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(1)

資本会計の見地より見たる  

株式配当について  

三 浦 和 夫  

l︑序︒   

企業会計の主体ほ︑資本提供者の人格から独立したビジネス  

●エンティティないし企業体という実体的存在にこれを求め  

ることができる︒資本提供者の人格から独立した企黄体が考え  

られるということは︑そこに︑独立の資本構成体が考えられる  

ことを意味する︒換言すれば︑資本提供者の礫出した資本ほ︑  

その提供者の所有からはなれ︑独立の資本構成体としての企其  

の所有となるので︑資本所有者としての企英体ないし独立の資  

本構成体が個々に存立する︒山下教授の言われるどとく企業が 人 

1︶  

資本の構成体として考えられる所以である︒これを再言すれ  

ば︑資本提供者から︑企業目的のために財産が提供された場合  

にほ︑企集の会計は︑これを︑企業資産として観念し︑把握す  

るとともに︑資本提供者に対しては︑資本提供者がその特定財  

産に対する所有機を失つた代りに取得するにいたつた企英資産  

総体に対する一般的・包惜的な権利︑.すなわち︑エクイティ  

︵2︶  ︵equi音︶を記録するものである︒このエクイティには︑盟本  

研究ノート  

第三千田巻 第五・六争  ︵四六四︶ 蒜遠  

提供者のいかんによって債権者持分と出資者持分ないし株主持  

分が存するのであるが︑企業会計上は︑このうち︑出資者持分  

ないし株主持分が資本と考えられる︒株主持分は企業活動の発  

展に従って増大するものであり︑それは究極において株主グル  

ープに帰属する資本ということができる︒株主持分ほ︑普通︑  

資本金︑資本剰余金および利益剰余金からなる︒きらに︑詳細  

に観察すれば︑資本金といっても︑株主の払込にもとずくもの  

のみとは限らず︑株式配当や法定準備金あるいほ再評価積立金  

︵S︶  の資本親入れの結果生ずるものもあり︑また︑資本剰余金と称  

せられ′るものについても︑今日︑なお/これを構成するものの  

範鴎に閲し︑見解の一致をみないのであるが︑それにしても︑ ︵ 4︶  わが国の﹁企業会封原則﹂が例示するどとく︑その源泉に幾多  

の種類がある︒また︑利益剰余金にも︑処分済のものと︑兼処 ︵ 6︶  分ないし繰越利益剰余金がある︒企益金封は期間損益計静の把  

握をその任務とするのであるから︑当然︑その一領域をなす資  

本会計においてもその任務をになう︒このゆえに資本会計ほ企  

菜の貸借対照表のいわゆ渇﹁資本の部﹂を対象とする会計領域  

と解し︑その構成部分ないし項目について︑安易に研究すべき  

態度はとるべきではない︒なぜなら︑それだけでほ︑その任務  

に応えるわけにほゆかないからである︒丹波教授のいわれるど  

とく﹁この表面的︑部分的な研究方法とともに︑資本会計の企  

業会計全般に建つている全般的構造との開運において研究する  

︵6︶  態度﹂をとることが必要であろう︒この立場にたって︑株式配   

(2)

当を考察しょうとするのが本稿の基本的立場である︒資本会計′  

の見地よりみたる株式配当と表題にかゝげたのはこの意味にお  

いてである︒株式配当の問題は︑資本会計全般からみた場合︑  

小さい問題としても︑それ自体は︑種々な問題を含んでおり︑  

それらについて︑すべてをこ1で︑詳細に論攻することはでき  

ないから︑こ1では︑その基礎をなすと考えられる株式配当の  

性格に重点をおいて考察することとしたい︒昭和三十四年二  

月︑株式配当の状況について︑毎日新聞は束京証券取引所上場  

の三︒九月決算会社二百三十九社のうら︑無償増資や株式配当  

︵7︶  を行う予定のものを二十三社と報じている︒具体的事例をあげ  

れは駒井鉄工所が三月決算において︑年二割の配当のうち︑一  

︵8︶  割相当分を株式配当とするごときである︒   

でほ︑株式配当とはどういうことであろうか︒   

後述のどとく︑株式配当とは自社株式をもって支払う配当で  

ある︒その結果として︑配当源泉たる留保利益が配当金額だけ  

減少し︑資本金︵または資本金および資本剰余金︶が同額だけ  

慮加するのである︒簡単にいえは︑留保利益の資本化を結果す  

るのである︒しかし︑会社資産には︑何等の変頁もない︒これ  

が重要な特徴である︒株式配当の資本会計匿およほす結局の効  

果は︑配当利益の槽記と資本金︵またほ資本金および資本剰余  

金︶ への貸記である︒すなわち︑こ1に︑こつの問題が存在す  

ると考える︒   

その第劇点は︑倍記さるべき利益︑換言すれば︑配当源泉と  

資本会計の見地より見たる株式配当について   して用うぺき利益いかんであり︑その欝二点は︑配当利益から  資本金︵または資本金および資本剰余金︶ へ移されるべき金  額︑簡単にいえは︑資本化されるべき金額をいかなる基礎に  よつて定むべきかの問題である︒この第一の命題を考察せん  とするのが本稿の︑二︑株式配当の性格について︑であり︑第  二の命題を考察せんとするのが︑三︑配当株式の発行価格比つ  いて︑である︒   

以下︑資本会計の見地よりみたる株式配当について論旨を進  

めてゆきたい︒  

︵1︶ 山下勝治著﹁会計学二恨理論﹂昭三四︑九頁︒  

また︑多数の人が企業主体論をめぐる論争を展開して  

いる︒例えば︑スプローズは︑棚プロプライユタリー  

・セオリー︵PrOprietary tFeOry︶︑蘭エンティティ  

・セオリー︵Entity t訂Ory︶︑闇よンタープライズ  

・セオリー︵Enterprise theO苛︶︑㈲リーガル・セッ  

ト︒セオリー︵Lega−set tFeO童︶︑の四説をあげて  

それを明らかにしている︒R.T SprOu町e.The ST  

gnificance Of the COnCept Of the COrpOratiOn in  

AccO仁nting Ana−ysis一tFe AccOunting Reくiew︸  

J已y小−治りpp.u3・Uご.   

︵2︶ 高木教授ほ︑この equityの概念を︑ぺートンのいう  

﹁持分︵equities︶は貨幣額で示される権利を資産に  

対してもつ当事者の問に︑資産の全体が公平に割りあ  

︵四六五︶一四五   

OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ

(3)

第三十四巻 第五・六号  

てられ︑︑または配分される関係であると定義すること  

ができる︒﹂の所説を引用されて︑持分という用語  

は︑企菜の資産に対する請求権を総称するものであ  

る︑と説明されている︒高木康雄・龍家勇〟郎共著﹁  

会計学新講﹂昭三六︑二〇三賞参照のこと︒  

︵3︶ 丹波廉太郎著﹁資本会計−資本会計の理論≒﹂昭三  

二︑二九頁︒  

︵4︶ 企菜会計原則は︑第三︑貸借対照表原則︑4︑︵貸借  

対照表科目の分類︶︑闇︑資本︑B︑第二項におい  

て︑﹁資本剰余金ほ株式発行差金︵額面超過金︶︑無  

額面株式の払込剰余金︑固定資産評価差益︑減資差  

益︑合併差益︑再評価積立金︑国庫補助金︵建設助成  

金︶︑エ事負担金︑保険差益等に区別して表示しなけ  

ればならない﹂と記載している︒  

︵5︶ 利益剰余金については︑企業会計原則は︑その第三︑  

貸借対照表原則︑4︑︵貸借対照表科目の分頬︑矧︑  

資本︑B︑第三頓において︑﹁利益剰余金は︑利益準  

備金︑任意培立金︑当期末処分利益剰余金軋区別して  

表示する﹂と記載している︒  

︵6︶ 丹波康太郎著︑前掲書︑三貢︒  

︵7︶ 毎日新聞︑昭和三十四年二月三日︑朝刊は︑︑﹁大和  

証券では︑二日︑東京証券取引所上場の三︑九月沃野  

会社三百三十九祉につき︑三月決算の予定を集計し   ︵四六六︶ 劇四六  

た︒この緒果︑不況期決算の持色として︑昨年下半期  

からふえた小刻み無償︵資産再評価積立金の資本組入  

れによって新株を発行し︑無償で旧株の株主に交付す  

る︶や株式配当︵現金の代りに株式を配当する︶はや  

がありながらも︸資金の社外流出を防ぎ︑資本の内部   はり多く︑合計土十三社︵前期二十七杜︶にのほる見  込である︒しかし︑前期は利益自体が計上できず︑配  当資金の手当もできないま⊥に小刻み無償や株式配当  を行ったところが多かったのに対して︑今期は配当金  

留保をほかるために︑これを継続するところが多くな  

るようである︒﹂と報じている︒   

︵8︶ 毎日新聞︑昭和三十四年二月六日︑朝刊︒  

こ︑株式配当の性格について︒   

l︑財務会計としての資本会計の任務とその課題︒   

企集会計の目的ほ︑その企実の期間損益計静を明確に認識  

し︑把握し測定するとごろにある︒それゆえに︑企集会計の仙  

領域を構成する資本会計においても︑当然︑その目的をもち︑  

その説題を担っている︒ところが︑企業会計それ自体ほ全一的  

なものとして存在するが︑これを把捉する立場の相違によっ       ︵ l︶  て︑一つは財務会計として︑他は管理会計として現出する︒資  

本会計も︑もちろん︑管理会計的な問題を有しているが︑今  

日︑企業会計匿おいで具体的な解決すべき問題として取り上げ  

られているのほ︑主として︑財務会計としての資太の問題であ   

(4)

ろう︒それゆえに︑ここで︑株式配当の問題を論攻して行くの  

も財務会計としてのそれに限定することにしたい︒   

では︑この財務会計としての資本会計ほいかなる課題をもつ  

のであろうか︒   

これは企業会計の轟の目的を凝視した時に必然的に考察しう  

る︒すなわら︑丹波教授も説かれるどとく︑そこには︑二つの  

︵2︶  課題が存在するであろう︒   

その筋州は︑財務会計上の根本概念である資本と利益の区別  

をできうるかぎり顔確ならしめて︑期間損益を明瞭に認識し︑  

測定するために︑資木をいかに考えるかであり︑その第二は︑  

明瞭に認識し測定するということのみではなくて︑もともと企  

業紅投下された狭義の資本︵資本醸出および資本修正︶と企業  

の外部紅流出せしめられないで︑内部に留保されたところの留  

保利益の両者の区別を紘続的に保持することにある︑と考え  

る︒   

この基本的範疇の一つ︑すなわち︑通常︑利益剰余金と称せ  

られる留保利益は︑営業過程を通じて生じた新しい追加資産を  

特定的にあらわしているものではなくて︑それは資産総額に対  

する利権︵interest︶をあらわしているという点紅おいて︑も  

う山つの基本的範疇︑すなわち︑狭義の資本︵顧出資本および  

資本修正︶と頬似した性格をもっている︒この点紅︑両者は合  

しで会計上︑資本と呼ばれる根拠が存するので 

しかしながら︑狭義の資本︑換言すれば︑醸出資本および資  

資本会計の見地より見たる株式配当について   本修正ほ︑もともと︑株主持分そのもの1側面の変動として生  じ︑これに対して︑留保利益は広義の資産利用または負債の処  理の結果生ずる利益の中から株主持分に附加された部分である  という点において︑両者ほその発生源泉を全く異にするもので  ある︒このことは論旨を進めて行く上において非常に重要であ  る︒   

では︑なにゆえに︑留保利益の資本化と考えられる株式配当  

が現実に行われるのであろうか︒   

2︑株式配当と資本充実との関連︒   

わが国の企其の琴木桶成は︑戦後︑非常に不健全であるが︑  

最近︑設備授資増大などのために︑益々不健全になってきてい  

る︒大蔵省の昭和三十三年の全法人企業統計年報によると︵調  

査対家は︑わが国の全法人︶︑自己資本三十五︒五%︑他人資  

蕃七十四・五%となっている︒この不健全な資本構成がもたら  

す収益性と資金の両面から自己資本充実の必要性が叫ばれてき  

︵8︶  

ているのである︒また︑株式配当ほ配当資金の調達が困難な場  

合に︑それを避ける方法ともなり︑また︑株式の市価を低め  

て︑その市場性を増大ならしめるという効果も持つ︒あるい  

︵4︶ は︑株式資述を増加する目的でも行われる︒   

3︑株式配当と株式分割   

株式配当は利益剰余金を現金で配当するに代え︑新株式を発  

行して株主に無償交付するものである︒これに対して︑株式分  

割ほ︑T株を二株またほ三枚等に分割するのであって︑株数ほ  

︵四六七︶一四七   

OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ

(5)

増加するが額面が減ずるので︑株数に額面を乗じた資本金額は  

変化せず剰余金勘定も少しも影響を受けない︒それゆえに︑元  

帳記入は〟切不必要である︒必要なことは各株主の持株数の増  

加を示すぺく︑補助得たる株主元帳の修正記入をなすにとゞ  

まる︒この両者は︑発行株式数を増加することほ共通である  

が︑しかし︑株式分割は剰余金にも資本金にも何等の変更を示  

さないのに対して︑株式配当牒利益剰余金の資本化を結果する  

のである︒しかしながら︑株式分割は株式配当と結合してなさ  

れうるし︑アメリカにおいてはその例ほ稀ではないことは注意  

︵.J︶ を要するべきことであろう︒   

4︑株式配当の配当源泉︒   

さて︑上述虹おいてほ︑株式配当の配当源泉としては︑一応  

利益剰余金であるとしてきた︒しかし︑これで正しいのであろ  

うか︒アメリカで見られる払込剰余金または資本剰余金︵pai−  

d⊥nOrCapita−岩rpFs︶︑未貫現増価剰余金ないし再評価剰  

余金︵unrea−i諾d appreciatiOn SurpFs Or蒜くa−uatiOn Sur−  

p−us︶を源泉とする株式配当ほ理論上肯定しうぺきものであろ  

うか︒   

このことについては︑つぎの諸理由で反対せざるを得ない︒  

甜︑払込剰余金または資本剰余金を株式配当の配当源泉とする  

こ七は︑それが広義の資本として把握されているのであるか  

ら︑根本的にいって︑株式配当の配当としての実質的意義に乏  

しいよう紅思われる︒また︑会社が二種以上の株式を既紅発行   ︵四六八︶一四八  

している場合には︑一グループに関係する払込剰余金が他のグ  

ループに移され︑それに依って前者のグループの利益ほ侵害さ  

れることになる︒②︑未実現増加剰余金ないし再評価剰余金を  

株式配当の配当源泉とすることは︑州︑これら剰余金が資産評  

価という不確実な基礎に立っているし︑もし仮に︑確実なもの  

であったとしても︑たゞ単に︑固定資産価値が大監なったとい  

うだけでは︑会社がをの営業から特に大きな利益をあげ得たと  

いうことにはならない︒㈲︑株式配当が行われた場合︑株主ほ  

通常︑その結果生ずる増加資東金は将来少くとも従前と同一率  

で現金配当が行われることを期待するであろう︒ところが︑も  

し将来︑より大なる利益が生ずるのでなければ︑その緯果は運  

転資本の欠乏を招来するどとき配当支出となるか︑あるいほ︑  

より大なる資本化にもとづく現金配当率の引き下げを来すかの  

いずれかになる︒H︑貨幣購買力の変動によらないで専ら資産  

そのものゝ需給関係を反映した評価剰余金ほ末実現増加を示す  

ものであり︑それが実現した瞭龍︑利益剰余金に計上さるぺき  

ものである︒しかるに︑この種の剰余金からの株式配当を許す  

ときは︑評価益実現の際にそれを利益剰余金に振り替えること  

を不可能にする︒︑肖︑貨幣価値の下落に基因する剰余金を株式  

配当によって資本化することが︑もし許されるとするならば︑  

貨幣価値が上昇し物価が下落tた時には︑遂に資本減少化を許  

きねばならないことになる︒この物価の騰貸および下落ぬとも  

なって資本化︑資本減少化を認めることは企其の投下資本串よ   

(6)

l  

び利益剰余金に関する真実の事実を不鮮明にする︒以上の理由  

から︑払込剰余金および資本剰余金︑未実現増価剰余金ないし  

再評価剰余金を配当源泉とすることは︑現金配当に比し︑ま  

た︑株式配当の特殊な性格から見る場合においても︑反対せざ  

るを得ない︒   

この意味において︑それほ︑矢張り利益剰余金を配当源泉と  

することが正しいと考える︒ぺイトンも﹁株式配当という語の  

使用ほ︑もし適当に用いられるものとすれば︑それほ配当株の  

発行が利益剰余金の資本化をきたすどとき場合に限定されるぺ  

︵6︶ きである﹂と述べている︒   

S︑額面株式発行の場合と無額面株式発行の場合︒   

わが国の商法ほ︑一配当される株式が額面株式の場合には額面  

金額を︑無額面株式の場合には株式配当を決議する株主総会で  

定めた価額を︑それぞれ︑その発行価額とすることを規定して  

いる︒したがって︑株式配当軋充てる利益額を額面金額または  

株主総会で定めた金額をもって除した数が︑配当に際し発行さ  

れる新株数となる︒会社が資本金紅封上すぺき金額ほいずれの  

場合においても発行価額ぬ株数を乗じた金額たることが商法上  

要求されている︒したがって︑株式配当の場合にはプレ︑︑︑アム  

または払込剰余金の計上は現行商法でほ許されていない︒   

6︑自己株式配当の場合︒   

現行商法でほ︑授権株数中に必要数だけの未発行株数の存在  

することが必要である︒アメリカにおいてほ再取得した自己株  

資本会計の見地より見たる株式配当について   式︵社内株︶をもって株式配当に充てることが許されている  が︑わが国の商法ほ認めない︒この自己株式配当の場合にほ︑  利益の減少は記録されるが︑これにともない資本金の増加ほき  たさない︒したがって︑必ずしも︑配当利益の資本化︵狭義︶  ほ生じないことになる︒アメリカ払おいても︑自己株式︵社内  株︶が余りに多くなったとき︑その処分方法の山つとして行わ      ︵ 7︶ れる︑いわば例外的な場合にのみ行われる︒   

フ︑選択配当の場合︒   

利益配当につき︑現金配当を受けるか︑あるいほ株式配当を  

受けるかの選択権を株主に占えた選択配当という制度がアメリ  

カにおいては認められているが︑現行商法ほ認めない︒もっと  

も︑利益配当の全部を株式配当とすることをしないで︑こ即を  

現金配当とすることを株主総会で決議することができるのであ  

り︑前述の駒井鉄工所のどとく︑現行商法においても認められ  

ている︒   

8︑普通株と優先株の発行の場合︒   

未発行株が普通株と各種優先株からなる場合ほ︑株式配当に  

あたり︑それぞれの藤枝の未発行株数の範関内のみにおいて︑  

それぞれの種粗の新株を発行しうる︒   

9︑端株の処理︒   

株式配当を行ケ場合には︑端株が生ずる︒この場合において ︵ 

8︶ は︑端株を売却処分して配当することが妥当である︒   

⊥0︑一時的株式配当と定期的株式配当︒  

︵四六九︶ 小四九   

OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ

(7)

第三十四幾 第五・六号   

留保利益を源泉とする株式配当ほ概して多額の一時的株式配  

当︵訂rge OCCaSiOna−stOC打diまdend︶の性質をもっており︑  

これを実施したわが国の実例としては︑志村化工︑三洋電機等  

の留金社があげられる︒これに対して︑当期利益を源泉とする  

株式配当は現金配当に部分的にか︑あるいほ︑全面的に代る意  

味をもつ少額の定期的株式配当︵smaupe邑dic st訂k diくid・  

edn︶である︒この場合︑いか程の配当株式数を発行するかは次  

期以後の配当紅も特に影響するところが大であるため慎重な考  

慮が払われねほならない︒わが国におけるこの実例としてほ︑ ︵ 9︶  松下電結︑東洋製糖等の諸会社のケースがあげられる︒   

ュ1︑非所得性︒   

さて︑株式配当を配当会社から見た場合︑それほ利益分配で  

あるか否か︑また︑株主から見た場合︑その受入株式配当は所  

得であるか否か︑について考察することとしたい︒以下︑フリ  

ーマン ︵E.S.句reem賀︶︑ハズバンド︵G●R●Husband︶︑ウ  

ィルコックス ︵E.B.Wi−cOエ︑ぺイトン ︵W●A.patOn︶ 

メイ︵G.〇.May︶︑セイドマン ︵草野S2idm琶︶紅ついてみ  

ることにする︒  

ニューヨーク株式取引所上場委員会ほ﹁株式配当ほ受入株主  

の所得として計上してよい﹂という見解を示した︒これについ  

て︑フリーマンほ﹁会社が利益をあげれば株主の富は増加す  

を︒配当新株式ほ造出された富をあらわし︑したがって︑株主  

︵10︶  の利益である﹂と述べて所得説を主張したのである︒これを普   ︵四七〇︶ 仙五〇  

遍して︑むし仮に︑企業主体説に立つならば︑企業の稼得した  

利益ほ企業自体の利益であり︑株式配当によってそれが株主に  

移転するのであるから︑株式配当は株主の所得を構成すると主  

張するのほ︑ウィルコックスである︒ウィルコックスほ﹁株式  

配当を現金配当と同じく利益と認める考え方ほ︑会社の利題を  

株主の利益とほ別個のものであるとする考え方を承認すること  

により︑必然的に出て来る考え方であり︑この考え方ほ正しい  ︶ ﹂と述べこれに対して︑約毒後に︑ハズバンドほ﹁企共  

主体説︵Entity COnCept︶をとれは︑株式配当は利益配当で  

あり︑代理人説︵Agency COnCept︶ をとれば︑いかなる配当  

でも株主の利益ではない﹂と述べ︑ハズバンドはクィルコック  

スと版本的匿異なる立場︑すなわち︑代理人説に立つ考え方を ︵ 12︶  支持し︑株式配当の解釈についても非所得説をとる︒ペイーン  

は株式配当の木質を株式分割の劇形式として理解し︑株式配当  

は利益の資本化をともなう分割であって真の配当ではないとす  

る︒何故ならば︑会社の資産が株主の手に移るのでなけれほ配  

︵娼︶  当でないと解釈するからである︒また︑ぺイトンほ株式配当が  

行われた後の株式の市価を考えても株式配当は株主正利益を与  

︵14︶  えるものでほないことを強調している︒メィは別の根拠から株  

式配当の非所得性を説明する︒すな.わち︑株式配当ほ株主紅と  

って未実現利益であるから株主の会計‰おいて実現された利益  

でほないのであり︑利益の認識にと?て不可欠の要件ほ︑利益  

が現金または等価物の形に現実にまたほ椅橡的に実現すること   

(8)

である︒したがって︑会社の未分配利益である株式配当ほ株  

︵15︶  主の利益でほないことを強調する︒セイドマンはまた異なった  

主張をする︒すなわち︑﹁同族会社の場合にほ代理人説が適合  

しても︑会社は株主とは別のエンティティであることは確かで  

ある﹂として﹁企菓主体説が採用されねはならない﹂という︒  

そして﹁エンティティの見地からすれば会社の留保した利益ほ  

会社自体の持分である︒会社の得た利益ほ会社たるエンティテ  

ィのものであり分配されるまでほ会社の持分として残るのであ  

る︒これほ貸借対照表に株主の持分であるかのように表示すを  

ことほ矛盾のようであるが株主は会社の資産に対するポテンシ  

ャルな請求権をもつのであり︑これにもとづいて会社の持分た  

る留保利益が株主の持分として資本の区分鱒衷示されているの  

である︒このポチヤシヤルな誇求権はある偶発的事件 − 会社の  

解散 − が生じた時に行使されるにすぎない︒資太の貸借対照  

表の表示ほ会社の清算という仮定の上に立っているのである︒  

ゴーイング・コンサーンとしての会社にあっては会社の留保利  

益の分け前に対する株主の強制しうる請求権は実質上ゼロであ  

る︒会社が利益をあげ会社の資産が増加すると株主のポテンシ  

ャルな請求権ほ増加するが︑それが直ちに行使しうる権利でほ  

ない︒各個の株主ほ会社利益に対する各自の比例的持分を会社  

の資産から支払って貰うことを要求することは全く不可能な立  

場にある︒この意味で会社の冨の増加は現実の問題として株主  

の利益をあらわすものでほない﹂ ﹁株式配当の会計処理として  

資本会計の見地より見たる株式配当について   会社自体の持分の山部が他の状態に移されるがそれによって株  主が前よりも富んだ状態になったとは決しで言えないのであ  る︒配当新株式の発行によって会社の留保利益持分における株  主の権利が増大することはない︒会社の資産に対する株主のポ  テンシャルな請求権は株式配当前も後も全く同じであり︑当座  的見地からすればそれは事実上ゼロなのであり︑会社自体の持  ︵摘︶ 分は減殺されないのである︒﹂と述べる︒   

かように所得説︑非所得税が様々に議論されている︒しか  

し︑われわれは前述のごとく株主が会社のために財産を提供し  

た場合には︑会社はこれを会社資産として把握し︑株主に対し  

てほその特定財産を失った代りに取得するにいたった会社資産  

総体に対する一般的︑包括的な権利すなわち株主持分と痙解し  

た︒そしてその株主持分は会社の活動発展にしたがって増大す  

るものであった︒このゆえに︑われわれは株式配当は非所得の  

性質を有するものであり︑またそのゆえに︑非課税の性質を持  

つものと考ゝ且る︒何故ならば︑もし︑会社の活動発展にしたが  

って利益が発生しその利益を源泉として株式配当を行った場  

合︑期首に比し株主の実質的持分を増加したという理由でこの  

株主配当を所得であるというならば︑その利益剰余金が株式配  

当に充てられずそのま1繰り越される場合にも株主に所得があ  

ったものとみなさなければならないこととならう︒株主持分を  

会社資産総体に対する山般的︒包括的な権利と考えるわれわれ  

は︑繰越利温剰余金が株主の所得でないのと同様に︑利益剰余  

︵四七こ一言二   

OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ

(9)

第三十四巻 第五・六号ノ  

金を資本金に振酋えて生ずる株式配当もまた株主の所得とする  

︵17︶  ことは認めがたい︒そして︑会計処理上の問題については丹波  

︵18︶  教授が指摘されるどとく︑株式配当を受けても︑有価証券勘定  

の金額を増加する必要はなく︑たゞ所有株式数の増加を示す補  

助簿への記入がなされるに止ま云てよい︒その結果︑株式の﹁  

株当り取得価額は従来のま1の有価証券勘定の金額を配当新株  

を合しての所有株数で除して求められることになり︑後白︑こ  

の種株式を売却した時︑この取得価額を基礎として譲渡所得を  

計算し︑これに課税するのが適当である︒  

︵ユ︶ 財務会計と管理会計の立場については︑盲川栄者﹁  

内部統制組織﹂昭三六︑二七頁以下︒溝口仙雄著﹁管  

理会計﹂昭三二︑四五貫以下︒拙稿﹁管理会計の性格  

に関する一考察﹂香川大学経済論叢弟三十四巻第四菅  

山九六山年︑一貫以下︑参照︒   

︵2︶ 丹汲康太郎教授談話﹁資本会計の基本問題﹂座談会出  

席者・黒沢清・山下勝治・丹波廉太郎・番場嘉一郎・  

渡辺進︑企業会計第十幾 筋七号︑昭三二︑ニー七  

貫︒   

︵3︶ 三菱経済研究所東邦事集成按分析によると︑昭和五−  

十一年平均︵たゞし調査対象は二百九十六社︶は自己  

資本六十︒七%︑他人資本三十九・三%であるから︑  

これと比較して︑資本構成は甚しく悪化していること   るために︑公称資本を増加する目的で株式配当が行わ  れた﹂ことが太田博士によって紹介されている︒太田  膏三稿﹁株式配当と株式分割﹂企業会計第九巻第†二  号︑昭三二︑七貫︒  

︵5︶ 丹波康太郎稿﹁株式分割﹂平井泰太郎編﹁経営学辞典  

﹂昭三〇︑五山三東︒  

︵6︶ W.A.PatOnd E紛entia−s Of AccO仁ロtingu−誤りu p.  

りN∽.  

︵7︶ 丹汲康太郎稿﹁商法改正とストック・デイビデントの  

会計﹂企発会計労二巻第五号︑山九五〇年︑ハ頁︒  

︵8︶ 矢沢惇談話﹁株式配当の研究﹂座談会出席者︑太田哲  

一一㌻番場嘉一郎・矢沢惇・塩崎潤︒内田幸雄︑産業経   

︵4︶  

︵四七二︶一五二  

が判る︒   

また︑右分析報薯書によると︑アメリカ︑〟九五六  

年︵調査対象二百九十三社︶は自己資本六十一・五  

%︑他人資本三十八・五%︑イギリス︑一九五八年︵  

調査対象八百四十三社︶は自己資本六千五・仙%︑他人  

資本三十四︒九%︑西ドイツ︑山九五八年︵調査対象  

千二百四十八社︶ほ自己資本四十二︒仰%.他人資本  

五十七・九%であるから︑諸外国と比較して︑現在の  

わが国の資本構成状他心が患いことが判る︒  

﹁常山次欧州大戦後︑アメリカの諸会社は超過利得税  

︵嚢太金の叫割を超過した利益に対する諌税︶を免れ  

(10)

理第十八巻第二号︑昭三二︑九九京︒  

︵9︶ この実例については︑内田幸雄談話﹁株式配当Ⅵ研究  

﹂前掲審︑一〇三頁︒  

︵10︶ フ㌢−マンほ﹁会社が利益をあげれは株主の富は増加  

する︒会社が利益を実現すれ・ば︑株主はそれ以前には  

持たなかったあるものを持つに至ることは確かであ  

る︒期首監おける株主の持株は一株当りある金額の贅  

東金をあらわすが︑期末には一株が同額の資本金プラ  

スある利益をあらわすことになる.︒会社がこの利益を  

財源として株式配当を行えば︑配当後において株主は  

期首の資本金によって代表される配当株式とを持った  

結果になる︒配当新株式ほ造出された富をあらわし︑  

したがって株主の利益である﹂という︒E.StFreebPl  

StOCk Diまdend and ZewYOr芥StOC狩EHCFan−  

an一  

ge一Amer岩an EcOnOmic ReYiewu Dec.L∽UL p.  

の∽ひ.  

︵11︶ ウィルコックスほ︑一九五二年十仙月︑A・Ⅰ・C・  

P・A︵当時A・Ⅰ・A︶の会計手続要点会が株式配  

当に関するリサーチ・ブレティン第十劇号の改訂版を  

出し︑前回と同じく︑企業主体説のユ∨瘍に立ちなが  

ら︑﹁株式配当ほ受入株主紅とって利益でない﹂とす  

る主張に対して反対し﹁それは利益である﹂と主張し  

た︒E・B﹂票−cO㌘Acc2nting f︒r St︒C打Diまdヤ   

治水会計の見地より見たる株式配当について   nd⁝A望ssent frOm Current RecOmmended pr−  actice.10彗na−Of AccOuntanCy小 August︶ ト拐じ小  p.−拐.  

︵ほ︶ ハズバンドほ﹁企業主体説をとれほ︑つぎのように考  

えるべきである︒Ⅲ会社の穣得した利益ほ企業自体の  

利益であって株主という参加者の利益でほないこと︒  

蘭留供されている利益は企業の持分それ自体を構成す  

ること︒㈲企其の持分それ自体を減少する資産分配︵  

現金配当︶またほ企其の持分それ自体の一部を株主に  

移転する取引︵株式配当︶ ほいずれも従前株主のもの  

ではなかったものを糠主に移転するのであるから︑株  

主の利益を構成する︒これに対して︑代理人説または  

株主集合体説をとれば︑企業の利益ほその実現した瞬  

間に株主の利益を構成する︒企業に留保されている利  

益は株主の出費の山部である︒したが王で︑現 金配当  

にせよ︑株式配当にせよ︑配当はすべて株主の利益と  

して説明されるぺきでない︒現金配当ほ山⁝質した負本  

の引軒出しにすぎない︒株式配当ほ従前の利益が株式  

形態に変えられたということの正式な証拠をつくるに  

すぎない︒発生主義の過程を考えれば会社が利益をあ  

げた期にその比例的分け前に対して株主は課税される  

べきなのである︒現金主義の課税を考えれは会社の利  

娼の比例的分け前が現金化した時書たほそれが株主の  

︵四七三︶一五三   

OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ

(11)

第三十田巻 第五・六号  

懐に現金で入った時課税することが妥当なのであるが    現実に会社ほ個人の組織であり会社組織における企業   

主を構成するのは普通︑株主であり経済的見地からす   れば会社ほ代理人粗放であってこの執冥を認識する場   

合に会計により現実性をもつ﹂と述べている︒G・R・   

Husband一丁訂EntityCOnCepニnAccOuntin的↓   

t訂AccOunti扁ReまewいOctOberL3心︸p・浣りり   

このハズバンドの所説については丹波教授の詳細な相   

介がある︒丹波康太郎稿﹁ハズバンドのエンティティ   

観﹂会計第六十七巻第四号︑五〇二−五一〇一飼︒ま   

た︑このハズバンドの代理人説の所説について︑高木   

教授ほ﹁会社を多数の劃般株主にょって構成される公   

募会社と︑少数の同族等によって構成せられる個人的   

会社とに区別して考えなけれはならない﹂とされ︑﹁   

後者の場合ほ⁝⁝代理人脱が妥当することは疑う余地   

がない︒﹂が︑﹁前者の場合は⁚・⁝⁝  大部分の個人株   

主と会社との関係ほ単に間接的なものであり︑而も極   

めて微々たるものである︒少数の集中株主は取締役会   

の一員として経営に債接の影響力を与える︒然しなが   

ら大部分の人々にとっては株式所有ほ単なる投資の山   

形態に過ぎない︒﹂ 岬経営に直接参加するのは︑比較   

的少数の株主を所有する山部の株主達であることが多   

い﹂のであり﹁このような劇団の人達が利害や希望を  

ー  

異にする多数の公募株主のために代理人として行動し   ているとみることは因雉である﹂とされ︑﹁会社を株  

主の代理人とみるよりも︑別個の実体とみることがよ  

りよく実状に合致するものと考えられる︒﹂と述べて  

おられる︒高大康雄柄﹁株式配当について﹂香川大学  

経済論叢解三†巻第二・三甘︑W一九五七年︑一四八−  

山四九頁︒  

︵鱒︶ ぺイトンは︑その著︑W・A・Pat芦Ad畠nC2dAccO  

unting﹀ト∽望﹀℃.照∞.において︑株式配当は株式  

分割の一種であるとして︑これをざe百三已き扁−  

といっている︒  

︵14︶ W‖A・PatOnand宅 A・Pa−On﹂−・︸CO昌Orat宮  

AccO告tS and Statementsu︼拐∽.p●︸N∽・  

︵誓 G・?May︶S−OCk出キュhendandCOnC2ptOf  

HncOme.JO已hna−Of AccOun−ancy小OctOber∵忘盟・  

pp.企N†BL  

人望 N・B・S2idm芦→b2D2−2rminatiOnOfStOCk・  

hOEe巧HncOヨe.t訂AccOunting Re5eW﹀J嘗uary 

P拐のM PP‖票−り○  

︵u︶ 株式配当の非所得性を論ずる論文ほ多数ある︒例え  

ば︑高木康雄稿﹁再び株式配当について﹂香川大学経  

済論叢第三十二巻讐二・四︒五号︑一九五九年︑二四  

〇−二五〇頁︒   

(12)

︵望 丹波廉太郎縞﹁株式配当の課税問題﹂国民経済雑誌第  

八十五巻第一号︑昭二七︑四三頁︒  

三︑配当株式の発行価格について︒   

配当株式の発行価格の基準については以下に述べる四つの基  

準を考えることがでせよう︒   

その第〟にあげうるもの︑は︑額面重視または表示価格基準  

︵par−くai完OrStated表−ue訂sis︶ であろう︒これは︑い  

わば割的に券面額を基礎としてなされうるのである︒この額  

面金勧または表示価格基準の根拠ほ︑川基礎価額として客観的  

に明瞭であること︑回︑しかも︑配当株式がその株種の株式に  

のみ配当されるかぎり︑額面株の叔低発行価格たる額面株を基  

礎としても何等不公平ほ生じないこと︑瞥﹂れを求めることが  

できる︒  

とれに対して︑その第二にあげられるものは︑払込価額基準  

︵paid⊥nくalue訂sis︶である︒′これは株式配当に.際して︑  

利益に借記さるべき金額の基準として一株当りの払込資本をと  

るものであり︑一株当りの払込資本とはへ資本金として計上さ  

れた金額の二坪当りのものと資水剰余金︵払込剰余金︶として  

記録された劇株当りの金紙との合計である︒この払込価額基準  

の触拠は︑抑︑ごれによってのみ仙株当りの払込蟄本︵この払  

込柴本こそが会社虹技下された真実の農本の尺度である︶の完  

全性と︑株式分割と称式配当の間に合理的な区別を維拍しう  

る︒国︑また︑この払込価額基準に固有な根拠でほなくて︑箱  

資本金計の見地より見たる株式配当につぃて   価基準にも妥当することであるが︑例えば︑配当普通株を優先  株主に与えるごとき場合にほ額面金額または表示価額基準によ  ってたんに資本金に発行配当株式の額面総計を貸記するだけで  ほ足らないのであって︑これとともに︑資水剰余金への貸記が  是非とも必要である︒そうでなければ︑普通株主の血株当りの  キャピタル・パヮユーの稀薄化ま允は損傷を生ずることになる  からである︒   

その第三にあげられるものが巾価基準︵marketくaluebas−S  

︶である︒これは公正な市価を基準とするものであり︑具体的  

には最近の一年皮中における実際の苗場相場の平均である︒こ  

の巾価基準の根拠略︑川︑デリカンも述べるどとく︑﹁株式配  

当がなされるとき∵贅太化される利益剰余金ほ発行株式の対価  

を構成するものであり︑それは市場と密接な関係をもづのであ  

る︒もし仮に︑株式が売り出されるとすれば手取金の総額が資  

本金鱒貸記されるか︑あるいほ山部を西本金に他ほ払込剰余金  

に貸記されるかであろう︒そこで︑もし︑株式を売り出したと  

して受け取られるであろう金額より以下のものが配当株式の発  

行に際して利益剰余金に稽記されるとすれば︑その経理はその  

差額に等しい金礪を実質上へ払込剰余金から利益剰余金に移し  

たと同山になる︒ゆえに︑市価鵜準に拠らなければならない﹂  ヘー・し  という︒画︑谷∴つの根拠は それが苗価という普通高い基準  

に求められるゆえに︑配当株の発行を掛軸するという効果をも  

つ︒  

︵凹七五︶ 二五五   

OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ

(13)

第三十四巻 界五・六号 

この市価基準を採用する場合︑モントゴメリーもいうごと   

︵2︶  

く︑たゞたんなる最近一年度中の市場相場の平均を滴価とする  

のでほなくて︑配当株として発行される株式なも索虚ぬ入れて  

その市価を修正し︑その修正された市価を基準にするぺきであ  

ろちノ︒   

この市価基準紅対して︑ぺイトンは﹁市価基準は何等合輝的  

な基礎をもつものではない︒留保利益の資本化は留保利益をい  

ま二つの株主持分のセクションである資本へフォーマルに移転  

せしめることを意味するのであるが︑一株当りの市価は資本と  

留保利益の双方を含めた株主持分の証券市場払おけるその時の  

評価額をあらわすものであり︑したがって︑劇つのセクション  

から他のセクレヨソへの移動を生ぜしめる場合の尺度として︑  

この双方のセクンヨンを含めた市価な用いるという提案には何  

等の調和も理由も存しない﹂と述べ﹁より適当な会計手続は分  

母として鵬糠当グの資本帳簿価額を用いて特定金額の留保利益  

の資本化に必要な株式数を決定することである﹂と述べてい  ︵ 3︶  る︒   

その第四にあげられるものほ︑帳簿価鶴基準︵b冨k遥︼ueb−  

a乳s︶ である︒これは株式の帳簿価額を基準とするのである︒  

株式の帳尊価額とほ︑仮払金社が清辞し︑そして清算が何等利  

得又は損失さら紅費用を実現しないで行われたと仮定した場合  

に株主に支払われるであろうところの金額である︒多くの場合  

この計昇は最近の決算日現在で行われる︒この株式の帳簿価額   ︵四七六︶ 刷五六   

︵4︶  

は︑貸借対照表上の金額が正確である場合にのみ正確であると  

いうこと︑帳簿価額ほ損失を生じない清静を前麗とするが実際  

上格好ぬほ多くの場合かなり大きな利得または損火さらに哲用  

を生ずるということ︑さらに二陸以上の株式が発行されている  

時にほ計算にある程度の盗意性が介入すること等の欠点があ  

る●   

わが国商法は配当株式が額面株式であれば券面額︑無額面株  

式であれば株式配当を決定する株主総会の特別決議で定める発  

行価額をもってすることとし︑無額面株式を配当株式として発  

行する場合紅ほ︑総額を賢本金に鵜島入れ岬部といえども払込  

剰余金に計上することは許さない︒   

この配当株式の発行価額については︑上述のどとく︑それぞ  

れ一長一短がある︒・客観的な公平な基準としてほ︑やはり額面  

金額または表示価額基準と払込価額基準であろう︒   

要ほ株式配当によっていかはどの留保利益またほ当期利益を  

蟄本化し︑またそれに対していかはどの株式数を発行するかは  

会計問題というよりも︑むしろ会社別務上の問題であると考え  

られるのであり︑その発行株式数を決定する基準は額面命頼ま  

たほ東京価額基準か払込価勧基準のうらで︑その時の会社の財  

務的な判断に委ねてよいのでほないかと考える︒   

︵1︶ 芦D″只erriganけAccOunting fOぺStOCk Diまdends  

Paidu t訂AccO亡nting ReくiewいSeptember.−霊り︸  

p.u謎u   

(14)

︵2︶ R.H∴M呂tgOmeryu A仁diting晰The︒童andpra?  

tice︶−誓戸 p.余ふ.   

︵3︶ Wト.PatOロandW.A●Pat昌Lr・もp・Cit・p・︸N∽・   

︵4︶ 株式の帳簿価額を基準として採用する場合の欠点につ  

いては︑丹波康太郎稿﹁帳簿価額︵株式︶﹂神戸大学  

会計学研究室編﹁会計学辞典﹂昭三〇︑六三四日参  

︒   

四︑態︒   

企業会計の目的は正確な潮間損益計算にあるのであり︑した  

がって︑企業会計の一領域をなす資本会計もまたその誌務を担  

う︒したがって︑そのたあに資本と利益の区別を正確ならしめ  

るぺき必要がある︒そして︑噴出資本および資本修正はもとも  

と株主持分そのもの1側面の変動として生じたものであり︑留  

保利益は広義の資産利用またほ負債の処理の結果生ずる利益の  

うちから︑株主持分に附加された部分である︒株式配当は︑実   ︒  

にこの留保利益の資本化を結果するものであった︒これは会計  

理論上︑本来保持すべき留保利益と資本︵狭義︶の区別をみだ  

すことになるのであるから︑これが行われた場合には資本金に  

註記するか︑あるいは貸借対照表の脚註に記し︑まだ資本金明  

細表でこれを明らかにしておく必要がある︒何故念らば︑この  

よう乾して留保利益が資本︵狭義︶に移転されたことについて  

注意を喚起しょうとするのである︒ぺイトンとリトルトンは︑  

その著︑W.A PatOn and A.C↑itt訂tOn︸An Int岩dllCtiOn  

資本会計の見地より見たる株式配当紅ついて   言COrpOrate AccO∈nting Standards∵忘拐.p・き小 忙おい  て︑﹁株式配当は資本金の中で別個の項目として︑二れを表示  するべきである﹂とさえ言っているのである︒このことほ株式  配当の問題を取り扱うにあって必要なことと思われるのであ  る︒  

︵四七七︶ 血五七   

OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ

参照

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〔追記〕  校正の段階で、山﨑俊恵「刑事訴訟法判例研究」

第二期アポーハ論研究の金字塔と呼ぶべき服部 1973–75 を乗り越えるにあたって筆者が 依拠するのは次の三つの道具である. Pind 2009

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