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絶対プロファイルを用いた路面凹凸の評価に関する一検討

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Academic year: 2022

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絶対プロファイルを用いた路面凹凸の評価に関する一検討

鹿島道路㈱技術研究所 正 ○佐藤聡明、同 正 岡部俊幸 鹿島道路㈱東京支店技術試験所 高萩二郎 中央大学 理工学部 フェロー 姫野賢治

1.はじめに

車両走行時の乗り心地に影響する舗装路面の平たん性は、わが国では

3m

プロフィルメータにより評価され てきた。しかし、国際化の進む中、世界銀行が開発した国際ラフネス指数(IRI)1をはじめ、様々な観点か ら路面凹凸について検討すべき時期に来ている。そこで、切削オーバーレイ工事における補修前後の路面凹凸 の評価を行うにあたり、路面の絶対プロファイルを測定し

IRI

およびσ3mを求めることができるマルチロード プロファイラ(MRP(写真-1)2)の適用性について検討した。従来法によ

るσ3mとの測定精度の比較、σ3mと

IRI

の関係の把握、パワースペクトル密 度による路面凹凸の評価ならびに車両走行シミュレーションによる動的輪 荷重の変動について調べた結果を以下に述べる。

2.調査概要

今回実施した調査の概要を表-1に、調査場所の平面図を図-1に示す。

3.検討結果

3-1 従来法によるσ3mとの測定精度の比較

従来法として

LP300(トキメック自動建機)を用いてσ

3mの測定を実施 した。区間毎に

MRP

LP300

の測定結果(σ3m)を対比したものを表-2 に示す。これをみると、未補修区間の第

1

と第

3

車線を除き、両者はよく一 致していることがわかる。なお、未補修区間の一部の車線において、両者の 差が大きくなったのは、平たん性がかなり悪化しており、わずかな計測ポイ ントのずれが解析結果に大きく影響したためではないかと推察される。

3-2 σ3mと IRI の関係の把握

MRP

で得られた区間毎のσ3

IRI

の散布図を図-3に示す。図中には、両者の相関式のほか施工直後のσ3m の基準値と「新しい舗装」を示す

IRI

の範囲3)も示している。図-3より、未補修区間の第

2

車線のデータがや や異なる傾向を示しているものの、全体的にはσ3

IRI

には強い相関が認められる。また、平たん性の基準 値σ3m=2.4mmと

IRI

の上限値は概ね対応している。これらの値を基準に考えると、平たん性は、切削オーバー レイによって良好な水準にまで改善されていることが明確に見て取れる。

3-3 パワースペクトル密度による路面凹凸の評価

代表として下り方向・第

2

車線の補修区間と未補修区間(写真-2)の絶対プロファイルについて周波数分析

キーワード アスファルト舗装、路面プロファイル、平たん性、MRP、IRI、TruckSim

連絡先 〒182-0036 東京都調布市飛田給

2-19-1 TEL 042-483-0541 FAX 042-487-8796

図-1 調査場所の平面図

下り→

第1車線 第2車線 第3車線 第3車線 第2車線 第1車線

←上り

256.9m

207.8m 49.1m

264.4m 補修区間

〔排水性舗装(10)〕

補修区間

〔排水性舗装(10)〕

未補修区間

〔密粒度舗装〕

写真-1 MRP の外観

表-2 平たん性σ3mの比較

種別 上下別 車線別 MRP LP300 第1車線 1.34 1.46 第2車線 1.22 1.23 第3車線 0.98 1.09 第1車線 1.17 1.09 第2車線 1.35 1.29 第3車線 1.12 1.24 第1車線 3.52 3.09 第2車線 2.74 2.50 第3車線 4.49 3.79

表-1 調査概要

No 項 目 内 容

1 調査日時 平成19年12月13日20:00 ~ 14日3:00

2 調査場所 東京都港区高輪2~3丁目 一般国道15号(第一京浜)

3 調査工区 補修区間〔切削後、排水性舗装(10)でオーバーレイ〕、

未補修区間〔密粒度舗装〕   (図-1 参照)

4 測定内容 MRPによる絶対高さの測定、LP300による平たん性計測 上下方向各3車線(いずれもOWP)

5 解析項目 路面の絶対高さ、平たん性(σ3m、IRI、PSD)、

車両走行シミュレーション(動的輪荷重)

5-126 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

-251-

(2)

を行い、空間周波数毎のパワースペ クトル密度(PSD)を求めた結果を 図-4に示す。分析は、

MRP

からエク スポートした絶対プロファイルのテ キストデータを用いて、インターネ ット上に公開されているプログラム

ProVAL2.73

4)により実施した。

図-4の直線群は

ISO

の等級 5)であり、クラス

A

が最も平たん性がよ くクラス

H

に向かうほど悪いことを示す。補修区間の

PSD

波形は、未 補修区間よりも下方に位置し、概ねクラス

A「非常に良い」の範囲にあ

ることから、σ3mや

IRI

と同様、PSDからも補修による平たん性の 改善を窺い知ることができる。

3-4 車両走行シミュレーションによる動的輪荷重

同様に下り方向・第

2

車線の補修区間と未補修区間のプロファイ ル上にて、前軸が単軸・単輪で、後軸がタンデム軸・複輪のトラッ クモデル(総重量

20t)を 60km/h

でシミュレート走行させ、動的輪 荷重を求めた。解析は、自動車業界でよく用いられている

TruckSim

6 に絶対プロファイルのテキストデータを取り込んで行った。

一例として図-5に後後軸片側の複輪荷重(33.06kN)の変動を示す。

図-5の動的輪荷重の分布を調べたるため、区間別にヒストグラムを 作成した。結果は図-6のとおりであり、データ数に差異があるもの の、補修区間と未補修区間の分布は明らかに異なり、未補修区間の 方が山のピークが低く、ばらつき(標準偏差)が大きくなっている。

輪荷重により舗装が受ける疲労ダメージは4乗則に従うとされてお り、大きな動的輪荷重の発生頻度が高い未補修区間においては相対 的により大きな疲労ダメージを受けているものと考えられる。

4.おわりに

絶対プロファイルを計測できる

MRP

を用いる ことにより、σ3mのほか、IRI、PSDによる平たん 性の評価や、動的輪荷重のシミュレーション等の 検討が行えることがわかった。今後は、さらにデ ータの蓄積を図るとともに、動的輪荷重による疲 労ダメージと路面性状の関連性について定量的 な検討を進めて行く予定である。

【謝辞】

PSD

解析に関し北海道工業大学・亀山教授に貴 重な資料のご提供やご助言を賜った。ここに記し て感謝申し上げる次第である。

【参考文献】

1)

日本道路協会:舗装性能評価法、

pp.45-46

2006.1

2) http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/gijut/sbir/19fy/jireisyu/33.pdf

3)

土木学会:路面のプロファイリング入門、舗装工学ライブラリ

1

p.52

2003.1

4) http://www.roadprofile.com/、

5) ISO8608:Mechanical vibration -Road surface profiles- Reporting of measured data

6) http://www.virtualmechanics.co.jp/

図-6 動的輪荷重の分布

0 20 40 60 80 100 120

20 25 30 35 40 45 50

荷重(kN)

頻度

補修区間 平均=33.2kN 標準偏差=2.68kN N=1334

20 25 30 35 40 45 50

荷重(kN) 頻度 正規分布 平均値 未補修区間 平均=33.6kN

標準偏差=3.59kN N=306

図-5 走行距離と動的輪荷重の関係

10 20 30 40 50

0 50 100 150 200 250 300

走行距離(m)

荷重(kN)

補修区間 σ3m = 1.33mm IRI=1.70m/km

未補修区間 σ3m = 2.34mm

IRI=3.07m/km 1.0E-08

1.0E-07 1.0E-06 1.0E-05 1.0E-04 1.0E-03 1.0E-02 1.0E-01 1.0E+00

0.01 0.1 1

空間周波数(cycle/m) PSD(m2 -m/cycle)

補修区間 未補修区間

A B C D

E F G H

補修区間 未補修区間 A~H ISO8608

図-4 PSD による平たん性σ3mの評価 写 真 -2 未補 修 区 間 の路 面

図-3 平たん性σ3mと IRI の関係

y = 1.3289x + 0.1603 R2 = 0.92

0 1 2 3 4 5 6 7 8

0 1 2 3 4 5

平たん性σ3m(mm)

IRI( m / km )

補修区間 未補修区間 IRI:新しい舗装

σ3m:2..4mm

5-126 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

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参照

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