い た実 際 の テ キ ス ト(単 語 数 約36000)処 理 時 間 はCPUタ イ ム に して 約4分 で あ る。 な お, 次 の事 項 が 今 後 特 に検 討 され るべ き問 題 点 で あ る と思 わ れ る。 A 入 力方 法 の問 題 i) 特 殊 文 字 の 入 力方 法 は現 在 の3バ イ ト方 式 で 良 い か。 あ る い は特 殊 文 字1文 字 に対 して特 殊 記 号1バ イ トを 充 て る方 が 入 力並 び に処 理 に有 利 で は な い か。 ii) 連 声(Sandhi)の 問題, 特 に単 語 の 語 頭 に音 変 化 が 生 じ る場 合 を ど う取 り扱 うか (本報 告 で は本 来 の 形 に 還 元 して 入 力 して い る)。 iii) 索 引 で は 語 の 変 化(曲 用 や 活 用)形 が 必ず し もそ の原 形 に隣 接 して 位 置 す る とは 限 らな い が, 入 力 時 に そ れ らの屈 折 語尾 を ど の よ うに取 り扱 うべ きか。 iv) サ ンス ク リッ ト特 有 の, 頻 出す る合 成 語 表 現 を入 力時 に ど う分 割 す べ きか(語 頭 の 否 定 辞 の取 り扱 い を含 む)。 B ア ル ゴリズ ム の効 率 本報 告 は 大型 汎 用 コ ン ピ ュー タ を用 い た た め に, 作 業 領 域 や 処 理 時 間 にっ い て は あま り 考 慮 せ ず, 使 用 した プ ログ ラ ム の アル ゴ リズ ムは ご く単 純 な もの で あ る。 しか し, よ り小 さな シス テ ム(パ ソコ ン等)を 利 用 して 同 様 の 作 業 を 行 な お う とす る時 に は アル ゴ リズ ム を大 幅 に修 正 して効 率 の良 い 処 理 をせ ね ば な らな い。 5. 今 後 の 課 題
A KWIC (Key Word In Context) の 作 成
サ ンス ク リ ッ ト文 献 の索 引作 成 に関 す る大 型 計 算 機 の応 用(小 野 ・小 田) (162) な ら ば テ キ ス トの 統 辞 上 の 特 性 の 把 握 が 可 能 とな り, ま た4-Aに 挙 げ た 問 題 点 の 幾 つ か は 解 消 され よ う。 Bチ ベ ッ ト語 索 引, 梵 蔵 ・蔵 梵対 照索 引 の作 成 III-(2)のソ ー トプ ロ グ ラ ムを チ ベ ッ ト語 用 に書 き替 え る こ とに よ リチ ベ ッ ト語 の テ キ ス トゐ 索 引 作 成 が, ま たIII-(1)の サ ンス ク リッ トの 「単 語 フ ァイ ル」 に対 応 す るチ ベ ッ ト語 とそ のIDと を書 き 加 え る こ とに よ り梵 蔵 ・蔵 梵対 照索 引 の作 成 が 可 能 で あ る。 6. お わ り に 本 報 告 は, 富 山 県 立 高 岡 商 業 高校 教 諭 高 木 哲 也 氏(本 学 会 会 員)が 筑 波 大 学 大 学 院 在 学 中 に 発 案 した 計 画 を 著 者 らが 引 き継 い だ もの で あ る。 本 報 告 に何 らか の価 値 あ りとす れ ば, そ れ は ま ず 同 氏 に 帰 せ られ るべ き もの であ ろ う。 ま た 国立 教 育 研 究 所 の及 川 昭 文 先 生 は 印 刷 用 字 体 フ ァ イル 及 び 入 出 力処 理 に 必要 な多 くの プ ログ ラム を快 く提 供 して 下 さ った。 更 に 東 京 大 学 大 型 計 算 機 セ ンタ ー の 三 宅輝 久 先生 に は テ キ ス ト処 理 用 の プ ログ ラ ムの 一 部 を 作 成 して 頂 い た。 著 者 らは これ らの方 々 の御 協 力 に よ り本 報 告 を ま と め る こ とが で きた。 こ こに 謝 意 を 表 す る次 第 で あ る。 小 野(筑 波 大 学大 学 院), 小 田(尚 美 学 園短 大専 任 講 師)