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凍害を受けた実 RC 部材のスケーリング評価手法の構築に関する検討

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Academic year: 2022

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凍害を受けた実 RC 部材のスケーリング評価手法の構築に関する検討

日本大学工学部 正会員○子田 康弘 日本大学工学部 非会員 溝口 知広 日本大学工学部 正会員 岩城 一郎 日本大学工学部 非会員 若林 裕之 1

1 .. はは じじ めめ にに

近年,融雪剤の大量散布に起因し,実 RC部材で は,スケーリングによる表層部の劣化が顕在化して いる.スケーリング劣化度の評価は,スケーリング 量や目視による劣化度評価が主な評価項目である.

しかし,実 RC部材のスケーリング量の測定は困難 であり,目視評価も定性的なためスケーリングを定 量的に評価することが難しい現状にある.そこで本 研究では,スケーリング劣化の程度を現地で測定す る方法を構築し,その劣化度を定量的に評価する手 法を検討した.

2

2 .. 調調 査査 概概 要要

今回調査を行った橋梁は,写真-1に示す 1935 年 に建設され,76年経った現在も凍結融解による凍害 の影響を受け続けている橋梁である.橋梁形式は,

上部構造形式がRCのT桁橋で3径間からなり,下 部構造形式は壁式橋脚である.

現地調査は,図-1に示す当研究室で開発したスケ ーリング深さ測定装置を用いた 1).この装置は,変 位計移動レール,X方向変位計,およびZ方向変位 計から構成され,図に示すように,レールに沿って Z 方向変位計を移動させることでコンクリート表面 の凹凸を変位として計測する仕組みである.この装 置を写真-2に示すように,調査橋梁の橋台に取り付 けスケーリング深さを測定した.スケーリング深さ は,スケーリングが発生していない箇所を通るよう に測定長 470mm で5 測線(L-1~L-5)行った.なお,

現地調査はこの他にシュミットハンマーによる推定 圧縮強度の測定とトレント法による透気試験を行っ た.

3

3 .. 実実 験験 結結 果果 おお よよ びび 考考 察察

シュミットハンマーによる推定圧縮強度は,橋脚 が23N/mm2,橋台は35N/mm2であり,極端にコンク リート強度が低いために凍害が顕在化していたとは 言い難い.一方,透気試験の結果は,2.39~55.4(×

10-6m2)とバラつきはあるがその値は透気性グレード 5(極劣)2)であり,表層付近の物質透過抵抗性が劣る という結果を得た.この透気係数は,供用開始時点 からの値かは判断できないが,現時点のコンクリー トは水分を吸収しやすく凍害がより進行する状態と 考えられる.図-2は,スケーリング深さ測定の結果 を示す一例である.この図では,スケーリングが発 生していない箇所をスケーリング深さ 0mm として

写真-1 調査対象の凍害橋梁

図-1 スケーリング深さ測定装置

写真-2 スケーリング深さ測定状況

キーワード:凍害,スケーリング評価,スケーリング深さ,実RC部材

〒963-8642 郡山市田村町徳定字中河原1,TEL 024-956-8721

レ レーールル

X方向向変変位位計 レーーザザーー変変位位計

推移移方方向 X変変位位

アンンカカーー DM供供試試体体 鉛直直変変位 レ レーールル

X方向向変変位位計 レーーザザーー変変位位計

推移移方方向 X変変位位

アンンカカーー DM橋橋梁供供試梁試体体 鉛直直変変位 レ レーールル

X方向向変変位位計 レーーザザーー変変位位計

推移移方方向 X変変位位

アンンカカーー DM供供試試体体 鉛直直変変位 レ レーールル

X方向向変変位位計 レーーザザーー変変位位計

推移移方方向 X変変位位

アンンカカーー DM橋橋梁供供試梁試体体 鉛直直変変位

V-13

土木学会東北支部技術研究発表会(平成22年度)

(2)

いる.図より,スケーリング深さは,最大で約25mm に達する箇所もあり,20mm 以上のスケーリング深 さが測定距離で 150mm 生じるような激しい凍害劣 化であった.また室内実験と同様の精度でスケーリ ング深さが測定可能なことを確認した 1).図-3 に,

スケーリング深さ測定データを基に求めた各側線の 平均スケーリング深さと最大スケーリング深さの関 係を示した.図より,平均スケーリング深さと最大 スケーリング深さの関係は,ほぼ比例関係にあり,

平均スケーリング深さが10mm程度で深さ25mmに スケーリングが進行している箇所もあることがわか る.つまり,平均スケーリング深さが増加するとこ れとともに局所的にもスケーリングが深く進行する と言え,かぶりコンクリートからの塩化物といった 劣化因子の侵入を考えるとスケーリング劣化の評価 は両者の進行の程度を評価することが重要であると 考えられる.図-4には,今回の測定結果より,調査 橋梁のスケーリング劣化の進行を推定するため,平 均および最大のスケーリング深さと供用年数の関係 を示した.ここでは,供用年数0年をスケーリング 深さ0mmとし,供用現在の76年目の測定結果と線 形関係にあると仮定している.なお,調査橋梁のか ぶり厚が不明なためスケーリング深さの鋼材位置到 達年数は評価ができない.図より,かぶり厚を30mm とした場合,平均スケーリング深さは供用年数 100 年を過ぎても30mmには達しないが,最大スケーリ ング深さは供用年数約 80 年で鋼材位置に到達する ということがわかる.このように,スケーリング深 さを実 RC 部材に適用することで現在や今後の劣化 状況を評価することが可能になり,測定を定期的に 実施することでRC 部材の凍害劣化の劣化予測がよ り正確に行なえると考えられる.

4

4 .. まま とと めめ

本研究では,凍害橋梁のスケーリング劣化状態を 現地で測定する方法を構築し,その劣化度を評価し た.その結果,室内実験同様の精度でスケーリング 深さが測定できることを確認した.また,測定値を 基に平均スケーリング深さと最大スケーリング深さ を求めることで,将来のスケーリング劣化の進行が 予測可能と判断された.今後は,3 次元レーザー変 位測定によりスケーリング深さ測定方法を合理化し,

実用的な手法に発展させる予定である.

謝 辞辞:本研究は,平成21年度科学研究費補助金(若 手研究(B)21760365)を受けて行われた.また,本調 査では,(財)ふくしま市町村建設支援機構 大越雅城 氏の御協力を頂いた.ここに記し謝意を表します.

【 参参 考考 文文 献献 】】

1)子田康弘・岩城一郎・中村晋:大型環境試験装置 を用いたRC部材の凍害促進方法の考案に関する 実験的検討,日本大学工学部紀要,Vol.1,pp.1-4, 2009.

2)岸利治・秋山仁志・井上翔・吉田亮:現地調査に よる歴代既存コンクリート構造物の表層品質相互 比較,生産研究,Vol.60,No.5,pp.508-511,2008.

図-2 スケーリング深さ測定結果(L-2)

図-3 平均スケーリング深さと 最大スケーリング深さの関係

図-4 平均および最大スケーリング深さ と供用年数の関係

-30 -25 -20 -15 -10 -5 0

0 100 200 300 400 500

距離(mm)

ケーリング深さ(mm)

0 5 10 15 20 25 30

0 5 10 15

平均スケーリング深さ(mm)

最大スケーリング深さ(mm)

L-1 L-2 L-3 L-4 L-5 回帰直線

0 10 20 30 40

0 20 40 60 80 100 120

供用年数(年) 平均と最大のスケーリング 深さ(mm)

最大 平均

かぶり 30mm 土木学会東北支部技術研究発表会(平成22年度)

参照

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