• 検索結果がありません。

ウェイクギャロッピングの

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "ウェイクギャロッピングの"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

ウェイクギャロッピングの ALE シミュレーション

名古屋大学大学院工学研究科 非会員 ○溝口卓弥 名古屋大学エコトピア科学研究所 正会員 北川徹哉 名古屋大学エコトピア科学研究所 正会員 Dragomirescu Elena 1. はじめに

主流方向に対して直列に近接配置された二つの円柱にお いてはウェイクギャロッピングと呼ばれる特異な自励振動 が発生し,多くの研究がなされてきたが,その発生メカニ ズムは未だ解明されていない.本研究では,ウェイクギャ ロッピングの非線形応答を数値流体解析によりシミュレー トし,その特性を検討する.

2. 解析方法

解析対象の概要を図1に示す.上流側円柱は空間に固定 とし,下流側円柱は主流方向に対して鉛直方向に1自由度 を有する.下流側円柱の固有振動数および減衰定数は文献

1)の風洞実験にあわせて,それぞれ1.16Hz,0.00148とし

て い る . こ の 2 円 柱 周 り の 流 れ 場 を LES(Large Eddy Simulation)記述された非圧縮性流体のナビア・ストークス の式(以下,NS式),ならびに連続の式を解くことによっ て求める.流れ場とその揚力による下流側円柱の応答変位 y とを時々刻々と交互に解き,下流側円柱の運動にともな う流れ場への影響はALE(Arbitrary Lagrangian Eulerian)法 に よ り 考 慮 し て い る . な お ,LES 渦 粘 性 モ デ ル に は Smagorinskyモデル(Smagorinsky定数=0.1)を使用し,NS式 の対流項には3次精度上流差分法を適用している.

これらの流体方程式の離散化はコロケート格子を用いた 差分法により行い,一般座標系においてSMAC法により解 いた.NS式の粘性項には2次精度クランク・ニコルソン法 を,対流項には2次精度アダムス・バッシュフォース法を適 用した.図2に示す,円柱直径をDとして縦30D,横60D,

奥行き 1D の楕円柱の内部を解析空間とした.主流方向の 円柱中心間距離Lは2Dである.円柱表面の格子点数は円 周方向に200点,スパン方向に26点であり,円柱表面から 放射方向に150点の格子を設けている.格子系は円柱の運 動にともなって変形(図3)し,各格子の移動速度がALE 法に用いられる.境界条件については,流入境界に一様流 速,流出境界には対流粘性条件を,円柱表面にはすべりな し条件を課した.レイノルズ数は22000とし,無次元風速 が114の下で下流側円柱に初期変位ysを与えて解析を開始 した.なお,ysは0.2D,0.25D,0.5Dの3通りとした.

すべりなし

x1 x2

x3 , ξ3 :スパン方向座標軸 ξ1

ξ 2 流入: u1=1, u2= u3 =0 流出:対流粘性境界条件

円柱表面:

Γ 1

Γ 2

Γ 3

Γ 4

D

L

30D

60D スパン方向厚さ:D

図 2 格子系の円柱スパン方向断面の概要

3 格子系の変形の例(y = 0.4D)

4 応答振幅の実験値との比較(L/D = 2)

○林ら1) 実験値, ▲本研究 解析値ys0.2D

◆本研究 解析値ys=0.25D, ■本研究 解析値ys=0.5D 0

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

0 50 100 150 200 250

0 1 104 2 104 3 104 4 104 5 104

無次元振幅δ/D

無次元風速 レイノルズ数 1 解析対象の2円柱 流れ

固定 鉛直方向1自由度 流れ y

固定 鉛直方向1自由度

y

土木学会中部支部研究発表会 (2008.3) I-032

-63-

(2)

3. 解析結果および考察

図4は下流側円柱の振動が定常化 したと見なされる時点以降の応答振 幅の平均値を無次元風速に対してプ ロットしたものである.本解析の応 答振幅はウェイクギャロッピングの 特徴であるリミットサイクルを示し た既往の風洞実験結果 1)と概ね整合 している.以下ではys =0.5Dのケー スに着目して詳しく調べる.

図5はys =0.5Dのケースの下流側円柱の揚力係数CLと無次元 変位 y/D の時刻歴について,y/D を基準としておよそ1波長分 を示したものである.無次元時間t=820付近から850付近に着 目するとy/Dが大きくなるにつれてCLが小さくなっていくこと が分かる.図6(a)は図5のt=827における,スパン中央断面で の渦度ω 3の分布である.下流側円柱が上流側円柱のウェイク中 に位置している.図 7(a)は図 6(a)と同時刻における下流側円柱 表面の圧力係数 CP の分布を示しており,点線より外側の場合 は負圧を,内側の場合は正圧を示している.また,θは上流方 向からの角度である.円柱表面全体が負圧に覆われており,CL

はゼロに近い値(図5:t=827)となっている.次にt=835にお ける流れ場(図 6(b))では,上流側円柱の剥離せん断層が下流 側円柱の上面前部に再付着している.このタイミングのCP(図

7(b))を見ると,θ=70°付近に再付着による CPの正圧方向の

ピークがある.また,円柱の上面と下面とで圧力分布に非対称 性が見られる.特に,下面側の負圧が強く,これによりCLは負

の値(図5:t=835)となっている.なお,下流側円柱の後方に

は明確な渦が発生しており,この影響によりCLの変動が大きく なっている.さらに t=850 においては,図 6(c)に示すように上 流側円柱の剥離せん断層が下流側円柱の下面側にまわり込むギ ャップフローが発生している.このときのCP(図7(c))は,剥 離せん断層の再付着点が円柱前面部(θ=10°付近)に位置す ることを示している.図 7(b)と比べて再付着点に作用している 正圧は大きくなっている一方,表面圧力の非対称性は弱くなり,

CLの振幅は減少に向かう(図5:t=850近傍).また,このギャ ップフローが発生している間は下流側円柱の後方には明確な渦 の放出は見られず,流れ場の乱れが著しい(図6(c)).以上のよ うに,ウェイクギャロッピングを励起する自励流体力には,上 流側円柱の剥離せん断層の下流側円柱への再付着ならびにギャ ップフロー化のプロセスが関与していると思われる.

参考文献

1)林健一,赤瀬雅之,井上浩男:並列ケーブル振動時における振幅依存性 について,第13回風工学シンポジウム論文集,pp245-250,1994.

7 下流側円柱の表面に作用する圧力の挙動 (a) 図6(a)と同時刻におけるCpの分布 (b)6(b)と同時刻におけるCpの分布 (c) 図6(c)と同時刻におけるCpの分布

(a) (b) (c)

θ=0°

270°

90°

180° θ=0° 270°

90°

180° θ=0°

270°

90°

180 θ=0° °

270°

90°

180° θ=0° 270°

90°

180° θ=0°

270°

90°

180

°

6 ys =0.5Dのケースにおけるスパン中央断面

の瞬間渦度分布

(a)上流側円柱のウェイクに下流側円柱が埋没 している様子(t =827)

(b)上流側円柱の剥離せん断層が下流側円柱に 再付着する様子(t =835)

(c)上流側円柱の剥離せん断層が下流側円柱の 下部にまわりこむギャップフローが発生し ている様子(t =850

(a)

(b)

(c)

5 ys = 0.5Dのケースにおける下流側円柱の揚力係数と無次元変位の時刻歴

-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5

-0.4 -0.2 0 0.2 0.4

820 840 860 880 900 920

揚力係数 無次元変位

揚力係数CL 無次変位y/D

無次元時間

土木学会中部支部研究発表会 (2008.3) I-032

-64-

参照

関連したドキュメント

の順となっている.一方, SDRQ と MSDARQ を比較すると, 学校の優先順位を考慮する MSDARQ の方が平均順位は高い.

はじめ [ こ 様々な乱流において, その乱流を記述する量が大偏差統計に従うことが示されて きている。 [1]

1.はじめに

価電子帯の電子は電流に寄与しない?

さて,この矛盾の内実についてフィヒテはつぎのように指摘する。①非我が

【結果と方法】In vitro において,Gefitinib とイリノテカ ンの代謝産物である SN-38

た際に,おそらく地下の巣内で生き残ったと想像

授業の経過 1時