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ソヴェ†・における抜歯効率論の展開

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(1)

43   ソヴェ†・における抜歯効率論の展開   −・ム了l−  

ソヴ、エトにおける投資効率論の展開  

(そ の 2)  

石 津 英 雄  

ある部門を発展させるのにいくつかの技術的把代替可能なバリアントがある   としよう。その場合,最も効率的なバリアン†というのは,生産物の生産と部   門の発展に.要する総支出を最小としながら,しかも国民経済計画漉よって規定  

され,国民経済の必要をみたすに十分な鼻だけ部門生産物をつくることができ   るバリアソトをいう。いま出発点紅おける部門の年生産屋せ〟0で示し,それ   を生産するに.要する経常支出を50で示すこと紅する。これらの数屋は,客観的   に計測され,また部門の将来の発展テンポとその方向を決定する起点となる。  

もちろん,各部門の発展テンポ(摺)は全国民経済の発展計画に.関するバランス   計穿にもとづいて規定されなくてはならなし 

ずるには,全社会的生産の均衡的発展という要求に従って部門生産物の増大テ   ンポはすでに.与えられているとするのが合理的である。もっとも国民経済の発   展テンポは投資効率係数と密接な関連を有する。これについては別の機会に.検  

(1ノ  

討した。しかし,ここでの主題は1定チッポで部門が発展をとげるさいの投資   選択原理を解明するこ.とてある。そのうちでも技術進歩に.伴う現存設備の更新  

問題とそれを保証しうる投資効率の計算は格別に重要な問題であり,この種の   問題に.関する科学的解決をめぐってソグ工卜経済学者の閑JL、も高くなりつつあ  

る。前回に引き続き,われわれほべドクタの論説を中心に部門投資の選択原恩   とその測定方法を検討する。   

いま所与の発展テンポで部門生産物を増大するため書こ企業が新たに建設され   るとし,その場合に・おける生産物原価をCであらわし,また企業の建設期間を  

(1)拙稿「ソヴュトにおける投資効率論の1方向」,け ̄大泉行雄1専士還歴記念論文集』近    刊に所収   

(2)

44  

第36巻 第1一写   

ー一 寸・ノ ーー  

考慮せる比投資−・生産物単位あたりの投資臍・を〟殉であらわす∈とにしよう。  

そうすると,才年後における総生産物の生産と部門の発展紅要する総支出は次   の(1)式で示されることになる。すなわち,  

Z古=S。十肱(∽才一1)c+朗。∽亡(研一1)〟殉(1)   

である。この式の両辺を才年における生産屋(弧明りで割れほ,単位生産物   あたりの支出(α才)がえられる。つまり(J′)式がこれである。  

帰一寸  什(研・一1)〟・殉(1′)  

この式に應沖ナるCoは(意)蛸しく,これ舶発点細ける部門平均原価  

をあらわす。さらに上式を変形すれほ,  

J〃−1  

如意寸(1・−志)(ル    〟・乃)(2)   

1  

U㌻芯  扉  

のごとくなる。   

いうまでもなく,この式におけるC。と彷ほ定常項であって,Cと〟■何とにイま   無関係な大きさなのであるから,単位生産物あたりの支出(α右)を最小とする紅  

は,  

〃7−1  

〟−がキmin(3)   

C十   トー  1  

の条件がみゃされなぐてはならない0  

(2)式と(3)式から明らかなごとく,≠=1払おいてこは,〟バ息C+沼〟 循==mi長のと   き最小値となる。そして:ここ紅示された(か十托兢−ね)は,いわゆる追加生産物  

1単位あたりの支出を示しており,また才ニ∞であれば,批はC十(研一・1)〟鴨   ニminのときに最小値となる。  

α才ニC十・(研一1)Ⅳ殉   

ところで,いま企巣を建設するの紅,生産物原価(c)と比投資(〝拘)がそ   れぞれ異なった四つの投資バリアソトがあるとして,研=1.1の場合書こおける  

(C十研〟・,息)と(H−(7〝−1)〃,b)を算定しよう。その結果は簿1表に示されるご   とぐである。   

(3)

ソプアトにおける投資効率論の展開  

45   ー45−   

第1表  

第1表に従って初めに.第1バリアソトと第2バリアソトを比較すると,この   場合にほ,明らかに前者が後者よりも効率的である。なぜなら,第1年次に・お   ける単位生産物あたりの支出が両者とも紅等しいのであるから,遠い将来にお   ける支出の少ない欝1バリアソトが当然に効率的といえる。また夢1バリアソ  

トと第3バリアソトを比較するさい把は,遠い将来における単位生産物の支出   が等しいから,第1年次における支出の大小がバリアソト選定のきめ手とな   る。この場合紅偲,明らか紅第8バリアソトが優位に立つ。ところが、第1バ   リアソトと第4バリアソトとの比較になると,そのいずれが優位に立つかは必   ずしもこの限りでは明らかではない。というのほ,第iバリアソトについてみ  

ると,長期に.おける単位生産物の支出は第4バリアソトのそれよりも少ないの   であるが,他方第1年次においてはその関係はむしろ逆なのである。だから,  

このような状況では二つの投資バリアソトに.ついての優位を決定するには,こ   れまでの説明では不十分である。   

第1表紅示されるように,第1バアリアントでほ此投資は高く原価が低くな   っているのに,他方,欝4バリアン∵卜では比投資が低く原価が高い。また単位   生産物の総支出(〟)についてみると,初めの間は第4バ.リアソトの方が低く,  

やがて一定の時間がたつと両者は等しくなり,さらにその時点をすぎると第1   バリアソトの支出が低くなるという関係がみられる。   

このような特殊な場合には,第1表で示されたような投資の効率指標ほ全く   役立たず,むしろ追加投資の効率係数が重要な指標となる。周知のように,原   

(4)

第35巻′、欝1号   46   ー イ6・一一  

価と投資額の異なる二つのバリアソトがある場合,生産物原価の節約額を追加   投資額で割ってえられる比率がここにいう追加投資の効率係数なのであって:,  

通常その逆数が投資の償還期問と呼ばれて:いる。ソヴエ†・の経済学者たちほ,  

このような概念を用いて投資の優劣可否を決定し,投資選択の有力な指標とし   て:いることは周知のとおりである。しかもこのように.して算定された効率係数   が,当該部門に.おける投資の標準効率係数に比して高い場合に偲,そのバリタ   ントを採用することが望ましいといれわる。そこで次に上述の第1バリアソト   の原価と比投資を肇れぞれClと机で示し,同様に籍4バリアソトのそれを   撤と〟2で示めせば,より高い投資を必要とする第1バリアソトを採用するた  

めの条件は(4)式で与えられる。  

ぐ1一−C2  

二>¢0   (4)  

(か=   

JJニ−〟1  

(4)式における¢。は当部門紅関する投資の標準効率係数である。  

この公式軋第1表の数字を入れて計算すると,給果は次のごとくなる○  

2.3−2  

= 0.3   

¢=   

5−4  

したがって,この部門の標準効率係数がOl・3以上であれぼ,第4バリアソト   が採用されるこ.とになり,逆に.それが0.3以下であれは,当然に第1バリアソ  

トが選ばれることになる。   

それでほ任意のバリアソトを選んだ場合,単位生産物の支出が等しくなるに  は,どれだけの時間を要するのであろうか。念のため,いま,その時間を計算   しでみよう。(2)式によると,ニつのバリアシーの支出が等しくなるための条件  

は,  

加古(〝トー1)  

(、l−−′′∫∴!′卜1l−′・・−l・、・・    7が・一一1    八一ニ  

で示されるから,結局のところ,この式はさらに次のように変形される。  

Cl−・C2  沼右(研一1)  

,−−−−−−−→   

穐−〝1    沼才一1   

=¢であるから,¢=笠ヂ 

となる。さらに   

Cl−C2   前述のように,   

J\ ̄ご・・▲J「l  

(5)

ソヴューにおける投資効率論の展開   ー 47−  

47   

¢   口紅なり,つぎに両辺の対数をとれほ,  

この式を変形すると,仰   

¢・−(研一  

任意の2っのバリアソトの総支出が等しくなる時間を決定することができる。  

すなわち  

log  ¢一−・(研・岬1)  (p  

(5)   

才=  

である。この数式は,いわばg時点において第Ⅰバリアソトのより低い生産   物原価からえられる年節約額が投資の年々の超過額に等しくなることを意味し  

てこいる。要するに,生産暑が年々増加して−いくような場合払おける償還期間ほ   あくまでも(5)式で示されるのであって,通常ソヴェ†の経済学老が用いてこいる   ように.,単純紅投資効率係数の逆数をもって∴償還期間とするわけには,いかない   前回紅説明したように,ベドゥタはこの点を重ねて別の方法で論証している。  

このような通説の誤りを指摘した点にかれの一つの重要な貢献がある。前例の   数値紅よって説明すれほ,(5)式紅よる償還期問は,  

0.3  

log   

才=ニリニ旦二Åし1二1L=4.26年      lo1  g。1   

となるが,いま単純に.偵還期間を効率係数の逆数として.計算すればナそれ凝   3.8年となる。   

新しい技術を採用することによってえられる節約が生産のいっそうの発展に  利用されることがないのであれば,ソヴ、エトの経済学者が通用説明しているよ  

うに,償還期間を効率係数の逆数として単純に計算することができよう。もし   そうでほなくして,べドクタの考えているように.,その節約が生産量の増加に  結びつくのであれば,両者の関係はいっそう複雑なものとなる。だから,その   意味では偵還期間の公式を用いることはきわめて危険なものとなる。要する   に,通説の見解は投資を1回限りの行為として捉えるにすぎず,このようなア   プローチの帰結として∴ 償還期間が効率係数の逆数として規定されるのであ   る。もし現実紅なされろ投資がそのような形態紅とどまるのであれば,第1バ   リアソトを選んださいの第1年次紅おける追加投資は3.3年間の生産物原価の  

(6)

¶ イざ・一一−   第36巻 第1号   48  

節約によって偵還されることになる。しかし資本建設は籍1年に制限されるも   のではなく,それはずっとそのあとの期間に.も続けられる。だから,投資効率   の問題を論ずるにあたっては資本建設を1回限りの行為としてではなく,むし   ろ連続的に完成される過程として把挺すべきであり,またそうするのが現実的   でもあろう。そのように.みるかぎり,前例における投資の追加支出は,3.3年   でほなしに4…26年間に償還される。ところで,投資の標準効率係数をいかに/設定   するかはソヴェトにおいてこも見解が異なってし、る。ベドクタほ部門毎に.それを   設定すべきとの多数説の立場に立ち,その理論的根拠を積極的に展開した。こ   れは前回に指摘したごとくである。またポーランドにおいては,カレツキ1−や  

ラコフスキー・によってソヴ,ヱトとは全く異なった全部門単一・の標準効率係数の   算定が試みられている。これに関してはツァゥバ−マンの詳しい比較検討がす 

しご1  

でに発表されている。この問題自体については筆者も機会を改めて根本的に.検   討すべきと考えている。ただ主題から離れるので,ここでは一・応この問題には   触れない。ともあれ,新しい技術を採用するさいにほ,投資の増加は1方では   生産物価格を引きあげる傾向をもつが,他面では生産性の向上によって生産物   原価を構成する他の支出がそれ以上低下させられることになり,結局価格は引   きさげられる。いま指摘した二つの傾向が相互に.作用しあって,単位生産物の   価格が最低限となるように,新しい技術を採用すべきである。このような状態   は,(4)式紅よって−示される投資バリアソトの選択条件を守ること紅よって可能  

とされる。   

ところで,ソヴヱ.卜で通常いわれる部門生産物価格は,原価を構成する部門   の平均支出と部門生産物1単位あたりの部門投資とを含む。ところが,この(4)  

式ほ部門の平均的な支出ではなく,建設対象の各バリアソトに関連せる具体的   な支出を含んでいる。もちろん,それぞれの投資バリアントを実現する場合の   具体的な支出は,当該部門だけではなしに.,多数の関連部門における平均的支  

(2)A.ZaubeInan,The Soviet and Polish Quest foIaCriterion of rnvestment    Efficiency,Economica,Aug.,1962.pp236−一−239。and pp.243−−248 

(7)

49   ソヴ.ヱトにおける投資効率論の展開   −− ■Jク ー−−1  

由に.も影響を及ぼす。これらの支出のすべての変化は,矧封引背トおよび部lこ11]内部   の諸連関を明らかならしめるところの,投入−・産出分析の結果に・よってこのみ把   握することができる。しかし,この方法に.よる計算はきわめて複雑であり,し   たがっで,部門の最小価格を基準として.効率評価を行うこともさしあたって困   難である。そのために,べドクタは,最低限の部門価格を周いて効率評価を行  

う代りに(4)式によって示されるような支出の標準効率係数と当該バリアン†の   具体的支出を比較して,投資の優劣可否を論じようとする。   

さきの(4)式でほより効率的なバリアソトほ次の条件をみたさなくてはならな    い。  

Cl・一C2  

〟■雲・−〝1  

二>¢0   

この式を変形すると,上述の条件は,  

Cl十¢0′(■1>C2一+¢0〟■s   

となろ。だから,−・般的には二つないしはそれ以上のバリアソトがある場   合,そのうちで最も効率的なバリアソトは,  

Ⅳ=C・十¢0/(■殉=min   (6)   

をみたすものでなくてほならない。  

(6)式で示されたバリアン†の効率基準Ⅳほべドクタが初めに求めようとした   ような,最低限の部門価格を意味するものでほない。ただここではこのよう   なバリアソトを採用すれば,総社会的生産物が最小限の社会的労働支出でもっ   て生産されるであろう,ということを示している。周知のようにこの公式の理  

(3J 論的根拠づけの問題を体系的に展開したのがB・Bノポジロつであった。前述  

の(6)式に.おける額(¢oJ〈殉)ほ投資(〟■乃)の標準効果をあらわす。いいかえれ   ぼ,投資(〟一児)が最適バランスに含まれるために,必ずもたらさなければなら   ない最小限の労働節約鼠をあらわす。だから,(C・十¢0〟乃)は原価とその企画   バリアソトによってもたらされる標準的労働量との和である。そしてノポジロ  

(3)晶ムチノ孟祭『マルクス経済学の数学的方削上氷所収のノポジロフの論文「社会    茸義経済における支出と結果の測定」参照。   

(8)

第36巻 欝1号  

−5α−−   50  

フも指摘しているように,「(C十¢0〟ね)の最小値に.よる方法の優越性ほ,計   算が簡単になるとか,やりやすくなるとかいうことよりほ,ほるかに屈要な点   にある○理論的にみれば,C一+¢0〟拘の計算ほ,労働繋出の特殊な測定方法−  

すなわち労働支出の全般的最小限の発見を目的とする測定方法鵬−である。実践   的に.ほ,このような支出測定ほ,単に蓄積と投資の最適バランスを作成するた   めばかりでなく,国民経済の封画化に.関する他の}・連の重要問題を解決するた  

く4)  

めにも,唯一・可能なものである」といわれている。ところで,このような,ノ   ポジロフの見解に対しても批判がなJ、でほない。.4・ガ・エメリャL−ノフによ  

(5)  

ると,基準バ.リアソトとの比較に.よってよりすぐれたバリアソトを選択する場   合(相対的効率の計算方法)に.は,計算上の最小限の支出(C・+¢0〟殉)を用い  

て:それを比較することほ許されず,そしてかれほ.あくまでも基準バリアソトを   設けて∴相対的な効率計算を行うのがよいと指摘してこいる。その理由として∴エメ  

リャーノブがあげているのほ次の二点である。計算上の労働支出を適用してこよ   りすぐれたバリアソトを選定する方法は,第1には1年間紅¢0〟あだけ原価が   増加することを理論的に根拠づけることはできないし,また第2にほ.このよう   な方準は相対的な効率指標のための基準を選定する方法とも予膚するから,こ   の方法は正しいとはいい難いと断定している。そしてエメタヤ−・ノフほ,ノポ   ジロフ流の計算上の労働支出によるバリアソト選定方法ほ,あくまでも計算手   続の簡略化のためにあると考えている。しかし,筆者の見解でほ,一エメジャー  

ノフの指摘はノポジロフ理論の本質を必ずしも十分に・理解しているようにはみ   られない。こ.の点ほ次に.説明される例示から明らかである。べドクタ紅よる  

(6)  

と,ある部門の支出効率係数は少くとも機械製作と金属加工部門での支出効率   係数を下回ってはならない。いまこれを標準効率係数に選ぶと,前回に示され  

(4)前掲邦訳苔125−126ぺ−・汐。  

(5)3KOHOMHqeCKa刃9帥eK血BrrOCh,MeXaHH3allH74HABTOMaTH3auHH    r7poH3Z;ORCTBa,nORpeRaZ{即e葺AりD・EMeJlb51HOBa14A C・ToJIKatIeBa,   

MocIくBa,1962 cTp・74−75・ト  

(6)H・HlBeAyTa,0も9KO110MHtleCKOfi:ゆ¢eK r74Bl†OCT11Z(anHTaJrZ}r[hTX BJIO〉Kem摘  

、B npOMu叫刀eHHOCT托,朗瑳耶K,ユ960いCTpl・2】4・   

(9)

ソグ,エトにおける投資効率論の展開   ー5才一 

51   

たように¢0=0.J25となる。この数値を用いて.,(C・+¢溝一拍)の公式による第1   表の各バリアソトの計算上の労働支出を求めてみると,この結果は次のように.  

なる。∵すなわち,耶=3.25,Ⅳ3=4.1,l悔=3.1,帆=8.3である。明らかに.  

第8バリアソトは最小限の労働支出であり,これを採鳳すれば,社会的には最   大限の節約効果がえ.られる。ここで再びさきの第1表をみることにしよう。第  

3バリアソトの労働支出は短期的に.も長期的に.も最小値であり,これはノポジ   ロフの公式(C+¢oJ( 殉)=minに対応している。ところが,エメリャーノフの指   摘のどとく,ある′リアソトを基準虹選び,その相対的効率を計算すると,か   えってその結果は歪められて.しまう。その意味からしても前述の公式は,新し   い技術の効率評価にも,あるいほ生産能力増大の最適バリアソトの選択原理と   して役立ちうるとみられる。もっともこの場合に.おける各部門の表出の標準効   率係数をどのように.して決定するか,これほきわめて重要な問題であり,この   点紅ついてはベドクタとノポジロフあるいはカントロビッチの間にほ著しい見  

(丁)  

解の相違がある。べドクタの見解については前回に指摘した。後者の見解に関   しては別の械会紅譲り,議論をさきへ進めよう。   

ところで,一般的にいうと,新しい技術の採用ほ生産最の増加と結びつくこ   ともあれば,あるいほそうでない場合もある。これは技術進歩によって.設備の   陳腐化を生じ,生産能力の遊離か起るかどうかにかかっている。いま新しい技   術を採用して:も,それが生産量の増加と結びつかないのであれぼ,この場合に   おける投資効率係数は年間の節約を投資鬼で除した商としてこあらわされる。こ   れ紅対して新しい技術の採用が生産恩の増加につながる場合に二.ほ.,周知のごと  

く,投資効率係数は年間節約額を追加投資額で除した比率として計算される。  

そして現実の投資効率係数が部門の標準効率係数を遇える大きさであれば,こ   れら二つの場合紅おける新しい技術の採用ほともに合理的である。しかし,現  

(7)ノポジロフの見解は前述の同氏邦訳番に展開されている。またカントロビツチについ    ては次の文献を参照のこと。   

几 B.KaHTOpOBHt[,9z{OHOMtitleCIくHfipact7eT HanJIyulerO HCrIOJlh30BaHHfI    pecypcoB,MoeIくBa,1960   

(10)

欝36巻 欝1号  

一点2−   52  

存生産能力の遊離という点でこ.の二つの場合ほ全く異なっている。すなわち・,  

前者の場合に′は,新しい技彿の採用に伴って必然的に現存設備の陳腐化とその   遊離を生ずるのであるが,後者につい・てこは必ずしもそれが起る必然性はなく,  

新しい生産能力の導入が現存生産能力の遊離を伴うことがありうるというにす   ぎない。新しい技術の採用ほ,老朽技術をもった企業での生産物の生産縮少を伴   うことに.なる。つまりこの場合には,新しい技術に.よって部門に課せられた大   きさだけ生産物を増加させることができるだけではなく,盲い技術に.よって現   に.生.産されていたとこ.ろの生産物の生産を新技術に切りかえるという問題も解   決される。もちろん,新技術の採用は必ずしも新しい企業の建設だけに結びつ  

くわけでもない。現存の企米では技術が更新され,その結果,単位生産物あた   りの支出が切りさげられ,生産物の生産量が増大されることになる。このよう   な技術の更新の場合に.ほ,いままで稼動していた労働手段の遊離もしくは遊休   化の状態が起ってくる。いうまでもなく,この原因ほ労働手段の物理的な磨滅   ではなしに,道徳的磨滅である。しかし旧技術の遊離状況はあくまでも新技術   に.もとづく労働手段の生産温いかん紅かかっているのであって,社会主義のも  

とでほそれほ計画的に実施される。べドクタほ新しい技術の進歩に′伴てっ起る   道徳的磨滅を認め,これを積極的に評価しようとする。   

だから,かれの見解では社会主義における技術の計画的発展にあたってほ次   の諸点を十分に.考慮すべきであるとされる。(1)新しい技術の効率を評価するさ   いに」日技術の遊離をどれだけ考慮すべきか,(2)いかなる条件のもとで新しい技   術紅よる生藩が部門生産物の必要増加盈を越えて計画化されるか。(3)現存企業   の改造が新しい企其の建設よりも望ましい条件は何か,またそれとほ逆に企業   の建設が望ましいとされる条件は何か。べドクタほ新しい技術の支出砂率係数  

(8)  

を一腰的に.は次のような公式で示している0すなわち,  

∂1十∂2十∂3  

¢=−   

1百石斉詞訂   

である。このような公式に.よって投資効率係数を決定するに・ほ,周知のよう  

(8)Be月yでa,でaM〉Ke,CTp122,226・   

(11)

ソヴェトにおける投資効率論の展開  

53    ー53−−・  

紅,三つの分野での新技術の採用による年間節約額を計算しなくてはならな   い。これほ−・般的にほ次の三つに区別される。まず第1にほ新技術を採用した   部面でえられる節約(∂1),第2にはその質の改善された生産物を需要した場合   にえ.られる節約(∂2),第3に.ほ新技術の採用によって解放される労働手段をさ  

(9)  

らに他の部面で利用したさいに.えられる節約(∂8)がこれである。他方,支出は   二つの労働部面に.ついて計算される。すなわち,(1)新技摘そのもの(仔1)と流動   フォンド(ガ2)の変化(増加ほプラス,減少はマイナ・スで示される。)(2)他の部   面で,設備を利月]するために必要とされる改造もしくは修繕のための支出であ  

る。   

もし(生産物の貿の向上からえられる)節約∂乏を∂1のうちに.含めるか  ,あ   るいは全然それが存在せず,また単純化のために流動フォンド(∬2)の変化を  

新技術の支出(∬1) 

∂1+∂3  

¢= −一−−・−−・−−  

.打1・+∬B   (7)   

のように.単純化される。   

この(7)式に.ついてほ.若干の説明が必要である。(1)新技術の採用紅もとづく節   約(∂1)はそのうちに∴需要者側で形成される節約(∂B)を含でいる。もし需要者   の生産物が生産手段紅変わり,同時に供給者に.おいても生産物原価が引きあげ  

られ,節約∂1が負となれぼ,∂1と∂2の単純な合計ほ許されなくなる。こ.の場   合には計算は幾分複雑化する。(2)新技術の採用により解放される設備を他の部   面で利用することに.よって.えられる節約∂3は,いつでも容易紅算定できると   は限らない。その計算ほむしろ困難であり,設備を他の部面で利用するさいに   えられる効率を評価することは不可能ともいえる。そのため設備流周によって   えゃれる節約を設備の取沓費用との関係でこれを考慮しようとする方法が用い  

られる。   

新しい技術を採周した結果として第1部門での設備が解放され,それが第2  

(9:これらの問題についてほフランスの経済学老Cい べ−・トクレームの著書『経ぎ都「画の    理論」r(中沢篭次郎訳)の第6章にも展開されている。   

(12)

54   第36巻 第1号   

− j一ノ ーー  

部門で利用されるように.なろう。しかし,算1部門から譲渡された設備利用の   姶果として二節約がえられるだけでほなく,第2部門のため紅梅別に・改造された   設備利用の結果としても節約がえられる。この場合に・おける支出効率係数¢2   は次のような式であらわすことができる。  

∂8   小ご・−一 云−   

この式の∬βは第2部門のための設備の生産に要する支出,もしくは最新技   術の採用に.よって第1部門から第2部門へ譲渡される設備の取替費用をあらわ   す。   

いま二つの′りアントのうちから,いずれかを実現するとすれば,支出の効   率係数が高くなるものを選ばなくてはならない。第1部門での新技術′りアン  

トの採用ほ,¢>¢2の条件のもとで採択される。あるいはこの条件は次のよう   にも書くことができる。  

∂1十∂8   片l+∬ニ  

しかもこ.の式は次のように.も変形される。   

∂1   

前号弼>  

この場合,前述のごとく∂8を計算することができないとしてニ,新技術の採用   ニ¢0)で利用されるとすれば,上式    によって解放された設備が部門効率  

∂1   >¢0 となる。  

は   ∬1十方$−・∬β  

このことから,新技術への支出の効率を評価するには,他の部面で利用され   る設備の取替費用を支出から控除することが必要であることがわかる0 しかし  

このような結論ほ正しいと認めるわけはにいかない。   

新技術は投資の結果である。同様に新技術の採用によって解放された設備も   他の部門で用いられる労働手段紅対してこほ新しい技術であり,通常この技術の   採用ほ何ら支出を伴うことなく実現される。新し1、技術と他の部面で利用され  

るところの設備との間の第1の差異はこの点にある。   

弗2に新技術に.よる物憩的磨滅以前に.おける現存設臓の史新ほまさしく設備   

(13)

ーーお−  

ソグーエト払おける投資効率論の展開   

55  

ゐ道徳的磨滅を意味するのであって,いやしくも新技術の採用にあたってほ.道   徳的紅陳腐化せる設備の他部門への流用を新技術への支出効率係数を引きあげ  

る積極的モメソトとして慎重に.考慮すべきである。これに.伴う節約(∂8)の正し   い決定は直接的方法によるべきである。第3に.新技術によって更新される設備が   他部門で利用されるが,新技術の採用に.もとづく節約が更新設備について算定  

されるのであれば,節約を支出で割って決定される支出の効率係数ほ,そのま   までは部門効率係数とは比較されない。なぜなら,前回に示された公式 ¢=  

乃J一−1  

α   から明らかなごとく,それは生産過程から完全に.遊離せる労働手段に  ついて算定されるからである。それゆえ紅,前述のような仮定は許されなくな   る。しかし節約(∂8)が決定しがたいからといって∴遊離せる設備の他の部面   での利用を全然考慮しなくてもよいとほし、えない。こ.の問題ほきわめて複雑で   ほあるが,科学的に.解決さるぺき重要な問題である。   

べドクタは新技術の採用に.ともなって遊離せる設備を他の部面で利用する場  

(10)  

合にえられる効率を次のような公式で示してこいる。すなわち  

㌻・¢(ただし¢こ写!−  )   

(扉一一一1)〝㍗  

¢¢=1  

(〝で−・1)研一  

である。この式における¢。ほ新技術の採用によって解放される固定フォン   ドを他の部面で利用するさいにネられる効率係数であり,その他の記号は前回   に定義したとおりである。いま固定フォンドの平均使用期間を25年(t=25)と   し,新技術紅よって更新される固定フォンドがあと12・5年(t=12.5)間だけ使   用されるとすれば,研=1.1でが=椚の場合に.は,前述の算式による計算結果   ほ次のように・なる。  

¢。ニ…;0.6¢   

いいかえれば,新しい技術の採用にともなって.解放される設備を他の部面で   さらに利用するさいの効率係数は資本支出におよそ0・6の大きさを乗じたもの   た等しくならなければならない。ベドクタはこの数値を用いて間接的に∂sを   計算し,それを次のように示している。  

(10)BeAyTa,TaM二敲e,CTP・195・   

(14)

簡36巷 第1号   56  

【 56−  

∂3=0.6¢ogβ   

¢0ほ部門における標準効率係数であり,また互βはさらに利用される更新設   備の取替費用を示す。この間接的方法によって計算された∂8を前述の(7)式に   代入し,その結果を標準効率係数(¢0)と比較すれば,新しい技楠の採否の条   件は粘局次のような公式で示される。  

∂1十0.6¢ogβ  

>¢0   (8)   

¢ニ   

∬1」一∬B  

ベドクタはこの(8)式によって新しい技術の効率を評価するよう積極的に.提唱   している。またこの(8)式は(9)式のごとく変形される。   

¢1=← 

瓦1  >¢0   (9)   

もちろん,この(9)式ほ投資の実際の効率係数を正\終に成定するに服役立ちえ   ない。しかし,新しい技術の採否を決定するうえで一応役立ちうるとみてよ   い。もっともこの場合理論的には一つの大きい前提がある。つまり,新技術採   用の姑果として二改めて他の部面に流用可能となった設備はいったいどれだけの   期間現実に使用できるのであろうか。さきに・示された数値はこれを既知(12.5   年)として計算されたのであるが,必ずしもそれは常紅そのように確定される  

とは限らない。だから,前述の係数(0.6)というのはあくまでも近似値であ   り,誤差を含むことは避けられない。もちろん最善の数値をうるに.はなお方法   的に検討すべき余地は残されている。   

次紅問題となるのは,新技術に要する支出を決定するさい紅流動フくンドの  

変化をどのように.考慮するかである。−・般的に偲新しい技術が採用されても,  

流動フ;ンドの大きさは実質的にほ磨らないとして,と.の問題にはさして考慮   を払っていないように.みられる。しかし,設備の改造に要する支出削減を促す   シーーリズ式生産の拡張といったような技術的措置を採肝する場合にほ,流動フ   ォンドの大きさの変化は塵視できないものとなる。加工される製品の組数が多   ければ多いほど,製品】個あたりの設備の改造に要する支出ほ少なくなる。し   かし他方でほ,製品の組数が多くなればなるはど,この作業を行うために吸収さ   

(15)

ソヴュトにおける投資効率論の展開  

57    ーーー∂7− 

れる社会的な資源は大きくなる。たとえば,機械の改造によってニポール盤で二   つの作業が行われ,しかも恒常的な在膵の原価が機械の原価に.等しくなるとす   れほ,流れ作業方式で加工できる第2の機械を入れ,それがなけれほ生じたで   あろう在庫を解消するこ.とがより有利となる。このような在席の形成ほもとも  

と投資なのであるから,それが増大することに.よって発生する損失は,支出の   効率係数に.在庫量の増加を乗じて算定される。  

(11)   

そこで製品の最適愚を決定するために.,べドクタの用いている例示にしたが   って論述したい。記号ほ次のように.定義される。  

研一 製品組数(個)  

C雅一 設備の改造に.要する支出(ル−ブル)  

C−加工を行う以前の製品原価(ルーブル)  

Cp一 製品1個あたりの加工費(ルー・プル)  

f殉一 設備の改造に.要する時間(分)  

gp一 製品1個あたりの加工時間もしくは男働集約度(分)   

上述の記号によって初めに.製品1個あたりの改造費を求めると,これほ次の   ようになる。  

〃1= J/J   旦  

また製品の形成と開運して:吸収される資源の大きさは,  

鮎沼(C十)   

となる。さらに.製品の加工時間ほ,  

r、・・ニ・〃′   

で示されるが,この場合のβは歴年時間の利用係数である。   

そして1糸目の製品をつくるのに必要なこ資源を引きあげることによって生ずる   損失は,  

仙 BeAyTa,TaM〉Ke,C仲233,235・   

(16)

籍36巻 第1号   58   1−∂β−  

〃2ニ忍r♪¢0肋   

で示される。¢0肋は年間の節約ではなし紅,1分間の節約で計算される新技   術への支出部門効率係数である0したがって,この効率係数は,  

¢0  

¢。肌=    365 x 24 x 60  であらわされる。   

このように.考えてくると,結局のところ,機械の改造と在庫形成とから生ず   る製品1個あたりの総損失は,  

〃=仇・」一一   

となり,前述の仇と〃Bの数億をこれに代入すれば,前述の算式は,  

(Cヰ・)軋研  

= 一   鼠 1ラ「865×24×60×β  

のごとく示される。この式を沼で微分してニゼロとおけば,〟を馴→ならしめ   る研の催いが求められる。  

dナノJ   

旦己−・−+  

したがって,  

= 0    865×24×60β  

/   ■ ■  

〝㍗=72町(C+与)軌となる0  

さらに.ここで槻械の改造に・あたる労働l時間の平均賃鋭を5ルーブル,また   生産労働のそれを4ルーブル,雑費を300%とすれば,設備の改造費(G)と   製品1個あたりの加工費(Cp)はそれぞれ,次のように・なる0  

すなわち,G=5(1+意)−=0・軌  

cp=4(1・⊥詣)j㌻ニ0・27≠p   

となる。さきに.示したよう紅,歴年時間の利用係数はβであるが,いま7時   

(17)

59   ソヴュトに.おける投蟄効率論の展開   ー・・β9 −−  

間労働でこ交替制を採用しているとすると,その数値は(β==0・49で   ある。そして部門標準効率係数を¢○こ0.25として,製品の最適屋を求める   と,その結果は,(9)式のよう紅なる。  

彷=580/  

/   (9)   

シリー・ズ式生産ラインの改造軋要する時間を8人でそれぞれ7時間とし,調   達部晶の原価を25ル十プル,製品の生産テンポを5分間に.1個の割合と仮定す   れほ,(9)式による製品の最適鼠は,  

/〟   7 x 3 x60 

〝7こニ680   ニ1800個  

(25+0.13×5)5   

1800 x 5 

となり,この製品を加工するために必要な時間は,    ニ11労働日   7×2×60   

となる。このことは,要するに,ラインの改造は10〜11日に.1回の割合で行う   のが望ましいことを示している。新技術の採用に.関連して起る流動フォンドの   変化は上述の例のごとくきわめて重要である。   

次に設備を他の部面で利用するさい紅生ずる支出(∬8)は,実際に.は新技術   の効率を評価するさいに収計算にとりいれない。しかし,ある技術的措置が多   数の部門紅わたる合成物からなるような場合には,これを計算しないではすま   されない。たとえば,機械的加工を行うための自動ラインを採用することが経   済的に適当かどうかを論拠づけるさいには,前述のように,流用される特殊の   機械を利用することに.よってえらえる節約を考慮しないならば,恐らく槍庵的   な成果はえられないであろう。特殊の機械の利用は原則としてこその改造になに   がしかの支出を伴うであろうから,それからえられる節約と共に改造費用ほ自   動ラインの効率計算に.は当然に含ましめるぺきである。   

新技術の採用後に流用される設備が投資の効率係数に.いかなる影響をもちき   たるかを究明するには,まずし、かなる条件のもとで新技術に.もとづく生産能力   の増加が現存能力の遊離を伴うかを検討すべきである。新しい技術が生産畳の   増加をもたらすものでないとすれば,こ.れ怯導入された生産能力と遊離せる生   産能力とが等しいことを意味することになる。これに.対して∴もし新しt、技術   

(18)

第36巻 第1号    60  

− 6()−一  

の採用に.ともなって生産量が増大すれほ,この場合にほ,生産能力の遊離が全   然存在しないか,あるいは導入される生産能力の方が遊離せる生産能力を上回  

るか,そのいずれかであろう。これについてほさきに・も触れた0   

生産量の増大という課題を解決するにあたって,現存の固定フォンドの命運   がどのように.なるかは,結局のところ,いろいろの部門における技術進歩の成   果や新技術が当該部門紅対して与える生産量の増大いかんに依存する。いま新  

しい,より完成せる型の設備がつくられないとすれは,必要とされる部門生産  

鼠を増大するには現在の設備をいっそう多く生産しなくて1息ならない0しかし  

これに.反して,新しい型の設備がつくられるのであれば,現在つくられている   塑の設備の生産は中止されうるし,また一定の条件のもとではその生産を中止   するだけでほなく,現在の設備を新しい,より完成せる最新型のものと取沓え  

ることがいっそう効率的となろう。それではいったいこ.の条件はどのようにし   て決定されるのであろうか。そこでこの問題を次に検討してみよう。   

いま現在の技術たよる単位生産物の原価をqで示し,新しい技術のもとにお   けるそれを疏で示すことに.しよう。同時にそれぞれの技術のもとでの比投資を   机と〟・2であらわすと,現存の技術に.対する新技術の効率ないしは優劣可否の   決定は次のように.してなされる。すなわち,C雲・十¢0焼くCl寸¢0机 ならば,  

生産量の増大は,新しい技術に.もとづいて二行われるべきであり,また逆に・穐十  

¢。〟・2>Cl十¢。机であれば,その部門は現に.用いられている型の設備で装備され  

なくて.はならない。   

後者の場合における総部門生産物(〟慧)の生産紀要する支出は,  

51=〟2Cl   

となり,また生産量を〟1から〟2に増加するための必要投資鼠は,  

∬1=(〟望・一・ノMl)〟1   

で示される。   

しかし,第2バリアント(C2と〟・雲)は第lバリアソトよりも効率的であり,  

部門の発展は新しい技術にもとづいて行なわれると想定すれば,いまや〟1から  

〟2へ生産量を増大させるという当面の課題のみならず,現在設備の東新とい   

(19)

ソヴ工トにおける投資効率論の展開   一 丘〜一一  

61   

う問題もそれ紅よって解決されることになる。いま新技術による現存抜循のぼ   換によって二遊離する生産能力を〟βで示せほ,〟2の生産物の生産に要する支出   は,  

5乏=(〟1一朋β)cl十(〟2−′〟1十〟β)c2   

となり,そのときにおける一投資嵐は,  

g2ニ(〟雲−・朋1十〟β)〟■望   

となる。   

新技術を採用せる場合における任意のバリアンt・についての年節約額は現在   の生産方法について計算される。それゆえに・,第2′リアソトを採周した場合   の節約ほ∂=Sl・一5盟であり,また同様に追加投資ほd∬=脆−∬1である○だか   ら,この場合の追加支出の効率係数ほ,   

人  ∂  Sl一−−5雲・〟2Cl・−〔(〟1・−・〟β)cl+(〟B・一〟1・+〟β)やL  

¢= (〟£一−〟1+〟β)侮岬    (〟B・一・〟1)〟1  

となり,この式の分子および分母を(〟2−・〟1十〃β)で割れぼ,結局(1吼式が  

えられる。  

¢ 完   rl−ぐニ  

(10)   

〟2・−〟1  

ノ材2−・ノ柑1ヰ・〟β  

この式から明らかなごとく,設備の更新とこれに.もとづく生産能力の遊離部   分(〟β)が大きけれほ大きいほど,投資効率係数は低くなる。そして¢の極大   値は〟β=0のときにえられる。いいかえれば,現存技術の更新が全然なく,追   加能力(〟B−・〟1)のみが形成されるときに・,投資効率係数は最高になろう。こ   れとほ反対に.,〟1=〟βのとき紅¢ほ極′J\借となる。つまり現存技術が完全に   更新される場合が計れである。このように.,(1α式に従って判断するかぎり,現   存設備が全然更新されないときには,部門発展の投資バリアントは最も効率的   であり,より完成せる新しい設備紅よって周存設備が取替えられるとき紅は,  

投資効率係数は低下することとなる。  

(川式に従えば,投資効率係数は更新設備の増大紅つれて低下するが,これは   また投資騒の増大によっても引き起される。しかし,問題ほ単に投資の効率係   

(20)

第36巻 第1号  

ー62−  62  

数を極大にするだけではなく,国民経済の発展のために各部門に酒己分される総   投資屋を効率的に利用することに.ある。ところが,前述のように.,投資盈が大  

きくなればなるはど,技術的手段を実現する可能性は増し,その結果投資効率   係数は低下する。だから,そのときには生産物を生産する種々の技術的バリア   ソトの選択が問題ではなく,ニつのバリアソトの最も効率的な結合が問題にな  

(12)  

る。この問題はB・B・ノポジロフに.よって詳細に検討されて:いる。かれが最   も効率的な牒且合せを選択するにあたって重視したのは必要な投資と投資限界と   の関係′であった0だから,ノポジロフに・よれば,かりに必要な投資が所定の限   界を越える場合にj息,実験的な標準効率は引上げなければならず,また逆に必   要な投資が限界よりもはなほだ少ない場合には,当然に.標準効率は引下げなけ   ればならなくなる。そして二必要投資とこの限界とが一致した場合には,最大の   投資効果をもたらサバアリアン 

(18)  

る。べドクタはこの種の問題についてほ別段触れるところがない。しかしノポ  

(14)  

ジロフの見解には必ずしも賛成してこいないとみられる。   

さきに示した仕α式では,新しい技術によってえられる総生産物蜃は(〟五一〟1   ヰ〟β)であり,また生産量の総増加分は(〟2−・〟1)で示されている。そこでこの  

些地=ト       パイ 

比率(1)を変形すると,(       ▲  月イ_ l 月イ   〟β  

〟2−・〟1十〟β′■已∴クニル′プ Qノ+し ̄ 、  ノ眺・−・〟1+〟β   〟2・−・〟1十〟β  

がえられる。いま新しい技術によって.えられる総生産物患(〟公一・〟1・+〟β)の   遊離せる生産能力(〟β)に.対する比率を    ▲叛   =摺1であらわせぼ,   

〟£−・〟1+ルJβ  

▲結局(拍式ほ(11)式のように.あらわすことができる。  

ぐ1・−・侮  

(11)  

¢ =   

穐−(1一)〟2  

こ.の式では新しい技術にもとづいて∴導入される生産能力と遊離する生産能力   とが等しし、一つまり 沼1こ==1く−ならば,結局,生産恩の増大を伴わない支出の   削減のために新技術が採用されたことになる。さき把持摘したごとく,この場  

(1日 前掲邦訳審,ノポジロフ論文132ぺ一汐以下,参照のこと。  

(1罰 前掲邦訳書,133ぺ一汐。  

㈹ BeノIyTa,TaM:糀e,CTp・162小   

(21)

− 6β−一  

ソヴェトにおける投資効率論の展開  

63  

〟2   

合における投資効率は¢ニで示される。  

これ紅対して,現存技術が更新されず,生産能力の遊離がなければ,すべて   の投資は生産費の増大紅利用されること紅なる。つまり(11)式の記号では研lが無  

Cl−C2  

となる。  

限大となり,通常示されるよう紅,投資効率係数は¢=    打五・−・Ⅳ1    前述のごとく技術進歩監よって生産能力が遊離し生産量が増加しなければ,総   投資の効率係数が示され,また技術進歩紅よる生産能力の遊離がなけれは,追   加投資の効率係数が示される。エメリャーノフほこれらを別々に示している   が,ペドクタ紅よって示された(11)式を用いれほ,両者の関係はいっそう明確に   なる。こ.の点からみでも,ベドクタによって提案された投資効率の測定方法は  

きわめて−・般的であり,またすぐれて:いる。   

また(11)式をみると,同じ新しい技術でも部門生産物の生産盈を増大するさい   には効率的であるのに,それが現存技術にとって:代る場合(〟・2>穐−机)に   は効率的ではなくなる。したがって1沼1=…のもとで¢>¢0であり,逆に∽1=  

0のもとで,¢<や0となるならば,¢=¢0となるような摺1の中間値が存在し   よう。このような点を考慮サーると,新技術の効率を評価するあらゆる場合紅,  

標準効率(¢0)に目標をおくことが必然的となる。  

rl−rヱ  

>¢0の場合になお現存の技術にもとづい   さらにⅥ1)式から,¢=   

穐〜〝1   

て部門生産物の生産量が増大可能であるかぎり,現存設備の部分的更新は凝済   的に.正当であることが証明される。ある生産部門の内部でこの現存技術と並ん   でもっと古い技術が用いられてごいるのであれば,古い技術によって二つくられる   生産物の原価は当然仇よりも高い。だから,このような場合には,まず第1に  取替るべきものはそれにもとづいて部門発展が可能となるような現存の支配的  

な技術ではなく,Clよりも高い生産物原価で生産を行なっているもっと古い技   術でなくてはならない。そこで緊急に取替え.るぺき必要のある老朽設備でつく  

られる生産物原価をいまCoであらわし,第2バリアソトを選んだ場合にえら   れる節約額を求めると,それは,  

∂望=(〟乏・−・〟1)(el−ぐ2)・+〟β(Co−・C2)   

となり,他方,そのために必要とされる追加投資額は,   

(22)

ー 6−才 一−   第36巻 第1一写   64  

オ〟−=(〟2・−〟1)・(〟 2−→■机)十朗詠2   

となる。   

それでほ最適な設備の取替と生産能力の遊離の大きさはどのように.して決定   されるであろうか。いうまでもなく,こ.れは,追加牧資の効率係数と標準効率係   数とを等しいとおくこと紅よって解決される。すなわち,  

(〟2・】〟1)(cl−毎)十〟β(c。−・C2)  

=¢。  

(〟望−〟1)(〝2一一桁)ヰ〟β打2   

である。この式を変形すると,次のような単純な算式が導かれる。   

沼0=一【  (1オ  

念のため,(1訝式の誘導を説明しておこう。いま前述の  

(朋2一−・〟1)   (Cl・−ビ2)+財β(Co→穐)  

=¢。 の両辺にそれぞれ(〟2−〟1)  

(ルー2−〟1)(碗   一桁)十〟β打2  

(〟這・一尺 1)+〟β〟去を乗ずれば,  

(〟2・岬・〟1)(cl鵬亘=一〟β(Co−−C2)=(〟2−〟1)¢。(〟2一−〟1)+¢。〟β〟・2となり,  

この式の括弧を開いて共通項でくくると,  

(〟2−・〟1)(Cl十¢溝1)−(〟2…〝1)(鞄・+¢0〟・2)=〟β(C2十¢嘱・。2卜〟βC。   

前述のごとく,q十¢0机=隅,食+¢0〟・2=l穐とおくと,  

(〟2・・−〟1)(l坑一隅)=〟β(職−Cム)  

汀1−▲l†も   【   .叛  

l穐−Co   〟2−〟1  

この式の両辺に・1を加えて整理すれば,結局のところ,  

 ̄Ⅳ1一件妄十I梶・−・ぐ0  〟2−・〟1・十〟β.取・−C。   〟2・−〟1・+〟β  

==7〃   

l鴨−Co   〟2∵朋1   ‖◆Ⅳ2…・Co    ノM乏】〟1  

となる。   

だから,これほ導入された生産能力の生産能力増加分に対する比率を示すこ   と紅なる。  

(12)式についていえば,投資バリアソトの効率基準(Ⅳ)が低ければ低いは   ど,そして老朽技術による生産物原価(co)が高ければ高いはど,この場合に  おける新技術ほ必要とされる部門生産物の増加だけではなく,現存技術の取替   えをも保証するようにますます多く計画されなくて:ほならない。いま例示的に 

(23)

ソヴ.ヱトにおける投資効率論の展開   − 6β−−  

65  

説明すると,部門の生産量を年間1000単位だけ増加しなければならないとし,  

こ.の場合の最も高い単位生産物の原価(Cor)を8ル・−プルとし,最も低い生産   物原価(Cl)を5ルーブルとしよう。必要な生産墓の増加は,単位生産物の原   価(Cl)が5ルーブルであるところの生産物をつくるような現存の設備を部門   に.整備するか,あるいほ単位生産物の原価(魚)が2ル−プルであるような新  

しい技術を採用するか,そのいずれかによって可能となこる。そこで第1の場合   における比投資(一桁)を20ルーブルとし,また第2の場合にほそれ(〝2)を25   ル十プル,さらに部門の標準投資効率係数(¢。)を0.3とそれ産れ仮定しよ  

う。最も効率的な投資バリアソトを選び,新しい設備の最適生産量を決定する   には,初めに.前述の(6)式に.よってバリアソトの効率基準(Ⅳ一)を算定しなくて  ほならない。結果は次のごとくである。  

l仇=Cl」−¢0机ニニ5・+0.3×20ニ==11  

隅=C2十¢。/(・2=3・−卜0.3×.25ニ10.5   

したがって,上記のように.Ⅳ2く帆であるかぎり,部門の発展のためには第   2バリアソトが採択さるべきである。このようにして.第2バリアソトが選ばれ   ると,与えられた生産壷を増加するために必要な支出は,その生産増加温に第  

2バリアソトの比投資を乗じて求められる。すなわち,1000×25(ル−・プル)  

=25,000(ル−プル)がそれである。他方,第2バリアソトの採用に伴って起   るところの現存技術の東新規模は(12)式によって,  

什1・−イu   lトー8  

=1.2   

7/ノい ==   ===  

‑Co  lO.5一−8  

†lもー  

となる。その結果,いまや新しい技術に.よって生産すべき量(〟■月)ほ1.2×  

25,000(ル・−ブル)=30,000(ルーブル)であり,そのうち現存の機械を取替   えるに.ほ30,000−25,000=5,000(ル十プル)が使われることに.なる。   

もしいろいろの部門にとらて新しい技術が必要な生産量の増加に見合っただ   けしかつくられないとすれば,部門における経常支出の総額は必然的に増加  

し,同様に毎年の投資も増加するであろう。こ.れらの支出のすぺては,ある生   産物の生産に支出される社会的な労働時間の貨幣的表現なのであり,社会はこ   

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