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の報告で,組織学的に高分化型のメラ

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Academic year: 2021

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第91回麻布獣医学会講演要旨 69

【背景】

元来,口腔内のメラノーマは悪性度が高く広範囲な 拡大切除が必要とされてきた。悪性メラノーマと組織 的に診断され顎骨切除した症例の中でも,遠隔転移に より死亡する症例が多く見られるが,その一方で長期 生存する症例を臨床的に経験してきた。その状況下で

2008

Esplin

の報告で,組織学的に高分化型のメラ

ノサイト腫瘍の存在が示唆され,罹患症例の多くで良 好な予後が得られることが分かってきた。しかし臨床 的に顎切除後の生活の質を左右する顎骨切除の範囲や 程度について未だ検討された報告がない。

【目的】

高分化型と診断されたメラノーマに対し従来の広範 囲な拡大切除ではなく,サージカルマージンを少なく した切除方法による再発の有無を検討する。また従来 の広範囲な顎骨切除と今回行った手術の術式による術 後における動物の生活の質の維持程度と差について比 較検討する。

【方法】

症例はミニチュア・ダックスフンド,

11

歳,5.5 kg,

避妊雌。症例は左下顎腫瘤を主訴に主治医を受診す る。初診から

2

週後に他院で麻酔下での組織生検を行 い,病理組織検査結果は悪性メラノーマで,悪性度は 高くなく高分化型を疑うとのことだった。そこで顎切

除を目的に紹介され来院した。左下顎腫瘤は左下顎の 第

4

前臼歯から

1

後臼歯の舌側歯肉から起始し,吻尾 方向に幅が広い有茎状として発生していた。左下顎腫 瘤の切除方法に関し飼い主と相談したところ,サージ カルマージンは

1 cm

として下顎骨背側

2/3

切除と患 側下顎リンパ節の切除を行うことになった。

【結果】

病理組織検査結果は黒色腫であるが,組織学的に悪 性度は乏しく高分化型メラノサイト腫瘍も疑えるとの ことで,マージンはクリアであった。下顎リンパ節は 反応性過形成で,本症例の腫瘍は

T2N0M0

のステー ジ

2

であった。術後翌日より元気,食欲はあり顎切除 に伴う合併症,特に舌の変位と下垂,それに伴う捕食 困難,下顎の変位やそれに伴う不正咬合は一切認めら れなかった。現在術後

8

カ月が経過しているが, 再発,

転移もなく経過良好である。

【考察】

口腔内黒色腫が全て悪性の挙動をとるとは限らない 旨の,病理組織検査を元にした報告がなされた以上,

高分化型の黒色腫におけるマージン設定の基準を再考 する必要があると思われた。今回良性腫瘍を切除する 際に多く使用する下顎骨背側

2/3

切除を行ったが,生 活の質は術前と全く変わることなく,マージンクリア なので良好な予後が期待できるものと思われる。

第 91 回麻布獣医学会 一般学術演題 7

下顎に発生した高分化型メラノーマに対し 下顎骨背側 2/3 切除を行った犬の 1 例

○江口 徳洋

1,2

,大石 太郎

3

,田村 和也

4

,藤岡 透

4

,奥田 綾子

1,2

1

Vettec Dentistry,

2

麻布大学 解剖学第一研究室,

3

やさか動物病院,

4

倉敷動物医療センター アイビー動物クリニック

参照

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