仮想的な降雨の時間分布
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(2) II-002. 土木学会中部支部研究発表会 (2010.3) ID曲線の傾き(mm/h^2). 降雨強度(mm/h). 10 8月東京平均. 8. 8月岐阜平均. 6. 6月東京平均. 4. 6月岐阜平均. 2 0 1. 3. 図‐1. 5 継続時間(h). 7. r= 0.34. 23. 9. 24. 図‐2. ID 曲線の 6,8 月平均の比較 2. 7 6 5 4 3 2 1 0. 25. 26 気温(℃). 27. 28. 29. 8 月の ID 曲線の傾きと月平均気 温との関係(東京地域). 3. 1 5 4. 7 6. 3. 8 9. 6. 10 12. 13. 2. 11. 5 1. 1 5 9 12. 図‐3. 飯能 2 埼玉 3 越谷 青梅 6 府中 7 練馬 新木場 10 世田谷 11 羽田 相模原中央 13 日吉. 4 所沢 8 東京. 4. 1 関ヶ原 4 大垣. 8 月平均 ID 曲線の傾きの大きさ(東京地域). 図‐4. 2 揖斐川 5 岐阜. 3 樽見 6 美濃. 8 月平均 ID 曲線の傾きの大きさ(岐阜地域). なっており,8 月の方が時間的に集中して降る雨が. を示す.位置関係を明確にするため図中にはアメダ. 多いことがわかる.また,地域間の比較では,わず. ス観測点の場所が数字で記してある.東京の方が全. かではあるが,6 月は岐阜の方が ID 曲線の減少が急. 体的に ID 曲線の傾きが急である.また,岐阜は東. になっているが,8 月は東京の方が ID 曲線の減少が. 部で ID 曲線の傾きが大きい,すなわち時間的に集. 急であり,夏季における東京での時間的に集中して. 中している雨が多いことがわかる.気温と ID 曲線. 降る雨の存在を示唆する結果となった.. の傾きの関係は,先に図-2 で示したとおりだが,. つぎに,ID 曲線と気温との関係をみる.ID 曲線. 岐阜地域の東部で ID 曲線の傾きが大きいのは,多. を定量化するために,継続時間の増加に伴う ID 曲. 治見市に代表されるように夏季に高温が発生しやす. 線の減少の程度を,ID 曲線の傾きで表現する.具体. い地域が岐阜県の東部に位置しているからではない. 的には次式とする.. だろうか.. ID 曲線の傾き≡ (継続時間 1 時間の降雨強度-3 時間の降雨強度)÷2 時間. この値が大きいほど,ID 曲線の減少が急で,時間的 に集中して雨が降っていることになる.図‐2 は 1988~2001 年の東京地域内のアメダス 13 観測点よ り求めた東京の各年の 8 月平均気温と,各年の各メ ッシュにおける ID 曲線の関係をプロットしたもの である.1 つの平均気温(121 個のプロット点の縦の 並び)が各年の 8 月に対応している.両者の相関係 数は 0.34 と正の相関関係を示した,すなわち平均気 温が高い月は,ID 曲線の傾きが大きい,つまり時間 的に集中している雨が多いことを示唆している. 最後に,地域内における ID 曲線の傾きの分布状 況を確認する.図‐3,4 に 8 月における東京地域と 岐阜地域の各メッシュの ID 曲線の傾きの分布状況. 5. おわりに 岐阜,東京地域の ID 曲線を比較することにより, 東京地域の方が時間的に集中した降水が多いことが わかった.また,8 月における月平均気温と ID 曲線 の傾きの関係を明らかにすることにより,気温上昇 による時間的に集中した降水の増加の関係を示唆す ることができた.今後は対象地域を増やし地域によ る降雨の時間分布特性の違いを調べていきたいと考 えている. 参考文献 1)鈴木正人:経年変化の検証を意図した降雨の空間的集中 度の定量化,土木学会水工学論文集第 50 巻,pp.409-414,2006. 2)鈴木正人・上田雅俊:DAD 解析による都市部における降 雨の空間分布特性の比較,平成 20 年度土木学会中部支部研 究発表会講演概要集,pp.97-98,2009. 3)気象庁編:レーダ アメダス解析雨量,1988~2001 年版,(財)気象庁業務支援セ ンター. -120-.
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