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耐候性鋼橋の腐食減耗量の継続調査について

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Academic year: 2022

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(1)

耐候性鋼橋の腐食減耗量の継続調査について

木更津高専環境都市工学科 正会員 佐藤恒明 木更津高専環境都市工学科 正会員 田井政行 千葉県道路公社工務課 野口成人 宇田見賢司 日鉄住金防蝕(株) 正会員 今井篤実 石田和生

1.はじめに

耐候性鋼SMA490Wを使用したT橋について,下フランジに貼り付けたワッペン試験片を1年・3年・5

年経過時点および 7 年経過時点で各 3 枚回収し腐食減耗量を測定した.また,kett 社製電磁式膜厚計 (LE-900J)を使用して部位ごとに浮き錆厚を測定した.日鉄住金防蝕(株)のRST(Rust State Tester)を用い てイオン透過抵抗値を計測し,浮き錆厚とイオン透過抵抗値の関係から錆の状態を評価した.

2.ワッペン試験片の腐食減耗量

T橋下フランジ下面に貼り付けたワッペン試験片3枚

を7年経過時点で回収した直後の様子を写真‐1に示す.

鋼3径間連続鋼床版箱桁のT橋は架橋から約17年が 経過し,右岸側の下フランジ下面には,うろこ状の浮き 錆が橋軸方向に連続的に生じている.海岸からの塩分を 含んだ風に起因すると考えられる.試験片の腐食減耗量 を1・3・5・7・10年の各経過時点で測定し100年後の腐食 減耗量を精度よく推定することが目的である.

錆除去(鉄連法,中山ら,2004)後の試験片重量減から 算出した腐食減耗量を図‐1に示す.図中の上側の実線 は,外観評点3で100年後に0.5mm程度の腐食減耗量 を予測した腐食予測曲線1)である.7年経過時の腐食減

耗量(0.089mm)は予測曲線の上限内であったが,腐食環境は厳しいことが推察される.

キーワード: 耐候性鋼,腐食減耗量,ワッペン試験片,浮き錆厚,イオン透過抵抗値

連絡先:〒292-0041 木更津市清見台東2-11-1 E‐mail : [email protected] FAX 0438-98-5717 図‐1 JIS耐候性鋼の腐食予測曲線1)

経過年数 1年経過時の腐食減耗量 0.018(mm)

写真‐1 ワッペン試験片3枚回収時 (T橋下フランジ下面 離岸距離5 km)

予測腐食減耗量(mm)

3年経過時の腐食減耗量 0.050(mm)

0.01 0.1 1

0 20 40 60 80 100

5年経過時 3年経過時

1年経過時

7年経過時の腐食減耗量 0.089(mm) 土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月)

‑1185‑

Ⅰ‑593

(2)

上流側 下流側

2、2-1、2-2

3.錆厚とイオン透過抵抗値の関係

電磁式膜厚計を使用して浮き錆厚を測定するとともに,RSTを用いてイオン透過抵抗値を計測した部位を 図‐2 に示す.測定部位は,下流側のウエブプレート,下流側の下フランジ,下フランジ中央部,上流側の 下フランジ,上流側のウエブプレートの5箇所である.架橋から10,11,13,15,17年目の値を図‐3の 中に青,赤,緑,オレンジ,紫色で示す.錆厚が400μm未満の場合,RSTの計測値が1KΩ以上の錆は「保 護性錆」,それ未満は「未成長錆」と区分される2)ことから,ウエブプレートは上流面・下流面ともに保護性 錆が形成されていると判断される.これに対し下フランジは,下流側・中央部・上流側ともに要観察状態の 錆(A)の区分に入っており,架橋から約17年経過しているが保護性錆は形成されていない.

図‐3に,回収したワッペン試験片について 浮き錆厚とイオン透過抵抗値の各測定平均値を 黒丸印で示す.1年経過時では,初期錆を形成 している段階であった.3年と5年経過時では,

錆厚平均値は211μmから288μmへ大きくな り,7年経過時では331μmとなった.錆粒子 は粗くなっており,外観評点を3とした.

黒丸印のプロット位置の変化から,10年経過 時点では要観察状態の錆(A)の区分に入ることが 推察される.

0.01 0.1 1 10 100

0 200 400 600 800 1000

イオン値(Ω)

さび厚(μm)

10年 1 下流側ウェブ 11年 1 下流側ウェブ

13年 1 下流側ウェブ 15年 1 下流側ウェブ

17年 1 下流側ウェブ 10年 2 下流側下フランジ下面

11年 2 下流側下フランジ下面 13年 2 下流側下フランジ下面

15年 2 下流側下フランジ下面 17年 2 下流側下フランジ下面

10年 3 中央下フランジ下面 11年 3 中央下フランジ下面

13年 3 中央下フランジ下面 15年 3 中央下フランジ下面

17年 3 中央下フランジ下面 10年 4 上流側下フランジ下面

11年 4 上流側下フランジ下面 13年 4 上流側下フランジ下面

15年 4 上流側下フランジ下面 17年 4 上流側下フランジ下面

10年 5 上流側ウェブ 11年 5 上流側ウェブ

13年 5 上流側ウェブ 15年 5 上流側ウェブ

17年 5 上流側ウェブ 15年 2-2 下流側下フランジ下面

(ワッペン試験片貼付近傍研磨部)

17年 2-2 下流側下フランジ下面

(ワッペン試験片貼付近傍研磨部)

I-5

I-5:未成長さび(A) I-4:保護性さび I-3:未成長さび(B)

I-2:要観察状態を示すさび(A) I-2':要観察状態を示すさび(B) I-1:異常を示すさび

I-3 I-4

I-2

I-2' I-1

100k

10k

1k

100

10

参考文献

1)(社)日本鋼構造協会:耐候性鋼橋梁の可能性と新しい技術,JSSC-No.73, pp.192-193,2006.10 2) 紀平 寛 他:耐候性鋼さび安定化評価技術の体系化,土木学会論文集No.745/I-65,pp.77-87,2003.10

1年経過時

3年経過時

図‐2 測定部位

5年経過時 7年経過時

図‐3 イオン透過抵抗法による錆の環境遮断機能判定図2) 土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月)

‑1186‑

Ⅰ‑593

参照

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