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氏 名 藤井 和也 学 位 の 種 類 博 士 (医学)

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【 3 】

氏 名 藤井 和也 学 位 の 種 類 博 士 (医学)

学 位 記 番 号 第 5 6 3 号

認 定 課 程 名 防衛医科大学校医学教育部医学研究科 学 位 授 与 年 月 日 平成 30 年 2 月 15 日

論 文 題 目 ラットくも膜下出血モデルに対するマグネシウム脳槽内投与 および飽和水素水経静脈投与の治療効果に関する検討

審査担当専門委員 (主査) 杏 林 大 学 教 授 渡 邊 卓 順 天 堂 大 学 教 授 青 木 茂 樹 東 京 大 学 教 授 矢 冨 裕

審 査 の 結 果 の 要 旨

くも膜下出血(SAH)における急性期脳損傷は患者の生命・機能予後を左右する重大な合併 症である。これに対して近年、飽和水素水の経静脈投与による急性脳損傷の抑制とともに、

マグネシウム溶液の脳槽内投与による遅発性脳血管攣縮の抑制を目的とした併用療法の有 用性が注目されている。本研究は、ラット SAH モデルを用い、この併用療法の有効性に関 する基礎的な研究を行ったものである。

ラット SAH モデルに関する基礎実験より、SAH 発症時の脳圧が 50~149mmHg の個体 が急性期脳損傷の病態を最も明確に示すことが明らかとなったことから、この条件下で以 下の実験を行った。対照治療群(control 群)、Mg 脳槽内投与群(Mg 群)、飽和水素水経静脈 投与群(H 群)、飽和水素水及び Mg 併用投与群(H+Mg 群)、および SAH を発症させない群 の計 5 群間で、SAH 発症 24 時間後の死亡率、神経機能を評価した。また摘出脳を用いて 酸化ストレスや血管攣縮の発現状況を評価した。その結果、死亡率は control 群で 40.0%、

Mg 群で 25.7%、H 群で 20.0%、H+Mg 群で 14.3%であり、水素投与群(H 群および H+Mg 群)の死亡率は control 群に比して有意に低かった。また、水素投与群は control 群と比較し て有意に良好な神経機能を示した。また H+Mg 群は Mg 群と比較して神経機能が有意に良 好であり、また H 群との比較でも良好な傾向が見られた。組織学的評価においては、水素 投与群で DNA の酸化損傷マーカーが著明に減少しており、皮質および海馬でのアポトーシ スの抑制も認められた。脳血管攣縮の評価では Mg 群および H+Mg 群で血管径の拡張効果 と血管壁の肥厚抑制効果を認めた。

以上より、ラットくも膜下出血モデルに対する飽和水素水経静脈投与およびマグネシウ

ム脳槽内投与では、おそらく水素による酸化ストレスの軽減効果とともに、マグネシウム

(2)

による脳血管攣縮の抑制により、生命、機能予後の改善がみられることが示された。本研

究は、ヒト SAH に対する飽和水素水経静脈投与およびマグネシウム脳槽内投与併用療法の

有用性に関する基礎的な根拠を提示したものである。よって、本論文の学術的価値は高く

博士(医学)として合格と判定した。

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